JP3317183B2 - 4ロッドrfq加速器のrfq電極 - Google Patents

4ロッドrfq加速器のrfq電極

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JP3317183B2
JP3317183B2 JP09505897A JP9505897A JP3317183B2 JP 3317183 B2 JP3317183 B2 JP 3317183B2 JP 09505897 A JP09505897 A JP 09505897A JP 9505897 A JP9505897 A JP 9505897A JP 3317183 B2 JP3317183 B2 JP 3317183B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、4ロッドRFQ電
極の形状の改良に関する。4ロッドRFQ電極は高エネ
ルギーイオン注入装置の高エネルギーイオン加速管など
に用いられる。またその他の実験用、医療用イオン加速
器にも用いられることがある。RFQというのはイオン
の線形加速器の一つである。荷電粒子の加速器はサイク
ロトロンのようにビームを円運動させて加速するような
円形加速器と、直線運動させながら加速する線形加速器
がある。
【0002】線形加速器の場合<有孔電極間に直流の大
電圧を印加してイオンを加速するというのが原理であ
る。その場合加速エネルギーをqVとすれば高電圧Vを
発生する直流電源が必要である。数MeVの加速をする
にはMV級の高電圧の電源が要る。電源部分だけでも巨
大になるし、ビームの通る真空容器も大きい容積を必要
とする。このような装置は巨大でしかも高価な装置にな
らざるを得ない。
【0003】しかし近年半導体産業においても、数Me
Vの高エネルギーでイオン注入をしたいという要望が強
くなってきている。生産のために数MeVのイオン加速
をするとなるとコストを無視した大型装置では役に立た
ない。より小型で高エネルギーまで加速できる新規な加
速器が希求される。
【0004】RFQというのは比較的新しい線形加速器
の一つである。4本の電極を正方形の頂点に該当する位
置に配置し対角線上の電極を接続し、隣接電極間には高
周波電圧が励起するように構成されている。つまり4つ
の電極が四重極を形成する。そして高周波(radio-freq
uency )を隣接電極間に加える。直流の大電圧をビ−ム
進行方向に離隔した電極間に与えるのではなく、平行な
4本の電極間に高周波を励起する。高周波を4重極電極
に印加するので、radio-frequency quadrapole(高周波
四重極)を縮めてRFQというのである。棒状の電極
A、B、C、Dを平行に配置するから4ロッドという。
4ロッドであるから四重極を形成できるのであって、4
ロッドと四重極(Q)とは同義を反復している嫌いがあ
るがそのような言い方をするのが最も正確である。
【0005】これは初め1970年にカプチンスキーと
テプリヤコフによって提案されたものである。I. Kapch
inskii and V. Teplyakov, Pub.Tekh, Eksp.2 (1970) p
19.しかし彼らは可能性を示しただけでその原理を実証
できなかった。1981年にロスアラモスの研究者達が
実験器を作って加速が可能であることを初めて実証し
た。J. E. Stovall, K. R. Crandall and R. W. Hamm,
IEEE Trans. Nucl.Sci,NS-28(1981)p1508.
【0006】ビ−ム軸進行方向(z方向)に直角な面に
ある正方形ABCDの頂点の位置に4本の電極を配し、
ポストという部材によって対角線上にあるAとCを繋
ぎ、他の対角線上にあるBとDを繋ぐ。ACとBD間に
高周波電圧を励起させるが、それだけでは線形加速器に
はならない。
【0007】それぞれの電極棒の長さ方向に山と谷(凹
凸)を形成する。一つの電極の山の位置に、隣接する電
極の谷が対応し、一つの電極の谷の位置に隣接電極の山
が対応するように並べると、ビ−ム進行方向に加速電場
を形成することができる。電極の山谷あるいは谷山の周
期をセルという。
【0008】そして、イオンが1セルの距離wを走行す
る時間w/vと高周波の半周期T/2が等しくなるよう
にする。つまり高周波の波長をλとすると、w=vT/
2=(v/c)(cT/2)=βλ/2である。このよ
うに山の間隔を決めると、イオンはz方向の加速電界が
交番するごとに1セルを通過することになる。従ってイ
オンは1セル毎に電界を受け加速される。このようにイ
オンの進行と高周波の交代が同期しているので線形加速
器として機能する。イオンが加速されるとvが大きくな
りβ=v/cも大きくなるから、セルの長さも電極長手
方向に沿って少しずつ延びるように設計する。
【0009】リニアックのように直流の高電圧をビ−ム
進行方向に離れた電極間に印加することにより、直流加
速するものとは全く違う原理によって、イオンを加速す
る。電極の方向も違うし、加速電圧も直流ではなくで高
周波である。直線上に沿った軌跡で加速するので線形
(linear)加速器のカテゴリ−に含まれるが在来のもの
とは大きく異なる。
【0010】イオンビ−ムは間欠的に加速することもあ
る。イオンビ−ムが加速されている時間を1周期で割っ
たものをデューティという。発熱が著しいので初期はデ
ューティの低いもので試みられた。しかし大電流のイオ
ンビ−ムが欲しいのでデューティをより高くするという
要望が強い。従って連続(CW)運転も望まれる。
【0011】4ロッドRFQ加速器は様々の利点を持っ
ている。まず大型の高電圧直流の電源を不要とする。そ
うではなくて小型の高周波電源を用いる。電源部分の容
積が小さくなる。また加速管の寸法を小さくできる。
【0012】従来4つの電極の山の頂点の距離は極めて
狭いもので、電極間の半径R1 は4mm程度であった。
このように電極間隔が狭くて、これを囲む円筒上の真空
容器も十分に小さいものであった。例えば真空容器は直
径600mm程度の小さなものであって良い。これはビ
−ム軸直交方向の寸法が小さいということである。
【0013】それだけでなくてビ−ム軸の方向にも短く
て良い。例えば容器の長さは2m〜3mの程度で良い。
電源の点でも真空容器の点でも極めて魅力的な装置であ
って、在来の直流型の線形加速器と違って生産現場にお
いて実用的な加速器を提供できる可能性がある。
【0014】
【従来の技術】本発明は4ロッドRFQ加速器のうちR
FQ電極の形状を問題にする。これは長手方向に延びる
4本の電極棒である。隣合う電極(AとB、BとC、C
とD、DとA)の山谷の位相が180°異なるような凹
凸のある棒である。この棒の何箇所かがポストという部
材によって支持される。ポストは機械的な支持と共にタ
ンク内で共振構造を形成する。また高周波電流が大量に
流れるから電極、ポストは強く発熱する。そのために電
極は電気伝導、熱伝導の優れた材料によって作り、内部
に冷却水を通すようになっている。冷却水を十分に流す
ためには冷却水路が十分太くないといけない。
【0015】もっとも最初に作られた4ロッドRFQは
図1に示すような波型丸棒である。4つ同じ棒電極を使
うので1本の構造を示す。断面が円形の棒状金属(銅或
いは鉄、アルミ材)全周を、加速するイオン種、入射イ
オンエネルギー、出射エネルギーなどによって決まる波
型形状に加工し、その内部に軸方向に電極冷却用の媒体
を流すための穴を空けている。さらに高周波伝導性の高
い金属メッキ(銅、銀、金など)を表面に施している。
反対に穴が空いている金属材料を波型加工しても良い。
これは軸対称の棒であって丸棒を回転させながら旋盤に
よって波型を簡単に加工できる。製作容易であるという
利点がある。
【0016】また軸対称なのでポストに取り付ける際に
方向を考える必要がなく簡単である。初期は実験室での
研究用に作られたのでパルス的に小電流のイオンビ−ム
を加速するデューティの低いものでよかった。冷却水も
少なくてよかったのである。ところがこのような図1の
電極は冷却水路が狭くて高デューティの場合には使えな
い。冷却水穴を広くできないからである。また丸棒に波
型を作っているから谷部分が弱く曲がり易い。冷却水の
流れによって機械的振動を生じる。特に対角線方向への
振動があると電界が著しく乱れてイオン加速に問題が生
じる場合がある。またビームが電極に衝突して損耗す
る。
【0017】次いで図2に示すようなRFQ電極が作ら
れた。銅、鉄或いはアルミの角棒に冷水路の穴を穿孔し
て、ひとつの外面にのみ山谷の波型構造を形成してい
る。これは本発明者がかつて発明したRFQ電極であ
る。対向電極間に電界の波を作り出す事ができればいい
のであるから、山谷構造は一面だけにあれば良い。冷却
水路の径をより大きくできる。さらに角材であるから高
さ方向の剛性が強く曲がり難い、堅牢であるという利点
がある。この4ロッド電極を使ってかなりデューティの
高いイオンビ−ム加速を行うことができる。
【0018】しかし電極間ギャップ2R1 が狭いとイオ
ンビ−ムが4ロッド電極間に入りにい。イオン源から出
たビームを例えば1mm径に絞って質量分析マグネット
に通すとする。1mmのスリットを通してから4ロッド
電極に入れるとしてもビームには広がり角があるので入
りにくい。4ロッド電極間への入れ易さをアクセプタン
スという。電極間が8mmと狭いとアクセプタンセが低
くビームを入れにくい。しかも一旦電極間に入れてもビ
ームは広がるので電極に衝突し易い。衝突するとビーム
損失になる。
【0019】次に電極高さHを問題にする。電極高さH
は一つの電極の山の部分から反対側の底面までの距離と
して定義する。He+ イオンを加速するために、100
MHzの高周波を印加するRFQ電極の場合、従来は電
極高さHが21mmであった。これもまた問題がないと
は言い切れない。高周波の周波数が違うとセルの長さ
(βλ/2)が短くなるし、最適の電極高さHもそれに
比例して小さくなる。であるからHは周波数との関連で
最適値を定義すべきである。
【0020】図2のRFQ電極は長手方向に一様な波型
形状をしており、取り付けの為の機構を持っていない。
それでポストという支持部材に鑞づけして固定する。図
3にそのような鑞付けの4ロッドRFQ線形加速器の概
略の構造を示す。正方形ABCDに当たる位置に4ロッ
ド電極が取り付けられる。垂直の板であるポストは2種
類あって、一つはA、B電極が鑞付けされる。もう一つ
はB、D電極が鑞付けされる。ポストは電極A、Cある
いは電極B、Dを結合している。ポストを垂直に支持
し、長手方向に延びる長い板をベースという。高周波が
ポスト間に印加される。図示していないが冷却水のパイ
プもベース、ポストの近傍の設けられる。電極の対向面
に波があるが、ここでは図示を省略している。これらは
RFQ電極の主要部だけを示している。実際には4ロッ
ド電極、ポスト、ベースを囲む円筒形の真空容器があ
る。真空容器はできるだけ小さい方がコストやスペース
の点で望ましい。しかしあまりに小さいと高周波電流が
大量に流れ、電力損失が大きくなる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】4ロッドRFQ電極の
一部或いは全体の形状を最適化し、RFQ加速管の電力
効率がよく、イオンビ−ムが入り易くアクセプタンスが
高い、機械的強度に優れた、冷却効率のよいRFQ電極
を提供することが本発明の目的である。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明の4ロッドRFQ
電極は、4本の等価な長手方向に延びる電極を正方形の
頂点の位置に固定し、対角線上の電極対をポストで結合
し、隣接電極間には高周波電圧を励起し、4本の電極間
にイオンビ−ムを導入し高周波電界によってイオンビ−
ムを加速するようにした4ロッドRFQ加速管に用いら
れる電極であって、それぞれの棒状電極は長手方向に冷
却水路が穿たれ、隣り合う電極間で山と谷が対向するよ
うに配置された構造を持ち、4つの電極が囲むビーム通
過空間の半径R1 が5mm〜9mmであり、山の軸直交
方向の曲率R2 が5mm〜9mmであり、山の頂点から
底面までの高さHをビーム通過空間の半径R1 で割った
値H/R1 が4〜6である。
【0023】
【発明の実施の形態】RFQ電極に関し、3次元動電磁
場解析コードを使い、上記効率が改善できるパラメータ
を見つけ、冷却能力、機械強度、組立易さなどを考慮に
入れ最適化した。図4に本発明の4ロッドを使った加速
器の4ロッドRFQ電極の投影図を示す。大きい円が真
空容器の大きさを示している。真空容器の内部に4ロッ
ド電極、ポスト、ベースなどが置かれている。中央の4
弁の花のような影は、4ロッド電極の投影である。斜面
を持つ4角形板はポストの投影である。対角線上の二つ
の電極を接続している有り様が良く分かる。
【0024】空間を縦横に等間隔に並ぶ格子に分割し格
子点での磁場の強度を示している。矢印は磁場の方向を
示し、丸の大きさは磁場の強度を示す。×の記号は磁場
が紙面に入って行く方向の磁場を表す。ポストには大電
流が流れるのでポストを回る強い磁場が形成される。外
側の真空容器の近傍でもかなりの強さの磁場がある。こ
れと直交する方向に電界が生じ、これが高周波電流を容
器に発生させる。だから容器を余り小さくできない。
【0025】図5は上記コードの計算結果の一部を示す
ものである。4ロッドと、これらの対角線上の二つの電
極を支持するポストなどが図示されている。ベースや真
空容器は省かれている。磁場の大きさと方向を多角錐
(コーン)によって示している。ポスト回りに磁場が生
じるが、隣接ポスト間で磁場の回る方向が反対になる。
磁場の強度はポストによって異なる。コーンは101M
HzのRFQモードで加速管を励振した時のある時間の
磁界の大きさと方向を示すものである。ポスト間の間隔
をユニットという。この場合一つの加速管は3つのユニ
ットから成っている。高周波の周波数が違っても磁場の
様子は同様である。しかしセルの長さも最適の電極寸法
も加速するイオン、周波数などによって異なる。
【0026】図7と図8によって本発明のRFQ電極の
形状パラメータを説明する。図7は長手方向と直角な方
向の電極断面図である。図8は一部分の側面図である。
RFQ電極1は長手方向(z軸方向)に延びる銅、鉄、
アルミなど伝導性に優れた金属の棒である。断面図形状
は五角形に近い。長手方向に半径R3 の冷却水路2が穿
孔されている。ビーム通過空間9に近い部分は山3と谷
8が交代するような波型の稜線が形成されている。山
3、谷8から60度の傾斜面4、4が連続しこれが平行
な側面5、5に続いている。平行側面5、5に対して底
面6が直交している。図7はビームが通過する軸10
(z軸)と直角な面での断面であるが、実際には山3の
前方には他の3つの電極の山が対向している。
【0027】一点鎖線で描いた円がビーム通過空間9で
ある。これと直交軸x,yとの交点に他の電極の山が位
置している。4つの山によって囲まれる空間は円ではな
いが、4つの山の内接円としてビーム通過空間9を定義
する。内接円半径R1 によってビーム通過空間9の半径
とする。これが狭いと電界が高くなり電力効率が良い。
しかしイオン源、質量分析マグネットを経たビームをビ
ーム通過空間9へ入れる事が難しい。ビームの入れ易さ
をアクセプタンスという。R1 が小さいとアクセプタン
スが小さく、R1 が大きいとアクセプタンスが大きい。
RFQ加速管の電力効率はその反対の関係にある。
【0028】電極1の幅をWとする。山の頂点から底面
までの距離を電極高さHとする。Hはシャントインピー
ダンスに関係する。本発明のRFQ電極は長手方向に一
様でなく、いくつかの張り出し部分を底面に形成し取り
付け部分7としている。張り出し取り付け部7にはボル
ト穴11を穿設している。ポストの螺穴へボルトによっ
て電極1を直接に固定する。電極1の取り付け部側面が
ポストに直接に接触するから電気伝導、熱伝導が良い。
【0029】いくつかの条件を勘案して最適のRFQ形
状を決める。まず投入電力の問題がある。できるだけ小
さい電力でイオンビ−ムを加速できるようにしたい。こ
れが電極高さHに関係するということが本発明である。
どのように関係するのか?必要な電圧を得るための電力
が如何ほどか?ということはシャントインピーダンスに
よって決まる。図6は101MHzの高周波によって4
ロッドRFQ電極に加速電界を発生させたときの電極高
さHに対するシャントインピーダンス(対投入電力電極
間電圧発生効率を示す)とQ値(加速管の電力ロスに反
比例する)をプロットしたものである。
【0030】シミュレーションは4点で行った。その他
の点では計算していないので4点の間は単に内挿によっ
ている。電極高さが27mmでシャントインピーダンス
は120kΩ、Q値は6000である。電極高さHが2
1mmでシャントインピーダンスが144kΩ、Q値が
6800である。電極高さHが17mmでシャントイン
ピーダンスが162kΩ、Q値が7050である。電極
高さHが14でシャントインピーダンスが176kΩ、
Qが7200である。一般に電極の高さHが低い程シャ
ントインピーダンスが大きく、Qが大きくなることが分
かる。
【0031】高周波が101MHzの場合、従来の電極
の高さHは21mmであった。本発者は21mmよりも
14mmにした方が電力損失を少なくできることに気づ
いた。H=21mmでシャントインピーダンスが144
kΩ、H=14mmでシャントインピーダンスが176
kΩであるから約22%高くなる。すると投入電力はそ
れに応じて低減することができる。シャントインピーダ
ンスと投入電力の間には次の関係がある。
【0032】
【数1】
【0033】同じ電極間電圧を与えるという条件で、投
入電力とシャントインピーダンスは反比例する。シャン
トインピーダンスが1.22倍になれば、同じ電圧を得
るために必要な電力は0.82で良い。従って電極高さ
Hを14mmにすれば、従来例(H=21mm)に比較
して82%の電力で同じ電極間電圧を発生させることが
できる。但し、実際にH=14mmとすることは難し
い。ポストへの固定代の問題もある。投入電力だけの観
点からは決められない。
【0034】ところがこれは高周波が101MHzの場
合の好適なHの範囲である。高周波周波数がより低い
と、好適な電極高さHは周波数に反比例するので、上記
の計算が指針を与えることがある。He+ のように軽い
イオンを加速する場合は高い周波数によって加速できる
が、B+ のようにより重いイオンを加速する場合は、よ
り低い周波数が用いられる。
【0035】それでB+ などを加速する場合は、その1
/3の33MHzの高周波を使う。101MHzで電力
消費の点から14mmの電極高さが最適であるというこ
とであれば、これを33MHzに引き直すと、その3倍
のH=42mmが最適の電極高さということになる。4
2mmあれば機械的強度も十分であるしポストへの取り
付けも問題がない。
【0036】しかし33MHzで従来は電極高さが63
mmであったということではない。これまで重いB+
33MHzで加速した例はなく、軽いHe+ を101M
Hz(H=21mm)で加速した例がある、というだけ
のことである。本発明はSi半導体においてドーパント
としてB、P、Asなどのイオンをイオン注入すること
を前提にしており、比較的低い高周波が選ばれる。これ
まで研究室で行われたHe+ の加速などとはかなり相貌
が異なる。
【0037】次に問題にすべき事はビームが通過する空
間、つまり対向電極の山−山間距離である。ビーム通過
空間は内接円の半径R1 によって定義される。直径は2
1である。長手方向(z方向)の電界を強く取るため
従来は2R1 =8mmであった。これは電力効率はいい
のであるが、アクセプタンスが小さい。つまりイオン源
−質量分析マグネットを経てきたイオンビ−ムのコミッ
タンスがRFQのアクセプタンスより大きい。そこで本
発明では2R1 =16mmと倍増する。
【0038】さらに電極の山のx方向の曲率(長手方向
に直角断面での曲率)も問題である。これは曲率よりも
その逆数である曲率半径R2 によって表現する。R2
大きいとアクセプタンスが良いが電力効率が悪い。小さ
いとアクセプタンスが悪く電力効率が良い。アクセプタ
ンスと電力効率の両方の点から最適なR1 、R2 の値は
共に5mm〜9mmである。これもB、P、Asなどを
加速する場合である。
【0039】
【表1】
【0040】先ほど、101MHzの時に電極高さHが
14mmが好ましい値であるということを述べた。それ
では周波数の関数となり分かり難いので、ビーム通過空
間の半径2R1 の倍数として、最適電極高さHの範囲を
定義する。H/R1 は4〜6が良い。最適値は5であ
る。これより小さいと機械的強度が低下するし冷却能率
も悪い。これより大きいと電力効率が悪い。総合的な評
価としてはH/R1 =4〜6が良い。
【0041】
【表2】
【0042】結局、R1 、R2 が5mm〜9mm、H/
1 が4〜6というのが最も総合的な評価が高い。アク
セプタンスというのは4ロッドRFQ加速管にビームが
入って行く容易さを示す指標である。
【0043】
【実施例】シミュレーションモデルは共振周波数100
MHzで行った。半導体のドーパントとしてよく使われ
るボロンやリンを加速するためには、その1/3の周波
数、33MHz程度で運転させる必要がある。図7、図
8に電極パラメータR1 、R2 、R3 、W、Hの定義を
示す。次に33MHzで駆動する場合の最適のRFQ電
極寸法を示す。 R1 =0.8cm=8mm R2 =0.8cm=8mm R3 =0.8cm=8mm W =2.4cm=24mm H =4.2cm=42mm
【0044】Hを小さくするとシャントインピーダンス
は上がるが、冷却水路の断面を大きく取ることができな
くなり冷却能力が不足する。また機械強度も不足し、電
極が振動するという問題も起こり易くなる。現実にはH
はR1 のおよそ5倍程度にするのが良い。そうすれば冷
却能力を損なう事なくシャントインピーダンスも大きく
取ることができる。
【0045】一様な形状ではなくてポストに取り付ける
部分は底部をさらに膨らませている。取り付け部分は電
極高さが局所的にH’になっている。H’>H。この膨
らんだ部分にボルト穴が穿孔される。ボルトによって取
り付け部がポストに固定される。電極の一部の側面が直
接にポストに接触している。電気的に機械的にポストと
の接触が緊密になる。放熱の点でも有利である。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、4ロッドRFQ電極の
一部或いは全体の形状を最適化し、RFQ加速管に投入
する電力をより小さくし、アクセプタンスを高めイオン
ビ−ムをより入り易くし、機械的強度に優れ、冷却効率
のよいRFQ電極を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】長手方向に穴を持つ円形断面図のパイプに波型
を回転対称になるように形成したもっとも初期のRFQ
電極の概略斜視図。
【図2】角型断面の金属棒に長手方向の冷却水路を穿ち
一面に山谷の交代する波型を形成した本発明者がかつて
発明したRFQ電極の概略斜視図。
【図3】4ロッドRFQ線形加速管の概略斜視図。
【図4】4ロッドRFQ電極の三次元動電磁場解析コー
ドによるシミュレーション結果を示す投影図。ポスト部
断面の磁場は、上部で弱く、下部で強くなっている。
【図5】三次元動電磁場解析コードによる、4本のロッ
ド電極を4本のポストで支える構造の4ロッドRFQ電
極のシミュレーション結果を示す図。コーンは磁場の強
度と方向を示す。RFQモードでは磁場はポストをとり
まくように分布しているのが分かる。外側の容器は図示
しない。
【図6】101MHzの高周波を印加して作動する4ロ
ッドRFQ加速管において、4ロッドRFQ電極の高さ
Hに対する、シャントインピーダンス、Q値のシミュレ
ーション結果を示す図。加速管の電力効率は電極高さに
反比例して上昇する。そしてこの効果はQ値が改善され
たことによる結果であることが分かる。
【図7】本発明が提案するRFQ電極の軸垂直方向の断
面図。R1 はビーム通過空間の半径、R2 は電極の山の
部分の軸垂直方向の曲率半径、R3 は冷却水通路の半
径、Wは電極の厚み、Hは(電極の山の頂点から底面ま
での距離)電極高さ、H’は山の頂点から底面から張り
出した取り付け部までの距離。
【図8】本発明に係るRFQ電極の一部の側面図。張り
出し取り付け部にはボルト穴が穿たれている。
【符号の説明】
1 RFQ電極 2 冷却水路 3 山 4 傾斜面 5 側面 6 底面 7 張り出し取り付け部 8 谷 9 ビーム通過空間 10 ビーム通過軸 11 ボルト穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05H 9/00 C23C 14/48 H01L 21/265 603 H01J 37/317

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 4本の等価な長手方向に延びる電極を正
    方形の頂点の位置に固定し、対角線上の電極対をポスト
    で結合し、隣接電極間には高周波電圧を励起し、4本の
    電極間にイオンビ−ムを導入し高周波電界によってイオ
    ンビ−ムを加速するようにした4ロッドRFQ加速管に
    用いられる電極であって、それぞれの棒状電極は長手方
    向に冷却水路が穿たれ隣合う電極間で山と谷が対向する
    ように配置された構造を持ち、4つの電極が囲むビーム
    通過空間の半径R1 が5mm〜9mmであり、山の軸直
    交方向の曲率R2 が5mm〜9mmであり、山の頂点か
    ら底面までの高さHをビーム通過空間の半径R1 で割っ
    た値H/R1 が4〜6であることを特徴とする4ロッド
    RFQ加速器のRFQ電極。
  2. 【請求項2】 底面に部分的な拡大部がありここにボル
    ト穴が穿孔され拡大部の側面をポストに接触させボルト
    によって電極をポストに固着したことを特徴とする請求
    項1に記載の4ロッドRFQ加速器のRFQ電極。
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