JP3313214B2 - 密封容器詰食品 - Google Patents

密封容器詰食品

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直子 荒木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な密封容器詰食品
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、煮込みウドンやグラタン等の
湿潤性流動状食品に関して、密封容器詰めにした後、加
熱殺菌処理することで、長期保存のできるようにしたも
のが知られている。そして、こうした形態の食品は、近
年、特にベビー用食品あるいは病人用食品等としても広
く利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、こうした湿潤
性流動状食品の具として、魚肉や畜肉等の食用肉を配合
すると、加熱殺菌を施した後または保存中に、食用肉の
色調が褐変したり風味の低下が生じ易い。食用肉が白色
であるしらすや鱈等の場合には、こうした現象が特に著
しく認められる。よって本発明は、長期保存後であって
も、食用肉の褐変や風味の低下が生じ難い密封容器詰食
品の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、すでに、
食用肉を含有したおかゆに関して、粉末状卵殻を添加す
ることによる効果を特許出願(特願平5−75705)
しているが、更にいろいろ検討した結果、おかゆ以外の
湿潤性流動状食品に関しても、加熱殺菌する前に、原料
の一部として粉末状卵殻を配合するならば、得られる製
品は上記の目的が達成され得たものであることを見出
し、本発明を完成するに到った。すなわち、本発明は、
長期保存後であっても上記したような問題の生じ難い、
食用肉と粉末状卵殻を含有する湿潤性流動状食品(おか
ゆを除く)が容器に密封されたあと、加熱殺菌してあ
り、加熱殺菌した食用肉の褐変や風味の低下が生じ難い
ことを特徴とする密封容器詰食品を提供するものであ
る。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。なお、本
発明の説明において、以下「%」と表示するのは全て
「重量%」を意味する。本発明において食用肉とは、通
常に食される魚肉や畜肉等の食用となる肉をいう。魚肉
としては、例えば、鱈、白魚、鯛、平目、カレイ等の白
身魚の他、しらす、鰯、鮪、鯖、鰹等の赤身魚が一般的
に用いられる。また、畜肉としては、例えば、牛、豚、
鶏、羊等の精肉が一般的に用いられている。こうした食
用肉の形態は、特に限定されるものではないが、食べ易
い大きさに裁断したり、挽き肉状にしたものが好まし
い。また、配合割合としては、湿潤性流動状食品の全重
量中0.5〜20%程度が一般的である。
【0006】また、粉末状卵殻とは、鳥類の卵殻を砕い
て粉末化したものをいう。卵殻の粉末としては、卵の種
類を問うものではなく、例えば、鶏の卵やウズラの卵が
あげられる。容易にまた大量に入手できる観点から鶏卵
の卵殻粉末が好ましい。そして粉末状態としては、特に
限定しないが、微粉末化したものが良く、具体的には4
00メッシュ(目開きが約35ミクロン)のフルイを通
過するほどに微細化したものが特に好ましい。食品に添
加してもザラツキなど食感上の違和感をほとんど感じな
くてすむからである。また、この程度にまで微細に粉末
化した卵殻であっても、その表面には卵殻特有の極微細
孔(約0.2ミクロン径)を無数に有している。このよ
うな微粉末化した卵殻は市販されており、例えばキユー
ピー株式会社製のカルホープを挙げることができる。添
加割合は、用いる食用肉の種類により多少変わりうる
が、一般的には食用肉の量に対して0.1〜30%程度
が好ましく、2〜20%程度だと更に好ましい。粉末状
卵殻の添加があまり少ないと、食用肉の褐変等の防止効
果が得難く、逆にあまり多いと、食感上でザラツキ感が
出るようになる。
【0007】湿潤性流動状食品(おかゆを除く)とは、
含水率が50%程度以上のもので、かつ、容器を斜めに
すると内容物が流動して容器から流出する性質をもつ食
品をいう。湿潤性があって、流動状であれば、おかゆ以
外に特に限定するものではないが、例えば、スープを伴
う煮込みウドン、シチュウそしてグラタン等があげられ
る。
【0008】加熱殺菌してあるとは、容器に密封された
湿潤性流動状食品(おかゆを除く)が、湯浴または圧力
釜等で加熱殺菌処理されてあることをいう。加熱温度や
保持時間は特に限定されるものではない。標準的には、
湯浴方式だと約80℃で20分〜90分程度、そして圧
力釜方式では100℃〜120℃で数分〜60分程度で
ある。
【0009】容器とは、耐熱性のあるものなら特に限定
しない。代表的には、ビン、缶、プラスチックまたはア
ルミニューム等の素材でつくられた密封性のある容器が
あげられる。
【0010】次に、本発明品の代表的な製造方法を説明
する。一般的に湿潤状態で食し、かつ、形態が流動状を
呈する食品、例えば、具として食用肉を配合した煮込み
ウドン・グラタン・シチュウ等といった食品が対象とな
る。こうした食品を常法に従って製する際に、任意の段
階で、任意の量の粉末状卵殻を添加し、適度に混合する
ことで全体に程よく分散させる。次にこれを容器に充填
・密封したあと加熱殺菌すればよい。なお、本発明の目
的を損なわない範囲で、副原料として、ニンジン、大
根、コーン、ほうれん草等の野菜、食塩、砂糖、しょう
ゆ等の調味料および澱粉等も任意に配合しうる。
【0011】
【作用】魚肉や畜肉等の食用肉は、構成成分として蛋白
質や糖質を含んでいるために、加熱殺菌すると、保存中
にメイラード反応等が進行し、褐変や風味の低下等をも
たらす。粉末状卵殻は、その表面にほぼ0.2ミクロン
径ほどの極微細孔を多数有する構造となっており、この
極微細孔がメイラード反応等にあずかる成分、すなわち
遊離のアミノ酸や糖をこの極微細孔中に取り込むことに
より、上記の褐変反応等が阻害されるためではないかと
推察される。
【0012】
【実施例および試験例】以下、本発明を実施例および試
験例により、更に詳しく説明する。 実施例1 下記の原料のうち、だし汁や調味料類を用いて、常法に
準じてスープを調合する。ウドン(乾燥品)や野菜類は
下ごしらえとして、それぞれゆで煮しておく。上記のス
ープが煮立ったところに、ゆで煮したウドンや野菜類を
入れ、味が十分にしみこむまで煮込む。この段階でしら
すと粉末状卵殻(カルホープ)を加え、更に一煮立ちさ
せることで、しらす入り煮込みウドンを製造した。 原料の種類 配合(g) ウドン(乾燥品) 60 しらす 40 にんじん(1〜2mm厚のスライス) 30 大根( 同上 ) 30 椎茸(乾燥品、2mm角) 5 澱粉(コーンスターチ) 30 上白糖 5 だし汁 100 しょうゆ(薄口) 20 粉末状卵殻(カルホープ) 5 清水 残量 合計 1000(g) 得られたしらす入り煮込みウドンをレトルトパウチに1
00gづつ充填し、ヒートシールして密封した後、12
0℃×25分の条件下でレトルト殺菌を行ない、密封容
器詰食品とした。この煮込みしらす入りウドンは35℃
にて3ケ月間保存した後でも、しらすの褐変現象は認め
難く、また風味も製造直後のものと異なることなく、総
じて品質の低下は認め難かった。更に、粉末状卵殻によ
る舌ざわり、風味等の違和感も全く感じられなかった。
【0013】実施例2 下記の配合の原料を用いて、実施例1の方法に準じて鱈
入り煮込みウドンを製造した。なお、鱈は市販の鱈切り
身を蒸煮処理した後、チョッパー(目径:5mm)に通
して挽き肉状としたものを用いた。 原料の種類 配合(g) ウドン(乾燥品) 60 鱈(挽き肉状) 35 にんじん(1〜2mm厚のスライス) 30 椎茸(乾燥品、2mm角) 5 澱粉(コーンスターチ) 30 上白糖 5 だし汁 100 しょうゆ(薄口) 10 粉末状卵殻(カルホープ) 5 清水 残量 合計 1000(g) 得られた鱈入り煮込みウドンを上記実施例1に準じてレ
トルト殺菌し、密封容器詰食品とした。
【0014】実施例3 下記の配合の原料を用いて、実施例1の方法に準じて鶏
肉入り煮込みウドンを製造した。なお、鶏肉は市販の精
肉をチョッパー(目径:5mm)に通して挽き肉状とし
たものを用いた。 原料の種類 配合(g) ウドン(乾燥品) 60 鶏肉(挽き肉状) 30 にんじん(1〜2mm厚のスライス) 30 椎茸(乾燥品、2mm角) 5 澱粉(コーンスターチ) 30 ほうれん草(10mm長に細断) 30 上白糖 5 だし汁 100 しょうゆ 20 粉末状卵殻(カルホープ) 5 清水 残量 合計 1000(g) 得られた鶏肉入り煮込みウドンを上記実施例1に準じて
レトルト殺菌し、密封容器詰食品とした。
【0015】試験例 上記実施例1の方法に準じて、用いる粉末状卵殻の添加
量を、配合するしらすの量に対して、それぞれ0.1
%、0.5%、2.0%、5.0%、10.0%、2
0.0%および30.0%に変えた、しらす入り煮込み
ウドンを製造した。また、粉末状卵殻をまったく添加し
ない他は、すべて同一条件の下でしらす入り煮込みウド
ンを製造し、対照品とした。こうして得られた密封容器
詰食品を55℃にて保存し、しらすの色調の経時的変化
を調べた。結果は下表に示した通りであった。
【0016】
【表1】 註1:表中の記号は、しらすの色調の変化に関して、下
記の意義を有する。 (−) 変色は認められない (±) 若干の変色が認められる (+) 褐変が認められる (++) 顕著な褐変が認められる 註2:粉末状卵殻(カルホープ)をしらすに対して3
0.0%の割合で添加した本発明品は、製造直後のもの
及び長期保存後のもののいずれにおいても、食した際に
多少のザラツキ感が認められた。 註3:食した際の風味に関しては、本発明品はいずれも
長期保存後でも製造直後のものと異なることがなかった
のに対して、対照品は保存期間が長くなる程、異味が強
く感じられた。 上記の表の結果より、粉末状卵殻を添加した本発明の密
封容器詰食品は、長期保存後であっても、食用肉の褐変
現象が認め難いものであることが理解される。また、風
味も製造直後のものと異ならず、長期間にわたって品質
が維持され、商品価値の高いものであることが判った。
【0017】
【発明の効果】本発明の密封容器詰食品は、長期保存し
ても配合原料である食用肉の褐変や風味低下などが生じ
難いものであることから、商品価値の極めて高いもので
ある。また、粉末状卵殻を含むものであるので、該食品
のカルシウム強化の点でも優れたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23B 4/00 - 5/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食用肉と粉末状卵殻を含有する湿潤性流
    動状食品(おかゆを除く)が容器に密封されたあと、加
    熱殺菌してあり、加熱殺菌した食用肉の褐変や風味の低
    下が生じ難いことを特徴とする密封容器詰食品。
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