JP3321187B2 - クリーンルーム用イオナイザ - Google Patents
クリーンルーム用イオナイザInfo
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Description
生する静電気を除去するために使用されるイオナイザの
改良に関する。
では、静電気の発生し易い相対湿度が40%程度となる
低湿度環境であることや、ウェハ及び半導体素子を運搬
するために電気抵抗の高いプラスチック容器が多用され
ていることなどにより、容易に静電気が発生している。
この静電気はウェハ表面上に塵埃を付着させたり、ウェ
ハ上のICや半導体素子を破壊してしまい、製品の歩留
まりを低下させている。しかも、最近の半導体素子の高
密度化に伴い、クリーンルームの超高清浄度化が望まれ
ると共に半導体素子の静電気耐性も低下し、この様な静
電気による生産障害が、益々問題となっている。
静電気を除去する対策として、イオナイザが利用されて
いる。このイオナイザでは、これに設けられた電極に高
電圧を印加してコロナ放電を起こさせ、その時発生する
イオンによって帯電体上の電荷を中和させて除電を行っ
ている。
ようなイオナイザでは、そのイオン発生電極に高電圧を
印加してコロナ放電を起こさせる毎に電極が摩耗し、そ
の摩耗した電極材が飛散することになる。電極材は重金
属によって構成されるため、重金属汚染が引き起こされ
る。
英管で覆うことにより重金属の飛散を防止することが行
われている。この石英管は誘電体として作用し、まず石
英管内の金属電極に高電圧が印加されると、その金属を
覆っている石英管が分極して石英管表面に電荷が誘起さ
れ、電荷密度の高い部分でコロナ放電を生じる。しか
し、誘電体からの放電では、全電荷を放出しないで誘電
体表面が帯電した状態(分極状態)のままとなる。この
ため、この分極状態の石英管で覆われた電極に極性の変
わらない電圧を印加しても、石英管表面の電荷密度は高
まらないので、安定して放電することができない。
こさせるためには、直流電源やパルス直流電源のように
極性の変わらない電源では、安定して定常的にイオンを
発生することは難しい。即ち、石英管でコロナ放電を起
こさせるためには、交流電源に限定されることになる。
しかし、交流電源を用いたイオナイザは、直流電源やパ
ルス直流電源を用いたものに比べ除電性能が劣ることは
公知のことである。即ち、交流電源では、直流やパルス
直流の電源を用いて印加する方法と異なり、空間電界に
よるイオンの拡散が無いため、イオナイザの有効範囲が
狭く、有効に利用できるイオンの量が少ない。このた
め、イオナイザとしての除電性能の低下が引き起こされ
ている。
解決するために提供されたもので、その目的は、電極に
高電圧を印加し放電を起こさせる時に、その電源の種類
を限定されず、また、除電性能を低下することなく、更
に、電極の摩耗が防止され、電極材の飛散によるクリー
ンルーム内の重金属汚染を低減することのできるクリー
ンルーム用イオナイザを提供することである。
クリーンルーム用イオナイザは、静電気除去のための針
状のイオン発生電極を備えたクリーンルーム用イオナイ
ザにおいて、前記針状のイオン発生電極は、タングステ
ン電極の表面がニッケルに被覆された積層構造を有する
こと、を特徴とする。
1記載のクリーンルーム用イオナイザは、静電気除去の
ための針状のイオン発生電極が、タングステン電極の表
面がニッケルによりメッキ等で被覆された積層構造を有
するように設けられたことによって、電極表層の耐摩耗
性が向上され、電極の摩耗を防止することができる。従
って、電極材の飛散によるクリーンルーム内の重金属汚
染が低減される。
の一実施例を図1及び図2に従って説明する。
図1に示すように、一対の正負の針状電極2が取付けら
れている。この電極2は、タングステン電極2aの表面
にニッケルによる被覆3がメッキにより設けられ、積層
構造となっている。
率を調べるために、この電極の設けられたクリーンルー
ム用イオナイザ1を図2に示すようなクリーンルーム4
に設置した。
ルーム4内に清浄化空気を供給するための高性能フィル
タ5が天井に備えられ、その下部に本実施例のクリーン
ルーム用イオナイザ1が設置されている。クリーンルー
ム4内部には、上部に静電荷+,−を有する帯電体12
が設けられている。また、クリーンルーム4内部には、
イオナイザ1の電極2に清浄化度の高い空気を供給する
ための清浄化装置が設けられている。この装置は、室内
に吸気口7と、イオナイザ1の電極2近傍に供給口とを
有する空気供給路6の管路上に、エアポンプ9と、イオ
ナイザを備える微粒子析出装置10及びメンブレンフィ
ルタ11が設けられている。この様な清浄化装置によっ
て、針状電極2には、供給口8から約0.005μm未
満の超微粒子も制御された清浄化度の高い空気が供給さ
れる。即ち、電極2周囲の雰囲気中には超微粒子も皆無
となるので、微粒子が電極上に付着する等の影響が無い
状態で電極の摩耗率を調べることができる。
〜±20kVの直流電圧が1〜11秒間隔で印加される
と、正負の針状電極2から交互に正イオン+と負イオン
−が発生する。この生じた正負のイオン+,−は、一定
方向の循環空気流により帯電体12に搬送される。これ
により、帯電体12上の静電荷−,+が、それぞれ逆極
性のイオン+,−により中和され、除電される。
極2に一定時間高電圧を印加して放電を起こさせた後、
実体顕微鏡(Nikon製 SMZ−2T、倍率:8
0)、一部走査型電子顕微鏡(日本電子製 JSM−8
40、倍率:200)により電極を撮影した。その影像
から、幾何学的に電極の摩耗量(体積)を計算により求
めた。電極の摩耗量は、高電圧の印加時間に比例するの
で、電極の耐摩耗性の評価には単位時間当たりの摩耗量
(摩耗率)を用いた。この時、比較のためにトリウム・
タングステン合金(W−Th)電極、アルミニウム(A
l)電極、ニッケル(Ni)電極、チタン(Ti)電
極、ニオブ(Nb)電極に関しても、同様にして摩耗量
を測定した。また、この時の摩耗率を、従来クリーンル
ーム用として使用されているトリウム・タングステン合
金(W−Th)電極の摩耗率により基準化し、このW−
Th電極の摩耗率を1として表現する。
が得られた。即ち、ニッケルのみのNi電極の摩耗率
は、従来のW−Th電極より大きいが、タングステンに
ニッケルを被覆したNi被覆電極は、他の各種電極材に
比べて摩耗率が大幅に低い値となった。この値は、従来
のW−Th電極に比べ約1/100にまで低下してい
る。ところで、タングステンのみの電極の摩耗率は、図
中にないが従来のW−Th電極より大きいことは公知の
ことである。従って、Ni電極と、タングステン電極の
いずれも単体では従来のW−Th電極より摩耗率が大き
いが、2つの金属材料を積層構造とし、表層の金属の欠
点を補うことにより摩耗率が大幅に低減されている。
イオナイザによれば、従来の各種電極材では放電による
摩耗を避けられないが、これらの電極にニッケルをメッ
キ等により重ね合わせ積層構造とすることにより、表層
のニッケルの欠点を補い、耐摩耗性とすることができ、
電極の摩耗を大幅に低減することができる。
ルス電圧印加方式のイオナイザで行ったが、直流電圧印
加及び交流電圧印加のそれぞれの電極の場合でも電極表
面が金属であるため、同様の効果を得ることができる。
ることができるので、静電気の除電性能を損なうことが
ない。
るものではなく、具体的な各部材の形状、或いは各々の
取付け位置及び方法は適宜変更可能である。
定されない。即ち、単一の金属だけでは放電による摩耗
を避けられないが、他の金属とメッキ等により重ね合わ
せ積層構造とすることにより、表層の金属の欠点を補
い、耐摩耗生とすることができ、電極に高電圧を印加す
る方式を限定されず、静電気の除電性能を損なうこと無
く、電極の摩耗を大幅に低減することができる。
されず、スパッタリング等の薄膜生成方法により積層構
造とすることも可能である。
けられたクリーンルームで行われたが、本発明によれ
ば、清浄化装置の有無やクリーンルームの構造等に関係
なく、電極の摩耗率は大幅に低減することができる。
よれば、静電気除去のための針状のイオン発生電極を備
えたクリーンルーム用イオナイザにおいて、前記針状の
イオン発生電極を、タングステン電極の表面がニッケル
で被覆された積層構造を有するように設けたことによっ
て、電極に高電圧を印加し放電を起こさせる時に、その
電源の種類を限定されず、また、除電性能を低下するこ
となく、更に、電極の摩耗が防止され、電極材の飛散に
よるクリーンルーム内の重金属汚染を低減することがで
きる。
を示す側面図及び要部拡大断面図。
たクリーンルームの構成説明図。
材の摩耗率を示すグラフ。
Claims (1)
- 【請求項1】 静電気除去のための針状のイオン発生電
極を備えたクリーンルーム用イオナイザにおいて、前記
針状のイオン発生電極は、タングステン電極の表面がニ
ッケルに被覆された積層構造を有すること、を特徴とす
るクリーンルーム用イオナイザ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17280991A JP3321187B2 (ja) | 1991-07-12 | 1991-07-12 | クリーンルーム用イオナイザ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17280991A JP3321187B2 (ja) | 1991-07-12 | 1991-07-12 | クリーンルーム用イオナイザ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0521131A JPH0521131A (ja) | 1993-01-29 |
JP3321187B2 true JP3321187B2 (ja) | 2002-09-03 |
Family
ID=15948778
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP17280991A Expired - Fee Related JP3321187B2 (ja) | 1991-07-12 | 1991-07-12 | クリーンルーム用イオナイザ |
Country Status (1)
Country | Link |
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-
1991
- 1991-07-12 JP JP17280991A patent/JP3321187B2/ja not_active Expired - Fee Related
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