JP2000509287A - 遺伝子を同定および単離するための遺伝子トラップ構築体 - Google Patents

遺伝子を同定および単離するための遺伝子トラップ構築体

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、活性化後に第2のレポーター遺伝子を活性化しうる第1のレポーター遺伝子を含む遺伝子トラップ構築体およびこの遺伝子トラップ構築体を遺伝子、特に一時的に発現した遺伝子の同定および/または単離に使用することに関する。本発明は、さらに細胞、好ましくは上記遺伝子トラップ構築体を含む哺乳類細胞に関する。さらに本発明は、この哺乳類細胞を、遺伝子、特に一過性遺伝子の同定および/または単離に使用することに関する。さらには本願発明は、遺伝子、特に一過性遺伝子を同定および/または単離するための上記遺伝子トラップ構築体を含むベクター、同様に少なくとも上記遺伝子トラップ構築体またはベクターを含むキットに関する。最後に本願発明は、遺伝子、特に一過性遺伝子を同定および/または単離する方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 遺伝子を同定および単離するための遺伝子トラップ構築体 本願発明は、活性化後に第2のレポーター遺伝子(reporter gene)を活性化 しうる第1のレポーター遺伝子を含む遺伝子トラップ構築体(gene-trapping co nstruct)、およびこの遺伝子トラップ構築体を遺伝子、特に一時的に発現され た(一過性)遺伝子の同定および/または単離に使用することに関する。 さらに本願発明は、細胞、好ましくは上記遺伝子トラップ構築体を含む哺乳類 細胞に関する。これとともに、本願発明はこの哺乳類細胞を、遺伝子、特に一過 性遺伝子(transient genes)の同定および/または単離に使用することに関す る。さらには本願発明は、遺伝子、特に一過性遺伝子を同定および/または単離 するための上記遺伝子トラップ構築体を含むベクター、同様に少なくとも上記遺 伝子トラップ構築体またはベクターを含むキットに関する。 最後に本願発明は、遺伝子、特に一過性遺伝子を同定および/または単離する 方法に関する。 ここ数年、遺伝子の単離および同定は、遺伝子技術の重要な課題の1つである 。このため、永続的に発現された遺伝子の単離および同定を、効果的に行いうる 多くの方法が提案されている。 ほんの一時的に発現される遺伝子、たとえばプログラムされた細胞死に関与す る(責任もつ)遺伝子、細胞周期遺伝子、DNA修正遺伝子および分化特異的遺 伝子などを単離および/または同定することは極めて困難である。 哺乳類中のこのような遺伝子を同定するには、キイロショウジョウバエを用い た遺伝子分析法は不適であり、“遺伝子トラップ”または“プロモータートラッ プ”と称されるような、特定のベクターを介して、プロモーターのないレポータ ー遺伝子と、細胞性遺伝子の調節因子との遺伝子融合を誘発させることに基づい た方法が開発されている。哺乳類に突然変異生成を書込むためのさまざまな種類 のベクターが開発されており、これによればレポーター遺伝子は、転写活性領域 中も含め、そのときに応じた多くの場所で染色体中に挿入される。遺伝子発現の ための選択の間、レポーター遺伝子は内在遺伝子の調節因子と融合し、クローン は保持される。この方法では、ベクターは遺伝子トラップとして働き、遺伝子機 能の解析のための極めて有用な手段となる(Hill & Wurst,1993中のレビュー;Hi ll & Wurst,1993;von Melchner、1993;von Melchner & Ruley、1995)。遺伝子 トラップベクターは、電気穿孔されたDNAも用いられるが、多くの場合、組換 え体レトロウィルスとして形質導入される。レトロウィルスは、それを全ゲノム の始めから終わりまでのいくつかの領域中に組込んでも、隣位のDNAをほとん ど損傷させることがないという利点がある(Varmus,1988;Coffinら.,1989;Goff ,1990;Sandmeyerら.,1990;Withers/Wardら.,1994)。 遺伝子トラップが、マウスにおける遺伝子機能の実有用な解析手段であること は実証されているといえる。分化全能性マウスES(胚幹)細胞が細胞性標 的(ターゲット)として使用されると、突然変異によって遺伝子機能が不活性化 されたことを表現するマウス細胞系(株)(stains)が構築される。相同的組換 えによる遺伝子分断を用いるのとは異なり、この遺伝子トラップ法は、遺伝子に 限定されず、クローン化された配列を維持させることができ、これにより未知の 遺伝子を単離し、同定するための方法となる。 とは言えやはり、細胞中で最初に誘発されるであろう遺伝子、すなわち、継続 的に転写されない遺伝子、たとえばプログラムされた細胞死に応答する遺伝子、 細胞周期遺伝子、DNA修正遺伝子および分化特異的遺伝子などの一過性遺伝子 を同定および単離するためには、遺伝子トラップ中に捕獲された一過性細胞性プ ロモーターを、たとえばプロモーター活性に依存しない永続性シグナルを介して 、確実に同定するための付加的な方法が必要である。遺伝子トラップベクターに より感染/電気穿孔されたES細胞系統中で遺伝子がほぼ50%スイッチオフさ れたマウスは、劣性表現型を発現する(FriedrichおよびSoriano,1991;Skarnes ら,1992;von Melchnerら,1992)。この頻度は、レトロウィルスが偶然挿入され るかまたはDNAマイクロインジェクション後に観察されるものよりも10倍以 上高い(Gridleyら、1987;jaenischら、1985)。遺伝子不活性化のこの高い効率 は、遺伝子発現の大部分(2−4×104)において組込まれた特性が発現する 細胞系統を単離するのに充分な感度であると思われる。しかしながら、すべての 突然変異を原系統中に伝達することはあまり現実的とはいえず、さらには遺伝子 に多くの突然変異を導入することは、あまり重要とはいえない。このため、突然 変異されたES細胞クローンを生物学的に重要なプロセスまたは 遺伝子にあてはまる突然変異に代えることが望まれている。 これに関していえば、興味あるin vitroでの突然変異からES細胞クローンを 予備的に選択することを含み、このためにたとえば分化特異的遺伝子における突 然変異を同定するためのレポーター遺伝子を用いる方法は特に好ましい。培養さ れたES細胞は、in vivoでは発現されない遺伝子を発現することができるはず であり、胚中と同様にES細胞中にも、融合遺伝子が発現されたことが12例見 つかっている(De Gregoryら、1994;Reddyら,1992)。さらに、in vitroでの 分化における融合遺伝子の発現中の変化は、in vivoでの発生における発現中の 変化に極めて近いものを予測させることを示す例もある(Reddyら,1992)。in vitroで調節される遺伝子は、in vivoでも厳密に調節されることは、早くからの 観察により一般的に認められている(Muthuchamyら、1993,Rappoteeら、1988; Rogersら、1991;Scholerら、1990;Sharpeら、1990)。 したがって本願発明は、遺伝子、特に一過性遺伝子を、とりわけ好都合な手順 によって単離および同定することができるような遺伝子トラップ構築体を提供す ることを目的としている。本願発明のさらなる目的は、この遺伝子トラップ構築 体を保持するベクター、同様に細胞とともに、遺伝子の同定および/または単離 のためのキットを提供することである。 最後に、本願発明の目的は、遺伝子、特に一過性遺伝子の同定および/または 単離のための方法を提供することである。 これらの目的は、独立クレーム1、17および22、細胞についてのクレーム 19、ベクター、24、キット、25および方法クレーム26の条件によって達 成される。 本願発明の好ましい実施態様は、下位クレームに示される。 ここで“レポーター遺伝子“は、転写に基づいてたとえばタンパク質産物などの 認識しうるシグナルを生じさせる核酸配列を意味する。“第1の”レポーター遺 伝子は、それが組込まれた隣接位の細胞転写シグナルを介して調節される。一旦 、第1のレポーター遺伝子が活性化されると、第1のレポーター遺伝子産物は “第2の”レポーター遺伝子の活性化を引き起こし、この第2の活性は永続的、 すなわち、第1レポーター遺伝子をコントロールするDNA領域の転写活性に影 響されない。第2のレポーター遺伝子は、証拠となる遺伝子産物、たとえば酵素 、色反応で確認しうるものまたは成長因子などをコードするものであり、そのた めに選択される。第1および第2レポーター遺伝子の組み合わせにより、一時的 に発現されたプロモーターであっても、第2のレポーター遺伝子の産物である永 続的シグナルの手段によって顕在化することができる。第1および第2レポータ ー遺伝子は、通常の構築体中に存在してもよいし、あるいは細胞中のさまざまな 場所に存在するさまざまな手段により有効となってもよい。本発明に係る遺伝子 トラップ構築体は、この点では結果的に、原理上は公知の遺伝子トラップ構築体 の組合わせであり、たとえば第1のレポーター遺伝子構築体に相当するUS53 64783中に記載されたものと、本発明の第2のレポーター遺伝子構 築体物にあたるプロモーター活性に関係なく永続的産物を生じうるさらなるデバ イスとの組合わせなどである。 本願発明のクレーム1によれば、活性化後に第2のレポーター遺伝子を活性化 しうる第1のレポーター遺伝子を含む遺伝子トラップ構築体が提供される。第1 のレポーター遺伝子は、組換え酵素をコードすることが好ましく、この組換え酵 素は特に好ましくはCreまたはFlpである。 好ましい実施態様において、第2のレポーター遺伝子はタンパク質因子をコー ドすることができ、さらに好ましい実施態様では、第2のレポーター遺伝子はI L−3、特に好ましいさらなる実施態様では、大腸菌β−ガラクトシダーゼ(l acZ)をコードする。 第2のレポーター遺伝子は、第2のレポーター遺伝子の隣接位に配置したDN A断片の組換え酵素による欠失によって、直ちに永続的にそのコントロールを受 けるプロモーターの下流に配置されることにより活性化されることが好ましい。 削除(欠失)されるDNA断片は、抗生耐性遺伝子であることが好ましく、そ の手段によって削除されたDNA断片は、特に好ましい実施態様では、チミジン キナーゼ−ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ融合タンパク質をコードし、 さらなる好ましい実施態様では、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼをコー ドする。 第2のレポーター遺伝子が配置される前のプロモーターは、ホスホグリセリン 酸キナーゼプロモーターであることが好ましい。 好ましい実施態様において、欠失したDNA断片は、たとえばIoxPまたは frtである配列によって挟まれ(flank)てもよく、組換え酵素により標的とされ る。またU3および/またはU5領域中に位置する標的配列である可能性もある 。 上記遺伝子トラップ構築体は、遺伝子、特に一過性遺伝子を同定および/また は単離するために使用することができる。この際には、特に、プログラムされた 細胞死に応答する遺伝子、細胞周期遺伝子、DNA修正遺伝子および分化特異的 遺伝子の同定および/または単離が含まれる。 さらに本願発明は、上記したような遺伝子トラップ構築体を含む細胞、好まし くは哺乳類細胞を提供する。 好ましい実施態様において、哺乳類細胞はIL−3に依存し、遺伝子トラップ 構築体を含み、第1のレポーター遺伝子がCre組換え酵素をコードし、それに よってCre組換え酵素は、第2のレポーター遺伝子の前に配置するDNA断片 を削除することができ、削除された断片は、チミヂンキナーゼ−ネオマイシンホ スホトランスフェラーゼ融合タンパク質をコードするとともにIoxP標的配列 により挟まれ、第2のレポーター遺伝子はIL−3をコードし、チミヂンキナー ゼ−ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ融合タンパク質遺伝子の欠失に続い てホスホグリセリン酸キナーゼプロモーターの直下流に位置する。 哺乳類細胞は、増殖因子依存性の造血前駆細胞(たとえばFDCP1)または 分化全能性胚性幹細胞であることが特に好ましい。 本願発明では、哺乳類細胞を、遺伝子、特に一過性遺伝子の同定および/また は単離に用いることができ、この手段によって特にプログラムされた細胞死に応 答する遺伝子、細胞周期遺伝子、DNA修正遺伝子および分化特異的遺伝子を同 定および/または単離することが好ましい。 さらに本願発明は、上記遺伝子トラップ構築体を含むベクターを提供する。 さらに遺伝子、特に一過性遺伝子を同定および/または単離するための少なく とも1つの上記したような遺伝子トラップ構築体を含むキットを提案する。 キットは、第1のレポーター遺伝子を含む第1の構築体と、第2のレポーター 遺伝子第2の構築体とによる2つの構築体を含むことが好ましい。 キットは、上記のようなベクターを含んでいてもよい。 最後に、本願発明は、遺伝子、特に一過性遺伝子を同定および/または単離す るための方法を提供し、この方法は以下に示す工程を含む: −適切な細胞中、上記のような遺伝子トラップ構築体の挿入 −第1のレポーター遺伝子が、細胞中の遺伝子、好ましくは不活性遺伝子中に組 込まれるような細胞の選択 −好ましくは不活性遺伝子の転写開始による第1のレポーター遺伝子の活性化、 その結果として第2のレポーター遺伝子が活性化される −第1レポーター遺伝子が組込まれた遺伝子の同定および/または単離。 好ましい実施態様において、上記方法は以下のような特徴を有する、すなわち −上記遺伝子トラップ構築体は、第1のレポーター遺伝子としてのCre組換え 酵素遺伝子を含み、そしてCre組換え酵素は第2のレポーター遺伝子の上流に 位置するチミヂンキナーゼ−ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子を削 除し、これを介してIL−3をコードする第2のレポーター遺伝子.が、ホスホ グリセリン酸キナーゼプロモーターのコントロール下に入ることを含み、 −遺伝子トラップ構築体は、IL−3依存性FDCP−1細胞中に挿入され、 −ネオマイシン(たとえばG418)を含有する培地中で培養されて、Cre組 換え酵素を生産しない細胞が選択され、 −これら選択された細胞がIL−3を含まない培地で培養され、プログラムされ た細胞死に関する遺伝子が活性化され、 −生存している細胞が選び出されるので、そして −プログラムされた細胞死に関する遺伝子が、一般的な手順により単離され る。 さらに好ましい実施態様において、上記方法は以下のような特徴を有する、す なわち −上記遺伝子トラップ構築体は、第1のレポーター遺伝子としてのCre組換え 酵素遺伝子を含み、すなわちCre組換え酵素は第2のレポーター遺伝子の上流 に配置されたネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子を削除し、これを介 してlacZをコードする第2のレポーター遺伝子が、ホスホグリセリン酸キナ ーゼプロモーターのコントロール下に入ることを含み、 −遺伝子トラップ構築体が、分化全能性胚性幹細胞中に挿入され、 −G418での培養を経て、Cre組換え酵素を生産しない細胞が選択され、 −これら選択された細胞は分化が誘導され、分化特異的遺伝子が活性化され、− これら細胞が単離され、 −これら細胞は、哺乳類の生殖系列中に誘導され、そこで組織の形成に関与し、 そして −分化特異的遺伝子が一般的な手順により単離される。 プログラムされた細胞死に応答する遺伝子を単離する上記のような方法は、以 下の理由のため特に適切である、Cre組換え酵素を発現する遺伝子トラップを 用いれば選択マーカーの永続的置換ができ、それらは内在性サイトカイン産製の 本質的に致死細胞を活性化することにより、増殖細胞に転換される。このことは 、プログラムされた細胞死の間、活性である遺伝子を組込むことを選択すること を 可能にする。組換え酵素がホスホグリセリン酸キナーゼプロモーターの後に選択 マーカーをもってくることにより、選択マーカーの発現たとえばIL−3の発現 は、局在遺伝子(遺伝子トラップ中)の発現とは切り離される。細胞をプログラ ムされた細胞死に関する遺伝子を発現するようにすることがほとんどできそうに ないので、このことは本質的に重要である。最後に、本願発明に係る方法は、強 く発現される遺伝子には限定されないし、また遺伝子の発現量は、たとえばcD NAクローニングの場合よりも極めて一様である。さらに遺伝子トラップを単離 および/または同定に使用すれば、示差RT−PCR増殖とは異なり、充分な再 現性を有し、煩雑ではなく、定量さえも可能になる。結局、遺伝子トラッププロ ウィルスは、ほぼ5’エキソン内またはこの近くに規則正しく配置され、遺伝子 に関して同様の同一転写配向を有し、このことが明らかにクローニングを容易に する。 どの場合であっても、IL−3除去により誘発された細胞転写の特徴は、プロ グラムされた細胞死の間に起きる複合分子の変化に対する深い洞察を可能する。 さらに好ましい実施態様において、分化全能性細胞は、それ自体、全ての生物 中に発展することができ、第1のレポーター遺伝子が、第2のレポーター遺伝子 の前に配置された断片を削除しうるCre組換え酵素をコードし、これによって 欠失断片がネオをコードし、かつIoxP標的配列により挟まれ、lacZをコ ードする第2のレポーター遺伝子が、ネオの欠失に次いでpgkの直下流に来るコ ードす る構築体を有している。 本発明を、添付された図面を参照して説明する:図1 は、本発明における2つの好ましい実施形態を模式的に示すプロセスである 。 (A)IL−3を除去した後のFLOXIL−3中の内在性IL−3分泌の活性 化メカニズム。本来はアポトーシスを発現しない遺伝子中に、U3−Cre遺伝 子トラップが取込まれると、IL−3除去により一時的に活性化される(左)。 レポータープラスミドppgklxtkneoIL-3の位置特定組換えを介して、tkneo遺伝子 が除去され、IL−3遺伝子がpgkプロモーターの直下流に配置される。この結 果、IL−3が、持続的に、遺伝子トラップ中に捕獲された遺伝子のスイッチン グオフの後でも連続して合成される。 (B)-pln13-分化全能性胚性幹細胞の分化中のlacZ遺伝子の活性化メカニズム 。本来は分化を発現しない遺伝子中に、U3−Cre遺伝子トラップが取込まれ ると、遺伝子が分化中に一時的に活性化される。レポーター プラスミドppgk1x tkneoLacZの位置特定組換えを介して、LacZ遺伝予が、pgkプロモーターの直下流 に配置される。この結果、β−グリコシダーゼが、持続的に、遺伝子トラップ中 に捕獲された遺伝子のスイッチングオフの後でも連続して合成される。図2 は、胚性幹細胞から分化を誘発しうる遺伝子を単離および分析するためのプ ロセス全体を示す模式図である。図3 は、発現された遺伝子中、U3−Cre遺伝子トラップ取込みとともにFL OXIL−3細胞中のppgklxtkneoIL-3プラスミドのCre/IoxPが介在し た組換えを示す。 (A)組換え前後のppgklxtkneoIL-3の構築 (B)自律性・母細胞性FLOXIL−3細胞のサザーンブロット分析。ゲノム DNAをBamHIで切断し、アガロースゲル中で分別し、ナイロンメンブラン 上に移した。次いで、32Pラベルされたネオ−(左)またはpgk−特異的プロ ーブと、ハイブリダイズした。レーン1:母細胞性FLOXIL−3細胞;レー ン2−6:自律性クローン1−5。分子量は1−kb BRLスケールを用いて 示す。図4 は、IL−3除去後に単離された自律性クローン中のU3−Cre遺伝子ト ラップ取込みおよび位置特異性組換えを示す。 (上)U3−Creプロウィルスの予想される構築体(左)および組換えられた レポータープラスミド(右)。 (下)U3-Cre/Floxil-3取込み配列群(bank)からIL−3を除去した後に 単離したクローンのサザーンブロット分析。個々のクローンのゲノムDNAを、 BamHIで切断し、図3の方法で処理した。次いで、32PラベルしたCre− (左)またはpgk-(右)特定プローブと、ハイブリダイズした。レーン1,26-1 1-1:レーン2,26-11-3:レーン3,26-11-4:レーン4,26-11-5:レーン5, 26-11-6:レーン6,26-11-7:レーン7,26-11-8:レーン 8,26-12-1:レーン9,26-12-2:レーン10,26-12-3:レーン11,26-12-4 :レーン12,26-12-5。図示したプローブは、完全に取込んだときの群の代表 例を示す。図5 は、細胞−プロウィルス融合転写の研究を示す。 (上)発現した遺伝子中の取込まれたU3−Cre遺伝子トラップから予想され る転写。 (下)血清除去前および後の細胞−プロウィルス融合転写のノーザンブロット分 析。ポリアデニル酸RNA(5マイクログラム)を、ホルムアルデヒド−アガロ ースゲル中に分注し、ナイロンメンブラン上に移した。次いで、32Pラベルした Cre−またはGAPDH特定プローブと、ハイブリダイズした。奇数はRNA 、偶数は血清除去16時間後のRNAを示す。レーン5および6は、構成的に発 現されたU3−Cre取込みを有するクローンからのRNAを含む。図6 は、IL−3除去後の細胞転写の研究を示す。IL−3が剥奪されたFDC P−1細胞から、0、6および12時間後、ポリアデニル酸RNA(レーンあた り5マイクログラム)が誘導された。ノーザンブロット分析が図5の方法にした がって構成され、32Pでラベルされた5’プロウィルス−フランキング(両側に 有する)配列またはGAPDHとハイブリダイズした。図7 は、胚幹細胞中に、分化調節U3-Cre遺伝子をトラップする研究を示す 。各細胞150の960プールに、U3-Creウィルスを感染させ、G418中 で選択 した。分化誘発を4日以上行った。 (左)X−Gal染色前(左)および後(右)の分化誘発 (右)調節遺伝子のサザーンブロット分析。ゲノムDNAを、BamHIで切断 し、図3の方法で処理した。次いで、32PでラベルしたCre−(左)またはpg k-(右)特異的プローブと、ハイブリダイズした。u=未分化、d=分化。 これらの特徴は実施例で確認される。 以下に実施例を用いて本発明を詳細に説明する;実施例は説明のためのもので あって、本発明の範囲は実施例に限定されるものではない。 実施例 実施例1レポータープラスミドの構築 レポータープラスミドppgklxtkneoIL-3の大半の構成要素(ホスホグリセレー トトランスフェラーゼプロモーター、loxPターゲット配列、チミジンキナーゼ− ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ融合タンパク質、IL-3遺伝子)を、以下 のようにして、p-BluescriptII-KSに一緒に入れた。 ターゲット配列であるloxPの配列を、pGEM30から誘導した。まず、loxPサイト を、EcoRI/Psti断片として、p-Bluescriptポリリンカーに挿入した。次に、pgk (ホスホグリセレートトキナーゼプロモーター、ppgkCATから得たもの)を、ポ リリンカーのXbal/BamHI組換えサイトに連結し、チミジンキナーゼ−ネオマイシ ンホスホトランスフェラーゼ融合遺伝子を、下流側に位置するEcoRV組換えサイ トにクローニングした。IL-3遺伝子(マウスのcDNAとして、pc-Multi-CSF由来) を、まず、pGEM30から、loxPターゲット遺伝子に隣接したポリリンカーのEcoRI サイトにサブクローニングし、次に、プラスミドをClaI/SalIで切断し、末端の 充填された末端を再度連結して、EcoRIサイトをもう一つ除去した。次に、IL-3- loxPを、pGEM30からSalI/XhoI断片として回収し、p-Bluescriptポリリンカーに クローニングした。SbaI/AvaI断片としてのウシ成長ホルモンのポリアデニル化 配列(bpa)の1コピーを、ブラント末端とともに、tkneoの下流のClaIサイトにク ローニングした。ppgklxtkneoIL-3を得るために、組み立てた配列を含むXhol断 片を、pSBC2のSV-40ポリアデニル化サイトの上流側にクローニングした。この独 創的構築物でも、IL-3のジシストロン性のtkneo-IL-3転写産物からの翻訳が依然 として可能だったので、ブラント末端を有する別のコピーのbpaを、pSBCIIのSal Iサイトにクローニングして、最終的なppgklxtkneoIL-3レポータープラスミドを 得た。 実施例2loxP 組換えターゲットによって挟まれた2つの選択性のレポーター遺伝子を発現 するFDCP1レポーター細胞細胞系の構築 使用するFDCP1造血前駆細胞は、成長に関してIL-3に厳密に依存性であり、培 地からこの増殖因子を除くと、プログラム細胞死が始まる。 FDCP1細胞は、10%(v/v)のウシ胎仔血清(High Clone Laboratories、米国ユ タ州)ならびに10ng/mlの組換えマウスIL-3(Sandoz)を加えたダルベッコの改 良イーグル培地(DMEM,Gibco)中で、細胞2×105個/培地1mlの濃度で培養 した。寒天培地は、40%(v/v)ウシ胎仔血性を加えたダブルストレンスDMEM(hycl one)と0.6%(w/v)バクトアガー(Difco)の二回蒸留水への溶液の等量の混合物 であった。2、3の培養は、5μMのガンシクロビル(Sydex)を含むものとし た。 Cre組換え酵素によって因子非依存性細胞に形質転換された細胞系を得るため に、FDCPI1細胞を、レポータープラスミドppgklxtkneoIL-3でエレクトロポレー ションした。エレクトロポレーションを行うにあたっては、BioRad Gene Pulser (BioRad)を、製造業者の指示にしたがって使用した。組換え体は、0.6mg/mlの G418を含有する寒天培地で単離した。10日後に、発達中のクローンを単離し、 上述の懸濁培養中で増幅させた。ppgklxtkneoIL-3(図3A)は、並んで配置され た2つの選択性レポーター遺伝子から構成されており、これらは、pgk(ホスホ グリセレートトキナーゼ)プロモーターからの転写産物である。この遺伝子の5 ’末端は、HSV2チミジンキナーゼ(Tk)ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ (neo)融合タンパク質をコードしており、この5’末端部分は、2つのloxP組 換えターゲットによって挟まれている。この遺伝子の3’末端は、マウスのIL-3 をコードしており、SV40ポリアデニル化配列で終端している。ジシストロン性の 転写産物のIL-3の翻訳を抑制するために、2つの連続して並んだウシ成長ホルモ ンのポリアデニル化配列(bpa)をtkneoの下流に挿入した。この ことによって、ppgklxtkneoIL-3を発現した細胞であっても、依然として、常にI L-3依存性であると想定することが可能となった。Cre組換え酵素は、通常、直接 反復したlox-Pによって挟まれた配列を切断するので、Creが発現すると、tkneo 遺伝子が欠失することになり、それによって、IL-3遺伝子がpgkプロモーターの 下流に位置することになるものと推定された。そして、その結果、細胞は、ネオ マイシン耐性を失い、IL-3の合成を通じて因子非依存性を獲得するものと推定さ れた。 安定なFDCP-1形質転換体をG148で選択し、5つのクローン性細胞系を寒天培地 から単離した。単一コピーのプラスミドを発現しており、FLOXIL-3として識別さ れた細胞系を、さらなる分析用に選択した。 まず、FLOXIL-3細胞が、依然として成長に関してIL-3依存性であるかどうかの 確認を、IL-3を含まない固まりかけの寒天培地で、5×107個の細胞を2×105個/ mlの濃度で平板培養することによって行った。10日以内に発現したコロニーが なかったので、これらの細胞の内部では、限定的なIL-3の翻訳も、自発的な組換 えも生じていなかったことが推定された。 この推定結果をさらに確認するために、FLOXIL-3細胞とその親にあたるFDCP-1 細胞を、IL-3を含まない寒天培地で24時間予備培養し、最終的にIL-3を与える ことによって救助した。どちらのタイプの細胞も、似たような動態でプログラム 細胞死を開始し、このことから、ppgklxtkneoIL-3の発現によって、因子の除去 に対する細胞の応答に変更が生じることのなかったことが示された。なお、細胞 の大半は、IL-3なしの状態で12時間以上にわたって生存していたので、遺伝子 トラップによってトランスダクションされた配列が発現する時間は十分にあった はずである。 実施例3Cre 組換え酵素(U3-Cre)を発現し、FLOXIL-3細胞を因子非依存性とする遺伝子 トラップの構築 U3-Cre遺伝子トラップベクターは、MoMuLVにもとづくpGgU3Neo(en-)ベクター から誘導し、この際に、U3領域のneo遺伝子が、pMCCreから誘導されたCreをコー ドする配列によって置換された。このプラスミドをヘルパー細胞にトランスフェ クションし、組換えウイルスを高い力価で産生している細胞系の残りの部分は、 FLOXIL-3細胞を感染させる際に使用した。さきにも述べたように、ウイルスの複 製、そしてU3に挿入しておいた配列のLTR媒介性の複製によって、挿入配列は、 隣接する細胞性DNAのちょうど30ヌクレオチド下流に位置することになる。こ のことによって、転写遺伝子への組込みによる挿入配列の発現が可能となる。こ うしたことから、発現遺伝子中にU3-Creが組み込まれているFLOXIL-3細胞は、形 質転換されて因子非依存性細胞になるであろうことが予測された。形質転換の生 じた細胞を選択するために、ウイルスで感染させたFLOXIL-3細胞を、IL-3を含ま ない寒天培地で平板培養した。多数の自律的に成長するコロニーが得られ、これ らのコロニーを懸濁培養中で増幅した。組換えレポータープラスミド が発現されたことからも予測されるように、クローンはいずれもG418耐性をなく しており、IL-3なしで生育した。 組換えが生じていることを確認するために、5つの自律的クローンからのゲノ ムDNAを取り出し、このゲノムDNAをBamHIで消化し、サザンブロッティングで分 析した。BamHIは、pgkならびにIL-3の5’末端の内側を分断するので、組換えFL OXIL-3細胞は、pgkに特異的なプローブとneoに特異的なプローブの双方とハイブ リダイズする3.2kbの内部断片を複製しない(図3A)。この断片は、tkneo をはじめとするloxPに隣接するすべての配列を含んでいるので、欠失に際しては 、2.6kbのサイズ減少が生じているはずである。実際、クローンはいずれも、neo とはハイブリダイズしない0.6kgの制限断片を生成し、このことによって、組換 えが生じていることが示された(図3B)。 また、ノーザンブロッティングで解析したところ、クローンはいずれも、細胞 のプロウイルス転写産物を発現し、このことから、活性細胞のプロモーターのCr e組換え酵素が発現されていることが示された。 このようにして、プログラム細胞死の原因遺伝子をはじめとする遺伝子の単離 や識別を可能とするような遺伝子トラッピング構築物を含むFLOXIL-3細胞が得ら れた。 実施例4U3-Cre/FloxIL-3 組込み体バンクの構築と、一過的に発現された遺伝子配列の単 離 FL0XIL-3細胞にU3-Creレトロウイルスを感染させることによって、2×106個の 非依存性のプロウイルス性組込み体からなる組込み体バンクを構築した。感染細 胞は、まず、G418中で予備的に選択して、発現遺伝子への完全な組込みを防止し た。図4は、この目標が、16日間の選択の後に達成されたことを示している。 組込み体バンクの基本サンプルを、IL-3を含まない寒天培地で平板培養したとこ ろ、全部で110の自律性クローンを単離、増殖することができた。サザンブロ ットで調べたところ、これらのクローンのいずれもが、プロウイルスの組込みを 示し、組換えレポータープラスミドを例外なく含んでいることが示された(図4 )。 11の非依存性で自律性のクローンから得たmRNAを用いたノーザンブロットで は、9つのクローンで、細胞−プロウイルス融合転写産物が極めて弱くのみ発現 されているか、まったく発現されていないかのいずれかであることが示された( 図5、レーン1,3,7,9,11,13,17,19,21)。このことは、 Cre組換え酵素が、レポータープラスミドの組換えが生じるのに十分な程度まで 、一過的にのみに発現されたたことを意味するものである。また、これらの融合 転写産物の50%以上が、血清除去によって誘導可能であり、このことから、遺 伝子トラップによって遮断された遺伝子には、アポトーシスプログラムあるいは 成長の停止が伴うことが示唆された(図5)。 最後に、ノーザンブロットによって、公知の方法(von Melchnerら、1992)に よってクローニングした5’−プロウイルス−フランキング配列を、野生型FDCP -1細胞のmRNAとハイブリダイズした。調べたプローブの大半が、IL-3で誘導した 細胞性転写産物とハイブリダイズした(図6)。これらの遺伝子が、アポトーシ スを直接制御しているのか、それとも、プログラム細胞死の結果として活性化さ れるようなもっと別の機構の一部なのかは、今後の確認を待たねばならない。い ずれにしても、IL-3の除去によって誘導した細胞性転写産物の特性を調べておく ことは、プログラム細胞死の間に現出する複雑な分子の変化を調べるうえで役に 立つはずである。 見いだされた遺伝子のさらに詳しい識別ならびに単離は、通常の方法、たとえ ば、3'RACE、あるいは遺伝子ライブラリーを復元し、見いだされた遺伝子をクロ ーニングし、配列決定することによって実施することができる。 実施例5ES レポーター細胞系の構築 Cre組換え酵素による永久的な選択性のレポーター交換に適したES細胞を得る ために、2つのレポーター遺伝子を連続して配置したものをマウスホスホグリセ レートキナーゼプロモーターで転写したレポーター構築物ppgklxtkneolacZで、 D3細胞をエレクトロポレーションした。レポーター構築物ppgklxtkneolacZは 、ホスホグリセレートキナーゼプロモーター、loxPターゲット配列、ネオマイ シンホスホトランスフェラーゼ遺伝子、そしてlacZの遺伝子から構成されている 。その構成は、レポータープラスミドppgklxtkneoIL-3について記載したパター ンの通りであった。 5’遺伝子は、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼをコードし、同じ向き の2つのloxP組換えターゲットで挟まれている。3’遺伝子は、β−ガラクトシ ダーゼをコードし、SV40ポリアデニル化配列で終端している。SV40-PolyAで終端 するゲノム転写産物を抑制し、そうすることによって同時にlacZの翻訳を抑制す るために、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼの下流に、ウシ成長ホルモン ポリアデニル化配列(bpa)2コピーを連続して位置するように挿入した。 したがって、ppgklxtkneolacZを発現する細胞は、ネオマイシンホスホトランス フェラーゼに対して耐性で、lacZに対してネガティブであるような表現型を示す はずである。しかし、Creが発現した場合には、neo遺伝子は組換え酵素から切り 出され、lacZをコードする配列がpgkプロモーターのすぐ下流に位置することに なるはずである。その結果、組換えレポータープラスミドを発現する細胞は、ネ オマイシン耐性を失い、X-Gal(lacZ+)で陽性に染色されることになる。 ppgklxtkneolacZを発現する各種のES細胞系をG418中で単離し、X-Gal染色のバ ックグラウンドで個々に調べた。10の細胞系のうち4つは、長期にわたって培 養を続けた後も、X-Galによっては規則正しく染色されなかった。LIF(白血病阻 害因子、Leukemia inhibiting factor)あるいは栄養物質の層を含まない培地中 で、こうした細胞系の分化を誘導しても、lacZ細胞は依然として染色反応で 陰性であり、このことから、このlacZ表現型が安定であることが示唆された。さ らなる分析を行うために、1コピーのppgklxtkneolacZを発現する細胞系を選ん だ。以下では、この細胞系をpln13と称する。 Cre組換え酵素によってpln13のlacZがlacZ+に変わったかどうかを確認するた めに、Cre発現性のプラスミドであるpMC-Creで細胞をトランスフェクションした 。10日後に、選択されなかったコロニーを釣り上げ、一部をX-Galで染色した 。各種のlacZ+細胞からゲノムDNAを抽出し、BamHIで切断し、サザンブロッティ ングで分析した。いずれの場合も、lacZの表現型は、2kbの欠失を伴っており、 このことから、レポータープラスミドに部位特異的組換えが生じていることが示 唆された。 実施例6U3-Cre の組込みによるpln3でのβ−ガラクトシダーゼの発現 5×104個のpln13細胞を、感染多重度(MOI)=1で、上述のようにして構築した U3-Creウイルスに感染させた。72時間インキュベートした後、細胞を480のプー ルに分け、マイクロタイタープレートに播種した。48時間後に一部をX-Galで染 色して、活性細胞への組込みについて検出を行った。lacZ+細胞を含んでいた2 0のプールのうち3つを、クローン密度で播種した。4つの陽性クローンを選択 的に単離し、サザンブロッティングで分析した。これらのクローンは、いずれも 、1−2のプロウイルスを含んでおり、このことは、MOI=1としたこと と符合し、また、これらのクローンは、いずれも、組換えレポータープラスミド を含んでいた。また、どのクローンも、細胞−プロウイルス融合転写産物を発現 しており、そのサイズは、100−500nt程度であると予測された。 このように、U3-Cre遺伝子トラップレトロウイルスは、発現遺伝子に組込まれ ることによって、部位特異的組換えを効果的に媒介する。 実施例7誘導性のU3-Cre-プロウイルスの組込みまれたクローンの単離 分化によって誘導性となった遺伝子を単離するうえで、U3-Cre/loxP戦略が適 当かどうかを確認するために、1.5×105個のpln13細胞を、マイクロタイタープ レート10枚の穴に、細胞150個/穴の濃度で播種し、MOI=1でU3-Creウイルス に感染させた。活性遺伝子への組込みを防ぐために、細胞をG418上で5日間にわ たって選択した。その後、LIF(白血病阻害因子、Leukemia Inhibitory Factor )あるいはMEF(マウス胚線維芽細胞、Mouse Embryonic Fibroblasts)の不在下 で、各穴の一部の分化を誘導して、X-Galで染色した。960個の穴のうち44個が、 この試験で陽性に染色された。さらに調べたところ、9つのプールが、LIFなら びにMEFの存在下ならびに不在下でlacZ+であり、35のプールが、分化の後には じめてlacZ+となった。このことから、誘導遺伝子中でU3-Creの組込みが生じて いることが示された。 図7は、分化特異的遺伝子へのU3-Cre-プロウイルスの組込みが生じている単 離クローン3つの例を示す。遺伝子の誘導性は、lacZ(-)(図7A、未分化細胞 、左上)からlacZ(+)(図7A、分化細胞、右上)への表現型の変化によって調 べた。サザンブロットでは、この変化が、誘導性分化遺伝子へのU3-Cre-プロウ イルスの組込みによって生じたレポータープラスミドの部位特異的組換えに基づ くものであることが示された(図7B)。 図2には、こうした単離の概略を示す。最初の工程では、U3-Cre遺伝子トラッ プベクターによる感染と、G418での選択を行う。得られたコロニーは、一部をと り分け、分化を誘導し、X-Galで染色する。染色されたクローンのみを選択し、 増殖させ、キメラマウスの構築に使用する。これらのマウスは、また、組織での lacZの分布を測定したり、F2マウスの表現型を決定したり、-/-ES-細胞を単離し たりする際にも使用することができる。 対応する細胞性遺伝子は、公知の遺伝子トラップ配列から、通常の手段によっ てクローニングすることができる。 このようにして、本発明のこの遺伝子トラッピング構築物は、遺伝子、特に、 一過的にのみ発現される遺伝子を単離および/または識別することを可能とする ものである。 文献リスト Coffln,J.M.,Stoye,J.P.およびFrankel,W.N.(1989)、マウス内在性白 血病ウィルスの遺伝学、Ann.N Y Acad.Sci.567,39-49。 Goff,S.P.(1990)、感染した細胞のゲノム中へのレトロウィルスDNAの組 込み、Cancer Cells,172-178。 Gridley,T.,Soriano,O.,およびJaenisch,R.(1987)、マウスへの突然変 異生成の挿入、Trends Genet.3,162-166。 Hill,D.H.P.,およびWurst,W.(1993)、突然変異生成方法による哺乳類進 化の解析、Dev.Biol.28,181-206。 Hill,D.H.P.,およびWurst,W.(1993)、遺伝子トラップ技術を用いたマウ ス中のパターン形成のためのスクリーニング、Methods Enzyme.255,663-681。 Muthuchamy,M.,Pajak,L.,Howles,P.,Doetschman,T.,およびWieczorek ,D.(1993)、胚性幹細胞およびマウス胚中でのトロポミオシン遺伝予発現の発 育分析、Mol.Cell.Blol.13,3311-3323。 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【手続補正書】 【提出日】平成11年8月11日(1999.8.11) 【補正内容】 請求の範囲 1.活性化後に第2のレポーター遺伝子を活性化しうる第1のレポーター遺伝子 を含む遺伝子トラップ構築体。 2.前記第1のレポーター遺伝子が組換え酵素をコードすることを特徴とする請 求項1に記載の遺伝子トラップ構築体。 3.前記組換え酵素がCreであることを特徴とする請求項2に記載の遺伝子ト ラップ構築体。 4.前記組換え酵素がFlpであることを特徴とする請求項2に記載の遺伝子ト ラップ構築体。 5.前記第2のレポーター遺伝子がタンパク質因子をコードすることを特徴とす 前記請求項のいずれかに記載の遺伝子トラップ構築体。 6.前記第2のレポーター遺伝子がIL−3をコードすることを特徴とする請求 項5に記載の遺伝子トラップ構築体。 7.前記第2のレポーター遺伝子がLacZをコードすることを特徴とする請求 項5に記載の遺伝子トラップ構築体。 8.前記組換え酵素が、前記第2のレポーター遺伝子より先に配置されたDNA 断片を削除し、それにより第2のレポーター遺伝子がプロモーターの下流に置か れ、そのコントロールを受けることによって、第2のレポーター遺伝子が活性化 されることを特徴とする請求項2ないし7のいずれかに記載の遺伝子トラップ構 築体。 9.前記削除される断片が、抗生耐性遺伝子であることを特徴とする請求項8に 記載の遺伝子トラップ構築体。 10.前記削除されるDNA断片が、チミジンキナーゼーネオマイシンホスホト ランスフェラーゼ融合タンパク質をコードすることを特徴とする請求項9に記載 の遺伝子トラップ構築体。 11.前記削除されるDNA断片が、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼを コードすることを特徴とする請求項10に記載の遺伝子トラップ構築体。 12.前記プロモーターが、ホスホグリセリン酸キナーゼ(pgk)プロモータ ーであることを特徴とする請求項9、10または11に記載の遺伝子トラップ構 築体。 13.前記削除されるDNA断片が、組換え酵素のための標的配列で挟まれてい ることを特徴とする請求項8ないし12のいずれかに記載の遺伝子トラップ構築 体。 14.前記標的配列がIoxPであることを特徴とする請求項13に記載の遺伝 子トラップ構築体。 15.前記標的配列がfrtであることを特徴とする請求項13に記載の遺伝子 トラップ構築体。 16.前記標的配列がU3および/またはU5領域中に位置することを特徴とす る請求項13、14または15に記載の遺伝子トラップ構築体。 17.遺伝子、特に一過性遺伝子の同定および/または単離のための請求項1〜 16のいずれかに記載の遺伝子トラップ構築体の使用。 18.プログラムされた細胞死、DNA修正、分化および/または細胞周期をコ ントロールする遺伝子を単離および/または同定するための請求項17に記 載の使用。 19.請求項1ないし15のいずれかの遺伝子トラップ構築体を含む細胞、好ま しくは哺乳類細胞。 20.IL−3依存性であり、前記第1のレポーター遺伝子がCre組換え酵素 をコードし、該Cre組換え酵素が第2のレポーター遺伝子より先に配置された DNA断片を削除し、該削除された断片が、チミジンキナーゼ−ネオマイシンホ スホトランスフェラーゼ融合タンパク質(TKNeoPT)をコードし、Iox P標的配列で挟まれ、前記第2のレポーター遺伝子がIL−3をコードし、次い でTKNeoPT遺伝子を削除した後、ホスホグリセリン酸キナーゼプロモータ ーの下流に置かれていることを特徴とする請求項19に記載の哺乳類細胞。 1.造血性FDCP−1または分化全能性幹細胞であることを特徴とする請求項 20に記載の哺乳類細胞。 22.遺伝子、特に一過性遺伝子の同定および/または単離のための請求項19 に記載の哺乳類細胞の使用。 23.プログラムされた細胞死、DNA修正、分化および/または細胞周期をコ ントロールする遺伝子を単離および/または同定するための請求項19または2 0または21に記載の哺乳類細胞の使用。 24.請求項1ないし16のいずれかの遺伝子トラップ構築体を含むベクター。 25.遺伝子、特に一過性遺伝子の同定および/または単離のための請求項1か ら16に記載の遺伝子トラップ構築体および/または請求項24に記載のベクタ ーを含むキット。 26.以下の工程を含む、遺伝子、特に一過性遺伝子を同定および/または単離 する方法: −請求項1ないし16のいずれかに記載の遺伝子トラップ構築体を適切な細胞中 に誘導する −第1のレポーター遺伝子が、細胞中の遺伝子、好ましくは不活性遺伝子に組込 まれる細胞を選択する −第1のレポーター遺伝子の活性化、好ましくは不活性遺伝子の転写開始を介し て、その結果、第2のレポーター遺伝子が活性化され、および −第1レポーター遺伝子が組込まれた遺伝子を同定および/または単離する。 27.下記の特徴を有する請求項26の方法: −第1のレポーター遺伝子としてのCre組換え酵素遺伝子を含む請求項8に記 載の遺伝子トラップ構築体、該Cre組換え酵素が、第2のレポーター遺伝子の上流 に配置されたチミヂンキナーゼ−ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺 伝子を削除し、これによりIL−3をコードする第2のレポーター遺伝子が、ホ スホグリセリン酸キナーゼプロモーターのコントロール下に来る、 −上記遺伝子トラップ構築体は、IL−3依存性FDCP−1細胞中に挿入され 、 −ネオマイシン培地中での培養を経て、Cre組換え酵素を生産しない細胞が選 択され、 −これら選択された細胞がIL−3を含まない培地で培養され、プログラムされ た細胞死に関する遺伝子が活性化され、 −すなわち生存細胞が選び出され、および −プログラムされた細胞死に関する遺伝子が、一般的な手順により単離される。 28.下記の特徴を有する請求項26の方法: −第1のレポーター遺伝子としてのCre組換え酵素遺伝子を含む請求項8に記 載の遺伝子トラップ構築体、該Cre組換え酵素が、第2のレポーター遺伝子よ りも下流に配置されたネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子を削除し、 これによりlacZをコードする第2のレポーター遺伝子が、ホスホグリセリン 酸キナーゼプロモーターのコントロール下に来る、 −上記遺伝子トラップ構築体は、分化全能性胚性幹細胞中に挿入され、 −G418での培養を経て、Cre組換え酵素を生産しない細胞が選択され、 −これら選択された細胞は分化が誘導され、分化特異的遺伝子が活性化され、 −これら細胞が単離され、 −哺乳類の生殖系列中に誘導され、そこで組織の形成に関し、そして −分化特異的遺伝子が一般的な手順により単離される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フォン メルクナー ハラルド ドイツ国 フランクフルト アム マイン D―60596 テオドール―スターン―カ イ 7 アプタイラング ハエマトロジー ユニヴァージターツクリーニクム

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.活性化後に第2のレポーター遺伝子を活性化しうる第1のレポーター遺伝子 を含む遺伝子トラップ構築体。 2.前記第1のレポーター遺伝子が組換え酵素をコードすることを特徴とする請 求項1に記載の遺伝子トラップ構築体。 3.前記組換え酵素がCreであることを特徴とする請求項2に記載の遺伝子ト ラップ構築体。 4.前記組換え酵素がFlpであることを特徴とする請求項2に記載の遺伝子ト ラップ構築体。 5.前記第2のレポーター遺伝子がタンパク質因子をコードすることを特徴とす る前記請求項のいずれかに記載の遺伝子トラップ構築体。 6.前記第2のレポーター遺伝子がIL−3をコードすることを特徴とする請求 項5に記載の遺伝子トラップ構築体。 7.前記第2のレポーター遺伝子がLacZをコードすることを特徴とする請求 項5に記載の遺伝子トラップ構築体。 8.前記組換え酵素が、前記第2のレポーター遺伝子より先に配置されたDNA 断片を削除し、それにより第2のレポーター遺伝子がプロモーターの下流に置か れ、そのコントロールを受けることによって、第2のレポーター遺伝子が活性化 されることを特徴とする請求項2ないし7のいずれかに記載の遺伝子トラップ構 築体。 9.前記削除される断片が、抗生耐性遺伝子であることを特徴とする請求項8に 記載の遺伝子トラップ構築体。 10.前記削除されるDNA断片が、チミジンキナーゼ−ネオマイシンホスホト ランスフェラーゼ融合タンパク質をコードすることを特徴とする請求項9に記載 の遺伝子トラップ構築体。 11.前記削除されるDNA断片が、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼを コードすることを特徴とする請求項10に記載の遺伝子トラップ構築体。 12.前記プロモーターが、ホスホグリセリン酸キナーゼ(pgk)プロモータ ーであることを特徴とする請求項9、10または11に記載の遺伝子トラップ構 築体。 13.前記削除されるDNA断片が、組換え酵素のための標的配列で挟まれてい ることを特徴とする請求項8ないし12のいずれかに記載の遺伝子トラップ構築 体。 14.前記標的配列がIoxPであることを特徴とする請求項13に記載の遺伝 子トラップ構築体。 15.前記標的配列がfrtであることを特徴とする請求項13に記載の遺伝子 トラップ構築体。 16.前記標的配列がU3および/またはU5領域中に位置することを特徴とす る請求項13、14または15に記載の遺伝子トラップ構築体。 17.遺伝子、特に一過性遺伝子の同定および/または単離のための請求項1〜 16のいずれかに記載の遺伝子トラップ構築体の使用。 18.プログラムされた細胞死、DNA修正、分化および/または細胞周期をコ ントロールする遺伝子を単離および/または同定するための請求項17に記 載の使用。 19.請求項1ないし15のいずれかの遺伝子トラップ構築体を含む細胞、好ま しくは哺乳類細胞。 20.IL−3依存性であり、前記第1のレポーター遺伝子がCre組換え酵素 をコードし、該Cre組換え酵素が第2のレポーター遺伝子より先に配置された DNA断片を削除し、該削除された断片が、チミジンキナーゼ−ネオマイシンホ スホトランスフェラーゼ融合タンパク質(TKNeoPT)をコードし、Iox P標的配列で挟まれ、前記第2のレポーター遺伝子がIL−3をコードし、次い でTKNeoPT遺伝子を削除した後、ホスホグリセリン酸キナーゼプロモータ ーの下流に置かれていることを特徴とする請求項19に記載の哺乳類細胞。 21.造血性FDCP−1または分化全能性幹細胞であることを特徴とする請求 項20に記載の哺乳類細胞。 22.遺伝子、特に一過性遺伝子の同定および/または単離のための請求項19 に記載の哺乳類細胞の使用。 23.プログラムされた細胞死、DNA修正、分化および/または細胞周期をコ ントロールする遺伝子を単離および/または同定するための請求項19または2 0または21に記載の哺乳類細胞の使用。 24.請求項1ないし16のいずれかの遺伝子トラップ構築体を含むベクター。 25.遺伝子、特に一過性遺伝子の同定および/または単離のための請求項1か ら16に記載の遺伝子トラップ構築体および/または請求項24に記載のベクタ ーを含むキット。 26.以下の工程を含む、遺伝子、特に一過性遺伝子を同定および/または単離 する方法: −請求項1ないし16のいずれかに記載の遺伝子トラップ構築体を適切な細胞中 に誘導する −第1のレポーター遺伝子が、細胞中の遺伝子、好ましくは不活性遺伝子に組込 まれる細胞を選択する −第1のレポーター遺伝子の活性化、好ましくは不活性遺伝子の転写開始を介し て、その結果、第2のレポーター遺伝子が活性化され、および −第1レポーター遺伝子が組込まれた遺伝子を同定および/または単離する。 27.下記の特徴を有する請求項26の方法: −第1のレポーター遺伝子としてのCre組換え酵素遺伝子を含む請求項8に記 載の遺伝子トラップ構築体、該Cre組換え酵素が、第2のレポーター遺伝子の 下流に配置されたチミヂンキナーゼ−ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺 伝子を削除し、これによりIL−3をコードする第2のレポーター遺伝子が、ホ スホグリセリン酸キナーゼプロモーターのコントロール下に来る、 −上記遺伝子トラップ構築体は、IL−3依存性FDCP−1細胞中に挿入され 、 −ネオマイシン培地中での培養を経て、Cre組換え酵素を生産しない細胞が選 択され、 −これら選択された細胞がIL−3を含まない培地で培養され、プログラムされ た細胞死に関する遺伝子が活性化され、 −すなわち生存細胞が選び出され、および −プログラムされた細胞死に関する遺伝子が、一般的な手順により単離される。 28.下記の特徴を有する請求項26の方法: −第1のレポーター遺伝子としてのCre組換え酵素遺伝子を含む請求項8に記 載の遺伝子トラップ構築体、該Cre組換え酵素が、第2のレポーター遺伝子よ りも下流に配置されたネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子を削除し、 これによりlacZをコードする第2のレポーター遺伝子が、ホスホグリセリン 酸キナーゼプロモーターのコントロール下に来る、 −上記遺伝子トラップ構築体は、分化全能性胚性幹細胞中に挿入され、 −G418での培養を経て、Cre組換え酵素を生産しない細胞が選択され、 −これら選択された細胞は分化が誘導され、分化特異的遺伝子が活性化され、ー これら細胞が単離され、 −哺乳類の生殖系列中に誘導され、そこで組織の形成に関し、そして −分化特異的遺伝子が一般的な手順により単離される。
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