JP3318433B2 - ニオイ検出方法及び装置 - Google Patents

ニオイ検出方法及び装置

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JP3318433B2
JP3318433B2 JP06383194A JP6383194A JP3318433B2 JP 3318433 B2 JP3318433 B2 JP 3318433B2 JP 06383194 A JP06383194 A JP 06383194A JP 6383194 A JP6383194 A JP 6383194A JP 3318433 B2 JP3318433 B2 JP 3318433B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、火災時に発生するガ
ス例えばCOガスを検知するニオイセンサ、又は同様に
火災時に発生する焦げ臭を検知するニオイセンサのよう
に、周囲の雰囲気(環境)の検知対象の状態例えば上述
したガスやニオイに応じて抵抗値が変化するニオイセン
サを用いてニオイを検出する方法及び装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、検知対象のニオイ強度(これはニ
オイセンサの応答性を例えば人間の感応強度に比例させ
たものである。)の増減に応じて抵抗値が変化する感応
膜及びこの感応膜を加熱するヒータを有し、環境中のニ
オイ強度を検知するニオイセンサが知られている。図7
は従来のニオイセンサ例えば薄膜型ニオイセンサを示す
断面図であり、図において1はニオイセンサであって、
絶縁性基板例えばアルミナ基板2と、このアルミナ基板
2の一面例えば上面2aに設けられたセンサ電極3と、
アルミナ基板2の上面2a及びセンサ電極3上に被着例
えば蒸着された金属酸化物半導体例えばSnO2,Zn
O,TiO2等から成り、ニオイ強度に応じて抵抗値が
変化する感応膜4と、アルミナ基板2の他面である下面
2bに設けられたヒータ電極5と、アルミナ基板2の下
面2b及びヒータ電極5に蒸着されたヒータ用薄膜例え
ば白金薄膜6とで構成されている。この白金薄膜6はア
ルミナ基板2を介して感応膜4を加熱し、このように加
熱することによりニオイ強度による感応膜4の抵抗変化
を促進させて感度の向上を図っている。
【0003】従来のニオイセンサ1は上述したように構
成されており、感応膜4がニオイに曝されると、感応膜
4は電子を得てその抵抗値が変化するN型のものと、電
子を奪われてその抵抗値が変化するP型のものとがある
が、いずれもニオイ強度に基づいて抵抗値が変化する。
そしてニオイセンサ1は、ニオイ強度に対する抵抗値の
変化を利用してニオイを検知するセンサであって、その
ニオイ強度−センサ抵抗特性は一般に下記の式(1)の羃
乗法則を適用出来ることが例えばピー・ケイ・クリホー
ド(P.K.CLIFFORD)著の論文「プロシーデ
ィング・オブ・ジ・インターナショナル・ミーティング
・オブ・ケミカル・センサーズ・フクオカ・セプテンバ
ー1983・エイ113(Proceeding of the Internat
ional Meeting of Chemical Sensors,Fukuoka,Sept.198
3 A113)」により周知である。
【0004】 Z=AP-a (1)
【0005】ただし、Zは上述したニオイセンサ1の感
応膜4の全抵抗値、Pはニオイ強度、Aは比例定数、そ
してaは0<a<1でニオイにより異なる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のニオイセンサではaがニオイにより異なる上に1より
小さいため、複合ニオイの場合の取り扱いはたいへん難
しく、組成が不明な複合ニオイ中の特定のニオイの強度
を測定することは不可能であると云う課題があった。
【0007】又、従来のニオイセンサでは、その抵抗値
の変化がそのまゝニオイ強度の変化であるとしていた
が、必ずしもそうであると言うことはできず、加うる
に、単純にニオイ強度を表示しても、実際のところニオ
イかどうか分からないと言う課題もあった。更に、この
出願と同日付で出願された他の出願の発明では、基準に
なるニオイ物質として所定量の可燃性物質を用いたが、
ニオイを得るには可燃性物質を燻焼させなければなら
ず、これには手間がかかると言う課題もあった。
【0008】そこで、この発明は、このような課題を解
決するためになされたものであって、基準となるニオイ
物質のニオイを基準とし、周囲の雰囲気(環境)に応じ
てニオイの強度を数値化するニオイ検出方法及びニオイ
検出装置を得ることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、所定量の可
燃性物質の燻焼時に発生する焦げ臭を基準にして、環境
中のニオイを数値化するニオイ検出方法である。 また、
この発明は、基準になるニオイ物質によるニオイを基準
にして、環境中のニオイを数値化するニオイ検出方法で
あって、前記基準となるニオイ物質とは異なる較正用の
ニオイ物質のニオイに基づいて、前記環境中のニオイを
前記基準になるニオイ物質と比較して数値化するもので
ある。 また、前記基準になるニオイ物質のニオイが、所
定量の可燃性物質の燻焼時に発生する焦げ臭である。
た、前記可燃性物質が、コピーペーパ又はセルローズで
ある。 また、前記較正用のニオイ物質が、オゾン、アン
モニア、水素、トリメチルアミン、ジメチルアミン、エ
チルアミン、メチルアミン、メチルメルカプタン、エチ
ルメルカプタン、硫化水素、亜硫酸ガス、ジメチルサル
ファイド、ジエチルサルファイド、ニコチン、メタノー
ル、エタノール、2−プロパノール、トリエチルアミ
ン、フラン、フルフラール、ブチレン、アクロレイン、
アセトン、酪酸、リボグルコサン又はバニリンである。
また、この発明は、ニオイを検知するニオイセンサと、
このニオイセンサによって検知される環境中のニオイ
を、所定量の可燃性物質の燻焼時に発生する焦げ臭を基
準にして数値化するニオイ数値化部と、このニオイ数値
化部によって数値化されたニオイ指数を表示する表示器
とを備えたニオイ検出装置である。 また、この発明は、
ニオイを検知するニオイセンサと、このニオイセンサに
よって検知される環境中のニオイを、基準となるニオイ
物質のニオイとは異なる較正用のニオイ物質のニオイと
比較して前記基準となるニオイ物質のニオイを基準にし
て数値化するニオイ数値化部と、このニオイ数値化部に
よって数値化されたニオイ指数を表示する表示器とを備
えたニオイ検出装置である。 また、前記基準になるニオ
イ物質のニオイが、所定量の可燃性物質の燻焼時に発生
する焦げ臭である。 また、前記可燃性物質が、コピーペ
ーパ又はセルローズである。 また、前記較正用のニオイ
物質が、オゾン、アンモニア、水素、トリメチルアミ
ン、ジメチルアミン、エチルアミン、メチルアミン、メ
チルメルカプタン、エチルメルカプタン、硫化水素、亜
硫酸ガス、ジメチルサルファイド、ジエチルサルファイ
ド、ニコチン、メタノール、エタノール、2−プロパノ
ール、トリエチルアミン、フラン、フルフラール、ブチ
レン、アクロレイン、アセトン、酪酸、リボグルコサン
又はバニリンである。
【0010】
【0011】
【実施例】以下、この発明の一実施例を添付図面につい
て詳しく説明する。ニオイセンサ1の検知対象とするニ
オイ強度が0の時のセンサ出力のベースレベルは環境次
第で大きく変動するが、半導体の固有抵抗は環境にかか
わらずほぼ一定値を示す。なお、検知対象ニオイ強度が
0の時でも、通常環境では検知対象ニオイ以外のニオイ
が存在するので、後者のニオイによりベースレベルは変
動する。もう少し詳しく云えば、所定のニオイ強度に対
するセンサ出力の半導体の固有抵抗はベースレベルの大
小にかかわらず近い値を示し、そしてニオイ強度が強い
ほど更に近づいてほぼ同じ値を示すことは、図3の実験
結果から明らかである。従って、このことから図1の等
価回路を想定することができる。
【0012】図1において、Zはニオイセンサ1の全抵
抗であり、roはニオイセンサ1の固有抵抗であり、ra
は環境例えば温度や湿度、検知対象ニオイ以外のニオイ
等の全てによって影響される抵抗であり、そしてrn
検知対象のニオイの強度によって変化する抵抗であると
すれば、全抵抗Zは、raとrnの並列接続にroを直列
接続した等価回路で表せる。rnがニオイ強度によって
無限大から0まで変化するものとすれば、飽和時にはZ
はroのみとなる。また、ニオイ強度0の時には、rn
無限大となるので、Zはroとraの和となって環境によ
ってのみ変化することになり、実験時に観測されている
現象と一致する。
【0013】従って、図1の等価回路を使用することに
より固有抵抗からroを求め、且つニオイ強度0の時の
ベースレベルからraを求めておけば、センサ出力から
nを逆算することができる。
【0014】実際の回路構成は、図2に示すようにニオ
イセンサ1(その全抵抗は上述したようにZである)を
電源Vの両端間に負荷抵抗Rを介して接続し、この負荷
抵抗Rの両端間の電圧Eを出力として取り出す。従っ
て、出力Eは下記の式(2)及び(2')で表される。
【0015】 E=R・V/(R+Z) (2) =R・V/〔R+ro+ra・rn/(ra+rn)〕 (2')
【0016】今、ニオイセンサ1の出力飽和時の飽和レ
ベルをEm、ベースレベルをEoとすれば、これらはそれ
ぞれ下記の式(3),(4)で表される。
【0017】 Em=R・V/(R+ro) (3) Eo=R・V/(R+ro+ra) (4)
【0018】一方、ra・rn/(ra+rn)=r’と置
けば、
【0019】 rn=r’・ra/(ra−r’) (5)
【0020】となる。また、式(2')より
【0021】 r’=R・V/E−R−ro (6)
【0022】となる。更に、式(4)より、
【0023】 ra=R・V/Eo−R−ro (7)
【0024】となる。次に、式(5)に式(3)、式(6)及び
式(7)を代入すれば、下記の式(8)が得られる。
【0025】 rn=R・V(1/E−1/Em)(1/Eo−1/Em)/(1/Eo−1/E) =R・V(Em−E)(Em−Eo)/Em 2(E−Eo) (8)
【0026】この式(8)よりニオイセンサ1の上述した
飽和レベルEm及びベースレベルEo、並びに負荷抵抗R
の抵抗値、及び電源Vの電圧値が判れば、ニオイセンサ
1の出力Eより、ニオイ強度に基づいて変化する抵抗r
nを算出することができる。
【0027】また、ニオイ強度nは、rnに逆比例する
ので、Bを定数とすれば、下記の式(9)で表される。
【0028】 n=B/rn (9)
【0029】基準ニオイ強度における基準抵抗rnsを用
いてrnを基準化する、基準化ニオイ強度Nは、下記の
式(10)で表される。
【0030】 N=rns/rn =rns・Em 2(E−Eo)/R・V(Em−E)(Em−Eo) (10)
【0031】この式(10)よりニオイセンサ1の上述した
飽和レベルEm及びベースレベルEo、並びに負荷抵抗R
の抵抗値、電源Vの電圧値、及び基準抵抗rnsが判れ
ば、ニオイセンサ1の出力Eより、基準化ニオイ強度N
を算出することができる。すなわちこの基準化ニオイ強
度Nが1の時[図4の(B)参照]に基準ニオイ強度と
同じ強度になり、例えば0.5であれば基準ニオイ強度
の1/2の強度を示すことになる。
【0032】また、ニオイセンサ1の全抵抗Zの、飽和
時の抵抗、ベースレベル時の抵抗、測定時の抵抗をそれ
ぞれZm,Zo,Znとすれば、基準化ニオイ強度Nは、
下記の式(11)で表される。
【0033】 N=rns/rn =rns(Zo−Zn)/(Zn−Zm)(Zo−Zm) (11)
【0034】なお、基準化ニオイ強度Nを算出する際に
使用するセンサ固有のパラメータはEm,EoとZm,Zo
のどちらでも良いが、R,Vの影響が入らない点では式
(11)の方が一般的である。
【0035】次に、異なる環境下における一定のニオイ
強度に対するセンサ出力の生データ、基準化ニオイ強度
をそれぞれ図3、図4に示す、これら図において、A,
B,C,Dはそれぞれ1×1mm角、2×2mm角、3×3
mm角、5×5mm角のコピーペーパを、それぞれ乾燥空気
中(点線で示す)、コーヒ臭中(一点鎖線で示す)で燻
焼させた場合のものである。なお、図4は図3の生デー
タより式(8)でrmを計算し、2×2mm角のコピーペーパ
燻焼時の焦げ臭を基準にとって式(10)又は式(11)から求
めた結果である。
【0036】今、一例として図3のB及び図4のBをと
りあげて説明すれば、センサ出力の生データ(図3)の
ベースレベルは乾燥空気中、コーヒ臭中でそれぞれ約
1.3V、約2.0Vとかなりの差があり、飽和レベルも
約2.5V、約2.7Vとばらついている。しかしなが
ら、これらセンサ出力を基準化した結果は、図4のBに
示す通りほぼ1.0のレベルを呈し、雰囲気(乾燥空気
中、コーヒ臭中)の如何にかかわらず同一のニオイ強度
に対してほぼ同じ値を示している。ニオイ強度が同一で
はなく変化する場合も、図4のDにおいて飽和レベル近
くで多少ばらつきが大きくなることを除けば、図4全体
でニオイ強度にほぼ比例した結果が得られる。
【0037】上述のように、図1の等価回路においてニ
オイ強度Pとこのニオイ強度Pに基づいて変化する抵抗
nとの間には、ほぼ逆比例の関係が存在することは実
験で確認されている。そこで、この関係を使えば、
【0038】 rn=C/P (12)
【0039】が成立する。ただし、Cは比例定数であ
る。ニオイが1種類でなく混合の場合には、各ニオイ強
度をP1,P2,P3,・・・とすれば、混合ニオイの全
ニオイ強度Pは、 P=P1+P2+P3+・・・ (13) であるので、式(13)を式(12)に代入すれば、
【0040】 rn=C/(P1+P2+P3+・・・) (14)
【0041】となる。そこで、式(14)の分子及び分母の
両方をCで割れば、
【0042】 rn=1/(P1/C+P2/C+P3/C・・・) (15)
【0043】となる。ここで、C/P1=r1,C/P2
=r2,C/P3=r3・・・と置けば、式(15)は下記の
ように書き直せる。
【0044】 rn=1/(1/r1+1/r2+1/r3・・・) (16)
【0045】この式(16)から明らかなように、rnは各
ニオイ強度に反比例するr1,r2,r3・・・の並列抵
抗の形態になる。従って、混合状態にあるニオイによる
抵抗変化は、各ニオイ強度に反比例する等価抵抗r1
2,r3・・・の並列接続で図2のように表すことがで
き、各ニオイ強度に対するrnの加算、減算を簡単に行
うことが可能になり、特定のニオイの計測も可能にな
る。例えば、初期レベルが0のニオイ強度については、
測定開始時に0調整を行うことにより、それ以外のニオ
イの影響は全て打ち消し、検知対象とするニオイのみを
計測することができる。
【0046】この発明において、基準になるニオイ物質
とは燻焼の必要がある可燃性物質例えばコピーペーパや
セルローズであり、較正用のニオイ物質は気体のオゾ
ン、アンモニア、水素、メチルアミン、エチルアミン、
トリメチルアミン、ジメチルアミン、メチルメルカプタ
ン、エチルメルカプタン、硫化水素、ブチレン、液体の
ジメチルサルファイド、ジエチルサルファイド、ニコチ
ン、メタノール、エタノール、2−プロパノール、トリ
エチルアミン、フラン、フルフラール、アクロレイン、
アセトン、酪酸、固体のリボグルコサン、バニリンであ
り、そのニオイセンサ出力変化に基づいて、環境中のニ
オイを数値化して表示するのである。
【0047】図5に示すように、この発明では、基準に
なるニオイ物質例えばここでは5×5mm角のコピーペ
ーパ(図5のイ)を例えば容積15リットルのチェンバ
内で燻焼させた時に発生するニオイすなわち焦げ臭を基
準にして、燻焼させる手間がかかるコピーペーパの代り
に、校正用のニオイ物質例えばニコチン(図5のロ)を
用い、その全抵抗Zの値が1.95KΩ、1.85K
Ω、1.8KΩの時にニオイ指数をそれぞれ1,2,3
と決める。次に、環境中のニオイ例えばエタノール(図
5のハ)をニオイセンサ1で検知してコピーペーパと同
一抵抗値の所でニオイ指数に変換する(もちろん図5か
ら明らかなようにニオイ濃度は異なる)。
【0048】図6はこの発明に係るニオイ検出装置を示
すブロック図であり、図において1はニオイセンサであ
って、図5について上述したようにニオイセンサ1の検
知したニオイ強度をニオイ指数に変換するニオイ数値化
部10に接続されている。このニオイ数値化部10は、
ニオイセンサ1のアナログ出力をデジタル出力に変換す
るA/Dコンバータ11、飽和レベルEm、ベースレベ
ルEo、基準抵抗rns、負荷抵抗Rの抵抗値、及び電源
Vの電圧値、更にはZn,Zm及びZoを予め記憶してお
くメモリ12、このメモリ12に接続され、上述した式
(8)それに式(10)又は式(11)を格納したROM13、並
びにA/Dコンバータ11及びROM13に接続され、
ニオイセンサ1のデジタル出力から基準化ニオイ強度N
を計算した後にニオイ指数に変換して出力するCPU例
えば1チップマイコン14で構成されている。このCP
U14には、ニオイ指数を表示する表示器15が接続さ
れている。
【0049】図7は図6のニオイ検出装置を用いた火災
検知装置を示すブロック図であり、図において1及び1
0は図6について説明したものと同じである。たゞし、
こゝではCPU14を第1のCPUと称する。ニオイ数
値化部10に接続された火災判断部20は、焦げ臭の強
度と燻焼火災の関係、ニオイセンサ1が設置された部屋
の大きさと焦げ臭の関係、ニオイ拡散の性質等を格納し
たデータベース21、並びに第1のCPU14及びデー
タベース21に接続され、第1のCPU13からのニオ
イ指数とデータベース21の内容とから火災の確度を計
算して、確度が一定値例えば60%以上であれば火災警
報信号を出力する第2のCPU22で構成されている。
【0050】なお、この実施例において、ニオイセンサ
1、ニオイ数値化部10及び火災判断部20で火災感知
器を構成するようにしたもよい。この場合には、ニオイ
数値化部10と火災判断部20のCPUは共通として1
台のCPUにしてもよく、火災判断部20は火災警報信
号を火災受信機あるいは中継器等の受信部(図示しな
い)に出力する。
【0051】また、火災感知器をニオイセンサ1のみ、
もしくはニオイセンサ1及びニオイ数値化部10で構成
し、火災判断部20もしくはニオイ数値化部10と火災
判断部20を受信部に設けるようにしてもよい。この場
合には、火災感知器に、例えば受信部からのポーリング
を受けたときに、ニオイセンサ1のセンサ出力もしくは
ニオイ数値化部10のニオイ指数を例えばデジタルコー
ドなどの伝送信号に変換して受信部に送出する送受信回
路を設ければよい。
【0052】更に、火災判断部20としては、例えば、
火災判断のための所定の閾値を記憶しておき、この所定
の閾値とニオイ数値化部10から出力されるニオイ指数
とを比較して火災判断するもの等、他の火災判別方法に
よって火災判断するものを用いてもよい。
【0053】以下に、基準ニオイ物質とすることが可能
な物質名を例示する。 1.イオウ化合物 1.無機化合物 (1)硫化水素 2.有機化合物 (1)メルカプタン類 1)メチルメルカプタン 2)エチルメルカプタン (2)サルファイド類 1)ジメチルサルファイド 2)ジエチルサルファイド 2.窒素化合物 1.無機化合物 (1)アンモニア 2.有機化合物 (1)アミン類 1)メチルアミン 2)エチルアミン 3)トリメチルアミン 3.炭化水素類 1.有機化合物 (1)ブチレン 4種の異性体あり 4.酸素化合物 1.有機化合物 (1)脂肪族不飽和アルデヒト類 1)アクロレイン (2)脂肪族ケトン類 1)アセトン (3)低級脂肪族カルボン酸類 2)酪酸 2種の異性体あり
【0054】
【発明の効果】請求項1に係る発明は、所定量の可燃性
物質の燻焼時に発生する焦げ臭を基準にして、環境中の
ニオイを数値化するので、ニオイの強度を数値で知るこ
とができるという効果を奏する。請求項2に係る発明
は、基準になるニオイ物質によるニオイを基準にして、
環境中のニオイを数値化するニオイ検出方法であって、
前記基準なるニオイ物質とは異なる較正用のニオイ物
質のニオイに基づいて、前記環境中のニオイを前記基準
になるニオイ物質と比較して数値化するニオイ検出方法
であるので、ニオイの強度を数値で知ることができる
とに加えて、基準のニオイを得るのに手間がかからない
という効果を奏する。
【0055】また、請求項6に係る発明は、ニオイを検
知するニオイセンサと、このニオイセンサによって検知
される環境中のニオイを、所定量の可燃性物質の燻焼時
に発生する焦げ臭を基準にして数値化するニオイ数値化
部と、このニオイ数値化部によって数値化されたニオイ
指数を表示する表示器を備えたニオイ検出装置である
ので、ニオイの強度をニオイ指数として表示出来るとい
う効果を奏する。また、請求項7に係る発明は、ニオイ
を検知するニオイセンサと、このニオイセンサによって
検知される環境中のニオイを、基準となるニオイ物質の
ニオイとは異なる較正用のニオイ物質のニオイと比較し
て前記基準となるニオイ物質のニオイを基準にして数値
化するニオイ数値化部と、このニオイ数値化部によって
数値化されたニオイ指数を表示する表示器とを備えたニ
オイ検出装置であるので、ニオイの強度をニオイ指数と
して表示出来ることに加えて、基準のニオイを得るのに
手間がかからないという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ニオイセンサの等価回路図である。
【図2】ニオイセンサを用いた実際の測定回路を示す回
路図である。
【図3】異なる環境下における一定のニオイに対するセ
ンサ出力の生データを示すグラフである。
【図4】ニオイセンサの基準化ニオイ強度を示すグラフ
である。
【図5】ニオイ強度をニオイ指数に変換する仕方を説明
するグラフである。
【図6】この発明に係るニオイ検出装置を示すブロック
図である。
【図7】図6のニオイ検出装置を用いた火災検知装置を
示すブロック図である。
【図8】従来のニオイセンサを示す断面図である。
【符号の説明】
1 ニオイセンサ 10 ニオイ数値化部 12 メモリ 13 ROM 14 CPU(第1のCPU) 15 表示器

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定量の可燃性物質の燻焼時に発生する
    焦げ臭を基準にして、環境中のニオイを数値化すこと
    を特徴とするニオイ検出方法。
  2. 【請求項2】 基準になるニオイ物質によるニオイを基
    準にして、環境中のニオイを数値化するニオイ検出方法
    であって、 前記基準なるニオイ物質とは異なる較正用のニオイ物
    質のニオイに基づいて、前記環境中のニオイを前記基準
    になるニオイ物質と比較して数値化することを特徴とす
    ニオイ検出方法。
  3. 【請求項3】 前記基準になるニオイ物質のニオイが、
    所定量の可燃性物質の燻焼時に発生する焦げ臭である請
    求項記載のニオイ検出方法。
  4. 【請求項4】 前記可燃性物質が、コピーペーパ又はセ
    ルローズである請求項3記載のニオイ検出方法。
  5. 【請求項5】 前記較正用のニオイ物質が、オゾン、ア
    ンモニア、水素、トリメチルアミン、ジメチルアミン、
    エチルアミン、メチルアミン、メチルメルカプタン、エ
    チルメルカプタン、硫化水素、亜硫酸ガス、ジメチルサ
    ルファイド、ジエチルサルファイド、ニコチン、メタノ
    ール、エタノール、2−プロパノール、トリエチルアミ
    ン、フラン、フルフラール、ブチレン、アクロレイン、
    アセトン、酪酸、リボグルコサン又はバニリンである請
    求項2記載のニオイ検出方法。
  6. 【請求項6】 ニオイを検知するニオイセンサと、 このニオイセンサによって検知される環境中のニオイ
    を、所定量の可燃性物質の燻焼時に発生する焦げ臭を基
    準にして数値化するニオイ数値化部と、 このニオイ数値化部によって数値化されたニオイ指数を
    表示する表示器 を備えたニオイ検出装置。
  7. 【請求項7】 ニオイを検知するニオイセンサと、 この ニオイセンサによって検知される環境中のニオイ
    、基準となるニオイ物質のニオイとは異なる較正用の
    ニオイ物質のニオイと比較して前記基準となるニオイ物
    質のニオイを基準にして数値化するニオイ数値化部と、 このニオイ数値化部によって数値化されたニオイ指数を
    表示する表示器と を備えた ニオイ検出装置。
  8. 【請求項8】 前記基準になるニオイ物質のニオイが、
    所定量の可燃性物質の燻焼時に発生する焦げ臭である請
    求項記載のニオイ検出装置。
  9. 【請求項9】 前記可燃性物質が、コピーペーパ又はセ
    ルローズである請求項8記載のニオイ検出装置。
  10. 【請求項10】 前記較正用のニオイ物質が、オゾン、
    アンモニア、水素、トリメチルアミン、ジメチルアミ
    ン、エチルアミン、メチルアミン、メチルメルカプタ
    ン、エチルメルカプタン、硫化水素、亜硫酸ガス、ジメ
    チルサルファイド、ジエチルサルファイド、ニコチン、
    メタノール、エタノール、2−プロパノール、トリエチ
    ルアミン、フラン、フルフラール、ブチレン、アクロレ
    イン、アセトン、酪酸、リボグルコサン又はバニリンで
    ある請求項7記載のニオイ検出装置。
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