JP3318248B2 - 画質改善装置及び記録媒体 - Google Patents

画質改善装置及び記録媒体

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JP3318248B2 JP35647797A JP35647797A JP3318248B2 JP 3318248 B2 JP3318248 B2 JP 3318248B2 JP 35647797 A JP35647797 A JP 35647797A JP 35647797 A JP35647797 A JP 35647797A JP 3318248 B2 JP3318248 B2 JP 3318248B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、テレビカメラや
スキャナによって入力された画像のノイズの低減を行な
うことにより、画質を改善した画像を生成する画質改善
方法および画質改善装置及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来においては、例えば特開平8−31
7255号公報に、画像からノイズ低減する画質改善方
法が提案されている。
【0003】この画質改善方法では、まず、入力画像の
各画素について、各画素とその近傍の画素から画素値の
平均と分散の値を求める。次に、その平均の値を対応す
る画素の画素値とする平均値画像と、その分散の値を対
応する画素の画素値とする分散画像とを生成する。そし
て、その分散画像の画素値に応じて、入力画像の対応す
る画素値と平均値画像の対応する画素値との差を強調し
た値をその対応する画素値とする画質改善画像を生成す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術で示した画
質改善方法では、以下のような課題がある。 (1)分散等の統計量を求める際の計算量が多い。 (2)分散画像の画素値に応じた画像の強調を行う際の
しきい値を決定するための指針がない。 (3)画像中に小さい黒点(または白点)があった場合
に、その点のコントラストが低下する場合がある。上述
の分散画像を求める際に参照する領域(上記における近
傍の領域)を広くとった場合、分散画像の画素値は入力
画像と平均値画像の上記領域での分散値であるため、小
さい点が存在する部分では分散画像の画素値は小さい値
になってしまう。したがって、分散画像の画素値に応じ
て平均値画像に足し込まれる入力画像の対応する画素値
と平均値画像の対応する画素値との差を強調した値も小
さくなり、上述の小さい点の部分のコントラストが低下
してしまう。
【0005】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、強いノイズ除去効果を少ない計算量でかつ少な
い誤動作にて得ることができる画質改善装置及び記録媒
体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の画質改
善装置は、複数の画素からなる第1画像の少なくとも改
善対象部分の画質を改善する画質改善装置であって、前
記改善対象部分に存在する各画素に対して、該画素を含
む該画素の近傍の領域内の画素値の最大値、最小値及び
平均値を求める演算手段と、前記改善対象部分に存在す
る各画素に対して、前記最大値と前記最小値の差がノイ
ズレベルに対応して決められたしきい値以下または該し
きい値よりも小さい場合に画素値を前記平均値に変換
し、それ以外の場合に実際に入力された画素値のままと
する画質改善手段と、前記第1画像とは異なる第2画像
を用いてノイズレベルを検出し、該ノイズレベルに応じ
て前記しきい値を算出するしきい値演算手段とを有して
なり、該しきい値演算手段は、前記第1画像と第2画像
の差をとり差画像を生成する差画像生成手段と、前記差
画像の標準偏差を求めることにより画像中に含まれるノ
イズ成分の標準偏差を求める標準偏差演算手段と、前記
標準偏差に基づきしきい値を求めるしきい値算出手段と
を有してなり、前記標準偏差演算手段は、前記差画像の
ヒストグラムを生成するヒストグラム生成手段と、前記
ヒストグラムのピークとなる画素値x2、画素値x2か
ら前記ヒストグラム上の最大の画素値までの画素数の総
和A、および、画素値x2から画素値の大きくなる方向
に画素数を加算していき、その加算値が上記画素数の総
和Aの1/2に最も近くなる画素値x1を求め、標準偏
差σを、σ=(x1−x2)/0.67なる式によって
求める標準偏差算出手段と、を有するものである。
【0007】
【0008】
【0009】請求項に記載の画質改善装置は、請求項
に記載の画質改善装置において、前記第2画像は、前
記第1画像をその画素ピッチの整数倍だけずらした画像
であるものである。
【0010】請求項に記載の画質改善装置は、請求項
に記載の画質改善装置において、前記第2画像は、同
一撮像装置により短い時間間隔で前記第1画像とともに
撮像された画像であるものである。
【0011】請求項に記載の画質改善装置は、請求項
に記載の画質改善装置において、前記第2画像は、イ
メージシフト動作によって前記第1画像とともに得られ
た画像であり、前記演算手段及び前記画質改善手段は、
前記第2画像の改善対象部分の画質をも改善するもので
ある。
【0012】請求項に記載の画質改善装置は、請求項
に記載の画質改善装置において、前記画質改善手段に
て出力される画素値が該当画素の画素値または平均値の
どちらの値を使用しているのかをフラグ情報として記録
するフラグ情報記録手段と、少なくとも画質改善後の前
記第1画像及び前記第2画像を合成することで1枚の画
像を得る際に、前記第1画像及び前記第2画像からは得
られない虚画素を、前記フラグ情報を参照して補間する
補間手段と、を有するとともに、前記補間手段は、補間
画素の周囲の画素の内、画素値として平均値を用いてい
るものの個数が所定値以上の場合に、前記補間の画素値
をそれに隣接するいずれかの画素の画素値とするもので
ある。
【0013】
【0014】
【0015】請求項に記載の画質改善プログラムを記
憶した記録媒体は、複数の画素からなる第1画像の少な
くとも改善対象部分の画質を改善する画質改善プログラ
ムを記憶した記録媒体であって、前記画質改善プログラ
ムは、コンピューターに、請求項1ないし5のいずれか
一項に記載の画質改善装置による画質改善方法を実行さ
せるものである。
【0016】
【発明の実施形態】(実施の形態1)以下、実施の形態
1の画質改善装置について、図1を用いて説明する。図
1は、この実施の形態1における画質改善装置の構成を
示す構成図である。
【0017】図1において、1は入力画像記憶手段、2
は領域情報抽出手段、3は最小値算出手段、4は最大値
算出手段、5は平均値算出手段、6はノイズレベル算出
手段、7はしきい値算出手段、8は画質改善手段、9は
画質改善画像記憶手段、10は画像アドレス管理手段を
それぞれ示している。なお、最小値算出手段3,最大値
算出手段4,平均値算出手段5は請求項における演算手
段を、ノイズレベル算出手段6、しきい値算出手段7は
請求項におけるしきい値演算手段を構成している。ま
た、請求項における標準偏差演算手段は、後述する標準
偏差算出手段106及びヒストグラム生成手段105か
ら構成されている。
【0018】同図において、入力画像記憶手段1に記憶
される画像は水平X画素×垂直Y画素のモノクロ画像と
する。ただし、入力画像記憶手段1では、2枚の画像を
記憶するものとする。
【0019】この図1に示した画質改善装置では、記憶
された2つの画像(画像1,画像2)の内の画像1の各
画素について、その画素及び近傍の画素の画素値から最
大値,最小値,平均値を算出する。また、2つの画像の
両方を用いてノイズレベル(しきい値)を抽出する。そ
して、画像1の各画素について、算出した最大値と最小
値の差が上記しきい値を越える(またはしきい値以上
の)場合は該当画素の画素値を実際の画素値のままと
し、算出した最大値と最小値の差が上記しきい値以下
(またはしきい値より小さい)場合は該当画素の値を上
記平均値とする。以下に、この処理ついて説明するが、
まず図1の画質改善装置の各構成要素を説明する。
【0020】なお、ここでは、入力画像記憶手段1にお
ける1枚目(画像1)と2枚目(画像2)の画像中の座
標(i,j)における画素値をそれぞれI1(i,
j)、I2(i,j)(0≦i<X、0≦j<Y)で表
すことにする。また、画質改善画像記憶手段9で記憶す
る画像改善された画像中の座標(i,j)における画素
値をO(i,j)(0≦i<X、0≦j<Y)で表すこ
とにする。
【0021】入力画像記憶手段1は、例えば2画面分の
記憶容量をもつメモリであり、1画面分の画像を記憶す
る2つのメモリ(画像1記憶領域101,画像2記憶領
域102)を有している。
【0022】領域情報抽出手段2は、上記入力画像記憶
手段1より特定の領域の画素値を読み出してくる手段で
ある。具体的には、画像1における各画素について順
に、その画素及びその近傍の画素を読み出す。以下、各
画素について読み出される該当画素とその近傍の画素か
らなる領域を、単に画素領域と称する。
【0023】最小値算出手段3は、上記領域情報抽出手
段2により読み出された画素領域内でもっとも小さい値
となる画素値を求める。
【0024】最大値算出手段4は、上記領域情報抽出手
段2により読み出された画素領域内でもっとも大きい値
となる画素値を求める。
【0025】平均値算出手段5は、上記領域情報抽出手
段2により読み出された画素領域内における画素の値の
平均値を求める。
【0026】ノイズレベル算出手段6は、上記入力画像
記憶手段1中の画像1記憶領域101、画像2記憶領域
102に記憶されている2枚の画像の差分をとることに
より差画像を生成、さらに上記差画像の標準偏差を求め
る手段である。構成要素としては、差画像生成手段10
4、ヒストグラム生成手段105、標準偏差算出手段1
06を有する。差画像生成手段104は、画像1記憶領
域101の画像と画像2記憶領域102の画像の2枚の
画像についての差分をとった画像(差画像)を生成する
手段である。ヒストグラム生成手段105は、上記差画
像について画素値のヒストグラムを生成する手段であ
る。標準偏差算出手段106は、上記ヒストグラムを利
用して画像中に含まれるノイズ成分の標準偏差を算出す
る手段である。
【0027】しきい値算出手段7は、上記ノイズレベル
算出手段6により求めた標準偏差の値を参照して画質改
善手段8で使用するしきい値を算出する手段である。
【0028】画質改善手段8は、上記最小値算出手段
3、最大値算出手段4、平均値算出手段5、しきい値算
出手段7よりそれぞれ求めた領域内の最小値、領域内の
最大値、領域内の平均値、2枚の画像のノイズレベルに
依存するしきい値より、画質改善画像の画素値を決定す
る手段である。
【0029】画質改善画像記憶手段9は、例えば1画面
分の記憶容量をもつメモリであり、図1の場合には画像
1を画質改善した後の画像を記憶する。
【0030】画像アドレス管理手段10は、上記領域情
報抽出手段2と画質改善手段8において、それぞれ入力
画像記憶手段1、画質改善画像記憶手段9へアクセスす
る際の画像の座標を与える手段である。
【0031】次に、本画質改善装置の動作を、図1を参
照して説明する。入力画像記憶手段1には、例えば、図
示しない撮像装置により入力された連続した2フレーム
(通常1/30秒の時間間隔)のモノクロ画像が記憶さ
れているものとする。この場合、上記2枚の画像は空間
的にほぼ等しい位置で撮像された画像とみなすことがで
きる。例えば、画像1記憶領域101に上記2フレーム
中の1フレーム目の画像が、画像1記憶領域101に2
フレーム目の画像が記憶されるとする。記憶された2枚
の画像は、上記領域情報抽出手段2と上記ノイズレベル
算出手段6により読み出される。
【0032】画像アドレス管理手段10は、上記領域情
報抽出手段2での該当画素(領域の中心の画素)の座標
を与える。また、上記画質改善手段8の出力を上記画質
改善画像記憶手段9に書き込む際の座標を与える。ま
た、この画像アドレス管理手段10は、記憶された入力
画像の1枚目I1(i,j)、画質改善画像O(i,
j)について、i(0≦i<X),j(0≦j<Y)に
ついてのすべての組み合わせを実現するようにi、jの
走査を行う。これにより、画像中の全画素について画質
改善が行われる。
【0033】上記領域情報抽出手段2は、画像アドレス
管理手段10より与えられる座標をもとに、特定の領域
の複数画素を入力画像記憶手段1に記憶されている2枚
の画像のうちの1枚目の画像の画素情報を画像1記憶領
域101より読み出す。
【0034】図4を参照して、その動作の具体例を説明
する。図4において、PH,PVはそれぞれ入力画像記
憶手段1に記憶される画像を撮像した固体撮像素子の水
平画素ピッチ、垂直画素ピッチである。また、四角の領
域はそれぞれの画素であることを表わす。画像アドレス
管理手段10より座標(i,j)が与えられた場合、こ
の具体例では図4のハッチング領域の画素の画素値(I
1(i,j),I1(i,j−2),I1(i−1,j
−1),I1(i,j−1),I1(i+1,j−
1),I1(i−2,j),I1(i−1,j),I1
(i+1,j),I1(i+2,j),I1(i−1,
j+1),I1(i,j+1),I1(i+1,j+
1),I1(i,j+2)の計13画素)を読み出し
て、それぞれの画素値を例えばレジスタを使用して記憶
する。
【0035】次に、上記領域情報抽出手段2にて読み出
した画素情報をもとに、最小値算出手段3により最小の
値となる画素値、最大値算出手段4により最大の値とな
る画素値、平均値算出手段5により領域内の全画素につ
いての平均値を求める。平均値mは、以下の(数1)式
により計算する。
【0036】
【数1】
【0037】ノイズレベル算出手段6中の差画像生成手
段104は、上記入力画像記憶手段1の画像1記憶領域
101と画像2記憶領域102に記憶された2枚の画像
の画素値をもとに、画像中のノイズレベルを算出する。
具体的には、上述のI1(i,j)、I2(i,j)を
用いて、両画像の差画像D(i,j)を以下の(数2)
式により計算する。
【0038】
【数2】
【0039】次に、ヒストグラム生成手段105によ
り、上記差画像D(i,j)の画素値についてのヒスト
グラムを作成する。そして、ヒストグラム上でピーク
(最も画素数の多い箇所)となる画素値x2を求める。
続いて、x2からヒストグラム上の最大の画素値までの
画素数の総和Aを求める。次に、x2から画素値の大き
くなる方向に画素数を加算していき、その加算値が上記
画素数の総和Aの1/2のに最も近くなる画素値x1を
求める。
【0040】次に、標準偏差算出手段106により、画
像中に含まれるノイズ成分の標準偏差を求める。ここ
で、標本集団xが母平均μ、母分散σ×σの正規分布で
ある場合の、下記の(数3)式による標準型への変換を
考える。
【0041】
【数3】
【0042】上記の変換を行うことにより、標本集団z
は母平均0、母分散1の標準正規分布となる。ここで、
上記標準正規分布において標本数が最も多くなるピーク
以降の確率密度関数を積分した値が例えば0.25の場
合を考える。この場合、zが0.67となるため、上記
差分画像により表わされるノイズの分布を正規分布とす
ると、下記の(数4)式が成立する。
【0043】
【数4】
【0044】ここで、(数4)式での標準偏差σは、1
画面目の画像と2画面目の画像の差画像より求めてい
る。そこで、2枚の画像が全く等しい撮像位置で撮影さ
れている場合、上記差画像は2枚の画像中のノイズ成分
の差成分をあらわすことになる。したがって、各々1枚
の画像でのノイズ成分の標準偏差σ2を求めるには、上
記差画像で表われるノイズ成分が実効値となるので以下
の式で求めることができる。
【0045】
【数5】
【0046】上記(数5)式より、1枚の画像単体につ
いてのノイズ成分の標準偏差σ2を求めることができ
る。
【0047】ここで、上記のようにヒストグラムを使用
してノイズ成分の標準偏差を求める方法の利点について
述べる。例えば、2枚の画像にわずかに相対的な撮像位
置のずれがある場合を考える。上記2枚の画像の差画像
のノイズ成分の標準偏差を求める方法としては例えば仮
平均を使用して求める方法が公知であるが、この方法で
は2枚の画像の相対的な撮像位置がずれているために元
の画像のエッジ部分に差画像でもエッジが表われてしま
い、標準偏差を求める際の誤差要因となる。ここで、ヒ
ストグラムを使用した場合は、差画像に表われたエッジ
はヒストグラムの両端(最大となる画素値と最小となる
画素値)の近傍に現れることになる。したがって、ヒス
トグラムのピーク近辺の形状を参照して標準偏差を求め
る本発明の手法では、上記エッジによる誤差の影響は少
なくなるいう利点がある。
【0048】上記ノイズレベル算出手段6で求めた標準
偏差σ2の値を使用して、上記しきい値算出手段7では
画質改善手段8で使用するしきい値Tを算出する。具体
的には、しきい値Tは以下の(数6)式により求める。
【0049】
【数6】
【0050】ここでk=6としているのは、誤動作によ
る画質劣化とノイズ除去効果のトレードオフのためであ
る。(統計的なノイズ除去率約99.7%)ここで、誤
動作による画質劣化を少なくしたい場合には例えばk=
2(統計的なノイズ除去率約68.3%)のようにkの
値として6より小さい値を使用すれば良い。また、平滑
化効果を高めたい場合はk=10(ノイズ除去率100
%)のようにkの値として6より大きい値を使用すれば
よい。
【0051】上記画質改善手段8は、以上の構成要素で
求めた、領域内の最小値・最大値・平均値、および、1
枚の画像についてのノイズ成分の標準偏差σ2から求め
たしきい値Tを用いて、画質改善画像を生成する。具体
的には、上記領域情報内の最大値から最小値を減じた値
が上記しきい値Tよりも大きい場合は、該当画素(画像
アドレス管理手段10により与えられた座標の画素)の
画素値として領域情報抽出手段2で得られた画素群の中
央に位置する画像の値をそのまま使用する。また、上記
領域情報内の最大値から最小値を減じた値が上記しきい
値T以下の場合は、該当画素の画素値として上記平均値
算出手段5で得られた平均値を使用する。このようにし
て得られた該当画素の画素値は、画質改善画像記憶手段
9の画像アドレス管理手段10より与えられる座標に対
応するアドレスに書き込まれる。
【0052】本実施の形態における画質改善手段によれ
ば、しきい値を求める際にヒストグラムを使用してお
り、分散等の統計量を求めることに比べ乗除算をほとん
ど使用しないため、計算量を少なくすることができる。
また、画像のノイズレベルを求めそこからしきい値を決
定しているため、画像の撮像状況に応じたレベルのノイ
ズ除去が可能となる。また、領域内に特異な画素(例え
ば画像中に小さい黒点(または白点)がある場合等)が
あった場合でも、その点のコントラストが低下する等の
誤動作がないという効果がある。
【0053】なお、本実施の形態では、画質改善される
画像を入力画像記憶手段1の1枚目の画像としたが、2
枚目の画像を対象として同様の処理を行ってもよい。
【0054】また、本実施の形態では、領域情報抽出手
段2において領域の形状を菱形にしているが、正方形・
長方形等の他の形状の領域を用いてもよい。また、領域
の大きさもこれに限るものではない。
【0055】さらに、本実施の形態では差分画像のピー
クを求める際に、もっとも標本数の多い画素値をピーク
としたが、誤動作をさけるためにヒストグラム上の近傍
の複数画素値の画素数の和によりピークを求めてもよ
い。この場合は、ヒストグラムが平滑化されるため標本
数が少ない場合等の理由による誤動作を少なくすること
ができる。
【0056】また、本実施の形態ではモノクロ画像を対
象としているが、カラー画像を対象とした場合において
も、RGBそれぞれの画像に対して本発明の画質改善処
理を行えばよい。また、輝度・色差信号からなる画像情
報の場合についても同様である。
【0057】(実施の形態2)図2は、本発明に係る画
質改善装置の実施の形態2を示す構成図であって、図中
実施の形態1を示す図1と同一構成部分は同一符号をも
って表し、その説明を省略する。
【0058】本実施の形態の画質改善装置が実施の形態
1の画質改善装置と異なっているのは入力画像記憶手段
21,ノイズレベル算出手段22の部分である。その他
の部分の動作は、実施例1の場合と同様であるため説明
を省略する。
【0059】入力画像記憶手段21は、例えば1画面分
の記憶容量をもつメモリであり、画像記憶領域107を
有している。この画像記憶領域107は、図示しない撮
像装置により入力された1フレームのモノクロ画像が記
憶されているものとする。記憶された画像は、上記領域
情報抽出手段2と上記ノイズレベル算出手段22により
読み出される。
【0060】なお、入力画像記憶手段21における画像
中の座標(i,j)における画素値をI(i,j)(0
≦i<X,0≦j<Y)で表すことにする。
【0061】ノイズレベル算出手段22は、上記入力画
像記憶手段21に記憶されている1枚の画像とその1枚
の画像を右に1画素ずらした画像の2枚の画像の差分を
とることにより差画像を生成、さらに上記差画像の標準
偏差を求める。このノイズレベル算出手段22は、差画
像生成手段108、ヒストグラム生成手段105、標準
偏差算出手段106を有している。差画像生成手段10
8は、画像記憶領域107の画像とその画像を右に1画
素シフトした画像との差分をとった画像(差画像)を生
成する。ヒストグラム生成手段105は、上記差画像に
ついてのヒストグラムを生成する。標準偏差算出手段1
06は、上記ヒストグラムを利用して画像中に含まれる
ノイズ成分の標準偏差を算出する。
【0062】差画像生成手段108は具体的には、上述
のI(i,j)を用いて、両画像の差分画像D(i,
j)を以下の(数7)式により計算する。
【0063】
【数7】
【0064】次に、ヒストグラム生成手段105は上記
差分画像D(i,j)のヒストグラムを作成する。その
後の処理については実施の形態1と同じであるため説明
を省略する。
【0065】本実施の形態における画質改善手段によれ
ば、しきい値を求める際にヒストグラムを使用してお
り、分散等の統計量を求めることに比べ乗除算をほとん
ど使用しないため、計算量を少なくすることができる。
また、ノイズレベルを求めそこからしきい値を決定して
いるため、画像の撮像状況に応じたレベルのノイズ除去
が可能となる。また、領域内に特異な画素(例えば画像
中に小さい黒点(または白点)がある場合等)があった
場合でも、その点のコントラストが低下する等の誤動作
がないという効果がある。また、1フレームの画像のみ
を使用してノイズレベルを求めているため、入力画像記
憶段21の記憶容量を特別に増やす必要がないという利
点がある。
【0066】本実施の形態において、差分画像を求める
際に原画像と原画像を右に1画素ずらした画像との間で
の演算を行ったが、上、下、左、または斜めに動かす構
成としてもよい。
【0067】また、本実施の形態ではモノクロ画像を対
象としているが、カラー画像を対象とした場合において
も、RGBそれぞれの画像に対して本発明の画質改善処
理を行えばよい。また、輝度・色差信号からなる画像情
報の場合についても同様である。
【0068】(実施の形態3)図3は、本発明の実施の
形態3の画質改善装置を示す構成図であって、図中実施
の形態1を示す図1と同一構成部分は同一符号をもって
表し、その説明を省略する。
【0069】本実施の形態が実施の形態1と異なるのは
入力画像記憶手段31、領域情報抽出手段32、画質改
善手段33、画質改善画像記憶手段34、画像アドレス
管理手段35、フラグ情報記憶手段36、イメージシフ
ト補間手段37、光量補正手段38の部分である。その
他の部分の動作は、実施の形態1の場合と同様であるた
め説明を省略する。なお、本実施の形態の画質改善装置
は、イメージシフト動作により生成された2フレームの
画像の両方から改善画像を形成するものである。
【0070】以下、本実施の形態の画質改善装置の動作
について説明する。入力画像記憶手段31は、例えば2
画面分の記憶容量をもつメモリであり、イメージシフト
機構をもつ撮像装置により入力された2フレームのモノ
クロ画像を記憶する。この入力画像記憶手段31は、画
像1記憶領域109と画像2記憶領域110を有してい
る。記憶された画像は、上記領域情報抽出手段32と上
記ノイズレベル算出手段6により読み出される。ここ
で、上記イメージシフト機構としては、例えば本出願人
が先に出願した特願平8−8628公報に記載の機構が
使用できる。
【0071】ここでは、イメージシフトの例としてCC
Dの水平画素ピッチをPH、垂直画素ピッチをPVとし
た場合において、1枚目の画像に対して2枚目の動きベ
クトル[0.5×PH,0.5×PV]となる空間的な
撮像位置で撮像されるイメージシフトを行う場合につい
て説明する。図5はイメージシフト動作を説明する図で
ある。
【0072】図5において、PH,PVはそれぞれ撮像
に使用した撮像素子の水平方向の画素ピッチ、垂直方向
の画素ピッチである。また、図中の四角はそれぞれ画素
を表わしている。また、図では空間的な撮像位置をあわ
せた形にて表現しており、右下がりのハッチングの四角
がイメージシフトでの1枚目の撮像画像であり、右上が
りの四角がイメージシフトでの2枚目の撮像画像であ
る。図中の白抜きの四角は実画素として存在していない
画素(補間画素)を示している。なお、図中のS(x,
y)は座標(x,y)に対応する画素を示している。
【0073】なお、以下では入力画像記憶手段31にお
ける画像中の座標(i,j)における画素値をそれぞれ
I1(i,j),I2(i,j)(0≦i<X、0≦j
<Y)で表して説明する。
【0074】画像アドレス管理手段35は、上記領域情
報抽出手段32に対して該当画素(領域の中心点の座
標)の座標を与える。また、上記画質改善手段33の出
力を上記画質改善画像記憶手段34に書き込む際の座標
を与える。また、この画像アドレス管理手段35にて、
i(0≦i≦X),j(0≦j≦Y)についてのすべて
の組み合わせを実現するようにi,jの走査を行う。ま
た、本実施の形態の場合には、入力画像記憶手段31上
の2枚の画像についてそれぞれ画質改善画像を作成する
ので、上記i,jの走査を2枚の画像I1(i,j),
I2(i,j)についてそれぞれ行う。以上により、2
枚の画像中の全画素について画質が改善される。
【0075】領域情報抽出手段32は、画像アドレス管
理手段35より与えられる1枚目または2枚目の画像の
どちらにアクセスするかの情報と画像の座標情報をもと
に、上記入力画像記憶手段31より特定の領域の画素値
を読み出す。ここで、特定領域とは画像アドレス管理手
段35により指定された該当画素とその近傍の画素から
なる領域である。
【0076】領域情報抽出手段32により読み出された
画素値は最小値算出手段3,最大値算出手段4,平均値
算出手段5に入力される。これらは上記特定領域におけ
る画素値の最小値,最大値,平均値の算出を行い、画質
改善手段33に出力する。
【0077】一方、ノイズレベル算出手段6,しきい値
算出手段7は、実施の形態1で示した手法によりしきい
値を算出し、画質改善手段33に出力する。
【0078】画質改善手段33は、上記特定の領域内の
画素値の最小値,最大値,平均値およびしきい値を用い
て、画質改善画像を生成する。アルゴリズムについて
は、実施の形態1の場合と同様であるため説明を省略す
る。そして、上記画質改善手段33で得られた該当画素
の画素値は、画質改善画像記憶手段34の画像アドレス
管理手段10より与えられるフレーム・座標に対応する
アドレスに書き込まれる。
【0079】画質改善画像記憶手段34は、水平(2×
X)画素×垂直(2×Y)画素の記憶領域を持つメモリ
であり、イメージシフト補間手段37によりアクセスさ
れて、記憶したノイズ除去後のイメージシフトで得られ
た2枚の画像に対して、イメージシフト合成画像を作成
する際に実画素として存在していない画素(虚画素)に
対して補間が行われる。
【0080】本実施の形態では、イメージシフト補間手
段37が画質改善手段33での処理を利用することで少
ない計算量で補間を行う。この処理について以下に詳細
に説明する。
【0081】補間前において画質改善画像記憶手段34
に記憶された画質改善画像は、画質改善手段33の処理
を受けており、特定領域の平均値を画素値として持つ画
素と、実際に撮像された値を画素値としてもつ画素が混
在したものとなる。ここで、特定領域の平均値を画素値
としてもつ画素は、その画素を中心とする領域内におけ
る画素値の差が小さい画素である。したがって、このよ
うな平均値を画素値として有する画素により略囲まれて
いるような画素(虚画素)は、その取り囲む画素と略同
一の画素値を有していると考えて良い。本実施の形態で
は、このような考えに基づき、上記のような条件を満た
す画素(虚画素)の画素値を単に隣接する実画素の画素
値で表現することで、補間処理に要する計算量を減少さ
せる。
【0082】具体的には、画質改善手段33が画質改善
画像の画素値として該当画素の画素値,領域の平均値の
どちらを出力したかについてフラグ情報記憶手段36に
フラグ情報として記録するようにしている。例えば、該
当画素の画素値(中心画素値)として出力した場合は
0、平均値として出力した場合は1というようにビット
情報として、上記フラグ情報記憶手段36の図示しない
フラグ情報記憶領域に記録する。フラグ情報記憶手段3
6は、例えば2×X×Yビットの容量を持つメモリであ
る。上記画質改善手段33により、フラグ情報を書き込
まれる。
【0083】そして、イメージシフト補間手段37が、
実画素として存在していない画素S(x,y)について
その周囲4画素(実画素)に対応するフラグ情報を上記
フラグ情報記憶手段36より読み出し、フラグ情報のう
ち3箇所以上が1である場合(つまり3箇所以上が平均
値の画素値を有している場合)はニアレストネイバー補
間により画素補間を行う。すなわち、画素S(x,y)
の値としては、例えば画素S(x−1,y)における画
素値を用いる。周囲4画素に対応するフラグ情報のうち
3箇所未満が1である場合は以下の(数8)を計算する
ことにより補間画素の値を求める。
【0084】
【数8】
【0085】以上のアルゴリズムで計算された補間画素
は、画質改善画像記憶手段34中の上記座標S(x,
y)に対応するアドレスに記録される。
【0086】また、画質改善画像手段34に記憶された
画質改善画像は、光量補正手段38により、イメージシ
フトで撮像された2枚の画像の光量差および補間により
生じた画質劣化が補正される。この光量縫製手段38は
フィルタからなり、イメージシフト画像に対する補間処
理が終了してから、画質改善画像記憶手段34より補間
後の画像を読み出し光量補正を施し、再び画質改善画像
記憶手段34に記録する。
【0087】光量補正手段38は、以下の(数9)式を
計算することによりことにより光量補正を実現する。こ
こで、S(x,y)は、上記イメージシフト補間手段3
7による補間処理後の補間画像であるとする。したがっ
て、水平(2×X)画素×垂直(2×Y)画素の画像に
対する処理を行う。
【0088】
【数9】
【0089】以上のようにして、イメージシフト画像に
対しても、ノイズ除去による画質改善およびイメージシ
フト合成処理の演算量を削減することができる。この種
のイメージシフト合成処理の例としては、本出願人より
出願された特願平9−173817公報がある。
【0090】以上説明した本実施の形態における画質改
善装置によれば、しきい値を求める際にヒストグラムを
使用しており、分散等の統計量を求めることに比べ乗除
算をほとんど使用しないため、計算量を少なくすること
ができる。また、ノイズレベルを求めそこからしきい値
を決定しているため、画像の撮像状況に応じたレベルの
ノイズ除去が可能となる。また、領域内に特異な画素
(例えば画像中に小さい黒点(または白点)がある場合
等)があった場合でも、その点のコントラストが低下す
る等の誤動作がない。また、イメージシフト補間処理で
の補間方法についてのフラグ情報を記憶しておくことに
より、計算量の多いイメージシフト補間処理の演算量を
削減することができるという効果がある。また、イメー
ジシフト撮像装置に適用するため、入力画像記憶手段3
1の記憶容量を本処理のためだけに増設する必要がない
という利点がある。
【0091】なお、本実施の形態では、ニアレストネイ
バー補間を補間画素の左の画素から行っているが、上・
下・右の画素から行ってもよい。
【0092】また、本実施の形態ではモノクロ画像を対
象としているが、カラー画像を対象とした場合において
も、RGBそれぞれの画像に対して本発明の画質改善処
理を行えばよい。また、輝度・色差信号からなる画像情
報の場合についても同様である。
【0093】また、本実施の形態では、イメージシフト
補間手段37において実画素として存在していない画素
についてその周囲4画素に対応するフラグ情報を上記フ
ラグ情報記憶手段より読み出し、フラグ情報のうち3箇
所以上が1である場合はニアレストネイバー補間により
画素補間を行う構成としているが、フラグ情報のうち2
箇所以上が1である場合にニアレストネイバー補間を行
う構成としてもよい。
【0094】さらに、本実施の形態では、イメージシフ
トで得られた2枚の画像についての差画像を生成する構
成としているが、イメージシフトで得られる2枚の画像
それぞれに対して実施の形態2の手法を用いてノイズ除
去とフラグ情報の記憶を行い、イメージシフト合成を行
う構成にしても同様の効果を得ることができる。
【0095】なお、以上の実施の形態では、1つの画像
全体の画質を改善する場合について示したが、勿論画像
中の一部分(改善対象部分)のみの画質を改善しても良
い。
【0096】また、以上の実施の形態では、ノイズレベ
ル及びしきい値を算出したが、予め決められた所定値で
あっても構わない。
【0097】さらに、以上の実施の形態では、最大値,
最小値,平均値に基づき画質を改善する例について述べ
たが、本実施の形態で示した算出方法により算出したノ
イズレベル(しきい値)を用いて、各画素の画素値の妥
当性を判断し(例えば、各画素の画素値のその近傍の画
素からの変化量がノイズに起因するものか否かを判断
し)、その結果に基づいて画質を改善するものであって
も良い。
【0098】また、以上の実施の形態で説明した本発明
の画質改善装置による画質改善方法は、画質改善プログ
ラムを用いてコンピュータを動作させることにより実行
されるものであってもよい。この画質改善プログラムは
例えばCD−ROMや磁気テープ等の記録媒体に記録さ
れており、この記録媒体によってコンピュータに供給さ
れるものであってもよいし、また、通信モデムを介して
コンピュータに供給されるものであってもよい。
【0099】
【発明の効果】請求項1に記載の発明では、最大値,最
小値及び平均値を求め、上記最大値と最小値の差としき
い値との比較結果に基づいて、画素値として上記平均値
を使用するかそのままの値を使用するかを決めるだけで
画質の改善を実現できる。つまり、非常に簡単な構成に
より画質の改善が可能である。
【0100】また、他の画像を用いてノイズレベルを求
め、そのノイズレベルによりしきい値を決定する。そし
て、そのしきい値を使用して画質改善を行うことによ
り、誤動作による画質劣化を防ぎ、画像のノイズレベル
に応じた高いノイズ除去効果を得ることができる。
【0101】また、2枚の画像に対する差画像のヒスト
グラムを利用することにより、少ない計算量にて、空間
的な撮像位置の差によるノイズレベル検出誤差を少なく
することができる。
【0102】請求項に記載の発明では、1枚の画像か
ら画質を改善できる。また、1枚分の画像メモリのみ持
てばよいため、画像メモリを特別に追加をすることな
く、誤動作による画質劣化を防ぎ、画像のノイズレベル
に応じた高いノイズ除去効果を得ることが可能となる。
【0103】請求項に記載の発明では、同一の撮像装
置により短い時間間隔にて撮像された2枚の画像を使用
して画質改善を行うことにより、上記2枚の画像を空間
的にほぼ等しい位置で撮像された画像とみなすことがで
き、ノイズレベル検出の際の誤差を少なくすることがで
きる。
【0104】請求項に記載の発明では、イメージシフ
トで得られた2枚の画像を使用して画質改善を行うこと
により、イメージシフト撮像装置に対して画像メモリを
追加することなしに、誤動作による画質劣化を防ぎ、画
像のノイズレベルに応じた高いノイズ除去効果を得るこ
とが可能となる。
【0105】請求項に記載の発明では、イメージシフ
トで得られた2枚の画像を使用して画像に含まれるノイ
ズレベルを求め、そのノイズレベルよりしきい値を決定
し、そのしきい値を使用して画質改善を行うことによ
り、イメージシフト撮像装置に対して画像メモリを追加
することなしに、誤動作による画質劣化を防ぎ、画像の
ノイズレベルに応じた高いノイズ除去効果を得ることが
できる。さらに、イメージシフト補間処理時の補間方法
を記憶しておくことにより画質を劣化すること無しにイ
メージシフト合成処理の演算量を減少することができ
る。
【0106】また、画質を劣化すること無しにイメージ
シフト合成処理の演算量を大幅に減少することができ
る。
【0107】
【0108】請求項に記載の発明では、本発明の画質
改善装置の汎用性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の構成を示すブロック図
である。
【図2】本発明の実施の形態2の構成を示すブロック図
である。
【図3】本発明の実施の形態3の構成を示すブロック図
である。
【図4】図1における領域情報抽出手段の説明図であ
る。
【図5】図3におけるイメージシフト補間手段の説明図
である。
【符号の説明】
1 入力画像記憶手段 2 領域情報抽出手段 3 最小値算出手段 4 最大値算出手段 5 平均値算出手段 6 ノイズレベル算出手段 7 しきい値算出手段 8 画質改善手段 9 画質改善画像記憶手段 10 画像アドレス管理手段

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の画素からなる第1画像の少なくとも
    改善対象部分の画質を改善する画質改善装置であって、 前記改善対象部分に存在する各画素に対して、該画素を
    含む該画素の近傍の領域内の画素値の最大値、最小値及
    び平均値を求める演算手段と、 前記改善対象部分に存在する各画素に対して、前記最大
    値と前記最小値の差がノイズレベルに対応して決められ
    たしきい値以下または該しきい値よりも小さい場合に画
    素値を前記平均値に変換し、それ以外の場合に実際に入
    力された画素値のままとする画質改善手段と、前記第1画像とは異なる第2画像を用いてノイズレベル
    を検出し、該ノイズレベルに応じて前記しきい値を算出
    するしきい値演算手段とを有してなり、 該しきい値演算手段は、 前記第1画像と第2画像の差をとり差画像を生成する差
    画像生成手段と、 前記差画像の標準偏差を求めることにより画像中に含ま
    れるノイズ成分の標準偏差を求める標準偏差演算手段
    と、 前記標準偏差に基づきしきい値を求めるしきい値算出手
    段とを有してなり、 前記標準偏差演算手段は、 前記差画像のヒストグラムを生成するヒストグラム生成
    手段と、 前記ヒストグラムのピークとなる画素値x2、画素値x
    2から前記ヒストグラム上の最大の画素値までの画素数
    の総和A、および、画素値x2から画素値の大きくなる
    方向に画素数を加算していき、その加算値が上記画素数
    の総和Aの1/2に最も近くなる画素値x1を求め、標
    準偏差σを、σ=(x1−x2)/0.67なる式によ
    って求める標準偏差算出手段と、 を有することを特徴と
    する画質改善装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の画質改善装置において、前
    記第2画像は、前記第1画像をその画素ピッチの整数倍
    だけずらした画像であることを特徴とする画質改善装
    置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の画質改善装置において、前
    記第2画像は、同一撮像装置により短い時間間隔で前記
    第1画像とともに撮像された画像であることを特徴とす
    画質改善装置。
  4. 【請求項4】請求項1記載の画質改善装置において、前
    記第2画像は、イメージシフト動作によって前記第1画
    像とともに得られた画像であり、前記演算手段及び前記
    画質改善手段は、前記第2画像の改善対象部分の画質を
    も改善することを特徴とする画質改善装置。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の画質改善装置において、
    前記画質改善手段にて出力される画素値が該当画素の画
    素値または平均値のどちらの値を使用しているのかをフ
    ラグ情報として記録するフラグ情報記憶手段と、少なく
    とも画質改善後の前記第1画像及び前記第2画像を合成
    することで1枚の画像を得る際に、前記第1画像及び前
    記第2画像からは得られない虚画素を、前記フラグ情報
    を参照して補間する補間手段と、を有するとともに、 前記補間手段は、補間画素の周囲の画素の内、画素値と
    して平均値を用いているものの個数が所定値以上の場合
    に、前記補間の画素値をそれに隣接するいずれかの画素
    の画素値とすることを特徴とする 画質改善装置。
  6. 【請求項6】複数の画素からなる第1画像の少なくとも
    改善対象部分の画質を改善する画質改善プログラムを記
    憶した記録媒体であって、 前記画質改善プログラムは、コンピューターに、請求項
    1ないし5のいずれか一項に記載の画質改善装置による
    画質改善方法を実行させることを特徴とする記録媒体。
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