JP3325583B2 - 遺伝子を同定および単離するための遺伝子トラップ構築体 - Google Patents

遺伝子を同定および単離するための遺伝子トラップ構築体

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Description

【発明の詳細な説明】 本願発明は、活性化後に第2のレポーター遺伝子(re
porter gene)を活性化しうる第1のレポーター遺伝子
を含む遺伝子トラップ構築体(gene−trapping constr
uct)、およびこの遺伝子トラップ構築体を遺伝子、特
に一時的に発現された(一過性)遺伝子の同定および/
または単離に使用することに関する。
さらに本願発明は、細胞、好ましくは上記遺伝子トラ
ップ構築体を含む哺乳類細胞に関する。これとともに、
本願発明はこの哺乳類細胞を、遺伝子、特に一過性遺伝
子(transient genes)の同定および/または単離に使
用することに関する。さらには本願発明は、遺伝子、特
に一過性遺伝子を同定および/または単離するための上
記遺伝子トラップ構築体を含むベクター、同様に少なく
とも上記遺伝子トラップ構築体またはベクターを含むキ
ットに関する。
最後に本願発明は、遺伝子、特に一過性遺伝子を同定
および/または単離する方法に関する。
ここ数年、遺伝子の単離および同定は、遺伝子技術の
重要な課題の1つである。このため、永続的に発現され
た遺伝子の単離および同定を、効果的に行いうる多くの
方法が提案されている。
ほんの一時的に発現される遺伝子、たとえばプログラ
ムされた細胞死に関与する(責任もつ)遺伝子、細胞周
期遺伝子、DNA修正遺伝子および分化特異的遺伝子など
を単離および/または同定することは極めて困難であ
る。
哺乳類中のこのような遺伝子を同定するには、キイロ
ショウジョウバエを用いた遺伝子分析法は不適であり、
“遺伝子トラップ”または“プロモータートラップ”と
称されるような、特定のベクターを介して、プロモータ
ーのないレポーター遺伝子と、細胞性遺伝子の調節因子
との遺伝子融合を誘発させることに基づいた方法が開発
されている。哺乳類に突然変異生成を書込むためのさま
ざまな種類のベクターが開発されており、これによれば
レポーター遺伝子は、転写活性領域中も含め、そのとき
に応じた多くの場所で染色体中に挿入される。遺伝子発
現のための選択の間、レポーター遺伝子は内在遺伝子の
調節因子と融合し、クローンは保持される。この方法
は、ベクターは遺伝子トラップとして働き、遺伝子機能
の解析のための極めて有用な手段となる(Hill & Wurs
t,1993中のレビュー;Hill & Wurst,1993;von Melchne
r、1993;von Melchner & Ruley、1995)。遺伝子トラ
ップベクターは、電気穿孔されたDNAも用いられるが、
多くの場合、組換え体レトロウィルスとして形質導入さ
れる。レトロウィルスは、それを全ゲノムの始めから終
わりまでのいくつかの領域中に組込んでも、隣位のDNA
をほとんど損傷させることがないという利点がある(Va
rmus,1988;Coffinら.,1989;Goff,1990;Sandmeyerら.,19
90;Withers/Wardら.,1994)。
遺伝子トラップが、マウスにおける遺伝子機能の実有
用な解析手段であることは実証されているといえる。分
化全能性マウスES(胚幹)細胞が細胞性標的(ターゲッ
ト)として使用されると、突然変異によって遺伝子機能
が不活性化されたことを表現するマウス細胞系(株)
(stains)が構築される。相同的組換えによる遺伝子分
断を用いるのとは異なり、この遺伝子トラップ法は、遺
伝子に限定されず、クローン化された配列を維持させる
ことができ、これにより未知の遺伝子を単離し、同定す
るための方法となる。
とは言えやはり、細胞中で最初に誘発されるであろう
遺伝子、すなわち、継続的に転写されない遺伝子、たと
えばプログラムされた細胞死に応答する遺伝子、細胞周
期遺伝子、DNA修正遺伝子および分化特異的遺伝子など
の一過性遺伝子を同定および単離するためには、遺伝子
トラップ中に捕獲された一過性細胞性プロモーターを、
たとえばプロモーター活性に依存しない永続性シグナル
を介して、確実に同定するための付加的な方法が必要で
ある。遺伝子トラップベクターにより感染/電気穿孔さ
れたES細胞系統中で遺伝子がほぼ50%スイッチオフされ
たマウスは、劣性表現型を発現する(FriedrichおよびS
oriano,1991;Skarnesら,1992;von Melchnerら,1992)。
この頻度は、レトロウィルスが偶然挿入されるかまたは
DNAマイクロインジェクション後に観察されるものより
も10倍以上高い(Gridleyら、1987;jaenischら、198
5)。遺伝子不活性化のこの高い効率は、遺伝子発現の
大部分(2−4×104)において組込まれた特性が発現
する細胞系統を単離するのに充分な感度であると思われ
る。しかしながら、すべての突然変異を原系統中に伝達
することはあまり現実的とはいえず、さらには遺伝子に
多くの突然変異を導入することは、あまり重要とはいえ
ない。このため、突然変異されたES細胞クローンを生物
学的に重要なプロセスまたは遺伝子にあてはまる突然変
異に代えることが望まれている。
これに関していえば、興味あるin vitroでの突然変異
からES細胞クローンを予備的に選択することを含み、こ
のためにたとえば分化特異的遺伝子における突然変異を
同定するためのレポーター遺伝子を用いる方法は特に好
ましい。培養されたES細胞は、in vivoでは発現されな
い遺伝子を発現することができるはずであり、胚中と同
様にES細胞中にも、融合遺伝子が発現されたことが12例
見つかっている(De Gregoryら、1994;Reddyら,199
2)。さらに、in vitroでの分化における融合遺伝子の
発現中の変化は、in vivoでの発生における発現中の変
化に極めて近いものを予測させることを示す例もある
(Reddyら,1992)。in vitroで調節される遺伝子は、in
vivoでも厳密に調節されることは、早くからの観察に
より一般的に認められている(Muthuchamyら、1993,Rap
poteeら、1988;Rogersら、1991;Scholerら、1990;Sharp
eら、1990)。
したがって本願発明は、遺伝子、特に一過性遺伝子
を、とりわけ好都合な手順によって単離および同定する
ことができるような遺伝子トラップ構築体を提供するこ
とを目的としている。本願発明のさらなる目的は、この
遺伝子トラップ構築体を保持するベクター、同様に細胞
とともに、遺伝子の同定および/または単離のためのキ
ットを提供することである。
最後に、本願発明の目的は、遺伝子、特に一過性遺伝
子の同定および/または単離のための方法を提供するこ
とである。
これらの目的は、独立クレーム1、16および21、細胞
についてのクレーム18、ベクター、23、キット、24およ
び方法クレーム25の条件によって達成される。
本願発明の好ましい実施態様は、下位クレームに示さ
れる。
ここで“レポーター遺伝子”は、転写に基づいてたと
えばタンパク質産物などの認識しうるシグナルを生じさ
せる核酸配列を意味する。“第1の”レポーター遺伝子
は、それが組込まれた隣接位の細胞転写シグナルを介し
て調節される。一旦、第1のレポーター遺伝子が活性化
されると、第1のレポーター遺伝子産物は“第2の”レ
ポーター遺伝子の活性化を引き起こし、この第2の活性
は永続的、すなわち、第1レポーター遺伝子をコントロ
ールするDNA領域の転写活性に影響されない、第2のレ
ポーター遺伝子は、証拠となる遺伝子産物、たとえば酵
素、色反応で確認しうるものまたは成長因子などをコー
ドするものであり、そのために選択される。第1および
第2レポーター遺伝子の組み合わせにより、一時的に発
現されたプロモーターであっても、第2のレポーター遺
伝子の産物である永続的シグナルの手段によって顕在化
することができる。第1および第2レポーター遺伝子
は、通常の構築体中に存在してもよいし、あるいは細胞
中のさまざまな場所に存在するさまざまな手段により有
効となってもよい。本発明に係る遺伝子トラップ構築体
は、この点では結果的に、原理上は公知の遺伝子トラッ
プ構築体の組合わせであり、たとえば第1のレポーター
遺伝子構築体に相当するUS5364783中に記載されたもの
と、本発明の第2のレポーター遺伝子構築体物にあたる
プロモーター活性に関係なく永続的産物を生じうるさら
なるデバイスとの組合わせなどである。
本願発明のクレーム1によれば、活性化後に第2のレ
ポーター遺伝子を活性化しうる、組換え酵素をコードす
る第1のレポーター遺伝子を含む遺伝子トラップ構築体
が提供される。この組換え酵素は特に好ましくはCreま
たはFlpである。
好ましい実施態様において、第2のレポーター遺伝子
はタンパク質因子をコードすることができ、さらに好ま
しい実施態様では、第2のレポーター遺伝子はIL−3、
特に好ましいさらなる実施態様では、大腸菌β−ガラク
トシダーゼ(lacZ)をコードする。
第2のレポーター遺伝子は、第2のレポーター遺伝子
の隣接位に配置したDNA断片の組換え酵素による欠失に
よって、直ちに永続的にそのコントロールを受けるプロ
モーターの下流に配置されることにより活性化されるこ
とが好ましい。
削除(欠失)されるDNA断片は、抗生耐性遺伝子であ
ることが好ましく、その手段によって削除されたDNA断
片は、特に好ましい実施態様では、チミジンキナーゼ−
ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ融合タンパク質
をコードし、さらなる好ましい実施態様では、ネオマイ
シンホスホトランスフェラーゼをコードする。
第2のレポーター遺伝子が配置される前のプロモータ
ーは、ホスホグリセリン酸キナーゼプロモーターである
ことが好ましい。
好ましい実施態様において、欠失したDNA断片は、た
とえばIoxPまたはfrtである配列によって挟まれ(flan
k)てもよく、組換え酵素により標的とされる。またU3
および/またはU5領域中に位置する標的配列である可能
性もある。
上記遺伝子トラップ構築体は、遺伝子、特に一過性遺
伝子を同定および/または単離するために使用すること
ができる。この際には、特に、プログラムされた細胞死
に応答する遺伝子、細胞周期遺伝子、DNA修正遺伝子お
よび分化特異的遺伝子の同定および/または単離が含ま
れる。
さらに本願発明は、上記したような遺伝子トラップ構
築体を含む細胞、好ましくは哺乳類細胞を提供する。
好ましい実施態様において、哺乳類細胞はIL−3に依
存し、遺伝子トラップ構築体を含み、第1のレポーター
遺伝子がCre組換え酵素をコードし、それによってCre組
換え酵素は、第2のレポーター遺伝子の前に配置するDN
A断片を削除することができ、削除された断片は、チミ
ヂンキナーゼ−ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ
融合タンパク質をコードするとともにIoxP標的配列によ
り挟まれ、第2のレポーター遺伝子はIL−3をコード
し、チミヂンキナーゼ−ネオマイシンホスホトランスフ
ェラーゼ融合タンパク質遺伝子の欠失に続いてホスホグ
リセリン酸キナーゼプロモーターの直下流に位置する。
哺乳類細胞は、増殖因子依存性の造血前駆細胞(たと
えばFDCP1)または分化全能性胚性幹細胞であることが
特に好ましい。
本願発明では、哺乳類細胞を、遺伝子、特に一過性遺
伝子の同定および/または単離に用いることができ、こ
の手段によって特にプログラムされた細胞死に応答する
遺伝子、細胞周期遺伝子、DNA修正遺伝子および分化特
異的遺伝子を同定および/または単離することが好まし
い。
さらに本願発明は、上記遺伝子トラップ構築体を含む
ベクターを提供する。
さらに遺伝子、特に一過性遺伝子を同定および/また
は単離するための少なくとも1つの上記したような遺伝
子トラップ構築体を含むキットを提案する。
キットは、第1のレポーター遺伝子を含む第1の構築
体と、第2のレポーター遺伝子第2の構築体とによる2
つの構築体を含むことが好ましい。
キットは、上記のようなベクターを含んでいてもよ
い。
最後に、本願発明は、遺伝子、特に一過性遺伝子を同
定および/または単離するための方法を提供し、この方
法は以下に示す工程を含む: −適切な細胞中、上記のような遺伝子トラップ構築体の
挿入 −第1のレポーター遺伝子が、細胞中の遺伝子、好まし
くは不活性遺伝子中に組込まれるような細胞の選択 −好ましくは不活性遺伝子の転写開始による第1のレポ
ーター遺伝子の活性化、その結果として第2のレポータ
ー遺伝子が活性化される −第1レポーター遺伝子が組込まれた遺伝子の同定およ
び/または単離。
好ましい実施態様において、上記方法は以下のような
特徴を有する、すなわち −上記遺伝子トラップ構築体は、第1のレポーター遺伝
子としてのCre組換え酵素遺伝子を含み、そしてCre組換
え酵素は第2のレポーター遺伝子の上流に位置するチミ
ヂンキナーゼ−ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ
遺伝子を削除し、これを介してIL−3をコードする第2
のレポーター遺伝子.が、ホスホグリセリン酸キナーゼ
プロモーターのコントロール下に入ることを含み、 −遺伝子トラップ構築体は、IL−3依存性FDCP−1細胞
中に挿入され、 −ネオマイシン(たとえばG418)を含有する培地中で培
養されて、Cre組換え酵素を生産しない細胞が選択さ
れ、 −これら選択された細胞がIL−3を含まない培地で培養
され、プログラムされた細胞死に関する遺伝子が活性化
され、 −生存している細胞が選び出されるので、そして −プログラムされた細胞死に関する遺伝子が、一般的な
手順により単離される。
さらに好ましい実施態様において、上記方法は以下の
ような特徴を有する、すなわち −上記遺伝子トラップ構築体は、第1のレポーター遺伝
子としてのCre組換え酵素遺伝子を含み、すなわちCre組
換え酵素は第2のレポーター遺伝子の上流に配置された
ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子を削除
し、これを介してlacZをコードする第2のレポーター遺
伝子が、ホスホグリセリン酸キナーゼプロモーターのコ
ントロール下に入ることを含み、 −遺伝子トラップ構築体が、分化全能性胚性幹細胞中に
挿入され、 −G418での培養を経て、Cre組換え酵素を生産しない細
胞が選択され、 −これら選択された細胞は分化が誘導され、分化特異的
遺伝子が活性化され、−これら細胞が単離され、 −これら細胞は、哺乳類の生殖系列中に誘導され、そこ
で組織の形成に関与し、そして −分化特異的遺伝子が一般的な手順により単離される。
プログラムされた細胞死に応答する遺伝子を単離する
上記のような方法は、以下の理由のため特に適切であ
る。Cre組換え酵素を発現する遺伝子トラップを用いれ
ば選択マーカーの永続的置換ができ、それらは内在性サ
イトカイン産製の本質的に致死細胞を活性化することに
より、増殖細胞に転換される。このことは、プログラム
された細胞死の間、活性である遺伝子を組込むことを選
択することを可能にする。組換え酵素がホスホグリセリ
ン酸キナーゼプロモーターの後に選択マーカーをもって
くることにより、選択マーカーの発現たとえばIL−3の
発現は、局在遺伝子(遺伝子トラップ中)の発現とは切
り離される。細胞をプログラムされた細胞死に関する遺
伝子を発現するようにすることがほとんどできそうにな
いので、このことは本質的に重要である。最後に、本願
発明に係る方法は、強く発現される遺伝子には限定され
ないし、また遺伝子の発現量は、たとえばcDNAクローニ
ングの場合よりも極めて一様である。さらに遺伝子トラ
ップを単離および/または同定に使用すれば、示差RT−
PCR増殖とは異なり、充分な再現性を有し、煩雑ではな
く、定量さえも可能になる。結局、遺伝子トラッププロ
ウィルスは、ほぼ5'エキソン内またはこの近くに規則正
しく配置され、遺伝子に関して同様の同一転写配向を有
し、このことが明らかにクローニングを容易にする。
どの場合であっても、IL−3除去により誘発された細
胞転写の特徴は、プログラムされた細胞死の間に起きる
複合分子の変化に対する深い洞察を可能する。
さらに好ましい実施態様において、分化全能性細胞
は、それ自体、全ての生物中に発展することができ、第
1のレポーター遺伝子が、第2のレポーター遺伝子の前
に配置された断片を削除しうるCre組換え酵素をコード
し、これによって欠失断片がネオをコードし、かつIoxP
標的配列により挟まれ、lacZをコードする第2のレポー
ター遺伝子が、ネオの欠失に次いでpgkの直下流に来る
コードする構築体を有している。
本発明を、添付された図面を参照して説明する: 図1は、本発明における2つの好ましい実施形態を模式
的に示すプロセスである。
(A)IL−3を除去した後のFLOXIL−3中の内在性IL−
3分泌の活性化メカニズム。本来はアポトーシスを発現
しない遺伝子中に、U3−Cre遺伝子トラップが取込まれ
ると、IL−3除去により一時的に活性化される(左)。
レポータープラスミドppgklxtkneoIL−3の位置特定組
換えを介して、tkneo遺伝子が除去され、IL−3遺伝子
がpgkプロモーターの直下流に配置される。この結果、I
L−3が、持続的に、遺伝子トラップ中に捕獲された遺
伝子のスイッチングオフの後でも連続して合成される。
(B)−pln13−分化全能性胚性幹細胞の分化中のlacZ
遺伝子の活性化メカニズム。本来は分化を発現しない遺
伝子中に、U3−Cre遺伝子トラップが取込まれると、遺
伝子が分化中に一時的に活性化される。レポーター プ
ラスミドppgklxtkneoLacZの位置特定組換えを介して、L
acZ遺伝子が、pgkプロモーターの直下流に配置される。
この結果、β−グリコシダーゼが、持続的に、遺伝子ト
ラップ中に捕獲された遺伝子のスイッチングオフの後で
も連続して合成される。
図2は、胚性幹細胞から分化を誘発しうる遺伝子を単離
および分析するためのプロセス全体を示す模式図であ
る。
図3は、発現された遺伝子中、U3−Cre遺伝子トラップ
取込みとともにFLOXIL−3細胞中のppgklxtkneoIL−3
プラスミドのCre/IoxPが介在した組換えを示す。
(A)組換え前後のppgklxtkneoIL−3の構築 (B)自律性・母細胞性FLOXIL−3細胞のサザーンブロ
ット分析。ゲノムDNAをBamH Iで切断し、アガロースゲ
ル中で分別し、ナイロンメンブラン上に移した。次い
で、32Pラベルされたネオ−(左)またはpgk−特異的プ
ローブと、ハイブリダイズした。レーン1:母細胞性FLOX
IL−3細胞;レーン2−6:自律性クローン1−5。分子
量は1−kb BRLスケールを用いて示す。
図4は、IL−3除去後に単離された自律性クローン中の
U3−Cre遺伝子トラップ取込みおよび位置特異性組換え
を示す。
(上)U3−Creプロウィルスの予想される構築体(左)
および組換えられたレポータープラスミド(右)。
(下)U3−Cre/Floxil−3取込み配列群(bank)からIL
−3を除去した後に単離したクローンのサザーンブロッ
ト分析。個々のクローンのゲノムDNAを、BamH Iで切断
し、図3の方法で処理した。次いで、32PラベルしたCre
−(左)またはpgk−(右)特定プローブと、ハイブリ
ダイズした。レーン1,26−11−1:レーン2,26−11−3:レ
ーン3,26−11−4:レーン4,26−11−5:レーン5,26−11−
6:レーン6,26−11−7:レーン7,26−11−8:レーン8,26−
12−1:レーン9,26−12−2:レーン10,26−12−3:レーン1
1,26−12−4:レーン12,26−12−5。図示したプローブ
は、完全に取込んだときの群の代表例を示す。
図5は、細胞−プロウィルス融合転写の研究を示す。
(上)発現した遺伝子中の取込まれたU3−Cre遺伝子ト
ラップから予想される転写。
(下)血清除去前および後の細胞−プロウィルス融合転
写のノーザンブロット分析。ポリアデニル酸RNA(5マ
イクログラム)を、ホルムアルデヒド−アガロースゲル
中に分注し、ナイロンメンブラン上に移した。次いで、
32PラベルしたCre−またはGAPDH特定プローブと、ハイ
ブリダイズした。奇数はRNA、偶数は血清除去16時間後
のRNAを示す。レーン5および6は、構成的に発現され
たU3−Cre取込みを有するクローンからのRNAを含む。
図6は、IL−3除去後の細胞転写の研究を示す。IL−3
が剥奪されたFDCP−1細胞から、0、6および12時間
後、ポリアデニル酸RNA(レーンあたり5マイクログラ
ム)が誘導された。ノーザンブロット分析が図5の方法
にしたがって構成され、32Pでラベルされた5'プロウィ
ルス−フランキング(両側に有する)配列またはGAPDH
とハイブリダイズした。
図7は、胚幹細胞中に、分化調節U3−Cre遺伝子をトラ
ップする研究を示す。各細胞150の960プールに、U3−Cr
eウィルスを感染させ、G418中で選択した。分化誘発を
4日以上行った。
(左)X−Gal染色前(左)および後(右)の分化誘発 (右)調節遺伝子のサザーンブロット分析。ゲノムDNA
を、BamH Iで切断し、図3の方法で処理した。次いで、
32PでラベルしたCre−(左)またはpgk−(右)特異的
プローブと、ハイブリダイズした。u=未分化、d=分
化。
これらの特徴は実施例で確認される。
以下に実施例を用いて本発明を詳細に説明する;実施
例は説明のためのものであって、本発明の範囲は実施例
に限定されるものではない。
実施例 実施例1 レポータープラスミドの構築 レポータープラスミドppgklxtkneoIL−3の大半の構
成要素(ホスホグリセレートトランスフェラーゼプロモ
ーター、loxPターゲット配列、チミジンキナーゼ−ネオ
マイシンホスホトランスフェラーゼ融合タンパク質、IL
−3遺伝子)を、以下のようにして、p−Bluescript I
I−KSに一緒に入れた。
ターゲット配列であるloxPの配列を、pGEM30から誘導
した。まず、loxPサイトを、EcoR I/Psti断片として、
p−Bluescriptポリリンカーに挿入した。次に、pgk
(ホスホグリセレートキナーゼプロモーター、ppgkCAT
から得たもの)を、ポリリンカーのXbal/BamH I組換え
サイトに連結し、チミジンキナーゼ−ネオマイシンホス
ホトランスフェラーゼ融合遺伝子を、下流側に位置する
EcoR V組換えサイトにクローニングした。IL−3遺伝子
(マウスのcDNAとして、pc−Multi−CSF由来)を、ま
ず、pGEM30から、loxPターゲット遺伝子に隣接したポリ
リンカーのEcoR Iサイトにサブクローニングし、次に、
プラスミドをCla I/Sal Iで切断し、末端の充填された
末端を再度連結して、EcoR Iサイトをもう一つ除去し
た。次に、IL−3−loxPを、pGEM30からSal I/Xho I断
片として回収し、p−Bluescriptポリリンカーにクロー
ニングした。Sba I/Ava I断片としてのウシ成長ホルモ
ンのポリアデニル化配列(bpa)の1コピーを、ブラン
ト末端とともに、tkneoの下流のCla Iサイトにクローニ
ングした。ppgklxtkneoIL−3を得るために、組み立て
た配列を含むXho I断片を、pSBC2のSV−40ポリアデニル
化サイトの上流側にクローニングした。この独創的構築
物でも、IL−3のジシストロン性のtkneo−IL−3転写
産物からの翻訳が依然として可能だったので、ブラント
末端を有する別のコピーのbpaを、pSBC IIのsal Iサイ
トにクローニングして、最終的なppgklxtkneoIL−3レ
ポータープラスミドを得た。
実施例2 loxP組換えターゲットによって挟まれた2つの選択性の
レポーター遺伝子を発現するFDCP1レポーター細胞細胞
系の構築 使用するFDCP1造血前駆細胞は、成長に関してIL−3
に厳密に依存性であり、培地からこの増殖因子を除く
と、プログラム細胞死が始まる。
FDCP1細胞は、10%(v/v)のウシ胎仔血清(High Clo
ne Laboratories、米国ユタ州)ならびに10ng/mlの組換
えマウスIL−3(Sandoz)を加えたダルベッコの改良イ
ーグル培地(DMEM,Gibco)中で、細胞2×105個/培地1
mlの濃度で培養した。寒天培地は、40%(v/v)ウシ胎
仔血性を加えたダブルストレンスDMEM(hyclone)と0.6
%(w/v)バクトアガー(Difco)の二回蒸留水への溶液
の等量の混合物であった。2、3の培養は、5μMのガ
ンシクロビル(Sydex)を含むものとした。
Cre組換え酵素によって因子非依存性細胞に形質転換
された細胞系を得るために、FDCP1細胞を、レポーター
プラスミドppgklxtkneoIL−3でエレクトロポレーショ
ンした。エレクトロポレーションを行うにあたっては、
BioRad Gene Pulser(BioRad)を、製造業者の指示にし
たがって使用した。組換え体は、0.6mg/mlのG418を含有
する寒天培地で単離した。10日後に、発達中のクローン
を単離し、上述の懸濁培養中で増幅させた。ppgklxtkne
oIL−3(図3A)は、並んで配置された2つの選択性レ
ポーター遺伝子から構成されており、これらは、pgk
(ホスホグリセレートキナーゼ)プロモーターからの転
写産物である。この遺伝子の5'末端は、HSV2チミジンキ
ナーゼ(Tk)ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ
(neo)融合タンパク質をコードしており、この5'末端
部分は、2つのloxP組換えターゲットによって挟まれて
いる。この遺伝子の3'末端は、マウスのIL−3をコード
しており、SV40ポリアデニル化配列で終端している。ジ
シストロン性の転写産物のIL−3の翻訳を抑制するため
に、2つの連続して並んだウシ成長ホルモンのポリアデ
ニル化配列(bpa)をtkneoの下流に挿入した。このこと
によって、ppgklxtkneoIL−3を発現した細胞であって
も、依然として、常にIL−3依存性であると想定するこ
とが可能となった。Cre組換え酵素は、通常、直接反復
したlox−Pによって挟まれた配列を切断するので、Cre
が発現すると、tkneo遺伝子が欠失することになり、そ
れによって、IL−3遺伝子がpgkプロモーターの下流に
位置することになるものと推定された。そして、その結
果、細胞は、ネオマイシン耐性を失い、IL−3の合成を
通じて因子非依存性を獲得するものと推定された。
安定なFDCP−1形質転換体をG148で選択し、5つのク
ローン性細胞系を寒天培地から単離した。単一コピーの
プラスミドを発現しており、FLOXIL−3として識別され
た細胞系を、さらなる分析用に選択した。
まず、FLOXIL−3細胞が、依然として成長に関してIL
−3依存性であるかどうかの確認を、IL−3を含まない
固まりかけの寒天培地で、5×107個の細胞を2×105
/mlの濃度で平板培養することによって行った。10日以
内に発現したコロニーがなかったので、これらの細胞の
内部では、限定的なIL−3の翻訳も、自発的な組換えも
生じていなかったことが推定された。
この推定結果をさらに確認するために、FLOXIL−3細
胞とその親にあたるFDCP−1細胞を、IL−3を含まない
寒天培地で24時間予備培養し、最終的にIL−3を与える
ことによって救助した。どちらのタイプの細胞も、似た
ような動態でプログラム細胞死を開始し、このことか
ら、ppgklxtkneoIL−3の発現によって、因子の除去に
対する細胞の応答に変更が生じることのなかったことが
示された。なお、細胞の大半は、IL−3なしの状態で12
時間以上にわたって生存していたので、遺伝子トラップ
によってトランスダクションされた配列が発現する時間
は十分にあったはずである。
実施例3 Cre組換え酵素(U3−Cre)を発現し、FLOXIL−3細胞を
因子非依存性とする遺伝子トラップの構築 U3−Cre遺伝子トラップベクターは、MoMuLVにもとづ
くpGgU3Neo(en−)ベクターから誘導し、この際に、U3
領域のneo遺伝子が、pMCCreから誘導されたCreをコード
する配列によって置換された。このプラスミドをヘルパ
ー細胞にトランスフェクションし、組換えウイルスを高
い力価で産生している細胞系の残りの部分は、FLOXIL−
3細胞を感染させる際に使用した。さきにも述べたよう
に、ウイルスの複製、そしてU3に挿入しておいた配列の
LTR媒介性の複製によって、挿入配列は、隣接する細胞
性DNAのちょうど30ヌクレオチド下流に位置することに
なる。このことによって、転写遺伝子への組込みによる
挿入配列の発現が可能となる。こうしたことから、発現
遺伝子中にU3−Creが組み込まれているFLOXIL−3細胞
は、形質転換されて因子非依存性細胞になるであろうこ
とが予測された。形質転換の生じた細胞を選択するため
に、ウイルスで感染させたFLOXIL−3細胞を、IL−3を
含まない寒天培地で平板培養した。多数の自律的に成長
するコロニーが得られ、これらのコロニーを懸濁培養中
で増幅した。組換えレポータープラスミドが発現された
ことからも予測されるように、クローンはいずれもG418
耐性をなくしており、IL−3なしで生育した。
組換えが生じていることを確認するために、5つの自
律的クローンからのゲノムDNAを取り出し、このゲノムD
NAをBamH Iで消化し、サザンブロッティングで分析し
た。BamH Iは、pgkならびにIL−3の5'末端の内側を分
断するので、組換えFLOXIL−3細胞は、pgkに特異的な
プローブとneoに特異的なプローブの双方とハイブリダ
イズする3.2kbの内部断片を複製しない(図3A)。この
断片は、tkneoをはじめとするloxPに隣接するすべての
配列を含んでいるので、欠失に際しては、2.6kbのサイ
ズ減少が生じているはずである。実際、クローンはいず
れも、neoとはハイブリダイズしない0.6kgの制限断片を
生成し、このことによって、組換えが生じていることが
示された(図3B)。
また、ノーザンブロッティングで解析したところ、ク
ローンはいずれも、細胞のプロウイルス転写産物を発現
し、このことから、活性細胞のプロモーターのCre組換
え酵素が発現されていることが示された。
このようにして、プログラム細胞死の原因遺伝子をは
じめとする遺伝子の単離や識別を可能とするような遺伝
子トラッピング構築物を含むFLOXIL−3細胞が得られ
た。
実施例4 U3−Cre/FloxIL−3組込み体バンクの構築と、一過的に
発現された遺伝子配列の単離 FLOXIL−3細胞にU3−Creレトロウイルスを感染させ
ることによって、2×106個の非依存性のプロウイルス
性組込み体からなる組込み体バンクを構築した。感染細
胞は、まず、G418中で予備的に選択して、発現遺伝子へ
の完全な組込みを防止した。図4は、この目標が、16日
間の選択の後に達成されたことを示している。組込み体
バンクの基本サンプルを、IL−3を含まない寒天培地で
平板培養したところ、全部で110の自律性クローンを単
離、増殖することができた。サザンブロットで調べたと
ころ、これらのクローンのいずれもが、プロウイルスの
組込みを示し、組換えレポータープラスミドを例外なく
含んでいることが示された(図4)。
11の非存在性で自律性のクローンから得たmRNAを用い
たノーザンブロットでは、9つのクローンで、細胞−プ
ロウイルス融合転写産物が極めて弱くのみ発現されてい
るか、まったく発現されていないかのいずれかであるこ
とが示された(図5、レーン1,3,7,9,11,13,17,19,2
1)。このことは、Cre組換え酵素が、レポータープラス
ミドの組換えが生じるのに十分な程度まで、一過的にの
みに発現されたことを意味するものである。また、これ
らの融合転写産物の50%以上が、血清除去によって誘導
可能であり、このことから、遺伝子トラップによって遮
断された遺伝子には、アポトーシスプログラムあるいは
成長の停止が伴うことが示唆された(図5)。
最後に、ノーザンブロットによって、公知の方法(vo
n Melchnerら、1992)によってクローニングした5'−プ
ロウイルス−フランキング配列を、野生型FDCP−1細胞
のmRNAとハイブリダイズした。調べたプローブの大半
が、IL−3で誘導した細胞性転写産物とハイブリダイズ
した(図6)。これらの遺伝子が、アポトーシスを直接
制御しているのか、それとも、プログラム細胞死の結果
として活性化されるようなもっと別の機構の一部なのか
は、今後の確認を待たねばならない。いずれにしても、
IL−3の除去によって誘導した細胞性転写産物の特性を
調べておくことは、プログラム細胞死の間に現出する複
雑な分子の変化を調べるうえで役に立つはずである。
見いだされた遺伝子のさらに詳しい識別ならびに単離
は、通常の方法、たとえば3'RACE、あるいは遺伝子ライ
ブラリーを復元し、見いだされた遺伝子をクローニング
し、配列決定することによって実施することができる。
実施例5 ESレポーター細胞系の構築 Cre組換え酵素による永久的な選択性のレポーター交
換に適したES細胞を得るために、2つのレポーター遺伝
子を連続して配置したものをマウスホスホグリセレート
キナーゼプロモーターで転写したレポーター構築物ppgk
lxtkneolacZで、D3細胞をエレクトロポレーションし
た。レポーター構築物ppgklxtkneolacZは、ホスホグリ
セレートキナーゼプロモーター、loxPターゲット配列、
ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子、そして
lacZの遺伝子から構成されている。その構成は、レポー
タープラスミドppgklxtkneoIL−3について記載したパ
ターンの通りであった。
5'遺伝子は、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ
をコードし、同じ向きの2つのloxP組換えターゲットで
挟まれている。3'遺伝子は、β−ガラクトシダーゼをコ
ードし、SV40ポリアデニル化配列で終端している。SV40
−PolyAで終端するゲノム転写産物を抑制し、そうする
ことによって同時にlacZの翻訳を抑制するために、ネオ
マイシンホスホトランスフェラーゼの下流に、ウシ成長
ホルモンポリアデニル化配列(bpa)2コピーを連続し
て位置するように挿入した。したがって、ppgklxtkneol
acZを発現する細胞は、ネオマイシンホスホトランスフ
ェラーゼに対して耐性で、lacZに対してネガティブであ
るような表現型を示すはずである。しかし、Creが発現
した場合には、neo遺伝子は組換え酵素から切り出さ
れ、lacZをコードする配列がpgkプロモーターのすぐ下
流に位置することになるはずである。その結果、組換え
レポータープラスミドを発現する細胞は、ネオマイシン
耐性を失い、X−Gal(lacZ+)で陽性に染色されること
になる。
ppgklxtkneolacZを発現する各種のES細胞系をG418中
で単離し、X−Gal染色のバックグラウンドで個々に調
べた。10の細胞系のうち4つは、長期にわたって培養を
続けた後も、X−Galによっては規則正しく染色されな
かった。LIF(白血病阻害因子、Leukemia inhibiting f
actor)あるいは栄養物質の層を含まない培地中で、こ
うした細胞系の分化を誘導しても、lacZ細胞は依然とし
て染色反応で陰性であり、このことから、このlacZ表現
型が安定であることが示唆された。さらなる分析を行う
ために、1コピーのppgklxtkneolacZを発現する細胞系
を選んだ。以下では、この細胞系をpln13と称する。
Cre組換え酵素によってpln13のlacZがlacZ+に変わっ
たかどうかを確認するために、Cre発現性のプラスミド
であるpMC−Creで細胞をトランスフェクションした。10
日後に、選択されなかったコロニーを釣り上げ、一部を
X−Galで染色した。各種のlacZ+細胞からゲノムDNAを
抽出し、BamH Iで切断し、サザンブロッティングで分析
した、いずれの場合も、lacZの表現型は、2kbの欠失を
伴っており、このことから、レポータープラスミドに部
位特異的組換えが生じていることが示唆された。
実施例6 U3−Creの組込みによるpln3でのβ−ガラクトシダーゼ
の発現 5×104個のpln13細胞を、感染多重度(MOI)=1
で、上述のようにして構築したU3−Creウイルスに感染
させた。72時間インキュベートした後、細胞を480のプ
ールに分け、マイクロタイタープレートに播種した。48
時間後に一部をX−Galで染色して、活性細胞への組込
みについて検出を行った。lacZ+細胞を含んでいた20の
プールのうち3つを、クローン密度で播種した。4つの
陽性クローンを選択的に単離し、サザンブロッティング
で分析した。これらのクローンは、いずれも、1−2の
プロウイルスを含んでおり、このことは、MOI=1とし
たことと符合し、また、これらのクローンは、いずれ
も、組換えレポータープラスミドを含んでいた。また、
どのクローンも、細胞−プロウイルス融合転写産物を発
現しており、そのサイズは、100−500nt程度であると予
測された。
このように、U3−Cre遺伝子トラップレトロウイルス
は、発現遺伝子に組込まれることによって、部位特異的
組換えを効果的に媒介する。
実施例7 誘導性のU3−Cre−プロウイルスの組込みまれたクロー
ンの単離 分化によって誘導性となった遺伝子を単離するうえ
で、U3−Cre/loxP戦略が適当かどうかを確認するため
に、1.5×105個のpln13細胞を、マイクロタイタープレ
ート10枚の穴に、細胞150個/穴の濃度で播種し、MOI=
1でU3−Creウイルスに感染させた。活性遺伝子への組
込みを防ぐために、細胞をG418上で5日間にわたって選
択した。その後、LIF(白血病阻害因子、Leukemia Inhi
bitory Factor)あるいはMEF(マウス胚線維芽細胞、M
ouse Embryonic Fibroblasts)の不在下で、各穴の一部
の分化を誘導して、X−Galで染色した。960個の穴のう
ち44個が、この試験で陽性に染色された。さらに調べた
ところ、9つのプールが、LIFならびにMEFの存在下なら
びに不在下でlacZ+であり、35のプールが、分化の後に
はじめてlacZ+となった。このことから、誘導遺伝子中
でU3−Creの組込みが生じていることが示された。
図7は、分化特異的遺伝子へのU3−Cre−プロウイル
スの組込みが生じている単離クローン3つの例を示す。
遺伝子の誘導性は、lacZ(−)(図7A、未分化細胞、左
上)からlacZ(+)(図7A、分化細胞、右上)への表現
型の変化によって調べた。サザンブロットでは、この変
化が、誘導性分化遺伝子へのU3−Cre−プロウイルスの
組込みによって生じたレポータープラスミドの部位特異
的組換えに基づくものであることが示された(図7B)。
図2には、こうした単離の概略を示す。最初の工程で
は、U3−Cre遺伝子トラップベクターによる感染と、G41
8での選択を行う。得られたコロニーは、一部をとり分
け、分化を誘導し、X−Galで染色する。染色されたク
ローンのみを選択し、増殖させ、キメラマウスの構築に
使用する。これらのマウスは、また、組織でのlacZの分
布を測定したり、F2マウスの表現型を決定したり、−/
−ES−細胞を単離したりする際にも使用することができ
る。
対応する細胞性遺伝子は、公知の遺伝子トラップ配列
から、通常の手段によってクローニングすることができ
る。
このようにして、本発明のこの遺伝子トラッピング構
築物は、遺伝子、特に、一過的にのみ表現される遺伝子
を単離および/または識別することを可能とするもので
ある。
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フロントページの続き (73)特許権者 999999999 ホルツァ ディーター ドイツ国 フランクフルト アム マイ ン D―60596 テオドール―スターン ―カイ 7 アプタイラング ハエマト ロジー ユニヴァージターツクリーニク ム (72)発明者 フォン メルクナー ハラルド ドイツ国 フランクフルト アム マイ ン D―60596 テオドール―スターン ―カイ 7 アプタイラング ハエマト ロジー ユニヴァージターツクリーニク ム (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/09 C12N 5/10 C12Q 1/68 BIOSIS(DIALOG) MEDLINE(STN)

Claims (27)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】活性化後に第2のレポーター遺伝子を活性
    化しうる、組換え酵素をコードする第1のレポーター遺
    伝子を含む遺伝子トラップ構築体。
  2. 【請求項2】前記組換え酵素がCreであることを特徴と
    する請求項1に記載の遺伝子トラップ構築体。
  3. 【請求項3】前記組換え酵素がFlpであることを特徴と
    する請求項1に記載の遺伝子トラップ構築体。
  4. 【請求項4】前記第2のレポーター遺伝子がタンパク質
    因子をコードすることを特徴とする前記請求項1〜3の
    いずれかに記載の遺伝子トラップ構築体。
  5. 【請求項5】前記第2のレポーター遺伝子がIL−3をコ
    ードすることを特徴とする請求項4に記載の遺伝子トラ
    ップ構築体。
  6. 【請求項6】前期第2のレポーター遺伝子がLacZをコー
    ドすることを特徴とする請求項4に記載の遺伝子トラッ
    プ構築体。
  7. 【請求項7】前記組換え酵素が、前記第2のレポーター
    遺伝子より先に配置されたDNA断片を削除し、それによ
    り第2のレポーター遺伝子がプロモーターの下流に置か
    れ、そのコントロールを受けることによって、第2のレ
    ポーター遺伝子が活性化されることを特徴とする請求項
    1〜6のいずれかに記載の遺伝子トラップ構築体。
  8. 【請求項8】前記削除される断片が、抗生耐性遺伝子で
    あることを特徴とする請求項7に記載の遺伝子トラップ
    構築体。
  9. 【請求項9】前記削除されるDNA断片が、チミジンキナ
    ーゼ−ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ融合タン
    パク質をコードすることを特徴とする請求項8に記載の
    遺伝子トラップ構築体。
  10. 【請求項10】前記削除されるDNA断片が、ネオマイシ
    ンホスホトランスフェラーゼをコードすることを特徴と
    する請求項8に記載の遺伝子トラップ構築体。
  11. 【請求項11】前記プロモーターが、ホスホグリセリン
    酸キナーゼ(pgk)プロモーターであることを特徴とす
    る請求項7〜10のいずれかに記載の遺伝子トラップ構築
    体。
  12. 【請求項12】前記削除されるDNA断片が、組換え酵素
    のための標的配列で挟まれていることを特徴とする請求
    項7〜11のいずれかに記載の遺伝子トラップ構築体。
  13. 【請求項13】前記標的配列がIoxPであることを特徴と
    する請求項12に記載の遺伝子トラップ構築体。
  14. 【請求項14】前記標的配列がfrtであることを特徴と
    する請求項12に記載の遺伝子トラップ構築体。
  15. 【請求項15】前記標的配列がU3および/またはU5領域
    中に位置することを特徴とする請求項12、13または14に
    記載の遺伝子トラップ構築体。
  16. 【請求項16】遺伝子、特に一過性遺伝子の同定および
    /または単離のための請求項1〜15のいずれかに記載の
    遺伝子トラップ構築体の使用。
  17. 【請求項17】プログラムされた細胞死、DNA修正、分
    化および/または細胞周期をコントロールする遺伝子を
    単離および/または同定するための請求項16に記載の使
    用。
  18. 【請求項18】請求項1〜15のいずれかに記載の遺伝子
    トラップ構築体を含む細胞。
  19. 【請求項19】IL−3依存性であり、前記第1のレポー
    ター遺伝子がCre組換え酵素をコードし、該Cre組換え酵
    素が第2のレポーター遺伝子より先に配置されたDNA断
    片を削除し、該削除された断片が、チミジンキナーゼ−
    ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ融合タンパク質
    (TKNeoPT)をコードし、IoxP標的配列で挟まれ、前記
    第2のレポーター遺伝子がIL−3をコードし、次いでTK
    NeoPT遺伝子を削除した後、ホスホグリセリン酸キナー
    ゼプロモーターの下流に置かれていることを特徴とする
    請求項18に記載の細胞。
  20. 【請求項20】造血性FDCP−1または分化全能性幹細胞
    であることを特徴とする請求項19に記載の細胞。
  21. 【請求項21】遺伝子、特に一過性遺伝子の同定および
    /または単離のための請求項18に記載の細胞の使用。
  22. 【請求項22】プログラムされた細胞死、DNA修正、分
    化および/または細胞周期をコントロールする遺伝子を
    単離および/または同定するための請求項18〜20のいず
    れかに記載の細胞の使用。
  23. 【請求項23】請求項1〜15のいずれかの遺伝子トラッ
    プ構築体を含むベクター。
  24. 【請求項24】遺伝子、特に一過性遺伝子の同定および
    /または単離のための請求項1から15に記載の遺伝子ト
    ラップ構築体および/または請求項23に記載のベクター
    を含むキット。
  25. 【請求項25】以下の工程を含む、遺伝子、特に一過性
    遺伝子を同定および/または単離する方法: −請求項1〜15のいずれかに記載の遺伝子トラップ構築
    体を適切な細胞中に誘導する −第1のレポーター遺伝子が、細胞中の遺伝子、好まし
    くは不活性遺伝子に組込まれる細胞を選択する −第1のレポーター遺伝子の活性化、好ましくは不活性
    遺伝子の転写開始を介して、その結果、第2のレポータ
    ー遺伝子が活性化され、および −第1レポーター遺伝子が組込まれた遺伝子を同定およ
    び/または単離する。
  26. 【請求項26】下記の特徴を有する請求項25に記載の方
    法: −第1のレポーター遺伝子としてのCre組換え酵素遺伝
    子を含む請求項7に記載の遺伝子トラップ構築体、該Cr
    e組換え酵素が、第2のレポーター遺伝子の上流に配置
    されたチミヂンキナーゼ−ネオマイシンホストホトラン
    スフェラーゼ遺伝子を削除し、これによりIL−3をコー
    ドする第2のレポーター遺伝子が、ホスホグリセリン酸
    キナーゼプロモーターのコントロール下に来る、 −上記遺伝子トラップ構築体は、IL−3依存性FDCP−1
    細胞中に挿入され、 −ネオマイシン培地中での培養を経て、Cre組換え酵素
    を生産しない細胞が選択され、 −これら選択された細胞がIL−3を含まない培地で培養
    され、プログラムされた細胞死に関する遺伝子が活性化
    され、 −すなわち生存細胞が選び出され、および −プログラムされた細胞死に関する遺伝子が、一般的な
    手順により単離される。
  27. 【請求項27】下記の特徴を有する請求項25に記載の方
    法: −第1のレポーター遺伝子としてのCre組換え酵素遺伝
    子を含む請求項7に記載の遺伝子トラップ構築体、該Cr
    e組換え酵素が、第2のレポーター遺伝子よりも下流に
    配置されたネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝
    子を削除し、これによりlacZをコードする第2のレポー
    ター遺伝子が、ホスホグリセリン酸キナーゼプロモータ
    ーのコントロール下に来る、 −上記遺伝子トラップ構築体は、分化全能性胚性幹細胞
    中に挿入され、 −G418での培養を経て、Cre組換え酵素を生産しない細
    胞が選択され、 −これら選択された細胞は分化が誘導され、分化特異的
    遺伝子が活性化され、 −これら細胞が単離され、 −哺乳類の生殖系列中に誘導され、そこで組織の形成に
    関し、そして −分化特異的遺伝子が一般的な手順により単離される。
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