JP3321894B2 - 研磨終点検出装置 - Google Patents

研磨終点検出装置

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JP3321894B2 JP10656693A JP10656693A JP3321894B2 JP 3321894 B2 JP3321894 B2 JP 3321894B2 JP 10656693 A JP10656693 A JP 10656693A JP 10656693 A JP10656693 A JP 10656693A JP 3321894 B2 JP3321894 B2 JP 3321894B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平面基板上に形成され
た半導体装置、磁性体装置、光学部品、電気配線、光配
線等の表面を平坦化する目的で、下地材料とは異なる付
着材料を研磨除去する際に利用される研磨終点検出装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、平面基板上に半導体装置、磁性体
装置、光学部品、電気配線、光配線等を形成する際、こ
れらの表面を平坦化して高密度化、高精度化する目的
で、工程途中もしくは工程の最終段階で研磨を実施する
場合が増えてきた。
【0003】図5(a)、図5(b)に一般的な研磨装
置の側面図、上面図を示し、且つ図6(a)〜図6
(c)に研磨装置を用いた一工程例の模式断面図を示し
て従来技術について説明する。
【0004】一般的な構成では、図5(a)に示すとお
り、平面状の被研磨物1は回転するキャリア(支持体)
2に、弾性体のパッド6を介して取り付けられ、独立に
回転する研磨定盤3上のパッド(研磨布)7に所定の圧
力で押しつけられ、研磨される。
【0005】この際、研磨を促進する砥粒11はキャリ
ア2近傍のノズル10からパッド7上へ供給される。
【0006】キャリア回転軸4と定盤回転軸5の上から
見た位置関係は図5(b)に示す通りである。
【0007】パッド7表面を有効利用し研磨の均一性を
上げるためにキャリア2はパッド7表面上で往復運動
(揺動)も行っている。
【0008】研磨装置を用いる一例である半導体素子の
分離工程では、図6(a)に示す通り素子間分離用のく
ぼみ16aが形成された半導体基板16上に絶縁膜14
を等方的に付着した後、研磨を実施して絶縁膜14の高
い部分を取り除き図6(b)に示すように絶縁膜14′
と保護膜15とが露出し、且つ表面全域が略平坦な状態
にする。
【0009】この後、半導体素子領域の保護膜15を化
学的なエッチング等で取り除いて、素子間分離領域1
7、半導体素子領域18をそれぞれ画定する。
【0010】半導体装置の製造以外の用途でも、研磨装
置で平坦化を行う場合には、凹凸のある下地に下地とは
異なる材料を付着させ、下地の凸部分を露出させる程度
に付着材料を研磨除去するのが一般的である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な従来の技術では付着材料(図6の例では絶縁膜14)
の研磨終了検出をタイマ―で行っていた。
【0012】すなわち、付着材料の厚さを予め測定した
研磨速度で除算した値に安全率を乗じた値を研磨時間と
して事前に設定していた。
【0013】しかしながら、研磨速度はパッドの摩耗や
変形、パッド中の研磨砥粒保持量、パッド表面温度等の
制御が困難な多くのパラメ―タに支配されており、変動
が著しい。
【0014】また、研磨除去されるべき付着材料の厚さ
も必ずしも一定ではない。
【0015】このため、研磨時間を固定した従来の方法
では再現性良く研磨を行うことは困難であった。
【0016】そこで、本発明は、上記従来技術の問題点
を解決するために、研磨により下地の凸部分が露出した
(研磨終点に達した)ことを研磨中に回転軸トルクから
間接的に検知し、これにより研磨を終了することで研磨
の再現性の向上に寄与することが可能な研磨終点検出装
置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1の研磨終点検出
装置は下地材料上に付着した該下地材料とは異なる付着
材料を研磨除去する研磨装置において、研磨定盤を駆動
する第1の回転軸および被研磨物を回転させる第2の回
転軸の少なくとも一方のトルクを計測する計測機構と、
前記計測機構によって計測されたトルクおよび該トルク
の時間微分値の少なくとも一方が予め与えられた設定値
に以上に変化したことを判定して研磨停止信号を出力す
る判定手段とを具備し、 上記計測機構と上記判定手段と
の間に、上記第1の回転軸の回転数と上記第2の回転軸
の回転数のうち大きい方の回転数より低いカットオフ周
波数を有するローパスフイルターを挿人したことを特徴
とする。
【0018】請求項2の研磨終点検出装置は下地材料上
に付着した該下地材料とは異なる付着材料を研磨除去す
る研磨装置において、 研磨定盤を駆動する第1の回転軸
および被研磨物を回転させる第2の回転軸の少なくとも
一方のトルクを計測する計測機構と、 前記計測機構によ
って計測されたトルクおよび該トルクの時間微分値の少
なくとも一方が予め与えられた設定値に以上に変化した
ことを判定して研磨停止信号を出力する判定手段とを具
備し、 上記計測機構と上記判定手段との間に、上記第1
の回転軸の回転数と上記第2の回転軸の回転数の少なく
とも一方の回転数に相当するノッチ周波数を有するノッ
チフィルターを挿入したことを特徴とする。
【0019】
【0020】
【作用】本発明の請求項1では、研磨装置のキャリア回
転軸もしくは定盤回転軸のトルクが、下地の凸部分が露
出したことにより変化することを検出し、研磨を停止す
ることを特徴とすることに加えてローパスフィルターを
用いて、トルク計測信号から、キャリア回転数もしくは
定盤回転数に相当する周波数の雑音を除去して、より正
確に研磨終点を判定することを特徴とする
【0021】本発明の請求項2では、研磨装置のキャリ
ア回転軸もしくは定盤回転軸のトルクが、下地の凸部分
が露出したことにより変化することを検出し、研磨を停
止することを特徴とすることに加えてノッチフィルター
を用いて、トルク計測信号から、キャリア回転数もしく
は定盤回転数に相当する周波数の雑音を除去して、より
正確に研磨終点を判定することを特徴とする。
【0022】このように本発明は、回転軸のトルクから
被研磨物の状態を間接的に検出し、研磨の終了をリアル
タイムで判定する点が従来の技術と異なる。
【0023】
【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。
【0024】図1は本発明の研磨終点判定装置を含む研
磨装置模式側面図である。
【0025】この図1において上述した図5と同様に構
成される部分については、同一符号を付してそれらの説
明を省略するものとする。
【0026】定盤回転軸5のトルクが計測機構11によ
り計測される。
【0027】このトルク計測は図1に示すように定盤回
転軸の中途に挿入されたトルク計測機構11によって行
っても良いし、定盤回転軸駆動機構9中の電動機に流れ
る電流などの定盤回転軸トルクに対応して単調増加する
物理量を計測することで代用しても良い。
【0028】このようにしてトルク計測機構11により
得られたトルク計測信号は終点判定部12に入力され
る。
【0029】すなわち、研磨が進行し、下地材料の凸部
分が露出すると付着材料と下地材料では研磨用パッド7
に対する摩擦係数が異なるため、定盤回転軸トルクが変
化する。
【0030】この場合、下地材料の摩擦係数が小さいと
きは回転軸トルクは減少し、摩擦係数が大きいときは回
転軸トルクは増加する。
【0031】終点判定部12はトルク計測機構11から
のトルク計測信号もしくはトルク計測信号の時間微分値
が予め与えられた設定値以上に変化したことを判定して
研磨停止信号をキャリア回転軸駆動機構8および定盤回
転軸駆動機構9へ出力する。
【0032】後者のトルク時間微分値を用いる方式はな
だらかなトルクの自然変動がある場合に有効であるが、
トルク計測信号への雑音の混入に対しては影響を受け易
いので場合に応じて使い分ける必要がある。
【0033】図2はトルク計測機構11をキャリア回転
軸4の中途に挿入した例である。
【0034】終点判定部12以外の構成は図1の場合と
同様である。
【0035】この場合もキャリア回転軸駆動機構8中の
電動機に流れる電流等でトルクを間接的に計測すること
が可能である。
【0036】図3は図1の構成において、信号処理部1
3をトルク計測機構11と終点判定部12の間に挿入し
た例である。
【0037】通常、トルク計測信号には雑音として、商
用周波数に相当する信号、電動機の駆動周波数に相当す
る信号、研磨定盤数に相当する信号、キャリア回転数に
相当する信号等が混入するが、後2者の周波数が比較的
低いため問題となる。
【0038】このため、信号処理部13として問題とな
る雑音の周波数より低いカットオフ周波数を有するロ―
パスフィルタ―を用いると有効である。
【0039】ロ―パスフィルタ―による時間遅れが問題
となる場合は、信号処理部13として、雑音周波数のみ
を選択的に除去するノッチフィルタ―を用いることが有
効である。
【0040】図4は図2の構成において、信号処理部1
3を挿入した例である。
【0041】信号処理の内容については図3の場合と同
様なので省略する。
【0042】以上説明したように、本発明の研磨終点検
出装置は回転軸のトルクから被研磨物の状態を間接的に
検出して研磨の終点をリアルタイムで検出するので、制
御困難なパラメ―タの変動による研磨速度の変化や、研
磨除去すべき付着物の厚さ変動等に影響されず再現性の
良い研磨が可能となるため、半導体装置、磁性体装置、
光学部品、電気配線、光配線等の製造歩留まりの向上に
寄与することが可能となる。
【0043】
【発明の効果】従って、以上詳述したように本発明によ
れば、回転軸のトルクから被研磨物の状態を間接的に検
出して研磨の終点をリアルタイムで検出するので、研磨
の再現性の向上に寄与することが可能な研磨終点検出装
置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す構成説明図。
【図2】本発明の第2実施例を示す構成説明図。
【図3】本発明の第3実施例を示す構成説明図。
【図4】本発明の第4実施例を示す構成説明図。
【図5】従来の研磨装置の側面図と上面図である。
【図6】研磨装置を用いた平坦化工程の一例(半導体素
子間分離工程)を表す工程順模式断面図である。
【符号の説明】
1…被研磨物、 2…被研磨物支持体(キ
ャリア)、3…研磨定盤、 4…キャリア
回転軸(第2の回転軸)、5…定盤回転軸(第1の回転
軸)、6…キャリア用パッド、 7…定盤用パッド
(研磨布)、8…キャリア回転軸駆動機構、9…定盤回
転軸駆動機構、10…砥粒(スラリ―)供給ノズル、1
1…トルク計測機構、 12…終点判定機構、13
…信号処理機構(ロ―パスフィルタ―もしくはノッチフ
ィルタ―)、14…絶縁膜、14′…素子間分離領域に
埋め込まれた絶縁膜14、15…半導体素子領域保護
膜、16…半導体基板、17…素子間分離領域、
18…半導体素子領域。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下地材料上に付着した該下地材料とは異
    なる付着材料を研磨除去する研磨装置において、 研磨定盤を駆動する第1の回転軸および被研磨物を回転
    させる第2の回転軸の少なくとも一方のトルクを計測す
    る計測機構と、 前記計測機構によって計測されたトルクおよび該トルク
    の時間微分値の少なくとも一方が予め与えられた設定値
    に以上に変化したことを判定して研磨停止信号を出力す
    る判定手段とを具備し、 上記計測機構と上記判定手段との間に、上記第1の回転
    軸の回転数と上記第2の回転軸の回転数のうち大きい方
    の回転数より低いカットオフ周波数を有するローパスフ
    イルターを挿人した ことを特徴とする研磨終点検出装
    置。
  2. 【請求項2】 下地材料上に付着した該下地材料とは異
    なる付着材料を研磨除去する研磨装置において、 研磨定盤を駆動する第1の回転軸および被研磨物を回転
    させる第2の回転軸の少なくとも一方のトルクを計測す
    る計測機構と、 前記計測機構によって計測されたトルクおよび該トルク
    の時間微分値の少なくとも一方が予め与えられた設定値
    に以上に変化したことを判定して研磨停止信号を出力す
    る判定手段とを具備し、 上記計測機構と上記判定手段との間に、上記第1の回転
    軸の回転数と上記第2の回転軸の回転数の少なくとも一
    方の回転数に相当するノッチ周波数を有するノッチフィ
    ルターを挿入した ことを特徴とする研磨終点検出装置。
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