JP3316009B2 - 化学発光測定装置 - Google Patents

化学発光測定装置

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JP3316009B2 JP30193292A JP30193292A JP3316009B2 JP 3316009 B2 JP3316009 B2 JP 3316009B2 JP 30193292 A JP30193292 A JP 30193292A JP 30193292 A JP30193292 A JP 30193292A JP 3316009 B2 JP3316009 B2 JP 3316009B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酵素免疫測定に用いら
れる化学発光測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ラジオアイソトープを標識として用いる
RIA(ラジオイムノアッセイ)は廃棄物処理の安全性
等の問題を伴うため、近年では、これにかわって酵素免
疫測定法が用いられるようになってきた。酵素免疫測定
法は、酵素活性を標識として抗原抗体反応を追跡し、そ
の結果に基づいて抗原または抗体の量を定量する方法で
ある。この方法を用いると、RIAのような放射性廃棄
物等による放射能汚染、放射能の人体への影響、標識試
薬の不安定さなどの問題は回避され、しかも高感度のア
ッセイを行うことが可能である。
【0003】酵素免疫測定法には、可溶性の抗原及び抗
体を用いる液相法と、いずれか一方を固形の担体に結合
させて行う固相法の大きく分けて2種類がある。固相法
を用いるとB/F分離を行う必要がなく、操作を簡略化
することができるため、ELIA(固相酵素免疫測定
法)が広く用いられている。
【0004】この固相酵素免疫測定法の1つとして、化
学発光を利用するものがある。これは、酵素標識抗原或
いは抗体と基質とを反応させ、この酵素反応により生じ
る化学発光を受光器でとらえてその強度を測定すること
により行われる。
【0005】しかし、現在の化学発光を用いた固相酵素
免疫測定法においては、抗原抗体反応を十分に進行させ
るために比較的長時間を要するという問題点がある。ま
た、化学発光反応を生じさせ、その発光強度を測定する
ために、かなり複雑な手順が要求され、操作が繁雑であ
るという問題がある。更に、この化学発光反応による発
光強度は通常微弱であるため、これを検出するために高
感度な受光器、さらには信号を増幅するための種々の装
置などが必要となる等の問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたもので、その課題は、少量のサンプルを用
いて、かつ短時間で化学発光による固相酵素免疫測定を
行うことが可能で、しかも操作が簡便な化学発光測定装
置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明は、抗原抗体反応を利用した固相免疫測定に
おける化学発光測定装置において、少なくとも一方が光
透過性を有する2枚の長方形状の平板をその縁部に平行
に配置された対向する二つの角柱状スペーサーを介して
互いに積層してなる、両平板間に毛管現象による液体の
注入および排出が可能な間隙を有する反応容器と、該反
応容器の内面を構成する前記平板の少なくとも一方の表
面に固相化された抗原抗体反応の一方の反応成分と、
電面が該反応容器を構成する前記光透過性を有する平板
の表面に平行になるように配置された光電子倍増管と、
該光電子倍増管からの信号を増幅するための低雑音増幅
器と、該低雑音増幅器からの信号を計測するためのフォ
トン・カウンターと、該フォトン・カウンターからの信
号をデータ処理するためのマイクロコンピューターとを
具備することを特徴とする測定装置を提供する。
【0008】
【作用】本発明の化学発光測定装置に用いられる反応容
器は、2つの平板及び2つのスペーサーによって限定さ
れた間隙を有し、この間隙内に液体サンプルが導入され
る。該間隙は薄くかつ平板で限定される面積が広いこと
から、注入された液体サンプルがスライド状に薄く広が
って薄層となり、単位体積当たりでの平板との接触面積
が大きくなる。従って、反応容器の内壁に固相化された
抗原或いは抗体と、液体サンプル中に含まれる被測定物
質とが遭遇して接触する確率が高くなり、抗原抗体反応
の反応速度が速まる。また、液体サンプルを毛管現象に
より注入・排出することができるので、サンプル等の供
給や、反応容器の洗浄が容易となる。
【0009】更に、液体の表面積が大きくなること、及
び光電子増倍管を反応容器に近く配置することが可能で
あることから、少量のサンプルでも十分な受光量が得ら
れる。また、光電子増倍管の光電面と反応容器の透光性
平板表面の面積を適合させることでS/Nを向上させる
ことができる。
【0010】
【実施例】以下図面に示す実施例を参照し、本発明を更
に詳細に説明する。
【0011】図1(A)は本発明の化学発光測定装置に
用いられる反応容器を示す平面図であり、同図(B)は
その断面図である。また、図2は第1図の反応容器を用
いた本発明の化学発光測定装置の一実施例を示すブロッ
ク図である。
【0012】この実施例の化学発光測定装置に用いられ
る反応容器11は、2枚の長方形状の平板12,13 をその縁
部に配置された2つの角柱状スペーサー14,15 を介して
互いに対面させ、積層することにより形成されている。
図示のように、スペーサー14,15 は平板11または12の対
向する辺に沿って配置されている。その結果、スペーサ
ーを配置していない開口端部17から、毛管現象により液
体を注入及び排出し得る間隙16を有する容器(以下マイ
クロスライド状反応容器と呼ぶ)が構成される。この2
枚の平板12,13 とスペーサー14,15 とは互いに接着剤等
で接着してもよく、また反応容器を製造する工程におい
て一体に成形してもよい。
【0013】平板12,13 の大きさは、一辺が10〜50
mmの範囲が好ましく、10〜30mmの範囲が特に好
ましい。10mm未満であると、後述の光電子増倍管21
の光電面が、該平板12,13 に対して大きすぎるために、
多くのノイズを拾ってしまい、感度が低下するからであ
る。一方50mmを越えると必要以上に多量のサンプル
を使用しなければならなず、非経済的である。また前記
間隙16は、0.1mm〜1mmの範囲が好ましい。この
範囲であれば、反応容器11の上方の開放端部17から毛管
現象により液体サンプルを注入及び排出することがで
き、操作が簡便に行えるからである。後述の実験例で用
いた反応容器は、平板12,13 が25mm×25mm×1
mmであり、間隙16が0.3mmである。
【0014】この反応容器11は、平板12,13 の少なくと
も一方が光透過性物質で構成されている。光透過性物質
としては、例えば、ガラス、ポリスチレン、塩化ビニル
等が挙げられる。また、固相化操作の簡略化の観点から
は、例えは、ポリスチレンのように、抗体或いは抗原を
物理吸着し得る物質であることが好ましい。反応容器11
の平板12,13 の一方のみが光透過性を有する場合は、該
光透過性を有する平板12,13 が光電子増倍管21の方向を
向くように設置する必要がある。
【0015】この反応容器11は、以上述べてきたように
マイクロスライド状であるため、液体を注入すると液面
がスライド状に薄く広がり、液層が薄くなる。従って、
反応容器の内壁に固相化された抗原或いは抗体と、液体
サンプル中に含まれる被測定物質とが出会う確率が高く
なって、抗原抗体反応が起こり易くなる。また液体の表
面積が大きくなるため発光測定が行い易くなる。
【0016】上記の反応容器11は、図2に示すようにし
て化学発光測定装置に組み込まれる。同図において、21
は光電子増倍管、22は低雑音増幅器、23はフォトン・カ
ウンター、24はマイクロコンピューターである。
【0017】図示のように、光電子増倍管21は、反応容
器11を構成する透光性平板の表面に光電面が平行に向か
い合う状態で、反応容器11に近接して配置される。光電
子増倍管21は、二次放出を利用して出力電力を増倍する
もので、高感度でかつ時間応答が速い。これは光電陰極
と出力電極の間に1つ以上のダイオードを有し、光電陰
極からの電子の流れは各々のダイオードで順次反射さ
れ、この反射ごとに二次電子が放出され、この過程が1
6 の増倍率が得られるまで繰り返されることによる。
【0018】光電子増倍管21としては、通常の化学発光
測定に用いられているものであればどのようなものを用
いてもよい。しかし、光電子増倍管21の光電面の面積を
反応容器11の透光性平板表面の面積と適合させることが
好ましい。面積を適合させることによりS/Nを向上
させることができるからである。また、本発明の化学発
光測定装置においては、反応容器11の透光性平板表面と
光電子増倍管21の光電面とは、通常、例えは反応容器と
してマイクロプレートを用いた場合よりもかなり近接し
て配置することができるため、少量のサンプルでも十分
な受光量が得られる。例えば、該光電面と透光性平板表
面との距離は1cm以下の範囲が好ましい。
【0019】低雑音増幅器22は、前記光電子増倍管21か
ら出力された信号(すなわち光電子パルス)を増幅する
ためのもので、通常用いられているものであればどのよ
うなものでも用いることができる。低雑音増幅器を用い
ると、光電子増倍管21からの信号が微弱な場合には暗雑
音が非常に低いので高感度を得ることができる。フォト
ン・カウンター23は、低雑音増幅器22からの信号を計測
するために設置されている。またマイクロコンピュータ
ー24は、フォトン・カウンター23からの信号をデータ処
理するために設置されている。
【0020】これらにより、例えば1秒当たりのパルス
数を計測し、後述のマイクロコンピューター24に送信す
ることにより、化学発光の測定値として、ディスプレイ
上に表示、或いはプリントすることができる。
【0021】上記実施例の化学発光測定装置は、酵素免
疫測定に用いられる。特に固相酵素免疫測定法において
好ましく用いられ、その中でも、サンドイッチアッセイ
において用いられることが特に好ましい。サンドイッチ
アッセイは、予め十分量の、測定すべき被測定物質等に
対する抗原又は抗体を適当な固相上に結合させて不溶化
し、被測定物質をこれと反応させた後、十分量の酵素標
識抗体を結合させるものである。以下、図3を参照にし
て、本発明の化学発光測定装置を用いたサンドイッチE
LIAアッセイの方法について説明する。
【0022】まず、反応容器の内壁に被測定物質に対し
て特異的に反応する抗原又は抗体を物理吸着等により固
相化する(図3(A)図示)。固相化された反応容器に
被測定物質を含有する液体サンプルを添加して所定時間
インキュベートすることにより一次反応(抗原抗体反
応)を行う(図3(B)図示)。一次反応終了後、反応
容器を洗浄した後、反応容器に二次抗体(酵素標識抗原
又は酵素標識抗体)を添加して所定時間インキュベート
することにより二次反応(抗原抗体反応)を行う(図3
(C)図示)。二次反応終了後、反応容器を洗浄した
後、反応容器に化学発光基質を添加することにより酵素
基質反応を行ない(図3(D)図示)、化学発光測定装
置を作動させることにより発光強度を測定する。測定さ
れた発光強度は、被測定物質の濃度に依存するため、溶
液サンプル中の被測定物質の濃度を発光強度から定量的
に求めることができる。
【0023】酵素標識抗原又は抗体としては、一次反応
で生じた抗原抗体複合体に特異的に結合するようなもの
であれば通常用いられているどのようなものを用いても
よい。しかし抗体を酵素で標識する方が好ましい。
【0024】抗体を標識するための酵素としては、通常
標識酵素として用いられているものであればどのような
ものを用いてもよく、例えばアルカリフォスファター
ゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダー
ゼなどを好ましく用いることができる。その中でも特に
好ましい標識酵素はアルカリフォスファターゼである。
【0025】化学発光基質としては、二次抗体を標識す
るために用いた酵素に対する基質となり得るもので、か
つ該酵素反応で発光するものであればどのようなものを
用いてもよい。例えば、標識酵素として、アルカリフォ
スファターゼを用いた場合には、基質としてジオキセタ
ン誘導体(AMPPD)が好ましく用いられる。ジオキ
セタン誘導体は、室温付近或いはそれより低温度で分解
し、励起状態のカルボニル化合物を生成するが、その際
に発光する。また、ジオキセタン誘導体を用いた場合の
酵素基質反応のインキュベーション時間は20分が好ま
しい。後述の実験例1からもわかるように、発光基質と
して用いるジオキセタン誘導体の発光が酵素添加後20
分でほぼ飽和に達するからである。以下上記実施例の化
学発光測定装置を用いて行った酵素免疫測定の実験例に
ついて説明する。 実験例1 酵素基質反応の時間と発光強度との関係
【0026】反応容器として、マイクロスライド状反応
容器とマイクロプレートとを用いて、本発明の化学発光
測定装置により以下の手順でサンドイッチELIAア
ッセイを行った。
【0027】なお、抗原サンプルとしてヒトHBs抗原
を用い、一次抗体としてマウス抗ヒトHBs抗体を用
い、二次抗体として子牛小腸由来アルカリフォスファタ
ーゼ(Calf intestine Alkaline Phosphatase(CIAP) ;
シグマ社製)で標識されたマウス抗ヒトHBs抗体を用
い、発光基質としてジオキセタン誘導体(AMPPD;Eliza-
Light Kit Tropix社製)を用いた。 (1)反応液の調製
【0028】ジオキセタン誘導体(AMPPD;Eliza-Light
Kit Tropix社製)及び Emerald(商品名;Eliza-Light
Kit Tropix社製)をAssey Buffer(0.1M ジエタノ
ールアミン、1mM 塩化マグネシウム;pH9.5)
で希釈して17μg/mlAMPPD液及び0.1 E
merald液を調製した。 (2)サンドイッチELIAアッセイ
【0029】まず、マイクロスライド状反応容器及びマ
イクロプレートの内壁にマウス抗ヒトHBs抗体を固相
化した。固相化終了後、サンプル抗原の非特異的結合を
防ぐために反応容器の固相化表面を牛アルブミンを用い
てブロッキングした。両反応容器にサンプル100μl
を添加して室温で10分間インキュベートすることによ
り一次反応(抗原抗体反応)を遂行した。一次反応終了
後、反応液を除去し、反応容器をWash Buffer (0.05%
Tween 20 in Tris Buffer Solution;pH7.6)を用いて洗
浄した。洗浄後、酵素標識抗体液を添加して10分間イ
ンキュベートすることにより二次反応(抗原抗体反応)
を遂行した。二次反応終了後、反応液を除去し、反応容
器をWash Buffer を用いて再び洗浄した。洗浄後、17
μg/ml AMPPD液及び0.1 Emerald液を添
加し、室温でインキュベートすることにより酵素基質反
応を遂行した。この酵素基質反応の際に、インキュベー
ションの時間を変化させた。これらの反応容器を、反応
容器の透光性平板表面が光電子増倍管の光電面に平行に
なるように配置し、発光強度を測定した。測定はカウン
ト数/秒として、10秒間行ない、10ポイントの測定
値を得て、これらを平均し、その平均値を測定値とし
【0030】酵素基質反応の時間と発光強度の関係につ
いて検討した結果を図4に示す。黒塗り三角印はマイク
ロスライド状反応容器を用いた場合の発光強度、黒塗り
丸印はマイクロプレートを用いた場合の発光強度を示し
ている。図4より、マイクロスライド状反応容器を用い
ても、マイクロプレートを用いても、酵素基質反応開始
後20分程度で該反応が飽和状態に達することが分か
る。 実験例2 一次反応(抗原抗体反応)の速度の比較
【0031】本発明の化学発光測定装置を用いたサンド
イッチELIAアッセイにおける一次反応の進行状況
を確認するために、一次反応の時間を変化させ、該反応
終了後、反応容器に固相化された一次抗体と反応した抗
原と、反応液中に未反応で残っている抗原とを分離し
て、それぞれについて化学発光測定を行った。実験手順
は図5に示してある。
【0032】ここでは、抗原サンプルとしてHBs抗原
を用い、一次抗体としてマウス抗ヒトHBs抗体を用
い、二次抗体として子牛小腸由来アルカリフォスファタ
ーゼ(Calf intestine Alkaline Phosphatase(CIAP) ;
シグマ社製)で標識されたマウス抗ヒトHBs抗体を用
い、発光基質としてジオキセタン誘導体(AMPPD;Eliza-
Light Kit Tropix社製)を用いた。 (1)反応液の調製
【0033】実験例1と同様に、ジオキセタン誘導体
(AMPPD;Eliza-Light Kit Tropix社製)及び Emerald
(商品名;Eliza-Light Kit Tropix社製)をAssey Buff
er(0.1M ジエタノールアミン、1mM 塩化マグ
ネシウム;pH9.5)で希釈して17μg/ml
MPPD液及び0.1 Emerald液を調製した。 (2)サンドイッチELIAアッセイ
【0034】まず、マイクロスライド状反応容器及びマ
イクロプレートの内壁にマウス抗ヒトHBs抗体を固相
化した(図5(1)図示)。固相化終了後、サンプル抗
原の非特異的結合を防ぐために反応容器の固相化表面を
牛アルブミンを用いてブロッキングした。両反応容器に
HBs抗原(10ng/ml)を100μl添加して室
温でインキュベートすることにより一次反応(抗原抗体
反応)を遂行した(図5(2)図示)。この一次反応の
際、インキュベーションの時間を1〜60分の間で変化
させた。また対照としてはマウスIgGを固相化したマ
イクロスライド状反応容器を用い、同様に一次反応を行
った。 (A)反応液中に未反応で残っている抗原の測定
【0035】図5<A>に示すように、一次反応終了
後、反応液中に未反応で残っている抗原を含む反応液を
別の反応容器(この反応容器には一次抗体と同じ抗体が
固相化されている)に添加し(図5<A>(3)図
示)、実験例1の手順に従って、再びサンドイッチEL
Aアッセイを遂行し、発光強度を測定した(図5<
A>(4)〜(6)図示)。その結果を図6(A)に示
す。なお、図6(A)において、縦軸は発光強度、横軸
は一次反応の反応時間を示している。
【0036】図6(A)において、白抜き丸印はマイク
ロスライド状反応容器を用いた場合の結果、黒塗り丸印
はマイクロプレートを用いた場合の結果、白抜き四角印
はマウスIgGを固相化したマイクロスライド状反応容
器を用いた場合の結果を示している。図6(A)より、
まずマイクロスライド状反応容器及びマイクロプレート
を用いた場合のいずれにおいても、図5(2)における
一次反応の時間が長くなるに従って、発光強度が低下し
ていることが分かる。すなわち、これは時間の経過とと
もに一次反応が進行しているため、反応液中に未反応で
残っている抗原が減少していることを示している。ま
た、マイクロスライド状の反応容器を用いた結果は、マ
イクロプレートを用いた結果に比べて時間と共に強度が
急激に低下していることから、一次反応の進行速度が速
いことが分かる。一方、マウスIgGを固相化したマイ
クロスライド状反応容器による一次反応の進行状況は時
間の経過と共に変化していないことから、このサンドイ
ッチELIAアッセイにおいて非特異な反応は起こっ
ていないことが分かる。 (B)反応容器に固相化された一次抗体と反応した抗原
の測定
【0037】一方、図5<B>に示すように、一次反応
終了後、反応液を除去して、引き続き実験例1と同様の
手順でサンドイッチELIAアッセイを遂行し、発光
強度を測定した(図5<B>(4)〜(6)図示)。結
果を図6(B)に示す。
【0038】図6(B)より、マイクロスライド状反応
容器及びマイクロプレートを用いた場合のいずれにおい
ても、一次反応の反応時間を長くするに従って、発光強
度の増加が起こっていることが分かる。また、マイクロ
スライド状反応容器を用いた場合はマイクロプレートを
用いた場合と比べて一次反応の進行速度が速いことが分
かる。
【0039】以上のことから、本発明のマイクロスライ
ド状反応容器を用いた方が、市販のマイクロプレートを
用いた場合より一次反応が迅速に行われていることがわ
かる。 実験例3 本発明の化学発光測定装置を用いた免疫測定
【0040】抗原サンプルとしてヒトHBs抗原を用
い、一次抗体としてマウス抗ヒトHBs抗体を用い、二
次抗体として子牛小腸由来アルカリフォスファターゼ
(Calf intestine Alkaline Phosphatase(CIAP) ;シグ
マ社製)で標識されたマウス抗ヒトHBs抗体を用い、
発光基質としてジオキセタン誘導体(AMPPD;Eliza-Ligh
tKit Tropix社製)を用いて本発明の化学発光測定装置
により以下の手順でサンドイッチELIAアッセイを
行った。 (1)反応液の調製
【0041】実験例1と同様に、ジオキセタン誘導体
(AMPPD;Eliza-Light Kit Tropix社製)及び Emerald
(商品名;Eliza-Light Kit Tropix社製)にAssey Buff
er(0.1M ジエタノールアミン、1mM 塩化マグ
ネシウム;pH9.5)を添加し、17μg/ml
MPPD液及び0.1 Emerald液を調製した。 (2)サンドイッチELIAアッセイ
【0042】まず、マイクロスライド状反応容器及びマ
イクロプレートの内壁にマウス抗ヒトHBs抗体を固相
化した。固相化終了後、サンプル抗原の非特異的結合を
防ぐために反応容器の固相化表面を牛アルブミンを用い
てブロッキングした。両反応容器にヒトHBs抗原を1
00μl添加して室温で10分間インキュベートするこ
とにより一次反応(抗原抗体反応)を遂行した。この一
次反応の際に、添加する抗マウスHBs抗原の濃度を
0.1ng/ml〜50ng/mlの間で変化させた。
一次反応終了後、反応液を除去し、反応容器をWash Buf
fer (0.05% Tween 20 in Tris Buffer Solution;pH7.
6)を用いて洗浄した。洗浄後、酵素標識マウス抗ヒト
HBs抗体を添加して10分間インキュベートすること
により二次反応(抗原抗体反応)を遂行した。二次反応
終了後、反応液を除去し、反応容器をWash Buffer を用
いて再び洗浄した。洗浄後、17μg/ml AMPP
D液及び0.1 Emerald液を添加し、室温で20分間
インキュベートすることにより酵素基質反応を遂行し
た。これらの反応容器を、反応容器の長方形面が光電子
増倍管の光電面に平行になるように配置し、発光強度を
測定した。測定はカウント数/秒として10秒間行な
い、10ポイントの測定値を得て、これらを平均し、そ
の平均値を測定値とした
【0043】結果を図7に示す。黒塗り丸印はマイクロ
スライド状反応容器を用いた場合の発光強度、黒塗り三
角印はマイクロプレートを用いた場合の発光強度を示し
ている。図7より、マイクロスライド状反応容器及びマ
イクロプレートを用いた場合の検量線はほぼ同等である
ことが分かった。
【0044】
【発明の効果】サンドイッチELIAアッセイをはじ
めとする酵素免疫測定において、本発明の化学発光測定
装置を用いると、反応にかかる時間が短縮され、短時間
のアッセイが可能となる。また、液体を毛管現象により
注入・排出することができるのでサンプル等の供給や反
応容器の洗浄が容易となること、測定結果がデータとし
て得られることなどから操作が簡便となる。更に、光電
子増倍管を反応容器に近く配置することが可能であるこ
とから、少量のサンプルでも十分な受光量が得られ、経
済的である。また、光電子増倍管の光電面と反応容器の
透光性平板表面の面積を適合させることなどによりS/
Nが向上し、高感度のアッセイが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の化学発光測定装置に用いられ
る反応容器を示す平面図、(B)は同反応容器を示す断
面図。
【図2】本発明の化学発光測定装置を示すブロック図。
【図3】(A)〜(D)は、サンドイッチELIAア
ッセイの手順を示す工程図。
【図4】二次反応(酵素基質反応)の反応時間と発光強
度の関係を示す特性図。
【図5】反応容器に固相化された一次抗体と反応した抗
原と、反応液中に未反応で残っている抗原を用いたサン
ドイッチELIAアッセイの手順を示す工程図。
【図6】(A)および(B)は、マイクロスライド状反
応容器及びマイクロプレートを用いた場合の一次反応
(抗原抗体反応)の速度の比較を示す特性図。
【図7】マイクロスライド状反応容器を用いた免疫測定
の結果を示す特性図。
【符号の説明】
11…反応容器,12,13…平板,14,15…スペ
ーサー,16…間隙,17…開放端部,21…光電子増
倍管,22…低雑音増幅器,23…フォトン・カウンタ
ー,24…マイクロコンピューター。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/76 G01N 33/543

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗原抗体反応を利用した固相免疫測定に
    おける化学発光測定装置において、少なくとも一方が光
    透過性を有する2枚の長方形状の平板をその縁部に平行
    に配置された対向する二つの角柱状スペーサーを介して
    互いに積層してなる、両平板間に毛管現象による液体の
    注入および排出が可能な間隙を有する反応容器と、該反
    応容器の内面を構成する前記平板の少なくとも一方の表
    面に固相化された抗原抗体反応の一方の反応成分と、
    電面が該反応容器を構成する前記光透過性を有する平板
    の表面に平行になるように配置された光電子倍増管と、
    該光電子倍増管からの信号を増幅するための低雑音増幅
    器と、該低雑音増幅器からの信号を計測するためのフォ
    トン・カウンターと、該フォトン・カウンターからの信
    号をデータ処理するためのマイクロコンピューターとを
    具備することを特徴とする測定装置
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