JP3316957B2 - 偏極電子線発生素子 - Google Patents
偏極電子線発生素子Info
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- semiconductor photoelectric
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スピン方向が偏在して
いる偏極電子線を発生する偏極電子線発生素子の改良に
関するものである。
いる偏極電子線を発生する偏極電子線発生素子の改良に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】スピン方向が2種類のうちの一方に偏在
している電子群から成る偏極電子線は、たとえば、高エ
ネルギー素粒子実験分野においては原子核内部の磁気構
造を、物性物理実験分野においては物質表面の磁気構造
を調査する上で有効な手段として利用されている。かか
る偏極電子線は、価電子帯にバンドスプリッティングを
有する半導体光電層を備えた偏極電子線発生素子を用
い、その半導体光電層に励起光を入射させることによっ
て取り出すことが可能である。この偏極電子線発生素子
としては、例えばGaAsP半導体の上に、それよりも
バンドギャップが小さく且つ格子定数が僅かに異なるG
aAs半導体を半導体光電層として結晶成長させたスト
レインドGaAs半導体がある。これによれば、GaA
sP半導体に対して格子定数が異なるGaAs半導体が
ヘテロ結合させられることにより、そのGaAs半導体
には格子歪が付与されるため、その価電子帯にバンドス
プリッティングが発生してヘビーホールのサブバンドと
ライトホールのサブバンドにエネルギー準位差が生じる
一方、両サブバンドの励起によって取り出される電子の
スピン方向は互いに反対向きであるため、エネルギー準
位が高い方すなわち伝導帯とのエネルギーギャップが小
さい方のサブバンドのみを励起するような光エネルギー
をGaAs半導体に注入すれば、一方のスピン方向に偏
在した電子群が専ら励起されて放出され、高い偏極率を
備えた偏極電子線が得られるのである。
している電子群から成る偏極電子線は、たとえば、高エ
ネルギー素粒子実験分野においては原子核内部の磁気構
造を、物性物理実験分野においては物質表面の磁気構造
を調査する上で有効な手段として利用されている。かか
る偏極電子線は、価電子帯にバンドスプリッティングを
有する半導体光電層を備えた偏極電子線発生素子を用
い、その半導体光電層に励起光を入射させることによっ
て取り出すことが可能である。この偏極電子線発生素子
としては、例えばGaAsP半導体の上に、それよりも
バンドギャップが小さく且つ格子定数が僅かに異なるG
aAs半導体を半導体光電層として結晶成長させたスト
レインドGaAs半導体がある。これによれば、GaA
sP半導体に対して格子定数が異なるGaAs半導体が
ヘテロ結合させられることにより、そのGaAs半導体
には格子歪が付与されるため、その価電子帯にバンドス
プリッティングが発生してヘビーホールのサブバンドと
ライトホールのサブバンドにエネルギー準位差が生じる
一方、両サブバンドの励起によって取り出される電子の
スピン方向は互いに反対向きであるため、エネルギー準
位が高い方すなわち伝導帯とのエネルギーギャップが小
さい方のサブバンドのみを励起するような光エネルギー
をGaAs半導体に注入すれば、一方のスピン方向に偏
在した電子群が専ら励起されて放出され、高い偏極率を
備えた偏極電子線が得られるのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
偏極電子線発生素子においては必ずしも十分な量子効率
(QE)が得られず、発生電子線量が少ないという問題
があった。このため、例えば磁区の観察を行うために
は、十分な電子線量を得るために長時間励起光を照射す
る必要があり、リアルタイムで磁区の動きを観察するこ
とは困難であった。なお、半導体光電層を厚くすれば励
起光の吸収が増えて量子効率は向上するが、半導体光電
層に付与される歪が少なくなるとともに半導体内におけ
る散乱などでスピンが変化するため、偏極率が低下する
傾向となる。
偏極電子線発生素子においては必ずしも十分な量子効率
(QE)が得られず、発生電子線量が少ないという問題
があった。このため、例えば磁区の観察を行うために
は、十分な電子線量を得るために長時間励起光を照射す
る必要があり、リアルタイムで磁区の動きを観察するこ
とは困難であった。なお、半導体光電層を厚くすれば励
起光の吸収が増えて量子効率は向上するが、半導体光電
層に付与される歪が少なくなるとともに半導体内におけ
る散乱などでスピンが変化するため、偏極率が低下する
傾向となる。
【0004】そこで、本出願人等は先に、特願平4−2
80822号において、半導体光電層の表面との間に励
起光を共振させる光共振器を構成する反射層を、半導体
光電層の裏側に設けた偏極電子線発生素子を提案した。
斯かる偏極電子線発生素子によれば、励起光が共振させ
られることにより半導体光電層による励起光の吸収量が
増加するとともに、励起光で励起される電子線量が多く
なって量子効率(QE)が向上するのである。
80822号において、半導体光電層の表面との間に励
起光を共振させる光共振器を構成する反射層を、半導体
光電層の裏側に設けた偏極電子線発生素子を提案した。
斯かる偏極電子線発生素子によれば、励起光が共振させ
られることにより半導体光電層による励起光の吸収量が
増加するとともに、励起光で励起される電子線量が多く
なって量子効率(QE)が向上するのである。
【0005】しかしながら、上記の偏極電子線発生素子
においても、共振させられ得る励起光の波長が反射層の
帯域幅内にないと高い量子効率(QE)は得られない。
また、励起光の波長が、エネルギー準位が高い方すなわ
ち伝導帯とのエネルギーギャップが小さい方のサブバン
ドのみを励起する波長よりも所定値(一般に25〜50
nm程度)以上短くなると、エネルギー準位が低い側す
なわち伝導帯とのエネルギーギャップが大きい方のサブ
バンドも励起されるため、高い偏極率を得るには、上記
所定値だけ短い波長よりも長い波長域に共振波長が存在
するようにする必要がある。ところで、上記励起光の共
振は、上記反射層において反射される際の位相の変化が
零またはπである波長(中心波長)を中心とした所定の
波長域で発生するが、この中心波長は反射層の光学的厚
さすなわち各層の厚さおよび屈折率(すなわち組成或い
は混晶比)に応じて敏感に変化するため、これらの僅か
な変動によって共振波長が変動する。また、光共振器の
光学的厚みすなわち光共振器を構成する層の厚みやGa
AsP層におけるPの混晶比等の変動によっても共振波
長が変動する。したがって、高い偏極率と高い量子効率
を得るためには、反射層や光共振器の光学的厚みを高い
精度で制御する必要があるが、この光学的厚みは上述の
ような要因で容易に変動し得るものであり、特に前記混
晶比の制御が困難であって各層の屈折率が変動し易いた
め、理論通りの高い偏極率と高い量子効率を得ることが
できないという問題があった。
においても、共振させられ得る励起光の波長が反射層の
帯域幅内にないと高い量子効率(QE)は得られない。
また、励起光の波長が、エネルギー準位が高い方すなわ
ち伝導帯とのエネルギーギャップが小さい方のサブバン
ドのみを励起する波長よりも所定値(一般に25〜50
nm程度)以上短くなると、エネルギー準位が低い側す
なわち伝導帯とのエネルギーギャップが大きい方のサブ
バンドも励起されるため、高い偏極率を得るには、上記
所定値だけ短い波長よりも長い波長域に共振波長が存在
するようにする必要がある。ところで、上記励起光の共
振は、上記反射層において反射される際の位相の変化が
零またはπである波長(中心波長)を中心とした所定の
波長域で発生するが、この中心波長は反射層の光学的厚
さすなわち各層の厚さおよび屈折率(すなわち組成或い
は混晶比)に応じて敏感に変化するため、これらの僅か
な変動によって共振波長が変動する。また、光共振器の
光学的厚みすなわち光共振器を構成する層の厚みやGa
AsP層におけるPの混晶比等の変動によっても共振波
長が変動する。したがって、高い偏極率と高い量子効率
を得るためには、反射層や光共振器の光学的厚みを高い
精度で制御する必要があるが、この光学的厚みは上述の
ような要因で容易に変動し得るものであり、特に前記混
晶比の制御が困難であって各層の屈折率が変動し易いた
め、理論通りの高い偏極率と高い量子効率を得ることが
できないという問題があった。
【0006】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、斯かる反射層と光共
振器の光学的厚みの制御が困難な状況下において、高い
偏極率と高い量子効率が得られる偏極電子線発生素子を
提供することにある。
もので、その目的とするところは、斯かる反射層と光共
振器の光学的厚みの制御が困難な状況下において、高い
偏極率と高い量子効率が得られる偏極電子線発生素子を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明は、価電子帯にバンドスプリッティングを
有してヘビーホールのサブバンドとライトホールのサブ
バンドにエネルギー準位差が生じた半導体光電層を備
え、その半導体光電層に励起光が入射されることにより
その半導体光電層の表面からスピン方向が偏在している
偏極電子線を発生する偏極電子線発生素子において、前
記半導体光電層を透過した前記励起光を反射することに
よりその半導体光電層の表面との間にその励起光を共振
させる光共振器を構成する反射層を、その半導体光電層
の裏側に設け、その半導体光電層の表面からその反射層
までのその反射層での位相の変化を考慮した光学的厚み
を、前記両サブバンドのそれぞれのバンドギャップエネ
ルギーに相当する前記励起光の波長の差の大きさよりも
前記共振が発生し得る波長の間隔が短くなる長さに設定
したことを特徴とする。
めに、本発明は、価電子帯にバンドスプリッティングを
有してヘビーホールのサブバンドとライトホールのサブ
バンドにエネルギー準位差が生じた半導体光電層を備
え、その半導体光電層に励起光が入射されることにより
その半導体光電層の表面からスピン方向が偏在している
偏極電子線を発生する偏極電子線発生素子において、前
記半導体光電層を透過した前記励起光を反射することに
よりその半導体光電層の表面との間にその励起光を共振
させる光共振器を構成する反射層を、その半導体光電層
の裏側に設け、その半導体光電層の表面からその反射層
までのその反射層での位相の変化を考慮した光学的厚み
を、前記両サブバンドのそれぞれのバンドギャップエネ
ルギーに相当する前記励起光の波長の差の大きさよりも
前記共振が発生し得る波長の間隔が短くなる長さに設定
したことを特徴とする。
【0008】
【作用および発明の効果】このような偏極電子線発生素
子においては、半導体光電層を透過した前記励起光を反
射することによりその半導体光電層の表面との間に励起
光を共振させる光共振器を構成する反射層がその半導体
光電層の裏側に設けられているため、半導体光電層に入
射させられた励起光は上記光共振器内で共振させられ
る。このとき、半導体光電層の表面から反射層までの距
離が、ヘビーホールのサブバンドとライトホールのサブ
バンドのそれぞれのバンドギャップエネルギーに相当す
る励起光の波長の差の大きさよりも共振波長の間隔が短
くなる長さに設定されていることにより、一方のサブバ
ンドのみを励起する波長域すなわち高い偏極率が得られ
る波長域内に複数の共振波長が存在し得る。また、通
常、反射層の帯域幅は、高い偏極率が得られる励起光の
波長域よりも広いため、反射層の帯域幅よりも共振波長
の間隔がかなり短くなり、反射層の帯域幅内に複数の共
振波長が存在し得る。したがって、前述のような理由に
より共振波長が変動した場合にも、複数の共振波長が反
射層の帯域幅内に存在し、且つ、少なくとも1つの共振
波長が高い偏極率が得られる励起光の波長域内に存在し
て、高い偏極率と高い量子効率が得られる偏極電子線発
生素子が得られる。なお、上記の半導体光電層の表面か
ら反射層までの距離は、半導体光電層の表面から反射層
の表面までの実際の距離ではなく、反射層での位相の変
化を考慮した実効的な距離である。
子においては、半導体光電層を透過した前記励起光を反
射することによりその半導体光電層の表面との間に励起
光を共振させる光共振器を構成する反射層がその半導体
光電層の裏側に設けられているため、半導体光電層に入
射させられた励起光は上記光共振器内で共振させられ
る。このとき、半導体光電層の表面から反射層までの距
離が、ヘビーホールのサブバンドとライトホールのサブ
バンドのそれぞれのバンドギャップエネルギーに相当す
る励起光の波長の差の大きさよりも共振波長の間隔が短
くなる長さに設定されていることにより、一方のサブバ
ンドのみを励起する波長域すなわち高い偏極率が得られ
る波長域内に複数の共振波長が存在し得る。また、通
常、反射層の帯域幅は、高い偏極率が得られる励起光の
波長域よりも広いため、反射層の帯域幅よりも共振波長
の間隔がかなり短くなり、反射層の帯域幅内に複数の共
振波長が存在し得る。したがって、前述のような理由に
より共振波長が変動した場合にも、複数の共振波長が反
射層の帯域幅内に存在し、且つ、少なくとも1つの共振
波長が高い偏極率が得られる励起光の波長域内に存在し
て、高い偏極率と高い量子効率が得られる偏極電子線発
生素子が得られる。なお、上記の半導体光電層の表面か
ら反射層までの距離は、半導体光電層の表面から反射層
の表面までの実際の距離ではなく、反射層での位相の変
化を考慮した実効的な距離である。
【0009】また、前述のように、高い偏極率を与える
励起光の波長域は約25〜50nmであり、前記共振波
長の間隔は、少なくとも30nm以下、好ましくは20
nm以下であることが望ましい。
励起光の波長域は約25〜50nmであり、前記共振波
長の間隔は、少なくとも30nm以下、好ましくは20
nm以下であることが望ましい。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
細に説明する。
【0011】図1は、偏極電子線発生素子10の要部構
成を示している。図において、偏極電子線発生素子10
は、基板12と、よく知られたMOCVD(有機金属化
学気相成長)装置によりその基板12の上に順次結晶成
長させられた半導体多層膜反射層14,バッファ層1
6、および半導体光電層18を備えている。
成を示している。図において、偏極電子線発生素子10
は、基板12と、よく知られたMOCVD(有機金属化
学気相成長)装置によりその基板12の上に順次結晶成
長させられた半導体多層膜反射層14,バッファ層1
6、および半導体光電層18を備えている。
【0012】上記基板12は350μm程度の厚みであ
って、Znが不純物としてドープされることによりキャ
リア濃度が5×1018(cm-3)程度とされたp−Ga
Asであり、表面は(100)面である。また、上記半
導体多層膜反射層14は、厚さが60.4nmのp−A
l0.1 Ga0.9 Asと厚さが66.5nmのp−Al
0.6 Ga0.4 Asとを交互に30ペア積層したもので、
円偏光である励起レーザ光20の波長λに対して充分に
広い帯域幅を備えた反射特性を備えている。これ等2種
類の半導体は、何れもZnが不純物としてドープされる
ことによりキャリア濃度が5×1018(cm-3)程度と
されている。
って、Znが不純物としてドープされることによりキャ
リア濃度が5×1018(cm-3)程度とされたp−Ga
Asであり、表面は(100)面である。また、上記半
導体多層膜反射層14は、厚さが60.4nmのp−A
l0.1 Ga0.9 Asと厚さが66.5nmのp−Al
0.6 Ga0.4 Asとを交互に30ペア積層したもので、
円偏光である励起レーザ光20の波長λに対して充分に
広い帯域幅を備えた反射特性を備えている。これ等2種
類の半導体は、何れもZnが不純物としてドープされる
ことによりキャリア濃度が5×1018(cm-3)程度と
されている。
【0013】上記の半導体多層膜反射層14は、屈折率
の異なる2種類の化合物半導体を1/4波長の光学的厚
さで交互に積み重ねて形成されることにより、光波干渉
によって上記励起レーザ光20を反射する所謂ブラッグ
反射鏡であって、その半導体多層膜反射層14を構成し
ているAl0.1 Ga0.9 AsおよびAl0.6 Ga0.4A
sの膜厚は、それ等の屈折率および励起光の波長に基づ
いて定められている。すなわち、Alx Ga1-x Asの
屈折率n(x)は次式(1) に従って求められ、n(0.
1)=3.52,n(0.6)=3.196であるた
め、波長λ=850nmとして次式(2) に従って、Al
0.1 Ga0.9 Asの膜厚tB =60.4nm,Al0.6
Ga0.4 Asの膜厚tB =66.5nmとされているの
である。なお、Al0.6 Ga0.4 AsよりもAlの混晶
比xが大きなAlx Ga1-x Asを用いれば、屈折率差
が大きくなって反射率が高くなり、かつ反射帯域幅が拡
がるが、混晶比xが0.6より大きくなるとZnの高濃
度ドープが困難となり、導電率が低下して好ましくない
のである。
の異なる2種類の化合物半導体を1/4波長の光学的厚
さで交互に積み重ねて形成されることにより、光波干渉
によって上記励起レーザ光20を反射する所謂ブラッグ
反射鏡であって、その半導体多層膜反射層14を構成し
ているAl0.1 Ga0.9 AsおよびAl0.6 Ga0.4A
sの膜厚は、それ等の屈折率および励起光の波長に基づ
いて定められている。すなわち、Alx Ga1-x Asの
屈折率n(x)は次式(1) に従って求められ、n(0.
1)=3.52,n(0.6)=3.196であるた
め、波長λ=850nmとして次式(2) に従って、Al
0.1 Ga0.9 Asの膜厚tB =60.4nm,Al0.6
Ga0.4 Asの膜厚tB =66.5nmとされているの
である。なお、Al0.6 Ga0.4 AsよりもAlの混晶
比xが大きなAlx Ga1-x Asを用いれば、屈折率差
が大きくなって反射率が高くなり、かつ反射帯域幅が拡
がるが、混晶比xが0.6より大きくなるとZnの高濃
度ドープが困難となり、導電率が低下して好ましくない
のである。
【0014】
【数1】
【0015】また、前記バッファ層16は、4.0μm
(4000nm)程度の厚みを備えたものであって、Z
nが不純物としてドープされることによりキャリア濃度
が5×1018(cm-3)程度とされたp−GaAs0.75
P0.25である。また、上記半導体光電層18は、数十乃
至百数十nm程度の厚みを備えたものであって、Znが
不純物としてドープされることによりキャリア濃度が5
×1018(cm-3)程度とされたp−GaAsである。
なお、図1における各半導体の厚さは必ずしも正確な割
合で示したものではない。
(4000nm)程度の厚みを備えたものであって、Z
nが不純物としてドープされることによりキャリア濃度
が5×1018(cm-3)程度とされたp−GaAs0.75
P0.25である。また、上記半導体光電層18は、数十乃
至百数十nm程度の厚みを備えたものであって、Znが
不純物としてドープされることによりキャリア濃度が5
×1018(cm-3)程度とされたp−GaAsである。
なお、図1における各半導体の厚さは必ずしも正確な割
合で示したものではない。
【0016】上記半導体光電層18の格子定数はバッフ
ァ層16よりも大きいため、半導体光電層18は圧縮応
力が作用させられて格子歪を有する状態でバッファ層1
6上にヘテロ結合させられる。この格子歪により、半導
体光電層18の価電子帯にバンドスプリッティングが発
生し、ヘビーホールのサブバンドとライトホールのサブ
バンドとにエネルギー準位差が生じる一方、両サブバン
ドの励起によって取り出される電子のスピン方向は互い
に反対向きであるため、エネルギー準位の高い方すなわ
ちヘビーホールのサブバンドのみを励起する光エネルギ
ーが半導体光電層18に入射されると、一方のスピン方
向に偏在した電子群が専ら励起されて放出される。
ァ層16よりも大きいため、半導体光電層18は圧縮応
力が作用させられて格子歪を有する状態でバッファ層1
6上にヘテロ結合させられる。この格子歪により、半導
体光電層18の価電子帯にバンドスプリッティングが発
生し、ヘビーホールのサブバンドとライトホールのサブ
バンドとにエネルギー準位差が生じる一方、両サブバン
ドの励起によって取り出される電子のスピン方向は互い
に反対向きであるため、エネルギー準位の高い方すなわ
ちヘビーホールのサブバンドのみを励起する光エネルギ
ーが半導体光電層18に入射されると、一方のスピン方
向に偏在した電子群が専ら励起されて放出される。
【0017】ここで、半導体光電層18の表面22と半
導体多層膜反射層14との間では、励起レーザ光20を
共振させる光共振器が構成されている。この光共振器で
共振され得る励起レーザ光20の波長は、半導体光電層
18とバッファ層16の厚みおよび屈折率から定められ
る共振波長と、半導体多層膜反射層14の各層の厚みお
よび屈折率から定められる反射が行われる反射波長とが
一致する波長に定められるものである。これらの波長の
光は共振器を形成する半導体光電層18の表面と半導体
多層膜反射層14で反射されて戻って来たときに、同じ
位相となり、共振を起こす。このとき、位相の変化は光
の進行に伴う変化と、半導体多層膜反射層14での位相
の変化を考慮する必要がある。なお、本実施例において
は、半導体光電層18は4000nmの厚みのバッファ
層16に対する厚みの比率が小さいため、共振波長はバ
ッファ層16の厚みで略決定される。また、半導体多層
膜反射層14は、前述のように波長λ=850nmのと
きに励起レーザ光20を反射するように設定されている
ものであるが、前記波長λ=850nmは反射が行われ
る中心波長であって、この波長を中心とした帯域幅内で
反射が比較的効率的に行われる。
導体多層膜反射層14との間では、励起レーザ光20を
共振させる光共振器が構成されている。この光共振器で
共振され得る励起レーザ光20の波長は、半導体光電層
18とバッファ層16の厚みおよび屈折率から定められ
る共振波長と、半導体多層膜反射層14の各層の厚みお
よび屈折率から定められる反射が行われる反射波長とが
一致する波長に定められるものである。これらの波長の
光は共振器を形成する半導体光電層18の表面と半導体
多層膜反射層14で反射されて戻って来たときに、同じ
位相となり、共振を起こす。このとき、位相の変化は光
の進行に伴う変化と、半導体多層膜反射層14での位相
の変化を考慮する必要がある。なお、本実施例において
は、半導体光電層18は4000nmの厚みのバッファ
層16に対する厚みの比率が小さいため、共振波長はバ
ッファ層16の厚みで略決定される。また、半導体多層
膜反射層14は、前述のように波長λ=850nmのと
きに励起レーザ光20を反射するように設定されている
ものであるが、前記波長λ=850nmは反射が行われ
る中心波長であって、この波長を中心とした帯域幅内で
反射が比較的効率的に行われる。
【0018】一般に、上記の半導体光電層18とバッフ
ァ層16の厚みすなわち半導体光電層18の表面から半
導体多層膜反射層14までの距離を長くするに連れて、
共振波長の間隔が狭くなるという関係が知られている。
本実施例においては、バッファ層16が4000nmと
厚くされているため、半導体多層膜反射層14の反射ス
ペクトルを表した図2に示すように、半導体多層膜反射
層14による反射が行われ得る帯域幅a内において、共
振によって大きな吸収率が得られる共振波長がλ1 (約
840nm),λ2 (約865nm)の2つ存在し、共
振波長の間隔ΔλR が25nmに縮まっている。一般
に、ヘビーホールのサブバンドとライトホールのサブバ
ンドをそれぞれ励起する励起レーザ光の波長の差は25
〜50nm程度であるため、エネルギー準位の高い方す
なわちヘビーホールのサブバンドのみを励起し、高い偏
極率が得られる励起レーザ光の波長域は約25〜50n
mである。すなわち、本実施例においては、高い偏極率
が得られる波長域(約25nm以上)よりも共振波長の
間隔ΔλR が小さくなるように、半導体光電層18の表
面から半導体多層膜反射層14までの距離が設定されて
いるのである。
ァ層16の厚みすなわち半導体光電層18の表面から半
導体多層膜反射層14までの距離を長くするに連れて、
共振波長の間隔が狭くなるという関係が知られている。
本実施例においては、バッファ層16が4000nmと
厚くされているため、半導体多層膜反射層14の反射ス
ペクトルを表した図2に示すように、半導体多層膜反射
層14による反射が行われ得る帯域幅a内において、共
振によって大きな吸収率が得られる共振波長がλ1 (約
840nm),λ2 (約865nm)の2つ存在し、共
振波長の間隔ΔλR が25nmに縮まっている。一般
に、ヘビーホールのサブバンドとライトホールのサブバ
ンドをそれぞれ励起する励起レーザ光の波長の差は25
〜50nm程度であるため、エネルギー準位の高い方す
なわちヘビーホールのサブバンドのみを励起し、高い偏
極率が得られる励起レーザ光の波長域は約25〜50n
mである。すなわち、本実施例においては、高い偏極率
が得られる波長域(約25nm以上)よりも共振波長の
間隔ΔλR が小さくなるように、半導体光電層18の表
面から半導体多層膜反射層14までの距離が設定されて
いるのである。
【0019】したがって、半導体多層膜反射層14を積
層形成する際に、その厚み制御やAlの混晶比がばらつ
いた結果、或いはバッファ層16を半導体多層膜反射層
14上に形成する際に、その厚み制御やPの混晶比の制
御が不充分でばらついた結果、上記共振波長が変動した
としても、隣接する共振波長の間隔が半導体多層膜反射
層14の帯域幅a(824〜876nm=52nm)に
比べて小さく、少なくとも1つの共振波長が帯域幅a内
に存在するため、その波長で励起されることにより、高
い量子効率が得られる。また、高い偏極率が得られる波
長域よりも共振波長の間隔ΔλR が小さくされているた
め、同様に共振波長が変動した場合にも少なくとも1つ
の共振波長がその波長域内に存在し、高い偏極率が得ら
れる。
層形成する際に、その厚み制御やAlの混晶比がばらつ
いた結果、或いはバッファ層16を半導体多層膜反射層
14上に形成する際に、その厚み制御やPの混晶比の制
御が不充分でばらついた結果、上記共振波長が変動した
としても、隣接する共振波長の間隔が半導体多層膜反射
層14の帯域幅a(824〜876nm=52nm)に
比べて小さく、少なくとも1つの共振波長が帯域幅a内
に存在するため、その波長で励起されることにより、高
い量子効率が得られる。また、高い偏極率が得られる波
長域よりも共振波長の間隔ΔλR が小さくされているた
め、同様に共振波長が変動した場合にも少なくとも1つ
の共振波長がその波長域内に存在し、高い偏極率が得ら
れる。
【0020】これに対して、従来のようにバッファ層1
6の厚みが約2000nmとされている場合には、図3
に示すように半導体多層膜反射層14の帯域幅a内に、
共振波長がλ3 (825nm),λ4 (865nm)の
2つ存在するが、一方の共振波長λ3 は帯域の端に存在
し、λ3 とλ4 との間隔ΔλR は約40nmとなってい
る。したがって、図2および図3より明らかなように、
本実施例(共振波長の間隔ΔλR =25nm)よりも共
振波長の間隔ΔλR が大きく、高い偏極率が得られる波
長域(約25〜50nm)よりも大きくなる可能性があ
るため、共振波長が変動した場合に高い偏極率を与える
励起波長で共振が生じなくなる可能性がある。したがっ
て、従来は半導体多層膜反射層14或いはバッファ層1
6の光学的厚みの精度の制御が困難であるために高い偏
極率と高い量子効率が得られなかったのに対し、本実施
例では、従来と同様に厚みの制御が困難な状況下におい
ても、高い偏極率を維持したまま、高い量子効率が得ら
れる偏極電子線素子10が得られるのである。
6の厚みが約2000nmとされている場合には、図3
に示すように半導体多層膜反射層14の帯域幅a内に、
共振波長がλ3 (825nm),λ4 (865nm)の
2つ存在するが、一方の共振波長λ3 は帯域の端に存在
し、λ3 とλ4 との間隔ΔλR は約40nmとなってい
る。したがって、図2および図3より明らかなように、
本実施例(共振波長の間隔ΔλR =25nm)よりも共
振波長の間隔ΔλR が大きく、高い偏極率が得られる波
長域(約25〜50nm)よりも大きくなる可能性があ
るため、共振波長が変動した場合に高い偏極率を与える
励起波長で共振が生じなくなる可能性がある。したがっ
て、従来は半導体多層膜反射層14或いはバッファ層1
6の光学的厚みの精度の制御が困難であるために高い偏
極率と高い量子効率が得られなかったのに対し、本実施
例では、従来と同様に厚みの制御が困難な状況下におい
ても、高い偏極率を維持したまま、高い量子効率が得ら
れる偏極電子線素子10が得られるのである。
【0021】なお、帯域幅aおよび共振波長λR の間隔
ΔλR は、下記の(3) 式,(4) 式により定められるもの
である。すなわち、帯域幅aは半導体多層膜反射層14
の各層の屈折率をそれぞれn1 およびn2 としたとき、
下記(3) 式で与えられ、半導体多層膜反射層14の各層
の屈折率の差が大きいほど広くなる。本実施例では、n
1 =3.52,n2 =3.196であり、a=52nm
となり、ΔλR (=25nm)より充分大きくなる。ま
た、間隔ΔλR は、バッファ層16の屈折率をn、厚さ
をbとしたとき、下記(4) 式で与えられる。なお、屈折
率の波長依存性は無視し、また、半導体多層膜反射層1
4での位相の変化も無視した。屈折率の波長依存性を含
めるには、nとして実効屈折率を用いれば良い。また、
位相の変化を含めるにはbを実効的な厚さに置き換えれ
ば良い。したがって、バッファ層16の厚さbが大きい
ときには共振波長の間隔ΔλR が小さくなるのである。
なお、バッファ層16の厚さbは、製造上可能な厚みb
や混晶比yの精度と、得られる量子効率との兼ね合いに
よって定められるものである。以上のことから、バッフ
ァ層16の厚みが本実施例のように約4000nmとさ
れている場合には、その光学的厚みの公差すなわちバッ
ファ層16のGaAs1-y Py の混晶比yは偏極電子線
素子10で実際に使用される可能性がある0〜0.4の
全ての範囲が許容されることになる。
ΔλR は、下記の(3) 式,(4) 式により定められるもの
である。すなわち、帯域幅aは半導体多層膜反射層14
の各層の屈折率をそれぞれn1 およびn2 としたとき、
下記(3) 式で与えられ、半導体多層膜反射層14の各層
の屈折率の差が大きいほど広くなる。本実施例では、n
1 =3.52,n2 =3.196であり、a=52nm
となり、ΔλR (=25nm)より充分大きくなる。ま
た、間隔ΔλR は、バッファ層16の屈折率をn、厚さ
をbとしたとき、下記(4) 式で与えられる。なお、屈折
率の波長依存性は無視し、また、半導体多層膜反射層1
4での位相の変化も無視した。屈折率の波長依存性を含
めるには、nとして実効屈折率を用いれば良い。また、
位相の変化を含めるにはbを実効的な厚さに置き換えれ
ば良い。したがって、バッファ層16の厚さbが大きい
ときには共振波長の間隔ΔλR が小さくなるのである。
なお、バッファ層16の厚さbは、製造上可能な厚みb
や混晶比yの精度と、得られる量子効率との兼ね合いに
よって定められるものである。以上のことから、バッフ
ァ層16の厚みが本実施例のように約4000nmとさ
れている場合には、その光学的厚みの公差すなわちバッ
ファ層16のGaAs1-y Py の混晶比yは偏極電子線
素子10で実際に使用される可能性がある0〜0.4の
全ての範囲が許容されることになる。
【0022】
【数2】
【0023】また、本実施例の偏極電子線発生素子10
によれば、バッファ層16を構成するGaAs0.75P
0.25は、半導体光電層18を構成するGaAsよりもバ
ンドギャップが大きいためポテンシャル障壁として機能
し、半導体光電層18内で発生した電子がバッファ層1
6内へ流れ込むことが防止され、偏極電子線の取り出し
効率が向上する。
によれば、バッファ層16を構成するGaAs0.75P
0.25は、半導体光電層18を構成するGaAsよりもバ
ンドギャップが大きいためポテンシャル障壁として機能
し、半導体光電層18内で発生した電子がバッファ層1
6内へ流れ込むことが防止され、偏極電子線の取り出し
効率が向上する。
【0024】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明したが、本発明は他の態様で実施することも
できる。
詳細に説明したが、本発明は他の態様で実施することも
できる。
【0025】例えば、前述の実施例では、半導体光電層
18はGaAsから構成され、バッファ層16はGaA
s0.75P0.25から構成されていたが、それ等の半導体の
組成(As,Pの混晶比x,y)や種類は変更されても
よい。例えばGaAsやInGaAs,InGaAsP
等のストレインド化合物半導体を用いることも可能であ
る。要するに、半導体光電層18は、その下層との間の
格子定数差に基づく格子歪によりその価電子帯にバンド
スプリッティングを発生する物質であればよいのであ
る。
18はGaAsから構成され、バッファ層16はGaA
s0.75P0.25から構成されていたが、それ等の半導体の
組成(As,Pの混晶比x,y)や種類は変更されても
よい。例えばGaAsやInGaAs,InGaAsP
等のストレインド化合物半導体を用いることも可能であ
る。要するに、半導体光電層18は、その下層との間の
格子定数差に基づく格子歪によりその価電子帯にバンド
スプリッティングを発生する物質であればよいのであ
る。
【0026】また、価電子帯に元々バンドスプリッティ
ングを有するカルコパイライト型半導体等を、上記半導
体光電層18として用いることも可能である。
ングを有するカルコパイライト型半導体等を、上記半導
体光電層18として用いることも可能である。
【0027】前記実施例では基板12としてGaAsが
用いられていたが、AlGaAs等の他の化合物半導体
やSi基板等を用いることも可能である。
用いられていたが、AlGaAs等の他の化合物半導体
やSi基板等を用いることも可能である。
【0028】また、前記実施例では半導体光電層18の
格子定数がバッファ層16より大きくて圧縮応力が作用
させられるようになっていたが、バッファ層16よりも
半導体光電層18の方が相対的に格子定数が小さく、引
っ張り応力によって格子歪が生じさせられるようにする
こともできる。
格子定数がバッファ層16より大きくて圧縮応力が作用
させられるようになっていたが、バッファ層16よりも
半導体光電層18の方が相対的に格子定数が小さく、引
っ張り応力によって格子歪が生じさせられるようにする
こともできる。
【0029】また、前記実施例の半導体多層膜反射層1
4のAlの混晶比は適宜変更され得るものである。
4のAlの混晶比は適宜変更され得るものである。
【0030】また、前記実施例ではMOCVD法を用い
て半導体多層膜反射層14および半導体光電層18を形
成した場合について説明したが、MBE(分子線エピタ
キシー)法等の他のエピタキシャル成長技術を用いるこ
とも勿論可能である。
て半導体多層膜反射層14および半導体光電層18を形
成した場合について説明したが、MBE(分子線エピタ
キシー)法等の他のエピタキシャル成長技術を用いるこ
とも勿論可能である。
【0031】また、バッファ層16の厚みは、実施例で
示した4000nmに限られず、必要な共振波長の長さ
や光共振器を構成する層の屈折率によって適宜定めら
れ、また、製造上可能な厚みや励起レーザ光の許容され
る波長域、また、高い偏極率が得られる励起波長範囲
と、得られる量子効率との兼ね合いにより定められるも
のである。
示した4000nmに限られず、必要な共振波長の長さ
や光共振器を構成する層の屈折率によって適宜定めら
れ、また、製造上可能な厚みや励起レーザ光の許容され
る波長域、また、高い偏極率が得られる励起波長範囲
と、得られる量子効率との兼ね合いにより定められるも
のである。
【0032】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実
施することができる。
者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実
施することができる。
【図1】本発明の一実施例である偏極電子線発生素子の
構成を説明する図である。
構成を説明する図である。
【図2】図1の偏極電子線発生素子における励起レーザ
光の波長と反射率の関係を示す図である。
光の波長と反射率の関係を示す図である。
【図3】従来の偏極電子線発生素子における図2に対応
する図である。
する図である。
10:偏極電子線発生素子 14:半導体多層膜反射層(反射層) 18:半導体光電層 20:励起レーザ光(励起光) 22:表面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−329235(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 1/34 - 1/35
Claims (1)
- 【請求項1】 価電子帯にバンドスプリッティングを有
してヘビーホールのサブバンドとライトホールのサブバ
ンドにエネルギー準位差が生じた半導体光電層を備え、
該半導体光電層に励起光が入射されることにより該半導
体光電層の表面からスピン方向が偏在している偏極電子
線を発生する偏極電子線発生素子において、 前記半導体光電層を透過した前記励起光を反射すること
により該半導体光電層の表面との間に該励起光を共振さ
せる光共振器を構成する反射層を、該半導体光電層の裏
側に設け、該半導体光電層の表面から該反射層までの該
反射層での位相の変化を考慮した光学的厚みを、前記両
サブバンドのそれぞれのバンドギャップエネルギーに相
当する前記励起光の波長の差の大きさよりも前記共振が
発生し得る波長の間隔が短くなる長さに設定したことを
特徴とする偏極電子線発生素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23985393A JP3316957B2 (ja) | 1993-09-27 | 1993-09-27 | 偏極電子線発生素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23985393A JP3316957B2 (ja) | 1993-09-27 | 1993-09-27 | 偏極電子線発生素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0794079A JPH0794079A (ja) | 1995-04-07 |
JP3316957B2 true JP3316957B2 (ja) | 2002-08-19 |
Family
ID=17050853
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23985393A Expired - Fee Related JP3316957B2 (ja) | 1993-09-27 | 1993-09-27 | 偏極電子線発生素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3316957B2 (ja) |
-
1993
- 1993-09-27 JP JP23985393A patent/JP3316957B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0794079A (ja) | 1995-04-07 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |