JP3319333B2 - 水素吸蔵合金の安定化方法 - Google Patents

水素吸蔵合金の安定化方法

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  • Chemical Treatment Of Metals (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,水素を吸蔵した水素吸蔵合金の
安定化方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来,水素吸蔵合金は,高圧ボンベや液化
水素用の低温タンクよりも取り扱いやすく,重量当たり
の水素貯蔵量の点で優れており,水素の貯蔵,運搬に用
いることが提案されている。しかし,水素を吸蔵した水
素吸蔵合金は反応性が高く,特に大気に接触すると,発
熱を伴う酸素との反応が生じるため,非常に危険であ
る。この問題を解決するため,特開平3−289047
号では,SO2 ,CO,CO2 あるいはアルカリミスト
を含む水蒸気で水素吸蔵合金を処理し,大気中における
安定性を向上させることが提案されていた。
【0003】
【解決しようとする課題】しかしながら,この方法は処
理が繁雑であり,また合金表面に厚い酸化被膜が生成す
るので水素吸蔵合金が不活性化してしまうおそれがあっ
た。また,他の方法としては,CO,ヘキサン,ジエチ
ルアミン,エタノール等を合金表面に吸着させる方法も
ある。
【0004】COを用いる方法では,水素吸蔵合金の表
面に存在し,活性点となるNiをCOで被毒させること
により大気中での安定化を図っていた。また,エタノー
ルを用いる方法においても,同様に合金の表面にあるN
iをエタノールが吸着して被毒させ,該水素吸蔵合金の
安定化を図っていた。しかし,いずれの方法において
も,水素の閉じ込め効果が不充分であり,水素吸蔵合金
を充分に安定化させることができなかった。
【0005】本発明は,かかる問題点に鑑み,吸蔵した
水素を確実に閉じ込めることができ,必要に応じて吸蔵
した水素を容易に取り出すことができる,水素吸蔵合金
の安定化方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,水素を吸蔵した
水素吸蔵合金に,酸素の標準酸化電位より高い標準酸化
電位を有する酸化剤を接触させ,上記水素吸蔵合金の表
面に生成していた酸化物層を溶融除去すると共に,代わ
って酸化被膜を形成する表面処理を行うことを特徴とす
る水素吸蔵合金の安定化方法にある。
【0007】上記酸化剤としては,表1に示すごとく,
標準水素電極(NHE)を電位基準とした場合,その標
準酸化電位がNiの酸化電位よりも+0.7V以上高い
ものを使用することが好ましい。また,0.9V以上高
いものが特に好適である。
【0008】このような酸化剤を使用することにより,
水素吸蔵合金の表面に存在し,活性点として作用するN
i表面を酸化させ,酸化被膜で覆うことができる。その
ため,Ni活性点はその活性作用を失い,水素を吸蔵し
た水素吸蔵合金は安定化される。また,上記酸化電位が
+0.7V未満である場合には,Ni表面の酸化被膜の
形成が不十分で,水素吸蔵合金が充分に安定化されない
おそれがある。
【0009】
【表1】
【0010】また,上記表面処理は10分以上継続して
行うことが好ましい。表面処理時間が10分未満である
場合には,本発明の効果を達成することができないおそ
れがある。
【0011】また,上記表面処理は,LaNi5 やMm
Ni5 (Mmはミッシュメタルを示し,具体的にはラン
タン,セリウム等の希土類元素の混合物をいう)といっ
たAB5 型合金,(Zr,Ti)(V,Ni)2 等のラ
ーベス相合金といったAB2型合金等の水素吸蔵合金に
対し適応することができる。
【0012】また,上記酸化剤は該酸化剤を均一に溶か
した溶液の状態で用いることが好ましい。そして,上記
表面処理にかかる具体的な操作としては,例えば粉末状
の水素吸蔵合金を上記酸化剤の溶液に浸漬する方法,粉
末状の水素吸蔵合金に上記酸化剤の溶液を噴霧する方法
等を挙げることができる。
【0013】本発明の作用につき,以下に説明する。本
発明にかかる表面処理方法においては,水素吸蔵合金の
表面に対し,酸素の標準酸化電位より高い標準酸化電位
を有する酸化剤を接触させることにある。これにより,
水素吸蔵合金の表面に生成した水素の吸蔵・放出を阻害
する酸化物層が溶解除去されて,該酸化物層中に含まれ
ていた金属Ni等の触媒金属が上記水素吸蔵合金の表面
に露出する。なお,上記触媒金属は水素が水素吸蔵合金
に吸蔵放出される際の触媒となる。
【0014】更には上記酸化剤は上記金属Ni等の触媒
金属を酸化させ,これらの金属を含む酸化被膜(例えば
金属Niの場合であればNiO,Ni2 3 である)を
水素吸蔵合金の表面に形成する。これにより,上記触媒
金属は水素の吸蔵・放出に関する活性点としての作用を
失う。よって,上記酸化被膜が水素吸蔵合金に吸蔵され
た水素を合金内に閉じ込めることができ,水素吸蔵合金
を安定化させることができる。
【0015】また,上記酸化被膜の形成された水素吸蔵
合金を70℃以上に加熱することにより,上記酸化被膜
は酸素を失う。そして,再び水素の吸蔵・放出に関する
活性点となり,水素の吸蔵・放出を行うことができるよ
うになる。これにより,本発明にかかる表面処理を施し
た水素吸蔵合金は,吸蔵した水素の取出しを加熱という
容易な手段により行うことができる。
【0016】以上のように,本発明によれば,吸蔵した
水素を確実に閉じ込めることができ,必要に応じて吸蔵
した水素を容易に取り出すことができる,水素吸蔵合金
の安定化方法を提供することができる。
【0017】次に,請求項2の発明のように,上記酸化
剤は酸化クロム溶液であることが好ましい。上記酸化ク
ロム溶液を用いることで,水素の吸蔵・放出を阻害する
水素吸蔵合金表面に生成した酸化物層を溶解除去するこ
とができ,代わって酸化クロム被膜を形成することがで
きる。この酸化クロム被膜により水素吸蔵合金に吸蔵さ
れた水素を合金内に閉じ込め,水素の放出を防止するこ
とができる。
【0018】また,上記酸化クロム被膜は,水を含む不
定形の化合物で,可撓性がある。そのため,水素吸蔵合
金同士の単なる機械的な接触程度では,酸化クロム被膜
が破れることはない。従って,水素吸蔵合金が粉末であ
る場合,該粉末同士の接触が生じても水素の閉じ込めが
破られることはない。
【0019】また,上記酸化クロム被膜の形成された水
素吸蔵合金を70℃以上に加熱することにより,上記酸
化クロム被膜中に含まれる水が放出され,この被膜に微
細なクラックが発生する。この酸化クロムの被膜は大変
薄く,よって,上記クラックを通じて,水素吸蔵合金内
に吸蔵された水素が外部に放出される。これにより,吸
蔵した水素の取出しを一層容易に行うことができる。
【0020】また,上記酸化クロム溶液としては,Cr
2 3 ,CrO3 等の溶液を用いることができる。
【0021】次に,上記酸化クロム溶液は,酸化クロム
(VI)溶液,即ち6価のクロムイオンを含有する溶液
を用いることが好ましい。これにより,水素閉込め効果
のある非常に薄い酸化クロム被膜を容易に得ることがで
きる。
【0022】なお,上記酸化クロム(VI)溶液は,6
価のクロムイオンを含有し,pHが3以下である溶液で
あることが好ましい。上記pHの値が3より大きい場合
には,酸化物層の溶解,除去が不充分となるおそれがあ
る。
【0023】また,上記酸化クロム(VI)溶液として
は,例えば,カリウム等のアルカリ金属類を含むクロム
酸塩(重クロム酸カリウム等),アンモニウムイオンを
含むクロム酸塩(重クロム酸アンモニウム)などの溶液
を使用することもできる。
【0024】次に,上記酸化クロム(VI)溶液中にお
ける,6価のクロムの濃度は0.01〜50wt%であ
ることが好ましい。これにより,水素閉込め効果のある
非常に薄い酸化クロム被膜を容易に得ることができる。
【0025】上記濃度が0.01wt%未満である場合
には,水素吸蔵合金の表面に形成される酸化クロム被膜
が薄く,吸蔵された水素の閉じ込めが不充分となるおそ
れがある。一方,上記濃度が50wt%より濃い場合に
は,水素吸蔵合金表面に形成される酸化クロム被膜が厚
くなり,加熱による水素の取り出しが不充分となるおそ
れがある。なお,上記濃度の下限は0.5wt%以上と
することがより好ましい。これにより,上記表面処理の
処理時間を10分程度にて終了させることができる。
【0026】次に,請求項3の発明のように,上記酸化
剤は,酸化クロム,ハロゲンの酸素酸塩,過マンガン酸
塩,過酸化水素の少なくとも一つから選ばれた物質の溶
液であることが好ましい。これにより,水素の吸蔵・放
出に際して,触媒として作用する金属Ni表面に酸化被
膜を形成させ,触媒作用を失活させることができる。
【0027】なお,上記ハロゲンの酸素酸塩としては,
過ヨウ素酸ナトリウム,次亜塩素酸ナトリウム等を挙げ
ることができる。また,上記過マンガン酸塩としては,
過マンガン酸カリウム等を挙げることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
実施形態例1 本発明の実施形態例にかかる水素吸蔵合金の安定化方法
につき,図1を用いて説明する。本例は,本発明にかか
る安定化方法を施した水素吸蔵合金と,従来例に示した
エタノールを用いた安定化方法を施した水素吸蔵合金に
ついて説明する。即ち,本例にかかる水素吸蔵合金の安
定化方法は,水素を吸蔵した水素吸蔵合金を酸素の標準
酸化電位より高い標準酸化電位を有する酸化剤で表面処
理する方法である。
【0029】以下詳細に説明する。試料1−1〜1−3
は,AB5 系の,MmNi3.6 Co0.7 Mn0.35Al
0.3の組成からなる水素吸蔵合金で,以下に示すごとく
製造した。まず,ミッシュメタル(Mm),ニッケル
(Ni),コバルト(Co),マンガン(Mn)及びア
ルミニウム(Al)を準備した。なお,上記Mmはラン
タン(La)41wt%,セリウム(Ce)29wt
%,プラセオジウム(Pr)6wt%,ネオジウム(N
d)2wt%を含むものである。
【0030】ついで,これら原料を所定の割合で混合
し,高周波溶解炉を使用してMmNi3.6 Co0.7 Mn
0.35Al0.3 の組成からなる水素吸蔵合金のインゴット
を作製した。このインゴットを粉砕して平均粒径50μ
mの合金粉末とした。
【0031】次に,上記合金粉末に対し水素を吸蔵させ
る。上記吸蔵は,0.1MPaの水素雰囲気下にて行っ
た。なお,水素の吸蔵量は1.0wt%であった。次
に,上記合金粉末を酸素と接触しないよう,窒素雰囲気
下に移動させた。その後,この窒素雰囲気下において,
上記水素を吸蔵した合金粉末を5wt%の酸化剤を含む
溶液に対して室温で30分間浸漬した。その後,合金粉
末を大気下に取出して水洗してから60℃以下で乾燥さ
せ,試料1−1〜1−3を得た。なお,試料1−1に使
用した酸化剤はCrO3 である。試料1−2に使用した
酸化剤はKMnO4 である。試料1−3に使用した酸化
剤はH2 2 である。
【0032】試料1−4は,試料1と同じ合金粉末を用
いてなる。上記合金粉末に対し,試料1−1と同様に水
素を吸蔵させる。なお,水素の吸蔵量は1.0wt%
(試料1−1と同じ)であった。次に,上記水素を吸蔵
した合金粉末を酸素と接触しないよう,窒素雰囲気下に
移動させた。その後,この窒素雰囲気下において,上記
水素を吸蔵した合金粉末を試薬特級エタノールに室温,
30分浸漬した。その後,大気下に取出し,60℃以下
で乾燥させ,試料1−4を得た。
【0033】以上の試料1−1〜1−4を大気中,室温
で保存し,定期的に試料内に残存する水素量を,金属中
水素分析装置(堀場,EMGA−621)を用い,上記
試料1−1〜1−4を不活性ガス中で昇温させながら放
出される水素量を熱伝導度検出方法により測定した。上
記測定結果より図1に示す線図を得た。
【0034】同図より知れるごとく,従来例にかかるエ
タノール処理を施した試料1−4は1週間程度で残存水
素量が15%以下となった。一方,本発明にかかる安定
化処理を施した試料1−1〜1−3はいずれも1週間後
も残存水素量が35%以上であった。特にCrO3 で処
理した試料1−1では1000時間経過後も残存水素量
がほぼ100%を維持していることが分かった。
【0035】以上により,本発明にかかる安定化処理を
施すことにより,吸蔵された水素を確実に閉じ込めるこ
とができることが分かった。このように水素が水素吸蔵
合金内に閉じ込められていれば,大気中の酸素と反応す
ることもないため,安全である。
【0036】なお,上記試料1−1を昇温し,この際に
放出される水素量を上記装置を用いて測定した。この測
定結果を図2に示した。同図によれば,温度90℃付近
から水素の放出が開始されることが分かった。従って,
本発明の処理によって閉じ込められた水素は加熱により
水素吸蔵合金の外部に放出されることが分かった。この
ように,本発明にかかる処理を施した場合においても,
必要の際には加熱という容易な手段で吸蔵した水素を取
出すことができることが分かった。
【0037】実施形態例2 AB2 系のZr(V0.1 Ni0.5 Mn0.3 Cr0.05
2.0 の組成からなる水素吸蔵合金を以下に示すごとく製
造した。まず,ジルコニウム(Zr),バナジウム
(V),ニッケル(Ni),マンガン(Mn)及びクロ
ム(Cr)を準備した。ついで,これら原料を所定の割
合混合し,高周波溶解炉を使用してZr(V0.1 Ni
0.5 Mn0.3 Cr0.052.0 の組成からなる水素吸蔵合
金のインゴットを作製した。
【0038】上記インゴットを機械的に破断して数cm
サイズのブロックとした。このブロックを耐圧容器に入
れ,水素加圧(圧力;数MPa),真空脱ガスを2回行
なって水素吸蔵合金ブロックを粉砕した。
【0039】この合金粉末を二つに分け,一つは,0.
1MPaの圧力で再び水素吸蔵させた後,耐圧容器ごと
窒素雰囲気下に移動させた。窒素雰囲気下において上記
水素を吸蔵した水素吸蔵合金を取出し,5wt%の酸化
クロム(VI)溶液に室温で30分間浸漬した。その
後,大気中に取出し,充分に水洗してから60℃以下で
乾燥させた。処理された水素吸蔵合金を篩にかけ,50
〜70μmの合金粉末を回収して試料2−1とした。も
う一つの合金粉末は大気雰囲気下で篩にかけ,50〜7
0μmの合金粉末を回収して試料2−2とした。
【0040】4gの試料2−1,2−2をそれぞれ3c
3 の耐圧容器に入れた。なお,試料2−1を入れた容
器については,予め密閉状態で200℃に加熱した。次
にこれら耐圧容器を真空排気してから初期圧力1.1M
Paで水素を導入後密閉し,合金に水素を吸蔵させた。
この時,容器内圧力の時間変化を測定,図3に記述し
た。
【0041】なお,試料2−2については,これを入れ
た容器を200℃で加熱,その後真空排気,初期圧力
1.1MPaで水素を導入,放置というサイクルを7回
繰り返し,8回目の上記サイクルに関して再び容器内の
圧力変化について測定した。
【0042】図3によれば,試料2−2では,篩による
分級操作中に含まれる酸素,水分によって合金表面に酸
化被膜が形成されるため,1サイクル目の水素吸蔵速度
は非常に遅く,8サイクル目の測定でようやく速やかな
水素吸蔵が行われることがわかった。即ち,合金粉末の
活性を高めて水素を速やかに吸蔵させるには煩雑な水素
吸蔵・脱ガス操作を数回繰り返す必要があることがわか
った。
【0043】一方,試料2−1ではその表面には薄い酸
化クロム被膜が形成されているのみであり,加熱によっ
て試料2−1自身から発生する水素によって合金粉末の
活性か容易に起きることから,速やかに水素を吸蔵する
ようになることがわかった。
【0044】実施形態例3 本例においても実施形態例1と同様に本発明にかかる安
定化方法を施した水素吸蔵合金と,従来例に示したエタ
ノールを用いた安定化方法を施した水素吸蔵合金につい
て説明するものである。ただし,本例において使用した
水素吸蔵合金は実施形態例2と同様のAB2 系の合金で
ある。
【0045】以下詳細に説明する。試料3−1〜3−5
は,AB2 系のZr(V0.1 Ni0.5 Mn0.3
0.052.0 の組成からなる水素吸蔵合金である。この
水素吸蔵合金を実施形態例1と同様の手順で処理した。
この処理に当たって,酸化剤としてCrO3 を使用した
のが試料3−1である。NaClOを使用したのが試料
3−2である。NaIO4 を使用したのが試料3−3で
ある。H2 2 を使用したのが試料3−4である。KM
nO4 を使用したのが試料3−5である。また,試料3
−6は実施形態例1における試料1−4と同様に試薬特
級エタノールで上記AB2 系の合金を処理することによ
り作製した。
【0046】以上の試料3−1〜3−6を実施形形態例
1と同様にして,放出される水素量を測定した。上記測
定結果より図4に示す線図を得た。同図より知れるごと
く,従来例にかかるエタノール処理を施した試料3−6
は1週間程度で残存水素量が15%以下となった。一
方,本発明にかかる安定化処理を施した試料3−1〜3
−5はいずれも1週間後も残存水素量が35%以上であ
った。特にCrO3 で処理した試料3−1では1000
時間経過後も残存水素量がほぼ100%を維持している
ことが分かった。
【0047】
【発明の効果】上記のごとく,本発明によれば,吸蔵し
た水素を確実に閉じ込めることができ,必要に応じて吸
蔵した水素を容易に取り出すことができる,水素吸蔵合
金の安定化方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1にかかる,試料1−1〜1−4の
大気中放置時間と水素残存率との関係を示す線図。
【図2】実施形態例1にかかる,試料1−1の温度変化
と水素放出量との関係を示す線図。
【図3】実施形態例2にかかる,試料2−1,2−2の
水素吸蔵速度を示す線図。
【図4】実施形態例3にかかる,試料3−1〜3−6の
大気中放置時間と水素残存率との関係を示す線図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 砥綿 真一 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 牟田 光治 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 木下 恭一 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社豊田自動織機製作所内 (56)参考文献 特開 平2−51860(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 22/00 - 22/86 H01M 4/24

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素を吸蔵した水素吸蔵合金に,酸素の
    標準酸化電位より高い標準酸化電位を有する酸化剤を接
    触させ,上記水素吸蔵合金の表面に生成していた酸化物
    層を溶融除去すると共に,代わって酸化被膜を形成する
    表面処理を行うことを特徴とする水素吸蔵合金の安定化
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記酸化剤は酸化ク
    ロム溶液であることを特徴とする水素吸蔵合金の安定化
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において,上記酸化剤は,酸化
    クロム,ハロゲンの酸素酸塩,過マンガン酸塩,過酸化
    水素の少なくとも一つから選ばれた物質の溶液であるこ
    とを特徴とする水素吸蔵合金の安定化方法。
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