JP3313049B2 - 広帯域高速波長変換方法およびその装置 - Google Patents

広帯域高速波長変換方法およびその装置

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JP3313049B2 JP20729597A JP20729597A JP3313049B2 JP 3313049 B2 JP3313049 B2 JP 3313049B2 JP 20729597 A JP20729597 A JP 20729597A JP 20729597 A JP20729597 A JP 20729597A JP 3313049 B2 JP3313049 B2 JP 3313049B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、広帯域高速波長変
換方法およびその装置に関し、さらに詳細には、非線形
光学結晶を用いたレーザー光の広帯域高速波長変換方法
およびその装置に関し、特に、非線形光学結晶へ入射さ
れるレーザー(励起レーザー光)の波長変化に対応し
て、励起レーザー光の波長がどのような波長であって
も、非線形光学結晶内での位相整合条件を満たす高調波
変換を効率よく行うことができるようにした広帯域高速
波長変換方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のレーザー光の波長変換技術とし
て、例えば、非線形光学結晶内に励起レーザー光を入射
させ、当該非線形光学結晶から変換レーザー光として励
起レーザー光の高調波を出射させる高調波変換により、
励起レーザー光の波長変換を行う非線形波長変換法が知
られており、こうした非線形波長変換法においては、励
起レーザー光と非線形光学結晶との間で位相整合条件を
満たす必要がある。
【0003】そして、この位相整合条件を満たす方法と
しては、非線形光学結晶を手動やモーターにより回転さ
せることによって、励起レーザー光に対して非線形光学
結晶を位相整合条件を満たす位相整合角に位置させ、非
線形光学結晶に対する励起レーザー光の入射角を調整す
る方法がある(図1参照)。
【0004】ところで、上記した位相整合条件は、非線
形光学結晶から出射される変換レーザー光の要求される
波長と変換レーザー光の要求される波長に必要な非線形
光学結晶に入射される励起レーザー光の波長とが与えら
れると、一義的に決定されるものである。このため非線
形光学結晶から出射される変換レーザー光の波長を変え
ようとすると、変換レーザー光の波長を変えようとする
度毎に、非線形光学結晶に入射される励起レーザー光の
波長を変える必要があるとともに、手動やモーターで非
線形光学結晶を回転させることにより励起レーザー光に
対し非線形光学結晶を位相整合角に位置させる必要があ
った。
【0005】しかしながら、手動やモーターで非線形光
学結晶を回転させるという方法では、励起レーザー光に
対し非線形光学結晶を位相整合角に位置させるのに時間
がかかり、高速で高調波変換を行うことができないとい
う問題点があった。
【0006】また、位相整合角に位置させるために非線
形光学結晶を回転すると、励起レーザー光のビームのず
れを生じるようになる。このため、こうした励起レーザ
ー光のビームのずれを補正する補正装置が別途必要にな
るという問題点があった。
【0007】また、位相整合角に位置させるために非線
形光学結晶が回転すると、スペクトル幅の広いビームを
励起レーザー光として用いた場合には、位相整合条件よ
りずれる波長成分が生じるようになるので、高い変換効
率を得ることができないという問題点があった。
【0008】また、位相整合角に位置させるために非線
形光学結晶を回転する方法では、励起レーザー光として
複数の波長を含むビームを非線形光学結晶に同時に入射
することができず、同時に波長変換可能な波長は一波長
のみに限られていたという問題点があった。
【0009】なお、手動やモーターで非線形光学結晶を
回転させることなしに非線形光学結晶に対する励起レー
ザー光の入射角を調整することを可能にして、上記した
従来の問題点を解決をするようにした装置として、例え
ば、図2に示すような装置が従来より提案されている。
【0010】この図2に示す装置は、分散素子としての
2個のプリズム(第1プリズムおよび第2プリズム)お
よび1個のレンズを介して、励起レーザー光を非線形光
学結晶に入射するようにしたものである。
【0011】即ち、図2に示す装置においては、2個の
プリズム(第1プリズムおよび第2プリズム)により励
起レーザー光の波長毎に光路を分離し、プリズムの分散
特性およびレンズの集光特性によって非線形光学結晶へ
の入射角を決定するようになされている。
【0012】ここで、励起レーザー光の波長をλ(λ
は、λ1、λcenter、λ2、・・・などの任意の値をとる
ことができる。)とした場合において、励起レーザー光
の非線形光学結晶への入射角θ’(λ)(λ=λ1のと
きθ’(λ)はθ’(λ1)であり、λ=λcenterのと
きθ’(λ)はθ’(λcenter)であり、λ=λ2のと
きθ’(λ)はθ’(λ2)である。)を励起レーザー
光の非線形光学結晶への最適な入射角、即ち、位相整合
条件に適合した位相調整角をθ(λ)(λ=λ1のとき
θ(λ)はθ(λ1)であり、λ=λcenterのときθ
(λ)はθ(λcenter)であり、λ=λ2のときθ
(λ)はθ(λ2)である。)とするには、 (1)第1プリズムへの入射角β (2)第1プリズム、第2プリズムの頂角A (3)第1プリズム、第2プリズムの材質(分散特性)
n(λ) (4)第1プリズムと第2プリズムとの間の距離d (5)レンズの焦点距離f の5個のパラメータの調整を行えばよい。
【0013】即ち、図2に示す装置においては、5個の
パラメータのみによってθ’(λ)がθ(λ)になるよ
うに調整する必要があるが、パラメータの数が十分でな
いために、高い精度でθ’(λ)をθ(λ)に調整する
ことができないという問題点があった。
【0014】また、図2に示す装置においては、励起レ
ーザー光として平行ビームを用いた場合には、励起レー
ザー光が非線形光学結晶上で集光されてしまうので(図
3参照)、励起レーザー光としてパワーの低い平行ビー
ムを用いることは可能であるが、励起レーザー光として
パワーの高い平行ビームを用いると、非線形光学結晶を
損傷する恐れがあるという問題点があった。
【0015】また、従来の技術においては、非線形光学
結晶から出射される異なる波長の変換レーザー光を同軸
に重ねることができないという問題点があった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
の有する上記したような種々の問題点に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、非線形光学結晶
を回転することなく入射されるレーザー光に対して位相
整合角に位置合わせすることを可能にし、高速で高調波
変換を行うことができるようにした広帯域高速波長変換
方法およびその装置を提供しようとするものである。
【0017】また、本発明は、位相整合角に位置させる
ために非線形光学結晶を回転することがないため、スペ
クトル幅の広いビームを非線形光学結晶へ入射されるレ
ーザー光として用いた場合においても、位相整合条件よ
りずれる波長成分が生じることがなく、高い変換効率を
得ることができるようにした広帯域高速波長変換方法お
よびその装置を提供しようとするものである。
【0018】また、本発明は、非線形光学結晶へ入射さ
れるレーザー光として複数の波長を含むビームを非線形
光学結晶に同時に入射することを可能とし、同時に多波
長を波長変換可能な広帯域高速波長変換方法およびその
装置を提供しようとするものである。
【0019】また、本発明は、高い精度で非線形光学結
晶へ入射されるレーザー光の入射角を位相整合角に設定
することができるようにした広帯域高速波長変換方法お
よびその装置を提供しようとするものである。
【0020】また、本発明は、非線形光学結晶へ入射さ
れるレーザー光としてパワーの高い平行ビームを用いる
ことができるようにした広帯域高速波長変換方法および
その装置を提供しようとするものである。
【0021】また、本発明は、非線形光学結晶から出射
される異なる波長の変換レーザー光を同軸に重ねること
ができるようにした広帯域高速波長変換方法およびその
装置を提供しようとするものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による請求項1に記載の広帯域高速波長変換
方法は、非線形光学結晶にレーザー光を入射して、高調
波変換により上記入射されたレーザー光の波長変換を行
う広帯域高速波長変換方法において、レーザー光をプリ
ズムへ入射して、上記入射されたレーザー光を上記入射
されたレーザー光の波長変化に対応して光路を分離させ
て上記プリズムから出射し、上記プリズムから出射され
たレーザー光を集光素子へ入射して、上記集光素子の集
光特性に応じて出射し、上記集光素子から出射されたレ
ーザー光を非線形光学結晶へ入射して、高調波変換によ
り上記入射されたレーザー光の波長変換を行う広帯域高
速波長変換方法であって、上記プリズムへ入射されるレ
ーザー光の上記プリズムへの入射角と、上記プリズムの
頂角と、上記プリズムの分散特性と、上記プリズムと上
記集光素子との間の距離と、上記集光素子の曲率と、上
記プリズムから出射された上記波長変化における中心波
長のレーザー光の上記集光素子への入射角とを選択し、
上記プリズムへ入射されるレーザー光の波長の変化に対
応して各波長における位相整合条件を満たすように上記
非線形光学結晶へ入射されるレーザー光の入射角を制御
するようにしたものである。
【0023】従って、本発明による請求項1に記載の広
帯域高速波長変換方法によれば、非線形光学結晶を回転
することなく入射されるレーザー光に対して位相整合角
に位置合わせすることが可能になり、上記した問題点を
悉く解決することができる。ここで、上記プリズムへ入
射されるレーザー光は、本発明による請求項2に記載の
広帯域高速波長変換方法のように、複数の異なる波長成
分を含むものとすることができる。
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】また、上記集光素子は、本発明による請求
項3に記載の広帯域高速波長変換方法のように、凹面鏡
とすることができる。なお、集光素子を凹面鏡とした場
合には、凹面鏡の曲率が集光素子の集光特性となる。
【0029】また、上記集光素子は、本発明による請求
項4に記載の広帯域高速波長変換方法のように、レンズ
とすることができる。
【0030】また、本発明による請求項5に記載の広帯
域高速波長変換装置は、非線形光学結晶にレーザー光を
入射して、高調波変換により上記入射されたレーザー光
の波長変換を行う広帯域高速波長変換装置において、レ
ーザー光を入射し、上記入射されたレーザー光を上記入
射されたレーザー光の波長変化に対応して光路を分離さ
せて出射するプリズムと、上記プリズムから出射された
レーザー光を入射し、集光特性に応じて出射する集光素
子と、上記集光素子から出射されたレーザー光を入射
し、高調波変換により上記入射されたレーザー光の波長
変換を行う非線形光学結晶とを有する広帯域高速波長変
換装置であって、上記プリズムへ入射されるレーザー光
の上記プリズムへの入射角と、上記プリズムの頂角と、
上記プリズムの分散特性と、上記プリズムと上記集光素
子との間の距離と、上記集光素子の曲率と、上記プリズ
ムから出射された上記波長変化における中心波長のレー
ザー光の上記集光素子への入射角とを選択することによ
り、上記プリズムへ入射されるレーザー光の波長の変化
に対応して各波長における位相整合条件を満たすように
上記非線形光学結晶へ入射されるレーザー光の入射角が
制御されたことを特徴とするものである。
【0031】従って、本発明による請求項5に記載の広
帯域高速波長変換装置によれば、非線形光学結晶を回転
することなく入射されるレーザー光に対して位相整合角
に位置合わせすることが可能になり、上記した問題点を
悉く解決することができる。ここで、上記プリズムへ入
射されるレーザー光は、本発明による請求項6に記載の
広帯域高速波長変換装置のように、複数の異なる波長成
分を含むものとすることができる。
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】また、上記集光素子は、本発明による請求
項7に記載の広帯域高速波長変換装置のように、凹面鏡
とすることができる。なお、集光素子を凹面鏡とした場
合には、凹面鏡の曲率が集光素子の集光特性となる。
【0037】また、上記集光素子は、本発明による請求
項8に記載の広帯域高速波長変換装置のように、レンズ
とすることができる。
【0038】また、本発明による請求項9に記載の広帯
域高速波長変換方法は、非線形光学結晶にレーザー光を
入射して、高調波変換により上記入射されたレーザー光
の波長変換を行う広帯域高速波長変換方法において、レ
ーザー光を第1のプリズムへ入射して、上記入射された
レーザー光を上記レーザー光の波長変化に対応して光路
を屈折させることにより分離させて上記第1のプリズム
から出射し、上記第1のプリズムから出射されたレーザ
ー光を上記第1のプリズムと同一の構成を備えた第2の
プリズムへ入射して、上記入射されたレーザー光の波長
変化に対応して光路を屈折させることにより平行ビーム
として上記第2のプリズムから出射し、上記第2のプリ
ズムから出射された平行ビームのレーザー光を放物面鏡
へ入射して、上記入射された平行ビームのレーザー光を
上記放物面鏡により同一点に集光させて反射し、上記放
物面鏡から同一点に集光させて反射されたレーザー光を
非線形光学結晶へ入射して、高調波変換により上記入射
されたレーザー光の波長変換を行う広帯域高速波長変換
方法であって、上記第1のプリズムの頂角と、上記第2
のプリズムの頂角と、上記第1のプリズムと上記第2の
プリズムとの間の距離と、上記第2のプリズムから出射
された上記波長変化における中心波長のレーザー光を反
射したときの上記放物面鏡の焦点距離と、上記第2のプ
リズムから出射された上記波長変化における中心波長の
レーザー光の上記放物面鏡への入射角とを選択し、上記
第1のプリズムへ入射されるレーザー光の波長の変化に
対応して各波長における位相整合条件を満たすように上
記非線形光学結晶へ入射されるレーザー光の入射角を制
御するようにしたものである。
【0039】従って、本発明による請求項9に記載の広
帯域高速波長変換方法によれば、非線形光学結晶を回転
することなく入射されるレーザー光に対して位相整合角
に位置合わせすることが可能になり、上記した問題点を
悉く解決することができる。
【0040】ここで、上記第1のプリズムへ入射される
レーザー光は、複数の異なる波長成分を含むものとする
ことができる。
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】また、本発明による請求項10に記載の広
帯域高速波長変換装置は、非線形光学結晶にレーザー光
を入射して、高調波変換により上記入射されたレーザー
光の波長変換を行う広帯域高速波長変換装置において、
レーザー光を入射して、上記入射されたレーザー光を上
記レーザー光の波長変化に対応して光路を屈折させるこ
とにより分離させて出射する第1のプリズムと、上記第
1のプリズムから出射されたレーザー光を入射して、上
記入射されたレーザー光の波長変化に対応して光路を屈
折させることにより平行ビームとして出射する、上記第
1のプリズムと同一の構成を備えた第2のプリズムと、
上記第2のプリズムから出射された平行ビームのレーザ
ー光を入射して、上記入射された平行ビームのレーザー
光を同一点に集光させて反射する放物面鏡と、上記放物
面鏡から同一点に集光させて反射されたレーザー光を入
射し、高調波変換により上記入射されたレーザー光の波
長変換を行う非線形光学結晶とを有する広帯域高速波長
変換装置であって、上記第1のプリズムの頂角と、上記
第2のプリズムの頂角と、上記第1のプリズムと上記第
2のプリズムとの間の距離と、上記第2のプリズムから
出射された上記波長変化における中心波長のレーザー光
を反射したときの上記放物面鏡の焦点距離と、上記第2
のプリズムから出射された上記波長変化における中心波
長のレーザー光の上記放物面鏡への入射角とを選択する
ことにより、上記第1のプリズムへ入射されるレーザー
光の波長の変化に対応して各波長における位相整合条件
を満たすように上記非線形光学結晶へ入射されるレーザ
ー光の入射角が制御されたことを特徴とするものであ
る。
【0046】従って、本発明による請求項10に記載の
広帯域高速波長変換装置によれば、非線形光学結晶を回
転することなく入射されるレーザー光に対して位相整合
角に位置合わせすることが可能になり、上記した問題点
を悉く解決することができる。
【0047】ここで、上記第1のプリズムへ入射される
レーザー光は、複数の異なる波長成分を含むものとする
ことができる。
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面に基づいて、本
発明による広帯域高速波長変換方法およびその装置の実
施の形態の一例を詳細に説明するものとする。
【0053】図4には、本発明による広帯域高速波長変
換装置の実施の形態の一例の概念構成図が示されてお
り、この広帯域高速波長変換装置は、波長可変レーザー
たるチタン・サファイア・レーザー(Ti:sapph
ire laser)のレーザー光を非線形光学結晶1
0への励起レーザー光として用い、非線形光学結晶10
から励起レーザー光の第二高調波を変換レーザー光とし
て出射することにより、励起レーザー光の高調波変換を
行う広帯域高速波長変換装置である。
【0054】即ち、図4に示す広帯域高速波長変換装置
は、非線形光学結晶10と、分散素子たる第1プリズム
12と、集光素子たる第1シリンドリカル凹面鏡14
と、集光素子たる第2シリンドリカル凹面鏡16と、分
散素子たる第2プリズム18とを有している。
【0055】なお、第1プリズム12と第2プリズム1
8とは同一の構成を備えており、第1シリンドリカル凹
面鏡14と第2シリンドリカル凹面鏡16とは同一の構
成を備えている。
【0056】この図4に示す広帯域高速波長変換装置に
おいては、励起レーザー光は第1プリズム12により波
長に応じて光路が屈折されて、励起レーザー光の波長毎
にビームの光路を分け、第1シリンドリカル凹面鏡14
により非線形光学結晶10への入射角を各波長において
最適化するように調整され、非線形光学結晶10へ入射
される。
【0057】なお、第1シリンドリカル凹面鏡14は、
励起レーザー光のビームの集光も行っている。
【0058】非線形光学結晶10に入射された励起レー
ザー光は、非線形光学結晶10により波長変換されて、
非線形光学結晶10からは励起レーザー光の第二高調波
が変換レーザー光として出射される。
【0059】非線形光学結晶10から出射された変換レ
ーザー光は、第1プリズム12と第1シリンドリカル凹
面鏡14との作用の原理とは逆の原理により、第2シリ
ンドリカル凹面鏡16に光路を調整されて第2プリズム
18へ入射され、第2プリズム18により屈折されて所
定の光路により出射される。即ち、第2シリンドリカル
凹面鏡16および第2プリズム18によってコリメート
され、同軸に重ねられて第2プリズム18から出射され
る。
【0060】ここで、図4に示す広帯域高速波長変換装
置において、励起レーザー光の波長をλ(λは、λ1
λcenter、λ2、・・・などの任意の値をとることがで
きる。)とした場合において、励起レーザー光の非線形
光学結晶への入射角θ’(λ)(λ=λ1のときθ’
(λ)はθ’(λ1)であり、λ=λcenterのときθ’
(λ)はθ’(λcenter)であり、λ=λ2のときθ’
(λ)はθ’(λ2)である。)を励起レーザー光の非
線形光学結晶10への最適な入射角、即ち、位相整合条
件に適合した位相調整角をθ(λ)(λ=λ1のときθ
(λ)はθ(λ1)であり、λ=λcenterのときθ
(λ)はθ(λcenter)であり、λ=λ2のときθ
(λ)はθ(λ2)である。)とするには、 (1)第1プリズム12への入射角β (2)第1プリズム12の頂角A (3)第1プリズム12の材質(分散特性)n(λ) (4)第1プリズム12と第1シリンドリカル凹面鏡1
4との間の距離d (5)第1シリンドリカル凹面鏡14の曲率R (6)励起レーザー光の波長がλcenterのときの第1シ
リンドリカル凹面鏡14への入射角αcenter の6個のパラメータの調整を行うことになる。
【0061】このように、従来の技術として示した図2
に示す装置と比較すると、図4に示す広帯域高速波長変
換装置はパラメータが1つ増えて6個となっている。
【0062】即ち、図4に示す広帯域高速波長変換装置
における(1)〜(5)のパラメータの特性は、図2に
示す装置における(1)〜(5)のパラメータの特性と
ほぼ一致しており、図4に示す広帯域高速波長変換装置
においては、図2に示す装置に比べると、「(6)励起
レーザー光の波長がλcenterのときの第1シリンドリカ
ル凹面鏡14への入射角αcenter」が新たなパラメータ
として加えられたことになる。
【0063】第1プリズム12で分離した励起レーザー
光のビームを第1シリンドリカル凹面鏡14に斜入射す
ると、第1シリンドリカル凹面鏡14は一種の分散素子
のような作用を果たすことになるので、この第1シリン
ドリカル凹面鏡14への入射角αcenterを変えることに
より、第1シリンドリカル凹面鏡14における分散特性
を連続的に変化させることができる。
【0064】このため、図4に示す広帯域高速波長変換
装置によれば、従来の技術として示した図2に示す装置
よりも、高い精度でθ’(λ)をθ(λ)に調整するこ
とができる。
【0065】ここで、図4に示す広帯域高速波長変換装
置の原理を説明すると、図5に示すグラフにおける実線
θ(λ)は、励起レーザー光の中心波長を800nmと
した場合における、非線形光学結晶10の位相整合条件
から計算される励起レーザー光の非線形光学結晶10へ
の最適な入射角を示している。
【0066】入射レーザー光の各波長λにおいて、入射
角θ(λ)で励起レーザー光を非線形光学結晶10へ入
射できれば、高効率で励起レーザー光の第二高調波を発
生させることができる。
【0067】図4に示す広帯域高速波長変換装置におい
ては、第1プリズム12および第1シリンドリカル凹面
鏡14を用いることにより、手動やモーターにより非線
形光学結晶10を回転させることなしに、励起レーザー
光の波長に応じて自動的に励起レーザー光の非線形光学
結晶10への入射角をθ(λ)に設定することができ
る。 実際には、上記した6個のパラメータによって決
定される入射角θ’(λ)が、最適な入射角θ(λ)に
なるように、上記した6個のパラメータを選択すること
になる。
【0068】ここで、第1プリズム12の効果である
が、励起レーザー光のビームが第1プリズム12に入射
すると、第1プリズム12の分散効果により波長毎にビ
ームの方向が変わることになる。その波長依存性は、図
5に示すグラフ中の破線で表示されているようなカーブ
となる。このカーブの形状はθ(λ)に類似している
が、その傾きはθ(λ)と比べて小さいことがわかる。
【0069】そこで、第1シリンドリカル凹面鏡14を
用いると、上記したカーブの傾きを大きくすることがで
きるとともに、ビームの拡がりを抑制することができ
る。正確には、第1プリズム12と第1シリンドリカル
凹面鏡14との間の距離dと第1シリンドリカル凹面鏡
14の曲率Rとによって、上記したカーブの傾きは決定
される。しかしながら、カーブの傾きはθ(λ)の傾き
とは異なる(図6参照)。
【0070】次に、このθ(λ)の傾きとは異なる傾き
のカーブの形を、第1シリンドリカル凹面鏡14への入
射角αcenter、第1プリズム12への入射角βにより調
整する。このとき、第1シリンドリカル凹面鏡14への
入射角αcenter、第1プリズム12への入射角βを変え
るとカーブの傾きも同時に変化するので(図7参照)、
第1プリズム12の頂角A、第1プリズム12の材質
(分散特性)n(λ)、第1プリズム12と第1シリン
ドリカル凹面鏡14との間の距離d、第1シリンドリカ
ル凹面鏡14の曲率Rを変化させて、繰り返し調整を行
う。
【0071】また、図4に示す広帯域高速波長変換装置
は、励起レーザー光としてパワーの低い平行ビームのみ
ならず、パワーの高い平行ビームを用いることができ
る。
【0072】即ち、励起レーザー光としてパワーの低い
平行ビームを用いる場合には、図8に示すように、非線
形光学結晶10内に焦点を位置させるようにすればよ
い。このようにすると、非線形光学結晶10内における
ビームの断面積が小さくなり、非線形光学結晶10内に
おける励起レーザー光の強度を上げることができ、効率
の良い波長変換を行うことができるようになる。
【0073】一方、励起レーザー光としてパワーの高い
平行ビームを用いる場合には、図9に示すよう、第1プ
リズム12の前段に適宜の焦点距離をもつ凸レンズ20
を配置することにより、第1プリズム12と第1シリン
ドリカル凹面鏡14との間に焦点を位置させるようにし
て、非線形光学結晶10上においては励起レーザー光の
ビームが平行になるようにする。このようにすると、非
線形光学結晶10内におけるビームの断面積が大きくな
り、励起レーザー光の強度を下げることができるので、
非線形光学結晶10の損傷を防ぐことができる。
【0074】なお、凸レンズ20の焦点距離と、第1プ
リズム12と第1シリンドリカル凹面鏡14との間に生
成される焦点位置との調節により、励起レーザー光のビ
ーム径と非線形光学結晶10内におけるビーム径との比
率を調整することができる。なお、図9において符号2
2は、凸レンズであり、第2プリズム18から出射され
た出射レーザー光を平行ビームにするように作用する。
【0075】図10は、図4に示す広帯域高速波長変換
装置において、第1シリンドリカル凹面鏡14に代えて
シリンドリカルでない通常の球状の凹面鏡24を用いた
場合の要部概念構成説明図であるが、この場合には、第
1プリズム12と凹面鏡24との間にシリンドリカルレ
ンズ26を配設することが好ましい。
【0076】ここで、凹面鏡24は、励起レーザー光が
斜入射した場合に縦方向と横方向とで焦点が異なる(図
11参照)。そして、シリンドリカルレンズ26は、縦
方向の焦点のみを調節するように作用する(図12参
照)。
【0077】図13には、本発明による広帯域高速波長
変換装置の他の実施の形態の概念構成図が示されてい
る。なお、図4の構成と同一あるいは相当する構成に
は、図4において用いた符号を用いて示すこととし、そ
の詳細な構成ならびに作用の説明は省略する。
【0078】この図13に示す広帯域高速波長変換装置
は、第2シリンドリカル凹面鏡16と第2プリズム18
との間に、非線形光学結晶28と第3シリンドリカル凹
面鏡30とを配設した点においてのみ、図4に示す広帯
域高速波長変換装置と異なる。
【0079】ここで、非線形光学結晶28は非線形光学
結晶10と同一の構成を備えており、第3シリンドリカ
ル凹面鏡30は第1シリンドリカル凹面鏡14および第
2シリンドリカル凹面鏡16と同一の構成を備えてい
る。
【0080】従って、図13に示す広帯域高速波長変換
装置によれば、非線形光学結晶10から出射された変換
レーザー光の第二高調波が、非線形光学結晶28により
第三高調波に波長変換されて、当該変換レーザー光の第
三高調波が変換レーザー光として第2プリズム18から
出射される。
【0081】次に、本願出願人によって行われた、図4
に示す広帯域高速波長変換装置を用いた実験結果につい
て説明する。
【0082】この実験においては、非線形光学結晶10
としてはBBO結晶を用いており、非線形光学結晶10
たるBBO結晶は励起レーザー光に対して結晶角が2
9.2度になるようにカットされている。
【0083】また、励起レーザー光としては、波長が7
06nm〜948nmの範囲で波長選択可能なパルス・
レーザーたるチタン・サファイア・レーザーを用いてお
り、その最大エネルギーは4mJ/pulseであり、
パルス幅は20ns〜40nsである。
【0084】さらに、上記した6個のパラメータはそれ
ぞれ、 (1)第1プリズム12への入射角β:70度 (2)第1プリズム12の頂角A:67度 (3)第1プリズム12の材質(分散特性)n(λ):
S F57 (4)第1プリズム12と第1シリンドリカル凹面鏡1
4との間の距離d:196.1mm (5)第1シリンドリカル凹面鏡14の曲率R:10
6.5mm (6)励起レーザー光の波長がλcenterのときの第1シ
リンドリカル凹面鏡14への入射角αcenter:60度 とされている。
【0085】図14乃至図16に示すグラフは、上記し
た実験条件において実験した結果を示すグラフであり、
図14における実線θ(λ)は、非線形光学結晶10の
位相整合条件から計算される励起レーザー光の非線形光
学結晶10への最適な入射角を示している。
【0086】即ち、励起レーザー光の各波長λにおい
て、入射角θ(λ)で励起レーザー光を非線形光学結晶
10に入射できれば、高効率で励起レーザー光の第二高
調波を発生させることができる。
【0087】そして、図14における破線θ’(λ)
が、上記した実験条件において非線形光学結晶10への
励起レーザー光の入射角の測定結果を示している。
【0088】また、図15における実線は、上記した実
験条件において測定した非線形光学結晶10への励起レ
ーザー光の入射角θ’(λ)と最適な入射角θ(λ)と
の差たる「θ(λ)−θ’(λ)」を表している。な
お、図14における入射角θ(λ)を表す実線と入射角
θ’(λ)を表す破線とは、ほとんど重なっているが、
「θ(λ)−θ’(λ)」を計算して拡大すると、図1
5に示すようになる。
【0089】さらに、図15における破線は、効率的に
波長変換を行うための励起レーザー光の非線形光学結晶
10への入射角の許容範囲を示している。
【0090】従って、上記した実験条件において測定し
た非線形光学結晶10への励起レーザー光の入射角θ’
(λ)と最適な入射角θ(λ)との差たる「θ(λ)−
θ’(λ)」が、上記した許容角以内であれば、高効率
で第二高調波を発生させることができる。
【0091】さらに、図16(a)は非線形光学結晶1
0へ入射した励起レーザー光の波長と励起レーザー光の
出力との関係を示し、図16(b)は非線形光学結晶1
0から出射された変換レーザー光の第二高調波の波長と
第二高調波の出力の関係を示している。この図16
(a)(b)に示すように、図4に示す広帯域高速波長
変換装置によれば、効率的に波長700nm〜900n
mの波長域の光を波長350nm〜450nmの第二高
調波を含む変換レーザー光に変換することができる。
【0092】なお、図17は、第1シリンドリカル凹面
鏡14への入射角αcenterのみを変化させ、他の実験条
件は図14に示す実験と同条件にして実験した際におけ
る、非線形光学結晶10への励起レーザー光の入射角
θ’(λ)の変化を示すグラフである。この図17から
明らかなように、第1シリンドリカル凹面鏡14への入
射角αcenterを変化させると、非線形光学結晶10への
励起レーザー光の入射角θ’(λ)の波長依存性が変化
することが分かる。
【0093】ここで、非線形光学結晶10への励起レー
ザー光の入射角θ’(λ)と上記した6個のパラメータ
たる (1)第1プリズム12への入射角β (2)第1プリズム12の頂角A (3)第1プリズム12の材質(分散特性)n(λ) (4)第1プリズム12と第1シリンドリカル凹面鏡1
4との間の距離d (5)第1シリンドリカル凹面鏡14の曲率R (6)励起レーザー光の波長がλcenterのときの第1シ
リンドリカル凹面鏡14への入射角αcenter とは上記したように定義されるものであるが(図4の要
部拡大図である図18を参照する。)、図19における
関係式に示すような関係を備えているものである。
【0094】この図19における関係式から明らかなよ
うに、非線形光学結晶10への励起レーザー光の入射角
θ’(λ)は、上記した6個のパラメータたる (1)第1プリズム12への入射角β (2)第1プリズム12の頂角A (3)第1プリズム12の材質(分散特性)n(λ) (4)第1プリズム12と第1シリンドリカル凹面鏡1
4との間の距離d (5)第1シリンドリカル凹面鏡14の曲率R (6)励起レーザー光の波長がλcenterのときの第1シ
リンドリカル凹面鏡14への入射角αcenter の関数となっており、非線形光学結晶10への励起レー
ザー光の入射角θ’(λ)は、これら6個のパラメータ
により決定される。
【0095】なお、図19における関係式において、b
は第1プリズム12のふれ角を表す式であり、励起レー
ザー光の波長λの関数となっており、励起レーザー光の
波長λが変化するとbも変化する。
【0096】また、x,yは、第1シリンドリカル凹面
鏡14上の励起レーザー光のビームが当たる位置を表し
ており、a,b,cの関数となっているが、a,cは第
1シリンドリカル凹面鏡14への入射角αcenterによっ
て変わり、最終的にγ(λ)を変化させる。
【0097】ここで、図20(a)に示す図2に対応す
る従来技術の構成図および図20(b)に示す従来技術
の概念図を参照しながら、図2に示す従来技術について
説明すると、従来技術においては、同材質および同頂角
の2個の対のプリズムは各波長毎に光路の異なるレーザ
ー光のビームを生成する。そして、レンズは、2個の対
のプリズムによってつくられた波長依存性を保ちなが
ら、その集光特性により、非線形光学結晶への入射角を
決定する。
【0098】こうした従来技術においては、レンズは、
図21に示すように、レンズの中心からビームの入射位
置までの距離x’=x(λ)−x(λcenter)によって
決まるレンズの中心を軸に対称な単純な関数θ’(λ)
=g(x’(λ))[正確にはθ’(λ)=tan
-1(x’(λ)/f):fはレンズの焦点距離]を与え
るだけであり、従って、この従来技術における非線形光
学結晶への入射角の波長依存性を決める分散効果は、プ
リズムの分散特性によってのみ制御が可能である。図2
2(a)には図4に対応する広帯域高速波長変換装置の
要部構成図が示されているとともに、図22(b)には
図4に対応する広帯域高速波長変換装置の概念図が示さ
れているが、この広帯域高速波長変換装置においては、
第1プリズム12はレーザー光のビームを各波長毎に分
離し、その材質の分散特性に応じたε方向の波長成分の
分布ε(λ)をつくる。ここで第1シリンドリカル凹面
鏡14は、従来技術におけるレンズと同様に集光素子と
して機能し、θ’(λ)=h(ε(λ))の関数を与え
るが、その関数の形hは第1シリンドリカル凹面鏡14
の傾きにより変化させることができる。このことから、
凹面鏡によりプリズム分散効果をさらに変化させること
が可能である。
【0099】従って、本発明による広帯域高速波長変換
装置においては、非線形光学結晶10への入射角の波長
依存性は、第1プリズム12の分散特性と第1シリンド
リカル凹面鏡14の分散効果との2つにより決定される
ことになる。その結果、従来技術と比較すると、高い精
度で入射角を設定することができるようになる。
【0100】なお、凹面鏡の代わりに集光レンズを傾け
たり、レンズの中心を光学軸上からずらしたりすること
によっても、同様の効果を得ることが可能である。
【0101】即ち、従来の装置ではレンズは入射光に対
して垂直になるように配置していたが、図23(a)
(b)に示すように、広帯域高速波長変換装置のシリン
ドリカル凹面鏡の位置に集光レンズを配置し、この集光
レンズの角度を調節することにより、レンズにおいても
分散効果が得られる。
【0102】従って、広帯域高速波長変換装置のシリン
ドリカル凹面鏡をレンズに置き換えた装置においては、
非線形光学結晶10への入射角の波長依存性は、第1プ
リズム12の分散特性とレンズの分散効果との2つによ
り決定されることになる。その結果、従来技術と比較す
ると、高い精度で入射角の設定することができるように
なる。
【0103】即ち、集光素子としては、シリンドリカル
凹面鏡やシリンドリカルでない通常の球状の凹面鏡の他
にレンズなどを用いることができるものであり、さらに
は、放物面鏡を用いるようにしてもよい。
【0104】また、分散素子としては、プリズムの他に
回折格子などを用いることができるものである。
【0105】ここで、図24には、集光素子として放物
面鏡を用いた本発明による広帯域高速波長変換装置の実
施の形態の一例の概念構成図が示されており、この広帯
域高速波長変換装置は、波長可変レーザーたるチタン・
サファイア・レーザー(Ti:sapphire la
ser)のレーザー光を非線形光学結晶200への励起
レーザー光として用い、非線形光学結晶200から励起
レーザー光の第二高調波を変換レーザー光として出射す
ることにより、励起レーザー光の高調波変換を行う広帯
域高速波長変換装置である。
【0106】即ち、図24に示す広帯域高速波長変換装
置は、励起レーザー光が入射される第1の分散素子たる
入射側第1プリズム202と、入射側第1プリズムから
出射された励起レーザー光が入射される第2の分散素子
たる入射側第2プリズム204と、入射側第2プリズム
204から出射された励起レーザー光を集光して反射す
る集光素子たる第1放物面鏡206と、第1放物面鏡2
06により反射された励起レーザー光を入射する非線形
光学結晶200と、非線形光学結晶200から出射され
る変換レーザー光を集光して反射する集光素子たる第2
放物面鏡208と、第2放物面鏡208により反射され
た変換レーザー光が入射される第3の分散素子たる出射
側第1プリズム210と、出射側第1プリズム210か
ら出射された変換レーザー光が入射される第4の分散素
子たる出射側第2プリズム212とを有している。
【0107】なお、入射側第1プリズム202と入射側
第2プリズム204とは同一の構成を備えており、出射
側第1プリズム210と出射側第2プリズム212とは
同一の構成を備えており、第1放物面鏡206と第2放
物面鏡208とは同一の構成を備えている。
【0108】この図24に示す広帯域高速波長変換装置
においては、励起レーザー光は入射側第1プリズム20
2により波長に応じて光路が屈折されて、励起レーザー
光の波長毎にビームの光路を分け、入射側第2プリズム
204に入射される。
【0109】入射側第2プリズム204においては、入
射された励起レーザー光の光路が波長に応じて屈折され
て平行ビームとして第1放物面鏡206に出射され、第
1放物面鏡206により非線形光学結晶200への入射
角を各波長において最適化するように調整され、非線形
光学結晶200へ入射される。
【0110】なお、第1放物面鏡206は、励起レーザ
ー光のビームの集光も行っている。非線形光学結晶20
0に入射された励起レーザー光は、非線形光学結晶20
0により波長変換されて、非線形光学結晶200からは
励起レーザー光の第二高調波が変換レーザー光として出
射される。
【0111】非線形光学結晶200から出射された変換
レーザー光は、第1放物面鏡206、入射側第2プリズ
ム204および入射側第1プリズム202の作用の原理
とは逆の原理により、第2放物面鏡208に光路を調整
されて出射側第1プリズム210へ入射され、出射側第
1プリズム210により屈折されて所定の光路により出
射され、出射側第1プリズム210より出射された変換
レーザー光はさらに出射側第2プリズム212により屈
折されて所定の光路により出射される。即ち、非線形光
学結晶200から出射された変換レーザー光は、第2放
物面鏡208、出射側第1プリズム210および出射側
第2プリズム212によってコリメートされ、同軸に重
ねられて出射側第2プリズム212から出射される。
【0112】ここで、例えば、図4に示す実施の形態に
おいて、第1シリンドリカル凹面鏡14に代えて球状凹
面鏡を用いた場合には、励起レーザー光の波長毎に球状
凹面鏡への入射角が変わるため、波長毎に焦点の位置が
わずかに変わってしまっていた(図25(a)参照)。
その結果、励起レーザー光の波長によっては、励起レー
ザー光を非線形光学結晶10上の最適な位置に常に集光
させることができないおそれがあり、励起レーザー光の
全ての波長で高い波長変換効率を得ることができないお
それがあった。
【0113】ところが、図24に示す実施の形態におい
て、集光素子として用いた第1放物面鏡206は、平行
ビームが入射した際に必ず一点に集光する(図25
(b)参照)。即ち、入射側第1プリズム202および
入射側第2プリズム204により波長変化に対応して光
路を分離され、平行ビームとされた励起レーザー光は、
第1放物面鏡206により常に同一点に集光されること
となる。
【0114】従って、図24に示す実施の形態によれ
ば、励起レーザー光の波長がどのような波長であって
も、励起レーザー光を非線形光学結晶200上の最適な
位置に常に集光させることができるので、励起レーザー
光の波長がどのような波長でも高い波長変換効率を得る
ことができる。
【0115】また、励起レーザー光を非線形光学結晶2
00上の同一点に集光した場合には、非線形光学結晶2
00から出射される変換レーザー光も同一点より出射す
ることになり、この非線形光学結晶200から出射され
る変換レーザー光は第2放物面鏡208により波長に関
わらず常に平行にすることができる。そして、平行とな
ったビームは、出射側第1プリズム210および出射側
第2プリズム212によって精度良く同軸に重ねること
ができる。
【0116】図26には、図24に示す実施の形態によ
り下記の実験条件において、励起レーザー光の入射角
θ’(λ)と最適な入射角θ(λ)との差たる「θ’
(λ)−θ(λ)」と、効率的に波長変換を行うための
励起レーザー光の非線形光学結晶200への入射角の許
容範囲との関係を示すグラフが示されている。
【0117】図26に示すグラフにおいて、実線は
「θ’(λ)−θ(λ)」(図26においては、「θpm
−θin」として示す。)を示しており、破線で囲まれた
範囲は許容範囲(許容角)を示している。図26に示す
グラフから明らかなように、波長0.64μm〜0.9
8μmの広範囲にわたり、高効率に波長変換可能である
ことが分かる。
【0118】なお、上記した波長0.64μm〜0.9
8μmという範囲は、図15に示す波長範囲より広いも
のである。
【0119】また、図27には、図24に示す実施の形
態により下記の実験条件において、出射側第2プリズム
212から最終的に出射される変換レーザー光の出射位
置の変動を示すグラフが示されている。図27に示すグ
ラフから明らかなように、変換レーザー光の波長0.3
5μm〜0.50μm(励起レーザー光の波長が0.7
μm〜1.0μm)の範囲で、「±0.06mm」と小
さい変動となっている。
【0120】ここで、図26および図27に示すグラフ
における実験条件は、 (1)入射側第1プリズム202、入射側第2プリズム
204 SF57製、頂角A1=60度 (2)入射側第1プリズム202と入射側第2プリズム
204との間の距離 距離d1=193mm (3)第1放物面鏡206、第2放物面鏡208 中心波長での焦点距離=60mm 中心波長でのレーザー光の入射角=23度 (4)出射側第1プリズム210、入射側第2プリズム
212 合成石英製、頂角A2=74度 (5)出射側第1プリズム210と入射側第2プリズム
212との間の距離 距離d2=255.7mm (6)非線形光学結晶200 BBO結晶、長さ=5mm とされている。
【0121】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、位相整合角に位置させるために非線形光学
結晶を回転する必要がないので、高速で波長変換を行う
ことができるという優れた効果を奏する。
【0122】また、本発明は、位相整合角に位置させる
ために非線形光学結晶を回転すること必要がないため、
スペクトル幅の広いビームを入射レーザー光として用い
た場合においても、位相整合条件よりずれる波長成分が
生じることがなく、高い変換効率を得ることができると
いう優れた効果を奏する。
【0123】また、本発明は、入射レーザー光として複
数の波長を含むビームを非線形光学結晶に同時に入射す
ることが可能であり、同時に多波長を波長変換すること
が可能であるという優れた効果を奏する。
【0124】また、本発明は、高い精度で入射レーザー
光の非線形光学結晶への入射角を位相調整角に設定する
ことができるという優れた効果を奏する。
【0125】また、本発明は、入射レーザー光としてパ
ワーの高い平行ビームを用いることができるという優れ
た効果を奏する。
【0126】また、本発明は、非線形光学結晶から出射
される異なる波長の変換レーザー光を同軸に重ねること
ができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】非線形光学結晶を手動やモーターにより回転さ
せることによって、入射レーザー光に対して非線形光学
結晶を位相整合条件を満たす位相整合角に位置させると
いう、従来の位相整合条件を満たす方法を示す概念構成
説明図である。
【図2】手動やモーターで非線形光学結晶を回転させる
ことなしに、非線形光学結晶に対する入射レーザー光の
入射角を調整するための従来の装置を示す概念構成説明
図である。
【図3】図2に示す装置において、入射レーザー光とし
て平行ビームを用いた場合に当該入射レーザー光が非結
晶光学結晶上で集光されてしまう状態を示す概念構成説
明図である。
【図4】本発明による広帯域高速波長変換装置の実施の
形態の一例の概念構成説明図である。
【図5】本発明による広帯域高速波長変換装置の原理を
説明する際における、第1プリズムの効果を説明するた
めのグラフである。
【図6】本発明による広帯域高速波長変換装置の原理を
説明する際における、第1プリズムと第1シリンドリカ
ル凹面鏡との間の距離dと、第1シリンドリカル凹面
鏡、第2シリンドリカル凹面鏡16の曲率Rとの効果を
説明するためのグラフである。
【図7】本発明による広帯域高速波長変換装置の原理を
説明する際における、第1シリンドリカル凹面鏡への入
射角α、第1プリズムへの入射角βの効果を説明するた
めのグラフである。
【図8】本発明による広帯域高速波長変換装置におい
て、入射レーザー光としてパワーの低い平行ビームを用
いる場合を示す概念構成説明図である。
【図9】本発明による広帯域高速波長変換装置におい
て、入射レーザー光としてパワーの高い平行ビームを用
いる場合を示す概念構成説明図である。
【図10】図4に示す広帯域高速波長変換装置におい
て、第1シリンドリカル凹面鏡に代えてシリンドリカル
でない通常の凹面鏡を用いた場合の要部概念構成説明図
である。
【図11】凹面鏡に入射レーザー光が斜入射した場合に
縦方向と横方向とで焦点が異なる状態を示す概念構成説
明図である。
【図12】シリンドリカルレンズの縦方向の焦点の調節
作用を示す概念構成説明図である。
【図13】本発明による広帯域高速波長変換装置の他の
実施の形態の概念構成説明図である。
【図14】実験結果を示すグラフであり、非線形光学結
晶の位相整合条件から計算される励起レーザー光の非線
形光学結晶への最適な入射角θ(λ)と、実験により測
定された非線形光学結晶への励起レーザー光の入射角
θ’(λ)との関係を示す。
【図15】実験結果を示すグラフであり、実験により測
定された非線形光学結晶への励起レーザー光の入射角
θ’(λ)と最適な入射角θ(λ)との差たる「θ
(λ)−θ’(λ)」と、効率的に波長変換を行うため
の励起レーザー光の非線形光学結晶への入射角の許容範
囲との関係を示す。
【図16】実験結果を示すグラフであり、(a)は非線
形光学結晶へ入射した励起レーザー光の波長と励起レー
ザー光の出力との関係を示し、(b)は非線形光学結晶
から出射された変換レーザー光の第二高調波の波長と第
二高調波の出力の関係を示す。
【図17】第1シリンドリカル凹面鏡への入射角α
centerのみを変化させ、他の実験条件は図14に示す実
験と同条件にして実験した際における、非線形光学結晶
への励起レーザー光の入射角θ’(λ)の変化を示すグ
ラフである。
【図18】図4の要部拡大図である。
【図19】非線形光学結晶への励起レーザー光の入射角
θ’(λ)と、6個のパラメータたる (1)第1プリズム12への入射角β (2)第1プリズム12の頂角A (3)第1プリズム12の材質(分散特性)n(λ) (4)第1プリズム12と第1シリンドリカル凹面鏡1
4との間の距離d (5)第1シリンドリカル凹面鏡14の曲率R (6)励起レーザー光の波長がλcenterのときの第1シ
リンドリカル凹面鏡14への入射角αcenter との関係式を示す。
【図20】従来技術の作用を説明するための説明図であ
り、(a)は図2に対応する従来技術の構成図であり、
(b)は従来技術の概念図である。
【図21】従来技術におけるレンズの作用を説明するた
めの説明図である。
【図22】本発明の作用を説明するための説明図であ
り、(a)は図4に対応する広帯域高速波長変換装置の
要部構成図であり、(b)は図4に対応する広帯域高速
波長変換装置の概念図である。
【図23】分散効果を説明するための説明図であり、
(a)はシリンドリカル凹面鏡による分散効果を示す説
明図であり、(b)はレンズによる分散効果を示す説明
図である。
【図24】集光素子として放物面鏡を用いた本発明によ
る広帯域高速波長変換装置の実施の形態の一例の概念構
成図である。
【図25】球状凹面鏡と放物面鏡とによる反射光の焦点
位置を示し、(a)は球状凹面鏡の場合を示し、(b)
は放物面鏡の場合を示す。
【図26】実験結果を示すグラフであり、励起レーザー
光の入射角θ’(λ)と最適な入射角θ(λ)との差た
る「θ’(λ)−θ(λ)」と、効率的に波長変換を行
うための励起レーザー光の非線形光学結晶への入射角の
許容範囲との関係を示す。
【図27】実験結果を示すグラフであり、出射側第2プ
リズムから最終的に出射される変換レーザー光の出射位
置の変動を示す。
【符号の説明】
10、28、200 非線形光学結晶 12 第1プリズム 14 第1シリンドリカル凹面鏡 16 第2シリンドリカル凹面鏡 18 第2プリズム 20、22 凸レンズ 24 凹面鏡 26 シリンドリカルレンズ 30 第3シリンドリカル凹面鏡 202 入射側第1プリズム 204 入射側第2プリズム 206 第1放物面鏡 208 第2放物面鏡 210 出射側第1プリズム 212 出射側第2プリズム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田代 英夫 宮城県仙台市青葉区長町字越路19−1399 理化学研究所フォトダイナミクス研究 センター内 (56)参考文献 特開 平9−22037(JP,A) 特開 平8−334802(JP,A) 特開 平8−297306(JP,A) 特開 平8−146478(JP,A) 特開 平8−95105(JP,A) 特開 平7−99357(JP,A) 特開 平6−268308(JP,A) 特開 平5−210131(JP,A) 米国特許5648866(US,A) R.A.Cheville et a l.,Optics Letters, 1992年10月1日,Vol.17,No. 19,pp.1343−1345 B.A.Richman et a l.,Optics Letters, 1997年8月15日,Vol.22,No. 16,pp.1223−1225 S.Saikan,Optics C ommunications,1976年9 月,Vol.18,No.4,pp.439 −443 S.Saikan et al.,A pplied Optics,1979年1 月15日,Vol.18,No.2,pp. 193−196 O.E.Martinez,IEEE Journal of Quantu m Electronics,1989年12 月,Vol.25,No.12,pp.2464 −2468 V.D.Volosov et a l.,Soviet Journal of Quantum Electro nics,1976年7月,Vol.6,N o.7,pp.854−857 G.Szabo et al.,Ap plied Physics B,1994 年3月,Vol.B 58,No.3,p p.237−241 G.Szabo et al.,Ap plied Physics B,1990 年,Vol.50,No.1,pp.51− 54 R.W.Short et al., IEEE Journal of Qu antum Electronics, 1990年3月,Vol.26,No.3,p p.580−588 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/35 - 1/39 H01S 3/108 - 3/109 INSPEC(DIALOG) JICSTファイル(JOIS) WPI(DIALOG)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非線形光学結晶にレーザー光を入射し
    て、高調波変換により前記入射されたレーザー光の波長
    変換を行う広帯域高速波長変換方法において、 レーザー光をプリズムへ入射して、前記入射されたレー
    ザー光を前記入射されたレーザー光の波長変化に対応し
    て光路を分離させて前記プリズムから出射し、 前記プリズムから出射されたレーザー光を集光素子へ入
    射して、前記集光素子の集光特性に応じて出射し、 前記集光素子から出射されたレーザー光を非線形光学結
    晶へ入射して、高調波変換により前記入射されたレーザ
    ー光の波長変換を行う広帯域高速波長変換方法であっ
    て、 前記プリズムへ入射されるレーザー光の前記プリズムへ
    の入射角と、前記プリズムの頂角と、前記プリズムの分
    散特性と、前記プリズムと前記集光素子との間の距離
    と、前記集光素子の曲率と、前記プリズムから出射され
    た前記波長変化における中心波長のレーザー光の前記集
    光素子への入射角とを選択し、 前記プリズムへ入射されるレーザー光の波長の変化に対
    応して各波長における位相整合条件を満たすように前記
    非線形光学結晶へ入射されるレーザー光の入射角を制御
    することを特徴とする広帯域高速波長変換方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の広帯域高速波長変換方法
    において、 前記プリズムへ入射されるレーザー光は、複数の異なる
    波長成分を含むものであることを特徴とする広帯域高速
    波長変換方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2のいずれか1項に記載
    の広帯域高速波長変換方法において、 前記集光素子は、凹面鏡であることを特徴とする広帯域
    高速波長変換方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2のいずれか1項に記載
    の広帯域高速波長変換方法において、 前記集光素子は、レンズであることを特徴とする広帯域
    高速波長変換方法。
  5. 【請求項5】 非線形光学結晶にレーザー光を入射し
    て、高調波変換により前記入射されたレーザー光の波長
    変換を行う広帯域高速波長変換装置において、 レーザー光を入射し、前記入射されたレーザー光を前記
    入射されたレーザー光の波長変化に対応して光路を分離
    させて出射するプリズムと、 前記プリズムから出射されたレーザー光を入射し、集光
    特性に応じて出射する集光素子と、 前記集光素子から出射されたレーザー光を入射し、高調
    波変換により前記入射されたレーザー光の波長変換を行
    う非線形光学結晶とを有する広帯域高速波長変換装置で
    あって、 前記プリズムへ入射されるレーザー光の前記プリズムへ
    の入射角と、前記プリズムの頂角と、前記プリズムの分
    散特性と、前記プリズムと前記集光素子との間の距離
    と、前記集光素子の曲率と、前記プリズムから出射され
    た前記波長変化における中心波長のレーザー光の前記集
    光素子への入射角とを選択することにより、前記プリズ
    ムへ入射されるレーザー光の波長の変化に対応して各波
    長における位相整合条件を満たすように前記非線形光学
    結晶へ入射されるレーザー光の入射角が制御されたこと
    を特徴とする広帯域高速波長変換装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の広帯域高速波長変換装置
    において、 前記プリズムへ入射されるレーザー光は、複数の異なる
    波長成分を含むものであることを特徴とする広帯域高速
    波長変換装置。
  7. 【請求項7】 請求項5または6のいずれか1項に記載
    の広帯域高速波長変換装置において、 前記集光素子は、凹面鏡であることを特徴とする広帯域
    高速波長変換装置。
  8. 【請求項8】 請求項5または6のいずれか1項に記載
    の広帯域高速波長変換装置において、 前記集光素子は、レンズであることを特徴とする広帯域
    高速波長変換装置。
  9. 【請求項9】 非線形光学結晶にレーザー光を入射し
    て、高調波変換により前記入射されたレーザー光の波長
    変換を行う広帯域高速波長変換方法において、 レーザー光を第1のプリズムへ入射して、前記入射され
    たレーザー光を前記レーザー光の波長変化に対応して光
    路を屈折させることにより分離させて前記第1のプリズ
    ムから出射し、 前記第1のプリズムから出射されたレーザー光を前記第
    1のプリズムと同一の構成を備えた第2のプリズムへ入
    射して、前記入射されたレーザー光の波長変化に対応し
    て光路を屈折させることにより平行ビームとして前記第
    2のプリズムから出射し、 前記第2のプリズムから出射された平行ビームのレーザ
    ー光を放物面鏡へ入射して、前記入射された平行ビーム
    のレーザー光を前記放物面鏡により同一点に集光させて
    反射し、 前記放物面鏡から同一点に集光させて反射されたレーザ
    ー光を非線形光学結晶へ入射して、高調波変換により前
    記入射されたレーザー光の波長変換を行う広帯域高速波
    長変換方法であって、 前記第1のプリズムの頂角と、前記第2のプリズムの頂
    角と、前記第1のプリズムと前記第2のプリズムとの間
    の距離と、前記第2のプリズムから出射された前記波長
    変化における中心波長のレーザー光を反射したときの前
    記放物面鏡の焦点距離と、前記第2のプリズムから出射
    された前記波長変化における中心波長のレーザー光の前
    記放物面鏡への入射角とを選択し、 前記第1のプリズムへ入射されるレーザー光の波長の変
    化に対応して各波長における位相整合条件を満たすよう
    に前記非線形光学結晶へ入射されるレーザー光の入射角
    を制御することを特徴とする広帯域高速波長変換方法。
  10. 【請求項10】 非線形光学結晶にレーザー光を入射し
    て、高調波変換により前記入射されたレーザー光の波長
    変換を行う広帯域高速波長変換装置において、 レーザー光を入射して、前記入射されたレーザー光を前
    記レーザー光の波長変化に対応して光路を屈折させるこ
    とにより分離させて出射する第1のプリズムと、 前記第1のプリズムから出射されたレーザー光を入射し
    て、前記入射されたレーザー光の波長変化に対応して光
    路を屈折させることにより平行ビームとして出射する、
    前記第1のプリズムと同一の構成を備えた第2のプリズ
    ムと、 前記第2のプリズムから出射された平行ビームのレーザ
    ー光を入射して、前記入射された平行ビームのレーザー
    光を同一点に集光させて反射する放物面鏡と、 前記放物面鏡から同一点に集光させて反射されたレーザ
    ー光を入射し、高調波変換により前記入射されたレーザ
    ー光の波長変換を行う非線形光学結晶とを有する広帯域
    高速波長変換装置であって、 前記第1のプリズムの頂角と、前記第2のプリズムの頂
    角と、前記第1のプリズムと前記第2のプリズムとの間
    の距離と、前記第2のプリズムから出射された前記波長
    変化における中心波長のレーザー光を反射したときの前
    記放物面鏡の焦点距離と、前記第2のプリズムから出射
    された前記波長変化における中心波長のレーザー光の前
    記放物面鏡への入射角とを選択することにより、前記第
    1のプリズムへ入射されるレーザー光の波長の変化に対
    応して各波長における位相整合条件を満たすように前記
    非線形光学結晶へ入射されるレーザー光の入射角が制御
    されたことを特徴とする広帯域高速波長変換装置。
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S.Saikan et al.,Applied Optics,1979年1月15日,Vol.18,No.2,pp.193−196
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