JP3318431B2 - エンジンの故障診断装置 - Google Patents

エンジンの故障診断装置

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JP3318431B2
JP3318431B2 JP04978494A JP4978494A JP3318431B2 JP 3318431 B2 JP3318431 B2 JP 3318431B2 JP 04978494 A JP04978494 A JP 04978494A JP 4978494 A JP4978494 A JP 4978494A JP 3318431 B2 JP3318431 B2 JP 3318431B2
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    • G01M15/10Testing internal-combustion engines by monitoring exhaust gases or combustion flame
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  • Testing Of Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天然ガス等のガス燃料
を利用して発電及び給熱を行うガス・コージェネレーシ
ョンに使用されるエンジンの故障診断装置に関し、さら
に詳細には、エンジンの排気圧力波形を測定しその偏差
を解析することにより、エンジントラブルを失火、吸気
弁吹き抜け、排気弁吹き抜け等に分類して検出するエン
ジンの故障診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、省エネルギーを目的として、都市
ガス等のガス燃料を利用するガス・コージェネレーショ
ンシステムが、工場、デパート、ホテル、病院等の自家
発電設備として広く使用されている。発電機を駆動する
目的でガスエンジンを運転する際に発生する熱エネルギ
ーを回収して利用することによりエネルギーの利用効率
を向上できるからである。
【0003】ガス・コージェネレーションシステムで使
用されるガスエンジンは、自動車等のガソリンエンジン
と同様の点火プラグによる火花点火式の4サイクルエン
ジンである。従って、運転状況によっては点火プラグが
劣化して十分なスパークを発生できなくなり、供給され
た燃料ガスに着火できないという失火トラブルが発生す
る場合がある。かかる点火プラグの劣化は、長時間の使
用による電極の摩耗あるいは燃料ガスの不完全燃焼によ
り発生するカーボンの堆積等が原因である。また、4サ
イクルエンジンの場合、燃焼室に吸気弁と排気弁とが設
けられるので、これら吸排気弁の異常に基づくトラブル
も発生しうる。即ちこれらの弁の密閉性が低下すると、
燃焼室の燃焼ガスが吸気管又は排気管に漏れ出すことと
なる。かかる弁の密閉性低下は、弁の材質又は製作の不
良による異常摩耗や潤滑油の燃えかす(アッシュ)が弁
の当接箇所に挟み込まれること等により発生する。
【0004】これらのトラブルが発生すると、燃焼によ
り発生した熱エネルギーから機械エネルギーへの変換が
十分なされないことや、排気排圧の異常による他気筒へ
の影響によりエネルギー利用効率が低下する。そしてそ
れのみならず、吸気系への高温高圧ガスの侵入あるいは
排気系への未燃焼ガスの漏出により、いわゆるアフター
ファイア、バックファイアの発生や排ガス浄化触媒の劣
化加速等種々の不具合が生じて、エンジン各部の機械的
損傷や大気汚染につながる窒素酸化物の排出等を招く。
特に、ガス・コージェネレーションシステムで使用され
るガスエンジンの場合、通常無人で24時間フル稼働さ
れるので、点火プラグの電極消耗や弁部材の摩耗、アッ
シュの挟み込みによるトラブルの発生が大きな事故につ
ながることもある。尚、ディーゼルエンジンや2サイク
ルエンジン等であっても、上記各種トラブルのいくつか
は発生しうる。
【0005】上記問題を解決する手段として、余裕をも
って定期的に点火プラグの交換や弁部材の清掃をするこ
とが考えられる。しかし、定期的な点火プラグの交換
は、消耗していない点火プラグをも捨てるという無駄を
伴い、また必要とされる交換頻度が高く煩雑であった。
また、点火プラグの消耗以外に、燃料系統の不具合が原
因で失火が発生する場合もあり、この場合は点火プラグ
の交換をしても失火を排除できない。また、給排気弁の
脱着は、シリンダーヘッドの取り外しが必要なため点火
プラグ交換よりも更にその作業は煩雑である。
【0006】そのため、ガスエンジンの失火等のトラブ
ルを初期の段階で検出し、不具合な状態での運転をでき
るだけ減少させる目的で、以下に示すような方法によ
り、トラブルを検出することが試みられていた。 (1)エンジン回転数の変動により、トラブルを検出す
る方法。 (2)シリンダ毎の排ガス温度の変化を検出することに
より、トラブルを検出する方法。 (3)点火プラグに流れる電流値の変化、または点火プ
ラグにかかる電圧の変化により、失火を検出する方法。 (4)シリンダ内の燃焼圧力を検出する方法。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のトラブル検出方法には、次に示す問題があった。 (1)第一の方法では、例えば失火の場合、発生間隔の
長い散発的な失火では回転数の変動がわずかなため失火
を確実に検出することができない。一方、実機では、点
火プラグが消耗してきた場合、始めに散発的に失火が発
生し、しだいに発生間隔が短くなって連続的な失火が発
生するパターンとなる。従って、点火プラグの初期摩耗
を検出することはほとんど不可能である。また、失火以
外の給排気弁吹き抜けトラブルの場合でも、シリンダご
とのばらつきにも左右されるため、症状が相当進行しな
いと検出できる回転数変動には至らない。更に、ガス・
コージェネレーションシステムでは慣性モーメントの大
きい発電機と連携して運転するので、ほとんど回転数変
動を検出できなかった。
【0008】(2)第二の方法では、給排気弁の吹き抜
けの場合はシリンダごとのばらつきにも左右されるた
め、症状が相当進行しないと検出できない。更に、トラ
ブルを生じているシリンダを特定することが可能である
利点があるが、排ガス温度は応答性が悪いため、失火の
場合かなり頻繁に発生しないと検出できない問題があっ
た。また、各シリンダ毎に温度センサを取り付けなけれ
ばならず、煩雑であった。 (3)第三の方法では、放電の有無の確認ができるだけ
で、現実に着火したか否かが不明のため、着火ミス等に
よる失火を検出することができない問題があった。ま
た、失火以外の給排気弁吹き抜けトラブルに対しては、
当然ながら無力であった。 (4)第四の方法では、シリンダ毎に圧力センサが必要
となり、また、エンジンブロックへのセンサ取付孔の加
工等コストアツプを招き、実用的でなかった。また、以
上の実用的な方法ではいずれの場合も、トラブルの種類
を明確に判別できず、検出結果から適切な補修作業の内
容を決定することができなかった。
【0009】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、ガス・コージェネレーションシ
ステムで使用されるガスエンジンの燃焼系のトラブルを
初期の段階で確実に検出することにより、不具合な状態
での運転をできるだけ避けると共に、トラブルの種類及
びそのトラブルが発生しているシリンダを特定すること
により、適切な補修作業の内容を決定でき点火プラグ等
の個別の部品の交換又は清掃時期を決定することの可能
なエンジンの故障診断装置を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】(1)前記目的を達成す
るために本発明のエンジンの故障診断装置は、コージェ
ネレーションシステムで発電機に連結されて使用される
複数のシリンダを有するエンジンの稼働状態を検出する
故障診断装置であって、前記エンジンの排気圧力を計測
する排気圧センサと、前記排気圧センサが計測した排気
圧力を、複数のシリンダのうち1つの点火タイミングを
基準として所定の間隔で各シリンダ毎に1サイクル分
ンプリングする排気圧サンプリング手段と、前記排気圧
サンプリング手段がサンプリングした値に基づき各シリ
ンダ毎の排気圧平均値を排気圧代表値として算出する代
表値算出手段と、前記代表値算出手段が算出した各シリ
ンダの排気圧代表値の標準偏差をばらつきとして算出す
るばらつき算出手段と、前記ばらつき算出手段が算出し
たばらつきに基づき前記エンジンの故障の有無及びその
種類を判定する故障判定手段とを有している。
【0011】(2)また、本発明のエンジンの故障診断
装置は、(1)に記載するものであって、前記故障判定
手段が、前記ばらつき算出手段に算出されたばらつきを
所定の故障有無判定しきい値と比較し、故障有無判定し
きい値より大きいときに前記エンジンに故障があると判
定する故障有無判定手段を含んでいる。
【0012】()また、本発明のエンジンの故障診断
装置は、()に記載するものであって、前記故障判定
手段が、前記故障有無判定手段により故障があると判定
された場合に、前記ばらつきを所定の失火判定しきい値
と比較し、失火判定しきい値より大きいときに前記エン
ジンの故障が失火であると判定する失火判定手段を含ん
でいる。 ()また、本発明のエンジンの故障診断装置は、
)に記載するものであって、前記代表値算出手段が
算出した各シリンダの排気圧代表値に基づいて、点火順
序が隣接する当該シリンダと当該シリンダの直前のシリ
ンダとの間での代表値の変動を算出する変動算出手段を
有し、前記故障判定手段が、前記失火判定手段によりエ
ンジンの故障が失火であると判定された場合に、前記変
動算出手段が算出した変動に基づき、最大の変動を示す
当該シリンダを失火が起こったシリンダであると特定す
る失火シリンダ特定手段を含んでいる。
【0013】()また、本発明のエンジンの故障診断
装置は、()に記載するものであって、前記代表値算
出手段が算出した各シリンダの排気圧代表値に基づい
て、点火順序が隣接するシリンダ間での代表値の変動を
算出する変動算出手段を有し、前記故障判定手段が、前
記失火判定手段によりエンジンの故障が失火でないと判
定された場合に、前記変動算出手段が算出した変動の最
大値を所定の吸気弁吹き抜け判定しきい値と比較し、吸
気弁吹き抜け判定しきい値より小さい場合に前記エンジ
ンの故障が吸気弁吹き抜けであると判定する吸気弁吹き
抜け判定手段を含んでいる。
【0014】()また、本発明のエンジンの故障診断
装置は、()に記載するものであって、前記故障判定
手段が、前記失火判定手段によりエンジンの故障が失火
でないと判定された場合に、前記変動算出手段が算出し
た変動の最大値を所定の吸気弁吹き抜け判定しきい値と
比較し、吸気弁吹き抜け判定しきい値より小さい場合に
前記エンジンの故障が吸気弁吹き抜けであると判定する
吸気弁吹き抜け判定手段を含んでいる。 ()また、本発明のエンジンの故障診断装置は、
(5)または(6)に記載するものであって、前記故障
判定手段が、前記吸気弁吹き抜け判定手段によりエンジ
ンの故障が吸気弁吹き抜けであると判定された場合に、
前記代表値算出手段が算出した代表値に基づき、最大の
代表値を示すシリンダの直後のシリンダを吸気弁吹き抜
けが起こったシリンダであると特定する吸気弁吹き抜け
シリンダ特定手段を含んでいる。
【0015】()また、本発明のエンジンの故障診断
装置は、(ないし)に記載するものであって、
前記故障判定手段が、前記吸気弁吹き抜け判定手段によ
りエンジンの故障が吸気弁吹き抜けでないと判定された
場合に、前記変動算出手段が算出した変動に基づき、点
火順序が隣接する当該シリンダと当該シリンダの直前の
シリンダとの間で、当該シリンダの直前のシリンダの変
動が最小値を示し、当該シリンダの変動が最大値を示し
ている場合に前記エンジンの故障が排気弁吹き抜けであ
ると判定する排気弁吹き抜け判定手段を含んでいる。 ()また、本発明のエンジンの故障診断装置は、
)に記載するものであって、前記故障判定手段が、
前記排気弁吹き抜け判定手段によりエンジンの故障が排
気弁吹き抜けであると判定された場合に、前記変動算出
手段が算出した変動に基づき、変動の最大値を示す当該
シリンダを排気弁吹き抜けが起こったシリンダであると
特定する排気弁吹き抜けシリンダ特定手段を含んでい
る。
【0016】
【作用】前記構成を有する課題を解決する手段(1)の
エンジンの故障診断装置は、複数のシリンダを有するエ
ンジンの稼働状態、特に失火、吸気弁吹き抜け、排気弁
吹き抜けを検出してエンジンの故障を診断するものであ
る。かかるエンジンの故障診断装置では、排気圧センサ
がエンジンの複数のシリンダからの排気圧力を計測し、
その計測値を排気圧サンプリング手段が所定の間隔でサ
ンプリングする。また、サンプリングされた値に基づい
て代表値算出手段が各シリンダ毎の排気圧代表値を算出
し、それに基づいてばらつき算出手段が各シリンダの排
気圧代表値のばらつきを算出する。そして、故障判定手
段が、ばらつき算出手段が算出したばらつきに基づきエ
ンジンの故障の有無及びその種類を判定する。
【0017】ここに、課題を解決する手段(2)のエン
ジンの故障診断装置では、代表値算出手段は各シリンダ
毎の排気圧代表値として平均値を算出し、ばらつき算出
手段は各シリンダの排気圧代表値のばらつきとして標準
偏差を算出する。課題を解決する手段(3)のエンジン
の故障診断装置では、故障判定手段に含まれる故障有無
判定手段が、ばらつき算出手段に算出されたばらつきを
所定の故障有無判定しきい値と比較し、故障有無判定し
きい値より大きいときにエンジンに故障があると判定す
る。
【0018】課題を解決する手段(4)のエンジンの故
障診断装置では、故障有無判定手段により故障があると
判定された場合に、故障判定手段に含まれる失火判定手
段が、ばらつきを所定の失火判定しきい値と比較し、失
火判定しきい値より大きいときにエンジンの故障が失火
であると判定する。課題を解決する手段(5)のエンジ
ンの故障診断装置では、失火判定手段によりエンジンの
故障が失火であると判定された場合に、変動算出手段
が、代表値算出手段が算出した各シリンダの排気圧代表
値に基づいて点火順序が隣接するシリンダ間での代表値
の変動を算出し、故障判定手段に含まれる失火シリンダ
特定手段が、最大の変動を示すシリンダを失火が起こっ
たシリンダであると特定する。
【0019】課題を解決する手段(6)または(7)の
エンジンの故障診断装置では、失火判定手段によりエン
ジンの故障が失火でないと判定された場合に、故障判定
手段に含まれる吸気弁吹き抜け判定手段が、変動算出手
段が算出した変動の最大値を所定の吸気弁吹き抜け判定
しきい値と比較し、吸気弁吹き抜け判定しきい値より小
さい場合にエンジンの故障が吸気弁吹き抜けであると判
定する。課題を解決する手段(8)のエンジンの故障診
断装置では、吸気弁吹き抜け判定手段によりエンジンの
故障が吸気弁吹き抜けであると判定された場合に、故障
判定手段に含まれる吸気弁吹き抜けシリンダ特定手段
が、代表値算出手段が算出した代表値に基づき、最大の
代表値を示すシリンダの直後のシリンダを吸気弁吹き抜
けが起こったシリンダであると特定する。
【0020】課題を解決する手段(9)のエンジンの故
障診断装置では、吸気弁吹き抜け判定手段によりエンジ
ンの故障が吸気弁吹き抜けでないと判定された場合に、
故障判定手段に含まれる排気弁吹き抜け判定手段が、変
動算出手段が算出した変動に基づき、点火順序が隣接す
るシリンダ間で変動の最大値と最小値とが示されている
場合に前記エンジンの故障が排気弁吹き抜けであると判
定する。課題を解決する手段(10)のエンジンの故障
診断装置では、排気弁吹き抜け判定手段によりエンジン
の故障が排気弁吹き抜けであると判定された場合に、故
障判定手段に含まれる排気弁吹き抜けシリンダ特定手段
が、変動算出手段が算出した変動に基づき、変動の最大
値を示すシリンダを排気弁吹き抜けが起こったシリンダ
であると特定する。
【0021】
【実施例】以下、本発明のエンジンの故障診断装置をガ
ス・コージェネレーションシステムのガスエンジンに使
用した実施例を図面を参照して詳細に説明する。始めに
ガス・コージェネレーションシステムの概要を図4を用
いて説明する。ガス・コージェネレーションシステム
は、動力源であるガスエンジン28と、ガスエンジン2
8が発生する機械エネルギーを電気エネルギーに変換す
る発電機29と、ガスエンジン28が放出する熱を利用
可能な熱エネルギーとして回収する排ガス熱交換器31
及びジャケット熱交換器32とにより構成される。ガス
エンジン28は、ガス燃料を使用する4サイクル6シリ
ンダの火花点火式内燃機関であり、燃料として天然ガス
を主成分とする都市ガスGが供給される。発電機29
は、ガスエンジン28の出力回転軸35に接続され、商
用周波数(ここでは60Hz)の交流電力Eを発生させ
るものである。
【0022】排ガス熱交換器31は、ガスエンジン28
で燃焼され発生した高温の排気ガスJを外部へ導出する
集合排気管36に導水管33を接触させ、熱エネルギー
を水Wにより回収するものである。ジャケット熱交換器
32は、冷却水管37を通じてガスエンジン28に冷却
水Cを循環させ、ガスエンジン28の排熱を導水管33
の水Wにより回収するものである。すなわち水Wは、ジ
ャケット熱交換器32にて冷却水Cを介して、また、排
ガス熱交換器31にて排気ガスJより、ガスエンジン2
8の熱エネルギーを吸収する。尚、ガスエンジン28と
排ガス熱交換器31との間には、排気コンバータ30が
設けられている。排気ガスJに含まれている有害な窒素
酸化物および一酸化炭素等を、排気コンバータ30内の
セラミック等に担持された白金触媒上で酸化還元反応さ
せ窒素および二酸化炭素としてから、大気に放出するた
めである。
【0023】次に、ガスエンジン28の主要部を図3に
より説明する。本実施例のガスエンジン28は、6つの
シリンダを有する4サイクルガスエンジンであり、各シ
リンダはクランク軸2回転毎に1回ずつ燃焼により発生
した排気ガスJを排出し、ガスエンジン28全体ではク
ランク軸1回転当り3回の排気ガスJの排出がなされ
る。ガスエンジン28において、各シリンダの点火順序
は、6−2−4−1−5−3とされる。各シリンダの燃
焼室34には、空気と都市ガスGとの混合気を供給する
ための混合ガスパイプ27が連通している。混合ガスパ
イプ27が燃焼室34に連通する部分に弁座が形成さ
れ、弁座と当接して混合ガスを遮断するための吸気バル
ブ25が、弁座と当接および離間可能に付設されてい
る。
【0024】また、燃焼室34には、燃焼された排気ガ
スJを排出するための排気パイプ23が連通している。
排気パイプ23が燃焼室34に連通する部分に弁座が形
成され、弁座と当接して排気ガスJを遮断するための排
気バルブ24が、弁座と当接および離間可能に付設され
ている。6つのシリンダの排気パイプ23は、集合排気
管36により1つにまとめられて、窒素酸化物コンバー
タ30へ送られる。6本の排気パイプ23が1本の集合
排気管36にまとめられた位置に、排気ガスJの圧力を
計測するための排気圧センサ14が固設されている。
【0025】次に、ガスエンジン28の故障診断装置の
構成を図1にブロック図で示す。演算処理装置であるC
PU11には、制御プログラム等を格納するROM1
2、一時的にデータ等を記憶するRAM13が接続して
いる。ROM12には、排気圧サンプリングプログラム
16、故障判定プログラム17、及びその他制御上必要
な種々の制御プログラム、更に、故障判定プログラム1
7で使用される種々の数値が格納されている。故障判定
プログラム17は、故障の種類及び故障の起こったシリ
ンダを判定する失火判定ルーチン18、吸気弁吹き抜け
判定ルーチン19、及び排気弁吹き抜け判定ルーチン2
0を含んでいる。また、RAM13には、サンプリング
値記憶手段21、演算データ記憶手段22が設けられて
いる。また、CPU11には、排気圧を計測するための
排気圧センサ14、サンプリングのための基準信号発生
手段15が接続している。
【0026】次に、上記構成を有するエンジンの故障診
断装置の作用について説明する。4サイクルエンジンで
は、クランク軸が2回転する毎に各シリンダから1回ず
つ燃焼により生成した排気ガスJが、集合排気管に排出
される。集合排気管に付設された排気圧センサにより排
気圧力を計測すると、シリンダ数N個のエンジンの場
合、2回転でN個のピークを示す。そして、エンジン回
転数R(rpm)で運転すれば、次に示す式で表される
時間間隔毎にこのピークが発生する。 T(ms)=1000/((R×N)/(2×60)) =120000/(R×N)
【0027】本実施例のガス・コージェネレーションシ
ステムでは4極の発電機29で周波数60Hzの交流電
力を発生するので、発電機29及びガスエンジン28は
回転数R=1800rpmで運転され、またガスエンジ
ン28はシリンダ数N=6であるから、 T(ms)=120000/(6×1800)=11.
1(ms) となり、図5に示すように約11msの間隔でピークが
発生する。図5は、縦軸にガスエンジン28の集合排気
管36に付設された排気圧センサ14により測定された
排気圧力(mmAq)を、横軸に時間(ms)を示した
グラフであり、トラブルが発生していない正常時の排気
圧波形を示している。
【0028】CPU11は、基準信号発生手段15によ
り、ひとつのシリンダ(本実施例では第4シリンダ)の
点火プラグに電圧がかかるタイミングを基準とし、図5
に示すように基準信号Kを出す。基準信号Kが出ると
き、第6シリンダの燃焼ガスの排出による排気圧力のピ
ークが出ており、順次点火順序に従い第2、第4、第
1、第5、第3シリンダの燃焼ガス排出による排気圧の
ピークがでていることがわかる。そして、ふたたび基準
パルスKのタイミングで、第6シリンダの燃焼ガス排出
による排気圧力のピークが出ている。
【0029】次に、本発明の主要部の作用を図2のフロ
ーチャートを用いて説明する。ガス・コージェネレーシ
ョンシステムでは、運転中常時、ガスエンジン28の運
転状況を故障診断装置により監視している。即ち、常時
排気圧センサ14の出力値をサンプリングし、基準信号
発生手段15の基準信号Kに基づいて所定の演算を行
い、その結果によりガスエンジン28の故障の発生の有
無とその種類等を判定している。
【0030】CPU11は、排気サンプリングプログラ
ム16により、排気圧センサ14の出力について、基準
信号Kから一定時間ずつデータをサンプリングする(S
1)。サンプリングした値はRAM13のデータバッフ
ァ21に記憶される。そしてCPU11は、サンプリン
グした値に基づきシリンダごとの排気圧平均値PAV(i)
(i=1〜6、点火順序による、従って第1シリンダが
i=4、第2シリンダがi=2、第3シリンダがi=
6、第4シリンダがi=3、第5シリンダがi=5、第
6シリンダがi=1)を演算する(S2)。演算された
排気圧平均値PAV(i)はRAM13のデータバッファ2
1に記憶される。
【0031】次にCPU11は、S2で算出したシリン
ダごとの排気圧平均値PAV(i)(i=1〜6)の標準偏
差Dを演算する(S3)。演算された標準偏差DはRA
M13のデータバッファ21に記憶される。そしてCP
U11は、S2で算出したシリンダごとの排気圧平均値
AV(i)(i=1〜6)に基づき隣接するシリンダ間で
の排気圧平均値の変動S(i)(i=1〜6)を演算する
(S4)。S(i)の計算式は、S(i)=PAV(i−1)−
AV(i)である(i=1のときのi−1は前サイクルの
6とする)。演算された変動S(i)はRAM13のデー
タバッファ21に記憶される。S1からS4までで必要
なデータが揃うと、故障判定プログラム17により故障
の有無、種類等が判定される。
【0032】故障判定プログラム17では最初に、ガス
エンジン28の故障の有無を判断する。このため、S3
で演算した標準偏差Dを、ガスエンジン28が理想的に
正常である場合の標準偏差Dsと比較する(S5)。標
準偏差Dsは、ガスエンジン28の機差にもよるが2.
6mmAq程度であり、ガス・コージェネレーションシ
ステムごとにROM12にあらかじめ記憶されている。
S5では具体的には、S3で演算した標準偏差Dが標準
偏差Dsに所定の故障判定しきい値N1を掛けた値より
大きいか否かを判断する。故障判定しきい値N1も、標
準偏差Dsと同様ガスエンジン28の機差により異な
り、通常2〜3程度の値であってガス・コージェネレー
ションシステムごとにROM12にあらかじめ記憶され
ている。D≦Ds×N1であった場合には(S5:N
o)、ガスエンジン28に故障はないと判定し(S
6)、S1へ戻り次のサイクルの測定に備える。
【0033】S5でD>Ds×N1であった場合には
(S5:Yes)、ガスエンジン28に何らかの故障が
あるものと判定し(S7)、故障の種類の判別へ進む。
まずS8において失火判定ルーチン18により、失火で
あるか否かを判断するため、標準偏差Dを標準偏差Ds
と再度比較する。ただしここでは、標準偏差Dを標準偏
差Dsに所定の失火判定しきい値N2を掛けた値と比較
してそれより大きいか否かを判断する。ガスエンジン2
8の故障のうちでも特に失火の場合に、標準偏差Dが大
きくなるからである。ここで失火判定しきい値N2は、
ガスエンジン28の機差により異なるが、通常20前後
の値であってガス・コージェネレーションシステムごと
にROM12にあらかじめ記憶されている。
【0034】D>Ds×N2であった場合には(S8:
Yes)、ガスエンジン28に失火が起こったものと判
定する(S9)。失火が起こった状態での排気圧波形を
図6に示す。失火により、排気圧波形が乱れていること
が示されている。この状態での前記S2で算出されたシ
リンダごとの排気圧平均値PAV(i)を、正常状態と比較
しつつ図9のグラフに示す。正常状態と異なり、排気圧
平均値PAV(i)が大きく変化している。この状態で標準
偏差Dを算出すると約51.1となり、S8でYesと
判定されるわけである。
【0035】次に失火を起こしたシリンダの特定を行
う。このため、S4で算出した隣接するシリンダ間での
排気圧平均値の変動S(i)を各シリンダについて比較す
る。失火が起こった状態での変動S(i)を、正常状態と
比較しつつ図10のグラフに示す。正常状態と異なり大
きく変化している。そして、最大の変動S(i)を示して
いるシリンダ(図10では第1シリンダ)を、失火が起
こったシリンダであると特定する(S10)。失火が起
こると、そのシリンダから排出される未燃焼ガスは、圧
力が低いので本来発生するべき圧力のピークが発生しな
いために大きな変動S(i)を示すからである。図6のグ
ラフでは、矢印で示す第1シリンダで、失火が起こった
ためにピークが発生せず大きな低下Sが起こっているこ
とが示されている。
【0036】尚、図6及び図9のグラフで、失火が起こ
った後しばらくして排気圧力が全体に上昇しているの
は、失火によりエンジン出力が低下し、これを補うため
に他のシリンダの出力を増やすように燃料供給量を増加
させる制御が働くからである。失火シリンダの特定がな
されると、その判定結果を出力して(S18)、S1へ
戻り次のサイクルの測定に備える。
【0037】S8でD≦Ds×N2であった場合には
(S8:No)、ガスエンジン28のトラブルは失火で
はないと判断されるので、他の種類の故障についての判
断を行う。まず吸気弁吹き抜け判定ルーチン19により
吸気弁吹き抜けであるか否かを判断するため、前記S4
で算出した隣接するシリンダ間での排気圧平均値の変動
S(i)を、正常状態での標準偏差Dsと比較する(S1
1)。S11では具体的には、S(i)の最大値を標準偏
差Dsに所定の吸気弁吹き抜け判定しきい値N3を掛け
た値と比較してそれより小さいか否かを判断する。ガス
エンジン28の失火以外の故障のうちでも特に吸気弁吹
き抜けの場合には、後述する排気弁吹き抜け等の場合と
比較してS(i)の最大値がそれほど大きくならないから
である。ここで吸気弁吹き抜け判定しきい値N3は、ガ
スエンジン28の機差により異なるが、通常10〜20
程度の値であってガス・コージェネレーションシステム
ごとにROM12にあらかじめ記憶されている。
【0038】S(i)の最大値<Ds×N3であった場合
には(S11:Yes)、ガスエンジン28に吸気弁吹
き抜けが起こったものと判定する(S12)。吸気弁吹
き抜けが起こった状態での排気圧波形を図7に示す。吸
気弁吹き抜けにより、排気圧波形が乱れていることが示
されている。この状態での、S2で算出されたシリンダ
ごとの排気圧平均値PAV(i)とS4で算出した隣接する
シリンダ間での排気圧平均値の変動S(i)とを、正常状
態と比較しつつ図11、図12のグラフに示す。正常状
態と異なり、排気圧平均値PAV(i)と変動S(i)とが変
化している。この状態で、標準偏差Dを算出すると約1
5.6となりS8ではNoと判定され、変動S(i)の最
大値は図12から約23〜30程度と読みとられS11
でYesと判定されるわけである。
【0039】次に吸気弁吹き抜けを起こしたシリンダの
特定を行う。具体的には、シリンダごとの排気圧平均値
AV(i)を比較し、最大のPAV(i)を示すシリンダの次
に点火されるシリンダ(図11では第1シリンダ)を、
吸気弁吹き抜けが起こったシリンダであると特定する
(S13)。吸気弁吹き抜けが起こると、そのシリンダ
の燃焼行程において燃焼ガスが吸気管に漏れ出し、その
ときに吸入行程にあるシリンダに吸入されるためそのシ
リンダの排気圧力が低くなる。そして、この影響を全く
受けないトラブルシリンダ直前のシリンダの排気圧力が
高くなるからである。図7のグラフでは、第4シリンダ
の排気圧力が高くなっていることから、第4シリンダが
吸入行程にあるときに燃焼行程にあるシリンダ、即ち、
第1シリンダで吸気弁吹き抜けが起こっていると判定さ
れる。
【0040】尚、吸気弁吹き抜けは、その性質上同一の
シリンダで毎サイクル起こる場合がほとんどである。図
7、図11でも、第1シリンダは毎サイクル吸気弁吹き
抜けを起こしている。吸気弁吹き抜けシリンダの特定が
なされると、その判定結果を出力して(S18)、S1
へ戻り次のサイクルの測定に備える。
【0041】S11でS(i)の最大値≧Ds×N3であ
った場合には(S11:No)、ガスエンジン28のト
ラブルは失火でも吸気弁吹き抜けでもないと判断される
ので排気弁吹き抜け判定ルーチン20により、故障が排
気弁吹き抜けであるか否かの判断を行う。このため、S
4で算出した隣接するシリンダ間での排気圧平均値の変
動S(i)を比較し、変動S(i)の最大値と最小値(負の
最大値)とが隣接しているか否かを判断する(S1
4)。ガスエンジン28の故障のうちでも特に排気弁吹
き抜けの場合には、変動S(i)の最大値と最小値とが、
後述する理由により点火順序の隣接するシリンダ間で発
生するからである。
【0042】従って、変動S(i)の最大値と最小値とが
隣接している場合には(S14:Yes)、ガスエンジ
ン28に排気弁吹き抜けが起こったものと判定する(S
15)。排気弁吹き抜けが起こった状態での排気圧波形
を図8に示す。排気弁吹き抜けにより、排気圧波形が乱
れていることが示されている。この状態での、S2で算
出されたシリンダごとの排気圧平均値PAV(i)とS4で
算出した隣接するシリンダ間での排気圧平均値の変動S
(i)とを、正常状態と比較しつつ図13、図14のグラ
フに示す。正常状態と異なり、排気圧平均値PAV(i)と
変動S(i)とが変化している。この状態で、標準偏差D
を算出すると約35.7となりS8ではNoと判定さ
れ、また変動S(i)の最大値は図14から約50〜70
程度と読みとられS11でもNoと判定される。そし
て、図14から、変動S(i)の最大値と最小値とが隣接
していると判断され、S14でYesと判定されるわけ
である。
【0043】次に排気弁吹き抜けを起こしたシリンダの
特定を行う。具体的には、最大の変動S(i)を示したシ
リンダを(図14では第1シリンダ)を、排気弁吹き抜
けが起こったシリンダであると特定する(S16)。排
気弁吹き抜けが起こると、そのシリンダの燃焼行程にお
いて燃焼ガスが排気管に漏れ出し、そのときに排気行程
にあるシリンダの排気圧力が高くなる一方、排気弁吹き
抜けが起こったシリンダの排気行程における排気圧力上
昇が小さいからである。図14のグラフでは、第4シリ
ンダにおいて変動S(i)の最小値が示され、続く第1シ
リンダにおいて変動S(i)の最大値が示されていること
から、第1シリンダで排気弁吹き抜けが起こっていると
判定される。図8のグラフを見ると、第1シリンダが燃
焼行程にあるときに排気行程にあるシリンダ、即ち第4
シリンダの排気圧力が特に上昇している一方、排気弁吹
き抜けが起こっている第1シリンダの排気圧力ピークは
小さくなっている。
【0044】尚、排気弁吹き抜けは、その性質上同一の
シリンダで毎サイクル起こる場合がほとんどである。図
8、図14でも、第1シリンダは毎サイクル排気弁吹き
抜けを起こしている。排気弁吹き抜けシリンダの特定が
なされると、その判定結果を出力して(S18)、S1
へ戻り次のサイクルの測定に備える。尚、S14で、変
動S(i)の最大値と最小値とが隣接していない場合には
(S14:No)、ガスエンジン28に起こっている故
障は失火、吸気弁吹き抜け、排気弁吹き抜けのいずれで
もないと判定され(S17)、その判定結果を出力して
(S18)、S1へ戻り次のサイクルの測定に備える。
【0045】かくして、ガスエンジン28に異常が起こ
った場合、その故障の種類及びトラブルの生じたシリン
ダの番号が出力される。従って、その出力結果により、
ガスエンジン28の修理のための必要な交換部品(点火
プラグ等)や作業内容(シリンダヘッドの脱着を要する
か否か等)を予め知り、必要十分な修理作業を効率よく
行うことができる。
【0046】以上詳細に説明したように、本実施例のガ
スエンジン28の故障診断装置によれば、集合排気管3
6に取り付けた排気圧センサ14により、各シリンダの
燃焼後の排気ガスの圧力を計測し、その圧力波形から各
シリンダ毎の排気圧平均値PAV(i)、その標準偏差D、
排気圧平均値の変動S(i)を算出し、これらのデータに
基づいてガスエンジン28に起こっている故障が失火、
吸気弁吹き抜け、排気弁吹き抜けのいずれであるか、及
び故障がどのシリンダで起こっているかを特定する。こ
のため、トラブルの初期段階で故障内容を正確に把握し
て、症状が進行する以前にガスエンジン28に必要十分
な部品交換等の修理を施すことができる。従って、過剰
な部品交換や作業工数を要さず、ガスエンジン28の良
好な状態を維持し、アフターファイア、バックファイア
や機械的損傷の防止、排ガス浄化触媒の長寿命化を図る
ことができる。
【0047】なお、前記実施例は本発明を何ら限定する
ものでなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種
々の変形、改良が可能であることは勿論である。例え
ば、本実施例では、6本の排気パイプ23が1本の集合
排気管36にまとめられた位置に1つの排気圧センサ1
4を取り付けているが、複数のシリンダをいくつかのグ
ループに分け、各グループ毎に1つずつ排気圧センサを
取り付けて本実施例の故障診断装置を備えてもよい。例
えばシリンダ数Nが8以上の多シリンダエンジンにはこ
のような方法が適している。
【0048】また、本実施例は、4サイクルガスエンジ
ンについて説明したが、他の形式のエンジンの場合でも
利用できる。例えば4サイクルガソリンエンジンでは、
4サイクルガスエンジンと同様に、失火、吸気弁吹き抜
け、排気弁吹き抜けといった故障が起こり得るので、本
実施例の故障診断装置が適用できる。ディーゼルエンジ
ンでは、自然着火方式であり点火プラグの劣化による失
火は起こらないが、燃料の供給状態の異常によっては着
火不良が起こり得る。また、吸気弁吹き抜け、排気弁吹
き抜けはガスエンジンと同様に発生し得る。従って、デ
ィーゼルエンジンにも本実施例の故障診断装置が適用で
きる。2サイクルエンジンでは、吸気弁及び排気弁がな
く吸気弁吹き抜け、排気弁吹き抜けといった故障は起こ
らないが、失火は起こり得るので、失火に関しては本実
施例の故障診断装置が適用できる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように本発
明のガスエンジンの故障診断装置によれば、ガス・コー
ジェネレーションシステムで使用されるガスエンジンの
燃焼系のトラブルを初期の段階で確実に検出することに
より、不具合な状態での運転をできるだけ避けると共
に、トラブルの種類及びそのトラブルが発生しているシ
リンダを特定することにより、適切な補修作業の内容を
決定でき点火プラグ等の個別の部品の交換又は清掃時期
を決定することの可能なガスエンジンの故障診断装置を
提供することができる。その結果、効率の悪い状態での
運転を短くし、バックファイアーや機械的損傷を防止
し、排気コンバータの三元触媒の寿命を長くすることが
できガス・コージェネレーションシステム全体の効率を
高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるガスエンジンの故障診
断装置の構成を示すブロック図である。
【図2】ガスエンジンの故障診断装置の作用を示すフロ
ーチャートである。
【図3】ガスエンジンの排気系統を示す概念図である。
【図4】ガス・コージェネレーションシステムの全体構
成を示す概念図である。
【図5】正常時の排気圧力波形を示すグラフである。
【図6】失火発生時の排気圧力波形を示すグラフであ
る。
【図7】吸気弁吹き抜け発生時の排気圧力波形を示すグ
ラフである。
【図8】排気弁吹き抜け発生時の排気圧力波形を示すグ
ラフである。
【図9】失火発生時のシリンダ毎の平均排気圧力を正常
時と比較して示すグラフである。
【図10】失火発生時のシリンダ毎の平均排気圧力の変
動を正常時と比較して示すグラフである。
【図11】吸気弁吹き抜け発生時のシリンダ毎の平均排
気圧力を正常時と比較して示すグラフである。
【図12】吸気弁吹き抜け発生時のシリンダ毎の平均排
気圧力の変動を正常時と比較して示すグラフである。
【図13】排気弁吹き抜け発生時のシリンダ毎の平均排
気圧力を正常時と比較して示すグラフである。
【図14】排気弁吹き抜け発生時のシリンダ毎の平均排
気圧力の変動を正常時と比較して示すグラフである。
【符号の説明】
11 CPU 14 排気圧センサ 16 排気圧サンプリングプログラム 17 故障判定プログラム 18 失火判定ルーチン 19 吸気弁吹き抜け判定ルーチン 20 排気弁吹き抜け判定ルーチン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01M 15/00 G01M 15/00 Z (56)参考文献 特開 平4−76250(JP,A) 特開 平5−71408(JP,A) 特開 平3−282346(JP,A) 特開 平5−157000(JP,A) 特開 平5−296101(JP,A) 特開 平5−26778(JP,A) 特開 平3−115753(JP,A) 特公 昭5−34504(JP,B1) 特表 平4−501157(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 45/00 F01L 3/24 F02B 77/08 F02M 21/02 G01M 15/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コージェネレーションシステムで発電機
    に連結されて使用される複数のシリンダを有するエンジ
    ンの稼働状態を検出する故障診断装置において、 前記エンジンの排気圧力を計測する排気圧センサと、 前記排気圧センサが計測した排気圧力を、複数のシリン
    ダのうち1つの点火タイミングを基準として所定の間隔
    各シリンダ毎に1サイクル分サンプリングする排気圧
    サンプリング手段と、 前記排気圧サンプリング手段がサンプリングした値に基
    づき各シリンダ毎の排気圧平均値を排気圧代表値として
    算出する代表値算出手段と、 前記代表値算出手段が算出した各シリンダの排気圧代表
    値の標準偏差をばらつきとして算出するばらつき算出手
    段と、 前記ばらつき算出手段が算出したばらつきに基づき前記
    エンジンの故障の有無及びその種類を判定する故障判定
    手段とを有することを特徴とするエンジンの故障診断装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載するものにおいて、前記故障判定手段が、前記ばらつき算出手段に算出され
    たばらつきを所定の故障有無判定しきい値と比較し、故
    障有無判定しきい値より大きいときに前記エンジンに故
    障があると判定する故障有無判定手段を含む ことを特徴
    とするエンジンの故障診断装置。
  3. 【請求項3】 求項2に記載するものにおいて、 前記故障判定手段が、前記故障有無判定手段により故障
    があると判定された場合に、前記ばらつきを所定の失火
    判定しきい値と比較し、失火判定しきい値より大きいと
    きに前記エンジンの故障が失火であると判定する失火判
    定手段を含むことを特徴とするエンジンの故障診断装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載するものにおいて、前記代表値算出手段が算出した各シリンダの排気圧代表
    値に基づいて、点火順序が隣接する当該シリンダと当該
    シリンダの直前のシリンダとの間での代表値の変動を算
    出する変動算出手段を有し、 前記故障判定手段が、前記失火判定手段によりエンジン
    の故障が失火であると判定された場合に、前記変動算出
    手段が算出した変動に基づき、最大の変動を示す当該シ
    リンダを失火が起こったシリンダであると特定する失火
    シリンダ特定手段 を含むことを特徴とするエンジンの故
    障診断装置。
  5. 【請求項5】 請求項に記載するものにおいて、 前記代表値算出手段が算出した各シリンダの排気圧代表
    値に基づいて、点火順序が隣接するシリンダ間での代表
    値の変動を算出する変動算出手段を有し、 前記故障判定手段が、前記失火判定手段によりエンジン
    の故障が失火でないと判定された場合に、前記変動算出
    手段が算出した変動の最大値を所定の吸気弁吹き抜け判
    定しきい値と比較し、吸気弁吹き抜け判定しきい値より
    小さい場合に前記エンジンの故障が吸気弁吹き抜けであ
    ると判定する吸気弁吹き抜け判定手段を含むことを特徴
    とするエンジンの故障診断装置。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載するものにおいて、前記故障判定手段が、前記失火判定手段によりエンジン
    の故障が失火でないと判定された場合に、前記変動算出
    手段が算出した変動の最大値を所定の吸気弁吹き抜け判
    定しきい値と比較し、吸気弁吹き抜け判定しきい値より
    小さい場合に前記エンジンの故障が吸気弁吹き抜けであ
    ると判定する吸気弁吹き抜け判定手段 を含むことを特徴
    とするエンジンの故障診断装置。
  7. 【請求項7】 請求項5または請求項6に記載するもの
    において、 前記故障判定手段が、前記吸気弁吹き抜け判定手段によ
    りエンジンの故障が吸気弁吹き抜けであると判定された
    場合に、前記代表値算出手段が算出した代表値に基づ
    き、最大の代表値を示すシリンダの直後のシリンダを吸
    気弁吹き抜けが起こったシリンダであると特定する吸気
    弁吹き抜けシリンダ特定手段を含むことを特徴とするエ
    ンジンの故障診断装置。
  8. 【請求項8】 請求項5ないし請求項7に記載するもの
    において、 前記故障判定手段が、前記吸気弁吹き抜け判定手段によ
    りエンジンの故障が吸気弁吹き抜けでないと判定された
    場合に、前記変動算出手段が算出した変動に基づき、
    火順序が隣接する当該シリンダと当該シリンダの直前の
    シリンダとの間で、当該シリンダの直前のシリンダの変
    動が最小値を示し、当該シリンダの変動 が最大値を示し
    ている場合に前記エンジンの故障が排気弁吹き抜けであ
    ると判定する排気弁吹き抜け判定手段を含むことを特徴
    とするエンジンの故障診断装置。
  9. 【請求項9】 求項8に記載するものにおいて、前記
    故障判定手段が、前記排気弁吹き抜け判定手段によりエ
    ンジンの故障が排気弁吹き抜けであると判定された場合
    に、前記変動算出手段が算出した変動に基づき、変動の
    最大値を示す当該シリンダを排気弁吹き抜けが起こった
    シリンダであると特定する排気弁吹き抜けシリンダ特定
    手段を含むことを特徴とするエンジンの故障診断装置。
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