JP3322855B2 - 紅色非硫黄性細菌の培養装置および低臭気排水処理装置 - Google Patents
紅色非硫黄性細菌の培養装置および低臭気排水処理装置Info
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- Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品処理工程など
で発生する排水を処理するに当たって、悪臭を伴う排水
から効率的に臭気を除去して、排水処理設備の環境を改
善するための排水の臭気除去を行う低臭気排水処理装
置、及び、その低臭気排水処理装置に消臭を行わせるた
めの紅色非硫黄性細菌を供給する培養装置に関する。
で発生する排水を処理するに当たって、悪臭を伴う排水
から効率的に臭気を除去して、排水処理設備の環境を改
善するための排水の臭気除去を行う低臭気排水処理装
置、及び、その低臭気排水処理装置に消臭を行わせるた
めの紅色非硫黄性細菌を供給する培養装置に関する。
【0002】
【従来の技術】食品製造工場などで発生する排水、例え
ば乳業排水などは一般に高濃度のBODを含むもので、
活性汚泥法などの生物処理により浄化されて排出される
のが普通である。しかしこのような排水を処理する際
に、原水調整槽、曝気槽、余剰汚泥槽、スカムピット、
脱水ケーキ貯槽などでしばしば悪臭が発生することがあ
った。そのため従来から、排水処理設備での悪臭発生を
抑える手段として、消臭剤の添加、臭気分解細菌などの
添加、吸着剤などによる臭気ガスの吸着除去、オゾンな
どによる臭気ガスの酸化分解、微生物に臭気ガスを接触
させる生物分解などの、種々の方法が提案されている。
ば乳業排水などは一般に高濃度のBODを含むもので、
活性汚泥法などの生物処理により浄化されて排出される
のが普通である。しかしこのような排水を処理する際
に、原水調整槽、曝気槽、余剰汚泥槽、スカムピット、
脱水ケーキ貯槽などでしばしば悪臭が発生することがあ
った。そのため従来から、排水処理設備での悪臭発生を
抑える手段として、消臭剤の添加、臭気分解細菌などの
添加、吸着剤などによる臭気ガスの吸着除去、オゾンな
どによる臭気ガスの酸化分解、微生物に臭気ガスを接触
させる生物分解などの、種々の方法が提案されている。
【0003】ところで消臭剤の添加による方法のうち、
臭気成分を消臭剤と反応させて分解する方法は、臭気成
分によっては消臭剤の効力が充分でない場合があり、ま
た臭気成分に対して過剰の消臭剤を常時存在させること
が必要であるため、コスト高となることが避けられな
い。一方、臭気成分を芳香剤によってマスキングする方
法も、適切な芳香剤の選択が容易でないうえ、常時芳香
剤の供給を継続する必要があるため、これもコスト高と
なる欠点がある。しかもこれらの方法は、いずれも食品
製造工場の排水処理設備で発生する臭気に対しては、効
果が充分でないという難点があった。
臭気成分を消臭剤と反応させて分解する方法は、臭気成
分によっては消臭剤の効力が充分でない場合があり、ま
た臭気成分に対して過剰の消臭剤を常時存在させること
が必要であるため、コスト高となることが避けられな
い。一方、臭気成分を芳香剤によってマスキングする方
法も、適切な芳香剤の選択が容易でないうえ、常時芳香
剤の供給を継続する必要があるため、これもコスト高と
なる欠点がある。しかもこれらの方法は、いずれも食品
製造工場の排水処理設備で発生する臭気に対しては、効
果が充分でないという難点があった。
【0004】また天然鉱物や活性炭、或いは木屑などを
担体として、これに有機物分解細菌を付着させた分解菌
剤が市販されているが、臭気除去に対する効果が劣るう
え、極めて遅効性であり、しかもコストが高い欠点があ
る。
担体として、これに有機物分解細菌を付着させた分解菌
剤が市販されているが、臭気除去に対する効果が劣るう
え、極めて遅効性であり、しかもコストが高い欠点があ
る。
【0005】更に臭気発生源となる装置を密閉して臭気
ガスを吸引し、吸着や酸化分解、或いは生物分解する方
法は、密閉構造やガス吸引設備、ガスの脱臭処理設備等
が大掛かりなものとなり、設備投資が嵩むほか、設備の
維持管理の費用や労力が必要となるという問題もある。
ガスを吸引し、吸着や酸化分解、或いは生物分解する方
法は、密閉構造やガス吸引設備、ガスの脱臭処理設備等
が大掛かりなものとなり、設備投資が嵩むほか、設備の
維持管理の費用や労力が必要となるという問題もある。
【0006】ここで、特開昭54−118648号では
紅色非硫黄性細菌などの光合成細菌を用いて悪臭を防止
する方法が提案されている。この方法は、比較的低コス
トで、効率的な悪臭防止が可能で、さらに効果が持続す
ると云う利点を有する優れた技術である。
紅色非硫黄性細菌などの光合成細菌を用いて悪臭を防止
する方法が提案されている。この方法は、比較的低コス
トで、効率的な悪臭防止が可能で、さらに効果が持続す
ると云う利点を有する優れた技術である。
【0007】しかしながら、紅色非硫黄性細菌は少量の
培養は容易であるが、大規模な悪臭防止に用いるのに必
要な充分な量の紅色非硫黄性細菌を確保し、実用に供す
ることは困難であった。
培養は容易であるが、大規模な悪臭防止に用いるのに必
要な充分な量の紅色非硫黄性細菌を確保し、実用に供す
ることは困難であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来技術
における問題点に鑑み、本発明は、排水処理装置で用い
るのに充分な量の紅色非硫黄性細菌を低コストで、手間
をかけず効率的に供給するための紅色非硫黄性細菌の培
養装置、及びこのような培養装置を有し、悪臭を発生す
る食品処理排水などの廃水処理を、衛生的でかつ安全に
行え、しかも設備投資が少ないうえ設備の維持管理費用
も増加させることなく、効果的に悪臭を抑制することが
できる低臭気排水処理装置を提供することを目的とす
る。
における問題点に鑑み、本発明は、排水処理装置で用い
るのに充分な量の紅色非硫黄性細菌を低コストで、手間
をかけず効率的に供給するための紅色非硫黄性細菌の培
養装置、及びこのような培養装置を有し、悪臭を発生す
る食品処理排水などの廃水処理を、衛生的でかつ安全に
行え、しかも設備投資が少ないうえ設備の維持管理費用
も増加させることなく、効果的に悪臭を抑制することが
できる低臭気排水処理装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の紅色非硫黄性細
菌の培養装置は、上記課題を解決するため、請求項1に
記載の通り、高濃度有機性水性液から揮発性低級脂肪酸
を生成させる有機酸生成槽と、その有機酸生成槽で生成
した揮発性低級脂肪酸を基質として紅色非硫黄性細菌を
培養する培養槽とを備えた培養装置であって、有機酸生
成槽に高濃度有機性水性液を供給する廃液供給手段、該
有機酸生成槽で発生する臭気を除去する有機酸生成槽臭
気除去手段、有機酸生成槽で生成した揮発性低級脂肪酸
を有する水性液を培養槽に供給する有機酸供給手段、培
養槽内に供給された揮発性低級脂肪酸を希釈する有機酸
希釈手段、該培養槽を好気性雰囲気に維持する酸素供給
手段、培養槽で発生する臭気を除去する培養槽臭気除去
手段、及び、培養槽で増殖した紅色非硫黄性細菌を含む
水性液を需要側に供給する細菌供給手段とを備え、各群
が1つ以上の独立した回分培養式の培養槽から構成され
る培養槽群を2群以上備え、各培養槽群での培養開始か
ら培養終了後の需要側への供給までの工程が独立して行
え、これら培養槽群が独立して順次、揮発性低級脂肪酸
を含む水性液の仕込み、2〜4日間の増殖培養、需要側
への供給のサイクルを繰り返す連続循環培養制御手段を
有するものである紅色非硫黄性細菌の培養装置である。
菌の培養装置は、上記課題を解決するため、請求項1に
記載の通り、高濃度有機性水性液から揮発性低級脂肪酸
を生成させる有機酸生成槽と、その有機酸生成槽で生成
した揮発性低級脂肪酸を基質として紅色非硫黄性細菌を
培養する培養槽とを備えた培養装置であって、有機酸生
成槽に高濃度有機性水性液を供給する廃液供給手段、該
有機酸生成槽で発生する臭気を除去する有機酸生成槽臭
気除去手段、有機酸生成槽で生成した揮発性低級脂肪酸
を有する水性液を培養槽に供給する有機酸供給手段、培
養槽内に供給された揮発性低級脂肪酸を希釈する有機酸
希釈手段、該培養槽を好気性雰囲気に維持する酸素供給
手段、培養槽で発生する臭気を除去する培養槽臭気除去
手段、及び、培養槽で増殖した紅色非硫黄性細菌を含む
水性液を需要側に供給する細菌供給手段とを備え、各群
が1つ以上の独立した回分培養式の培養槽から構成され
る培養槽群を2群以上備え、各培養槽群での培養開始か
ら培養終了後の需要側への供給までの工程が独立して行
え、これら培養槽群が独立して順次、揮発性低級脂肪酸
を含む水性液の仕込み、2〜4日間の増殖培養、需要側
への供給のサイクルを繰り返す連続循環培養制御手段を
有するものである紅色非硫黄性細菌の培養装置である。
【0010】また、本発明の低臭気排水処理装置は、請
求項5に記載の通り、高濃度有機性水性液から揮発性低
級脂肪酸を生成させる有機酸生成槽、その有機酸生成槽
で生成した揮発性低級脂肪酸を基質として紅色非硫黄性
細菌を培養する培養槽とを有する排水処理装置であっ
て、有機酸生成槽に高濃度有機性水性液を供給する廃液
供給手段、該有機酸生成槽で発生する臭気を除去する有
機酸生成槽臭気除去手段、有機酸生成槽で生成した揮発
性低級脂肪酸を有する水性液を培養槽に供給する有機酸
供給手段、培養槽内に供給された揮発性低級脂肪酸を希
釈する有機酸希釈手段、該培養槽を好気性雰囲気に維持
する酸素供給手段、培養槽で発生する臭気を除去する培
養槽臭気除去手段、培養槽で増殖した紅色非硫黄性細菌
を含む水性液を曝気処理前排水、曝気槽あるいは汚泥貯
槽の少なくとも1つに供給する細菌供給手段を有し、該
培養槽を好気性雰囲気に維持する酸素供給手段とを備
え、各群が1つ以上の独立した回分培養式の培養槽から
構成される培養槽群を2群以上備え、各培養槽群での培
養開始から培養終了後の需要側への供給までの工程が独
立して行え、これら培養槽群が独立して順次、揮発性低
級脂肪酸を含む水性液の仕込み、2〜4日間の増殖培
養、需要側への供給のサイクルを繰り返す連続循環培養
制御手段を有するものである低臭気排水処理装置であ
る。
求項5に記載の通り、高濃度有機性水性液から揮発性低
級脂肪酸を生成させる有機酸生成槽、その有機酸生成槽
で生成した揮発性低級脂肪酸を基質として紅色非硫黄性
細菌を培養する培養槽とを有する排水処理装置であっ
て、有機酸生成槽に高濃度有機性水性液を供給する廃液
供給手段、該有機酸生成槽で発生する臭気を除去する有
機酸生成槽臭気除去手段、有機酸生成槽で生成した揮発
性低級脂肪酸を有する水性液を培養槽に供給する有機酸
供給手段、培養槽内に供給された揮発性低級脂肪酸を希
釈する有機酸希釈手段、該培養槽を好気性雰囲気に維持
する酸素供給手段、培養槽で発生する臭気を除去する培
養槽臭気除去手段、培養槽で増殖した紅色非硫黄性細菌
を含む水性液を曝気処理前排水、曝気槽あるいは汚泥貯
槽の少なくとも1つに供給する細菌供給手段を有し、該
培養槽を好気性雰囲気に維持する酸素供給手段とを備
え、各群が1つ以上の独立した回分培養式の培養槽から
構成される培養槽群を2群以上備え、各培養槽群での培
養開始から培養終了後の需要側への供給までの工程が独
立して行え、これら培養槽群が独立して順次、揮発性低
級脂肪酸を含む水性液の仕込み、2〜4日間の増殖培
養、需要側への供給のサイクルを繰り返す連続循環培養
制御手段を有するものである低臭気排水処理装置であ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の紅色非硫黄性細菌の培養
装置において、有機酸生成槽では高濃度有機性水性液か
ら嫌気性発酵により揮発性低級脂肪酸を生成させる。
装置において、有機酸生成槽では高濃度有機性水性液か
ら嫌気性発酵により揮発性低級脂肪酸を生成させる。
【0012】用いられる高濃度有機性水性液としては、
アルコール等の有機溶媒類、あるいは含有無機物などの
有機酸生成槽で行われる嫌気性発酵の妨げとなる可能性
のある成分が、発酵を妨げない濃度未満である水性液で
あれば何でも良いが、製菓廃液、ジュース廃液、あるい
は時間が経過して食用・飲用に適さなくなった牛乳や加
工乳(これらを併せて「廃棄乳」と云う)等の水性液を
用いれば、これらの有効活用が可能となる。特に廃棄乳
を高濃度有機性水性液として用いた場合に得られる紅色
非硫黄性細菌を、乳製品工場などの工程排水の処理に応
用した場合、高い除臭効果が得られる。
アルコール等の有機溶媒類、あるいは含有無機物などの
有機酸生成槽で行われる嫌気性発酵の妨げとなる可能性
のある成分が、発酵を妨げない濃度未満である水性液で
あれば何でも良いが、製菓廃液、ジュース廃液、あるい
は時間が経過して食用・飲用に適さなくなった牛乳や加
工乳(これらを併せて「廃棄乳」と云う)等の水性液を
用いれば、これらの有効活用が可能となる。特に廃棄乳
を高濃度有機性水性液として用いた場合に得られる紅色
非硫黄性細菌を、乳製品工場などの工程排水の処理に応
用した場合、高い除臭効果が得られる。
【0013】有機酸生成槽で上記高濃度有機性水性液か
ら生成される揮発性低級脂肪酸は、例えば酢酸、プロピ
オン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸などの炭素数2〜6
の揮発性低級脂肪酸であることが望ましく、例えば廃棄
乳の場合、濃度としてはこれら有機酸が20g/L程度
となる程度(10日程度)に発酵させる。発酵は、特に
種菌となるようなものは必要とせずに進行する。なお、
必要に応じ加温し、好ましくは35℃前後に保つ。
ら生成される揮発性低級脂肪酸は、例えば酢酸、プロピ
オン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸などの炭素数2〜6
の揮発性低級脂肪酸であることが望ましく、例えば廃棄
乳の場合、濃度としてはこれら有機酸が20g/L程度
となる程度(10日程度)に発酵させる。発酵は、特に
種菌となるようなものは必要とせずに進行する。なお、
必要に応じ加温し、好ましくは35℃前後に保つ。
【0014】なお、有機酸生成槽での発酵の速度は、揮
発性低級脂肪酸を基質として行う紅色非硫黄性細菌の培
養に比して遅いため、有機酸生成槽としては大きなもの
を用い、培養槽には内部の液の一部のみを送り出し、そ
の後送り出した量に見合った高濃度有機性水性液を再度
仕込むなどして、内部の系に大きな影響を与えないよう
にすることが好ましい。なお、高濃度有機性水性液を再
度仕込んだときには系内のpHが6〜9になるよう必要
に応じて水酸化ナトリウムなどのアルカリ水溶液を添加
して調整する。
発性低級脂肪酸を基質として行う紅色非硫黄性細菌の培
養に比して遅いため、有機酸生成槽としては大きなもの
を用い、培養槽には内部の液の一部のみを送り出し、そ
の後送り出した量に見合った高濃度有機性水性液を再度
仕込むなどして、内部の系に大きな影響を与えないよう
にすることが好ましい。なお、高濃度有機性水性液を再
度仕込んだときには系内のpHが6〜9になるよう必要
に応じて水酸化ナトリウムなどのアルカリ水溶液を添加
して調整する。
【0015】このように有機酸生成槽で生成した揮発性
低級脂肪酸を有する水性液は、例えばポンプ及び配管、
バルブ、タイマー、流量計、水位計等により構成される
有機酸供給手段により培養槽に送られる。この際、後述
するように本発明の装置では、その特有の構成により、
加熱などの滅菌操作を行うことなく培養槽で紅色非硫黄
性細菌を培養することができる。
低級脂肪酸を有する水性液は、例えばポンプ及び配管、
バルブ、タイマー、流量計、水位計等により構成される
有機酸供給手段により培養槽に送られる。この際、後述
するように本発明の装置では、その特有の構成により、
加熱などの滅菌操作を行うことなく培養槽で紅色非硫黄
性細菌を培養することができる。
【0016】培養槽は耐食性を有する材料、例えば、ス
テンレス、或いはFRPからなるか、或いは耐食性を有
する各種ライニング材によってライニングされているこ
とが必要である。なお、本発明において、紅色非硫黄性
細菌の増殖は暗環境下で行うことが、より活発な増殖が
可能となるため望ましく、そのため、培養槽を屋外に設
置する場合には光を透過しない材料から構成するか、あ
るいは、塗料その他の手段により遮光してあることが好
ましい。
テンレス、或いはFRPからなるか、或いは耐食性を有
する各種ライニング材によってライニングされているこ
とが必要である。なお、本発明において、紅色非硫黄性
細菌の増殖は暗環境下で行うことが、より活発な増殖が
可能となるため望ましく、そのため、培養槽を屋外に設
置する場合には光を透過しない材料から構成するか、あ
るいは、塗料その他の手段により遮光してあることが好
ましい。
【0017】培養槽内に供給された揮発性低級脂肪酸を
含む水性液は、有機酸濃度が20g/L程度と高く、後
述するように、有機酸濃度を0.5〜5g/L程度、好
ましくは1.5〜3g/L程度になるよう希釈して培養
に供することにより効率のよい培養が可能となる。
含む水性液は、有機酸濃度が20g/L程度と高く、後
述するように、有機酸濃度を0.5〜5g/L程度、好
ましくは1.5〜3g/L程度になるよう希釈して培養
に供することにより効率のよい培養が可能となる。
【0018】希釈のため、培養槽内に供給された揮発性
低級脂肪酸を含む水性液に井水、工業用水、あるいは比
較的清澄な工場排水などを添加する。このための有機酸
希釈手段は必要に応じて攪拌機器、配管、ホース、ポン
プ、バルブ、タイマー、流量計、水位計などで形成され
る。ここで自動滴定装置、あるいは、揮発性低級脂肪酸
を含む水性液が清澄な場合には吸光光度計などと、自動
バルブ、CPU等を組み合わせて、最適な希釈率になる
ような有機酸希釈自動制御手段を設けることにより有機
酸希釈手段を自動制御することができる。
低級脂肪酸を含む水性液に井水、工業用水、あるいは比
較的清澄な工場排水などを添加する。このための有機酸
希釈手段は必要に応じて攪拌機器、配管、ホース、ポン
プ、バルブ、タイマー、流量計、水位計などで形成され
る。ここで自動滴定装置、あるいは、揮発性低級脂肪酸
を含む水性液が清澄な場合には吸光光度計などと、自動
バルブ、CPU等を組み合わせて、最適な希釈率になる
ような有機酸希釈自動制御手段を設けることにより有機
酸希釈手段を自動制御することができる。
【0019】なお、本発明の装置では上記のように揮発
性低級脂肪酸を含む水性液を希釈して用いるため有機酸
生成槽の容量は培養槽の容量に比べ、数倍〜同程度の大
きさで充分であり、設備コスト及び設置面積の点で有利
となる。
性低級脂肪酸を含む水性液を希釈して用いるため有機酸
生成槽の容量は培養槽の容量に比べ、数倍〜同程度の大
きさで充分であり、設備コスト及び設置面積の点で有利
となる。
【0020】特筆すべきこととして、揮発性低級脂肪酸
を含む水性液は多量の雑菌を有するが、通常、これを特
に殺菌したりせずに紅色非硫黄性細菌の培養に用いるこ
とができる点が挙げられる。本発明の装置の構成によれ
ば、このように殺菌を行わなくても、消臭用途に好適な
紅色非硫黄性細菌を含む水性液を得ることができる。
を含む水性液は多量の雑菌を有するが、通常、これを特
に殺菌したりせずに紅色非硫黄性細菌の培養に用いるこ
とができる点が挙げられる。本発明の装置の構成によれ
ば、このように殺菌を行わなくても、消臭用途に好適な
紅色非硫黄性細菌を含む水性液を得ることができる。
【0021】また、揮発性低級脂肪酸を含む水性液を上
記のように有機酸希釈手段によって適した有機酸濃度で
ある0.5〜5g/L、好ましくは1.5〜3g/L程
度になるよう調整して培養に供すると、従来10日〜3
週間程度要していた紅色非硫黄性細菌の充分な増殖を、
2〜4日間と大幅に短縮することが可能となる。
記のように有機酸希釈手段によって適した有機酸濃度で
ある0.5〜5g/L、好ましくは1.5〜3g/L程
度になるよう調整して培養に供すると、従来10日〜3
週間程度要していた紅色非硫黄性細菌の充分な増殖を、
2〜4日間と大幅に短縮することが可能となる。
【0022】ここで、図1に、廃棄乳から得た揮発性低
級脂肪酸を含む水性液から有機酸希釈手段によって作製
したさまざまな濃度の有機酸水性液(有機酸濃度が20
g/L(符号●)、10g/L(符号□)、2.5g/
L(符号△)及び0.75g/Lの水溶液(符号×))
を用いたときの、培養槽中の紅色非硫黄性細菌の菌数の
経時変化を調べた結果を示す。
級脂肪酸を含む水性液から有機酸希釈手段によって作製
したさまざまな濃度の有機酸水性液(有機酸濃度が20
g/L(符号●)、10g/L(符号□)、2.5g/
L(符号△)及び0.75g/Lの水溶液(符号×))
を用いたときの、培養槽中の紅色非硫黄性細菌の菌数の
経時変化を調べた結果を示す。
【0023】図1より、有機酸濃度を2.5g/Lに調
整した揮発性低級脂肪酸を含む水性液を用いた場合、紅
色非硫黄性細菌の増殖速度が著しく高くなることが理解
できる。
整した揮発性低級脂肪酸を含む水性液を用いた場合、紅
色非硫黄性細菌の増殖速度が著しく高くなることが理解
できる。
【0024】培養槽での紅色非硫黄性細菌の培養は通
常、回分培養式(fill&drow方式)で行うこと
が望ましい。なお、増殖した紅色非硫黄性細菌を有する
水性液の必要の頻度が多い場合、各群が1つ以上の独立
した培養槽から構成される培養槽群を2群以上備え、各
群での培養開始から培養終了後の需要側への供給が、独
立して行えるものとすることにより、対応可能とするこ
とができる。
常、回分培養式(fill&drow方式)で行うこと
が望ましい。なお、増殖した紅色非硫黄性細菌を有する
水性液の必要の頻度が多い場合、各群が1つ以上の独立
した培養槽から構成される培養槽群を2群以上備え、各
群での培養開始から培養終了後の需要側への供給が、独
立して行えるものとすることにより、対応可能とするこ
とができる。
【0025】なお、上記のように有機酸希釈手段を有す
る本発明の装置の場合、紅色非硫黄性細菌の増殖は2〜
4日間で充分である。ここで、回分培養式の培養によっ
て毎日、充分な菌数の紅色非硫黄性細菌を含む水性液を
供給するために、紅色非硫黄性細菌の増殖期間を3日間
と定め、4つの培養槽群(1培養槽群は1つ以上の独立
した培養槽から形成される)を設け、これらが独立して
順次、揮発性低級脂肪酸を含む水性液の仕込み、3日間
の増殖培養、需要側への供給のサイクルを繰り返し、毎
日、増殖した紅色非硫黄性細菌を含む水性液をいずれか
の群から得られるようにする連続循環培養制御手段を設
けることにより自動的に運転することができる。なお、
このような連続循環培養制御手段はリレー、タイマー、
各種自動弁、ポンプ等を組み合わせて構成することがで
きる。
る本発明の装置の場合、紅色非硫黄性細菌の増殖は2〜
4日間で充分である。ここで、回分培養式の培養によっ
て毎日、充分な菌数の紅色非硫黄性細菌を含む水性液を
供給するために、紅色非硫黄性細菌の増殖期間を3日間
と定め、4つの培養槽群(1培養槽群は1つ以上の独立
した培養槽から形成される)を設け、これらが独立して
順次、揮発性低級脂肪酸を含む水性液の仕込み、3日間
の増殖培養、需要側への供給のサイクルを繰り返し、毎
日、増殖した紅色非硫黄性細菌を含む水性液をいずれか
の群から得られるようにする連続循環培養制御手段を設
けることにより自動的に運転することができる。なお、
このような連続循環培養制御手段はリレー、タイマー、
各種自動弁、ポンプ等を組み合わせて構成することがで
きる。
【0026】図2に、廃棄乳から得た、有機酸濃度が2
0g/Lのものを希釈し、2,500mg/Lとした揮
発性低級脂肪酸を有する水性液(20℃)中で紅色非硫
黄性細菌をさまざまな条件で培養したときの、菌数の変
化を調べた結果を示す。
0g/Lのものを希釈し、2,500mg/Lとした揮
発性低級脂肪酸を有する水性液(20℃)中で紅色非硫
黄性細菌をさまざまな条件で培養したときの、菌数の変
化を調べた結果を示す。
【0027】図中記号●は空気で曝気しながら暗所で培
養した場合の結果、□は空気で曝気しながら明所で培養
した場合の結果、また、△は曝気を行わずに明所で培養
した場合の結果をそれぞれ示す。縦軸は波長660nm
での光学密度であり、紅色非硫黄性細菌の菌数に比例す
る。
養した場合の結果、□は空気で曝気しながら明所で培養
した場合の結果、また、△は曝気を行わずに明所で培養
した場合の結果をそれぞれ示す。縦軸は波長660nm
での光学密度であり、紅色非硫黄性細菌の菌数に比例す
る。
【0028】これらの結果より、空気で曝気しながら培
養した場合、培養は2〜3日間が最適であり、特に暗所
での培養が最適であることが判る。このため、培養槽は
光を通さない材質で作製するか、あるいは、暗所に設置
することが望ましい。
養した場合、培養は2〜3日間が最適であり、特に暗所
での培養が最適であることが判る。このため、培養槽は
光を通さない材質で作製するか、あるいは、暗所に設置
することが望ましい。
【0029】本発明の培養装置で培養される紅色非硫黄
性細菌は、光合成細菌に属する細菌のうちのロドスピリ
ラセエ科(Rhodospirillaceae)に分類されるもので、
例えば ロドバクター属(Rhodobacter)、ロドシュード
モナス属(Rhodopseudomonas)、ロドスピリルム属(Rh
odospirillum)、ロドミクロビウム属(Rhodomicrobiu
m)、ロドチラス 属(Rhodocyclus)等の細菌であれ
ば、特に限定されることなく臭気除去に利用することが
できる。かかる細菌の具体例としては、ロドシュードモ
ナス パルスチルス(Rhodopseudomonas palstris)、
ロドバクター カプスラタス(Rhodobacter capsulatu
s)、ロドバクター スファエロイデス(Rhodobacter s
phaeroides)、ロドシクルス ゲラチノサス(Rhodocyc
lus gelatinosus)、ロドスピリウム ラバーム(Rhodo
spirillum rubrum)などの細菌が挙げられる。
性細菌は、光合成細菌に属する細菌のうちのロドスピリ
ラセエ科(Rhodospirillaceae)に分類されるもので、
例えば ロドバクター属(Rhodobacter)、ロドシュード
モナス属(Rhodopseudomonas)、ロドスピリルム属(Rh
odospirillum)、ロドミクロビウム属(Rhodomicrobiu
m)、ロドチラス 属(Rhodocyclus)等の細菌であれ
ば、特に限定されることなく臭気除去に利用することが
できる。かかる細菌の具体例としては、ロドシュードモ
ナス パルスチルス(Rhodopseudomonas palstris)、
ロドバクター カプスラタス(Rhodobacter capsulatu
s)、ロドバクター スファエロイデス(Rhodobacter s
phaeroides)、ロドシクルス ゲラチノサス(Rhodocyc
lus gelatinosus)、ロドスピリウム ラバーム(Rhodo
spirillum rubrum)などの細菌が挙げられる。
【0030】かかる紅色非硫黄性細菌は、例えば自然環
境中の土壌、湖沼、下水、汚泥等から採取するか、汚水
処理場等から発生する余剰の活性汚泥などから採取する
か、又は臭気発生性排水の流路などの中から採取するこ
とができるが、光合成細菌を含む菌体製品としてソーラ
ー株式会社(商品名:バイオコスモ)等からも入手でき
る。
境中の土壌、湖沼、下水、汚泥等から採取するか、汚水
処理場等から発生する余剰の活性汚泥などから採取する
か、又は臭気発生性排水の流路などの中から採取するこ
とができるが、光合成細菌を含む菌体製品としてソーラ
ー株式会社(商品名:バイオコスモ)等からも入手でき
る。
【0031】上記紅色非硫黄性細菌の培養は、培養槽を
好気性雰囲気に維持することが必要であり、そのため培
養槽には酸素供給手段が設けられる。この酸素供給手段
は培養槽に酸素、あるいは空気など酸素を含むガスを吹
き込むための配管、バルブ、ポンプ(コンプレッサ
ー)、タイマーなどから構成される。なお、ガスの吹き
込みは、培養槽底部から行うことにより、同時に攪拌も
できるため、培養液全体の酸素濃度を高く保つことがで
き、より活発な増殖が可能となる。
好気性雰囲気に維持することが必要であり、そのため培
養槽には酸素供給手段が設けられる。この酸素供給手段
は培養槽に酸素、あるいは空気など酸素を含むガスを吹
き込むための配管、バルブ、ポンプ(コンプレッサ
ー)、タイマーなどから構成される。なお、ガスの吹き
込みは、培養槽底部から行うことにより、同時に攪拌も
できるため、培養液全体の酸素濃度を高く保つことがで
き、より活発な増殖が可能となる。
【0032】なお、培養に際して、さらに紅色非硫黄性
細菌の増殖をはかるため、リン、窒素等を添加すること
ができる。このとき、リン、窒素としては、化合物態窒
素と化合物態リンとを含むものが適している。ここで、
揮発性低級脂肪酸を含む水溶液に加えられる窒素を含む
化合物としては、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウ
ム、尿素等が挙げられ、その揮発性低級脂肪酸を含む水
溶液中の含有量が、化合物態窒素として通常20〜2,
400mg/Lの範囲となることが好ましい。
細菌の増殖をはかるため、リン、窒素等を添加すること
ができる。このとき、リン、窒素としては、化合物態窒
素と化合物態リンとを含むものが適している。ここで、
揮発性低級脂肪酸を含む水溶液に加えられる窒素を含む
化合物としては、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウ
ム、尿素等が挙げられ、その揮発性低級脂肪酸を含む水
溶液中の含有量が、化合物態窒素として通常20〜2,
400mg/Lの範囲となることが好ましい。
【0033】また揮発性低級脂肪酸を含む水溶液に加え
られるリンを含む化合物としては、リン酸二水素カリウ
ム、リン酸ナトリウムなどが挙げられ、その揮発性低級
脂肪酸を含む水溶液中の含有量が、化合物態リンとして
通常2〜600mg/Lの範囲となることが好ましい。
更にかかる揮発性低級脂肪酸を含む水溶液には、マグネ
シウム塩や食塩などのほか、亜鉛、銅、鉄、コバルト、
マンガン等の微量塩類などを加えることができる。ま
た、かかる水性揮発性低級脂肪酸を含む水溶液のpH
は、好ましくは6〜8の範囲内にあるのがよい。
られるリンを含む化合物としては、リン酸二水素カリウ
ム、リン酸ナトリウムなどが挙げられ、その揮発性低級
脂肪酸を含む水溶液中の含有量が、化合物態リンとして
通常2〜600mg/Lの範囲となることが好ましい。
更にかかる揮発性低級脂肪酸を含む水溶液には、マグネ
シウム塩や食塩などのほか、亜鉛、銅、鉄、コバルト、
マンガン等の微量塩類などを加えることができる。ま
た、かかる水性揮発性低級脂肪酸を含む水溶液のpH
は、好ましくは6〜8の範囲内にあるのがよい。
【0034】紅色非硫黄性細菌の培養槽の温度は10〜
40℃であることが望ましい。また、培養槽で増殖させ
た紅色非硫黄性細菌の一部を採取して更に上記と同様の
揮発性低級脂肪酸を含む水溶液に接種し、同様の培養条
件で培養を反復することができる。
40℃であることが望ましい。また、培養槽で増殖させ
た紅色非硫黄性細菌の一部を採取して更に上記と同様の
揮発性低級脂肪酸を含む水溶液に接種し、同様の培養条
件で培養を反復することができる。
【0035】こうして培養槽で3日程度培養して得られ
た水性培養液には、通常、紅色非硫黄性細菌のほかに一
般細菌も存在している。通常一般細菌の菌数は1010〜
10 12個/mL程度であるが、紅色非硫黄性細菌の菌数
は106個/mL以上、通常107〜108個/mL程度
である。このようにさまざなま細菌が混在している中で
あっても、紅色非硫黄性細菌の菌数をある一定レベル以
上に保つことができる。
た水性培養液には、通常、紅色非硫黄性細菌のほかに一
般細菌も存在している。通常一般細菌の菌数は1010〜
10 12個/mL程度であるが、紅色非硫黄性細菌の菌数
は106個/mL以上、通常107〜108個/mL程度
である。このようにさまざなま細菌が混在している中で
あっても、紅色非硫黄性細菌の菌数をある一定レベル以
上に保つことができる。
【0036】このように培養槽で増殖した紅色非硫黄性
細菌を含む水性液は、需要側である排水処理装置本体へ
細菌供給手段により供給される。細菌供給手段は配管、
ホース、ポンプ、バルブ、タイマー、流量計、水位計な
どにより構成される。排水処理装置本体では、消臭対象
の臭気発生性水性液(各種製造工程で発生した曝気処理
前排水)に、増殖した紅色非硫黄性細菌を含む水性液
を、紅色非硫黄性細菌の菌数が104個/mL以上とな
るよう添加する。このとき、温度は10〜40℃で、好
気性処理する。
細菌を含む水性液は、需要側である排水処理装置本体へ
細菌供給手段により供給される。細菌供給手段は配管、
ホース、ポンプ、バルブ、タイマー、流量計、水位計な
どにより構成される。排水処理装置本体では、消臭対象
の臭気発生性水性液(各種製造工程で発生した曝気処理
前排水)に、増殖した紅色非硫黄性細菌を含む水性液
を、紅色非硫黄性細菌の菌数が104個/mL以上とな
るよう添加する。このとき、温度は10〜40℃で、好
気性処理する。
【0037】低臭気排水処理装置本体では、臭気発生性
水性液中に含まれる低級脂肪酸、特に揮発性低級脂肪酸
の含有量が低減する結果、こうした低級脂肪酸に基づく
臭気の発生を効果的に抑制することができる。そして本
発明によって臭気が除去された処理水は、通常105〜
108個/mL程度の紅色非硫黄性細菌を含んでいる
が、そのまま通常の活性汚泥法などの生物処理装置に供
給して、BOD等の汚濁物質を除去する処理を行うこと
ができ、得られた処理済排水は通常の生物処理後の排水
と同様に、安全に排出することが可能である。
水性液中に含まれる低級脂肪酸、特に揮発性低級脂肪酸
の含有量が低減する結果、こうした低級脂肪酸に基づく
臭気の発生を効果的に抑制することができる。そして本
発明によって臭気が除去された処理水は、通常105〜
108個/mL程度の紅色非硫黄性細菌を含んでいる
が、そのまま通常の活性汚泥法などの生物処理装置に供
給して、BOD等の汚濁物質を除去する処理を行うこと
ができ、得られた処理済排水は通常の生物処理後の排水
と同様に、安全に排出することが可能である。
【0038】本発明の低臭気排水処理装置は、かかる紅
色非硫黄性細菌の菌数が106個/mL以上、好ましく
は107個/mL以上含まれる培養液を、臭気発生性排
水に対して、曝気処理前に、あるいは、曝気処理中に、
あるいは、沈殿槽から汚泥貯槽に移される汚泥中に、紅
色非硫黄性細菌を好ましくはその菌数が104個/mL
以上となるように添加するものである。
色非硫黄性細菌の菌数が106個/mL以上、好ましく
は107個/mL以上含まれる培養液を、臭気発生性排
水に対して、曝気処理前に、あるいは、曝気処理中に、
あるいは、沈殿槽から汚泥貯槽に移される汚泥中に、紅
色非硫黄性細菌を好ましくはその菌数が104個/mL
以上となるように添加するものである。
【0039】なお、本発明の紅色非硫黄性細菌の培養装
置において、有機酸生成槽及び培養槽では、発酵に従い
悪臭とも云える臭気が発生する。特に高濃度有機性水性
液が廃棄乳などの食品液の場合には直接排出できないよ
うな悪臭である場合が多い。このため、この臭気を除去
するための有機酸生成槽臭気除去手段及び培養槽臭気除
去手段を設ける。
置において、有機酸生成槽及び培養槽では、発酵に従い
悪臭とも云える臭気が発生する。特に高濃度有機性水性
液が廃棄乳などの食品液の場合には直接排出できないよ
うな悪臭である場合が多い。このため、この臭気を除去
するための有機酸生成槽臭気除去手段及び培養槽臭気除
去手段を設ける。
【0040】これら臭気除去手段は、例えば、それぞれ
有機酸生成槽及び培養槽で発生する臭気を吸引する排気
ファン、活性炭脱臭装置、生物脱臭装置、あるいは活性
汚泥装置の曝気槽等の脱臭装置、配管、ホース等で構成
することができる。なお、ここで、本発明の装置により
多量の培養が可能となった紅色非硫黄性細菌が添加され
る活性汚泥装置の曝気槽に有機酸生成槽及び/或いは培
養槽内で発生した臭気を導入することで、効果的に除臭
することができる。
有機酸生成槽及び培養槽で発生する臭気を吸引する排気
ファン、活性炭脱臭装置、生物脱臭装置、あるいは活性
汚泥装置の曝気槽等の脱臭装置、配管、ホース等で構成
することができる。なお、ここで、本発明の装置により
多量の培養が可能となった紅色非硫黄性細菌が添加され
る活性汚泥装置の曝気槽に有機酸生成槽及び/或いは培
養槽内で発生した臭気を導入することで、効果的に除臭
することができる。
【0041】本発明の培養装置において、上記培養槽に
紅色非硫黄性細菌の菌数を計測する菌数測定手段と、培
養槽中の紅色非硫黄性細菌の菌数が所定数に達したとき
に細菌供給手段を制御して該培養槽中の紅色非硫黄性細
菌を含む水性液を需要側に供給させる培養槽制御手段と
を設けることにより、温度その他の培養条件に違いが生
じても常に一定の菌数の紅色非硫黄性細菌の水性液を需
要側に供給することができる。なお、培養槽での紅色非
硫黄性細菌の菌数を計測する菌数測定手段としては、濁
度センサー、蛍光センサーなどが挙げられる。
紅色非硫黄性細菌の菌数を計測する菌数測定手段と、培
養槽中の紅色非硫黄性細菌の菌数が所定数に達したとき
に細菌供給手段を制御して該培養槽中の紅色非硫黄性細
菌を含む水性液を需要側に供給させる培養槽制御手段と
を設けることにより、温度その他の培養条件に違いが生
じても常に一定の菌数の紅色非硫黄性細菌の水性液を需
要側に供給することができる。なお、培養槽での紅色非
硫黄性細菌の菌数を計測する菌数測定手段としては、濁
度センサー、蛍光センサーなどが挙げられる。
【0042】さらに、上記培養槽制御手段が、細菌供給
手段を制御して培養槽中の紅色非硫黄性細菌を需要側に
供給した後、有機酸供給手段を制御して揮発性低級脂肪
酸を培養槽中に供給させるものであると、紅色非硫黄性
細菌の培養装置は事実上の無人運転が可能となる。この
ような、培養槽制御手段としては、菌数測定手段の出力
と連動するバルブ、ポンプと配管、ホース、タイマー、
リレー等を用いて構成することができる。
手段を制御して培養槽中の紅色非硫黄性細菌を需要側に
供給した後、有機酸供給手段を制御して揮発性低級脂肪
酸を培養槽中に供給させるものであると、紅色非硫黄性
細菌の培養装置は事実上の無人運転が可能となる。この
ような、培養槽制御手段としては、菌数測定手段の出力
と連動するバルブ、ポンプと配管、ホース、タイマー、
リレー等を用いて構成することができる。
【0043】上記のように培養槽で増殖した紅色非硫黄
性細菌を含む水性液は、排水処理設備の曝気処理前排
水、曝気槽あるいは汚泥貯槽の少なくとも1つ、好まし
くは全てに供給することにより、排水処理で発生する臭
気を著しく低減させることができる。
性細菌を含む水性液は、排水処理設備の曝気処理前排
水、曝気槽あるいは汚泥貯槽の少なくとも1つ、好まし
くは全てに供給することにより、排水処理で発生する臭
気を著しく低減させることができる。
【0044】ここで、本発明に係る低臭気排水処理装置
の一例のフローチャートを図3に示す。図3中符号Aを
付して示されるのは本発明に係る紅色非硫黄性細菌の培
養装置であり、この紅色非硫黄性細菌の培養装置Aに
は、有機酸生成槽に高濃度有機性水性液を供給する廃液
供給手段α、高濃度有機性水性液から揮発性低級脂肪酸
を生成させる有機酸生成槽β、有機酸生成槽βで発生す
る臭気を除去する有機酸生成槽臭気除去手段γ、有機酸
生成槽βで生成した揮発性低級脂肪酸を有する水性液を
培養槽εに供給する有機酸供給手段δ、培養槽ε内に供
給された揮発性低級脂肪酸を希釈する有機酸希釈手段
ζ、有機酸生成槽βで生成した揮発性低級脂肪酸を基質
として紅色非硫黄性細菌を培養する培養槽ε、培養槽を
好気性雰囲気に維持する酸素供給手段η、培養槽εで発
生する臭気を除去する培養槽臭気除去手段θ、及び、培
養槽εで増殖した紅色非硫黄性細菌を含む水性液を需要
側(本発明の低臭気排水処理装置本体部)に供給する細
菌供給手段ιを有し、培養槽εで増殖した紅色非硫黄性
細菌を含む水性液は、曝気処理前排水(この例では原水
貯槽の曝気処理前排水)、曝気槽及び汚泥貯槽の3カ所
に供給される。
の一例のフローチャートを図3に示す。図3中符号Aを
付して示されるのは本発明に係る紅色非硫黄性細菌の培
養装置であり、この紅色非硫黄性細菌の培養装置Aに
は、有機酸生成槽に高濃度有機性水性液を供給する廃液
供給手段α、高濃度有機性水性液から揮発性低級脂肪酸
を生成させる有機酸生成槽β、有機酸生成槽βで発生す
る臭気を除去する有機酸生成槽臭気除去手段γ、有機酸
生成槽βで生成した揮発性低級脂肪酸を有する水性液を
培養槽εに供給する有機酸供給手段δ、培養槽ε内に供
給された揮発性低級脂肪酸を希釈する有機酸希釈手段
ζ、有機酸生成槽βで生成した揮発性低級脂肪酸を基質
として紅色非硫黄性細菌を培養する培養槽ε、培養槽を
好気性雰囲気に維持する酸素供給手段η、培養槽εで発
生する臭気を除去する培養槽臭気除去手段θ、及び、培
養槽εで増殖した紅色非硫黄性細菌を含む水性液を需要
側(本発明の低臭気排水処理装置本体部)に供給する細
菌供給手段ιを有し、培養槽εで増殖した紅色非硫黄性
細菌を含む水性液は、曝気処理前排水(この例では原水
貯槽の曝気処理前排水)、曝気槽及び汚泥貯槽の3カ所
に供給される。
【0045】以下に本発明の紅色非硫黄性細菌の培養装
置について図を用いて具体的に説明するが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。図4は本発明に係る紅
色非硫黄性細菌の培養装置の配管図である。
置について図を用いて具体的に説明するが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。図4は本発明に係る紅
色非硫黄性細菌の培養装置の配管図である。
【0046】図中符号1を付して示してあるものが、高
濃度有機性水性液から揮発性低級脂肪酸を生成させる有
機酸生成槽であり、槽内に仕込まれた液を攪拌するモー
ター、シャフト及び攪拌翼により構成される攪拌装置1
aが設けられ、有機酸生成槽で発生する臭気を除去する
有機酸生成槽臭気除去手段として排気管1b及び排気フ
ァン1cが付属している。
濃度有機性水性液から揮発性低級脂肪酸を生成させる有
機酸生成槽であり、槽内に仕込まれた液を攪拌するモー
ター、シャフト及び攪拌翼により構成される攪拌装置1
aが設けられ、有機酸生成槽で発生する臭気を除去する
有機酸生成槽臭気除去手段として排気管1b及び排気フ
ァン1cが付属している。
【0047】有機酸生成槽1に仕込まれる高濃度有機性
水性液はこの装置の場合には廃棄乳であり、廃棄乳タン
ク2から廃液供給手段である、ポンプ2a及びそれに付
属する配管により、廃棄乳が有機酸生成槽に導入され
る。
水性液はこの装置の場合には廃棄乳であり、廃棄乳タン
ク2から廃液供給手段である、ポンプ2a及びそれに付
属する配管により、廃棄乳が有機酸生成槽に導入され
る。
【0048】有機酸生成槽1の液温を保つため有機酸生
成槽加温手段として、有機酸生成槽1の底部付近に設け
られた配管から内部の水性液がポンプ1dにより熱交換
器1eを経て、有機酸生成槽1上部へと循環するように
なっている。熱交換器1eは温水ボイラー(図示せず)
からの温水がポンプ1fにより供給される。なお、有機
酸生成槽内の温度は温度制御バルブ1gにより35℃前
後に維持される。
成槽加温手段として、有機酸生成槽1の底部付近に設け
られた配管から内部の水性液がポンプ1dにより熱交換
器1eを経て、有機酸生成槽1上部へと循環するように
なっている。熱交換器1eは温水ボイラー(図示せず)
からの温水がポンプ1fにより供給される。なお、有機
酸生成槽内の温度は温度制御バルブ1gにより35℃前
後に維持される。
【0049】有機酸生成槽1内で得られた揮発性低級脂
肪酸を有する水性液は、配管3a、ポンプ3b、バルブ
3c、配管3d、配管3e1〜3e4及びバルブ3f1〜
3f4によって構成される、有機酸生成槽で生成した揮
発性低級脂肪酸を有する水性液を培養槽に供給する有機
酸供給手段により、有機酸生成槽1の底部付近から培養
槽41〜44のいずれかに導入される。
肪酸を有する水性液は、配管3a、ポンプ3b、バルブ
3c、配管3d、配管3e1〜3e4及びバルブ3f1〜
3f4によって構成される、有機酸生成槽で生成した揮
発性低級脂肪酸を有する水性液を培養槽に供給する有機
酸供給手段により、有機酸生成槽1の底部付近から培養
槽41〜44のいずれかに導入される。
【0050】なお、有機酸生成槽で生成した揮発性低級
脂肪酸を有する水性液が培養槽に供給する有機酸供給手
段により供給された後、液位が減った有機酸生成槽に再
度高濃度有機性水性液が廃液供給手段により追加され
る。このとき有機酸生成槽内の水性液のpHが、発酵に
適した範囲である6〜9になるよう必要に応じて水酸化
ナトリウム水溶液タンク1hからポンプ1i及び配管1
jからなる有機酸生成槽pH調整手段により水酸化ナト
リウム水溶液が添加される。
脂肪酸を有する水性液が培養槽に供給する有機酸供給手
段により供給された後、液位が減った有機酸生成槽に再
度高濃度有機性水性液が廃液供給手段により追加され
る。このとき有機酸生成槽内の水性液のpHが、発酵に
適した範囲である6〜9になるよう必要に応じて水酸化
ナトリウム水溶液タンク1hからポンプ1i及び配管1
jからなる有機酸生成槽pH調整手段により水酸化ナト
リウム水溶液が添加される。
【0051】本例ではこの装置が設置された工場内排水
ピット5aから希釈用水を各培養槽に送り、培養槽内に
供給された揮発性低級脂肪酸を希釈するための、ポンプ
5b、バルブ5cを経て、配管3d、配管3e1〜3e4
及びバルブ3f1〜3f4によって構成される有機酸希釈
手段が設けられている。
ピット5aから希釈用水を各培養槽に送り、培養槽内に
供給された揮発性低級脂肪酸を希釈するための、ポンプ
5b、バルブ5cを経て、配管3d、配管3e1〜3e4
及びバルブ3f1〜3f4によって構成される有機酸希釈
手段が設けられている。
【0052】有機酸生成槽で生成した揮発性低級脂肪酸
を基質として紅色非硫黄性細菌を培養する培養槽、培養
槽内に供給された揮発性低級脂肪酸が希釈されたのち、
培養槽に紅色非硫黄性細菌を導入し、揮発性低級脂肪酸
を基質として培養する。
を基質として紅色非硫黄性細菌を培養する培養槽、培養
槽内に供給された揮発性低級脂肪酸が希釈されたのち、
培養槽に紅色非硫黄性細菌を導入し、揮発性低級脂肪酸
を基質として培養する。
【0053】なお、紅色非硫黄性細菌は毎回導入する必
要はなく、後述するように、培養槽での培養により増殖
した紅色非硫黄性細菌を含む水性液を需要側に供給する
際に、その水性液を培養槽内に1/10程度残留させ、
これに有機酸生成槽からの揮発性低級脂肪酸を有する水
性液及び希釈水を加えることにより、再度培養が可能と
なる。
要はなく、後述するように、培養槽での培養により増殖
した紅色非硫黄性細菌を含む水性液を需要側に供給する
際に、その水性液を培養槽内に1/10程度残留させ、
これに有機酸生成槽からの揮発性低級脂肪酸を有する水
性液及び希釈水を加えることにより、再度培養が可能と
なる。
【0054】本発明の装置の場合、紅色非硫黄性細菌の
培養(増殖)には3日程度で充分であるため、例えば独
立した培養槽群を4群設け、周期的に、毎日いずれかの
培養槽群で順次仕込みを行うことで、毎日、充分に増殖
した紅色非硫黄性細菌を含む水性液を需要側に供給する
ことができる。本例では、培養槽41〜44のそれぞれを
1つの群として計4群が設けられている。
培養(増殖)には3日程度で充分であるため、例えば独
立した培養槽群を4群設け、周期的に、毎日いずれかの
培養槽群で順次仕込みを行うことで、毎日、充分に増殖
した紅色非硫黄性細菌を含む水性液を需要側に供給する
ことができる。本例では、培養槽41〜44のそれぞれを
1つの群として計4群が設けられている。
【0055】各培養槽41〜44のそれぞれには培養槽を
好気性雰囲気に維持する酸素供給手段(空気を送気する
ためのポンプと配管5b1〜5b4により構成される)に
より各培養槽底部から空気が吹き込まれるようになって
いる。なお、この空気吹き込みにより、培養槽内の水性
液が攪拌されて、均一で効果的な増殖が可能となる。
好気性雰囲気に維持する酸素供給手段(空気を送気する
ためのポンプと配管5b1〜5b4により構成される)に
より各培養槽底部から空気が吹き込まれるようになって
いる。なお、この空気吹き込みにより、培養槽内の水性
液が攪拌されて、均一で効果的な増殖が可能となる。
【0056】培養槽41〜44での紅色非硫黄性細菌の培
養により発生した臭気はそれぞれの培養槽上部から配管
6a1〜6a4、配管1bとファン1cにより構成される
培養槽臭気除去手段により吸引される。なお、排気管1
b及び排気ファン1cは有機酸生成槽臭気除去手段と兼
用で使用される。また、排気ファン1cから排出された
臭気を含むガスは、活性汚泥装置(図示しない)の曝気
槽に導入されて脱臭される。
養により発生した臭気はそれぞれの培養槽上部から配管
6a1〜6a4、配管1bとファン1cにより構成される
培養槽臭気除去手段により吸引される。なお、排気管1
b及び排気ファン1cは有機酸生成槽臭気除去手段と兼
用で使用される。また、排気ファン1cから排出された
臭気を含むガスは、活性汚泥装置(図示しない)の曝気
槽に導入されて脱臭される。
【0057】培養槽で増殖した紅色非硫黄性細菌を含む
水性液は、それぞれバルブが付属する配管7a1〜7
a4、配管7b、及びポンプ7c1〜7c3によって構成
される細菌供給手段によって需要側に供給される。すな
わちこの例ではポンプ7c1〜7c3により、牛乳を原料
とする製品(牛乳、バター、ホエー他)の製造過程、装
置洗浄過程で発生した工場排水に紅色非硫黄性細菌を含
む水溶液が添加されて、これら工場排水の活性汚泥処理
時の臭気発生を抑制する。
水性液は、それぞれバルブが付属する配管7a1〜7
a4、配管7b、及びポンプ7c1〜7c3によって構成
される細菌供給手段によって需要側に供給される。すな
わちこの例ではポンプ7c1〜7c3により、牛乳を原料
とする製品(牛乳、バター、ホエー他)の製造過程、装
置洗浄過程で発生した工場排水に紅色非硫黄性細菌を含
む水溶液が添加されて、これら工場排水の活性汚泥処理
時の臭気発生を抑制する。
【0058】ここで、高濃度有機性水性液として廃棄乳
を用い、本発明の紅色非硫黄性細菌の培養装置を用いて
増殖させた紅色非硫黄性細菌を含む水性液(紅色非硫黄
性細菌の菌数2×109個/mL)を、乳製品工場から
発生する排水(臭気発生性水性液、排水量1,000m
3/日)の排水処理装置の原水貯槽(容量:1,000
m3)、曝気槽(容量:1,000m3)、活性汚泥貯槽
(容量:30m3(なお、活性汚泥引き抜き量は30t
/日である))にそれぞれ紅色非硫黄性細菌の菌数が5
×106個/mLとなるよう毎日添加したときのそれぞ
れの場所での、添加前後の臭気度の変化について調べ
た。臭気度の定義を表1に、評価結果を表2にそれぞれ
示す。
を用い、本発明の紅色非硫黄性細菌の培養装置を用いて
増殖させた紅色非硫黄性細菌を含む水性液(紅色非硫黄
性細菌の菌数2×109個/mL)を、乳製品工場から
発生する排水(臭気発生性水性液、排水量1,000m
3/日)の排水処理装置の原水貯槽(容量:1,000
m3)、曝気槽(容量:1,000m3)、活性汚泥貯槽
(容量:30m3(なお、活性汚泥引き抜き量は30t
/日である))にそれぞれ紅色非硫黄性細菌の菌数が5
×106個/mLとなるよう毎日添加したときのそれぞ
れの場所での、添加前後の臭気度の変化について調べ
た。臭気度の定義を表1に、評価結果を表2にそれぞれ
示す。
【0059】
【表1】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 臭気度 定義 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1 臭いは殆ど感じない。 2 かすかな臭いがする 3 弱いながらも臭いが感じられる 4 明らかに悪臭と感じられるような臭いがする 5 強い悪臭がする 6 強烈な悪臭がする ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0060】
【表2】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 臭気度 添加前 添加後(添加開始後7日目) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 原水貯槽 3.5 1 ────────────────────────────── 曝気槽 1 1 ────────────────────────────── 汚泥貯槽 5 1 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0061】表2により、廃水処理装置に、本発明に係
る紅色非硫黄性細菌の培養装置により増殖させた紅色非
硫黄性細菌を有する水性液を添加した場合、悪臭の発生
低減効果が著しく大きいことが判る
る紅色非硫黄性細菌の培養装置により増殖させた紅色非
硫黄性細菌を有する水性液を添加した場合、悪臭の発生
低減効果が著しく大きいことが判る
【0062】
【発明の効果】本発明の低臭気排水処理装置は、悪臭を
発生する食品処理排水などの廃水処理を、衛生的でかつ
安全に行え、しかも設備投資が少ないうえ設備の維持管
理費用も増加させることなく、効果的に悪臭を抑制する
ことができる。また、本発明の紅色非硫黄性細菌の培養
装置は、紅色非硫黄性細菌を効率よく培養することがで
きる。
発生する食品処理排水などの廃水処理を、衛生的でかつ
安全に行え、しかも設備投資が少ないうえ設備の維持管
理費用も増加させることなく、効果的に悪臭を抑制する
ことができる。また、本発明の紅色非硫黄性細菌の培養
装置は、紅色非硫黄性細菌を効率よく培養することがで
きる。
【図1】廃棄乳から得た揮発性低級脂肪酸を含む水性液
から有機酸希釈手段によって作製したさまざまな濃度の
有機酸水性液を用いたときの、培養槽中の紅色非硫黄性
細菌の菌数の経時変化を調べた結果を示す図である。
から有機酸希釈手段によって作製したさまざまな濃度の
有機酸水性液を用いたときの、培養槽中の紅色非硫黄性
細菌の菌数の経時変化を調べた結果を示す図である。
【図2】紅色非硫黄性細菌の、培養条件の違いによる菌
数の変化を示した図である。
数の変化を示した図である。
【図3】本発明の低臭気排水処理装置の一例のフローチ
ャートである。
ャートである。
【図4】本発明に係る紅色非硫黄性細菌の培養装置の配
管図である。
管図である。
A 紅色非硫黄細菌の培養装置 α 廃液供給手段 β 有機酸生成槽 γ 有機酸生成槽臭気除去手段 δ 有機酸供給手段 ε 培養槽 ζ 有機酸希釈手段 η 酸素供給手段 θ 培養槽臭気除去手段 ι 細菌供給手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12N 1/20 C12N 1/20 A //(C12N 1/20 (C12N 1/20 A C12R 1:01) C12R 1:01) (72)発明者 池谷 正雄 茨城県つくば市緑ヶ原4−4 アクアス 株式会社つくば総合研究所内 (72)発明者 薮崎 裕昭 宮城県仙台市若林区河原町1−3−43 アクアス株式会社 東北支店内 (56)参考文献 特開 昭54−118648(JP,A) 特開 平11−689(JP,A) 特開 平6−23376(JP,A) 特開 平10−118687(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12M 1/00 C02F C02C
Claims (5)
- 【請求項1】 高濃度有機性水性液から揮発性低級脂肪
酸を生成させる有機酸生成槽と、その有機酸生成槽で生
成した揮発性低級脂肪酸を基質として紅色非硫黄性細菌
を培養する培養槽とを備えた培養装置であって、有機酸
生成槽に高濃度有機性水性液を供給する廃液供給手段、
該有機酸生成槽で発生する臭気を除去する有機酸生成槽
臭気除去手段、有機酸生成槽で生成した揮発性低級脂肪
酸を有する水性液を培養槽に供給する有機酸供給手段、
培養槽内に供給された揮発性低級脂肪酸を希釈する有機
酸希釈手段、該培養槽を好気性雰囲気に維持する酸素供
給手段、培養槽で発生する臭気を除去する培養槽臭気除
去手段、及び、培養槽で増殖した紅色非硫黄性細菌を含
む水性液を需要側に供給する細菌供給手段とを備え、各
群が1つ以上の独立した回分培養式の培養槽から構成さ
れる培養槽群を2群以上備え、各培養槽群での培養開始
から培養終了後の需要側への供給までの工程が独立して
行え、これら培養槽群が独立して順次、揮発性低級脂肪
酸を含む水性液の仕込み、2〜4日間の増殖培養、需要
側への供給のサイクルを繰り返す連続循環培養制御手段
を有するものであることを特徴とする紅色非硫黄性細菌
の培養装置。 - 【請求項2】 細菌供給手段を制御して培養槽中の紅色
非硫黄性細菌を含む水性液を需要側に供給させた後、有
機酸供給手段を制御して揮発性低級脂肪酸を培養槽中に
供給させる培養槽制御手段を有するものであることを特
徴とする請求項1記載の紅色非硫黄性細菌の培養装置。 - 【請求項3】 培養槽群を4群有し、さらに上記連続循
環培養制御手段が、増殖培養、需要側への供給のサイク
ルが3日間であって、毎日、いずれかの群から増殖した
紅色非硫黄性細菌を含む水性液が得られるようにするも
のであることを特徴とする請求項1または請求項2に記
載の紅色非硫黄性細菌の培養装置。 - 【請求項4】 上記高濃度有機性水性液が廃棄乳である
ことを特徴とする請求項1ないし請求3のいずれかに記
載の紅色非硫黄性細菌の培養装置。 - 【請求項5】 高濃度有機性水性液から揮発性低級脂肪
酸を生成させる有機酸生成槽、その有機酸生成槽で生成
した揮発性低級脂肪酸を基質として紅色非硫黄性細菌を
培養する培養槽とを有する排水処理装置であって、有機
酸生成槽に高 濃度有機性水性液を供給する廃液供給手
段、該有機酸生成槽で発生する臭気を除去する有機酸生
成槽臭気除去手段、有機酸生成槽で生成した揮発性低級
脂肪酸を有する水性液を培養槽に供給する有機酸供給手
段、培養槽内に供給された揮発性低級脂肪酸を希釈する
有機酸希釈手段、該培養槽を好気性雰囲気に維持する酸
素供給手段、培養槽で発生する臭気を除去する培養槽臭
気除去手段、培養槽で増殖した紅色非硫黄性細菌を含む
水性液を曝気処理前排水、曝気槽あるいは汚泥貯槽の少
なくとも1つに供給する細菌供給手段を有し、該培養槽
を好気性雰囲気に維持する酸素供給手段とを備え、各群
が1つ以上の独立した回分培養式の培養槽から構成され
る培養槽群を2群以上備え、各培養槽群での培養開始か
ら培養終了後の需要側への供給までの工程が独立して行
え、これら培養槽群が独立して順次、揮発性低級脂肪酸
を含む水性液の仕込み、2〜4日間の増殖培養、需要側
への供給のサイクルを繰り返す連続循環培養制御手段を
有するものであることを特徴とする低臭気排水処理装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29934999A JP3322855B2 (ja) | 1999-10-21 | 1999-10-21 | 紅色非硫黄性細菌の培養装置および低臭気排水処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29934999A JP3322855B2 (ja) | 1999-10-21 | 1999-10-21 | 紅色非硫黄性細菌の培養装置および低臭気排水処理装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001120252A JP2001120252A (ja) | 2001-05-08 |
JP3322855B2 true JP3322855B2 (ja) | 2002-09-09 |
Family
ID=17871413
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29934999A Expired - Fee Related JP3322855B2 (ja) | 1999-10-21 | 1999-10-21 | 紅色非硫黄性細菌の培養装置および低臭気排水処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3322855B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007136367A (ja) * | 2005-11-18 | 2007-06-07 | Sumitomo Heavy Ind Ltd | 生物学的排水処理装置及び生物学的排水処理方法 |
JP5219069B2 (ja) * | 2008-01-28 | 2013-06-26 | 健 佐々木 | 水処理方法および水処理材 |
JP5147930B2 (ja) * | 2010-12-07 | 2013-02-20 | 松尾建設工業株式会社 | 廃棄乳処理装置及び方法 |
CN103979687B (zh) * | 2014-01-14 | 2016-06-08 | 上海治然环保设备工程有限公司 | 一种污水厂除臭及污泥消解一体化处理的方法 |
JP2021003023A (ja) * | 2019-06-25 | 2021-01-14 | 日環科学株式会社 | 閉鎖型3dフラクタル培養システムとその培養物 |
-
1999
- 1999-10-21 JP JP29934999A patent/JP3322855B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JP2001120252A (ja) | 2001-05-08 |
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