JP3314671B2 - 窒化物半導体素子 - Google Patents

窒化物半導体素子

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JP3314671B2
JP3314671B2 JP18707097A JP18707097A JP3314671B2 JP 3314671 B2 JP3314671 B2 JP 3314671B2 JP 18707097 A JP18707097 A JP 18707097A JP 18707097 A JP18707097 A JP 18707097A JP 3314671 B2 JP3314671 B2 JP 3314671B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えばLED、LD等の
発光素子、太陽電池、光センサー等の受光素子等に用い
られる窒化物半導体(InXAlYGa1-X-YN、0≦X、
0≦Y、X+Y≦1)よりなる素子に関する。
【0002】
【従来の技術】窒化物半導体は高輝度青色LED、純緑
色LEDの材料として、本出願人により、フルカラーL
EDディスプレイ、交通信号等で実用化されたばかりで
ある。これらの各種デバイスに使用されるLEDは、n
型窒化物半導体層とp型窒化物半導体層との間に、単一
量子井戸構造(SQW:Single-Quantum- Well)のIn
GaNよりなる活性層が挟まれたダブルへテロ構造を有
している。青色、緑色等の波長はInGaN活性層のI
n組成比を増減することで決定されている。青色LED
は20mAにおいて発光波長450nm、半値幅20n
m、光度2cd、光出力5mW、外部量子効率9.1%
である。一方、緑色LEDは同じく20mAにおいて、
発光波長525nm、半値幅30nm、光度6cd、光
出力3mW、外部量子効率6.3%である。
【0003】また本出願人は、最近この材料を用いてパ
ルス電流下、室温での410nmのレーザ発振を世界で
初めて発表した{例えば、Jpn.J.Appl.Phys.35(1996)L7
4、Jpn.J.Appl.Phys.35(1996)L217等}。このレーザ素子
は、InGaNを用いた多重量子井戸構造の活性層を有
するダブルへテロ構造を有し、パルス幅2μs、パルス
周期2msの条件で、閾値電流610mA、閾値電流密
度8.7kA/cm2、410nmの発振を示す。改良し
たレーザ素子もまた、Appl.Phys.Lett.69(1996)1477に
おいて発表した。このレーザ素子は、p型窒化物半導体
層の一部にリッジストライプが形成された構造を有して
おり、パルス幅1μs、パルス周期1ms、デューティ
ー比0.1%で、閾値電流187mA、閾値電流密度3
kA/cm 2、410nmの発振を示す。さらに本出願人
は室温での連続発振にも初めて成功し、発表した。{例
えば、日経エレクトロニクス 1996年12月2日号 技術速
報、Appl.Phys.Lett.69(1996)3034、Appl.Phys.Lett.69
(1996)4056 等}、このレーザ素子は20℃において、閾
値電流密度3.6kA/cm2、閾値電圧5.5V、1.
5mW出力において、27時間の連続発振を示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように窒化物半導
体を用いた発光デバイスはLEDとして既に実用化され
ているが、未だ不十分な点もあり、さらなる発光出力の
向上が望まれている。またLDは実用化を目指して現在
鋭意研究中であり、出力の向上はもちろんのこと、長寿
命化が望まれている。これらLED、LDのような発光
デバイスの発光出力を向上させることができれば、類似
した構造を有する太陽電池、光センサー等の受光デバイ
スの受光効率も同時に向上させることができる。従っ
て、本発明はこのような事情を鑑みて成されたものであ
って、その目的とするところは、新規な構造を有する窒
化物半導体素子を提供することにより、主としてLE
D、LDの出力を向上させることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は以下の構
成によって達成することができる。即ち、基板上に、n
側窒化物半導体層と活性層とp側窒化物半導体層を積層
した窒化物半導体素子であって、前記活性層上部に、互
いに組成の異なる2種類の窒化物半導体層が積層された
超格子層から成り、p型不純物を含んでクラッド層とし
て機能する第1のp側窒化物半導体層が形成され、その
第1のp側窒化物半導体層上部に、その第1のp側窒化
物半導体層のp型不純物の平均濃度より少量のp型不純
物を含む第2のp側窒化物半導体層を備え、その第2の
p側窒化物半導体層上部に、第1のp側窒化物半導体層
のp型不純物濃度よりも多量のp型不純物を含みコンタ
クト層として機能する第3のp側窒化物半導体層を有す
ることを特徴とする窒化物半導体素子。
【0006】つまり、本発明は活性層の上部に積層され
る特定の複数のp側窒化物半導体層のp型不純物濃度を
規定し、更にp型不純物濃度を規定された複数のp側窒
化物半導体層の積層順を規定することで、LED、LD
の出力を向上させることができるものである。なお本発
明において、活性層と第1の窒化物半導体層とは接して
形成されていなくても良く、また第1の窒化物半導体層
と、第2の窒化物半導体層とは接して形成されていなく
ても良く、さらに第2の窒化物半導体層と第3の窒化物
半導体層とは接して形成されていなくても良い。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施の形態であ
る窒化物半導体素子の構造を示す模式的な断面図であ
り、具体的にはLED素子の構造を示している。素子構
造としては、サファイアよりなる基板1の上に、GaN
よりなるバッファ層2、SiドープGaNよりなるn側
コンタクト層3(兼n側クラッド層)、膜厚30オング
ストロームの単一量子井戸構造のInGaNよりなる活
性層4、MgドープAlGaNよりなる第1のp側窒化
物半導体層5、Mgが第1のp側窒化物半導体層5より
も少量ドープされたGaNよりなる第2のp側窒化物半
導体層6、Mgが第1のp側窒化物半導体層5よりも多
くドープされたGaNよりなる第3のp側窒化物半導体
層7が積層されてなっている。第3のp側窒化物半導体
層7のほぼ全面には、透光性の金属薄膜よりなるp電極
8が形成され、その全面電極8の隅部にはボンディング
用のパッド電極9が形成されている。一方p側窒化物半
導体層側からエッチングして露出されたn側コンタクト
層3の表面にはn電極10が形成されている。
【0008】上記の如く、本発明の素子は、第1のp側
窒化物半導体層のp側不純物の濃度に対し、p側不純物
濃度を少なく規定されたい第2のp側窒化物半導体層及
びp側不純物濃度を多く規定された第3のp側窒化物半
導体層を特定の積層順で形成することにより、発光素子
出力を向上させることができる。即ち、コンタクト層と
して作用するp型不純物が高濃度にドープされた第3の
p側窒化物半導体層と、その第3のp側窒化物半導体層
よりも活性層に接近した位置に、p型不純物が第1のp
側窒化物半導体層よりも少なくドープされた第2のp側
窒化物半導体層、さらに第2の窒化物半導体よりも活性
層に接近した位置にp型不純物が第3より少なく且つ第
2より多くドープされた第1のp側窒化物半導体層とを
備えることにより、素子全体の出力を向上させることが
できる。
【0009】活性層4は少なくともInを含む窒化物半
導体層を含む単一量子井戸構造、若しくは多重量子井戸
構造とする。井戸層は膜厚100オングストローム以
下、さらに好ましくは70オングストローム以下のIn
XGa1-XN(0<X≦1)で構成することが望ましく、
また障壁層は井戸層よりもバンドギャップエネルギーが
大きいInYAlZGa1-Y-ZN(0≦Y、0≦Z、Y+Z
≦1)を200オングストローム以下、さらに好ましく
は150オングストローム以下の膜厚で構成することが
望ましい。
【0010】第1のp側窒化物半導体層5はp型不純物
を含む窒化物半導体層で構成されていれば良く、特に活
性層に接していてもいなくても良い。半導体としては活
性層よりもバンドギャップエネルギーの大きい窒化物半
導体を選択し、例えば前記のようにAlXGa1-XN(0
≦X≦1)を好ましく成長させる。第1のp側窒化物半
導体層5にドープするp型不純物濃度は、1×1017
cm3以上、1×1020/cm3以下、好ましくは1×1018
/cm3以上、より好ましくは1×1019/cm3に調整す
る。但し、この範囲内において、第2の窒化物半導体層
より多く且つ第3の窒化物半導体層より少なくなるよう
調整される。p型不純物濃度が上記範囲であると本発明
の効果を得るのに好ましい。第1のp型窒化物半導体層
5にドープすることのできるp型不純物としては、例え
ばMg、Zn、Cd、Ca、Be、Sr等のII族元素を
好ましくドープする。さらにこの第1の窒化物半導体層
を互いに組成の異なる2種類の窒化物半導体層が積層さ
れてなる超格子層とすることもできる。超格子層とする
場合、超格子層を構成する窒化物半導体層の膜厚は10
0オングストローム以下、さらに好ましくは70オング
ストローム以下、最も好ましくは50オングストローム
以下の膜厚に調整する。膜厚がこの範囲であると発光出
力及び順方向電圧の点で好ましい。また本発明におい
て、第1の窒化物半導体層5を超格子層とすると、窒化
物半導体層の結晶性が良くなり、出力がさらに向上す
る。超格子層とする場合、p型不純物は両方の層にドー
プしても良いし、いずれか一方の層にドープしても良
い。
【0011】第2の窒化物半導体層6は第1の窒化物半
導体層5に接して形成されていることが望ましいが、特
に接して形成されていなくても良い。例えば第1と第2
の窒化物半導体層との間に数百オングストローム以下の
膜厚のアンドープの窒化物半導体層を成長させることも
できる。第2の窒化物半導体層6にドープされるp型不
純物は、第1及び第3の各窒化物半導体層5、6よりも
少なくなるように調整することが望ましく、具体的には
1×1020/cm3未満、好ましくは1×1019/cm3下、
より好ましくは1×1018/cm3に調整する。また第2
の窒化物半導体層は、不純物がドープされていなくても
よい。また、この範囲内において、第1及び第3の各窒
化物半導体層より少なくなるよう調整される。p型不純
物濃度が上記範囲であると本発明の効果を得るのに好ま
しい。第2の窒化物半導体層にドープされるp型不純物
は第1の窒化物半導体層にドープできる不純物と同様の
ものが挙げられる。第2の窒化物半導体層の組成は特に
問うものではないが、好ましくは第3の窒化物半導体層
と同一組成とする。第2の窒化物半導体層の膜厚は2μ
m以下、さらに好ましくは1μm以下、最も好ましくは
0.5μm以下に調整する。膜厚がこの範囲であると発
光出力及び順方向電圧の点で好ましい。また第2の窒化
物半導体層を窒化物半導体の多層膜(超格子を含む)構
造として、その多層膜を構成する窒化物半導体層のp型
不純物濃度を段階的に少なくなるようにしても良い。
【0012】第3の窒化物半導体層7は、p電極を形成
するコンタクト層とすることが望ましく、好ましくはX
値が0.3以下のAlXGa1-XN(0≦X≦0.3)と
するとp電極と好ましいオーミックが得られる。第3の
窒化物半導体層7のp型不純物濃度は、1×1018/cm
3以上、1×1021/cm3以下、好ましくは1×1019
cm3以上、より好ましくは2×1020/cm3に調整するこ
とが望ましい。またこの範囲内において、第1及び第2
の各窒化物半導体層より多くなるよう調整される。p型
不純物濃度が上記範囲であると本発明の効果を得るのに
好ましい。また第3の窒化物半導体層の膜厚は第2の窒
化物半導体層よりも薄く調整することが望ましい。即
ち、コンタクト層として作用する第3のp型窒化物半導
体層の膜厚を薄くして、高濃度にp型不純物をドープす
ることによりコンタクト抵抗が下がるので、Vf(順方
向電圧)が低下しやすい傾向にある。第3の窒化物半導
体層の膜厚として具体的には、1μm以下、さらに好ま
しくは0.1μm以下、最も好ましくは0.05μm以
下に調整する。膜厚がこの範囲であると発光出力及び順
方向電圧の点で好ましい。
【0013】また、本発明の窒化物半導体素子を構成す
るのその他の構成は、特に限定されず、少なくとも上記
本発明の構成を満たす物であればよい。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されない。本発明の実施例において、窒化物半
導体素子はMOCVD法を用いて製造される。
【0015】[実施例1]サファイア(0001)面を
主面とする基板を用意し、原料ガスにTMG(トリメチ
ルガリウム)、アンモニアを用いて500℃でGaNよ
りなるバッファ層を200オングストロームの膜厚で成
長させる。
【0016】次に温度を1050℃に上昇させ、TM
G、アンモニア、不純物ガスにモノシランガスを用い
て、Siを1×1019/cm3ドープしたn型GaN層を
5μmの膜厚で成長させる。
【0017】次に温度を800℃にして、TMI(トリ
メチルインジウム)、TMG、アンモニアを用い、活性
層として、アンドープIn0.4Ga0.6Nよりなる井戸層
を25オングストロームの膜厚で成長させる。
【0018】次に温度を1050℃にして、TMG、ア
ンモニア、不純物ガスとしてCp2Mg(シクロペンタ
ジエニルマグネシウム)を用い、Mgを1×1019/cm
3ドープしたp型Al0.3Ga0.7Nよりなる第1の窒化
物半導体層を200オングストロームの膜厚で成長させ
る。この第1の窒化物半導体層はキャリアを閉じ込める
層として作用する。
【0019】第1の窒化物半導体層成長後、原料ガスを
止め、続いて再度TMG、アンモニア、Cp2Mgを流
し、1050℃で、Mgを1×1018/cm3ドープした
GaNよりなる第2の窒化物半導体層を0.18μmの
膜厚で成長させる。
【0020】第2の窒化物半導体層成長後、TMG、ア
ンモニア、Cp2Mgを用い、Mgを2×1020/cm3
ープした第3の窒化物半導体層を300オングストロー
ムの膜厚で成長させる。
【0021】以上のようにして窒化物半導体を成長させ
たウェーハを反応容器内において、窒素雰囲気中700
℃でアニーリングを行い、p型不純物をドープした層を
さらに低抵抗化させる。アニーリング後、ウェーハを反
応容器から取り出し、RIE装置により最上層の第3の
窒化物半導体層側からエッチングを行い、n電極を形成
すべきn側コンタクト層の表面を露出させる。最上層の
第3の窒化物半導体層のほぼ全面にNi/Auよりなる
全面電極を200オングストロームの膜厚で形成し、そ
の全面電極の一部に1μmの膜厚でAuよりなるパッド
電極を形成する。一方、露出させたn側コンタクト層の
表面には、WとAuよりなるn電極を形成する。
【0022】以上のようにして電極を形成したウェーハ
を350μm角のチップに分離し、発光させたところ2
0mAにおいて、Vf3.2V、発光波長525nm、
光出力3.5mW、外部量子効率7.3%となり、従来
の緑色LEDに比較して、およそ1.3倍に向上した。
【0023】[実施例2]実施例1において、第1の窒
化物半導体層にMgを5×1019/cm3ドープし、第2
の窒化物半導体層にMgを5×1017/cm3ドープし、
第3の窒化物半導体層にMgを1×1020/cm3ドープ
し、その他は同様にして行ったところ、実施例1とほぼ
同様な特性を有するLED素子を得ることができた。
【0024】[実施例3]図2は本発明に係る一レーザ
素子の構造を示す模式的な断面図であり、以下、この図
を元に本発明の第3実施例について説明する。
【0025】サファイア(0001)面を主面とする基
板の上にGaNよりなるバッファ層を介してGaNより
なる単結晶を120μmの膜厚で成長させたGaN基板
100を用意する。このGaN基板100をサファイア
の上に成長させた状態で、反応容器内にセットし、温度
を1050℃まで上げ、実施例1と同様にして、GaN
基板100上にSiを1×1018/cm3ドープしたGa
Nよりなるn側バッファ層11を4μmの膜厚で成長さ
せる。このn側バッファ層は高温で成長させるバッファ
層であり、例えば実施例1のように、サファイア、Si
C、スピネルのように窒化物半導体と異なる材料よりな
る基板の上に、900℃以下の低温において、GaN、
AlN等を、0.5μm以下の膜厚で直接成長させるバ
ッファ層2とは区別される。
【0026】(n側クラッド層12=歪み超格子層)続
いて、1050℃でTMA(トリメチルアルミニウ
ム)、TMG、アンモニア、シランガスを用い、Siを
1×1019/cm3ドープしたn型Al0.3Ga0.7Nより
なる第1の層を40オ ングストロームの膜厚で成長さ
せ、続いてシランガス、TMAを止め、アンドープのG
aNよりなる第2の層を40オングストロームの膜厚で
成長させる。そして第1層+第2層+第1層+第2層+
・・・というように歪み超格子層を構成し、それぞれ1
00層ずつ交互に積層し、総膜厚0.8μmの歪み超格
子よりなるn側クラッド層12を成長させる。
【0027】(n側光ガイド層13)続いて、シランガ
スを止め、1050℃でアンドープGaNよりなるn側
光ガイド層13を0.1μmの膜厚で成長させる。この
n側光ガイド層は、活性層の光ガイド層として作用し、
GaN、InGaNを成長させることが望ましく、通常
100オングストローム〜5μm、さらに好ましくは2
00オングストローム〜1μmの膜厚で成長させること
が望ましい。またこの層をアンドープの歪み超格子層と
することもできる。歪み超格子層とする場合にはバンド
ギャップエネルギーは活性層より大きく、n側クラッド
層よりも小さくする。
【0028】(活性層14)次に、原料ガスにTMG、
TMI、アンモニアを用いて活性層14を成長させる。
活性層14は温度を800℃に保持して、アンドープI
0.2Ga0.8Nよりなる井戸層を25オングストローム
の膜厚で成長させる。次にTMIのモル比を変化させる
のみで同一温度で、アンドープIn0.01Ga0.95Nより
なる障壁層を50オングストロームの膜厚で成長させ
る。この操作を2回繰り返し、最後に井戸層を積層した
総膜厚175オングストロームの多重量子井戸構造(M
QW)の活性層を成長させる。活性層は本実施例のよう
にアンドープでもよいし、またn型不純物及び/又はp
型不純物をドープしても良い。不純物は井戸層、障壁層
両方にドープしても良く、いずれか一方にドープしても
よい。
【0029】(p側キャップ層15)次に、温度を10
50℃に上げ、TMG、TMA、アンモニア、Cp2
g(シクロペンタジエニルマグネシウム)を用い、p側
光ガイド層16よりもバンドギャップエネルギーが大き
い、Mgを1×1019/cm3ドープしたp型Al0.3Ga
0.7Nよりなるp側キャップ層17を300オングスト
ロームの膜厚で成長させる。p側キャップ層は0.5μ
m以下、さらに好ましくは0.1μm以下の膜厚で成長
させると、p側キャップ層がキャリアを活性層内に閉じ
込めるためのバリアとして作用するので、出力が向上す
る。このp型キャップ層15の膜厚の下限は特に限定し
ないが、10オングストローム以上の膜厚で形成するこ
とが望ましい。
【0030】(p側光ガイド層16)p側キャップ層1
5成長後、再度TMG、Cp2Mg、アンモニアを用
い、実施例1と同様にして、1050℃で、バンドギャ
ップエネルギーがp側キャップ層15よりも小さい、M
gを1×1020/cm3ドープしたGaNよりなるp側光
ガイド層16を0.1μmの膜厚で成長させる。この層
は、活性層の光ガイド層として作用する。
【0031】(p側クラッド層17=第1の窒化物半導
体層)続いて、1050℃でMgを1×1020/cm3
ープしたp型Al0.3Ga0.8Nよりなる層を40オング
ストロームの膜厚で成長させ、続いてTMAのみを止
め、Mgを1×1019/cm3ドープしたp型GaNより
なる層を40オングストロームの膜厚で成長させる。そ
してこの操作をそれぞれ100回繰り返し、総膜厚0.
8μmの歪み超格子層よりなるp側クラッド層17を形
成する。p側クラッド層のMgの平均濃度は、5×10
19/cm3である。
【0032】(p側コンタクト層18=第2及び第3の
窒化物半導体層)最後に、1050℃で、p側クラッド
層17の上に、Mgを1×1018/cm3ドープしたp型
GaNよりなる層(第2の窒化物半導体層)を0.1μ
mの膜厚で成長させ、続いてMgを2×1020/cm3
ープしたp型GaNよりなる層(第3の窒化物半導体
層)を200オングストロームの膜厚で成長させる。p
側コンタクト層18はp型のInXAlYGa1-X-Y
(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)で構成することができ、好
ましくはMgをドープしたGaNとすれば、p電極21
と最も好ましいオーミック接触が得られる。またp型A
YGa1-YNを含む歪み超格子構造のp側クラッド層1
7に接して、バンドギャップエネルギーの小さい窒化物
半導体をp側コンタクト層として、その膜厚を500オ
ングストローム以下と薄くしているために、実質的にp
側コンタクト層18のキャリア濃度が高くなりp電極と
好ましいオーミックが得られて、素子の閾値電流、電圧
が低下する。
【0033】以上のようにして窒化物半導体を成長させ
たウェーハを反応容器内において、窒素雰囲気中700
℃でアニーリングを行い、p型不純物をドープした層を
さらに低抵抗化させる。
【0034】アニーリング後、ウェーハを反応容器から
取り出し、図3に示すように、RIE装置により最上層
のp側コンタクト層18と、p側クラッド層17とをエ
ッチングして、4μmのストライプ幅を有するリッジ形
状とする。このように、活性層よりも上部にある層をス
トライプ状のリッジ形状とすることにより、活性層の発
光がストライプリッジの下に集中するようになって閾値
が低下する。特に歪み超格子層よりなるp側クラッド層
17以上の層をリッジ形状とすることが好ましい。
【0035】リッジ形成後、p側コンタクト層18のリ
ッジ最表面にNi/Auよりなるp電極21をストライ
プ状に形成し、p電極21以外の最表面の窒化物半導体
層のにSiO2よりなる絶縁膜25を形成し、この絶縁
膜25を介してp電極21と電気的に接続したpパッド
電極22を形成する。
【0036】以上のようにして、p電極を形成したウェ
ーハを研磨装置に移送し、サファイア基板を研磨により
除去し、GaN基板10の表面を露出させる。露出した
GaN基板表面のほぼ全面にTi/Alよりなるn電極
23を形成する。
【0037】電極形成後GaN基板のM面(窒化物半導
体を六方晶系で近似した場合に六角柱の側面に相当する
面)で劈開し、その劈開面にSiO2とTiO2よりなる
誘電体多層膜を形成し、最後にp電極に平行な方向で、
バーを切断してレーザ素子とする。
【0038】このレーザチップをフェースアップ(基板
とヒートシンクとが対向した状態)でヒートシンクに設
置し、それぞれの電極をワイヤーボンディングして、室
温でレーザ発振を試みたところ、室温において、閾値電
流密度2.0kA/cm2、閾値電圧4.0Vで、発振波
長405nmの連続発振が確認され、1000時間以上
の寿命を示した。
【0039】
【発明の効果】このように、本発明の窒化物半導体素子
では、活性層の上に積層される複数の窒化物半導体層の
p型不純物の濃度を特定の範囲に規定し且つ積層順を特
定することにより、出力を大幅に向上させることができ
る。また本発明の素子はLED、LDのような発光デバ
イスだけではなく、他の受光デバイスのような窒化物半
導体を用いた多くの電子デバイスに用いることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るLED素子の構造を示
す模式断面図である。
【図2】本発明の他の実施例に係るLD素子の構造を示
す模式断面図である。
【符号の説明】
1・・・基板 2・・・バッファ層 3・・・n側コンタクト層 4・・・活性層 5・・・第1のp側窒化物半導体層 6・・・第2のp側窒化物半導体層 7・・・第3のp側窒化物半導体層 8・・・p電極 9・・・パッド電極 10・・・n電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−148678(JP,A) 特開 平8−264831(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 33/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、n側窒化物半導体層と活性層
    とp側窒化物半導体層を積層した窒化物半導体素子であ
    って、 前記活性層上部に、互いに組成の異なる2種類の窒化物
    半導体層が積層された超格子層から成り、p型不純物を
    含んでクラッド層として機能する第1のp側窒化物半導
    体層が形成され、その第1のp側窒化物半導体層上部
    に、その第1のp側窒化物半導体層のp型不純物の平均
    濃度より少量のp型不純物を含む第2のp側窒化物半導
    体層を備え、その第2のp側窒化物半導体層上部に、第
    1のp側窒化物半導体層のp型不純物濃度よりも多量の
    p型不純物を含みコンタクト層として機能する第3のp
    側窒化物半導体層を有することを特徴とする窒化物半導
    体素子。
  2. 【請求項2】 前記第1のp側窒化物半導体層のp型不
    純物濃度が、1×1017/cm以上1×1020/cm
    以下であることを特徴とする請求項1に記載の窒化物
    半導体素子。
  3. 【請求項3】 前記第2のp側窒化物半導体層のp型不
    純物濃度が、1×1020/cm未満であることを特徴
    とする請求項1又は2に記載の窒化物半導体素子。
  4. 【請求項4】 前記第3のp側窒化物半導体層のp型不
    純物濃度が、1×1018/cm以上1×1021/cm
    以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    1項に記載の窒化物半導体素子。
  5. 【請求項5】 前記第1のp側窒化物半導体層はAl
    Ga1−XN(0≦X≦1)よりなり、前記第3のp側
    窒化物半導体層はAlGa1−XN(0≦X≦0.
    3)よりなることを特徴とする請求項1〜請求項4のい
    ずれか1項に記載の窒化物半導体素子。
  6. 【請求項6】 前記第2のp側窒化物半導体層は第3の
    p側窒化物半導体層と同一組成よりなることを特徴とす
    る請求項1〜5のいずれか1項に記載の窒化物半導体素
  7. 【請求項7】 前記第2のp側窒化物半導体層がGaN
    より成ることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項
    に記載の窒化物半導体素子。
  8. 【請求項8】 前記活性層は少なくともInを含む窒化
    物半導体層を含む単一量子井戸構造、または多重量子井
    戸構造であることを特徴とする請求項1〜請求項7のい
    ずれか1項に記載の窒化物半導体素子。
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