JP3319537B2 - リグノセルロース材料の蒸解法 - Google Patents

リグノセルロース材料の蒸解法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リグノセルロース材料
の蒸解法に関する。さらに詳しくは、ソーダ法、クラフ
ト法、炭酸塩法、多硫化物蒸解法又はこれらの蒸解法に
おける蒸解薬液にキノン化合物を添加して蒸解する蒸解
法を効果的に実施するパルプの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】パルプ工業は、大量の木材を消費すると
同時に多量の水を使用する。そのため環境保全の立場か
ら改善すべき諸問題を抱えている。例えば、大量の産業
排水の生成、森林資源の伐採、臭気問題等が挙げられ
る。従って、木材等のリグノセルロースからできるだけ
高い収率でパルプを製造することができる技術を確立す
れば、たとえパルプ収率が1%向上するだけで使用する
木材チップは2%節減することが可能となり、それは木
材消費を節減し得るのでひいては森林の保護にも通じる
ことになる。
【0003】一方、河川、湖沼、海洋の水質保護の立場
からパルプ工場等から排出される排液量をできるだけ少
なくするような製造法の確立が強く要望されている。そ
のためには、晒排液の量をできるだけ減少する必要があ
り、遡って通常の蒸解法において、未晒パルプのカッパ
ー価がL材では18〜20、N材では28〜30である
が、このカッパー価をさらに低下することが有効とな
る。
【0004】しかしながら、従来の蒸解法でパルプのカ
ッパー価を低下させようとすると、より多くの蒸解薬剤
が必要になるだけでなく、パルプ収率の低下や強度の低
下が伴うので、この点に関する改善技術が要望されてい
る。又、世界で最も普及したパルプの製造法は、クラフ
ト法であり、このクラフト法は優れたパルプの製造法で
あるが、一つの欠点がある。即ち、硫化ナトリウムを使
用するので、硫黄系臭気化合物が生成することである。
そこで、硫化ナトリウムの使用量を減少(硫化度の低
下)せしめて薬品回収の負荷がかからないようなパルプ
の製造法が求められている。
【0005】パルプ収率を向上させる方法としては、蒸
解系にアントラキノンスルホン酸塩、アントラキノンや
テトラヒドロアントラキノン等のキノン化合物を蒸解助
剤として添加する、いわゆるキノン蒸解法(例えば、東
ドイツ特許98949号、特公昭55−1398号、特
公昭57−19239号、特開昭52−37803号、
特公昭53−45404号)、活性炭触媒を使用し白液
中の硫化ナトリウムを酸化しポリサルファイド(多硫化
物)含有蒸解液を製造(例えば、特公昭50−4039
5号、特開昭61−257238号、特開昭61−25
9754号、特公平1−58344号に記載されている
方法)し、この蒸解液を使用して蒸解を行うポリサルフ
ァイド蒸解法、又はキノン化合物をポリサルファイド蒸
解液に添加して蒸解するキノン添加ーポリサルファイド
蒸解法等が検討され広く普及している。
【0006】パルプの晒排液削減策としては、塩素漂白
を二酸化塩素漂白に置換する方法、MCC法(修正アル
カリ性蒸解法)、RDH(迅速置換加熱法)のようなプ
ロセスの改良による低カッパー価パルプを製造し、晒工
程の負荷を軽減する方法が採用されている。又、酸素若
しくはオゾンを使用する漂白法の導入により排液が大幅
に削減される可能性があるが、紙力の低下とコストが高
くなるという欠点を有している。
【0007】蒸解において、その蒸解条件の一つの要素
として液比がある。液比とは、蒸解すべきリグノセルロ
ース材料の絶乾重量に対する、このリグノセルロース材
料を蒸解するのに使用する蒸解薬液の重量とリグノセル
ロース材料が含有している水分重量の和との比のことで
ある。勿論、この蒸解薬液には、水酸化ナトリウム、硫
化ナトリウム、多硫化ナトリウム、炭酸ナトリウム又は
キノン化合物等の当業者が蒸解に必要とする薬剤の必要
量だけ含まれている。
【0008】この液比に関しては、一般的に3〜10、
通常3〜4が使用されている。例えば、紙パルプ技術協
会編「クラフトパルプ・非木材パルプ、昭和56年10
月1日発行、49頁」及び紙パルプ技術協会編「紙パル
プ技術便覧、1982、119頁」の記載内容を要約す
ると、この文献には、「工業的には木釜容量、蒸解薬液
循環或いは蒸解薬液の浸透の均一性の面から制約をう
け、一般的には液比3〜4の範囲で活性アルカリ濃度1
00〜110g/l(リットル)の白液が使用される。
蒸解薬液の濃度が増加すれば脱リグニン速度は増加する
が炭水化物の溶出も増加し、それだけパルプ収率が低下
する。一定の脱リグニン度(カッパー価)におけるセル
ロースの最高歩留りを得るためには比較的低い濃度の蒸
解薬液を使用することが望ましい。パルプの品質の面か
らは液比を大きくし液の濃度を薄くした方がよい。」と
述べられている。
【0009】一方、現在生産されている化学パルプの殆
どはクラフト蒸解法により生産されている。このクラフ
ト蒸解法における実際の装置を考えてみる。木材チップ
やソウダストのクラフト蒸解、ソーダ蒸解及びポリサル
ファイド蒸解等に用いられる蒸解機は、70〜200立
方メートルの容量の木釜で液循環と間接加熱で蒸解を行
う回分式蒸解機及びカミヤ型(Kamyr Type)
やエスコ型(Esco Type)の連続蒸解機、さら
に一部に気相蒸解工程を有するM&D型等の連続蒸解機
等が広く普及している。
【0010】回分式蒸解機における液比は一般に広葉樹
では、3.2〜4、針葉樹では4.5〜6である。カミ
ヤ型の連続蒸解機においては大凡3〜3.5の液比が用
いられている。エスコ型の連続蒸解機においては、蒸解
液を直接蒸気で加熱するので、その加熱の蒸気のドレイ
ンが加わるので液比がさらに高くなる。M&D型等の連
続蒸解機においては、高温(135〜160℃)の多量
かつ通常のクラフト蒸解法より高濃度(150〜160
g/l、通常のクラフト蒸解法では90〜105g/
l)の蒸解薬液中にチップを浸漬せしめ、その後はチッ
プ内に含浸した薬液で気相蒸解を行うことを原理とした
蒸解法である。
【0011】この他著名な蒸解装置としてはアスプロン
ド方式、Pandia方式、日立造船の蒸解装置がある
が、これらの蒸解機では比較的高いカッパー価のセミケ
ミカルパルプ等を亜硫酸塩を主体とする蒸解薬液を使用
して蒸解しているのに使用されている。液比が蒸解の結
果に色々影響を有することは、よく知られたことである
が、通常の液比は3〜4又は5の液比を使用しており、
気相蒸解を除いて3以下の液比を使用する場合はあまり
ない。
【0012】特開昭55−62289号公報には、いわ
ゆる気相蒸解において、キノン化合物を使用して木材に
対する液比が1対1.75〜2で蒸解を行っているが、
木材に対して6.7倍量の蒸解液に木材を含浸させた
後、過剰の蒸解液を除くという操作があり、かつ蒸解は
静置した状態で実施されており、本発明者が実施した結
果では比較例1から明らかなように、通常のカッパー価
(針葉樹では、39〜45)のパルプを製造する場合、
気相蒸解においてはリジェクト量(リジェクトとは、精
選工程で排出される廃棄区分のことである。)が相対的
に多くなるという問題点を含んでいる。
【0013】
【発明が解決しようとしている課題】本発明の課題は、
低カッパー価でも収率を高めることができ、かつパルプ
品質を落とさず、従って、晒工程における排液を減少で
きるような蒸解法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、液比が蒸
解効果に及ぼす影響について鋭意検討した。即ち、低液
比でも充分に混合できるような装置、例えばシリコンオ
イルバス中で460mlの円筒形のオートクレーブ6本
が同時に任意の速度で転倒回転する蒸解設備を製作し、
液比が1.9〜2.8になるような低液比の蒸解実験を
多数繰り返し、蒸解に関する諸反応と液比の関係を考察
した。
【0015】その結果、通常の3以上の液比に対して、
2〜2.8の液比においてもより優れた蒸解結果を示す
ことを見出し、本発明を完成した。しかして、本発明
は、リグノセルロース材料の蒸解に際し、蒸解薬液をリ
グノセルロース材料、好ましくは特定の厚さを有するチ
ップを使用して、均等に含浸させる操作を行いながら、
液比が1.8〜2.8になる様な蒸解液中でリグノセル
ロース材料を蒸解することを特徴とするリグノセルロー
ス材料の蒸解法に存する。
【0016】本発明において適用される蒸解法として
は、ソーダ蒸解法、クラフト蒸解法、ポリサルファイド
蒸解法、炭酸塩蒸解法又は水酸化ナトリウムや炭酸ソー
ダと亜硫酸ナトリウムを混合した蒸解法が使用される。
さらに一般に前記の蒸解法に使用される蒸解薬液につい
てはアルカリ性パルプ化液が使用される。これらの蒸解
法における蒸解条件としては、一般に実施されている条
件が適用される。例えば、ソーダ蒸解法では活性アルカ
リ(以下、いずれも絶乾チップに対するNa2Oの重量
%)8〜20重量%、蒸解温度160〜200℃、クラ
フト蒸解法では、活性アルカリ13〜25重量%、硫化
度5〜30重量%、蒸解温度140〜200℃、ポリサ
ルファイド蒸解法では、活性アルカリ13〜25重量
%、硫化度10〜30重量%、ポリサルファイド量が
0.3〜2.2重量%(対チップ)、蒸解温度140〜
200℃、アルカリ性亜硫酸蒸解法では、苛性ソーダ添
加率0.5〜7重量%、亜硫酸ソーダ添加率2〜25重
量%(対チップ)、蒸解温度130〜200℃であり、
その他の蒸解法は、クラフト蒸解法に準ずる蒸解条件が
適用される。
【0017】本発明においての重要な要件は、液比であ
る。この液比は1.8〜2.8、好ましくは1.9〜
2.8、さらに好ましくは2.0〜2.5である。液比
が2.8以下で従来より収率が向上し、及び実用上品質
が殆どかわらないものが得られ、1.8以下では不均一
な蒸解が起こり、リジェクト量が多くなり過ぎて不適当
である。
【0018】この蒸解法における蒸解薬液中には、いわ
ゆる蒸解助剤としてのキノン化合物、ヒドロキノン化合
物又はこれらの前駆体から選ばれた少なくとも1種の化
合物を含有することができる。これらの化合物として
は、蒸解助剤として公知の化合物を使用することができ
る。例えば、アントラキノン、ジヒドロアントラキノン
(例えば、1,4−ジヒドロアントラキノン)、テトラ
ヒドロアントラキノン(例えば、1,4,4a,9a−
テトラヒドロアントラキノン、1,2,3,4−テトラ
ヒドロアントラキノン)、メチルアントラキノン(例え
ば、1−メチルアントラキノン、2−メチルアントラキ
ノン)、メチルジヒドロアントラキノン(例えば、2−
メチル−1,4−ジヒドロアントラキノン)、メチルテ
トラヒドロアントラキノン(例えば、1−メチル−1,
4,4a,9a−テトラヒドロアントラキノン、2−メ
チル−1,4,4a,9a−テトラヒドロアントラキノ
ン)等のキノン化合物であり、アントラヒドロキノン
(一般に、9,10−ジヒドロキシアントラセン)、メ
チルアントラヒドロキノン(例えば、2−メチルアント
ラヒドロキノン)、ジヒドロアントラヒドロアントラキ
ノン(例えば、1,4−ジヒドロ−9,10−ジヒドロ
キシアントラセン)又はそのアルカリ金属塩等(例え
ば、アントラヒドロキノンのジナトリウム塩、1,4−
ジヒドロ−9,10ージヒドロキシアントラセンのジナ
トリウム塩)等のヒドロキノン化合物であり、アントロ
ン、アントラノール、メチルアントロン、メチルアント
ラノール等の前駆体が挙げられる。これら前駆体は蒸解
条件下ではキノン化合物又はヒドロキノン化合物に変換
する可能性を有している。
【0019】この蒸解助剤の使用量は、蒸解条件、目的
とするカッパー価等によっても異なるが、一般にはリグ
ノセルロース材料に対して0.005〜3重量%、好ま
しくは、0.01〜1.2重量%、さらに好ましくは
0.01〜0.5重量%で十分である。
【0020】本発明に使用するリグノセルロース材料と
しては、針葉樹又は広葉樹等の木材はどれでも使用する
ことができ、又バガス等の公知のものが使用されるが、
一般には木材チップが使用される。木材の種類として
は、例えば、針葉樹としてはダグラスファー、スプルー
ス、松、杉等及び、広葉樹としてはブナ、ナラ、ユーカ
リ、アスペン、カバ等が挙げられる。
【0021】本発明に使用されるチップの大きさは、本
発明に係る低液比蒸解における均一な混合の良し悪しに
影響し、一般的には厚さが9mm以下、好ましくは8m
m以下のものがよい。チップの大きさは長さ×幅が30
mm×30mm以下がよく、通常、8mm以下の厚さが
多いものが好ましい。例えば、長さ30〜20mm×幅
30〜20mm×厚さ8mm以下のものが標準的に多く
含まれるチップがよい。さらに好ましくは、30mm×
30mm×(7〜5mm)、さらに好ましくは30mm
×30mm×(4〜6mm)である。8〜9mm以上の
厚さではリジェクト量が増大する。さらに均等でリジェ
クト量が少ない蒸解を実施するためにはチップの厚さを
6mm以下に制御するのが好ましいが、この場合、厚さ
が6mm以下のチップが全体の60〜70重量%を占め
ていれば6〜8mmの厚さのチップが混在していても満
足し得る程度の蒸解結果が得られる。
【0022】本発明において、チップの含水率は、一般
には55%以下が用いられ、通常は40〜50%が用い
られる。本発明において、低液比蒸解を効果的に実現す
るためには、蒸解薬液とリグノセルロース材料とを均一
に混合するという操作が必要であり、この操作法として
は、前記したような天地転倒型の混合操作、スクリュー
コンベアー型やカミヤスチーミングベッセル型(Kam
yr Steaming Vessel Type)の
内部のスクリュー型等による混合操作及び釜の内部に充
填されたチップの層に低液比の蒸解薬液を均一に流動含
浸せしめ蒸解を行うような操作も含まれる。
【0023】本発明において、次のような2段階の蒸解
操作で実施することができる。即ち、この均一に混合す
る操作は、昇温してから120℃以上、好ましくは15
0℃以上から所定の蒸解温度に達した初期までの間まで
行い、所定の蒸解温度に達した後は通常行われるような
公知の回分式又は連続式の蒸解工程に接続し、蒸解を完
成させることもできる。蒸解初期とは、所定の蒸解温度
に達してから10分以内をいう。
【0024】
【作用】本発明においては、低液比の蒸解薬液を使用し
ても、この薬液をリグノセルロース材料のリグノセルロ
ース構造の内部とチップ表面に含有又は付着して保持す
ることができるので、蒸解薬剤を本発明の液比内の蒸解
薬液に溶解させておけば、すべての蒸解薬剤はチップの
リグノセルロース構造内に浸透し保持されることにな
る。その結果、リグノセルロース構造を構成している多
糖類の安定化、リグニン高分子の開裂及び低分子化反応
が促進され、蒸解薬剤が極めて効果的に作用するものと
考察される。
【0025】さらに、この低液比アルカリ性パルプ化液
による蒸解法において、キノン化合物を使用する場合に
は、120〜130℃に到達した時点、即ち蒸解操作の
極めて初期の段階ですでにセルロース等の糖類の安定化
と脱リグニン反応が行われていることが判った。この点
を考慮すれば、本発明においては、この蒸解操作の初期
の段階までに上記のように、低液比で均一混合操作を行
い、120〜150℃に蒸解温度が達した後の蒸解操作
は通常実施されている蒸解操作法、例えば前記したよう
な蒸解法の回分式又はカミヤ式等の連続蒸解法を実施す
ることも実用的には重要である。
【0026】M&D蒸解機を使用する蒸解法は本発明の
方法と類似するかのようにみえるが、実際にはその操作
条件は異なっている。即ち、M&Dを使用する蒸解で
は、先ずチップを極めて高液比(例えば、6)の白液の
中に10〜20分、140〜160℃で浸漬し、白液を
チップ内に含浸せしめ、含浸した蒸解薬液によって17
0〜180℃で蒸解する方法が常法である。しかも、こ
の方法に使用する白液中の活性アルカリの濃度は、通常
のクラフトパルプにおいて使用する場合の90〜105
g/lよりもはるかに高い150〜160g/lのもの
が使用されている。
【0027】本発明における蒸解法においては、このよ
うな高濃度かつ多量の白液にチップを浸漬する必要はな
く、前述したように予め適切な厚さに調整されたチップ
に、本発明に従った液比の蒸解薬液を加え、均一に混合
しながら薬剤をチップ内部に浸透させて蒸解する方法で
ある。又、特開昭55−62289号公報には、蒸解薬
液をチップに含浸させたままで蒸解する、いわゆる気相
蒸解法について低液比を適用しているが、本発明者等が
実施したところ、この方法のように含浸させたままで単
に加熱する方法では、例えば、パルプ収率があまり向上
せず、リジェクト量が増加する。
【0028】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例によって制限されるもので
はない。 「実施例1」 (1)蒸解装置 任意の温度プロフィールを設定できるシリコンオイル恒
温浴中で、天地転倒回転をする450mlオートクレー
ブを6本まで同時に実験できるような装置を用いて以下
の蒸解実験を行った。又、この装置はオートクレーブを
途中で回転を停止させて蒸解実験を行うことも可能であ
る。
【0029】(2)チップの調製 使用チップとしては、針葉樹の混合材チップ(Radi
ata pineその他)の厚さが4〜7mm、大きさ
が30〜20mm×30〜20mmのもので、この中の
標準的なチップとして約80%が厚さが5〜6mmで大
きさが30〜20mm×25〜20mmのものを使用し
た。
【0030】 実験精度を上げるために、チップの含水
率が10〜12%になるまで一旦乾燥した。乾燥期間中
は朝昼夜の3回程度、よくかき回しチップの種類の配合
比の均一化を行なった。含水率が10〜12%まで乾燥
するとチップの如何なる部分を採取しても同じ含水率を
呈したので、このチップを精密に秤量し、厚手のポリエ
チレンの小袋に必要数採取し、冷暗所に保存した。蒸解
の3日前に、必要数だけ精秤したチップが入っている小
袋を取り出し、含水率が50%になるように水をその中
に投入し、第1日目は投入した水がチップに均等に含浸
するようによく攪拌を行なった。水分がチップに均等に
含浸したら、その後、約60mmHgまで減圧し、2日
間放置した。このようにして含水率を50%に調整した
チップを蒸解に供した。
【0031】(3)蒸解薬液の調製 蒸解薬液は、すべて特級試薬を用いて、クラフト蒸解液
及びポリサルファイド蒸解液を調製した。硫化度は30
%とした。クラフト蒸解液及びポリサルファイド蒸解液
における活性アルカリ量は硫化ナトリウム(Na
2 S)、水酸化ナトリウム(NaOH)、多硫化ナトリ
ウム(Na2 Sx)及びチオ硫酸ナトリウム(Na2 S
2 O3 )を酸化ナトリウム(Na2 O)のg/lに換算
して表記した。しかして調製した蒸解薬液の組成は、ク
ラフト蒸解液では、水酸化ナトリウムが70.0g/
l、硫化ナトリウムが30.0g/lであり、ポリサル
ファイド蒸解液では、水酸化ナトリウムが84.7g/
l、硫化ナトリウムが12.0g/l、多硫化物が硫黄
として5.88g/l及びチオ硫酸ナトリウムが3.3
g/lである(いずれも、酸化ナトリウムとして)。
【0032】(4)蒸解実験 上記(2)のように調製したN材(針葉樹)混合チップ
の65g(絶乾として)を、460mlオートクレーブ
に仕込み、上記(3)において調製した蒸解薬液を、対
チップ活性アルカリ添加率として15、18又は21%
の3種類でそれぞれオートクレーブに充填し、蒸解を実
施した。又、蒸解助剤として1,4−ジヒドロ−9,1
0−ジヒドロキシアントラセンのナトリウム塩(以下、
DDANと略す。)を添加した実験を合わせて行った。
【0033】昇温時間は60分、蒸解温度は169℃、
蒸解時間は52分とし、液比については2.0、2.5
及び3.5の3種類の蒸解を実施した。蒸解は、前記の
蒸解装置を用い、表1に示したような液比、活性アルカ
リ(AA)添加率及び蒸解助剤添加率で、所定の条件に
て、オートクレーブ中に充填した薬液とチップを均一に
混合しながら蒸解を行った。蒸解終了後、蒸解混合物か
ら黒液を濾過除去し、得られたパルプ含有物を離解機で
離解し、良く洗浄した後、得られたパルプを乾燥し、パ
ルプ収量とそのカッパー価(Kappa Value)
を測定した。その結果を表1(クラフト蒸解及びDDA
N添加ークラフト蒸解の結果)、表2(ポリサルファイ
ド蒸解及びDDAN添加ーポリサルファイド蒸解の結
果)及び図1乃至4に示した。
【0034】この図1(クラフト蒸解及びDDAN添加
ークラフト蒸解の結果のカッパー価とパルプ収率の関
係)において、カッパー価25において、クラフト蒸解
法では液比が3.5の場合に対して、液比が2.5の場
合にはパルプ収率が0.5%向上し、DDAN添加ーク
ラフト蒸解法では液比が3.5の場合に対して、液比が
2.5の場合には0.9%向上することを示している。
いわゆるキノン蒸解法の場合における低液比蒸解法の適
用が極めて効果が大きいことを示している。又、図2
(クラフト蒸解及びDDAN添加ークラフト蒸解の結果
のカッパー価と活性アルカリ添加率の関係)において
も、同じカッパー価25において低液比蒸解法が極めて
大きい活性アルカリの低下を示すことがわかる。例え
ば、カッパー価25において、液比3.5に対して2.
5では活性アルカリ添加率はクラフト蒸解法では2.8
%、DDAN添加ークラフト蒸解法では2.2%低下す
る。従って、この活性アルカリの低下は黒液から薬剤を
回収する場合の回収設備の負担を軽減し、かつそこで使
用するエネルギーの節約につながる。
【0035】 図3及び図4においては、同様にポリサ
ルファイド蒸解法の結果を図示したものであるが、ポリ
サルファイド蒸解法及びDDAN添加ーポリサルファイ
ド蒸解法においては、例えば、カッパー価25におい
て、液比3.5に比べて、液比2.5及び2.0ではい
ずれもパルプ收率が1.0%向上し、活性アルカリ添加
率についても3.2%及び2.7%と大きく減少すると
う効果を奏することを示している。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】「実施例2」実施例1と同様の装置及び蒸
解薬液並びに活性アルカリ添加率を18%とし、チップ
としては厚み6mm〜8mm×長さ30mm×幅20m
mのサイズを有する針葉樹チップを使用し、表3に示し
た条件下で蒸解を行い、蒸解温度が120℃、150℃
に達するまでは転倒攪拌によって均等な混合を行い、そ
の後は転倒攪拌を停止したままで昇温し、169℃の蒸
解温度で52分保持して蒸解を実施し、蒸解後の操作
は、実施例1と同様に実施し、その結果を表3に示し
た。
【0039】
【表3】
【0040】「実施例3」実施例1と同様のポリサルフ
ァイド蒸解液を用い、表4に示したチップサイズのチッ
プ及び液比を使用した以外は、実施例1と同様の蒸解方
法でポリサルファイド蒸解を行い、パルプを製造し、そ
の結果を表4に示した。
【0041】
【表4】
【0042】「実施例4及び比較例1」(気相蒸解に準
拠した蒸解法との比較) 表5に示した蒸解条件並びに比較例1における前処理条
件及び下記に記載した比較例1の操作法以外は、実施例
1と同様の装置及び条件で、次のような蒸解法により特
開昭55−62289号公報における蒸解法に準拠した
蒸解と本発明の低液比蒸解とを比較し、その結果を表5
に示した。即ち、比較例1における特開昭55−622
89号公報に準拠した蒸解方法は、先ず前処理操作とし
て、活性アルカリ濃度として45又は60%の蒸解薬液
に、液比6.5でチップを浸漬し、窒素シール下で60
mmHgまで減圧し、チップへの蒸解薬液の含浸操作を
行い、その後薬液を含浸したチップと薬液を分離し、液
比が大略2.5になる条件において169℃で気相蒸解
を行った。その結果を表5に示した。
【0043】この結果によれば、気相蒸解法において
は、低液比蒸解に比べてリジェクト量が多い。又、ポリ
サルファイド蒸解法においては、パルプ収率は本発明の
方法である低液比蒸解が気相蒸解より優れている。
【0044】
【表5】
【0045】「実施例5及び比較例2」(M&D蒸解機
を使用する蒸解を想定した蒸解法との比較) 表6に示した蒸解条件並びに比較例2における前処理条
件及び下記に記載した比較例2の操作法以外は、実施例
1と同様の装置及び条件で、次のようなM&Dに想定し
た蒸解と本発明の低液比蒸解とを比較し、その結果を表
6に示した。即ち、比較例2におけるM&D蒸解機を使
用する蒸解を想定した蒸解法は、先ず前処理操作とし
て、活性アルカリ濃度として60%の蒸解薬液に、液比
6.0でチップを浸漬し、窒素シール下で回転混合させ
ながら、130℃まで昇温し、その後薬液を含浸したチ
ップを分離し、169℃で気相蒸解を行った。その結果
を表6に示した。
【0046】この結果によれば、M&D蒸解機を使用す
る蒸解を想定した気相蒸解法においては、パルプ収率に
おいて本発明の方法である低液比蒸解が気相蒸解より優
れている。
【0047】
【表6】
【0048】「実施例6」(ソーダ蒸解の例) 東北地方のブナ材を含有する実施例1に準じたサイズの
広葉樹混合チップを用いて、表7に示した活性アルカリ
添加率、蒸解温度169℃、Hファクター600及び液
比2.5又2.0のキノンーソーダ蒸解における低液比
蒸解を実施した。比較例として液比が3.5の通常のソ
ーダ蒸解を行った。その結果を表7に示した。この結果
によれば、蒸解時間を短縮できる効果は、本発明の低液
比蒸解(液比2.5及び2.0)において顕著であっ
た。
【0049】
【表7】
【0050】「実施例7」(低液比ー低硫化度ーキノン
蒸解の例) 実施例1と同様の装置を使用し、東北地方の広葉樹を使
用し、硫化度10%、活性アルカリ添加率を15%又は
18%、表8に示したDDAN添加率及び液比並びに蒸
解温度165℃及び蒸解時間50分の条件下で蒸解を実
施した。得られたパルプのカッパー価と収率を求めた結
果を表8に示した。
【0051】その結果によれば、硫化度を10%に下げ
ても、キノン化合物(DDAN)を使用した低液比蒸解
を実施すれば、パルプのカッパー価を大幅に低下させる
ことができ、かつ収率を高く保つことができることが判
る。参照例として記載した硫化度30%及び活性アルカ
リ添加率19%のカッパー価は13.0であり、これと
同等のカッパー価のパルプを製造する場合、低液比蒸解
では15%程度でよく、4%の活性アルカリの低下が可
能である。
【0052】
【表8】
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、液比が低いにもかかわ
らず、従来の方法に比べてパルプ収率を向上させ、かつ
カッパー価の驚くべき低下をもたらすという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において実施したクラフト蒸解法及び
DDANを使用した、いわゆるキノン添加ークラフト蒸
解の結果のうちカッパー価とパルプ収率との関係につい
てグラフ化したものである。
【図2】実施例1において実施したクラフト蒸解法及び
DDANを使用した、いわゆるキノン添加ークラフト蒸
解の結果のうちカッパー価と活性アルカリとの関係につ
いてグラフ化したものである。
【図3】実施例1において実施したポリサルファイド蒸
解法及びDDANを使用した、いわゆるキノン添加ーポ
リサルファイド蒸解法の結果のうちカッパー価とパルプ
収率の関係についてグラフ化したものである。
【図4】実施例1において実施したポリサルファイド蒸
解法及びDDANを使用した、いわゆるキノン添加ーポ
リサルファイド蒸解の結果のうちカッパー価と活性アル
カリとの関係についてグラフ化したものである。
【符号の説明】
Aは、液比が3.5におけるクラフト蒸解の結果であ
る。Bは、液比が3.5におけるDDAN添加ークラフ
ト蒸解の結果である。Cは、液比が2.5におけるクラ
フト蒸解の結果である。Dは、液比が2.5におけるD
DAN添加ークラフト蒸解の結果である。Eは、液比が
3.5におけるポリサルファイド蒸解の結果である。F
は、液比が3.5におけるDDAN添加ーポリサルファ
イド蒸解の結果である。Gは、液比が2.5におけるポ
リサルファイド蒸解の結果である。Hは、液比が2.5
におけるDDAN添加ーポリサルファイド蒸解の結果で
ある。Iは、液比が2.0におけるポリサルファイド蒸
解の結果である。Jは、液比が2.0におけるDDAN
添加ーポリサルファイド蒸解の結果である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−62289(JP,A) 特開 昭49−54601(JP,A) 特開 平4−126885(JP,A) 特公 昭36−11425(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21C 3/00 - 3/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リグノセルロース材料の蒸解(但し、気
    相蒸解を除く)に際し、キノン化合物、ヒドロキノン化
    合物又はこれらの前駆体から選ばれた少なくとも1種の
    化合物を含有するアルカリ性蒸解薬液をリグノセルロー
    ス材料に均等に含浸させる操作を行いながら、液比が
    1.8〜2.8になるような蒸解薬液中でリグノセルロ
    ース材料を蒸解することを特徴とするリグノセルロース
    材料の蒸解法。
  2. 【請求項2】 リグノセルロース材料の蒸解(但し、気
    相蒸解を除く)に際し、120℃以上、所定の蒸解温度
    に達した後蒸解初期まで、キノン化合物、ヒドロキノン
    化合物又はこれらの前駆体から選ばれた少なくとも1種
    の化合物を含有するアルカリ性蒸解液をリグノセルロー
    ス材料に均等に含浸させる操作を行いながら、液比が
    1.8〜2.8になるような蒸解薬液中でリグノセルロ
    ース材料を蒸解した後、回分式又は連続式の蒸解法によ
    り蒸解することを特徴とするリグノセルロース材料の蒸
    解法。
  3. 【請求項3】 リグノセルロース材料の蒸解(但し、気
    相蒸解を除く)に際し、蒸解操作の初期の段階までにキ
    ノン化合物、ヒドロキノン化合物又はこれらの前駆体か
    ら選ばれた少なくとも1種の化合物を含有するアルカリ
    性蒸解薬液を液比が1.8〜2.8の条件でリグノセル
    ロース材料に均等に含浸させる操作を行ない、120℃
    に蒸解温度が達した後の蒸解操作は、回分式又は連続式
    の蒸解法により蒸解することを特徴とするリグノセルロ
    ース材料の蒸解法。
  4. 【請求項4】 アルカリ性蒸解薬液がソーダ蒸解薬液、
    クラフト蒸解薬液、炭酸塩蒸解薬液または多硫化物蒸解
    薬液である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の蒸解
    法。
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