JP3314717B2 - 磁気ディスク装置 - Google Patents

磁気ディスク装置

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JP3314717B2 JP11591698A JP11591698A JP3314717B2 JP 3314717 B2 JP3314717 B2 JP 3314717B2 JP 11591698 A JP11591698 A JP 11591698A JP 11591698 A JP11591698 A JP 11591698A JP 3314717 B2 JP3314717 B2 JP 3314717B2
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  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)
  • Recording Or Reproducing By Magnetic Means (AREA)
  • Supporting Of Heads In Record-Carrier Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜磁気ヘッド素
子を備えたスライダ及びこのスライダを支持するための
サスペンションを含んでなる磁気ヘッド装置とヘッド用
ICチップとを備えた磁気ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク装置において、磁気ディス
ク媒体に対して磁気情報の書き込み及び/又は磁気情報
の読み出しを行う磁気ヘッド素子は、一般に、磁気記録
媒体上を浮上するスライダ上に形成されている。このス
ライダは、可動アームの端部から延びる弾性金属薄板で
構成されるサスペンションによって支持される。
【0003】磁気ヘッド素子への書き込み電流の増幅、
磁気ヘッド素子からの読み出し電圧の増幅、並びに書き
込み及び読み出しの制御等を行うヘッド用ICチップ
は、通常、サスペンションの後方に位置する可動アーム
上に取り付けられている。しかしながら、ヘッド用IC
チップを可動アーム上に設けると、このICチップと磁
気ヘッド素子とを結ぶリード線の距離が長くなってノイ
ズが発生し易くなる。さらに、リード線の距離が長くな
ることによって、このリード線のもつ寄生容量、インダ
クタンス成分に基づくパルス信号の立ち上がり、立ち下
がり時間が長くなる(遅れる)ので、データの高速転送
が困難となる。
【0004】このような不都合を解消するため、ヘッド
用ICチップをスライダ上又はサスペンション上に設け
ることによって、このICチップと磁気ヘッド素子との
距離を短縮し、これによってリード線によるノイズ発生
を抑制する技術は、既に提案されている(例えば、特開
昭53−69623号公報及び特開平3−108120
号公報等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これら公知技術のよう
に、ヘッド用ICチップをスライダ上又はサスペンショ
ン上に設ければ、磁気ヘッド素子とこのICチップとの
間のリード線が長いことによりノイズが発生するという
問題は解決することができる。しかしながら、記録時に
ヘッド用ICチップに流れる書き込み電流によってこの
ICチップ自体が発熱して高温となるという問題、及び
このヘッド用ICチップの発熱の影響が磁気ヘッド素子
にも波及するという問題が生じる。
【0006】即ち、ヘッド用ICチップが可動アームに
取り付けられている場合には、この可動アームが十分な
熱容量と熱放散面積とを持っているため、ICチップの
温度を十分に低い値に維持できる。また、ヘッド用IC
チップが磁気ヘッド素子から遠く離れているため、磁気
ヘッド素子はこのICチップに発生した熱の影響を受け
ることがない。これに対して、ヘッド用ICチップをス
ライダ上又はサスペンション上に設けた場合、熱放散の
ための十分な表面積が得られず、また、熱伝導による温
度低下を期待することができなくなる。その結果、ヘッ
ド用ICチップ自体の温度が上昇するのでこのICチッ
プの信頼性に問題が生じることのみならず、磁気ヘッド
素子がこのICチップの近くにあるため、磁気ヘッド素
子も許容できない温度に上昇してしまう恐れがある。
【0007】従って本発明の目的は、ヘッド用ICチッ
プの温度上昇をより低減することができる磁気ディスク
装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、磁気ヘ
ッド素子を有するスライダ及びこのスライダを一方の端
部で支持するサスペンションを有する磁気ヘッド装置
と、磁気ヘッド装置が対向するように配置された磁気デ
ィスク媒体と、磁気ヘッド素子に接続されたヘッド用I
Cチップと、ヘッド用ICチップに接続された制御回路
とを備えた磁気ディスク装置であって、上述の制御回路
は、磁気ヘッド素子へ書き込み電流を所定時間流した後
は、その所定時間以上の休止時間だけ、書き込み電流を
磁気ヘッド素子へ流さないように構成されている磁気デ
ィスク装置が提供される。
【0009】磁気ヘッド素子への書き込み電流は、所定
時間(3msec〜1sec)流した後は、その所定時
間以上の時間に設定される休止時間だけ流さないように
強制的に制御される。ヘッド用ICチップは、書き込み
電流を流すことにより加熱されてしまうが、休止時間の
間、例え書き込みすべきデータが存在しても強制的に書
き込みが停止されて冷却が行われるので、その温度上昇
をより低減することが可能となる。
【0010】制御回路が、休止時間中に磁気ヘッド素子
による読み出し動作を行うように制御することが好まし
い。
【0011】上述の所定時間が、磁気ディスク媒体の1
回転にほぼ対応する時間を単位として設定されることが
より好ましい。
【0012】制御回路が、同一の磁気ヘッド素子に関し
て、書き込み電流を流す時間及び休止時間を制御するよ
うに構成されていることも好ましい。
【0013】制御回路が、複数の磁気ヘッド素子に関し
て、書き込み電流を流す時間及び休止時間を制御するよ
うに構成されていることが好ましく、この場合、複数の
磁気ヘッド素子に対して順次書き込み電流を所定時間ず
つ流すように構成されていることがより好ましい。
【0014】ヘッド用ICチップが、ヘッド用ICチッ
プの動作中は、磁気ディスク媒体の外縁より内側に位置
し、磁気ディスク媒体の回転によって生じる空気流が常
に当たるように、例えばフレキシブルプリント基板(F
PC)による接続ケーブル上に取り付けられていること
も好ましい。このように、ヘッド用ICチップが、その
ICチップ自体が動作している際は、磁気ディスク媒体
の回転によって生じる空気流が常に当たって冷却を受け
る位置に取り付けられているため、磁気ヘッド素子が磁
気ディスク媒体の内外周に渡って動く(シークする)場
合に、ヘッド用ICチップは常に冷却されることとな
り、その結果、書き込み電流の休止による冷却とあいま
って、このICチップ自体の温度上昇を大幅に低減させ
ることができる。
【0015】ヘッド用ICチップが、常に磁気ディスク
媒体の外縁より内側に位置しており、磁気ディスク媒体
と対向していることも好ましい。これにより、固定位置
にあるスライダ及びヘッド用ICチップに対して回転す
る磁気ディスク媒体によって生じる空気流がヘッド用I
Cチップの近傍を通過するため、この空気流によってI
Cチップが冷却され、その結果、書き込み電流の休止に
よる冷却とあいまって、このICチップ自体の温度上昇
を大幅に低減させることができる。
【0016】ヘッド用ICチップと回転する磁気ディス
ク媒体の該ヘッド用ICチップ対向面との距離が100
0μm以下となるように設定されていることも好まし
い。このように設定することにより空気流による冷却作
用が非常に有効となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下図面を用いて本発明の実施形
態を詳細に説明する。
【0018】図1は本発明の一実施形態における磁気デ
ィスク装置の要部の構成を概略的に示す斜視図であり、
図2は図1の実施形態におけるアセンブリキャリッジ装
置部分の構造を表わす側面図である。
【0019】これらの図において、10は軸11の回り
を回転する複数の磁気ディスク媒体、12は磁気ヘッド
素子を備えたスライダをトラック上に位置決めするため
のアセンブリキャリッジ装置をそれぞれ示している。ア
センブリキャリッジ装置12は、軸13を中心にして回
動可能なキャリッジ14と、このキャリッジ14を回動
駆動する例えばボイスコイルモータ(VCM)からなる
アクチュエータ15とから主として構成されている。
【0020】キャリッジ14には、軸13の方向にスタ
ックされた複数の可動アーム16の基部が取り付けられ
ており、各可動アーム16の先端部には1つ又は2つの
磁気ヘッド装置17が固着されている。各磁気ヘッド装
置17は、サスペンション18の先端部に書き込み及び
読み出し磁気ヘッド素子を備えたスライダ19を固着す
ると共に、そのサスペンション18の途中にヘッド用I
Cチップ20を装着して構成されるヘッド−サスペンシ
ョンアセンブリである。スライダ19及びヘッド用IC
チップ20は、各磁気ディスク媒体10の表面(片側の
記録再生面)に対向するように、サスペンション18の
磁気ディスク媒体側の面上に設けられている。なお、本
実施形態において、ヘッド用ICチップ20はベアチッ
プであり、フリップチップボンディングによって実装す
る構造となっている。
【0021】磁気ディスク装置の後述する回路に接続さ
れたフレキシブルプリント基板(FPC)21による接
続ケーブルの各分岐先端部がこのキャリッジ14の各移
動アーム16の先端部まで延びている。
【0022】本実施形態では、ヘッド用ICチップ20
がサスペンション18の磁気ディスク媒体10と対向す
る側の面上に実装されていることにより、固定位置にあ
るスライダ19及びヘッド用ICチップ20に対して回
転する磁気ディスク媒体10によって生じる空気流がこ
のヘッド用ICチップ20の近傍を通過するため、この
空気流によってICチップ20がさらに冷却され、その
温度上昇をより低減させることができる。その結果、ス
ライダ19の温度上昇をも抑制することができる。
【0023】ヘッド用ICチップ20が磁気ディスク媒
体10の回転に基づく空気流によって、効果的に冷却さ
れるためには、図3に示すこのICチップ20と磁気デ
ィスク媒体10のヘッド用ICチップ対向面との距離D
が小さければ小さいほどよい。ただし、ヘッド用ICチ
ップ20が磁気ディスク媒体10の表面に接触しないよ
うに注意する必要がある。
【0024】このICチップ20と磁気ディスク媒体1
0のヘッド用ICチップ対向面との距離Dが、D≦10
00μmであれば、例え書き込み電流を連続的に流した
としても、ICチップ20の温度を150℃以下に維持
することができる。図4は、ICチップ20と磁気ディ
スク媒体10のヘッド用ICチップ対向面との距離Dを
変化させた場合のICチップ20の温度の変化を示す特
性図である。この特性は、磁気ディスク装置内の動作時
温度に相当する50℃の環境温度で40mAの書き込み
電流を連続的に流すという条件下で測定されたものであ
る。一般に、ヘッド用ICチップ内の回路のジャンクシ
ョン温度は、最大150℃が限界であるとされている。
これは、150℃を越える温度で長時間動作するとトラ
ンジスタ接合等が次第に破壊されてしまうためである。
図4は、D≦1000μmであれば、例え書き込み電流
を連続的に流した場合であってもICチップ20の温度
を150℃以下とすることが可能であることを示してい
る。
【0025】図5は図1の実施形態における磁気ディス
ク装置の電気的構成の一例の一部を概略的に表わすブロ
ック図である。
【0026】同図において、501 〜50n は各磁気ヘ
ッド装置17に設けられた書き込み及び読み出し磁気ヘ
ッド素子、511 〜51n は各磁気ヘッド装置17のサ
スペンション18上に設けられており磁気ヘッド素子5
1 〜50n にそれぞれ接続されている第1のヘッド用
IC、52は第1のヘッド用IC511 〜51n にFP
C21を介して接続されている第2のヘッド用IC、5
3は磁気ディスク装置の内部のメインボードに設けられ
ており第2のヘッド用ICに接続されているチャネルI
C、54はバスを介して磁気ディスク装置の外部装置に
接続されるように構成されており、磁気ヘッド素子の書
き込み/読み出しモード等の選択制御を行うHDDコン
トローラ、55はこれらを制御するマイクロプロセッサ
をそれぞれ示している。なお、磁気ディスク装置には、
通常、磁気ディスク媒体10を回転駆動するスピンドル
モータ及びその駆動制御部、VCMからなるアクチュエ
ータ15の駆動制御部、及びメモリ等がさらに設けられ
ているが、図5では省略されている。
【0027】第1のヘッド用IC511 〜51n 及び第
2のヘッド用IC52は、チャネルIC53からのデー
タに応じて極性が変化する書き込み電流を磁気ヘッド素
子501 〜50n にそれぞれ流す書き込み駆動機能と、
磁気ヘッド素子501 〜50n からそれぞれ読み出され
たデータ電圧を増幅してチャネルIC53へ出力する読
み出しプリアンプ機能とを備えている。第1のヘッド用
IC511 〜51n は書き込み駆動機能の最終段及び読
み出しプリアンプ機能の初段を主に備えている。第2の
ヘッド用IC52は、これら最終段及び初段に続くアン
プ機能を主に備えている。
【0028】チャネルIC53は、HDDコントローラ
54を介して、読み出しされたデータ及び書き込み用の
データを磁気ディスク装置の外部装置へ転送する及び外
部装置から受け取る。書き込み又は読み出しすべき磁気
ヘッド素子501 〜50n の選択と、以下に述べる書き
込み電流の休止制御とは、HDDコントローラ54から
の指令が第2のヘッド用IC52へ伝えられて行われ
る。
【0029】各磁気ヘッド素子501 〜50n へ流す書
き込み電流は、例え書き込みすべきデータが存在してい
ても、3msec〜1secのうちの所定時間に設定さ
れる書き込み期間だけ連続して流された後は、この書き
込み期間以上の時間だけ強制的に休止せしめられる。こ
の休止により、書き込み電流により加熱された第1のヘ
ッド用IC511 〜51n が前述の空気流による冷却と
あいまってより効果的に冷却される。
【0030】書き込みを休止する場合、その磁気ヘッド
素子について、書き込み動作も読み出し動作も共に強制
的に休止させてもよいが、書き込み休止期間中に読み出
し動作を行うように構成すると、磁気ディスク装置を効
率よく利用することができる。また、このように同一の
磁気ヘッド素子について、書き込み期間と書き込み休止
期間とを交互に設けてもよいが、複数の磁気ヘッド素子
を有する磁気ディスク装置の場合は、1つの磁気ヘッド
素子、例えば磁気ヘッド素子501 に書き込み電流を所
定時間流してこれに対向する磁気ディスク媒体にデータ
の書き込みを行った後、続けて、他の磁気ヘッド素子、
例えば磁気ヘッド素子502 に書き込み電流を所定時間
流すか又はこの磁気ヘッド素子502 に何らかの動作を
行わせ、上述の所定時間以上の休止時間は磁気ヘッド素
子501 に書き込みを行わせないように制御してもよ
い。この方法によれば、磁気ディスク装置のいずれかの
磁気ヘッド素子が常に動作していることとなるため、磁
気ディスク装置の利用効率が向上する。
【0031】書き込み期間は、磁気ディスク媒体の1回
転にほぼ対応する時間を単位として設定することが、そ
の制御の都合上、好ましい。例えば、7200rpmで
回転する磁気ディスク媒体の1周の時間は約8.3ms
ecであるため、この時間を書き込み期間とするか、こ
れに近い、例えば7.5msecを書き込み期間とす
る。書き込み休止期間は、この書き込み期間以上の時
間、例えば10msec又はそれ以上の時間、例えば2
0msecとする。
【0032】図6は、従来技術の場合及び本発明のごと
く書き込み休止期間を設けた場合の書き込み電流に対す
るヘッド用ICチップの温度特性を示している。磁気デ
ィスク媒体の回転は、6000rpmで行った。ただ
し、図6における特性は、磁気ディスク媒体の回転によ
って生じる空気流が当たらない位置にヘッド用ICチッ
プを取り付けて測定したものである。同図におけるa
は、書き込み電流を連続的に流した従来技術の場合であ
る。この場合、通常用いられる40mAの書き込み電流
で、ヘッド用ICチップの温度が150℃を越えてしま
っている。従って、空気流が当たらない位置にヘッド用
ICチップを設けかつ書き込み電流を連続的に流すこの
方法は、実際には使用不可能である。
【0033】bは、10msecの書き込み期間の後に
10msecの書き込み休止期間を設け、この書き込み
期間及び書き込み休止期間の繰り返し動作を行った場合
である。ヘッド用ICチップの温度が150℃を越える
ことはないので、実際に使用することが可能である。c
は、10msecの書き込み期間の後に20msecの
書き込み休止期間を設け、この書き込み期間及び書き込
み休止期間の繰り返し動作を行った場合である。ヘッド
用ICチップの温度が、さらに低下するので、より有効
となる。
【0034】図7は、磁気ディスク媒体10の回転によ
って生じる空気流が常に当たる位置にヘッド用ICチッ
プ20を取り付けた図1の実施形態における書き込み電
流に対するヘッド用ICチップの温度特性を示してい
る。同図におけるdは、ICチップ20と磁気ディスク
媒体10のヘッド用ICチップ対向面との距離Dが、D
=800μmであり、10msecの書き込み期間の後
に10msecの書き込み休止期間を設け、この書き込
み期間及び書き込み休止期間の繰り返し動作を行った場
合である。ヘッド用ICチップの温度が150℃を越え
ることは全くない。eは、ICチップ20と磁気ディス
ク媒体10のヘッド用ICチップ対向面との距離Dが、
D=800μmであり、10msecの書き込み期間の
後に20msecの書き込み休止期間を設け、この書き
込み期間及び書き込み休止期間の繰り返し動作を行った
場合である。ヘッド用ICチップの温度はより低くなっ
ている。図7のd及びeは、図6のb及びcに比して全
体的にかなり低い値となっており、書き込み休止による
冷却に加えて空気流による冷却を行うことがより効果的
であることを示している。
【0035】fは、ICチップ20と磁気ディスク媒体
10のヘッド用ICチップ対向面との距離Dが、D=1
00μmであり、10msecの書き込み期間の後に1
0msecの書き込み休止期間を設け、この書き込み期
間及び書き込み休止期間の繰り返し動作を行った場合で
ある。gは、ICチップ20と磁気ディスク媒体10の
ヘッド用ICチップ対向面との距離Dが、D=100μ
mであり、10msecの書き込み期間の後に20ms
ecの書き込み休止期間を設け、この書き込み期間及び
書き込み休止期間の繰り返し動作を行った場合である。
前にも述べたように、ヘッド用ICチップ20が磁気デ
ィスク媒体10の回転に基づく空気流によって、効果的
に冷却されるためには、ICチップ20と磁気ディスク
媒体10のヘッド用ICチップ対向面との距離Dが小さ
ければ小さいほどよい。ただし、ヘッド用ICチップ2
0が磁気ディスク媒体10の表面に接触しないように注
意する必要がある。
【0036】本実施形態のように、ヘッド用ICチップ
20が磁気ディスク媒体10の回転によって生じる空気
流が当る位置に取り付けられている場合、スライダ19
自体もこの空気流によって冷却されるので磁気ヘッド素
子の温度上昇をも抑えることができる。
【0037】図8は図1の実施形態における磁気ディス
ク装置の電気的構成の他の例の一部を概略的に表わすブ
ロック図である。
【0038】同図において、801 〜80n は各磁気ヘ
ッド装置17に設けられた書き込み及び読み出し磁気ヘ
ッド素子、811 〜81n は各磁気ヘッド装置17のサ
スペンション18上に設けられており磁気ヘッド素子8
1 〜80n にそれぞれ接続されているヘッド用IC、
83は磁気ディスク装置の内部のメインボードに設けら
れておりヘッド用IC811 〜81n にFPC21を介
して接続されているチャネルIC、84はバスを介して
磁気ディスク装置の外部装置に接続されるように構成さ
れており、磁気ヘッド素子の書き込み/読み出しモード
等の選択制御を行うHDDコントローラ、85はこれら
を制御するマイクロプロセッサをそれぞれ示している。
なお、磁気ディスク装置には、通常、磁気ディスク媒体
10を回転駆動するスピンドルモータ及びその駆動制御
部、VCMからなるアクチュエータ15の駆動制御部、
及びメモリ等がさらに設けられているが、図8では省略
されている。
【0039】ヘッド用IC811 〜81n は、チャネル
IC83からのデータに応じて極性が変化する書き込み
電流を磁気ヘッド素子801 〜80n にそれぞれ流す書
き込み駆動機能と、磁気ヘッド素子801 〜80n から
それぞれ読み出されたデータ電圧を増幅してチャネルI
C83へ出力する読み出しプリアンプ機能とを備えてい
る。
【0040】チャネルIC83は、HDDコントローラ
84を介して、読み出しされたデータ及び書き込み用の
データを磁気ディスク装置の外部装置へ転送する及び外
部装置から受け取る。書き込み又は読み出しすべき磁気
ヘッド素子801 〜80n の選択と、以下に述べる書き
込み電流の休止制御とは、HDDコントローラ84から
の指令がヘッド用IC811 〜81n へ伝えられて行わ
れる。
【0041】各磁気ヘッド素子801 〜80n へ流す書
き込み電流は、例え書き込みすべきデータが存在してい
ても、3msec〜1secのうちの所定時間に設定さ
れる書き込み期間だけ連続して流された後は、この書き
込み期間以上の時間だけ強制的に休止せしめられる。こ
の休止により、書き込み電流により加熱されたヘッド用
IC811 〜81n が前述の空気流による冷却とあいま
ってより効果的に冷却される。
【0042】図9は本発明の他の実施形態における磁気
ディスク装置のアセンブリキャリッジ装置部分の構造を
表わす側面図である。
【0043】この実施形態においては、ヘッド用ICチ
ップ20は、サスペンション18には取り付けられてお
らず、磁気ディスク装置内の回路に接続された例えばF
PC21等の接続線部材上に装着されている。ただし、
ヘッド用ICチップ20は、そのICチップ20自体が
動作している際には、磁気ディスク媒体10の外縁より
内側に位置しており、この磁気ディスク媒体10と対向
するように接続線部材に取り付けられている。なお、F
PC21等の接続線部材は、図10から分かるように移
動アーム16に固着されている場合もあるし、移動アー
ム16から離隔されている場合もある。
【0044】このように、ヘッド用ICチップ20が、
そのICチップ20自体が動作している際には、接続線
部材上の、磁気ディスク媒体10の回転によって生じる
空気流が常に当たって冷却を受ける位置に取り付けられ
ているため、磁気ヘッド素子が磁気ディスク媒体10の
内外周に渡って動く(シークする)場合に、ヘッド用I
Cチップ20は常に冷却されることとなる。
【0045】書き込み電流について、書き込み期間のす
ぐ後に書き込み休止期間を設けることを繰り返す点につ
いては、図1の実施形態の場合と同様である。その結
果、書き込み休止期間による冷却と、空気流による冷却
とがあいまって、ICチップ20自体の温度上昇を大幅
に低減させることができる。
【0046】本実施形態のその他の構成及び作用効果
は、図1の実施形態の場合とほぼ同様である。
【0047】以上述べた実施形態は全て本発明を例示的
に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明
は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することがで
きる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均
等範囲によってのみ規定されるものである。
【0048】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれ
ば、磁気ヘッド素子への書き込み電流は、所定時間(3
msec〜1sec)流した後は、その所定時間以上の
時間に設定される休止時間だけ流さないように強制的に
制御される。ヘッド用ICチップは、書き込み電流を流
すことにより加熱されてしまうが、休止時間の間、例え
書き込みすべきデータが存在しても強制的に書き込みが
停止されて冷却が行われるので、その温度上昇をより低
減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における磁気ディスク装置
の要部の構成を概略的に示す斜視図である。
【図2】図1の実施形態におけるアセンブリキャリッジ
装置部分の構造を表わす側面図である。
【図3】図1の実施形態におけるヘッド用ICチップと
磁気ディスク媒体のヘッド用ICチップ対向面との距離
Dを説明するための図である。
【図4】ヘッド用ICチップと磁気ディスク媒体のヘッ
ド用ICチップ対向面との距離Dを変化させた場合のI
Cチップの温度の変化を示す特性図である。
【図5】図1の実施形態における磁気ディスク装置の電
気的構成の一例の一部を概略的に表わすブロック図であ
る。
【図6】従来技術の場合及び本発明のごとく書き込み休
止期間を設けた場合の書き込み電流に対するヘッド用I
Cチップの温度特性図である。
【図7】図1の実施形態における書き込み電流に対する
ヘッド用ICチップの温度特性図である。
【図8】図1の実施形態における磁気ディスク装置の電
気的構成の他の例の一部を概略的に表わすブロック図で
ある。
【図9】本発明の他の実施形態におけるアセンブリキャ
リッジ装置部分の構造を表わす側面図である。
【図10】図9の実施形態におけるヘッド用ICチップ
と磁気ディスク媒体のヘッド用ICチップ対向面との距
離Dを説明するための図である。
【符号の説明】
10 磁気ディスク媒体 11、13 軸 12 アセンブリキャリッジ装置 14 キャリッジ 15 アクチュエータ 16 可動アーム 17 磁気ヘッド装置 18 サスペンション 19 スライダ 20 ヘッド用ICチップ 21 FPC 501 〜50n 、801 〜80n 磁気ヘッド素子 511 〜51n 第1のヘッド用IC 52 第2のヘッド用IC 53、83 チャネルIC 54、84 HDDコントローラ 55、85 マイクロプロセッサ 811 〜81n ヘッド用IC
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−36378(JP,A) 特開 平7−93839(JP,A) 特開 平7−334801(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/02 G11B 21/16 - 21/26

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気ヘッド素子を有するスライダ及び該
    スライダを一方の端部で支持するサスペンションを有す
    る磁気ヘッド装置と、該磁気ヘッド装置が対向するよう
    に配置された磁気ディスク媒体と、前記磁気ヘッド素子
    に接続されたヘッド用ICチップと、該ヘッド用ICチ
    ップに接続された制御回路とを備えた磁気ディスク装置
    であって、前記制御回路は、前記磁気ヘッド素子へ書き
    込み電流を所定時間流した後は、該所定時間以上の休止
    時間だけ、該書き込み電流を該磁気ヘッド素子へ流さな
    いように構成されていることを特徴とする磁気ディスク
    装置。
  2. 【請求項2】 前記制御回路が、前記休止時間中に前記
    磁気ヘッド素子による読み出し動作を行うように構成さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 【請求項3】 前記所定時間が、前記磁気ディスク媒体
    の1回転にほぼ対応する時間を単位として設定されるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
  4. 【請求項4】 前記制御回路が、同一の磁気ヘッド素子
    に関して、前記書き込み電流を流す時間及び休止時間を
    制御するように構成されていることを特徴とする請求項
    1から3のいずれか1項に記載の装置。
  5. 【請求項5】 前記制御回路が、複数の磁気ヘッド素子
    に関して、前記書き込み電流を流す時間及び休止時間を
    制御するように構成されていることを特徴とする請求項
    1から3のいずれか1項に記載の装置。
  6. 【請求項6】 前記制御回路が、該複数の磁気ヘッド素
    子に対して順次書き込み電流を所定時間ずつ流すように
    構成されていることを特徴とする請求項5に記載の装
    置。
  7. 【請求項7】 前記ヘッド用ICチップが、該ヘッド用
    ICチップの動作中は、前記磁気ディスク媒体の回転に
    よって生じる空気流が常に当たる位置に取り付けられて
    いることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に
    記載の装置。
  8. 【請求項8】 前記ヘッド用ICチップが、前記磁気デ
    ィスク媒体の外縁より内側に位置しており、該磁気ディ
    スク媒体と対向していることを特徴とする請求項1から
    6のいずれか1項に記載の装置。
  9. 【請求項9】 前記ヘッド用ICチップと回転する前記
    磁気ディスク媒体の該ヘッド用ICチップ対向面との距
    離が1000μm以下となるように設定されていること
    を特徴とする請求項8に記載の装置。
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