JP3319502B2 - セラミック造粒粉体の製造方法 - Google Patents

セラミック造粒粉体の製造方法

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JP3319502B2 JP19218697A JP19218697A JP3319502B2 JP 3319502 B2 JP3319502 B2 JP 3319502B2 JP 19218697 A JP19218697 A JP 19218697A JP 19218697 A JP19218697 A JP 19218697A JP 3319502 B2 JP3319502 B2 JP 3319502B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミック粉粒体
を粉砕して得られたセラミック粉体によりスラリーを調
製し、このスラリーを噴霧乾燥してセラミック造粒粉体
を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のセラミック造粒粉体の製
造方法として、先ず粒径が1〜3mmのセラミック粉粒
体をメディア撹拌型の乾式粉砕機により粉砕し、この粉
砕されたセラミック粉体にバインダ、有機溶媒、可塑
剤、分散剤等を加えて撹拌装置により混合してスラリー
を調製し、次にこのスラリーをポンプにより加圧してス
プレードライヤに供給し、更にこのドライヤで噴霧乾燥
してセラミック造粒粉体を製造する方法が知られてい
る。上記メディア撹拌型の乾式粉砕機はタンク本体と、
このタンク本体に上方から挿入された回転軸と、この回
転軸を駆動する減速機付モータと、回転軸の外周面に所
定の間隔をあけて半径方向に延びて設けられた丸断面の
複数の撹拌アームとを備える。
【0003】この粉砕機のタンク本体に所定量のセラミ
ック粉粒体と所定量のメディア(直径5mmのZrO2
ボール)とをそれぞれ投入し、所定時間モータにより回
転軸及び撹拌アームを回転駆動すると、撹拌アームの回
転によりメディアに遠心力及び回転力と上下への動きが
与えられ、メディア同士が衝突・回転を繰返すことによ
りセラミック粉粒体が粉砕され微粉化されたセラミック
粉体が得られる。また上記方法で製造されたセラミック
造粒粉体は所定の金型に充填されてプレス機により所定
の形状に成形され、更に脱バインダ後に焼成されること
により、セラミック焼結体製品が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のセ
ラミック造粒粉体の製造方法では、タンク本体に供給さ
れたセラミック粉粒体がタンク本体内で撹拌アーム及び
メディアにより流動化するけれども、全てのセラミック
粉粒体を所望の粒径に粉砕することは難しく、僅かでは
あるが粒径の比較的大きなセラミック粗粒が残留する。
例えば、平均粒径が1mmの電融MgO粉粒体をメディ
ア撹拌型の乾式粉砕機で4時間程度粉砕すると、平均粒
径が1.5μmに微粉化されたMgO粉体が得られる。
しかし、このMgO粉体の中には粒径が100μm程度
と比較的大きなMgO粗粒が約0.05〜0.1%残留
する不具合があった。この結果、このMgO粗粒を含む
MgO粉体を成形・焼成して得られたMgO焼結体製品
はMgO粗粒が破壊の起点となり易いためその強度が低
下し、またこの焼結体製品の表面にMgO粗粒が配置さ
れると、このMgO粗粒の部分だけ黒ずんで色調が変わ
るため、製品の商品価値が低下する問題点もあった。本
発明の目的は、全てのセラミック粉粒体をほぼ均一な粒
径を有するセラミック粉体に微粉化できるセラミック造
粒粉体の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1に示すように、粒径が1〜3mmのセラミック粉粒
体11をメディア撹拌型の乾式粉砕機12により粉砕す
る工程と、粉砕されたセラミック粉体13とバインダと
有機溶媒15とを混合して所定の濃度のスラリー14を
調製する工程と、スラリー14をポンプ22により加圧
する工程と、加圧したスラリー14をスプレードライヤ
に供給して噴霧乾燥することによりセラミック造粒粉体
を得る工程とを含むセラミック造粒粉体の製造方法の改
良である。その特徴ある構成は、スラリー14の加圧工
程とスラリー14の噴霧乾燥工程との間に加圧したスラ
リー14をメディア撹拌型の湿式粉砕機18に供給する
ことによりスラリー14中のセラミック粉体13に含ま
れるセラミック粗粒を粉砕する工程を有するところにあ
る。この請求項1に記載されたセラミック造粒粉体の製
造方法では、メディア撹拌型の乾式粉砕機12により粉
砕されて得られたセラミック粉体13にはセラミック粗
粒が含まれるけれども、このセラミック粗粒はメディア
撹拌型の湿式粉砕機18により粉砕されるので、セラミ
ック粉体13の粒径は均一になる。
【0006】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、更に図1に示すように、メディア撹拌型の
湿式粉砕機18が下端にスラリー入口18fが形成され
上端にスラリー出口18gが形成されたケース18aを
有し、所定の濃度に調製されたスラリー14がポンプ2
2によりスラリー入口18fからケース18aに連続供
給され、ケース18a内でスラリー14中のセラミック
粉体13に含まれるセラミック粗粒が粉砕された後に、
スラリー14がスラリー出口18gから排出されること
を特徴とする。この請求項2に記載されたセラミック造
粒粉体の製造方法では、セラミック粗粒を含むセラミッ
ク粉体13のスラリー14がポンプ22によりケース1
8aに供給され、スラリー14がケース18a内を上昇
する。このときスラリー14中のセラミック粗粒は微粉
化したセラミック粉体13より重くかつスラリー上昇速
度が遅いため沈降する。
【0007】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
基づいて説明する。図1に示すように、セラミック造粒
粉体を製造する装置は粒径が1〜3mmのセラミック粉
粒体11を粉砕するメディア撹拌型の乾式粉砕機12
と、セラミック粗粒を含むセラミック粉体13とバイン
ダと有機溶媒15とを混合して所定の濃度のスラリー1
4を調製するスラリー調製手段16と、スラリー14中
のセラミック粉体13に含まれるセラミック粗粒を粉砕
するメディア撹拌型の湿式粉砕機18と、湿式粉砕機1
8から排出されたスラリー14を噴霧乾燥することによ
りセラミック造粒粉末を生成するスプレードライヤ(図
示せず)とを備える。
【0008】メディア撹拌型の乾式粉砕機12はタンク
本体12aと、このタンク本体12aに上方から挿入さ
れた回転軸12bと、この回転軸12bを駆動する減速
機付モータ12cと、回転軸12bの外周面に所定の間
隔をあけて半径方向に延びて設けられた丸断面の複数の
撹拌アーム12dと、タンク本体12a内に収容された
多数のメディア12eとを有する。メディア12eはZ
rO2等により直径4〜6mmの球体に形成されること
が好ましい。タンク本体12aの下端には排出パイプ1
2fが接続され、排出パイプ12fにはこの排出パイプ
12fを開閉するバルブ12gが設けられる。このバル
ブ12gにはスクリーン(図示せず)が一体的に設けら
れ、このスクリーンはセラミック粉粒体11の通過を許
容しかつメディア12eの通過を阻止するように構成さ
れる。またタンク本体12aの外周面には冷却水12i
が流れるジャケット12hが設けられる。
【0009】乾式粉砕機12の下方には分離装置19が
設けられる。この分離装置19は加振機19aと、この
加振機19a上に設置されたハウジング19bと、ハウ
ジング19bを上室19c及び下室19dに区画する網
19eとを有する。ハウジング19bの上端には排出パ
イプ12fを遊挿可能な入口パイプ19fが突設され
る。また網19eの目開きは0.05〜0.1mmであ
ることが好ましく、この網19eは所定の粒径以上のセ
ラミック粗粒や凝集した粉体の通過を阻止しかつセラミ
ック粉体13及び所定の粒径未満のセラミック粗粒の通
過を許容するように構成される。網19eの目開きを上
記範囲に限定したのは、0.05mm未満では粉体が目
詰まりし易くなり、0.1mmを越えると粗大径の粗粒
が通過して後工程に悪影響を与えるからである。スラリ
ー調製手段16は容器16aと、この容器16aに上方
から挿入された回転軸16bと、この回転軸16bを駆
動する減速機付モータ16cと、回転軸16bの下端に
固着された撹拌羽根16dとを有する。図1の符号21
はセラミック粗粒を含むセラミック粉体13の重量を計
量する計りである。
【0010】メディア撹拌型の湿式粉砕機18はケース
18a、このケース18aに上方から挿入された回転軸
18bと、この回転軸18bを駆動する減速機付モータ
18cと、回転軸18bの外周面に所定の間隔をあけて
半径方向に延びて設けられた丸断面の複数の撹拌アーム
18dと、ケース18a内に収容された多数のメディア
18eとを有する。ケース18aの直径及び高さはケー
ス18a内でスラリー14中の粗粒が沈降するために要
求されるケース18a内のスラリー流速とこのケース1
8aに流入する時間当りのスラリー14の供給量により
決められる。このケース18a内の所望のスラリー流速
は2〜5cm/分程度である。また回転軸18bの回転
速度は30〜300rpmの範囲内にあることが好まし
く、メディア18eはZrO2等により直径4〜6mm
の球体に形成されることが好ましい。
【0011】回転軸18bの回転速度は通常250rp
m程度であるが、セラミック粗粒が極めて僅かであった
り或いはスラリー流速が遅いときには30rpm程度で
十分であり、セラミック粗流を完全に破砕したいときや
平均粒径が1.5μm程度のセラミック粉体13を更に
微粉化したいときには300rpm程度にすることが好
ましい。これは、回転軸18bの回転速度が300rp
mを越えても、微粉化の程度は変らず、かえってメディ
ア18eや撹拌アーム18d等を磨耗させる恐れがある
からである。
【0012】ケース18aの下端及び上端にはそれぞれ
スラリー入口18f及びスラリー出口18gが形成さ
れ、スラリー入口18f及びスラリー出口18gにはス
クリーン18h及び18iがそれぞれ内蔵される。これ
らのスクリーン18h,18iはメディア18eの通過
を阻止しかつセラミック粉体13及びセラミック粗粒の
通過を許容するように構成される。図1の符号22はス
ラリー調製手段16により調製されたスラリー14を湿
式粉砕機18に供給するポンプである。このポンプ22
としてはダイヤフラムポンプ、ローラポンプ又はスクリ
ューポンプ等を用いることが好ましい。またスプレード
ライヤは密閉型の造粒機である。
【0013】このように構成されたセラミック造粒粉体
の製造方法を説明する。先ず粒径が1〜3mmのセラミ
ック粉粒体11をメディア撹拌型の乾式粉砕機12によ
り粉砕する。セラミック粉粒体11としは電融MgO、
アルミナ、ムライト、スピネル、コージェライト等のセ
ラミック粉粒体11が挙げられる。この粉砕機12のタ
ンク本体12aにはバルブ12gを閉じた状態で所定量
のセラミック粉粒体11と所定量のメディア12e(直
径4〜6mmのZrO2ボール等)がそれぞれ投入さ
れ、減速機付モータ12cにより回転軸12b及び撹拌
アーム12dが0.5〜8時間回転駆動される。撹拌ア
ーム12dの回転によりメディア12eに遠心力及び回
転力と上下への動きが与えられ、メディア12e同士が
衝突・回転を繰返すことによりセラミック粉粒体11が
粉砕され、平均粒径が1〜10μmのセラミック粉体1
3が得られる。ここで、目標の平均粒径のセラミック粉
体13を得るためには、通常粉砕時間で制御される。例
えばMgO粉粒体の場合、粉砕時間が30分では平均粒
径が10μm程度となり、概ね4時間程度で完全に微粉
化される。また粉砕時間と回転軸の回転速度とを組合せ
た制御も可能である。
【0014】この粉砕機12は乾式であるため、撹拌・
混合・粉砕時の摩擦によりタンク本体12a内に摩擦熱
が発生するけれども、ジャケット12h内に冷却水12
iを流すことによりタンク本体12aは冷却される。ま
たタンク本体12aに供給されたセラミック粉粒体11
はタンク本体12a内で撹拌アーム12d及びメディア
12eにより流動化するけれども、全てのセラミック粉
粒体11を所望の粒径に粉砕することは難しく、約0.
05〜0.1重量%と僅かではあるが粒径が100μm
程度の比較的大きなセラミック粗粒が残留する。粉砕終
了後バルブ12gを開くと、上記セラミック粗粒を含む
セラミック粉体13は分離装置19のハウジング19a
内に落下し、加振機19aによる振動にて所定の粒径未
満のセラミック粗粒を含むセラミック粉体13が網19
eを通過して下室19dに落下する。このとき所定の粒
径以上のセラミック粗粉は網19e上に残る。
【0015】次いで所定の粒径未満のセラミック粗粒を
含むセラミック粉体13とバインダと有機溶媒15とを
混合して所定の濃度のスラリー14を調製する。スラリ
ー14の濃度としては45〜75重量%であることが好
ましい。スラリー14の濃度を45〜75重量%に限定
したのは、75重量%を越えると上記スラリー14が非
水系であるため、安定した造粒が難しい問題点があり、
45重量%未満では均一な組織を有する緻密なセラミッ
ク焼結体製品が得られいないからである。即ち、スラリ
ー14濃度を上記範囲に限定すると、スラリー14の粘
度が200〜1000cpsとなり、スプレードライヤ
によるセラミック粉体13の造粒を安定して行うことが
でき、更には成形体の密度が高くなって緻密なセラミッ
ク焼結体製品の製造が可能になる。バインダとしてはポ
リエチレングリコールやポリビニールブチラール等を、
有機溶媒15としてはエタノールやプロパノール等を用
いることが好ましく、バインダは0.2〜2.5重量%
添加することが好ましい。またマレイン系ポリアニオン
や脂肪酸エステル、燐酸エステル系アニオン等の分散剤
やステアリン酸等の可塑剤を添加することが好ましい。
【0016】次に所定の濃度に調製されたスラリー14
はポンプ22により加圧されて湿式粉砕機18のスラリ
ー入口18fからケース18aに供給され、このスラリ
ー14はケース14内を比較的遅い速度で上昇する。こ
のときスラリー14中のセラミック粗粒は微粉化したセ
ラミック粉体13より重くかつスラリー14の上昇速度
が遅いため沈降する。この結果、上記セラミック粗粒は
湿式粉砕機18で確実に粉砕されて平均粒径が0.5〜
1.5μmのセラミック粉体となった後にスラリー出口
18gから排出されるので、スプレードライヤに供給さ
れるスラリー14中のセラミック粉体13にはセラミッ
ク粗粒は全く含まれない。セラミック粉体13の平均粒
径を0.5〜1.5μmの範囲に限定したのは、0.5
μm未満では、粉体13が細かすぎて凝集するため、粉
体13のハンドリングが悪くなり、45重量%以上の高
濃度スラリー14を調製することが困難となるためであ
り、1.5μmを越えると、微細構造の制御が難しく、
緻密なセラミック焼結体製品が得られないからである。
またセラミック粉体13の平均粒径を上記範囲に限定す
ると、焼結助剤を用いなくても所望のセラミック焼結体
製品が得られる利点もある。
【0017】更にポンプ22の圧力によりケース18a
のスラリー出口18gから排出されたスラリー14はス
プレードライヤに供給された後、このドライヤにて噴霧
乾燥されることによりセラミック造粒粉体が得られる。
このセラミック造粒粉体を成形、脱バインダ処理及び焼
成することによりセラミック焼結体製品が得られる。こ
のとき上記製品中のセラミック粉体の粒径がほぼ均一で
ある、即ちセラミック粗粒が全く混入していないので、
焼結体製品の曲げ強度が高くかつその表面の色調が変化
せず均質である。
【0018】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに説明す
る。<実施例1〜5>図1に示すように、先ず粒径が1
〜3mmの市販のMgO粉粒体11を60kgと、直径
5mmのZrO2製のメディア12eを300kgとを
メディア撹拌型の乾式粉砕機12のタンク本体12aに
投入し、回転軸12bを回転速度260rpmで4時間
回転させてMgO粉粒体11を粉砕し、平均粒径が約
1.5μmのMgO粉体13を得た。上記乾式粉砕機1
2のタンク本体12aの直径及び高さはそれぞれ800
mm及び750mmであった。
【0019】次いでこのMgO粉体13とメディア12
eとを分離装置19に投入し、目開きが0.1mmの網
19eによりMgO粉体13及び粒径が0.1mm未満
のMgO粗粒と、粒径が0.1mm以上のMgO粗粒と
に分離される。粒径が0.1mm未満のMgO粗粒、即
ち粒径が100μm程度の比較的粒径の大きいMgO粗
粒のMgO粉体13への混入量は僅かである。このMg
O粗粒を含むMgO粉体13を60kg秤量し、エタノ
ール15(有機溶媒)44.4kg、バインダ6kg、
燐酸エステル系アニオン(分散剤)750cc、ステア
リン酸(可塑剤)160gとともに、スラリー調製手段
16の容器16aに投入し、1時間撹拌して濃度が60
重量%のスラリー14を調製した。ここで、撹拌時間を
1時間としたのは経験的に1時間で十分であり、濃度を
60%としたのは最適造粒粉体を得るためと、系の閉塞
や脈動の防止等の観点から経験的に決定した。
【0020】次に上記スラリー14をダイヤフラムポン
プ22により加圧してメディア撹拌型の湿式粉砕機18
のスラリー入口18fからケース18aに供給し、回転
軸18bを200rpmの回転速度で回転させてスラリ
ー14中のMgO粉体13に含まれるMgO粗粒を粉砕
した。ケース18aの直径及び高さをそれぞれ250m
m及び250mmとし、ポンプ22によるスラリー14
の供給量を100リットル/時間とした。これによりケ
ース18a内でスラリー14中の粗粒が沈降するために
要求されるケース18a内のスラリー流速(3.4cm
/分)が得られた。またケース18a内の圧力は2kg
/cm2であった。スラリー出口18gから排出された
スラリー14中のMgO粉体13をスプレードライヤ
(図示せず)により噴霧乾燥してMgO造粒粉体を生成
した後、成形、脱バインダ処理及び焼成して幅×厚さ×
全長がそれぞれ3mm×4mm×36mmの試験片を得
た。この試験片を5本作製して実施例1〜5とした。
【0021】<比較例1〜5>上記実施例1〜5と同様
にして得られたスラリーを、メディア撹拌型の湿式粉砕
機に供給せずに、直接スプレードライヤに供給してMg
O造粒粉体を生成したことを除いて、上記実施例1〜5
と同様にして5本の試験片を得た。これらの試験片を比
較例1〜5とした。
【0022】<比較試験1及び評価>実施例1〜5及び
比較例1〜5の各試験片についてそれぞれ3点曲げ試験
を行った。その結果と実施例及び比較例の平均値とを表
1に示す。3点曲げ試験はJIS R1601に基づく
破壊強度(曲げ強度)試験である。
【0023】
【表1】
【0024】表1から明らかなように、比較例の試験片
の3点曲げ強度が平均値で約1200kgf/cm2
あったのに対し、実施例の試験片では平均値で約190
0kgf/cm2と約35%向上した。このように比較
例の試験片が実施例の試験片と比較して曲げ強度が低く
ばらつきが大きいのは、比較例の試験片では造粒前のM
gO粉体に100μm程度の比較的粒径の大きなMgO
粗粒が僅かに混入し、このMgO粗粒が曲げ破壊の起点
となるためであると考えられる。またスラリー中のMg
O粉体に含まれる、MgO粗粒の量は僅かであるので、
このMgO粗粒を粉砕するのに必要な粉砕機としての能
力は極めて小さいもので済む。この結果、湿式粉砕機の
ケースの容量を乾式粉砕機の容量の約1/30と極めて
小型にしてもMgO粗粒を確実に粉砕でき、湿式粉砕機
の製作コストは比較的少なくて済んだ。
【0025】<実施例6>実施例1〜5と同様にして得
られたMgO造粒粉体を所定の形状の金型に入れて15
00kg/cm2の圧力で一軸加圧成形してリング状の
成形体を形成し、この成形体を脱バインダ処理及び焼成
することにより、外径×内径×厚さがそれぞれ約240
mm×224mm×8mmの燃料電池用のMgO絶縁リ
ングを得た。この絶縁リングを100個作製した。な
お、MgO造粒粉体を1500kg/cm2で加圧した
のは、概ね1500kg/cm2の圧力で成形体の生
(なま)密度が飽和するからである。 <比較例6>比較例1〜5と同様にして得られたMgO
造粒粉体を上記実施例6と同様にしてMgO絶縁リング
を得た。この絶縁リングを100個作製した。
【0026】<比較試験2及び評価>実施例6の100
個のMgO絶縁リングと比較例6の100個のMgO絶
縁リングの表面をそれぞれ目視で観察して、色調むら
(黒ずんだ斑点)の存在の有無を調べた。この結果、比
較例6の100個の絶縁リングのうち40個の絶縁リン
グの表面にMgO粗粒が原因となる色調むらやクレータ
状の凹みが発生したのに対し、実施例6の100個の絶
縁リングには全く色調むらやクレータ状の凹みが発生し
なかった。
【0027】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、ス
ラリーの加圧工程とスラリーの噴霧乾燥工程との間に、
加圧したスラリーをメディア撹拌型の湿式粉砕機に供給
することによりスラリー中のセラミック粉体に含まれる
セラミック粗粒を粉砕する工程を追加したので、メディ
ア撹拌型の乾式粉砕機により粉砕されて得られたセラミ
ック粉体にはセラミック粗粒が含まれるけれども、この
セラミック粗粒はメディア撹拌型の湿式粉砕機により粉
砕される。この結果、セラミック粉体の粒径は均一にな
る。またこのセラミック粉体のスラリーをスプレードラ
イヤにて噴霧乾燥してセラミック造粒粉体を得た後、こ
のセラミック造粒粉体を成形・焼成して得られたセラミ
ック焼結体製品はセラミック粉体の粒径がほぼ均一であ
りかつセラミック粗粒が全く混入していないので、焼結
体製品の曲げ強度が高くかつその表面の色調が変化せず
均質である。
【0028】またメディア撹拌型の湿式粉砕機が下端に
スラリー入口が形成され上端にスラリー出口が形成され
たケースを有し、所定の濃度に調製されたスラリーをポ
ンプによりスラリー入口からケースに連続供給し、ケー
ス内でスラリー中のセラミック粉体に含まれるセラミッ
ク粗粒を粉砕した後に、スラリーをスラリー出口から排
出すれば、セラミック粗粒を含むセラミック粉体のスラ
リーがポンプによりケースに供給され、スラリーはケー
ス内を上昇する。このときスラリー中のセラミック粗粒
は微粉化したセラミック粉体より重くかつスラリー上昇
速度が遅いため沈降する。この結果、上記セラミック粗
粒は湿式粉砕機で確実に粉砕された後にスラリー出口か
ら排出されるので、スプレードライヤに供給されるスラ
リー中のセラミック粉体にはセラミック粗粒が全く含ま
れい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施形態のセラミック造粒粉体を製造す
る装置の構成図。
【符号の説明】
11 MgO粉粒体(セラミック粉粒体) 12 乾式粉砕機 13 MgO粉体(セラミック粉体) 14 スラリー 15 エタノール(有機溶媒) 18 湿式粉砕機 18a ケース 18f スラリー入口 18g スラリー出口 22 ポンプ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒径が1〜3mmのセラミック粉粒体(1
    1)をメディア撹拌型の乾式粉砕機(12)により粉砕する工
    程と、 前記粉砕されたセラミック粉体(13)とバインダと有機溶
    媒(15)とを混合して所定の濃度のスラリー(14)を調製す
    る工程と、 前記スラリー(14)をポンプ(22)により加圧する工程と、 前記加圧したスラリー(14)をスプレードライヤに供給し
    て噴霧乾燥することによりセラミック造粒粉体を得る工
    程とを含むセラミック造粒粉体の製造方法において、 前記スラリー(14)の加圧工程と前記スラリー(14)の噴霧
    乾燥工程との間に加圧したスラリー(14)をメディア撹拌
    型の湿式粉砕機(18)に供給することにより前記スラリー
    (14)中の前記セラミック粉体(13)に含まれるセラミック
    粗粒を粉砕する工程を有することを特徴とするセラミッ
    ク造粒粉体の製造方法。
  2. 【請求項2】 メディア撹拌型の湿式粉砕機(18)が下端
    にスラリー入口(18f)が形成され上端にスラリー出口(18
    g)が形成されたケース(18a)を有し、 所定の濃度に調製されたスラリー(14)がポンプ(22)によ
    り前記スラリー入口(18f)から前記ケース(18a)に連続供
    給され、前記ケース(18a)内で前記スラリー(14)中のセ
    ラミック粉体(13)に含まれるセラミック粗粒が粉砕され
    た後に、前記スラリー(14)が前記スラリー出口(18g)か
    ら排出される請求項1記載のセラミック造粒粉体の製造
    方法。
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