JP3319743B2 - ホール内表面の測定方法 - Google Patents
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Description
の製造工程におけるコンタクトホール形成プロセスを確
立するために、コンタクトホールの形成後、そのホール
内表面の組成の深さ方向分布を求める方法に関する。
Iと称する。)は、最近の高集積化に伴い、素子数が増
大し、配線を形成するためのコンタクトホール数が増大
している。コンタクトホールの口径は次第に小さくなる
傾向にある。このため、コンタクトホールの形成がます
ます困難になってきている。コンタクトホールはエッチ
ングにより形成する。エッチングにより形成したコンタ
クトホールの内表面には、エッチングガスなどによって
蒸着膜が形成される。この蒸着膜は、基本的にはエッチ
ングにより生じた残渣が堆積したものである。コンタク
トホールの形成プロセスを確立するためには、この蒸着
膜の組成分布を調べて、エッチングプロセスの最適化を
図る必要がある。
は、文献「電子情報通信学会技術研究報告,Vol.9
3,No.369 pp.47−52」に開示されてい
る。この文献に開示されている方法によれば、多層配線
試料を劈開してスルーホールの内面を露出させる。そし
て、オージェ電子分光法により、そのスルーホールの内
面に形成されている蒸着膜の分析を行う。
ディープサブミクロンあるいは数十ナノメートル(n
m)の直径(口径)で、深さが1μm以上であるコンタ
クトホールの内面の組成分布を分析する方法は報告され
ていない。このため、コンタクトホールのエッチングプ
ロセスの最適化が図れず、例えば20倍程度のアスペク
ト比のコンタクトホールを形成することが難しかった。
オーダーの口径のコンタクトホールの内面に付着した蒸
着膜の組成分布を分析する方法の出現が望まれていた。
発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、SIMS(2次イ
オン質量分析法)を利用するとコンタクトホールの内面
(側壁)の組成分布の分析が可能であることを発見し
た。
方法によれば、異方性エッチングにより絶縁膜中に形成
されたコンタクトホールの内表面上に、異方性エッチン
グの際に付着した付着膜及び絶縁膜の表面に、斜め上方
から1次イオンを照射することにより2次イオンを発生
させ、2次イオンの質量分析を行って、付着膜のコンタ
クトホール内での分布を測定するコンタクトホール内表
面の測定方法であって、コンタクトホールを開口した状
態で、1次イオンを照射し続けることにより絶縁膜が徐
々に削られ、それによりコンタクトホールの上部から下
部に至って付着膜に1次イオンを連続的に照射すること
を特徴とする。
被検査用絶縁膜の表面を1次イオンにより照射する。1
次イオンは、被検査用絶縁膜の表面に対して同一の斜め
方向から入射させるのが良い。このようにすると、コン
タクトホールの内面に1次イオンが入射しやすくなる。
例えば、絶縁膜の表面に対する1次イオンの入射角をθ
とし、コンタクトホールの口径をΦとする。このとき、
被検査用絶縁膜の表面から深さ方向に沿ったΦ×tan
θの距離にわたるホール内面領域が1次イオンにより照
射される。
やホール内面に付着した異物すなわち蒸着膜の表面の構
成物質がスパッタリングされて2次イオンなどが生成さ
れる。そして、発生した2次イオンの質量分析を行うこ
とにより、所望の2次イオンの量を検出することができ
る。従って、蒸着膜の構成元素の成分比が求められる。
パッタリングを行っているので、徐々にその表面が削ら
れてゆく。従って、コンタクトホールの深さ方向に沿っ
て順次に、その内面を1次イオンにより照射してゆくこ
とができる。よって、1次イオンにより、コンタクトホ
ールの内面を深さ方向に沿って徐々に走査してゆくこと
ができる。従って、コンタクトホールの深さ方向にわた
る蒸着膜の組成分布が求められる。
測定しておいた基準用絶縁膜の組成の深さ分布とを対比
することにより、被検査用絶縁膜にコンタクトホールが
形成されていることを確認している。
積した蒸着膜の深さ方向にわたる組成分布を調べること
ができる。この情報に基づいて、エッチングプロセスに
おける諸現象が解明されることが期待できる。そして、
コンタクトホールを形成するためのエッチング条件例え
ばエッチングガスの組成やエッチング装置の諸設定を最
適化することができる。従って、より口径が小さく、深
いコンタクトホールの形成に有効である。
うに、試料を劈開する作業も必要ない。従って、従来に
比べて短時間かつ容易に検査を行うことが可能である。
実施の形態につき説明する。尚、図は、この発明が理解
できる程度に、構成、大きさおよび配置関係を概略的に
示してあるに過ぎない。また、以下に記載する数値等の
条件や材料は単なる一例に過ぎない。従って、この発明
は、この実施の形態に何ら限定されることがない。
ール内面の組成分布検出方法につき、図1を参照して説
明する。図1は、組成分布検出方法の説明に供する図で
ある。図1は、コンタクトホール14を含む領域の切り
口の断面を示している。
上面に形成した絶縁膜12にコンタクトホール14を形
成している。この被検査用絶縁膜の絶縁膜12として、
例えばBPSG(ボロン(B)およびリン(P)を含む
シリケイトガラス)膜を形成している。コンタクトホー
ル14は、例えばマグネトロンプラズマエッチングによ
り形成する。エッチングガスとしては炭素(C)やフッ
素(F)を含むCF系のガス例えばCHF3 ガスを用い
る。
る。エッチングガスを真空中に導入して高周波電力を印
加すると、プラズマが生じて、イオンやラジカルが生成
される。生成される正イオンは、内部電界により加速さ
れて絶縁膜12の表面に衝突する。この衝突により、絶
縁膜12の表面に変質層(欠陥層)が形成される。この
変質層はラジカルと反応しやすい。ラジカルは変質層と
反応して反応生成物としての揮発性ガスを形成する。従
って、絶縁膜12の表層部が削られる。絶縁膜12の表
面には、常にほぼ同一の方向から衝撃が加えられるの
で、異方性エッチングが進行する。
ングにより形成された側壁に蒸着膜16が堆積する。こ
の蒸着膜16は、主として、エッチング中に生成された
残渣(異物)が付着したものである。この場合のよう
に、CF系のエッチングガスを用いると、CやFの重合
膜すなわちフロロカーボン重合膜が蒸着膜16として形
成される。この蒸着膜16によりサイドエッチングが抑
制されるので、異方性の傾向が強められる。この蒸着膜
16の組成分布を調べることは、エッチングガスの混合
比や、エッチング時間や、基板温度などのエッチング条
件を最適化するために重要である。
の組成分布を調べるために、SIMS(2次イオン質量
分析法)を利用している。すなわち、コンタクトホール
14を形成した絶縁膜12の表面12aに1次イオン1
8を入射させることにより2次イオン20を発生させ
る。そして、この2次イオン20の質量分析を行って、
コンタクトホール14の内表面に形成された蒸着膜16
の組成分布を検出する。この方法により、蒸着膜16の
組成を、コンタクトホール14の深さ方向にわたって求
めることができる。
に、1次イオン18は、ビーム状にして、絶縁膜12の
表面12aに対して同一の斜め方向から入射させる。絶
縁膜12の表面12aに対する1次イオン18の入射角
度θは、7°〜70°の範囲に設定するのが好適であ
る。通常のSIMSにおいては、30°程度の入射角度
に設定することが多い。後述する理由から、なるべく入
射角度θが小さい方が検出精度が高くなる。しかし、1
次イオン18により照射される蒸着膜16の領域が狭く
なってしまうので検出感度が低下してしまう。従って、
これら精度および感度のバランスを考慮して、入射角度
θの値を設定する。
る。1次イオン18は、0.1μm程度のビーム径のビ
ームにして入射させる。上述したように、1次イオン1
8は絶縁膜12の表面12aに対して斜め方向、すなわ
ち斜め上方から入射させる。従って、1次イオン18
は、絶縁膜12の表面12aに入射されるばかりでな
く、表面12a近傍のコンタクトホール14の内面にも
入射される。従って、蒸着膜16の表面の一部が1次イ
オン18により照射される。
とする。このとき、1次イオン18の最も深い入射位置
は、絶縁膜12の表面12aから△=Φ×tanθの距
離だけ深さ方向に下がった位置となる。従って、この△
の距離にわたる範囲の側壁面に1次イオン18が入射す
る。絶縁膜12の表面12aは、1次イオン18により
スパッタリングされて2次イオン20として削られてゆ
くので、時間の経過とともに徐々に表面12aの高さが
低下する。この表面12aの高さの低下とともに、1次
イオン18の照射領域がコンタクトホール14の深さ方
向(図1の矢印aで示す方向)に沿って下方へ移動して
ゆく。従って、コンタクトホール14の内面に形成され
た蒸着膜16の表面を、1次イオン18によってホール
の深さ方向にわたり走査することができる。
示す図である。図2の(A)、(B)および(C)は、
それぞれ図1に示す位置に対応した試料構造の切り口の
断面図である。時間の経過とともに、試料構造は、図2
(A)、(B)および(C)に示すように順次に変形し
てゆく。つまり、1次イオン18を照射させることによ
り、絶縁膜12の表面12aの高さが徐々に低下してゆ
く。よって、1次イオン18による蒸着膜16の照射位
置も徐々に低下してゆき、コンタクトホール14の内面
に沿って2次イオン20を発生させることができる。
の時点では、上述した△の距離にわたる範囲の蒸着膜1
6の領域が一度に照射される。従って、この時点では、
△の距離にわたる領域の平均的な組成が検出されてしま
い、深さ方向の分布として検出されない。しかし、この
△の距離より深い位置では、SIMSの分解能に合致し
た高い分解能で深さ方向にわたる組成分布(プロファイ
ル)が検出される。
径Φを0.06μmとし、1次イオン18の入射角度θ
を7°とするとき、△=Φ×tanθの関係により、△
の値は約7nmとなる。ここで分析対象としているコン
タクトホール14の深さは、例えば50μm程度である
から、このような△の値は無視できる。
高い精度で分析が行える。距離△はΦ×tanθで表さ
れるから、入射角度θが小さいほど△の値は小さくな
る。従って、上述したように、入射角度θが小さいほど
検出精度が高められ、より真の組成分布が得られるよう
になる。
プロファイルを示すグラフである。図3(A)には、図
1および図2を参照して説明した分析方法により得た蒸
着膜16の組成分布の検出結果が模式的に示されてい
る。図中のグラフの横軸に、絶縁膜12の初期の表面1
2aに対する深さ(μm単位)を取って示している。図
中のグラフの縦軸に、2次イオン20の強度すなわちC
イオンまたはFイオンの数量を取って示してある。表面
12aに対する深さはスパッタリングレートから求めら
れ、1次イオン18を照射する時間に比例する量として
検出される。
の深さ分布を示す図である。基準用絶縁膜は、上述の絶
縁膜12と同質の材料で形成されている。但し、コンタ
クトホールは形成されていない。この基準用絶縁膜の組
成の深さ分布は、図1および図2を参照して説明した分
析方法により求めている。この基準用絶縁膜の組成の深
さ分布を、絶縁膜12に対して得た組成分布と対比させ
ることにより、この絶縁膜12にコンタクトホール14
が形成されていることを確認している。
うと、絶縁膜12の構成成分であるSiおよびOととも
に、蒸着膜16の構成成分であるC、F、Cl、Hなど
の原子およびイオンが発生する。発生したイオン(2次
イオン20)は、電界によって加速されて、磁場によっ
て質量に応じた方向に曲げられる。そして、所定の位置
に設置された検出装置により、質量ごとにイオン強度が
検出される。よって、蒸着膜16の組成が分かる。ま
た、1次イオン18が蒸着膜16に入射する位置は、コ
ンタクトホール14の深さ方向に沿って徐々に下方(深
い側)へ移動してゆく。従って、蒸着膜16の組成の深
さ分布が調べられる。例えば、図3(A)に示す曲線a
は、蒸着膜16の構成成分であるCの組成分布を表して
いる。また、図3(A)に示す曲線bは、蒸着膜16の
構成成分であるFの組成分布を表している。図3(A)
に示すように、これらCやFの2次イオン強度は深さに
対して一定ではない。
成分布を表している。また、図3(B)に示す曲線b
は、Fの組成分布を表している。このように、コンタク
トホールを形成していない基準用絶縁膜の場合には、蒸
着膜16の構成成分であるCやFの2次イオン強度は深
さに対してほぼ一定である。これらの2次イオン強度
は、図3(A)に示した対応する組成分布のバックグラ
ウンドにそれぞれ相当している。従って、図3(A)に
示す組成分布と図3(B)に示す組成分布とを対比する
ことにより、絶縁膜12にコンタクトホール14が形成
されていることが確認できる。そして、図3(A)に示
す組成分布が、コンタクトホール14の内面に形成され
た蒸着膜16の構成元素の深さ分布であることが確認さ
れる。
と、コンタクトホール14の内面に形成された蒸着膜1
6の深さ方向にわたる組成分布を分析することができ
る。SIMSでは、1次イオン18によりスパッタリン
グを行って2次イオン20を発生させるので、コンタク
トホール14が潰れてしまって所望の結果が得られなく
なることが危惧される。しかし、発明者らの実験によれ
ば、コンタクトホール14が潰れてしまうこともなく、
絶縁膜12の表面12aが徐々に削られてゆくことが確
認されている。
さなサイズのコンタクトホールに形成された蒸着膜の組
成分布を高い精度で検出することができる。例えば、
0.05μm〜0.5μm程度の口径のコンタクトホー
ルについて、蒸着膜の組成分布を分析することが可能で
ある。このようなサイズのコンタクトホールに対して
は、従来、蒸着膜の組成分布を分析することができなか
った。この発明によれば、SIMSを利用することによ
り、上述のごとく比較的小さなサイズのコンタクトホー
ルについて蒸着膜の組成分布を分析することができる。
従って、エッチングプロセスの最適化が図れ、より小さ
なサイズのコンタクトホールの形成が可能になる。
形態につき、図4を参照して説明する。図4は、組成分
布検出用の試料構造を示す図である。図4(A)は、試
料構造の検査エリア22を含む部分を切り取って示した
要部斜視図である。尚、断面のハッチングを省略してい
る。図4(B)は、試料構造を構成する絶縁膜12の表
面12a側を示す要部平面図である。尚、図4では蒸着
膜を省略している。また、第1の実施の形態と重複する
点については説明を省略する場合がある。
12aに検査エリア22を画成して、その検査エリア2
2内に複数個のコンタクトホール14を形成しておく。
そして、その検査エリア22を1次イオン18により走
査する。
の上面にBPSGなどの絶縁膜12を成膜して形成して
いる。そして、絶縁膜12の表面12aに検査エリア2
2を画成してある。図4(B)に示す検査エリア22
は、例えば1辺が100μm程度の四角形状の領域であ
る。この検査エリア22内に、各々の口径が揃った例え
ば1000個以上のコンタクトホール14が形成されて
いる。
は、ビーム状にして検査エリア22内の部分領域に入射
させる。1次イオン18の照射領域は、検査エリア22
内において一定の規則で移動してゆく。よって、検査エ
リア22内に含まれる絶縁膜12の表面12aの領域が
1次イオン18により走査される。この走査は、例え
ば、ラスタ方式に基づいて行うのが好適である。
を設けた試料構造では、比較的広い領域を1次イオン1
8により照射する必要がある。しかし、上述したよう
に、一定の規則に基づいて走査を行うようにすれば、第
1の実施の形態で説明したように、蒸着膜の組成分布を
コンタクトホール14の深さ方向にわたり検出すること
ができる。
のコンタクトホール14について同時分析が実行される
ことと等価である。従って、分析対象である蒸着膜の量
が増大するので、検出される2次イオン20の強度も比
較的大きくなる。よって、組成分布がより高感度で検出
される。このため、エッチングプロセスにおける諸現象
がより高精度で解明されることが期待できる。
形態につき、図5を参照して説明する。図5は、複数の
検査エリアを具えた試料構造を示す平面図である。
12aに少なくとも2つの検査エリアを画成している。
図5に示す表面12aには、4つの検査エリア22a、
22b、22cおよび22dが画成されている。そし
て、これら検査エリア22a〜22dの各々に複数個の
コンタクトホール14a、14b、14cおよび14d
をそれぞれ形成してある。さらに、これら検査エリア2
2a〜22dごとに、コンタクトホール14a〜14d
の口径を違えてある。
a〜22dの各々はそれぞれ同一の四角形状および等し
い面積の領域としてある。各検査エリア22a〜22d
は、例えば100μm×100μmの面積の四角領域で
ある。各検査エリア22a〜22dには、例えば100
0個以上のコンタクトホールを形成してある。
b、22cおよび22dの各々には、それぞれ複数個の
コンタクトホール14a、14b、14cおよび14d
が形成されている。コンタクトホール14a、14b、
14cおよび14dの口径は、この順序で大きくなるよ
うに設計してある。従って、一度の試料作成で、異なる
口径のコンタクトホールを具えた試料が形成される。
の実施の形態で説明したように、各検査エリア22a〜
22dごとに1次イオンによる走査を行う。このように
すれば、コンタクトホール14a〜14dの各々の内面
に形成された蒸着膜の組成分布が得られる。従って、コ
ンタクトホールの口径に対するエッチング条件の依存性
を調べることができる。しかも、第2の実施の形態で説
明したように、多数のコンタクトホールの同時分析を行
っているので、高感度の検出が可能である。
形態につき説明する。この実施の形態の試料構造には、
絶縁膜として、組成分布の検出に支障のない元素を含む
膜が用いられている。例えば、CやFの組成成分を検出
したいときには、これらCおよびFを含まない絶縁膜に
コンタクトホールを形成する。
12bが形成された試料構造を示す図である。図6は、
コンタクトホール14を含む位置の切り口の断面図であ
る。絶縁膜12bは、シリコン基板10の上面に形成さ
れている。この絶縁膜12bにコンタクトホール14が
形成されている。第1の実施の形態で説明したように、
絶縁膜12bの表面12aに対して、同一の斜め方向
(入射角度θ)から1次イオン18を入射させる。そし
て、発生した2次イオン20の質量分析を行うことによ
り、コンタクトホール14の内面に形成された蒸着膜1
6の組成分布の分析が行われる。
12bの表面12aや蒸着膜16の表面に入射すると、
これら膜がスパッタリングされて、2次イオン20が発
生する。従って、蒸着膜16の構成元素であるCやFや
ClやHを絶縁膜12bが含んでいると、絶縁膜12b
から発生した2次イオン強度が蒸着膜のプロファイルに
バックグラウンドとして加えられてしまう。従って、蒸
着膜16の真の組成分布が得られなくなる。一方、この
実施の形態では、上述した絶縁膜12bにコンタクトホ
ール14を形成しているので、例えば、蒸着膜16のC
やFの組成分布を正確に測定することができる。
まれていると、11B1 H+ イオンが発生する。この11B
1 H+ イオンはC+ イオンと同じ質量であるから、質量
分析ではこれらを区別することができない。しかし、上
述の絶縁膜12bはBおよびHを含んでいないので、こ
のバックグラウンドの増加が起きない。
C、Hを含まない絶縁膜12bとして、例えばNSG膜
(不純物を含まないシリケイトガラス)やCVDにより
形成したSiO2 膜を用いている。
12bにコンタクトホール14を形成した場合に得られ
たCおよびFのプロファイルを示すグラフである。図7
に示すグラフの横軸には、コンタクトホール14の深さ
(μm単位)を取って示してある。また、図7に示すグ
ラフの縦軸には、検出した2次イオンの強度を取って示
してある。グラフ中の曲線aがCのプロファイルを示し
ており、曲線bがFのプロファイルを示している。絶縁
膜の違いでどのような効果が得られるのかということを
示すために、図3に示したプロファイルと形状を同一に
してある。図7の図中に示す矢印cの位置がバックグラ
ウンドの高さを表している。図3に示すプロファイルと
比べると、バックグラウンドが低下していることが分か
る。
れば、B、F、C、Hを含まない絶縁膜12bにコンタ
クトホール14を形成しているので、これらの不純物に
よる影響が除去される。従って、組成分布がより高い感
度で測定されることが期待できる。
形態につき説明する。この実施の形態では、絶縁膜12
b中に、組成分布における深さの校正に用いるための少
なくとも1層のマーカ層を形成してある。図8は、マー
カ層を形成した試料構造の構成を示す図である。図8に
は、コンタクトホール14を含む位置の切り口の断面が
示されている。
含まない絶縁膜である。例えば、絶縁膜12bとしてN
SGを用いている。絶縁膜12bはシリコン基板10の
上面に形成されている。この実施の形態では、第1絶縁
膜12cおよび第2絶縁膜12dをこの順序で積層して
絶縁膜12bを構成している。そして、絶縁膜12b中
に、3層のマーカ層24a、24bおよび24cを形成
してある。
面に形成してある。このマーカ層24cの上面に第1絶
縁膜12cが形成されている。また、マーカ層24b
は、第1絶縁膜12cの上面に形成してある。このマー
カ層24bの上面に第2絶縁膜12dが形成されてい
る。さらに、マーカ層24aを第2絶縁膜12dの上面
に形成してある。このマーカ層24aの上面にエッチン
グマスク26を形成している。エッチングマスク26
は、例えばポリシリコンで形成する。このエッチングマ
スク26を用いてエッチングを行い、コンタクトホール
14を形成している。このエッチングにより、コンタク
トホール14の内面に分析対象の蒸着膜16が形成され
る。
分布の検出に支障のない元素を含む不純物層で形成して
ある。絶縁膜12bとしてNSGを用いる場合には、例
えばPやAsでマーカ層24a〜24cを形成する。こ
れらの元素は蒸着膜16に含まれていないので、蒸着膜
16を構成するCやFの検出に支障がない。
通常のイオン注入により形成する。この場合は、打ち込
みのためのエネルギを比較的弱く設定して、シリコン基
板10や、第1絶縁膜12cや、第2絶縁膜12dの表
層部にイオンが注入されるようにする。あるいは、ま
た、シリコン基板10や、第1絶縁膜12cや、第2絶
縁膜12dの表面を大気中にさらして故意に汚染させる
ことにより、これらマーカ層24a〜24cを形成して
もよい。
よる組成の分析を行う。このため、絶縁膜12bの表面
12aに対して同一の斜め方向(入射角度θ)から1次
イオン18を入射させる。そして、発生した2次イオン
20の質量分析を行う。
たときのプロファイルを示すグラフである。図中のグラ
フの横軸に表面12aに対する深さ(μm単位)を取
り、図中のグラフの縦軸に検出した2次イオン20の強
度を取ってある。グラフ中に示す曲線aおよびbは、そ
れぞれCおよびFのプロファイルすなわち組成分布を模
式的に示している。また、グラフ中に示す曲線cは、マ
ーカ層24a〜24cを構成する元素例えばPやAsの
プロファイルを示している。
この順序で深さ方向にわたり有している。最も浅い位置
に立つピークdは、第1層目のマーカ層24aから発生
した2次イオンの強度を表している。また、次に深い位
置に立つピークeは、第2層目のマーカ層24bから発
生した2次イオンの強度を表している。そして、最も深
い位置に立つピークfは、第3層目のマーカ層24cか
ら発生した2次イオンの強度を表している。
対応したピークd、eおよびfがそれぞれ所定の深さ位
置に検出される。第1絶縁膜12cや第2絶縁膜12d
の膜厚から、マーカ層24a〜24cが形成されている
深さ位置は知ることができる。従って、ピークd、eお
よびfが立つ深さ位置を検出することで、Cのプロファ
イルaやFのプロファイルbの深さに関する校正が行え
る。
イオン18が入射する蒸着膜16の深さ位置と、絶縁膜
12b(12)の表面12aの位置とは、△の距離だけ
差がある。このため、検出した2次イオン20が、どの
深さの蒸着膜16部分に相当するかが不明確となる場合
がある。しかし、この実施の形態では、蒸着膜16から
発生した2次イオンを検出すると同時に、マーカ層24
a〜24cから発生した2次イオンをも検出しているの
で、2次イオンが発生した箇所の深さを正確に知ること
ができる。従って、この実施の形態で説明した試料構造
を用いると、より正確に蒸着膜16の組成の深さ分布を
検出することができる。
れば、コンタクトホールを形成した絶縁膜の表面に1次
イオンを入射させることにより2次イオンを発生させ
る。そして、この2次イオンの質量分析を行うことによ
り、コンタクトホールの内表面に形成された蒸着膜の組
成分布を検出する。この方法によれば、コンタクトホー
ルの深さ方向にわたる蒸着膜の組成分布を求めることが
できる。この得られた情報に基づいて、エッチングプロ
セスにおける諸現象を解明することができる。また、コ
ンタクトホールを形成するためのエッチング条件例えば
エッチングガスの組成やエッチング装置の諸設定を最適
化することができる。従って、より口径が小さく、深い
コンタクトホールの形成に有効である。
る。
を示す図である。
ある。
料構造を示す図である。
を示す図である。
図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 異方性エッチングにより絶縁膜中に形成
されたコンタクトホールの内表面上に、該異方性エッチ
ングの際に付着した付着膜及び前記絶縁膜の表面に、斜
め上方から1次イオンを照射することにより2次イオン
を発生させ、該2次イオンの質量分析を行って、前記付
着膜の前記コンタクトホール内での分布を測定するコン
タクトホール内表面の測定方法であって、 前記コンタクトホールを開口した状態で、前記1次イオ
ンを照射し続けることにより前記絶縁膜が徐々に削ら
れ、それにより前記コンタクトホールの上部から下部に
至って前記付着膜に前記1次イオンを連続的に照射する
ことを特徴とするコンタクトホール内表面の測定方法。 - 【請求項2】 前記絶縁膜と同質の材料により構成さ
れ、かつ、コンタクトホールを具備しない基準用絶縁膜
に、該基準用絶縁膜の表面の斜め上方から1次イオンを
照射することにより2次イオンを発生させ、 該2次イオンの質量分析を行って作成された基準分布
と、被測定コンタクトホールにより得られた前記付着膜
の該被測定コンタクトホール内での2次イオンの分布と
を比較する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1
に記載の測定方法。 - 【請求項3】 前記1次イオンは、前記絶縁膜の表面に
対して7〜70°の範囲で照射されることを特徴とする
請求項1または2に記載の測定方法。 - 【請求項4】 前記コンタクトホールと同一口径の複数
のコンタクトホールが前記絶縁膜中に形成されており、
これらのコンタクトホールは前記絶縁膜内の第1の領域
に所定間隔で配置されていることを特徴とする請求項1
〜3のいずれか一項に記載の測定方法。 - 【請求項5】 前記第1の領域に隣接する第2の領域に
は、前記コンタクトホールの口径より大きい第2の口径
を有する複数の第2コンタクトホールが所望の間隔で配
置されていることを特徴とする請求項4に記載の測定方
法。 - 【請求項6】 前記絶縁膜は前記付着膜を構成する元素
を含まない材料により形成されていることを特徴とする
請求項1〜5のいずれか一項に記載の測定方法。
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