JP3318530B2 - 粗粒分散模様シート材、その連続製造方法、装置 - Google Patents

粗粒分散模様シート材、その連続製造方法、装置

Info

Publication number
JP3318530B2
JP3318530B2 JP21481598A JP21481598A JP3318530B2 JP 3318530 B2 JP3318530 B2 JP 3318530B2 JP 21481598 A JP21481598 A JP 21481598A JP 21481598 A JP21481598 A JP 21481598A JP 3318530 B2 JP3318530 B2 JP 3318530B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coarse
pattern
dispersed
color
coating material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP21481598A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000025133A (ja
Inventor
徳寿 時本
滝善 美濃羽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kikusui Kagaku Kogyo KK
Original Assignee
Kikusui Kagaku Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kikusui Kagaku Kogyo KK filed Critical Kikusui Kagaku Kogyo KK
Priority to JP21481598A priority Critical patent/JP3318530B2/ja
Publication of JP2000025133A publication Critical patent/JP2000025133A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3318530B2 publication Critical patent/JP3318530B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無模様又は縞状色
模様を呈する地色部上に、特定の色彩の粗粒が分散され
た粗粒分散模様が合成されてなる粗粒分散模様を有する
シート材、該シート材の連続製造方法及び装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】本件出願人は従来、例えば自然石である
体積縞を有する砂岩のように、無模様又は縞状色模様を
呈する地色部を備え、この地色部上に特定の色彩の粗粒
が分散された自然石調の粗粒分散模様を有するシート材
の製造例については、見聞したことがない。
【0003】但し表面印刷法によれば、このような粗粒
分散模様を自在に表現可能ではあるが、一般的に模様に
深みや陰影感がなく、シート材の表面が剥離・損傷する
と無模様の地色が露出して非常に目立つと言う不具合が
ある。
【0004】一方、上記粗粒分散模様の地色部としての
縞状の色模様のみを、多色塗材併用法(互いに異なる複
数の色彩の着色塗材を縞状に適用する方法)によって形
成したシート材については、所定形状の型枠を用いるバ
ッチ式製造方法(特開平4−92045号公報等)や、
長帯状ベースシートを連続送給して順次模様を形成して
ゆく連続式製造方法(特開昭57−160608号公
報、特開昭57−87319号公報)等の幾つかの従来
技術の報告がある。
【0005】但し、型枠を用いる多色塗材併用法はバッ
チ式であるために製造効率が悪い。連続式製造方法のう
ち、上記特開昭57−160608号公報の発明では、
着色合成樹脂を塗布する噴霧用のノズルが固定されてい
るため、いわゆる縦縞の縞模様パターンになってしま
い、特開昭57−87319号公報の発明では、限定さ
れた動作の掻き混ぜ具によって縞模様パターンが規則的
あるいは幾何学的な模様になってしまい、いずれも自然
石調の縞状色模様のような特異な縞状色模様を自在に表
現できない。
【0006】又、粗粒が分散した模様を形成するには、
一般的に予測される技術として、地色部形成用の着色塗
材に予め粗粒を配合しておくこと、あるいは地色部形成
後にその表面上へ粗粒を散布することが考えられる。
【0007】しかしながら、本願発明者が実験した処、
地色部形成用の着色塗材に予め粗粒を配合しておくと、
粗粒が着色塗材中に完全に埋没してしまい、鮮明な粗粒
分散模様を表現できない。一方、地色部形成後にその表
面上へ粗粒を散布しても、粗粒が地色部になじまず、容
易に剥落してしまう。更に散布した粗粒をロール等で押
さえて強制的に地色部に圧入させた場合、剥落は防止で
きたが、粗粒が地色部層と面一となって、あたかも表面
印刷法の場合のように粗粒分散模様の陰影感が失われ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、自然石
調の粗粒分散模様を有するシート材を連続製造しようと
しても、地模様が縞状色模様である場合における特異な
縞状色模様を自在に表現できる従来技術がなく、更には
自然な陰影感のある粗粒分散模様を表現することも困難
であった。
【0009】そこで本発明は、無模様又は自在に表現さ
れた縞状色模様の地色部と、自然な陰影感のある粗粒分
散模様とを併せ持つ粗粒分散模様のシート材、及び、か
かるシート材の連続製造方法及び装置を提供すること
を、解決すべき課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】(第1発明の構成)上記
課題を解決するための本願第1発明(請求項1に記載の
発明)の構成は、単一色の着色塗材によって無模様に構
成され、あるいは複数の互いに異なる色彩の着色塗材を
用いて縞状色模様に構成された地色部に対して、特定の
色彩の粗粒が分散された粗粒分散模様を有するシート材
であって、前記粗粒が前記地色部の表面より半ば突出し
て顕在すると共に半ば埋没してなじんでいる、粗粒分散
模様シート材である。
【0011】(第2発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第2発明(請求項2に記載の発明)の構成は、
前記第1発明の粗粒が縞模様を形成する分布密度を以て
分散されている、粗粒分散模様シート材である。
【0012】(第3発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第3発明(請求項3に記載の発明)の構成は、
前記第2発明の地色部が縞状色模様を構成しており、か
つ、前記粗粒が、前記地色部の色模様と同調した縞模様
を形成する分布密度を以て分散されている、粗粒分散模
様シート材である。
【0013】(第4発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第4発明(請求項4に記載の発明)の構成は、
加工ライン上を連続送給される長帯状ベースシート上
に、単一色の着色塗材又は複数の互いに異なる色彩の着
色塗材を用いて無模様あるいは縞状色模様の地色部を構
成し、この地色部の固化前に、地色部上に特定の色彩の
粗粒を散布して長帯状ベースシートに加振することによ
り、前記粗粒を前記地色部の表面に対して半ば突出する
と共に半ば埋没した状態になじませる、粗粒分散模様シ
ート材の連続製造方法である。
【0014】(第5発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第5発明(請求項5に記載の発明)の構成は、
前記第4発明の地色部を縞状色模様とするに当たり、加
工ライン上を連続送給される長帯状ベースシートの表面
に対して、複数の塗材供給手段を前記加工ラインと交差
する方向沿いに移動させながら、これらの塗材供給手段
より互いに異なる色彩の着色塗材を供給する、粗粒分散
模様シート材の連続製造方法である。
【0015】(第6発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第6発明(請求項6に記載の発明)の構成は、
前記第5発明又は第6発明において粗粒を地色部上に散
布するに当たり、粗粒散布手段を前記加工ラインと交差
する方向沿いに移動させながら散布することにより、縞
模様を形成する分布密度を以て粗粒を分散させる、粗粒
分散模様シート材の連続製造方法である。
【0016】(第7発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第7発明(請求項7に記載の発明)の構成は、
長帯状ベースシートを加工ライン上に連続送給する送給
手段と、前記長帯状ベースシートの表面に対して地色部
を構成する着色塗材を供給する塗材供給手段と、特定の
色彩の粗粒を散布する粗粒散布手段と、長帯状ベースシ
ートに対する加振手段とを備える、粗粒分散模様シート
材の連続製造装置である。
【0017】(第8発明の構成)上記課題を解決するた
めの本願第8発明(請求項8に記載の発明)の構成は、
前記第7発明における塗材供給手段が複数の互いに異な
る色彩の着色塗材を供給する複数の塗材供給手段であっ
て、前記加工ラインと交差する方向沿いに移動可能であ
り、及び/又は、前記粗粒散布手段が前記加工ラインと
交差する方向沿いに移動可能である、粗粒分散模様シー
ト材の連続製造装置である。
【0018】
【発明の作用・効果】(第1発明の作用・効果)第1発
明によって、無模様又は縞状色模様の地色部を備え、こ
の地色部上に粗粒分散模様が合成されてなる新規な粗粒
分散模様シート材が提供される。この粗粒分散模様シー
ト材において、粗粒が地模様の表面より半ば突出して顕
在すると共に半ば埋没してなじんでいるので、自然な陰
影感のある粗粒分散模様を表現でき、しかも粗粒が地模
様の表面より剥落しない。
【0019】(第2発明の作用・効果)第2発明によっ
て、分散した粗粒の分布密度によって縞模様が形成され
た粗粒分散模様シート材を提供することができる。
【0020】(第3発明の作用・効果)第3発明におい
て、粗粒分散模様と地色部の縞状色模様とが同調した縞
模様を形成しているので、例えば砂岩調のような極めて
自然な風合いの自然石模様を表現できる。
【0021】(第4発明の作用・効果)第4発明の連続
製造方法によって、粗粒分散模様シート材を効率的に製
造できる。特に、地色部上に特定の色彩の粗粒を散布し
て長帯状ベースシートに加振するので、加振に伴う粗粒
の自重による沈降作用が適度に起こり、粗粒が前記地模
様の表面に対して半ば突出すると共に半ば埋没した状態
に良好になじむことができる。
【0022】(第5発明の作用・効果)第5発明の連続
製造方法においては、連続送給される長帯状ベースシー
トの表面に対して、複数の塗材供給手段を前記加工ライ
ンと交差する方向沿いに移動させながら、互いに異なる
色彩の着色塗材を供給するので、各塗材供給手段の移動
速度や移動方向及び相対的な移動位置を任意に変更する
ことにより、自然石調の縞状色模様のような特異な縞状
色模様を含め、任意のパターンの縞状色模様をを自在に
実現することができる。
【0023】又、複数種類の着色塗材を適用する多色塗
材併用法であるため、模様に深みを出し易く、シート材
表面の剥離・損傷によっても無模様地色の露出と言う不
具合は避けられる。更に、連続式であるため製造効率が
良い。
【0024】(第6発明の作用・効果)第6発明におい
ては、粗粒の地色部上への散布についても、粗粒散布手
段を前記加工ラインと交差する方向沿いに移動させなが
ら散布するので、粗粒分散模様を地色部の縞状色模様と
同調した縞模様とすることができ、従って第2発明に係
る粗粒分散模様シート材を効率良く連続生産できる。
【0025】(第7発明の作用・効果)第7発明によっ
て、第4発明に係る連続製造方法の実施手段が提供さ
れ、第1発明の粗粒分散模様シート材を効率的に製造で
きる。
【0026】(第8発明の作用・効果)第8発明によっ
て、第5発明及び第6発明に係る連続製造方法の実施手
段が提供され、第1発明〜第3発明の粗粒分散模様シー
ト材を効率的に製造することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】次に、第1発明〜第8発明の実施
の形態について説明する。以下において単に「本発明」
と言う時は、第1発明〜第8発明を一括して指してい
る。
【0028】〔粗粒分散模様シート材〕粗粒分散模様シ
ート材の種類及び用途は限定されず、建築物の内外壁,
柱,梁,軒天,天井,床等の壁面仕上げが限定なく含ま
れる。粗粒分散模様における無模様の地色部の色彩、縞
状色模様の地色部の色彩及び縞模様パターンに特段の限
定はない。
【0029】粗粒分散模様シート材の全体の厚さ、地色
部の厚さ等は限定されないが、例えば地色部の厚さは2
〜10mm程度とすることができる。
【0030】更にこれに合成される粗粒分散模様の色及
び模様のパターンに限定はなく、色彩については地色部
と同系の色彩でも異なる色彩でも良く、模様のパターン
についても、縞模様でも、それ以外の任意のパターンの
模様でも良い。
【0031】粗粒分散模様が縞模様パターンであり、地
色部も縞状色模様である場合において、両者が同調(例
えば、同一方向の縞模様、更には、交互に現れる同一方
向の縞模様、等)していても良いし、同調していなくて
も良い。粗粒分散模様シート材の表現する模様として、
砂岩調その他の自然石調の粗粒分散模様が代表的である
が、その他の任意のパターンの創作的な粗粒分散模様も
含まれる。
【0032】なお、粗粒分散模様シート材は、地色部と
長帯状ベースシートとの間に、単一色のベース塗材層を
有するものであっても良い。かかるベース塗材層は、加
工ライン上における着色塗材を供給する塗材供給手段の
上流に、例えば固定のベース塗材供給手段を設けること
によって、容易に形成することができる。
【0033】更に、粗粒分散模様シート材は、そのまま
の状態において粗粒が剥落しないことを効果の一つとす
るものであるが、シート材の表層にあえてクリヤー層を
形成しても良い。このことにより、例えば粗粒分散模様
の褪色防止等の効果を期待できる。
【0034】〔長帯状ベースシート〕長帯状ベースシー
トは、連続送給に適した、例えばロール巻きの可能な程
度に柔軟な長帯状のシート材であれば限定なく使用でき
る。そして、粗粒分散模様シート材の基板としてそのま
ま用いられるものと、粗粒分散模様シート材の完成後は
剥離・除去されるものとの双方が含まれる。
【0035】長帯状ベースシートとしては、無機質系繊
維,有機繊維等による織布,不織布,メッシュ等のいず
れか、具体例としてはガラス繊維,炭素繊維,炭化ケイ
素繊維,アクリル繊維,ビニロン繊維,ポリエステル繊
維,アラミド繊維等によるものがあり、この他塩化ビニ
ルシート,ポリエチレンシート等各種合成樹脂シート,
各種紙材シート,マイクロセルポリマーシート等もあ
り、樹脂や塗料により目止め加工を施したものあるいは
施さないもの等を挙げることができる。
【0036】〔着色塗材〕着色塗材には、公知の各種の
塗材バインダに、少なくとも着色手段と骨材とを配合し
たものを用いる。
【0037】塗材バインダとして例えば酢酸ビニル樹
脂,酢酸ビニル共重合樹脂,エチレン・酢酸ビニル共重
合樹脂,アクリル酸エステル共重合樹脂,スチレン・ア
クリル共重合樹脂,ウレタン樹脂,アクリル・ウレタン
共重合樹脂,シリコン・アクリル共重合樹脂,フッ素樹
脂等の合成樹脂溶液あるいは合成樹脂エマルション、け
い酸アルカリ溶液、けい酸アルカリディスパージョン等
を任意に用いることができるが、特に合成樹脂エマルシ
ョンが好ましい。
【0038】塗材バインダは感熱ゲル化特性をもつもの
が好ましいが、加熱以外の処理により固化する性質のも
のを用いても構わない。塗材バインダには、水,増粘
剤,防腐剤,活性剤等の各種の添加剤を任意に配合する
ことができる。
【0039】着色手段として骨材とは別に顔料を用いて
も良いが、着色塗材に有色骨材(特に自然石粒子、天然
砕石等)あるいは着色骨材を配合すると、骨材が着色手
段を兼ねることになり、この場合の方が、自然な風合い
の自然石調縞状色模様を実現する上では、より好まし
い。
【0040】骨材としては、けい砂,寒水砂等の自然石
粒子、陶磁器質粉砕物、ガラス粒、樹脂片等の骨材であ
って元々特定の色彩を有するものや、特定の色彩に着色
したものを使用することができる。着色塗材の配合にお
ける樹脂固形分比は限定されず、例えば3〜50%のも
のから任意に選択できる。又、その粘度も限定されず、
例えば100〜20000cps(リオン式簡易粘度計
1号ローターによる20°Cにおける値)の範囲で任意
に選択できる。
【0041】〔塗材供給手段〕長帯状ベースシートの表
面に対して単一色の着色塗材を供給する塗材供給手段
は、単一かつ加工ラインに固定のものでも良い。しか
し、互いに異なる色彩の着色塗材を供給する複数の塗材
供給手段は、地色部の縞状色模様を形成し得るような可
動のものである。
【0042】かかる複数の塗材供給手段を可動とするた
めの構成及び作用メカニズムは限定されないが、より好
ましい実施形態は、第5発明の連続製造方法及び第8発
明の連続製造装置に示す、以下のような塗材供給手段で
ある。
【0043】即ち、長帯状ベースシートの表面に対して
互いに異なる色彩の着色塗材を供給する複数の塗材供給
手段は、加工ライン方向(長帯状ベースシートの連続送
給方向)に対して交差する方向沿いに移動可能に設けら
れる。
【0044】ここにおいて「交差する方向」とは、必ず
しも加工ラインに対する直角方向である必要はなく、斜
めに交差する方向であっても良い。又、「移動可能に」
とは、複数の塗材供給手段が全て一体的に移動可能な場
合を含むが、より好ましくは一部の塗材供給手段が他の
塗材供給手段と別々に移動可能であること、更に好まし
くは全ての塗材供給手段がそれぞれ独立に移動可能であ
ることである。
【0045】一部の塗材供給手段が他の塗材供給手段と
別々に、あるいは複数の塗材供給手段がそれぞれ独立に
移動可能であるためには、これらの塗材供給手段が別個
の動作メカニズムによって保持されている必要がある。
【0046】かかる動作メカニズムの種類は限定されな
いが、例えば、それぞれ独立して可動に保持された塗工
用ノズル付の塗材供給ホッパ(あるいは塗材供給タン
ク)が複数設けられた形態や、固定された複数の塗材供
給ホッパ(あるいは塗材供給タンク)に可撓性のフィー
ドホースを介してそれぞれ連結された複数の塗工用ノズ
ルがそれぞれ独立して可動に保持された形態等を例示す
ることができる。
【0047】塗材供給手段、即ち上記の塗材供給ホッパ
(あるいは塗材供給タンク)や塗工用ノズルを可動に保
持する方法は限定されないが、例えば、加工ラインに対
する交差方向にレールを架設して塗材供給手段がレール
に沿って移動させられる方法でも良いし、適宜なリンク
機構やカム機構を利用して塗材供給手段が移動させられ
る方法でも良い。
【0048】複数の塗材供給手段の移動のプログラム、
即ち、各塗材供給手段の移動のタイミング、移動の速
度、移動の方向、任意の時点における各塗材供給手段の
相対位置等は、縞状色模様のパターンを決定するもので
あり、所望する縞状色模様に応じて任意に設定される。
上記プログラムが複雑である時は、複数の塗材供給手段
の動作メカニズムにおけるアクチュエータの駆動を、コ
ンピュータ・プログラムによって制御しても良い。
【0049】塗材供給手段における塗材供給部(例えば
塗工用ノズル)は、その開閉及び開口時の開口径を調節
可能であることが望ましい。そのことにより、特定の着
色塗材の供給の停止/続行や、供給量の増減を行って、
特定の縞模様条の幅を変えたり、その縞模様条を中途で
自然な感じで消失させたりするバリエーションが可能と
なる。この調節も、前記コンピュータ・プログラムによ
って制御することが可能である。
【0050】〔コーター〕塗材供給手段によって長帯状
ベースシートの表面に形成された地色部は、通常は若干
の表面凹凸を伴う。この表面凹凸を意匠上の見地から意
図的に残して、その上に粗粒を散布しても良いが、加工
ライン上の着色塗材供給の直後又はある程度下流に(少
なくとも粗粒散布より上流側)において、コーターによ
る塗層均平化処理を行っても良い。コーターとしては、
ナイフコーターが代表的であるが、ロールコーター,エ
アーカーテンコーター等の他種のコーターを任意に用い
ることもできる。
【0051】〔粗粒及び粗粒散布手段〕地色部上に、そ
の固化前に散布される粗粒は、肉眼的に視認可能な粒径
(例えば、粗粒の大半が250μmを超える粒径である
こと)と、無彩色を含む任意の色彩の色彩とを持った粒
子である。前記着色塗材に含まれる骨材よりも大径の粒
子を用いた方が、粗粒が目立って意匠的価値が大きくな
る。
【0052】このような粗粒として、けい砂,寒水砂等
の自然石粒子、陶磁器質粉砕物、ガラス粒、樹脂片等の
比較的大径の骨材であって、元々特定の色彩を有するも
のや、特定の色彩に着色したものを使用することができ
る。
【0053】散布する粗粒は、単一色のもの、あるいは
複数の色彩のもののブレンド、又はこれらを複数種類使
用することができる。
【0054】粗粒散布手段としては、粗粒を所望の分散
態様で散布できるものである限りにおいて、任意の手段
を用いることができる。例えばホッパから所定の密度で
粗粒を流下させる方式でも、粗粒を吹きつける方式でも
構わない。粗粒散布手段の散布用開口部は、その開閉や
開口径の調節が可能とされ、散布量を調節できることが
望ましい。
【0055】粗粒分散模様を、縞模様とする場合(地色
部に構成された縞状色模様と同調した縞模様とする場合
を含む)粗粒散布手段を加工ラインと交差する方向沿い
に移動可能としておく。その可動化の手段は限定されな
いが、例えば前記塗材供給手段の各種動作メカニズム等
に準じて構成すれば良い。 〔加振手段〕地色部上に粗粒を散布した後、地色部の固
化前に、長帯状ベースシートに加振する。この加振手
段、代表的にはいわゆるバイブレータは、発生する振動
の振幅,波長,振動の方向,長帯状ベースシートに対す
る作用方向等に限定はないが、長帯状ベースシートの下
面より鉛直方向の振動を与えるものが、粗粒の地色部に
対する所定のなじみ状態を良好に実現する上で、特に好
ましい。
【0056】ラインに沿った加振手段の設定長さの如何
に関わらず、加振手段は連続送給される長帯状ベースシ
ートに対して比較的短時間作用することとなるため、加
振に伴う粗粒の自重による沈降作用が適度に起こり、粗
粒が前記地色部の表面に対して半ば突出すると共に半ば
埋没した状態に良好になじむ。
【0057】〔加熱炉等〕加振手段による加振処理の
後、着色塗材が感熱ゲル化特性を持つ場合には、加工ラ
インの下流に加熱炉を設け、塗材の感熱ゲル化処理によ
る塗材層固化を行うことが好ましい。着色塗材の種類に
よっては、他の塗材層固化手段を用いても良い。完成さ
れた粗粒分散縞模様シート材は、巻取りロールに巻取っ
ても良いし、加工ラインの下流においてカッターにより
所定寸法に切断しても良い。
【0058】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。
【0059】(粗粒分散模様シート材の連続製造装置
図1に示す粗粒分散模様シート材の連続製造装置1にお
いて、送給ロール2に巻かれた所定の幅の長帯状のベー
スシート3(コーティング不織布)は、中間ロール4を
経て、順次加工ラインへ送給される。
【0060】加工ラインにおいて、ベースシート3の表
面に対し、まず固定のノズル5(単数又は複数用いる
が、本実施例では単数。)により、単一色のベース塗材
(ベース塗材B)6を略均一な所定の厚さに塗布すると
共に、塗布したベース塗材層をナイフコーター7によっ
て均平化した。
【0061】次いで、この均平化されたベース塗材層の
表面に対して、複数のノズルヘッド8a,8b,8c,
8dにそれぞれ備えたノズル9a,9b,9c,9dか
ら互いに異なる色彩の着色塗材(着色塗材d,着色塗材
e)を塗布して、縞状色模様層を形成した。
【0062】かかる着色塗材の塗布に当たり、上記ノズ
ルヘッド8a,8b,8c,8dは、図示省略の動作メ
カニズムにより、それぞれ独立に加工ラインと交差する
方向沿いに所定のパターンで移動させ、ノズル9a,9
b,9c,9dの開口径も図示省略の機構により所定の
範囲(例えば4〜9mmφ、4〜12mmφ)で所定の
プログラムに従い変化させた。そして実際には、ノズル
9a,9cからは着色塗材dを、ノズル9b,9dから
は着色塗材eを、それぞれ塗布した。
【0063】こうして形成された縞状色模様の地色部を
ドクターロール10によって均平化した。ナイフコータ
ー7及びドクターロール10に対しては、ベースシート
3を挟んで均平化を確実にするための支持ロール11,
12が対向設置されているが、ドクターロール10は支
持ロール12と同じライン進行方向に、支持ロール12
の周速の2/3の速度で回転させることにより、ドクタ
ー効果と送り出し効果とを持たせたものである。
【0064】ドクターロール10を通過した未固化の縞
状色模様シート材に対して、次に有色骨材粗粒(散布粗
粒f,散布粗粒g)を粗粒散布手段である粗粒散布ノズ
ルヘッド13a,13b,13c,13dによって散布
した。
【0065】これらの粗粒散布ノズルヘッドも、図示省
略の動作メカニズムにより、加工ラインと交差する方向
沿いに移動させたり、特定の時点では停止させたり、更
にはノズルヘッドの散布用ノズル14a,14b,14
c,14dの開口径を変化(例えば、2〜5mmの範囲
で)させたりして、前記地色部の縞状色模様と同調した
(ほぼ並行し、あるいは重なったりした)特定の縞模様
状の粗粒分散模様を形成した。
【0066】こうして粗粒が分散されたシート材は、下
方のバイブレータ16による鉛直方向への加振処理を受
けてから、加熱炉17において感熱ゲル化による固化処
理と乾燥処理を施され、適宜機構の冷却ゾーン18によ
り冷却された後、中間ロール19、張力調整装置20を
介して巻取りロール21に巻取った。
【0067】(粗粒分散模様シート材の連続製造例)上
記のように、連続製造装置を用いて粗粒分散模様シート
材の連続製造を行った。使用したベース塗材B、着色塗
材d,eの配合組成と色彩、及び、散布粗粒f,gの材
質,色彩及び粒径は末尾の表1の通りであり、各組成分
の詳細は末尾の表2の通りである。
【0068】結果として得られた粗粒分散模様シート材
は、乾燥後の重量が平米当たり3.6kg、厚さ3.2
mmで、ベース塗材Bによる淡いベージュの地に着色塗
材d,eによる赤茶色及び黄土色の縞模様が形成され、
更にその縞模様にほぼ同調するように小豆色及び灰色の
散布粗粒f,gによる縞状の粗粒分散模様が形成されて
いた。その断片の平面写真を図2に示す。
【0069】粗粒分散模様シート材を、その使用の一例
として、450mm角に切断加工した後、縞状色模様が
ランダムとなるように組合せて壁面に貼り、仕上げの意
匠性評価を行った処、粗粒分散縞により良好な石の質感
を出すことができ、飽きの来ない新規の装飾仕上げ材と
することができた。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】粗粒分散模様シート材の連続製造装置実施例を
概念化して示す図である。
【図2】粗粒分散模様シート材の実施例の平面写真を示
す図である。
【符号の説明】
3 ベースシート 7 ナイフコーター 8a,8b,8c,8d ノズルヘッド 9a,9b,9c,9d ノズル 10 ドクターロール 13a,13b,13c,13d 粗粒散布ノズルヘ
ッド 16 バイブレータ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−269928(JP,A) 特開 平8−112303(JP,A) 特開 平4−135839(JP,A) 特開 平10−109377(JP,A) 特開 平5−269930(JP,A) 実開 昭61−64438(JP,U) 実開 平9−304(JP,U) 実開 昭57−101031(JP,U) 実開 昭52−21173(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B05C 19/00 - 19/06 B05D 5/00 - 5/12

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地色部に対して特定の色彩の粗粒が分散
    された粗粒分散模様を有するシート材であって、 前記地色部が複数の互いに異なる色彩の着色塗材を用い
    て縞状色模様に構成されると共に、 前記粗粒が、縞模様
    を形成する分布密度を以て分散され、かつ、前記地色部
    の表面より半ば突出して顕在すると共に半ば埋没してな
    じんでいることを特徴とする粗粒分散模様シート材。
  2. 【請求項2】 前記粗粒が、前記地色部の色模様と同調
    した縞模様を形成する分布密度を以て分散されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の粗粒分散模様シート
    材。
  3. 【請求項3】 加工ライン上を連続送給される長帯状ベ
    ースシート上に、複数の互いに異なる色彩の着色塗材を
    用いて縞状色模様の地色部を構成し、この地色部の固化
    前に、粗粒散布手段を前記加工ラインと交差する方向沿
    いに移動させながら特定の色彩の粗粒を縞模様を形成す
    る分布密度を以て散布して、長帯状ベースシートに加振
    することにより、前記粗粒を前記地色部の表面に対して
    半ば突出すると共に半ば埋没した状態になじませること
    を特徴とする粗粒分散模様シート材の連続製造方法。
  4. 【請求項4】 前記地色部を縞状色模様とするに当た
    り、加工ライン上を連続送給される長帯状ベースシート
    の表面に対して複数の塗材供給手段を前記加工ラインと
    交差する方向沿いに移動させながら、これらの塗材供給
    手段より互いに異なる色彩の着色塗材を供給することを
    特徴とする請求項3に記載の粗粒分散模様シート材の連
    続製造方法。
  5. 【請求項5】 長帯状ベースシートを加工ライン上に連
    続送給する送給手段と、前記長帯状ベースシートの表面
    に対して地色部を構成する着色塗材を供給する塗材供給
    手段と、前記加工ラインと交差する方向沿いに移動可能
    であり特定の色彩の粗粒を散布する粗粒散布手段と、長
    帯状ベースシートに対する加振手段とを備えることを特
    徴とする粗粒分散模様シート材の連続製造装置。
  6. 【請求項6】 前記塗材供給手段が複数の互いに異なる
    色彩の着色塗材を供給する複数の塗材供給手段であって
    前記加工ラインと交差する方向沿いに移動可能であるこ
    とを特徴とする請求項5に記載の粗粒分散模様シート材
    の連続製造装置。
JP21481598A 1998-07-14 1998-07-14 粗粒分散模様シート材、その連続製造方法、装置 Expired - Fee Related JP3318530B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21481598A JP3318530B2 (ja) 1998-07-14 1998-07-14 粗粒分散模様シート材、その連続製造方法、装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21481598A JP3318530B2 (ja) 1998-07-14 1998-07-14 粗粒分散模様シート材、その連続製造方法、装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000025133A JP2000025133A (ja) 2000-01-25
JP3318530B2 true JP3318530B2 (ja) 2002-08-26

Family

ID=16661990

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21481598A Expired - Fee Related JP3318530B2 (ja) 1998-07-14 1998-07-14 粗粒分散模様シート材、その連続製造方法、装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3318530B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007210135A (ja) * 2006-02-07 2007-08-23 Kubota Matsushitadenko Exterior Works Ltd 化粧材及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000025133A (ja) 2000-01-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2005034815A (ja) 装飾用粉粒状物散布装置、およびこの装置を用いた建築用化粧板の製造方法
JP2568133B2 (ja) 繊維強化樹脂材料の表面改良法
CA2105643A1 (en) Apparatus for simultaneous supply of particles, the apparatus provided further with a function to remove the particles by suction, and methods for production of patterned shaped articles using these apparatus
CN109553329B (zh) 一种复合石质柔性片材及其制备方法
UA126946C2 (uk) Матеріал несучого елемента на основі пластичної композиції та твердої композиції на базі мінералів для декорованих стінових або підлогових панелей
CN114538966B (zh) 一种自然拨开纹理装饰岩板及其生产方法
JP3318530B2 (ja) 粗粒分散模様シート材、その連続製造方法、装置
JP2002127348A (ja) 建築物又は構築物用表面装飾材及びその製造方法
JP3350860B2 (ja) 縞状色模様シート材の連続製造方法及び装置
JP2000024577A (ja) 霞状濃淡模様シート材、その連続製造方法、装置
US5672380A (en) Method for production of patterned shaped articles
EP1851026A1 (en) Method for manufacturing flooring with thermoplastic material
RU2306228C2 (ru) Способ получения декоративного изображения
JP3267559B2 (ja) 縞状色模様表装材とその製造方法
JPH11319698A (ja) 天然石調模様を有する装飾材の製造方法及び不定形で柔軟な着色薄片状樹脂フレークを得るためのシート状物
JPH06212774A (ja) 床 材
JP4354746B2 (ja) 装飾用粉粒状物散布装置、およびこの装置を用いた化粧建築板の製造方法
JP3321206B2 (ja) 建築物表面仕上用シートの製造方法
JP2565750B2 (ja) 研摩石材調化粧板及びその製造方法
JP4399236B2 (ja) 化粧建築板及びその製造方法
JP3222836B2 (ja) 縞状色模様表装材とその製造方法及び製造装置
CN114454311B (zh) 一种数码布浆装饰岩板生产中的布浆系统及布浆工艺
CN114538965B (zh) 一种具有降解甲醛功能的自然纹理装饰岩板及其制备方法
CN114474328B (zh) 一种数码布浆装饰岩板制备中的布浆系统及布浆工艺
JPH0910634A (ja) 建築物表面仕上げ用シートの製造方法および製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees