JP3319081B2 - セラミック原料熱処理装置 - Google Patents

セラミック原料熱処理装置

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JP3319081B2
JP3319081B2 JP25573693A JP25573693A JP3319081B2 JP 3319081 B2 JP3319081 B2 JP 3319081B2 JP 25573693 A JP25573693 A JP 25573693A JP 25573693 A JP25573693 A JP 25573693A JP 3319081 B2 JP3319081 B2 JP 3319081B2
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cylindrical container
ceramic
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ceramic slurry
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昌彦 高見
高弘 山本
正三 薮内
闊 瀬野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミック原料と溶媒
との混合体(以下、セラミックスラリという)に対する
乾燥や仮焼などの熱処理を行って固形状のセラミック微
粉末を得る際に用いられるセラミック原料熱処理装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、この種のセラミック原料熱処理装
置(以下、熱処理装置という)としては、図2及び図3
で示すように、横向き支持されて軸心P回りに回転駆動
される円錐台形状の筒形容器1と、この筒形容器1内に
収納された多数個の転動体2とを備えており、かつ、セ
ラミックスラリ(図示していない)を筒形容器1内に供
給しながらの熱処理を行うことによって固形状のセラミ
ック微粉末Sを得る構成とされたものが用いられてい
る。そして、この筒形容器1における大径側端部及び小
径側端部には円筒形状の連通管3,4がそれぞれ接続さ
れており、筒形容器1は連通管3よりも連通管4の方が
低くなる傾斜状態として支持されている。
【0003】また、筒形容器1の外側周囲は断熱材から
なるハウジング5によって囲まれており、このハウジン
グ5を貫通して外部にまで突出した連通管3,4の各々
はローラ6,7によって支持されている。そして、連通
管3を支持するローラ6には電動機8が連結されてお
り、筒形容器1は連通管3及びローラ6を介しながら電
動機8によって回転駆動されるようになっている。さら
にまた、ハウジング5内には複数本(図では、4本)の
スパイラルヒータ9が筒形容器1の軸心P方向に沿うよ
うにして設けられており、筒形容器1はスパイラルヒー
タ9によって外側から加熱されている。
【0004】すなわち、この熱処理装置においては、連
通管3を通じての滴下などによってセラミックスラリを
筒形容器1内に少量ずつ供給することが行われており、
供給されたセラミックスラリ中の溶液分は加熱された筒
形容器1及び転動体2と接触することによって蒸発させ
られる一方、溶液分を失ったセラミックスラリ中のセラ
ミック成分は転動体2それぞれの表面上に被着して残る
ようになっている。そして、これら転動体2は筒形容器
1の回転に伴って互いに混ぜ合わされているから、セラ
ミック成分は転動体2同士が互いに衝突しながら擦り合
わされることによって細かく粉砕されてしまうことにな
り、固形状のセラミック微粉末Sとなったうえで連通管
4から外部へと排出されるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来構
成とされた熱処理装置を用いての熱処理においては、セ
ラミック微粉末Sの組成ずれが生じたり異常凝集物の発
生が起こったりすることがあり、均質かつ安定した特性
を有するセラミック微粉末Sを得ることができないこと
があった。そして、このような不都合が生じるのは、従
来例の熱処理装置ではハウジング5内に配設された複数
本のスパイラルヒータ9によって筒形容器1を加熱して
いるから、スパイラルヒータ9相互間の熱的な不平衡状
態などに起因しての筒形容器1や転動体2における不均
一加熱が発生することになり、セラミックスラリに対す
る均一加熱状態下での熱処理が行われていないためであ
ると考えられる。また、この熱処理装置においては、ス
パイラルヒータ9によって加熱された筒形容器1及び転
動体2を介したうえでセラミックスラリを間接的に加熱
しているのであるから、熱効率の向上が図りにくいとい
う不都合も生じることになっていた。
【0006】本発明は、これらの不都合に鑑みて創案さ
れたものであって、均質かつ安定した特性を有するセラ
ミック微粉末を得ることができると共に、熱効率の向上
をも図ることができる熱処理装置の提供を目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る熱処理装置
は、このような目的を達成するために、横向き支持され
て軸心回りに回転駆動され、かつ、セラミックスラリが
供給される円錐台形状の筒形容器と、該筒形容器内に収
納された多数個の転動体とを備えるともに、少なくとも
セラミックスラリを誘電加熱によって発熱させるマイク
ロ波発振器を具備していることを特徴とするものであ
る。
【0008】
【作用】上記構成によれば、マイクロ波の誘電加熱作用
によってセラミックスラリ自身が発熱させられて加熱さ
れることになる結果、このセラミックスラリを均一加熱
状態下で熱処理することが可能となる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。
【0010】図1は、本実施例に係る熱処理装置の概略
構造を示す縦断面図である。なお、この熱処理装置の全
体構成は従来例と基本的に異ならないので、図1におい
て図2及び図3と互いに同一となる部品、部分には同一
符号を付している。
【0011】本実施例に係る熱処理装置は、セラミック
スラリに対する乾燥や仮焼などの熱処理を行って固形状
のセラミック微粉末を得る際に用いられるものであり、
図1で示すように、横向き支持されて軸心P回りに回転
駆動される円錐台形状の筒形容器1と、メディア(玉
石)などと呼ばれて筒形容器1内に収納された多数個の
転動体2とを備えている。そして、この筒形容器1にお
ける大径側端部及び小径側端部には共に円筒形状とされ
た連通管3,4それぞれが筒形容器1の軸心Pと同一の
軸心上に位置するようにしたうえで一体に接続されてお
り、筒形容器1は連通管3よりも連通管4の方が低くな
る傾斜状態、例えば、1〜3度の角度で傾いた状態とな
るように支持されている。
【0012】なお、ここでの筒形容器1及び連通管3,
4と転動体2とのそれぞれは誘電体素材であるアルミナ
や石英など、もしくは、導電体素材である耐熱金属など
を用いて作製されたものであり、球形状や円柱形状など
とされた転動体2は筒形容器1の内容積やセラミック微
粉末Sの特性などを考慮したうえでの選択に基づいて使
用されるようになっている。そして、この際、筒形容器
1の最大内径が200〜250mm程度である場合に
は、20〜30mm程度の直径を有する転動体2を用い
るのが最適とされている。
【0013】さらに、多数個の転動体2を収納して回転
駆動される筒形容器1の外側周囲は断熱材からなるハウ
ジング5によって囲まれており、筒形容器1の大径側端
部に接続されたうえでハウジング5の一端側から外部に
突出した連通管3は電動機8と連結されたローラ6によ
って支持されている。また、筒形容器1の小径側端部に
接続されたうえでハウジング5の他端部から突出した連
通管4は、回転自在のローラ7によって支持されてい
る。そこで、この筒形容器1は、連通管3及びローラ6
を介しながら電動機8によって所定の低速状態で回転駆
動されることになる。なお、図中の符号10はシール部
材を示しており、これらのシール部材10は筒形容器1
及びハウジング5間に設けられた隙間と外部との間を封
止して遮断するためのものである。
【0014】一方、本実施例に係る熱処理装置は、誘電
体としての性質を示すセラミックスラリLを誘電加熱に
よって発熱させるためのマイクロ波発振器11を具備し
ており、ハウジング5によって囲まれた筒形容器1とマ
イクロ波発振器11との間にはマイクロ波導波管12が
配設されている。そこで、マイクロ波発振器11におい
て発生したマイクロ波はマイクロ波導波管12を介した
うえで筒形容器1側へと伝えられることになり、この筒
形容器1内に収納されたセラミックスラリLに対して誘
電加熱作用を及ぼすことになる。そして、このとき、筒
形容器1及び転動体2のいずれか一方、もしくは、これ
らの双方共が誘電体素材を用いて作製されたものである
場合には、これら誘電体素材からなる部品もマイクロ波
の誘電加熱作用によって発熱させられることになる。
【0015】さらにまた、この熱処理装置は、筒形容器
1内にセラミックスラリLを供給するためのスラリ供給
装置13と、熱処理済みとなった固形状のセラミック微
粉末Sを回収するための回収容器14を備えており、ス
ラリ供給装置13は連通管3が突出したハウジング5の
一端側上方に設置される一方、上向きの開口面を有する
回収容器14は連通管4が突出したハウジング5の他端
側下方に設置されている。そして、スラリ供給装置13
は、調製済みとなったセラミックスラリLが溜められた
スラリ貯溜槽15と、これから延出されたスラリ供給管
16とによって構成されており、このスラリ供給管16
は筒形容器1の大径側端部に接続された連通管3内を通
ったうえで筒形容器1の内部にまで引き込まれている。
【0016】そこで、この筒形容器1内に引き込まれた
スラリ供給管16の開放端からは、筒形容器1内の転動
体2上に対してセラミックスラリLが滴下して供給され
ることになる。なお、セラミックスラリLの供給が滴下
に限定されることはなく、このスラリ供給管16の他端
部にノズル(図示していない)などを取り付けたうえで
セラミックスラリLを筒形容器1の上側内面などに対し
て噴霧するような供給方法を採用してもよいことは勿論
である。また、この際、スラリ供給管16の中途位置な
どには、セラミックスラリLの供給量などを制御するた
めの弁(図示していない)を設けておくことが望まし
い。
【0017】つぎに、本実施例に係る熱処理装置を用い
ることにより、セラミックスラリLに対する乾燥や仮焼
などの熱処理を行って固形状のセラミック微粉末Sを得
る際の手順について説明する。
【0018】まず、水や有機溶媒などの溶液を加えて混
合された成分調製済みのセラミックスラリLを用意する
一方、多数個の転動体2を収納した筒形容器1を電動機
8によって0.2〜10rpm程度の低速で回転させる
と共に、筒形容器1や転動体2が誘電体素材を用いて作
製されたものである場合には、マイクロ波発振器11へ
の通電を行うことによって筒形容器1や転動体2を発熱
させて加熱する。なお、筒形容器1のみが誘電体素材か
らなるものである場合における転動体2は、マイクロ波
の誘電加熱作用によって発熱させられた筒形容器1によ
って加熱されることになり、また、転動体2のそれぞれ
が誘電体素材を用いて作製されたものである場合にはこ
れら自身が発熱させられて加熱されることになる。
【0019】そして、スラリ供給手段13を構成するス
ラリ貯溜槽15に溜められたセラミックスラリLをスラ
リ供給管16の開放端から筒形容器1または転動体2上
に少量ずつ滴下しながら供給する。すると、供給された
セラミックスラリLは誘電体としての性質を有している
ので、マイクロ波の誘電加熱作用によって発熱させられ
ることになり、また、同時に、予め加熱されていた転動
体2などと接触することによって加熱されることにな
る。そこで、この加熱されたセラミックスラリLからは
水などの溶液分が速やかに蒸発させられてしまうことに
なり、転動体2それぞれの表面上にはセラミックスラリ
L中のセラミック成分のみが付着して残ることになる。
なお、セラミックスラリLにおける加熱状態の調整は、
マイクロ波発振器11への通電を制御することによって
行われる。
【0020】さらに、この際、多数個の転動体2は筒形
容器1の回転に伴って互いに混ぜ合わされているのであ
るから、転動体2それぞれの表面上に残っていたセラミ
ック成分は転動体2同士が衝突し合いながら擦り合わさ
れることによって粉砕されてしまう。そして、溶液分を
失って細かく粉砕されたセラミック成分はその重量が徐
々に軽くなる結果、回転している円錐台形状の筒形容器
1の傾きに沿って上側へと浮き上がってくる。また、新
たに供給されたセラミックスラリLは、溶液分を含んで
重量が重いために、転動体2の下側へと沈み込んでいく
こととなり、沈み込んだセラミックスラリLにはマイク
ロ波による誘電加熱作用が引き続いて及ぼされているこ
とになる。
【0021】その結果、転動体2を収納して回転駆動さ
れている筒形容器1内の上側には処理済みとなった固形
状のセラミック微粉末Sが徐々に溜まってくることとな
り、溜まったセラミック微粉末Sは筒形容器1に接続さ
れた連通管4から外部へと向かって排出されてくる。そ
して、これら排出されてきたセラミック微粉末Sは、連
通管4の下側に設置されていた回収容器14内に溜まる
ことになり、処理済みで固形状となったセラミック微粉
末Sが得られる。なお、この筒形容器1内におけるセラ
ミックスラリLの滞留時間、すなわち、セラミックスラ
リLの供給からセラミック微粉末Sの排出に至るまでに
要する時間は、筒形容器1の傾斜状態や回転速度を調整
することによって制御されていることになる。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る熱処
理装置によれば、マイクロ波発振器を設けているので、
誘電体としての性質を有するセラミックスラリに対して
はマイクロ波の誘電加熱作用が及ぶことになり、筒形容
器内に供給されたセラミックスラリはこれ自身が直接的
に発熱させられる結果、均一加熱状態下で熱処理される
ことになる。したがって、セラミック微粉末の組成ずれ
や異常凝集物が発生することはなくなり、均質かつ安定
した特性を有するセラミック微粉末を得ることができ
る。また、従来例のように、ハウジングを構成する断熱
材を加熱手段によって直接的に加熱することがなくなる
結果、セラミック微粉末に対する熱効率の向上が図れる
という効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る熱処理装置の概略構造を示す縦
断面図である。
【図2】従来例に係る熱処理装置の概略構造を示す縦断
面図である。
【図3】従来例に係る熱処理装置の横縦断面図である。
【符号の説明】
1 筒形容器 2 転動体 11 マイクロ波発振器 P 軸心 L セラミックスラリ S セラミック微粉末
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B02C 17/18 C04B 35/00 B (72)発明者 瀬野 闊 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株 式会社村田製作所内 (72)発明者 勝部 正嘉 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株 式会社村田製作所内 (56)参考文献 特開 平7−109167(JP,A) 特開 平7−108157(JP,A) 特開 平2−68129(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 2/00 - 2/30 C04B 35/626 - 35/638 C04B 33/30

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 横向き支持されて軸心(P)回りに回転
    駆動され、かつ、セラミックスラリ(L)が供給される
    円錐台形状の筒形容器(1)と、該筒形容器(1)内に
    収納された多数個の転動体(2)とを備えるともに、 少なくともセラミックスラリ(L)を誘電加熱によって
    発熱させるマイクロ波発振器(11)を具備しているこ
    とを特徴とするセラミック原料熱処理装置。
JP25573693A 1993-10-13 1993-10-13 セラミック原料熱処理装置 Expired - Lifetime JP3319081B2 (ja)

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JP5882601B2 (ja) * 2011-05-20 2016-03-09 住友ゴム工業株式会社 反応方法
CN114011527B (zh) * 2021-11-23 2022-11-29 湖南长仪微波科技有限公司 一种工业生产用滚筒式微波高温焙烧球磨机
CN114100787B (zh) * 2021-11-23 2022-11-29 湖南长仪微波科技有限公司 一种实验室滚筒式微波高温焙烧球磨机

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