JP3317768B2 - 自立型知能移動体 - Google Patents

自立型知能移動体

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JP3317768B2
JP3317768B2 JP30439393A JP30439393A JP3317768B2 JP 3317768 B2 JP3317768 B2 JP 3317768B2 JP 30439393 A JP30439393 A JP 30439393A JP 30439393 A JP30439393 A JP 30439393A JP 3317768 B2 JP3317768 B2 JP 3317768B2
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准一 金本
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  • Fire-Extinguishing By Fire Departments, And Fire-Extinguishing Equipment And Control Thereof (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自立型知能移動体に係
り、特に、警備用の自立型知能移動体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建物内の所定カ所に設置する消火
設備として、火点を検知して消火剤を噴射する固定型消
火設備がある。この種の固定型消火設備は、消火剤を噴
射する可動の消火ノズルと、火点検知器とを備えてお
り、火点の方向及び距離を測定して、この測定結果を用
いて消火ノズルの噴射方向を火点に向くように変えた
後、消火剤を噴射させる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記の従来
の固定型消火設備は、固定型消火設備を設置した付近の
狭い範囲の消火しかできないという問題がある。また、
消火ノズルの噴射方向を十分な精度で火点に向けて制御
することが難しく、装置が複雑で大形になり、設備のコ
ストが高くなるという問題点がある。
【0004】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
で、所定の経路全体について火点を検出して消火を容易
に行え、かつ、低いコストで実現できる自立型知能移動
体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、所定
の経路を自立して移動する自立型知能移動体において、
上記自立型知能移動体自身の位置から一定距離範囲にあ
る消火範囲に消火剤を噴射する消火手段と、火点を検知
して前記火点までの火点距離を測定する火点検知/測距
手段と、上記火点検知/測距手段により火点が検知され
て火点距離が測定されると、上記火点が上記消火手段の
消火範囲外にある場合には、上記消火範囲の効果中央点
を上記火点に一致させるように上記自立型知能移動体自
身を移動させ、上記火点が上記消火範囲内にある状態
で、上記消火手段に消火剤を噴射させる消火制御手段と
を有する構成とする。
【0006】請求項2の発明では、前記火点検知/測距
手段は所定の測定誤差を有し、前記消火制御手段は、上
記火点検知/測距手段により測定された火点距離に測定
誤差を加算した距離で決まる火点範囲が前記消火手段の
消火範囲外にある場合には、前記消火範囲の効果中央点
を上記火点に一致させるように上記自立型知能移動体自
身を移動させ、上記火点範囲が上記消火範囲内にある状
態で、上記消火手段に消火剤を噴射させる。請求項3の
発明では、前記火点検知/測距手段は、所定間隔で回動
自在に配置された2つの火点検知器を用いて、三角測量
により火点距離を測定する
【0007】
【作用】請求項1及び請求項3の発明では、自立型知能
移動体に一定距離範囲の消火範囲に消火剤を噴射する消
火手段を設け、自立型知能移動体を移動させて火点を上
記消火範囲内に入れてから、消火剤を散布する。このた
め、所定の移動経路全体についての消火活動を可能と
し、また、従来装置と異なり、消火ノズルの難しい方向
制御が必要なく、極めて容易に消火活動を行うことを可
能とする。また、消火ノズルの方向制御のための複雑な
装置を必要とせず、低コストで実現することを可能とす
る。
【0008】請求項2及び請求項3の発明では、測定さ
れた火点距離に測定誤差を加算した距離で決まる火点範
囲が消火範囲内に入るように、自立型知能移動体を移動
させてから、消火剤を散布する。このため、火点検知/
測距手段に比較的大きな測定誤差がある場合でも、確実
に火点を消火範囲に入れて、有効な消火活動を行うこと
を可能とする。
【0009】
【実施例】図1は本発明の第1実施例の警備用移動体
(自立型知能移動体)1の構成図を示す。警備用移動体
(以下、移動体と記す)1は、予め定められた区域を所
定の経路で巡回し、異常事態の発生を図示しない警備セ
ンタに報知するためのものである。
【0010】移動体1は、消火ボンベ4、消火ボンベ4
から消火剤を散布する消火ノズル3、及び消火ノズル3
を制御する消火ノズル制御部6からなる消火手段を備え
る。また、火災検知センサ2、CPU(中央処理装置)
8、記憶部5、走行制御部7を備える。CPU8と、記
憶部5、走行制御部7、火災検知センサ2、及び消火ノ
ズル制御部6とは、バスライン9により接続されてい
る。
【0011】火点検知/測距手段は、火災検知センサ
2、及びCPU8により実行される火点距離の検出処理
(後述)で構成される。また、消火制御手段は、後述す
るCPU8の処理により構成される。
【0012】図2は、消火剤放出範囲の説明図を示し、
図3は、移動体1の上面から見た火災センサ2と消火ノ
ズル3の配置の説明図を示す。消火ノズル3は、移動体
1の前面1aに一定の方向に向けて固定されている。消
火ノズル3の噴射方向は、水平方向から角度G1 だけ下
向きで、かつ、移動体1の正面方向に設定されている。
消火ノズル3からは、円錐状に一定の角度範囲に消火剤
が放出される。
【0013】図2に示すように、消火剤が散布される範
囲は、移動体1の前方の特定された範囲に限定される。
この消火剤が散布される範囲を消火可能範囲とする。移
動体1から消火可能範囲の最も近い点までの距離を消火
マスク距離Lmin とし、移動体1から消火可能範囲の最
も遠い点までの距離を最大消火距離Lmax とする。消火
マスク距離Lmin よりも近くて移動体1に近接した範
囲、及び、最大消火距離Lmax よりも遠い範囲には、消
火剤は散布されない。
【0014】なお、図2の例では、消火マスク距離L
min =100cm、最大消火距離Lma x =300cmで
ある。
【0015】火災検知センサ2は、火点検知器である右
検知部2aと左検知部2b、右検知部2aを回動制御す
る右回動制御部2c、左検知部2bを回動制御する左回
動制御部2dとで構成される。右検知部2a、左検知部
2bは、夫々、回動するパン台に搭載されており、図3
に示すように、所定の間隔D1 で配置されている。この
パン台は、移動体1が巡回のために走行中は、図3の矢
印R1 ,R2 に示すように、左右夫々、別個に回動、走
査し、周辺の火災検出動作を行う。
【0016】なお、右検知部2a、左検知部2bは、上
下方向については、所定の範囲について火災を検出す
る。
【0017】火災検知センサ2は、火災を検出すると、
火災検出信号を出力する。また、右回動制御部2cと左
回動制御部2d夫々は、右検知部2aと左検知部2b夫
々の正面方向からの角度を示す角度信号を出力する。
【0018】火災の検出は、例えば、右検知部2a、左
検知部2bに温度検出器を用いて、右検知部2a、左検
知部2b夫々が向いている方向にある物体の温度を検出
して行う。この場合、火災検知センサ2は、回動、走査
中に、所定温度以上の物体が検出されたときには、火災
であると判断する。温度検出器としては、例えば、サー
モパイルを用いることができる。
【0019】なお、移動体1は、初期火災の消火を目的
としており、初期消火の火点は通常比較的小規模である
ため、火点は広がりを持たないポイントであると仮定で
きる。このため、温度のピークレベルの方向を火点とし
ても支障がなく、容易に火点の方向を検出できる。
【0020】移動体1は、記憶部5(ROMとRAMで
構成される)に、予め巡回区域内を走行するための経路
地図と、動作プログラムを記憶しており、この動作プロ
グラムに従って、巡回、監視を行う。
【0021】図4は、第1実施例で、CPU8の制御下
で実行される移動体1の動作手順を示すフローチャート
である。火点検知/測距手段の測距はステップ108で
実行される。また、消火制御手段は、ステップ109,
111,112,110で構成される。
【0022】移動体1が巡回を開始する(ステップ10
1)と同時に、火災検出センサ2は、上記のように回
動、走査により、周囲の火災検出動作を開始する(ステ
ップ102)。所定の経路を走行して巡回を継続しつ
つ、火災検出センサ2が火災検出動作を行う。
【0023】ステップ103、104で、巡回を終了す
るまで火災を検出せずに火災検出信号が生成されなかっ
た場合は、火災検出動作は停止され(ステップ11
3)、移動体1の巡回任務は終了する(ステップ11
4)。
【0024】ステップ104にて、巡回中に火災検出セ
ンサ2の右検出部2a、左検出部2bのいずれかが火災
を検出して火災検出信号を出力すると、この火災検出信
号は、バスライン9を介してCPU8に供給される。
【0025】CPU8は、火災検出信号を供給される
と、右回動制御部2c又は左回動制御部2dを制御し
て、火災を検出した右検出部2a又は左検出部2bの回
動、走査を停止させる。同時に、CPU8は、走行制御
部7に停止指令信号を供給して、移動体1の走行を停止
させる(ステップ105)。
【0026】一方、火災を検出していない他方の右検出
部2a又は左検出部2bは、上記火災を検出するために
回動、走査を継続し、火災を検出して火災検出信号を出
力すると、CPU8からの指令で、右回動制御部2c又
は左回動制御部2dの制御により回動、走査を停止され
る。
【0027】右回動制御部2cと左回動制御部2d夫々
は、右検出部2aと左検出部2b夫々の移動体1の正面
方向からの角度を示す角度信号をCPU8に供給してい
る。右検出部2a及び左検出部2bが火災を検出して回
動、走査を停止した時点で、右回動制御部2cと左回動
制御部2d夫々は、火点方向を示す角度信号をCPU8
に供給しており、火点の方向が確定する(ステップ10
6)。
【0028】CPU8は、右回動制御部2cと左回動制
御部2d夫々から火点方向を示す角度信号を用いて、火
点方向が移動体1の正面方向となす角度θ(図5参照)
を計算する。CPU8は、この角度θが0となるよう
に、走行制御部7に指令を供給して移動体1を回転させ
る。なお、移動体1の方向修正が完了した時点で、右検
出部2a及び左検出部2bが共に火点方向を向いている
ように、右検出部2a及び左検出部2bを回動させる
(ステップ107)。
【0029】ステップ108では、右検出部2aと左検
出部2b夫々の角度信号を用いて、右検出部2aと左検
出部2bの距離D1 を基線長とする三角測量により、火
点と移動体1との距離である火点距離Lを測定する。
【0030】火点に消火剤を正しく散布して、消火の目
的を達成するためには、火点が図2に示す消火可能範囲
内にある必要がある。ステップ109では、測定された
火点距離Lが最大消火距離Lmax と消火マスク距離L
min の間に入っているかどうか、即ち、下記式が成立
するかどうかを判断する。
【0031】 Lmin ≦L≦Lmax 火点距離Lが最大消火距離Lmax と消火マスク距離L
min の間に入っており、式が成立する場合には、火点
が消火可能範囲内にあるので、CPU8は、直ちに、消
火ノズル制御部6に消火指令信号を供給して、消火ノズ
ル3を開にさせる。これにより、消火ノズル3から散布
された消火剤は、火点とその周辺に散布されて、消火の
効果を上げることができる(ステップ110)。
【0032】火点距離Lが最大消火距離Lmax と消火マ
スク距離Lmin の間に入っておらず、式が成立しない
場合には、下記のようにして、火点を消火可能範囲内に
入れるための、移動体1の移動距離Lm を算出する。こ
こで、図2に示すように、消火剤の噴射方向の中心と床
面とが接する地点、換言すれば消火剤散布量が最も多い
地点を効果中央点とし、移動体1から効果中央点までの
距離を目標距離Lobjとする。
【0033】火点を上記効果中央点に一致させるように
移動体1を移動させるために、移動距離Lm を下記式
で算出する。
【0034】 Lm =L−Lobj L>Lmax の場合には、移動体1を、火点方向に、L−
obj だけ移動させて、火点を消火可能範囲にいれる。
また、もし、火点が移動体1に接近しすぎて、L<L
min の場合には、移動体1を、火点から遠ざかる方向
に、Lobj −Lだけ移動させて、火点を消火可能範囲に
入れる(ステップ112)。
【0035】移動体1を移動距離Lm だけ移動した後、
ステップ108で火点距離Lを測定して、火点が消火可
能範囲内にあることを確認した後、ステップ110に
て、消火剤を散布して、消火を行う。
【0036】消火活動が終了した後、ステップ101に
戻って、巡回、火災の検出動作を続ける。
【0037】上記のように、本実施例では、移動体1に
一定の消火範囲に消火剤を噴射する消火ノズル3を設
け、移動体1を移動させて検知した火点を消火範囲内に
入れてから消火剤を散布する。このため、所定の移動経
路全体についての消火活動ができ、また、従来装置と異
なり、消火ノズルの難しい方向制御が必要なく、極めて
容易に消火活動を行うことができる。また、消火ノズル
の方向制御のための複雑な装置を必要とせず、低コスト
で実現することができる。
【0038】次に、第2実施例として、測定誤差が比較
的大きい火災検出センサ2を用いる場合の例について説
明する。図6は、測定誤差が比較的大きい火災検出セン
サ2を用いる移動体1の動作手順を示すフローチャート
である。なお、火災検出センサ2の精度を除いて、移動
体1の構成は第1実施例の図1と同様であり、火点を消
火可能範囲に入れるための方法が図4の例と異なる。
【0039】図7、図8は、消火可能範囲と火点の位置
の関係の説明図を示す。ここで、火点距離Lの測定の結
果、火点が最大消火距離Lmax にあった場合を考える。
火災検出センサ2の角度の測定誤差により、火点距離L
の測定値がLmax であったときに、測定誤差プラス
α0 ,マイナスβ0 が生じ得るとすると、実際の火点
は、Lmax −β0 〜Lmax +α0 の火点推定範囲に存在
する。
【0040】測定誤差がマイナスで、実際の火点が最大
消火距離Lmax よりも近い位置にあるときは、火点は消
火可能範囲内に入るため、消火剤を散布させたとき消火
の効果をあげられる。一方、測定誤差がプラスで、実際
の火点が最大消火距離Lmaxよりも遠い位置にあるとき
は、火点は消火可能範囲外となるため、消火剤を散布さ
せても、消火は失敗に終わってしまう。
【0041】そこで、火点距離Lの測定誤差を考慮し
て、必ず、火点が消火可能範囲内に入るようにする必要
がある。図8に示すように、火点距離Lの測定値にプラ
ス側の最大誤差α1 を加算した距離が最大消火距離L
max になる場合の距離を、実効最大消火距離Lemとす
る。また、火点距離Lの測定値にマイナス側の最大誤差
β2を加算した距離が消火マスク距離Lmin になる場合
の距離を、実効消火マスク距離Leiとする。
【0042】実効消火マスク距離Leiから実効最大消火
距離Lemまでの範囲を目標範囲Aとすると、火点距離の
測定値Lが目標範囲Aに入っていれば、実際の火点は必
ず消火可能範囲に入る。
【0043】なお、図7,図8の例では、消火マスク距
離Lmin =100cm、最大消火距離Lmax =300c
mである。
【0044】第2実施例では、測定した火点距離Lがこ
の目標範囲A内にあるかどうかを判断して、目標範囲A
外であるときは、火点距離Lが目標範囲Aに入るよう
に、移動体1を移動した後に、消火剤を散布する。これ
により、測定誤差の影響を受けずに、確実な消火を行う
ことができる。
【0045】第2実施例では、火災検出センサ2の測定
誤差により生じる火点距離Lの測定誤差を予め求めてお
き、図9に示すように、プラスの最大誤差で決まる上限
誤差関数y=fU (s)、マイナスの最大誤差で決まる
下限誤差関数y=fL (s)を、記憶部5に記憶してお
く。火災検出動作中においては、測定した火点距離Lに
対して、プラスの最大誤差α=fU (L)、マイナスの
最大誤差β=fL (L)を算出して、実際の火点の範囲
を推定する。ここで、α,βは、ともに正の値である。
【0046】移動体1が警備巡回を開始すると、ステッ
プ201〜204にて、図4のステップ101〜104
と同様にして、火災の検出動作を行う。また、巡回中に
火災を検出しなかった場合には、ステップ213,21
4にて、図4のステップ113,114と同様にして、
火災検出動作を停止して、巡回任務を終了する。
【0047】ステップ204にて、巡回中に火災検出セ
ンサ2の右検出部2a、左検出部2bのいずれかが火災
を検出して火災検出信号を出力すると、この火災検出信
号は、バスライン9を介してCPU8に供給される。
【0048】図4のステップ105と同様に、CPU8
は、火災検出信号を供給されると、火災を検出した右検
出部2a又は左検出部2bの回動、走査を停止させる。
同時に、CPU8は、走行制御部7に指令を供給して移
動体1の走行を停止させる(ステップ205)。
【0049】一方、図4のステップ106と同様に、火
災を検出していない他方の右検出部2a又は左検出部2
bは、上記火災を検出するまで、回動、走査を継続し、
火災検出信号を出力すると、CPU8の指令により、回
動、走査を停止される。この時点で、火点の方向が確定
する(ステップ206)。
【0050】図4のステップ107と同様に、CPU8
は、火点方向が移動体1の正面方向となす角度θを計算
する。CPU8は、この角度θが0となるように、走行
制御部7に指令を供給して移動体1を回転させる。な
お、移動体1の方向修正が完了した時点で、右検出部2
a及び左検出部2bが共に火点方向を向いているよう
に、右検出部2a及び左検出部2bを回動させる(ステ
ップ207)。
【0051】ステップ208では、右検出部2aと左検
出部2b夫々の角度信号を用いて、右検出部2aと左検
出部2bの距離D1 を基線長とする三角測量により、火
点と移動体1との距離である火点距離Lを測定する。
【0052】ステップ209では、測定した火点距離L
が、前記の目標範囲Aに入っているかどうか、即ち、下
記式が成立するかどうかを判断する。
【0053】 Lei≦L≦Lem 火点距離Lが目標範囲A内に入っており、式が成立す
る場合には、測定誤差を含めても必ず火点が消火可能範
囲内にあるので、CPU8は、直ちに、消火ノズル制御
部6に消火指令信号を供給して、消火ノズル3を開にさ
せる。これにより、消火ノズル3から散布された消火剤
は、火点とその周辺に散布されて、測定誤差の影響を受
けずに、確実に消火の効果を上げることができる(ステ
ップ210)。
【0054】火点距離Lが、L>Lemであるときは、火
点距離Lが目標範囲A内に入るまで、移動体1を火点に
接近させる必要がある。移動体1を火点に接近させる場
合、火点を効果中央点に一致させるように移動体1を移
動できることが望ましい。しかし、図9に示すように、
火点が移動体1から遠くなり測定値Lが大きくなる程、
測定誤差が大きくなる。このため、測定誤差を考慮せず
に、測定値L−Lobjを移動距離とすると、測定誤差に
より、移動体1が火点に接近しすぎる可能性がある。
【0055】そこで、ステップ211では、火点距離の
測定値L>Lemであるときは、測定値Lからマイナスの
誤差β=fL (L)を引いた距離を火点距離とみなし、
この距離から目標距離Lobj を引いて、下記式により
移動距離Lm を算出する。
【0056】 Lm =L−fL (L)−Lobj L>Lemの場合、ステップ212では、上記移動距離L
m だけ、移動体1を火点方向に移動させる。この後、ス
テップ208で、再度、火点距離Lを測定し、ステップ
209で、火点距離Lが目標範囲A内に入ったかどうか
を判断する。依然として、火点距離Lが目標範囲A内に
入っていない場合は、ステップ211,212で同じ手
順を繰り返して移動体1を移動させて、火点距離Lを目
標範囲A内に入れる。
【0057】火点距離Lが目標範囲A内に入った場合、
測定誤差を含めても、火点が確実に消火可能範囲に入っ
ているため、ステップ210にて、消火活動を行い、消
火の効果をあげることができる。
【0058】なお、ステップ209の判断にて、火点距
離Lが、L<Leiであるときは、図8,図9に示すよう
に、測定誤差は小さく、Lobj −Lを移動距離として
も、遠ざかりすぎることはない。このため、ステップ2
11では、Lobj −Lを移動距離Lm とし、ステップ2
12では、この移動距離Lm =Lobj −Lだけ、火点か
ら遠ざかるように、移動体1を移動させればよい。ただ
し、プラスの誤差α=f U (L)を考慮して、移動距離
m =Lobj −L−fU (L)としてもかまわない。
【0059】消火活動が終了した後、ステップ201に
戻って、巡回、火災の検出動作を続ける。
【0060】上記のように、第2実施例では、測定誤差
の比較的大きい火災検出センサ2を用いても、確実に火
点を消火可能範囲内に入れることができ、確実に消火を
行うことができる。また、測定誤差により、移動体1が
火点に接近しすぎて、移動体1が損傷を受けることを防
止できる。
【0061】
【発明の効果】上述の如く、請求項1及び請求項3の発
明によれば、自立型知能移動体に一定距離範囲の消火範
囲に消火剤を噴射する消火手段を設け、自立型知能移動
体を移動させて火点を上記消火範囲内に入れてから消火
剤を散布するため、所定の移動経路全体についての消火
活動ができ、また、従来装置と異なり、消火ノズルの難
しい方向制御が必要なく、極めて容易に消火活動を行う
ことができ、また、消火ノズルの方向制御のための複雑
な装置を必要とせず、低コストで実現することができる
等の特長を有する。
【0062】請求項2及び請求項3の発明によれば、測
定された火点距離に測定誤差を加算した距離で決まる火
点範囲が消火範囲内に入るように、自立型知能移動体を
移動させてから、消火剤を散布するため、火点検知/測
距手段に比較的大きな測定誤差がある場合でも、確実に
火点を消火範囲に入れて、有効な消火活動を行うことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の警備用移動体の構成図で
ある。
【図2】消火剤放出範囲の説明図である。
【図3】移動体の上面から見た火災センサと消火ノズル
の配置の説明図である。
【図4】第1実施例の移動体の動作手順を示すフローチ
ャートである。
【図5】火点方向が移動体の正面方向となす角度θの説
明図である。
【図6】第2実施例の移動体の動作手順を示すフローチ
ャートである。
【図7】消火可能範囲と火点の位置の関係の説明図であ
る。
【図8】消火可能範囲と火点の位置の関係の説明図であ
る。
【図9】上限誤差関数と下限誤差関数の説明図である。
【符号の説明】
1 移動体 2 火災検出センサ 2a 右検出部 2b 左検出部 3 消火ノズル 4 消火ボンベ 5 記憶部 6 消火ノズル制御部 7 走行制御部 8 CPU 9 バスライン
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−90680(JP,A) 特開 平1−251298(JP,A) 特開 昭59−186569(JP,A) 特開 昭61−220667(JP,A) 特開 昭59−2759(JP,A) 特開 平6−150181(JP,A) 特開 平5−15611(JP,A) 実開 平3−85054(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 11/00 - 11/30 A62C 2/00 - 39/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の経路を自立して移動する自立型知
    能移動体において、 上記自立型知能移動体自身の位置から一定距離範囲にあ
    る消火範囲に消火剤を噴射する消火手段と、 火点を検知して前記火点までの火点距離を測定する火点
    検知/測距手段と、 上記火点検知/測距手段により火点が検知されて火点距
    離が測定されると、上記火点が上記消火手段の消火範囲
    外にある場合には、上記消火範囲の効果中央点を上記火
    点に一致させるように上記自立型知能移動体自身を移動
    させ、上記火点が上記消火範囲内にある状態で、上記消
    火手段に消火剤を噴射させる消火制御手段とを有するこ
    とを特徴とする自立型知能移動体。
  2. 【請求項2】 前記火点検知/測距手段は所定の測定誤
    差を有し、前記消火制御手段は、上記火点検知/測距手
    段により測定された火点距離に測定誤差を加算した距離
    で決まる火点範囲が前記消火手段の消火範囲外にある場
    合には、前記消火範囲の効果中央点を上記火点に一致さ
    せるように上記自立型知能移動体自身を移動させ、上記
    火点範囲が上記消火範囲内にある状態で、上記消火手段
    に消火剤を噴射させることを特徴とする請求項1記載の
    自立型知能移動体。
  3. 【請求項3】 前記火点検知/測距手段は、所定間隔で
    回動自在に配置された2つの火点検知器を用いて、三角
    測量により火点距離を測定することを特徴とする請求項
    1又は請求項2記載の自立型知能移動体。
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