JP3314521B2 - 心拍変動波形解析方法及び装置 - Google Patents
心拍変動波形解析方法及び装置Info
- Publication number
- JP3314521B2 JP3314521B2 JP08008594A JP8008594A JP3314521B2 JP 3314521 B2 JP3314521 B2 JP 3314521B2 JP 08008594 A JP08008594 A JP 08008594A JP 8008594 A JP8008594 A JP 8008594A JP 3314521 B2 JP3314521 B2 JP 3314521B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- waveform
- heart rate
- rate variability
- relative displacement
- value
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
- 238000004458 analytical method Methods 0.000 title claims description 17
- 238000006073 displacement reaction Methods 0.000 claims description 16
- 238000001228 spectrum Methods 0.000 claims description 10
- 238000000034 method Methods 0.000 description 14
- 238000004364 calculation method Methods 0.000 description 7
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 5
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 4
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 4
- 101100441224 Candida albicans (strain SC5314 / ATCC MYA-2876) JAB1 gene Proteins 0.000 description 3
- 101100329574 Neurospora crassa (strain ATCC 24698 / 74-OR23-1A / CBS 708.71 / DSM 1257 / FGSC 987) csn-5 gene Proteins 0.000 description 3
- 101150017452 RRI1 gene Proteins 0.000 description 3
- 230000008859 change Effects 0.000 description 3
- 230000008569 process Effects 0.000 description 3
- 230000037007 arousal Effects 0.000 description 2
- 230000035559 beat frequency Effects 0.000 description 2
- 239000013078 crystal Substances 0.000 description 2
- 239000006185 dispersion Substances 0.000 description 2
- 230000003340 mental effect Effects 0.000 description 2
- 230000010355 oscillation Effects 0.000 description 2
- 210000002820 sympathetic nervous system Anatomy 0.000 description 2
- 206010043268 Tension Diseases 0.000 description 1
- 230000002159 abnormal effect Effects 0.000 description 1
- 230000005856 abnormality Effects 0.000 description 1
- 230000009471 action Effects 0.000 description 1
- 230000002411 adverse Effects 0.000 description 1
- 230000036772 blood pressure Effects 0.000 description 1
- 230000008602 contraction Effects 0.000 description 1
- 238000007796 conventional method Methods 0.000 description 1
- 230000003247 decreasing effect Effects 0.000 description 1
- 238000002474 experimental method Methods 0.000 description 1
- 239000000284 extract Substances 0.000 description 1
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 1
- 230000002746 orthostatic effect Effects 0.000 description 1
- 210000001002 parasympathetic nervous system Anatomy 0.000 description 1
- 230000000737 periodic effect Effects 0.000 description 1
- 230000004962 physiological condition Effects 0.000 description 1
- 238000011002 quantification Methods 0.000 description 1
- 230000000241 respiratory effect Effects 0.000 description 1
- 230000000284 resting effect Effects 0.000 description 1
- 238000005070 sampling Methods 0.000 description 1
- 230000003595 spectral effect Effects 0.000 description 1
- 238000010183 spectrum analysis Methods 0.000 description 1
- 230000000638 stimulation Effects 0.000 description 1
- 238000006467 substitution reaction Methods 0.000 description 1
- 230000002889 sympathetic effect Effects 0.000 description 1
- 230000007704 transition Effects 0.000 description 1
Landscapes
- Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は心拍変動波形解析方法及
び装置に関し、特に心電図のR波(心室の収縮に対応す
る電位変化、周波数とも高く検出が容易な電圧パルス)
による心拍変動波形解析方法及び装置に関するものであ
る。なお、本発明は当然、心電図のR波の代用として脈
波、心音のピーク値等、心拍間隔を抽出し得るデータを
用いる場合にも適用可能なものである。
び装置に関し、特に心電図のR波(心室の収縮に対応す
る電位変化、周波数とも高く検出が容易な電圧パルス)
による心拍変動波形解析方法及び装置に関するものであ
る。なお、本発明は当然、心電図のR波の代用として脈
波、心音のピーク値等、心拍間隔を抽出し得るデータを
用いる場合にも適用可能なものである。
【0002】心拍のR波間隔より生成した心拍変動波形
の解析を行うことにより、心拍変動性指標(以下、HR
Vと略称することがある)と呼ばれる指標を得ることが
できる。
の解析を行うことにより、心拍変動性指標(以下、HR
Vと略称することがある)と呼ばれる指標を得ることが
できる。
【0003】このHRVは、交感・副交感神経系の活動
水準を反映しており、その周波数成分中の低周波(L
F)成分(又はMWSA成分と呼ばれる0.05〜0.15サイ
クル/ビートの周波数成分)、高周波(HF)成分(又
はRSA成分と呼ばれる0.15〜0.45サイクル/ビートの
周波数成分)のピークパワー値等を検討することで精神
的作業負荷、心的作業負荷、覚醒度、緊張度の定量化が
行える可能性が示唆されており、医学的に検討価値の高
い指標として知られている。
水準を反映しており、その周波数成分中の低周波(L
F)成分(又はMWSA成分と呼ばれる0.05〜0.15サイ
クル/ビートの周波数成分)、高周波(HF)成分(又
はRSA成分と呼ばれる0.15〜0.45サイクル/ビートの
周波数成分)のピークパワー値等を検討することで精神
的作業負荷、心的作業負荷、覚醒度、緊張度の定量化が
行える可能性が示唆されており、医学的に検討価値の高
い指標として知られている。
【0004】即ち、LF成分とは交換神経系を反映する
血圧変動性の成分が低周波であることから重要となって
いる成分であり、そのパワーは精神的緊張の増大、起立
性の刺激(姿勢の変化)などにより増大するものとして
認識されている。また、HF成分とは呼吸変動性の成分
が高周波であることからこのように称されるものであ
り、安静状態や睡眠中に高い値を示し緊張度の増大によ
り消失傾向に向かうことが知られているものである。
血圧変動性の成分が低周波であることから重要となって
いる成分であり、そのパワーは精神的緊張の増大、起立
性の刺激(姿勢の変化)などにより増大するものとして
認識されている。また、HF成分とは呼吸変動性の成分
が高周波であることからこのように称されるものであ
り、安静状態や睡眠中に高い値を示し緊張度の増大によ
り消失傾向に向かうことが知られているものである。
【0005】従って、被験者が安静状態に有るか否か、
言い換えれば覚醒度が低下しているか否かを容易に判定
できるHRV指標が望まれている。
言い換えれば覚醒度が低下しているか否かを容易に判定
できるHRV指標が望まれている。
【0006】
【従来の技術】この様なHRVに利用されるパワースペ
クトル(又は周波数成分)値を求めるための従来の方法
及び装置について以下に説明する。
クトル(又は周波数成分)値を求めるための従来の方法
及び装置について以下に説明する。
【0007】先ず、図4に示すように人体20に生体用
電極21〜23を張り付け、人体20の心臓活動に対応
する皮膚表面の電位を交流アンプ24により電極21と
23及び電極22と23の差電圧を求めて増幅し、出力
信号A,BとしてそれぞれA/D変換器25に送り、こ
こでディジタル信号に変換した後、それぞれ演算部26
に与えることにより、出力信号A−B間の電位差を図5
(1)に示すような心電図として記録し且つそのパワー
スペクトル密度(PSD)を求めている。
電極21〜23を張り付け、人体20の心臓活動に対応
する皮膚表面の電位を交流アンプ24により電極21と
23及び電極22と23の差電圧を求めて増幅し、出力
信号A,BとしてそれぞれA/D変換器25に送り、こ
こでディジタル信号に変換した後、それぞれ演算部26
に与えることにより、出力信号A−B間の電位差を図5
(1)に示すような心電図として記録し且つそのパワー
スペクトル密度(PSD)を求めている。
【0008】図5においては、心拍変動波形(原心拍変
動波形=RRI波形)の生成手順が示されており、まず
同図(1)においてR波ピーク時点を検出し、同図
(2)に示すようにR波ピーク時点からR−R間隔(以
下、RRIと略称する)を計測する。例えば、同図
(1)に示すようにR波のピーク間隔RRI1が0.8
秒であれば、同図(2)に示すようにその間隔RRI1
を「0.8」とする。
動波形=RRI波形)の生成手順が示されており、まず
同図(1)においてR波ピーク時点を検出し、同図
(2)に示すようにR波ピーク時点からR−R間隔(以
下、RRIと略称する)を計測する。例えば、同図
(1)に示すようにR波のピーク間隔RRI1が0.8
秒であれば、同図(2)に示すようにその間隔RRI1
を「0.8」とする。
【0009】この様にして心拍に応じて生成されたR波
間隔RRIは、同図(3)に示すように直線補間するこ
とにより横軸を拍数とし縦軸をR波間隔RRIとした原
心拍振変動波形が生成される。
間隔RRIは、同図(3)に示すように直線補間するこ
とにより横軸を拍数とし縦軸をR波間隔RRIとした原
心拍振変動波形が生成される。
【0010】なお、以下、このRRI波形は後述する種
々の処理を施した心拍変動波形と区別するため、原心拍
変動波形と称する。
々の処理を施した心拍変動波形と区別するため、原心拍
変動波形と称する。
【0011】この様に生成したRRI波形により図示の
如く一定の区間だけ切り出してサンプリング周波数5Hz
でFFT演算(高速フーリエ変換演算)またはAR(自
己回帰モデル)などにより求めたパワースペクトル密度
が図6に示されている。
如く一定の区間だけ切り出してサンプリング周波数5Hz
でFFT演算(高速フーリエ変換演算)またはAR(自
己回帰モデル)などにより求めたパワースペクトル密度
が図6に示されている。
【0012】この図6のパワースペクトル推定図から判
るように、推定されたパワーの殆どは0Hzを中心周波数
とするドリフト成分であり、これは図5(3)に示す原
心拍変動波形が多くの非周期性成分を含んでいるためで
ある。
るように、推定されたパワーの殆どは0Hzを中心周波数
とするドリフト成分であり、これは図5(3)に示す原
心拍変動波形が多くの非周期性成分を含んでいるためで
ある。
【0013】この為、上述したようにHRVとして本来
の検討対象であるLF成分又はHF成分(ピークパワ
ー)の検出が困難となる。
の検討対象であるLF成分又はHF成分(ピークパワ
ー)の検出が困難となる。
【0014】そこで本発明者は、このような問題を解決
するために、HRVの差異を比較し得るような精度の良
い周波数成分結果が得られる方法及び装置を特願平5-18
9961号において既に開示した。
するために、HRVの差異を比較し得るような精度の良
い周波数成分結果が得られる方法及び装置を特願平5-18
9961号において既に開示した。
【0015】これを図7により原理的に説明すると、ま
ず、心電図からのR波時刻より同図(1)に示すように
R波間隔RRI1〜RRInを算出する。
ず、心電図からのR波時刻より同図(1)に示すように
R波間隔RRI1〜RRInを算出する。
【0016】この様にR波間隔を抽出した後、今度は隣
接したRRI同士の差を演算して同図(2)に示す波形
(以下、RRI’波形と称することがある)を生成す
る。
接したRRI同士の差を演算して同図(2)に示す波形
(以下、RRI’波形と称することがある)を生成す
る。
【0017】この様に生成されたRRIn−RRI(n-
1)の波形を図5(3)と同様に長時間にわたって生成す
ることにより図7(3)に示す様な横軸を拍数とする波
形RRIを得る。
1)の波形を図5(3)と同様に長時間にわたって生成す
ることにより図7(3)に示す様な横軸を拍数とする波
形RRIを得る。
【0018】この結果、スペクトル計算によって得られ
た特性は図8に示すようになり、この特性により、心拍
の非定常的でランダムな推移が異なる条件下でのLF成
分及びHF成分のピークパワー位置が比較的容易に推定
することが可能となる。
た特性は図8に示すようになり、この特性により、心拍
の非定常的でランダムな推移が異なる条件下でのLF成
分及びHF成分のピークパワー位置が比較的容易に推定
することが可能となる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上記のような心拍変動
波形においては、実際の運転状況下で見られる心拍のよ
うに1拍の間にその心拍間隔が大きく異なるようなデー
タを用いたとき、周波数成分の解析上大きな誤差を生じ
ることとなる。
波形においては、実際の運転状況下で見られる心拍のよ
うに1拍の間にその心拍間隔が大きく異なるようなデー
タを用いたとき、周波数成分の解析上大きな誤差を生じ
ることとなる。
【0020】これを図9により説明すると、例えば同図
(1)(イ)に示すHF成分が大きいRRI波形からR
RI’波形を生成すると同図(ロ)に示す波形になる
が、同図(2)(イ)に示すHF成分が小さいが1拍の
間に心拍間隔が大きいRRI波形からRRI’波形を生
成すると、同図(ロ)に示すようにサンプル点e,f,
g,hに関する差分値(e−d),(f−e),(g−
f),(h−g)も図示の如く同時に大きくなってしま
う。
(1)(イ)に示すHF成分が大きいRRI波形からR
RI’波形を生成すると同図(ロ)に示す波形になる
が、同図(2)(イ)に示すHF成分が小さいが1拍の
間に心拍間隔が大きいRRI波形からRRI’波形を生
成すると、同図(ロ)に示すようにサンプル点e,f,
g,hに関する差分値(e−d),(f−e),(g−
f),(h−g)も図示の如く同時に大きくなってしま
う。
【0021】従って、同図(1)(ロ)及び(2)
(ロ)を周波数解析又は特開平5-42129号公報に示すよ
うな区間(p)での分散によるHRVのHF成分代用指
標の計算を行った場合、即ち周波数成分の推定を行った
場合、後者の方がHF成分が小さいにも関わらず、計算
上では前者よりHF成分比率が大きくなってしまう。
(ロ)を周波数解析又は特開平5-42129号公報に示すよ
うな区間(p)での分散によるHRVのHF成分代用指
標の計算を行った場合、即ち周波数成分の推定を行った
場合、後者の方がHF成分が小さいにも関わらず、計算
上では前者よりHF成分比率が大きくなってしまう。
【0022】このように、本来、HRVのHF成分に相
当する指標を検討するとき、重要となるのは振幅の大き
さではなく、その出現頻度である筈であるにも関わら
ず、これまでの心拍変動波形では振幅の大きさの影響を
受け過ぎるため、実際には周波数成分を正確に推定する
ことができないという問題点があった。
当する指標を検討するとき、重要となるのは振幅の大き
さではなく、その出現頻度である筈であるにも関わら
ず、これまでの心拍変動波形では振幅の大きさの影響を
受け過ぎるため、実際には周波数成分を正確に推定する
ことができないという問題点があった。
【0023】従って本発明は、HRVの検討対象となる
HF成分の解析結果に、振幅ではなくその出現頻度が実
質的な影響を与えることができる心拍変動波形解析方法
及び装置を提供することを目的とする。
HF成分の解析結果に、振幅ではなくその出現頻度が実
質的な影響を与えることができる心拍変動波形解析方法
及び装置を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段及び作用】〔1〕本発明方法: 図1において、心拍の間隔から例えば同図(1)(イ)
に示すHF成分が大きい原心拍変動波形(RRI波形)
から上記のようにRRI波形の隣接する間隔差を求めて
補間した相対変位心拍変動波形(RRI’波形)を生成
すると図9の場合と同様に図1(ロ)に示す波形が得ら
れる。
に示すHF成分が大きい原心拍変動波形(RRI波形)
から上記のようにRRI波形の隣接する間隔差を求めて
補間した相対変位心拍変動波形(RRI’波形)を生成
すると図9の場合と同様に図1(ロ)に示す波形が得ら
れる。
【0025】一方、同図(2)(イ)に示すHF成分が
小さいが1拍の間に心拍間隔が大きいRRI波形からR
RI’波形を生成するときには、同図(ロ)に点線で示
すような大きな振幅値の波形を生成せず、実線で示す波
形に制限する。
小さいが1拍の間に心拍間隔が大きいRRI波形からR
RI’波形を生成するときには、同図(ロ)に点線で示
すような大きな振幅値の波形を生成せず、実線で示す波
形に制限する。
【0026】即ち、RRI’波形が閾値kを越えている
ときには該RRI’波形部分を該閾値kに置き換えて制
限した後、その周波数成分を推定するようにしたもので
ある。
ときには該RRI’波形部分を該閾値kに置き換えて制
限した後、その周波数成分を推定するようにしたもので
ある。
【0027】これにより、後の周波数解析やHF成分の
代用指標等の周波数成分推定においては、振幅ではなく
HF成分の頻度に比例した値の抽出が可能となり、ま
た、区間pでの分散は同図(1)(イ)の方が同図
(2)(ロ)より大きな値となり、HRVのHF成分の
代用指標としても適切な値を得ることができる。
代用指標等の周波数成分推定においては、振幅ではなく
HF成分の頻度に比例した値の抽出が可能となり、ま
た、区間pでの分散は同図(1)(イ)の方が同図
(2)(ロ)より大きな値となり、HRVのHF成分の
代用指標としても適切な値を得ることができる。
【0028】〔2〕本発明装置:上記の本発明方法を実
現する本発明に係る心拍変動波形解析装置としては、心
拍ピックアップと、該ピックアップの出力信号を所定の
周波数帯域について増幅する増幅器と、上記の本発明方
法を演算する演算部とで構成することができる。
現する本発明に係る心拍変動波形解析装置としては、心
拍ピックアップと、該ピックアップの出力信号を所定の
周波数帯域について増幅する増幅器と、上記の本発明方
法を演算する演算部とで構成することができる。
【0029】即ち、この演算部は、該増幅器の出力信号
をディジタル信号に変換するA/D変換器と、該ディジ
タル信号によるピーク値の間隔を計測して補間した原心
拍変動波形を生成し、さらに該原心拍変動波形の隣接す
るピーク点の間隔差を求めて補間した相対変位心拍変動
波形を生成し、該相対変位心拍変動波形の値が閾値を越
えているときには該相対変位心拍変動波形の値を該閾値
に置き換えた後、該相対変位心拍変動波形の一定区間を
切り出してパワースペクトルを求め、その周波数成分を
推定するものである。
をディジタル信号に変換するA/D変換器と、該ディジ
タル信号によるピーク値の間隔を計測して補間した原心
拍変動波形を生成し、さらに該原心拍変動波形の隣接す
るピーク点の間隔差を求めて補間した相対変位心拍変動
波形を生成し、該相対変位心拍変動波形の値が閾値を越
えているときには該相対変位心拍変動波形の値を該閾値
に置き換えた後、該相対変位心拍変動波形の一定区間を
切り出してパワースペクトルを求め、その周波数成分を
推定するものである。
【0030】
【実施例】図2は本発明に係る心拍変動波形解析装置の
一実施例を示したもので、基本的には図4に示した装置
構成と同様に、交流アンプ部24とA/D変換部25と
演算部26とで構成されており、交流アンプ部24の入
力信号は図示していないが図4と同様に人体に張り付け
た生体用電極から得ている。
一実施例を示したもので、基本的には図4に示した装置
構成と同様に、交流アンプ部24とA/D変換部25と
演算部26とで構成されており、交流アンプ部24の入
力信号は図示していないが図4と同様に人体に張り付け
た生体用電極から得ている。
【0031】そしてこの実施例では、交流アンプ部24
を作動入力アンプ1とバンドパスフィルタ2との直列回
路で構成しており、バンドパスフィルタ2はR波のみを
抽出するために8〜18Hzの通過帯域に設定されてい
る。
を作動入力アンプ1とバンドパスフィルタ2との直列回
路で構成しており、バンドパスフィルタ2はR波のみを
抽出するために8〜18Hzの通過帯域に設定されてい
る。
【0032】また、A/D変換部25はバンドパスフィ
ルタ2に接続されたアンプ3とサンプルホールド回路4
とA/D変換器5とバッファメモリ6との直列回路で構
成されている。
ルタ2に接続されたアンプ3とサンプルホールド回路4
とA/D変換器5とバッファメモリ6との直列回路で構
成されている。
【0033】更に、演算部26はバッファメモリ6に接
続されたデータバス7に相互接続されたRAM8と演算
アルゴリズム用ROM9とCPU10とこれらRAM8
及びCPU10と接続されてCPU10を経由せずにR
AM8にデータを格納させる為のDMAコントローラ1
1と、CPU10及びDMAコントローラ11に一定の
クロック信号を与えるための水晶発振回路12とで構成
されている。
続されたデータバス7に相互接続されたRAM8と演算
アルゴリズム用ROM9とCPU10とこれらRAM8
及びCPU10と接続されてCPU10を経由せずにR
AM8にデータを格納させる為のDMAコントローラ1
1と、CPU10及びDMAコントローラ11に一定の
クロック信号を与えるための水晶発振回路12とで構成
されている。
【0034】尚、A/D変換部25には水晶発振回路1
2からのクロック信号を分周してA/D変換器5に与え
るための分周器13が設けられており、DMAコントロ
ーラ11はサンプルホールド回路4及びA/D変換器5
をも制御するようになっている。
2からのクロック信号を分周してA/D変換器5に与え
るための分周器13が設けられており、DMAコントロ
ーラ11はサンプルホールド回路4及びA/D変換器5
をも制御するようになっている。
【0035】図3は図2に示したCPU10の処理手順
の実施例を示したもので、以下、この図3の処理手順及
び図1の波形図を参照して図2の実施例の動作を説明す
る。
の実施例を示したもので、以下、この図3の処理手順及
び図1の波形図を参照して図2の実施例の動作を説明す
る。
【0036】まず、心電図のR波、脈波、心音のピーク
値等の心拍間隔を検出する心拍ピックアップからの出力
信号は交流アンプ部24において差動入力アンプ1で増
幅されると共にバンドパスフィルタ2でR波のみが取り
出される。
値等の心拍間隔を検出する心拍ピックアップからの出力
信号は交流アンプ部24において差動入力アンプ1で増
幅されると共にバンドパスフィルタ2でR波のみが取り
出される。
【0037】このR波はA/D変換部25においてアン
プ3で増幅された後、DMAコントローラ11の制御下
のサンプルホールド回路4によりサンプルホールドされ
てA/D変換器5によりディジタル信号に変換され、バ
ッファメモリ6からデータバス7を介してCPU10に
取り込まれる。
プ3で増幅された後、DMAコントローラ11の制御下
のサンプルホールド回路4によりサンプルホールドされ
てA/D変換器5によりディジタル信号に変換され、バ
ッファメモリ6からデータバス7を介してCPU10に
取り込まれる。
【0038】CPU10では処理を開始するとR波形デ
ータを読み込み(ステップS1)、そのR波時刻を検出
する(ステップS2)。
ータを読み込み(ステップS1)、そのR波時刻を検出
する(ステップS2)。
【0039】この様にして求めたR波時刻より図5
(2)に示したように原心拍変動波形RRI1〜RRI
nを算出する(ステップS3)。
(2)に示したように原心拍変動波形RRI1〜RRI
nを算出する(ステップS3)。
【0040】この様にR波間隔RRIを抽出した後、今
度は隣接したRRI同士の差を演算して(ステップS
4)、図7(2)に示す波形を生成する。
度は隣接したRRI同士の差を演算して(ステップS
4)、図7(2)に示す波形を生成する。
【0041】この様に生成されたRRI(n-1) −RRI
nの波形を図5(3)と同様に長期間に渡って生成する
ことにより例えば図1(2)(イ)に示す様な横軸を拍
数とする波形を得る。
nの波形を図5(3)と同様に長期間に渡って生成する
ことにより例えば図1(2)(イ)に示す様な横軸を拍
数とする波形を得る。
【0042】この変換されたデータをRRI’nとする
と、このデータRRI’nをRAM8に格納しておく
(ステップS5)。
と、このデータRRI’nをRAM8に格納しておく
(ステップS5)。
【0043】次に、CPU10は、図1(1)(ロ)及
び(2)(ロ)に示した閾値k(定数)を設定する(ス
テップS6)。
び(2)(ロ)に示した閾値k(定数)を設定する(ス
テップS6)。
【0044】この閾値kは、RRI’波形をこの値kに
制限した結果、周波数成分推定(周波数解析又は分散等
によるHF成分代用指標計算)が実際のHF成分に対応
して正確に行える値を予め実験等により求めておく。な
お、この閾値kは別の装置からの出力により自動的に設
定又は更新するようにしてもよい。
制限した結果、周波数成分推定(周波数解析又は分散等
によるHF成分代用指標計算)が実際のHF成分に対応
して正確に行える値を予め実験等により求めておく。な
お、この閾値kは別の装置からの出力により自動的に設
定又は更新するようにしてもよい。
【0045】ここで、RRI’波形のサンプル点位置を
示すパラメータiの初期値を“1”に設定した後(ステ
ップS7)、パラメータi>nになるまでは処理を繰り
返すために(ステップS8)、ステップS9において点
iのデータRRI'iをRAM8から読み出す。
示すパラメータiの初期値を“1”に設定した後(ステ
ップS7)、パラメータi>nになるまでは処理を繰り
返すために(ステップS8)、ステップS9において点
iのデータRRI'iをRAM8から読み出す。
【0046】そして、RRI'i≧kであるか否かを判定
する(ステップS10)。
する(ステップS10)。
【0047】これはRRI’波形のサンプル点iの値が
図1に示すように周波数成分の推定に悪影響を及ぼす心
拍変化の異常を示す閾値kを越えているか否かを判定し
ており、この結果、RRI'i≧kであれば、異常である
としてこの点iのRRI’波形の値を閾値kで置き換え
てRAM8に格納する(ステップS11)。
図1に示すように周波数成分の推定に悪影響を及ぼす心
拍変化の異常を示す閾値kを越えているか否かを判定し
ており、この結果、RRI'i≧kであれば、異常である
としてこの点iのRRI’波形の値を閾値kで置き換え
てRAM8に格納する(ステップS11)。
【0048】ステップS11においてRRI'i<kであ
れば、ステップS11を実行せずにステップS12に進
み、パラメータiを「1」だけインクリメントしてステ
ップS8でi>nとなるまで繰り返し、i>nとなった
時点でRRI’nデータをRAM8から読み出して周波
数解析統計処理部(図示せず)等へ処理を移す。
れば、ステップS11を実行せずにステップS12に進
み、パラメータiを「1」だけインクリメントしてステ
ップS8でi>nとなるまで繰り返し、i>nとなった
時点でRRI’nデータをRAM8から読み出して周波
数解析統計処理部(図示せず)等へ処理を移す。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る心拍
変動波形解析方法及び装置によれば、心拍の間隔から原
心拍変動波形を生成し、さらに該原心拍変動波形の隣接
する間隔差を求めて相対変位心拍変動波形を生成し、該
相対変位心拍変動波形部分が閾値を越えているときには
該相対変位心拍変動波形部分を該閾値に置き換えた後、
その周波数成分を推定するように構成したので、心拍変
動波形から生理状態の判定をする場合、その変動成分中
の検討価値のある指標を周波数成分推定(スペクトル解
析等の周波数解析または分散等の簡易型指標計算)によ
り抽出する際に振幅の影響を受け難い推定結果が得られ
る。
変動波形解析方法及び装置によれば、心拍の間隔から原
心拍変動波形を生成し、さらに該原心拍変動波形の隣接
する間隔差を求めて相対変位心拍変動波形を生成し、該
相対変位心拍変動波形部分が閾値を越えているときには
該相対変位心拍変動波形部分を該閾値に置き換えた後、
その周波数成分を推定するように構成したので、心拍変
動波形から生理状態の判定をする場合、その変動成分中
の検討価値のある指標を周波数成分推定(スペクトル解
析等の周波数解析または分散等の簡易型指標計算)によ
り抽出する際に振幅の影響を受け難い推定結果が得られ
る。
【0050】従って、例えば実路運転時における運転者
の心拍データから医学的に検討可能なHRVのLF/H
Fパワーを高精度に推定することが出来、正確な居眠り
運転等の警報を発することができる。
の心拍データから医学的に検討可能なHRVのLF/H
Fパワーを高精度に推定することが出来、正確な居眠り
運転等の警報を発することができる。
【図1】本発明に係る心拍変動波形解析方法及び装置の
動作原理を説明するための波形図である。
動作原理を説明するための波形図である。
【図2】本発明に係る心拍変動波形解析装置の一実施例
を示したブロック図である。
を示したブロック図である。
【図3】本発明に係る心拍変動波形解析装置の演算部に
おける演算処理例を示したフローチャート図である。
おける演算処理例を示したフローチャート図である。
【図4】一般的な心拍変動波形解析装置としてのパワー
スペクトルの測定系を示したブロック図である。
スペクトルの測定系を示したブロック図である。
【図5】従来の心拍変動波形生成手順を示した波形図で
ある。
ある。
【図6】従来例によってパワースペクトル推定されたグ
ラフ図である。
ラフ図である。
【図7】特願平5-189961号による心拍変動波形解析方法
及び装置における動作原理を説明するための波形図であ
る。
及び装置における動作原理を説明するための波形図であ
る。
【図8】特願平5-189961号による心拍変動波形解析方法
及び装置においてパワースペクトル推定した波形図であ
る。
及び装置においてパワースペクトル推定した波形図であ
る。
【図9】従来例の問題点を説明するための波形図であ
る。
る。
20 人体 21〜23 生体用電極 24 交流アンプ 25 AD変換部 26 演算部 8 RAM 9 ROM 10 CPU 図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
Claims (2)
- 【請求項1】 心拍によって生じたR波のピーク点間隔
を計測して補間した原心拍変動波形を生成し、さらに該
原心拍変動波形の隣接するピーク点の間隔差を求めて補
間した相対変位心拍変動波形を生成し、該相対変位心拍
変動波形の値が閾値を越えているときには該相対変位心
拍変動波形の値を該閾値に置き換えた後、該相対変位心
拍変動波形の一定区間を切り出してパワースペクトルを
求め、その周波数成分を推定することを特徴とした心拍
変動波形解析方法。 - 【請求項2】 心拍ピックアップと、該ピックアップの
出力信号を所定の周波数帯域について増幅する増幅器
と、該増幅器の出力信号をディジタル信号に変換するA
/D変換器と、該ディジタル信号によるピーク値の間隔
を計測して補間した原心拍変動波形を生成し、さらに該
原心拍変動波形の隣接するピーク点の間隔差を求めて補
間した相対変位心拍変動波形を生成し、該相対変位心拍
変動波形の値が閾値を越えているときには該相対変位心
拍変動波形の値を該閾値に置き換えた後、該相対変位心
拍変動波形の一定区間を切り出してパワースペクトルを
求め、その周波数成分を推定する演算部と、を備えたこ
とを特徴とする心拍変動波形解析装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08008594A JP3314521B2 (ja) | 1994-04-19 | 1994-04-19 | 心拍変動波形解析方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08008594A JP3314521B2 (ja) | 1994-04-19 | 1994-04-19 | 心拍変動波形解析方法及び装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07284483A JPH07284483A (ja) | 1995-10-31 |
JP3314521B2 true JP3314521B2 (ja) | 2002-08-12 |
Family
ID=13708378
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08008594A Expired - Fee Related JP3314521B2 (ja) | 1994-04-19 | 1994-04-19 | 心拍変動波形解析方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3314521B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008229233A (ja) * | 2007-03-23 | 2008-10-02 | Equos Research Co Ltd | 状態評価装置、及び状態評価プログラム |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3729143B2 (ja) * | 2002-03-14 | 2005-12-21 | 株式会社デンソー | 脈波計測装置 |
JP6582788B2 (ja) * | 2015-09-17 | 2019-10-02 | 富士通株式会社 | 眠気検知装置、眠気検知方法および眠気検知プログラム |
CN105997054B (zh) * | 2016-06-22 | 2019-07-09 | 天津理工大学 | 一种心电信号预分析的方法 |
JP2018130513A (ja) * | 2017-02-15 | 2018-08-23 | 修 池田 | 呼吸成分抽出方法 |
-
1994
- 1994-04-19 JP JP08008594A patent/JP3314521B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008229233A (ja) * | 2007-03-23 | 2008-10-02 | Equos Research Co Ltd | 状態評価装置、及び状態評価プログラム |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07284483A (ja) | 1995-10-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3319140B2 (ja) | 心拍変動波形解析方法及び装置 | |
US20030093002A1 (en) | Function indicator for autonomic nervous system based on phonocardiogram | |
JP3710823B2 (ja) | 心拍出量の測定のための改良された方法及び装置 | |
US9042972B2 (en) | Pain judging device to judge pain based on a frequency component of a peak-relevant value | |
JP2018525188A (ja) | 生物学的データの処理 | |
US20170172443A1 (en) | Method, device, system and computer programme for filtering an rr series obtained from a cardiac signal with automatic checking of the quality of the rr series | |
US8352020B2 (en) | Method for processing a series of cardiac rhythm signals (RR) and the use thereof for analysing a cardiac rhythm variability, in particular for assessing a patient's pain or stress | |
US20030055343A1 (en) | Monitoring a condition of a patient under anaesthesia or sedation | |
Peters et al. | Beat-to-beat detection of fetal heart rate: Doppler ultrasound cardiotocography compared to direct ECG cardiotocography in time and frequency domain | |
KR101706197B1 (ko) | 압전센서를 이용한 폐쇄성수면무호흡 선별검사를 위한 장치 및 방법 | |
CN109938719B (zh) | 一种基于生理参数的驾驶员疲劳检测方法 | |
JP2004283523A (ja) | 自律神経リズム解析装置 | |
JPH11511036A (ja) | 生理的信号の時間依存パワースペクトル解析用装置及び方法 | |
US11020056B2 (en) | Method and device for automatic quality control of an RR series obtained from a cardiac signal | |
US20060155199A1 (en) | Frequency processing of an rr series in an analogue cardiac signal | |
JP2001204714A (ja) | メンタルストレス判定装置 | |
Rapalis et al. | Estimation of blood pressure variability during orthostatic test using instantaneous photoplethysmogram frequency and pulse arrival time | |
JP3314521B2 (ja) | 心拍変動波形解析方法及び装置 | |
KR102547325B1 (ko) | 연속혈당 측정기와 심전도 기반의 저혈당 예측 시스템 및 그 제어방법 | |
Muehlsteff et al. | Detection of hemodynamic adaptations during impending syncope: Implementation of a robust algorithm based on pulse arrival time measurements only | |
JP3319139B2 (ja) | 生理状態判定方法及び装置 | |
JP3307071B2 (ja) | 心拍変動波形解析方法及び装置 | |
JP3451793B2 (ja) | 心拍変動波形周波数解析方法及び装置 | |
KR20130087940A (ko) | 심박변이도 계측방법 및 그를 위한 계측장치 | |
US11529060B2 (en) | Method for determining time delay between beat-to-beat blood pressure signal and pulse arrival time |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20020507 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |