JP3322490B2 - リチウム一次電池 - Google Patents
リチウム一次電池Info
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Description
わり、詳しくは、その低温放電特性を改善することを目
的とした正極活物質、非水電解液の溶媒及び溶質の改良
に関する。
リチウム一次電池の正極活物質として、二酸化マンガン
が使用されているが、二酸化マンガンは非水電解液との
濡れ性が良くないために、正極の有効反応面積が小さ
い。このため、従来のリチウム一次電池には、低温での
放電特性(低温放電特性)が良くないという問題があっ
た。
果、本発明者らは、非水電解液として特定の溶媒及び溶
質からなるものを使用し、且つ二酸化マンガンの表面を
所定の手段を用いて改質すれば、二酸化マンガンと非水
電解液との濡れ性の悪さが解消されることを見出した。
のであって、その目的とするところは、低温放電特性に
優れたリチウム一次電池を提供するにある。
の本発明に係るリチウム一次電池(本発明電池)は、正
極と、金属リチウム又はリチウム合金を活物質とする負
極と、溶質及び溶媒からなる非水電解液と、セパレータ
とを備えるリチウム一次電池において、前記正極が、二
酸化マンガンと水酸化リチウムとの混合物を150〜4
00°Cで焼成してなる、リチウムとマンガンとの総量
に基づいてリチウムを1〜15原子%含有する表面改質
二酸化マンガンを活物質とし、前記溶媒が、エチレンカ
ーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネ
ート、ジエチルカーボネート及びエチルメチルカーボネ
ートよりなる群から選ばれた少なくとも1種の炭酸エス
テル20〜80体積%と、1,2−ジメトキシエタン8
0〜20体積%との混合溶媒であり、且つ前記溶質が、
トリフルオロメタンスルホン酸リチウムであることを特
徴とする。
ガン及び化学二酸化マンガンのいずれも使用することが
できるが、化学二酸化マンガンは製法上不純物の混入が
多く、また高密度のものが得られにくいので、電解二酸
化マンガンを使用することが好ましい。
物の焼成温度は150〜400°Cである。150°C
未満の場合は含有せる水分が充分に除去されないため、
一方400°Cを越えた場合は二酸化マンガンの結晶構
造が変化して失活するため、いずれの場合にも良好な低
温放電特性を発現するリチウム一次電池を得ることが困
難となる。
リチウム含有量は、リチウムとマンガンとの総量に基づ
いて1〜15原子%である。リチウム含有量が1原子%
未満の場合は二酸化マンガンの表面を充分に改質するこ
とが困難となるため、一方リチウム含有量が15原子%
を越えた場合は正極活物質たる二酸化マンガンの量が減
少するため、いずれの場合にも良好な低温放電特性を発
現するリチウム一次電池を得ることが困難となる。
ーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネ
ート、ジエチルカーボネート及びエチルメチルカーボネ
ートよりなる群から選ばれた少なくとも1種の炭酸エス
テル20〜80体積%と、1,2−ジメトキシエタン8
0〜20体積%とからなる混合溶媒に、トリフルオロメ
タンスルホン酸リチウム又はヘキサフルオロリン酸リチ
ウムを溶かしたものである。非水電解液の溶媒及び溶質
がこのように限定されるのは、たとえ正極活物質として
上記した表面改質二酸化マンガンを使用したとしても、
他の溶媒又は溶質を使用したのでは、良好な低温放電特
性を発現するリチウム一次電池を必ずしも得ることがで
きないからである。
改質二酸化マンガンが、また非水電解液として該表面改
質二酸化マンガンとの濡れ性に優れる非水電解液が、そ
れぞれ使用されているので、従来のリチウム一次電池に
比べて、充放電時の正極の有効反応面積が大きく、低温
放電特性に優れる。このように二酸化マンガンの表面改
質により特定の非水電解液に対する濡れ性が向上する理
由については、本発明者らにおいても定かではないが、
表面改質により二酸化マンガンの粒子表面にリチウムが
生成付着し、このリチウムが二酸化マンガンの特定の非
水電解液に対する濡れ性の向上に貢献しているのではな
いかと考える。
に説明するが、本発明は下記実施例により何ら限定され
るものではなく、その要旨を変更しない範囲において適
宜変更して実施することが可能なものである。
マンガン粉末(粒径100μm以下)と、表1又は表2
中に示す種々のリチウム化合物(粒径100μm以下)
の粉末とを、マンガンとリチウムとの原子比が90:1
0となる比率で混合し、375°Cで2時間焼成して、
表面改質二酸化マンガン粉末を作製した。
粉末又は表面改質しなかった二酸化マンガン粉末と、導
電剤としてのカーボン(人造黒鉛)と、結着剤とを、重
量比80:10:10で混合し、成形して、円板状の正
極を作製した。
て円板状の負極を作製した。
混合溶媒及び溶質を使用して、種々の非水電解液を調製
した。溶質濃度は全て1モル/リットルとした。二成分
系の混合溶媒については、炭酸エステルと1,2−ジメ
トキシエタンとの体積比を、全て1:1とした。また、
三成分系の混合溶媒については、二種の炭酸エステルと
1,2−ジメトキシエタンとの混合比(体積%)を、全
て30:30:40とした。
溶媒を示す。 EC:エチレンカーボネート DME:1,2−ジメトキシエタン PC:プロピレンカーボネート BC:1,2−ブチレンカーボネート DMC:ジメチルカーボネート EMC:エチルメチルカーボネート DEC:ジエチルカーボネート γ−BL:γ−ブチロラクトン SL:スルホラン THF:テトラヒドロフラン DOS:1,3−ジオキソラン
リチウム一次電池(直径20mm、高さ2.5mm)A
1〜A14、B1〜B15を組み立てた。このうち、電
池A1、A7〜A14が本発明電池であり、その他が比
較電池である。
kΩの定抵抗放電で終止電圧2Vで放電して、各電池の
低温での放電容量を求めた。結果を先の表1及び表2に
示す。
〜A14は、比較電池A2、A3、A5、A6、B1〜
B15に比べて、−20°Cでの放電容量が大きく、低
温放電特性に優れていることが分かる。
率と低温放電特性の関係〕エチレンカーボネートと1,
2−ブチレンカーボネートと1,2−ジメトキシエタン
との体積比30:30:40の混合溶媒にトリフルオロ
メタンスルホン酸リチウムを1モル/リットル溶かした
非水電解液を使用し、且つマンガンとリチウムとの総量
に基づくリチウム含有率が0.5原子%、1原子%、2
原子%、5原子%、8原子%、15原子%又は20原子
%の表面改質二酸化マンガンを正極活物質として使用し
たこと以外は先と同様にして、リチウム一次電池を組み
立てた。
で放電して、各電池の−20°Cでの放電容量を求め
た。結果を図1に示す。図1中には、本発明電池A11
の−20°Cでの放電容量(105mAh)も示してあ
る。
ム含有率と低温放電特性の関係を、縦軸に−20°Cで
の放電容量(mAh)を、また横軸にリチウム含有率
(原子%)をとって示したグラフである。図1より、低
温での放電容量の大きいリチウム一次電池を得るために
は、リチウム含有率1〜15原子%、好ましくは2〜8
原子%の表面改質二酸化マンガンを使用する必要がある
ことが分かる。
温放電特性の関係〕エチレンカーボネートと1,2−ブ
チレンカーボネートと1,2−ジメトキシエタンとの混
合比(体積%)30:30:40の混合溶媒にトリフル
オロメタンスルホン酸リチウムを1モル/リットル溶か
した非水電解液を使用し、且つ100°C、150°
C、200°C、300°C、400°C又は450°
Cで二酸化マンガンと水酸化リチウムとの混合物を焼成
して得た、マンガンとリチウムとの総量に基づくリチウ
ム含有率が10原子%の表面改質二酸化マンガンを正極
活物質として使用したこと以外は先と同様にして、リチ
ウム一次電池を組み立てた。
で放電して、各電池の−20°Cでの放電容量を求め
た。結果を図2に示す。図2中には、本発明電池A11
の−20°Cでの放電容量(105mAh)も示してあ
る。
焼成温度と低温放電特性の関係を、縦軸に−20°Cで
の放電容量(mAh)を、また横軸に焼成温度(°C)
をとって示したグラフである。図2より、低温での放電
容量の大きいリチウム一次電池を得るためには、150
〜400°Cで焼成して得た表面改質二酸化マンガンを
使用する必要があることが分かる。
ンとの混合比と低温放電特性の関係〕エチレンカーボネ
ートと1,2−ジメトキシエタンとの体積比90:1
0、80:20、50:50、20:80又は10:9
0の混合溶媒にトリフルオロメタンスルホン酸リチウム
を1モル/リットル溶かした非水電解液を使用し、且つ
375°Cで二酸化マンガンと水酸化リチウムとの混合
物を焼成して得た、マンガンとリチウムとの総量に基づ
くリチウム含有率が10原子%の表面改質二酸化マンガ
ンを正極活物質として使用したこと以外は先と同様にし
て、リチウム一次電池を組み立てた。
で放電して、各電池の−20°Cでの放電容量を求め
た。結果を図3に示す。
ジメトキシエタンとの混合比と低温放電特性の関係を、
縦軸に−20°Cでの放電容量(mAh)を、また横軸
にエチレンカーボネートと1,2−ジメトキシエタンと
の混合比をとって示したグラフである。図3より、低温
での放電容量の大きい低温放電特性に優れたリチウム一
次電池を得るためには、エチレンカーボネートと1,2
−ジメトキシエタンとの混合比を20:80〜80:2
0の範囲とする必要があることが分かる。なお、他の炭
酸エステルについても、同じ混合比の範囲において優れ
た低温放電特性を有するリチウム一次電池が得られるこ
とを確認した。
ム一次電池に適用する場合について説明したが、電池の
形状に特に制限はなく、本発明は、円筒型、角型など、
種々の形状のリチウム一次電池に適用し得るものであ
る。
る濡れ性が良いので、正極の有効反応面積が大きく、低
温放電特性に優れる。
温放電特性の関係を示すグラフである。
温放電特性の関係を示すグラフである。
2−ジメトキシエタンとの混合比と低温放電特性の関係
を示すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】正極と、金属リチウム又はリチウム合金を
活物質とする負極と、溶質及び溶媒からなる非水電解液
と、セパレータとを備えるリチウム一次電池において、
前記正極が、二酸化マンガンと水酸化リチウムとの混合
物を150〜400°Cで焼成してなる、リチウムとマ
ンガンとの総量に基づいてリチウムを1〜15原子%含
有する表面改質二酸化マンガンを活物質とし、前記溶媒
が、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジ
メチルカーボネート、ジエチルカーボネート及びエチル
メチルカーボネートよりなる群から選ばれた少なくとも
1種の炭酸エステル20〜80体積%と、1,2−ジメ
トキシエタン80〜20体積%との混合溶媒であり、且
つ前記溶質が、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム
であることを特徴とするリチウム一次電池。 - 【請求項2】前記表面改質二酸化マンガンが、リチウム
とマンガンとの総量に基づいてリチウムを2〜8原子%
含有する請求項1記載のリチウム一次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27592394A JP3322490B2 (ja) | 1994-10-14 | 1994-10-14 | リチウム一次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27592394A JP3322490B2 (ja) | 1994-10-14 | 1994-10-14 | リチウム一次電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08115728A JPH08115728A (ja) | 1996-05-07 |
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Family
ID=17562313
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27592394A Expired - Lifetime JP3322490B2 (ja) | 1994-10-14 | 1994-10-14 | リチウム一次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3322490B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6190800B1 (en) | 1998-05-11 | 2001-02-20 | The Gillette Company | Lithiated manganese dioxide |
-
1994
- 1994-10-14 JP JP27592394A patent/JP3322490B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08115728A (ja) | 1996-05-07 |
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