JP3429299B2 - 広帯域高速波長変換方法およびその装置 - Google Patents

広帯域高速波長変換方法およびその装置

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JP3429299B2
JP3429299B2 JP2002098858A JP2002098858A JP3429299B2 JP 3429299 B2 JP3429299 B2 JP 3429299B2 JP 2002098858 A JP2002098858 A JP 2002098858A JP 2002098858 A JP2002098858 A JP 2002098858A JP 3429299 B2 JP3429299 B2 JP 3429299B2
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智之 和田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、広帯域高速波長変
換方法およびその装置に関し、さらに詳細には、非線形
光学結晶を用いたレーザー光の広帯域高速波長変換方法
およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のレーザー光の波長変換技術とし
て、例えば、非線形光学結晶内に励起レーザー光を入射
させ、当該非線形光学結晶から変換レーザー光として励
起レーザー光の高調波を出射させる高調波変換により、
励起レーザー光の波長変換を行う非線形波長変換法が知
られており、こうした非線形波長変換法においては、励
起レーザー光と非線形光学結晶との間で位相整合条件を
満たす必要がある。
【0003】そして、この位相整合条件を満たす方法と
しては、非線形光学結晶を手動やモーターにより回転さ
せることによって、励起レーザー光に対して非線形光学
結晶を位相整合条件を満たす位相整合角に位置させ、非
線形光学結晶に対する励起レーザー光の入射角を調整す
る方法がある(図1参照)。
【0004】ところで、上記した位相整合条件は、非線
形光学結晶から出射される変換レーザー光の要求される
波長と変換レーザー光の要求される波長に必要な非線形
光学結晶に入射される励起レーザー光の波長とが与えら
れると、一義的に決定されるものである。このため非線
形光学結晶から出射される変換レーザー光の波長を変え
ようとすると、変換レーザー光の波長を変えようとする
度毎に、非線形光学結晶に入射される励起レーザー光の
波長を変える必要があるとともに、手動やモーターで非
線形光学結晶を回転させることにより励起レーザー光に
対し非線形光学結晶を位相整合角に位置させる必要があ
った。
【0005】しかしながら、手動やモーターで非線形光
学結晶を回転させるという方法では、励起レーザー光に
対し非線形光学結晶を位相整合角に位置させるのに時間
がかかり、高速で高調波変換を行うことができないとい
う問題点があった。
【0006】また、位相整合角に位置させるために非線
形光学結晶を回転すると、励起レーザー光のビームのず
れを生じるようになる。このため、こうした励起レーザ
ー光のビームのずれを補正する補正装置が別途必要にな
るという問題点があった。
【0007】また、位相整合角に位置させるために非線
形光学結晶が回転すると、スペクトル幅の広いビームを
励起レーザー光として用いた場合には、位相整合条件よ
りずれる波長成分が生じるようになるので、高い変換効
率を得ることができないという問題点があった。
【0008】また、位相整合角に位置させるために非線
形光学結晶を回転する方法では、励起レーザー光として
複数の波長を含むビームを非線形光学結晶に同時に入射
することができず、同時に波長変換可能な波長は一波長
のみに限られていたという問題点があった。
【0009】なお、手動やモーターで非線形光学結晶を
回転させることなしに非線形光学結晶に対する励起レー
ザー光の入射角を調整することを可能にして、上記した
従来の問題点を解決をするようにした装置として、例え
ば、図2に示すような装置が従来より提案されている。
【0010】この図2に示す装置は、分散素子としての
2個のプリズム(第1プリズムおよび第2プリズム)お
よび1個のレンズを介して、励起レーザー光を非線形光
学結晶に入射するようにしたものである。
【0011】即ち、図2に示す装置においては、2個の
プリズム(第1プリズムおよび第2プリズム)により励
起レーザー光の波長毎に光路を分離し、プリズムの分散
特性およびレンズの集光特性によって非線形光学結晶へ
の入射角を決定するようになされている。
【0012】ここで、励起レーザー光の波長をλ(λ
は、λ、λcenter、λ、・・・などの任意の
値をとることができる。)とした場合において、励起レ
ーザー光の非線形光学結晶への入射角θ’(λ)(λ=
λのときθ’(λ)はθ’(λ)であり、λ=λ
centerのときθ’(λ)はθ’
(λcenter)であり、λ=λのときθ’(λ)
はθ’(λ)である。)を励起レーザー光の非線形光
学結晶への最適な入射角、即ち、位相整合条件に適合し
た位相調整角をθ(λ)(λ=λのときθ(λ)はθ
(λ)であり、λ=λcenterのときθ(λ)は
θ(λcenter)であり、λ=λのときθ(λ)
はθ(λ)である。)とするには、 (1)第1プリズムへの入射角β (2)第1プリズム、第2プリズムの頂角A (3)第1プリズム、第2プリズムの材質(分散特性)
n(λ) (4)第1プリズムと第2プリズムとの間の距離d (5)レンズの焦点距離f の5個のパラメータの調整を行えばよい。
【0013】即ち、図2に示す装置においては、5個の
パラメータのみによってθ’(λ)がθ(λ)になるよ
うに調整する必要があるが、パラメータの数が十分でな
いために、高い精度でθ’(λ)をθ(λ)に調整する
ことができないという問題点があった。
【0014】また、図2に示す装置においては、励起レ
ーザー光として平行ビームを用いた場合には、励起レー
ザー光が非線形光学結晶上で集光されてしまうので(図
3参照)、励起レーザー光としてパワーの低い平行ビー
ムを用いることは可能であるが、励起レーザー光として
パワーの高い平行ビームを用いると、非線形光学結晶を
損傷する恐れがあるという問題点があった。
【0015】また、従来の技術においては、非線形光学
結晶から出射される異なる波長の変換レーザー光を同軸
に重ねることができないという問題点があった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
の有する上記したような種々の問題点に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、非線形光学結晶
から出射される異なる波長の変換レーザー光を同軸に重
ねることができるようにした広帯域高速波長変換方法お
よびその装置を提供しようとするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による請求項1に記載の広帯域高速波長変換
方法は、非線形光学結晶にレーザー光を入射して、高調
波変換により上記入射されたレーザー光の波長変換を行
う広帯域高速波長変換方法において、レーザー光を第1
のプリズムへ入射して、上記入射されたレーザー光を上
記入射されたレーザー光の波長変化に対応して光路を屈
折させることにより分離させて上記第1のプリズムから
出射し、上記第1のプリズムから出射されたレーザー光
を、第1のシリンドリカル凹面鏡への入射角を選択して
斜入射して、上記入射されたレーザー光を上記第1のシ
リンドリカル凹面鏡の集光特性に応じて出射し、上記第
1のシリンドリカル凹面鏡から出射されたレーザー光を
非線形光学結晶へ入射して、高調波変換により上記入射
されたレーザー光の波長変換を行い、上記非線形光学結
晶から出射された波長変換された異なる波長の変換レー
ザー光を、上記第1のシリンドリカル凹面鏡と同一の構
成を備えた第2のシリンドリカル凹面鏡へ入射して、上
記入射されたレーザーの光を上記第2のシリンドリカル
凹面鏡の集光特性に応じて出射し、上記第2のシリンド
リカル凹面鏡から出射されたレーザー光を、上記第1の
プリズムと同一の構成を備えた第2のプリズムへ入射し
て、上記入射されたレーザー光を上記入射されたレーザ
ー光の波長変化に対応して光路を屈折させて出射し、上
記第2のシリンドリカル凹面鏡および上記第2のプリズ
ムによって、上記第1のシリンドリカル凹面鏡および上
記第1のプリズムの作用の原理とは逆の原理により、上
記非線形光学結晶から出射された異なる波長の変換レー
ザー光を同軸に重ねるようにしたものである。
【0018】また、本発明による請求項2に記載の広帯
域高速波長変換方法は、非線形光学結晶にレーザー光を
入射して、高調波変換により上記入射されたレーザー光
の波長変換を行う広帯域高速波長変換方法において、レ
ーザー光を第1の凸レンズへ入射して、上記入射された
レーザー光を上記第1の凸レンズから出射し、上記第1
の凸レンズから出射されたレーザー光を第1のプリズム
へ入射して、上記入射されたレーザー光を上記入射され
たレーザー光の波長変化に対応して光路を屈折させるこ
とにより分離させて上記第1のプリズムから出射し、上
記第1のプリズムから出射されたレーザー光を、第1の
シリンドリカル凹面鏡への入射角を選択して斜入射し
て、上記入射されたレーザー光を上記第1のシリンドリ
カル凹面鏡の集光特性に応じて出射し、上記第1のシリ
ンドリカル凹面鏡から出射されたレーザー光を非線形光
学結晶へ入射して、高調波変換により上記入射されたレ
ーザー光の波長変換を行い、上記非線形光学結晶から出
射された波長変換された異なる波長の変換レーザー光
を、上記第1のシリンドリカル凹面鏡と同一の構成を備
えた第2のシリンドリカル凹面鏡へ入射して、上記入射
されたレーザーの光を上記第2のシリンドリカル凹面鏡
の集光特性に応じて出射し、上記第2のシリンドリカル
凹面鏡から出射されたレーザー光を、上記第1のプリズ
ムと同一の構成を備えた第2のプリズムへ入射して、上
記入射されたレーザー光を上記入射されたレーザー光の
波長変化に対応して光路を屈折させて出射し、上記第2
のプリズムから出射されたレーザー光を第2の凸レンズ
へ入射して、上記入射されたレーザー光を上記入射され
たレーザー光の波長変化に対応して光路を屈折させるこ
とにより平行ビームとして上記第2の凸レンズから出射
し、上記第2のシリンドリカル凹面鏡および上記第2の
プリズムによって、上記第1のシリンドリカル凹面鏡お
よび上記第1のプリズムの作用の原理とは逆の原理によ
り、上記非線形光学結晶から出射された異なる波長の変
換レーザー光を同軸に重ねるとともに、上記非線形光学
結晶上において入射されたレーザー光のビームを平行に
するようにしたものである。
【0019】また、本発明による請求項3に記載の広帯
域高速波長変換方法は、非線形光学結晶にレーザー光を
入射して、高調波変換により上記入射されたレーザー光
の波長変換を行う広帯域高速波長変換方法において、レ
ーザー光を入射側第1分散素子へ入射して、上記入射さ
れたレーザー光を上記入射されたレーザー光の波長変化
に対応して光路を屈折させることにより分離させて上記
入射側第1分散素子から出射し、上記入射側第1分散素
子から出射されたレーザー光を、上記入射側第1分散素
子と同一の構成を備えた入射側第2分散素子へ入射し
て、上記入射されたレーザー光の波長変化に対応して光
路を屈折させることにより平行ビームとして上記入射側
第2分散素子から出射し、上記入射側第2分散素子から
出射された平行ビームのレーザー光を第1放物面鏡へ入
射して、上記入射された平行ビームのレーザー光を上記
第1放物面鏡により同一点に集光させて反射し、上記第
1放物面鏡から同一点に集光させて反射されたレーザー
光を非線形光学結晶へ入射して、高調波変換により上記
入射されたレーザー光の波長変換を行い、上記非線形光
学結晶から出射された波長変換された異なる波長の変換
レーザー光を、上記第1放物面鏡と同一の構成を備えた
第2放物面鏡へ入射して、上記入射されたレーザー光の
波長変化に対応して光路を屈折させることにより平行ビ
ームとして上記第2放物面鏡により反射し、上記第2放
物面鏡から平行ビームとして反射されたレーザー光を出
射側第1分散素子へ入射して、平行ビームとして入射さ
れたレーザー光を上記入射されたレーザー光の波長変化
に対応して光路を屈折させて出射し、上記出射側第1分
散素子から出射されたレーザー光を、上記出射側第1分
散素子と同一の構成を備えた出射側第2分散素子へ入射
して、上記入射されたレーザー光を上記入射されたレー
ザー光の波長変化に対応して光路を屈折させて出射し、
上記第1放物面鏡、上記入射側第2分散素子および上記
入射側第1分散素子と同等の構成である、上記第2放物
面鏡、上記出射側第2分散素子および上記出射側第1分
散素子によって、上記第1放物面鏡、上記入射側第2分
散素子および上記入射側第1分散素子の作用の原理とは
逆の原理により、上記非線形光学結晶から出射された異
なる波長の変換レーザー光を同軸に重ねるようにしたも
のである。
【0020】従って、本発明による請求項1乃至請求項
3に記載の広帯域高速波長変換方法によれば、非線形光
学結晶から出射される異なる波長のレーザー光を同軸に
重ねることができるようになる。
【0021】また、本発明による請求項2に記載の広帯
域高速波長変換方法によれば、非線形光学結晶上におい
ては励起レーザー光のビームが平行になるので、励起レ
ーザー光としてパワーの高い平行ビームを用いた場合
に、非線形光学結晶内におけるビームの断面積が大きく
なって、励起レーザー光の強度を下げることができ、非
線形光学結晶の損傷を防ぐことができる。
【0022】また、本発明による請求項4に記載の広帯
域高速波長変換装置は、非線形光学結晶にレーザー光を
入射して、高調波変換により上記入射されたレーザー光
の波長変換を行う広帯域高速波長変換装置において、レ
ーザー光を入射して、上記入射されたレーザー光を上記
入射されたレーザー光の波長変化に対応して光路を屈折
させることにより分離させて出射する第1のプリズム
と、上記第1のプリズムから出射されたレーザー光を、
入射角を選択して斜入射して、上記入射されたレーザー
光を集光特性に応じて出射する第1のシリンドリカル凹
面鏡と、上記第1のシリンドリカル凹面鏡から出射され
たレーザー光を入射して、高調波変換により上記入射さ
れたレーザー光の波長変換を行う非線形光学結晶と、上
記非線形光学結晶から出射された波長変換された異なる
波長の変換レーザー光を入射して、上記入射されたレー
ザーの光を集光特性に応じて出射する、上記第1のシリ
ンドリカル凹面鏡と同一の構成を備えた第2のシリンド
リカル凹面鏡と、上記第2のシリンドリカル凹面鏡から
出射されたレーザー光を入射して、上記入射されたレー
ザー光を上記入射されたレーザー光の波長変化に対応し
て光路を屈折させて出射する、上記第1のプリズムと同
一の構成を備えた第2のプリズムとを有し、上記第2の
シリンドリカル凹面鏡および上記第2のプリズムによっ
て、上記第1のシリンドリカル凹面鏡および上記第1の
プリズムの作用の原理とは逆の原理により、上記非線形
光学結晶から出射された異なる波長の変換レーザー光を
同軸に重ねるようにしたものである。
【0023】また、本発明による請求項5に記載の広帯
域高速波長変換装置は、非線形光学結晶にレーザー光を
入射して、高調波変換により上記入射されたレーザー光
の波長変換を行う広帯域高速波長変換装置において、レ
ーザー光を入射して、上記入射されたレーザー光を出射
する上記第1の凸レンズと、上記第1の凸レンズから出
射されたレーザー光を入射して、上記入射されたレーザ
ー光を上記入射されたレーザー光の波長変化に対応して
光路を屈折させることにより分離させて出射する第1の
プリズムと、上記第1のプリズムから出射されたレーザ
ー光を、入射角を選択して斜入射して、上記入射された
レーザー光を集光特性に応じて出射する第1のシリンド
リカル凹面鏡と、上記第1のシリンドリカル凹面鏡から
出射されたレーザー光を入射して、高調波変換により上
記入射されたレーザー光の波長変換を行う非線形光学結
晶と、上記非線形光学結晶から出射された波長変換され
た異なる波長の変換レーザー光を入射して、上記入射さ
れたレーザーの光を集光特性に応じて出射する、上記第
1のシリンドリカル凹面鏡と同一の構成を備えた第2の
シリンドリカル凹面鏡と、上記第2のシリンドリカル凹
面鏡から出射されたレーザー光を入射して、上記入射さ
れたレーザー光を上記入射されたレーザー光の波長変化
に対応して光路を屈折させて出射する、上記第1のプリ
ズムと同一の構成を備えた第2のプリズムと、上記第2
のプリズムから出射されたレーザー光を入射して、上記
入射されたレーザー光を上記入射されたレーザー光の波
長変化に対応して光路を屈折させることにより平行ビー
ムとして出射する第2の凸レンズとを有し、上記第2の
シリンドリカル凹面鏡および上記第2のプリズムによっ
て、上記第1のシリンドリカル凹面鏡および上記第1の
プリズムの作用の原理とは逆の原理により、上記非線形
光学結晶から出射された異なる波長の変換レーザー光を
同軸に重ねるとともに、上記非線形光学結晶上において
入射されたレーザー光のビームを平行にするようにした
ものである。
【0024】また、本発明による請求項6に記載の広帯
域高速波長変換装置は、非線形光学結晶にレーザー光を
入射して、高調波変換により上記入射されたレーザー光
の波長変換を行う広帯域高速波長変換装置において、レ
ーザー光を入射して、上記入射されたレーザー光を上記
入射されたレーザー光の波長変化に対応して光路を屈折
させることにより分離させて出射する入射側第1分散素
子と、上記入射側第1分散素子から出射されたレーザー
光を入射して、上記入射されたレーザー光の波長変化に
対応して光路を屈折させることにより平行ビームとして
出射する、上記入射側第1分散素子と同一の構成を備え
た上記入射側第2分散素子と、上記入射側第2分散素子
から出射された平行ビームのレーザー光を入射して、上
記入射された平行ビームのレーザー光を同一点に集光さ
せて反射する第1放物面鏡と、上記第1放物面鏡から同
一点に集光させて反射されたレーザー光を入射して、高
調波変換により上記入射されたレーザー光の波長変換を
行う非線形光学結晶と、上記非線形光学結晶から出射さ
れた波長変換された異なる波長の変換レーザー光を入射
して、上記入射されたレーザー光の波長変化に対応して
光路を屈折させることにより平行ビームとして反射す
る、上記第1放物面鏡と同一の構成を備えた第2放物面
鏡と、上記第2放物面鏡から平行ビームとして反射され
たレーザー光を入射して、平行ビームとして入射された
レーザー光を上記入射されたレーザー光の波長変化に対
応して光路を屈折させて出射する出射側第1分散素子
と、上記出射側第1分散素子から出射されたレーザー光
を入射して、上記入射されたレーザー光を上記入射され
たレーザー光の波長変化に対応して光路を屈折させて出
射する、上記出射側第1分散素子と同一の構成を備えた
第2分散素子とを有し、上記第1放物面鏡、上記入射側
第2分散素子および上記入射側第1分散素子と同等の構
成である、上記第2放物面鏡、上記出射側第2分散素子
および上記出射側第1分散素子によって、上記第1放物
面鏡、上記入射側第2分散素子および上記入射側第1分
散素子の作用の原理とは逆の原理により、上記非線形光
学結晶から出射された異なる波長の変換レーザーを同軸
に重ねるようにしたものである。
【0025】従って、本発明による請求項4乃至請求項
6に記載の広帯域高速波長変換装置によれば、非線形光
学結晶から出射される異なる波長のレーザー光を同軸に
重ねることができるようになる。
【0026】また、本発明による請求項5に記載の広帯
域高速波長変換装置によれば、非線形光学結晶上におい
ては励起レーザー光のビームが平行になるので、励起レ
ーザー光としてパワーの高い平行ビームを用いた場合
に、非線形光学結晶内におけるビームの断面積が大きく
なって、励起レーザー光の強度を下げることができ、非
線形光学結晶の損傷を防ぐことができる。
【0027】ここで、上記入射側第1分散素子と上記入
射側第2分散素子と上記出射側第1分散素子と上記出射
側第2分散素子とは、プリズムとすることができる。
【0028】また、上記入射側第1分散素子と上記入射
側第2分散素子と上記出射側第1分散素子と上記出射側
第2分散素子とは、回折格子とすることができる。
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面に基づいて、本
発明による広帯域高速波長変換方法およびその装置の実
施の形態の一例を詳細に説明するものとする。
【0038】図4には、本発明による広帯域高速波長変
換装置の実施の形態の一例の概念構成図が示されてお
り、この広帯域高速波長変換装置は、波長可変レーザー
たるチタン・サファイア・レーザー(Ti:sapph
ire laser)のレーザー光を非線形光学結晶1
0への励起レーザー光として用い、非線形光学結晶10
から励起レーザー光の第二高調波を変換レーザー光とし
て出射することにより、励起レーザー光の高調波変換を
行う広帯域高速波長変換装置である。
【0039】即ち、図4に示す広帯域高速波長変換装置
は、非線形光学結晶10と、分散素子たる第1プリズム
12と、集光素子たる第1シリンドリカル凹面鏡14
と、集光素子たる第2シリンドリカル凹面鏡16と、分
散素子たる第2プリズム18とを有している。
【0040】なお、第1プリズム12と第2プリズム1
8とは同一の構成を備えており、第1シリンドリカル凹
面鏡14と第2シリンドリカル凹面鏡16とは同一の構
成を備えている。
【0041】この図4に示す広帯域高速波長変換装置に
おいては、励起レーザー光は第1プリズム12により波
長に応じて光路が屈折されて、励起レーザー光の波長毎
にビームの光路を分け、第1シリンドリカル凹面鏡14
により非線形光学結晶10への入射角を各波長において
最適化するように調整され、非線形光学結晶10へ入射
される。
【0042】なお、第1シリンドリカル凹面鏡14は、
励起レーザー光のビームの集光も行っている。
【0043】非線形光学結晶10に入射された励起レー
ザー光は、非線形光学結晶10により波長変換されて、
非線形光学結晶10からは励起レーザー光の第二高調波
が変換レーザー光として出射される。
【0044】非線形光学結晶10から出射された変換レ
ーザー光は、第1プリズム12と第1シリンドリカル凹
面鏡14との作用の原理とは逆の原理により、第2シリ
ンドリカル凹面鏡16に光路を調整されて第2プリズム
18へ入射され、第2プリズム18により屈折されて所
定の光路により出射される。即ち、第2シリンドリカル
凹面鏡16および第2プリズム18によってコリメート
され、同軸に重ねられて第2プリズム18から出射され
る。
【0045】ここで、図4に示す広帯域高速波長変換装
置において、励起レーザー光の波長をλ(λは、λ
λcenter、λ、・・・などの任意の値をとるこ
とができる。)とした場合において、励起レーザー光の
非線形光学結晶への入射角θ’(λ)(λ=λのとき
θ’(λ)はθ’(λ)であり、λ=λcente
のときθ’(λ)はθ’(λcenter)であり、λ
=λのときθ’(λ)はθ’(λ)である。)を励
起レーザー光の非線形光学結晶10への最適な入射角、
即ち、位相整合条件に適合した位相調整角をθ(λ)
(λ=λのときθ(λ)はθ(λ)であり、λ=λ
centerのときθ(λ)はθ(λce nter)で
あり、λ=λのときθ(λ)はθ(λ)である。)
とするには、 (1)第1プリズム12への入射角β (2)第1プリズム12の頂角A (3)第1プリズム12の材質(分散特性)n(λ) (4)第1プリズム12と第1シリンドリカル凹面鏡1
4との間の距離d (5)第1シリンドリカル凹面鏡14の曲率R (6)励起レーザー光の波長がλcenterのときの
第1シリンドリカル凹面鏡1 4への入射角α
center の6個のパラメータの調整を行うことになる。
【0046】このように、従来の技術として示した図2
に示す装置と比較すると、図4に示す広帯域高速波長変
換装置はパラメータが1つ増えて6個となっている。
【0047】即ち、図4に示す広帯域高速波長変換装置
における(1)〜(5)のパラメータの特性は、図2に
示す装置における(1)〜(5)のパラメータの特性と
ほぼ一致しており、図4に示す広帯域高速波長変換装置
においては、図2に示す装置に比べると、「(6)励起
レーザー光の波長がλcenterのときの第1シリン
ドリカル凹面鏡14への入射角αcenter」が新た
なパラメータとして加えられたことになる。
【0048】第1プリズム12で分離した励起レーザー
光のビームを第1シリンドリカル凹面鏡14に斜入射す
ると、第1シリンドリカル凹面鏡14は一種の分散素子
のような作用を果たすことになるので、この第1シリン
ドリカル凹面鏡14への入射角αcenterを変える
ことにより、第1シリンドリカル凹面鏡14における分
散特性を連続的に変化させることができる。
【0049】このため、図4に示す広帯域高速波長変換
装置によれば、従来の技術として示した図2に示す装置
よりも、高い精度でθ’(λ)をθ(λ)に調整するこ
とができる。
【0050】ここで、図4に示す広帯域高速波長変換装
置の原理を説明すると、図5に示すグラフにおける実線
θ(λ)は、励起レーザー光の中心波長を800nmと
した場合における、非線形光学結晶10の位相整合条件
から計算される励起レーザー光の非線形光学結晶10へ
の最適な入射角を示している。
【0051】入射レーザー光の各波長λにおいて、入射
角θ(λ)で励起レーザー光を非線形光学結晶10へ入
射できれば、高効率で励起レーザー光の第二高調波を発
生させることができる。
【0052】図4に示す広帯域高速波長変換装置におい
ては、第1プリズム12および第1シリンドリカル凹面
鏡14を用いることにより、手動やモーターにより非線
形光学結晶10を回転させることなしに、励起レーザー
光の波長に応じて自動的に励起レーザー光の非線形光学
結晶10への入射角をθ(λ)に設定することができ
る。 実際には、上記した6個のパラメータによって決
定される入射角θ’(λ)が、最適な入射角θ(λ)に
なるように、上記した6個のパラメータを選択すること
になる。
【0053】ここで、第1プリズム12の効果である
が、励起レーザー光のビームが第1プリズム12に入射
すると、第1プリズム12の分散効果により波長毎にビ
ームの方向が変わることになる。その波長依存性は、図
5に示すグラフ中の破線で表示されているようなカーブ
となる。このカーブの形状はθ(λ)に類似している
が、その傾きはθ(λ)と比べて小さいことがわかる。
【0054】そこで、第1シリンドリカル凹面鏡14を
用いると、上記したカーブの傾きを大きくすることがで
きるとともに、ビームの拡がりを抑制することができ
る。正確には、第1プリズム12と第1シリンドリカル
凹面鏡14との間の距離dと第1シリンドリカル凹面鏡
14の曲率Rとによって、上記したカーブの傾きは決定
される。しかしながら、カーブの傾きはθ(λ)の傾き
とは異なる(図6参照)。
【0055】次に、このθ(λ)の傾きとは異なる傾き
のカーブの形を、第1シリンドリカル凹面鏡14への入
射角αcenter、第1プリズム12への入射角βに
より調整する。このとき、第1シリンドリカル凹面鏡1
4への入射角αcenter、第1プリズム12への入
射角βを変えるとカーブの傾きも同時に変化するので
(図7参照)、第1プリズム12の頂角A、第1プリズ
ム12の材質(分散特性)n(λ)、第1プリズム12
と第1シリンドリカル凹面鏡14との間の距離d、第1
シリンドリカル凹面鏡14の曲率Rを変化させて、繰り
返し調整を行う。
【0056】また、図4に示す広帯域高速波長変換装置
は、励起レーザー光としてパワーの低い平行ビームのみ
ならず、パワーの高い平行ビームを用いることができ
る。
【0057】即ち、励起レーザー光としてパワーの低い
平行ビームを用いる場合には、図8に示すように、非線
形光学結晶10内に焦点を位置させるようにすればよ
い。このようにすると、非線形光学結晶10内における
ビームの断面積が小さくなり、非線形光学結晶10内に
おける励起レーザー光の強度を上げることができ、効率
の良い波長変換を行うことができるようになる。
【0058】一方、励起レーザー光としてパワーの高い
平行ビームを用いる場合には、図9に示すよう、第1プ
リズム12の前段に適宜の焦点距離をもつ凸レンズ20
を配置することにより、第1プリズム12と第1シリン
ドリカル凹面鏡14との間に焦点を位置させるようにし
て、非線形光学結晶10上においては励起レーザー光の
ビームが平行になるようにする。このようにすると、非
線形光学結晶10内におけるビームの断面積が大きくな
り、励起レーザー光の強度を下げることができるので、
非線形光学結晶10の損傷を防ぐことができる。
【0059】なお、凸レンズ20の焦点距離と、第1プ
リズム12と第1シリンドリカル凹面鏡14との間に生
成される焦点位置との調節により、励起レーザー光のビ
ーム径と非線形光学結晶10内におけるビーム径との比
率を調整することができる。
【0060】なお、図9において符号22は、凸レンズ
であり、第2プリズム18から出射された出射レーザー
光を平行ビームにするように作用する。
【0061】図10は、図4に示す広帯域高速波長変換
装置において、第1シリンドリカル凹面鏡14に代えて
シリンドリカルでない通常の球状の凹面鏡24を用いた
場合の要部概念構成説明図であるが、この場合には、第
1プリズム12と凹面鏡24との間にシリンドリカルレ
ンズ26を配設することが好ましい。
【0062】ここで、凹面鏡24は、励起レーザー光が
斜入射した場合に縦方向と横方向とで焦点が異なる(図
11参照)。そして、シリンドリカルレンズ26は、縦
方向の焦点のみを調節するように作用する(図12参
照)。
【0063】図13には、本発明による広帯域高速波長
変換装置の他の実施の形態の概念構成図が示されてい
る。なお、図4の構成と同一あるいは相当する構成に
は、図4において用いた符号を用いて示すこととし、そ
の詳細な構成ならびに作用の説明は省略する。
【0064】この図13に示す広帯域高速波長変換装置
は、第2シリンドリカル凹面鏡16と第2プリズム18
との間に、非線形光学結晶28と第3シリンドリカル凹
面鏡30とを配設した点においてのみ、図4に示す広帯
域高速波長変換装置と異なる。
【0065】ここで、非線形光学結晶28は非線形光学
結晶10と同一の構成を備えており、第3シリンドリカ
ル凹面鏡30は第1シリンドリカル凹面鏡14および第
2シリンドリカル凹面鏡16と同一の構成を備えてい
る。
【0066】従って、図13に示す広帯域高速波長変換
装置によれば、非線形光学結晶10から出射された変換
レーザー光の第二高調波が、非線形光学結晶28により
第三高調波に波長変換されて、当該変換レーザー光の第
三高調波が変換レーザー光として第2プリズム18から
出射される。
【0067】次に、本願出願人によって行われた、図4
に示す広帯域高速波長変換装置を用いた実験結果につい
て説明する。
【0068】この実験においては、非線形光学結晶10
としてはBBO結晶を用いており、非線形光学結晶10
たるBBO結晶は励起レーザー光に対して結晶角が2
9.2度になるようにカットされている。
【0069】また、励起レーザー光としては、波長が7
06nm〜948nmの範囲で波長選択可能なパルス・
レーザーたるチタン・サファイア・レーザーを用いてお
り、その最大エネルギーは4mJ/pulseであり、
パルス幅は20ns〜40nsである。
【0070】さらに、上記した6個のパラメータはそれ
ぞれ、 (1)第1プリズム12への入射角β:70度 (2)第1プリズム12の頂角A:67度 (3)第1プリズム12の材質(分散特性)n(λ):
S F57 (4)第1プリズム12と第1シリンドリカル凹面鏡1
4との間の距離d:196.1mm (5)第1シリンドリカル凹面鏡14の曲率R:10
6.5mm (6)励起レーザー光の波長がλcenterのときの
第1シリンドリカル凹面鏡1 4への入射角α
center:60度 とされている。
【0071】図14乃至図16に示すグラフは、上記し
た実験条件において実験した結果を示すグラフであり、
図14における実線θ(λ)は、非線形光学結晶10の
位相整合条件から計算される励起レーザー光の非線形光
学結晶10への最適な入射角を示している。
【0072】即ち、励起レーザー光の各波長λにおい
て、入射角θ(λ)で励起レーザー光を非線形光学結晶
10に入射できれば、高効率で励起レーザー光の第二高
調波を発生させることができる。
【0073】そして、図14における破線θ’(λ)
が、上記した実験条件において非線形光学結晶10への
励起レーザー光の入射角の測定結果を示している。
【0074】また、図15における実線は、上記した実
験条件において測定した非線形光学結晶10への励起レ
ーザー光の入射角θ’(λ)と最適な入射角θ(λ)と
の差たる「θ(λ)−θ’(λ)」を表している。な
お、図14における入射角θ(λ)を表す実線と入射角
θ’(λ)を表す破線とは、ほとんど重なっているが、
「θ(λ)−θ’(λ)」を計算して拡大すると、図1
5に示すようになる。
【0075】さらに、図15における破線は、効率的に
波長変換を行うための励起レーザー光の非線形光学結晶
10への入射角の許容範囲を示している。
【0076】従って、上記した実験条件において測定し
た非線形光学結晶10への励起レーザー光の入射角θ’
(λ)と最適な入射角θ(λ)との差たる「θ(λ)−
θ’(λ)」が、上記した許容角以内であれば、高効率
で第二高調波を発生させることができる。
【0077】さらに、図16(a)は非線形光学結晶1
0へ入射した励起レーザー光の波長と励起レーザー光の
出力との関係を示し、図16(b)は非線形光学結晶1
0から出射された変換レーザー光の第二高調波の波長と
第二高調波の出力の関係を示している。この図16
(a)(b)に示すように、図4に示す広帯域高速波長
変換装置によれば、効率的に波長700nm〜900n
mの波長域の光を波長350nm〜450nmの第二高
調波を含む変換レーザー光に変換することができる。
【0078】なお、図17は、第1シリンドリカル凹面
鏡14への入射角αcenterのみを変化させ、他の
実験条件は図14に示す実験と同条件にして実験した際
における、非線形光学結晶10への励起レーザー光の入
射角θ’(λ)の変化を示すグラフである。この図17
から明らかなように、第1シリンドリカル凹面鏡14へ
の入射角αcenterを変化させると、非線形光学結
晶10への励起レーザー光の入射角θ’(λ)の波長依
存性が変化することが分かる。
【0079】ここで、非線形光学結晶10への励起レー
ザー光の入射角θ’(λ)と上記した6個のパラメータ
たる (1)第1プリズム12への入射角β (2)第1プリズム12の頂角A (3)第1プリズム12の材質(分散特性)n(λ) (4)第1プリズム12と第1シリンドリカル凹面鏡1
4との間の距離d (5)第1シリンドリカル凹面鏡14の曲率R (6)励起レーザー光の波長がλcenterのときの
第1シリンドリカル凹面鏡1 4への入射角α
center とは上記したように定義されるものであるが(図4の要
部拡大図である図18を参照する。)、図19における
関係式に示すような関係を備えているものである。
【0080】この図19における関係式から明らかなよ
うに、非線形光学結晶10への励起レーザー光の入射角
θ’(λ)は、上記した6個のパラメータたる (1)第1プリズム12への入射角β (2)第1プリズム12の頂角A (3)第1プリズム12の材質(分散特性)n(λ) (4)第1プリズム12と第1シリンドリカル凹面鏡1
4との間の距離d (5)第1シリンドリカル凹面鏡14の曲率R (6)励起レーザー光の波長がλcenterのときの
第1シリンドリカル凹面鏡1 4への入射角α
center の関数となっており、非線形光学結晶10への励起レー
ザー光の入射角θ’(λ)は、これら6個のパラメータ
により決定される。
【0081】なお、図19における関係式において、b
は第1プリズム12のふれ角を表す式であり、励起レー
ザー光の波長λの関数となっており、励起レーザー光の
波長λが変化するとbも変化する。
【0082】また、x,yは、第1シリンドリカル凹面
鏡14上の励起レーザー光のビームが当たる位置を表し
ており、a,b,cの関数となっているが、a,cは第
1シリンドリカル凹面鏡14への入射角αcenter
によって変わり、最終的にγ(λ)を変化させる。
【0083】ここで、図20(a)に示す図2に対応す
る従来技術の構成図および図20(b)に示す従来技術
の概念図を参照しながら、図2に示す従来技術について
説明すると、従来技術においては、同材質および同頂角
の2個の対のプリズムは各波長毎に光路の異なるレーザ
ー光のビームを生成する。そして、レンズは、2個の対
のプリズムによってつくられた波長依存性を保ちなが
ら、その集光特性により、非線形光学結晶への入射角を
決定する。
【0084】こうした従来技術においては、レンズは、
図21に示すように、レンズの中心からビームの入射位
置までの距離x’=x(λ)−x(λcenter)に
よって決まるレンズの中心を軸に対称な単純な関数θ’
(λ)=g(x’(λ))[正確にはθ’(λ)=ta
−1(x’(λ)/f):fはレンズの焦点距離]を
与えるだけであり、従って、この従来技術における非線
形光学結晶への入射角の波長依存性を決める分散効果
は、プリズムの分散特性によってのみ制御が可能であ
る。
【0085】図22(a)には図4に対応する広帯域高
速波長変換装置の要部構成図が示されているとともに、
図22(b)には図4に対応する広帯域高速波長変換装
置の概念図が示されているが、この広帯域高速波長変換
装置においては、第1プリズム12はレーザー光のビー
ムを各波長毎に分離し、その材質の分散特性に応じたε
方向の波長成分の分布ε(λ)をつくる。ここで第1シ
リンドリカル凹面鏡14は、従来技術におけるレンズと
同様に集光素子として機能し、θ’(λ)=h(ε
(λ))の関数を与えるが、その関数の形hは第1シリ
ンドリカル凹面鏡14の傾きにより変化させることがで
きる。このことから、凹面鏡によりプリズム分散効果を
さらに変化させることが可能である。
【0086】従って、本発明による広帯域高速波長変換
装置においては、非線形光学結晶10への入射角の波長
依存性は、第1プリズム12の分散特性と第1シリンド
リカル凹面鏡14の分散効果との2つにより決定される
ことになる。その結果、従来技術と比較すると、高い精
度で入射角を設定することができるようになる。
【0087】なお、凹面鏡の代わりに集光レンズを傾け
たり、レンズの中心を光学軸上からずらしたりすること
によっても、同様の効果を得ることが可能である。
【0088】即ち、従来の装置ではレンズは入射光に対
して垂直になるように配置していたが、図23(a)
(b)に示すように、広帯域高速波長変換装置のシリン
ドリカル凹面鏡の位置に集光レンズを配置し、この集光
レンズの角度を調節することにより、レンズにおいても
分散効果が得られる。
【0089】従って、広帯域高速波長変換装置のシリン
ドリカル凹面鏡をレンズに置き換えた装置においては、
非線形光学結晶10への入射角の波長依存性は、第1プ
リズム12の分散特性とレンズの分散効果との2つによ
り決定されることになる。その結果、従来技術と比較す
ると、高い精度で入射角の設定することができるように
なる。
【0090】即ち、集光素子としては、シリンドリカル
凹面鏡やシリンドリカルでない通常の球状の凹面鏡の他
にレンズなどを用いることができるものであり、さらに
は、放物面鏡を用いるようにしてもよい。
【0091】また、分散素子としては、プリズムの他に
回折格子などを用いることができるものである。
【0092】ここで、図24には、集光素子として放物
面鏡を用いた本発明による広帯域高速波長変換装置の実
施の形態の一例の概念構成図が示されており、この広帯
域高速波長変換装置は、波長可変レーザーたるチタン・
サファイア・レーザー(Ti:sapphire la
ser)のレーザー光を非線形光学結晶200への励起
レーザー光として用い、非線形光学結晶200から励起
レーザー光の第二高調波を変換レーザー光として出射す
ることにより、励起レーザー光の高調波変換を行う広帯
域高速波長変換装置である。
【0093】即ち、図24に示す広帯域高速波長変換装
置は、励起レーザー光が入射される第1の分散素子たる
入射側第1プリズム202と、入射側第1プリズムから
出射された励起レーザー光が入射される第2の分散素子
たる入射側第2プリズム204と、入射側第2プリズム
204から出射された励起レーザー光を集光して反射す
る集光素子たる第1放物面鏡206と、第1放物面鏡2
06により反射された励起レーザー光を入射する非線形
光学結晶200と、非線形光学結晶200から出射され
る変換レーザー光を集光して反射する集光素子たる第2
放物面鏡208と、第2放物面鏡208により反射され
た変換レーザー光が入射される第3の分散素子たる出射
側第1プリズム210と、出射側第1プリズム210か
ら出射された変換レーザー光が入射される第4の分散素
子たる出射側第2プリズム212とを有している。
【0094】なお、入射側第1プリズム202と入射側
第2プリズム204とは同一の構成を備えており、出射
側第1プリズム210と出射側第2プリズム212とは
同一の構成を備えており、第1放物面鏡206と第2放
物面鏡208とは同一の構成を備えている。
【0095】この図24に示す広帯域高速波長変換装置
においては、励起レーザー光は入射側第1プリズム20
2により波長に応じて光路が屈折されて、励起レーザー
光の波長毎にビームの光路を分け、入射側第2プリズム
204に入射される。
【0096】入射側第2プリズム204においては、入
射された励起レーザー光の光路が波長に応じて屈折され
て平行ビームとして第1放物面鏡206に出射され、第
1放物面鏡206により非線形光学結晶200への入射
角を各波長において最適化するように調整され、非線形
光学結晶200へ入射される。
【0097】なお、第1放物面鏡206は、励起レーザ
ー光のビームの集光も行っている。
【0098】非線形光学結晶200に入射された励起レ
ーザー光は、非線形光学結晶200により波長変換され
て、非線形光学結晶200からは励起レーザー光の第二
高調波が変換レーザー光として出射される。
【0099】非線形光学結晶200から出射された変換
レーザー光は、第1放物面鏡206、入射側第2プリズ
ム204および入射側第1プリズム202の作用の原理
とは逆の原理により、第2放物面鏡208に光路を調整
されて出射側第1プリズム210へ入射され、出射側第
1プリズム210により屈折されて所定の光路により出
射され、出射側第1プリズム210より出射された変換
レーザー光はさらに出射側第2プリズム212により屈
折されて所定の光路により出射される。即ち、非線形光
学結晶200から出射された変換レーザー光は、第2放
物面鏡208、出射側第1プリズム210および出射側
第2プリズム212によってコリメートされ、同軸に重
ねられて出射側第2プリズム212から出射される。
【0100】ここで、例えば、図4に示す実施の形態に
おいて、第1シリンドリカル凹面鏡14に代えて球状凹
面鏡を用いた場合には、励起レーザー光の波長毎に球状
凹面鏡への入射角が変わるため、波長毎に焦点の位置が
わずかに変わってしまっていた(図25(a)参照)。
その結果、励起レーザー光の波長によっては、励起レー
ザー光を非線形光学結晶10上の最適な位置に常に集光
させることができないおそれがあり、励起レーザー光の
全ての波長で高い波長変換効率を得ることができないお
それがあった。
【0101】ところが、図24に示す実施の形態におい
て、集光素子として用いた第1放物面鏡206は、平行
ビームが入射した際に必ず一点に集光する(図25
(b)参照)。即ち、入射側第1プリズム202および
入射側第2プリズム204により波長変化に対応して光
路を分離され、平行ビームとされた励起レーザー光は、
第1放物面鏡206により常に同一点に集光されること
となる。
【0102】従って、図24に示す実施の形態によれ
ば、励起レーザー光の波長がどのような波長であって
も、励起レーザー光を非線形光学結晶200上の最適な
位置に常に集光させることができるので、励起レーザー
光の波長がどのような波長でも高い波長変換効率を得る
ことができる。
【0103】また、励起レーザー光を非線形光学結晶2
00上の同一点に集光した場合には、非線形光学結晶2
00から出射される変換レーザー光も同一点より出射す
ることになり、この非線形光学結晶200から出射され
る変換レーザー光は第2放物面鏡208により波長に関
わらず常に平行にすることができる。そして、平行とな
ったビームは、出射側第1プリズム210および出射側
第2プリズム212によって精度良く同軸に重ねること
ができる。
【0104】図26には、図24に示す実施の形態によ
り下記の実験条件において、励起レーザー光の入射角
θ’(λ)と最適な入射角θ(λ)との差たる「θ’
(λ)−θ(λ)」と、効率的に波長変換を行うための
励起レーザー光の非線形光学結晶200への入射角の許
容範囲との関係を示すグラフが示されている。
【0105】図26に示すグラフにおいて、実線は
「θ’(λ)−θ(λ)」(図26においては、「θ
pm−θin」として示す。)を示しており、破線で囲
まれた範囲は許容範囲(許容角)を示している。図26
に示すグラフから明らかなように、波長0.64μm〜
0.98μmの広範囲にわたり、高効率に波長変換可能
であることが分かる。
【0106】なお、上記した波長0.64μm〜0.9
8μmという範囲は、図15に示す波長範囲より広いも
のである。
【0107】また、図27には、図24に示す実施の形
態により下記の実験条件において、出射側第2プリズム
212から最終的に出射される変換レーザー光の出射位
置の変動を示すグラフが示されている。図27に示すグ
ラフから明らかなように、変換レーザー光の波長0.3
5μm〜0.50μm(励起レーザー光の波長が0.7
μm〜1.0μm)の範囲で、「±0.06mm」と小
さい変動となっている。
【0108】ここで、図26および図27に示すグラフ
における実験条件は、 (1)入射側第1プリズム202、入射側第2プリズム
204 SF57製、頂角A1=60度 (2)入射側第1プリズム202と入射側第2プリズム
204との間の距離 距離d1=193mm (3)第1放物面鏡206、第2放物面鏡208 中心波長での焦点距離=60mm 中心波長でのレーザー光の入射角=23度 (4)出射側第1プリズム210、入射側第2プリズム
212 合成石英製、頂角A2=74度 (5)出射側第1プリズム210と入射側第2プリズム
212との間の距離 距離d2=255.7mm (6)非線形光学結晶200 BBO結晶、長さ=5mm とされている。
【0109】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、非線形光学結晶から出射される異なる波長
の変換レーザー光を同軸に重ねることができるという優
れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】非線形光学結晶を手動やモーターにより回転さ
せることによって、入射レーザー光に対して非線形光学
結晶を位相整合条件を満たす位相整合角に位置させると
いう、従来の位相整合条件を満たす方法を示す概念構成
説明図である。
【図2】手動やモーターで非線形光学結晶を回転させる
ことなしに、非線形光学結晶に対する入射レーザー光の
入射角を調整するための従来の装置を示す概念構成説明
図である。
【図3】図2に示す装置において、入射レーザー光とし
て平行ビームを用いた場合に当該入射レーザー光が非結
晶光学結晶上で集光されてしまう状態を示す概念構成説
明図である。
【図4】本発明による広帯域高速波長変換装置の実施の
形態の一例の概念構成説明図である。
【図5】本発明による広帯域高速波長変換装置の原理を
説明する際における、第1プリズムの効果を説明するた
めのグラフである。
【図6】本発明による広帯域高速波長変換装置の原理を
説明する際における、第1プリズムと第1シリンドリカ
ル凹面鏡との間の距離dと、第1シリンドリカル凹面
鏡、第2シリンドリカル凹面鏡16の曲率Rとの効果を
説明するためのグラフである。
【図7】本発明による広帯域高速波長変換装置の原理を
説明する際における、第1シリンドリカル凹面鏡への入
射角α、第1プリズムへの入射角βの効果を説明するた
めのグラフである。
【図8】本発明による広帯域高速波長変換装置におい
て、入射レーザー光としてパワーの低い平行ビームを用
いる場合を示す概念構成説明図である。
【図9】本発明による広帯域高速波長変換装置におい
て、入射レーザー光としてパワーの高い平行ビームを用
いる場合を示す概念構成説明図である。
【図10】図4に示す広帯域高速波長変換装置におい
て、第1シリンドリカル凹面鏡に代えてシリンドリカル
でない通常の凹面鏡を用いた場合の要部概念構成説明図
である。
【図11】凹面鏡に入射レーザー光が斜入射した場合に
縦方向と横方向とで焦点が異なる状態を示す概念構成説
明図である。
【図12】シリンドリカルレンズの縦方向の焦点の調節
作用を示す概念構成説明図である。
【図13】本発明による広帯域高速波長変換装置の他の
実施の形態の概念構成説明図である。
【図14】実験結果を示すグラフであり、非線形光学結
晶の位相整合条件から計算される励起レーザー光の非線
形光学結晶への最適な入射角θ(λ)と、実験により測
定された非線形光学結晶への励起レーザー光の入射角
θ’(λ)との関係を示す。
【図15】実験結果を示すグラフであり、実験により測
定された非線形光学結晶への励起レーザー光の入射角
θ’(λ)と最適な入射角θ(λ)との差たる「θ
(λ)−θ’(λ)」と、効率的に波長変換を行うため
の励起レーザー光の非線形光学結晶への入射角の許容範
囲との関係を示す。
【図16】実験結果を示すグラフであり、(a)は非線
形光学結晶へ入射した励起レーザー光の波長と励起レー
ザー光の出力との関係を示し、(b)は非線形光学結晶
から出射された変換レーザー光の第二高調波の波長と第
二高調波の出力の関係を示す。
【図17】第1シリンドリカル凹面鏡への入射角α
centerのみを変化させ、他の実験条件は図14に
示す実験と同条件にして実験した際における、非線形光
学結晶への励起レーザー光の入射角θ’(λ)の変化を
示すグラフである。
【図18】図4の要部拡大図である。
【図19】非線形光学結晶への励起レーザー光の入射角
θ’(λ)と、6個のパラメータたる (1)第1プリズム12への入射角β (2)第1プリズム12の頂角A (3)第1プリズム12の材質(分散特性)n(λ) (4)第1プリズム12と第1シリンドリカル凹面鏡1
4との間の距離d (5)第1シリンドリカル凹面鏡14の曲率R (6)励起レーザー光の波長がλcenterのときの
第1シリンドリカル凹面鏡1 4への入射角α
center との関係式を示す。
【図20】従来技術の作用を説明するための説明図であ
り、(a)は図2に対応する従来技術の構成図であり、
(b)は従来技術の概念図である。
【図21】従来技術におけるレンズの作用を説明するた
めの説明図である。
【図22】本発明の作用を説明するための説明図であ
り、(a)は図4に対応する広帯域高速波長変換装置の
要部構成図であり、(b)は図4に対応する広帯域高速
波長変換装置の概念図である。
【図23】分散効果を説明するための説明図であり、
(a)はシリンドリカル凹面鏡による分散効果を示す説
明図であり、(b)はレンズによる分散効果を示す説明
図である。
【図24】集光素子として放物面鏡を用いた本発明によ
る広帯域高速波長変換装置の実施の形態の一例の概念構
成図である。
【図25】球状凹面鏡と放物面鏡とによる反射光の焦点
位置を示し、(a)は球状凹面鏡の場合を示し、(b)
は放物面鏡の場合を示す。
【図26】実験結果を示すグラフであり、励起レーザー
光の入射角θ’(λ)と最適な入射角θ(λ)との差た
る「θ’(λ)−θ(λ)」と、効率的に波長変換を行
うための励起レーザー光の非線形光学結晶への入射角の
許容範囲との関係を示す。
【図27】実験結果を示すグラフであり、出射側第2プ
リズムから最終的に出射される変換レーザー光の出射位
置の変動を示す。
【符号の説明】
10、28、200 非線形光学結晶 12 第1プリズム 14 第1シリンドリカル凹面鏡 16 第2シリンドリカル凹面鏡 18 第2プリズム 20、22 凸レンズ 24 凹面鏡 26 シリンドリカルレンズ 30 第3シリンドリカル凹面鏡 202 入射側第1プリズム 204 入射側第2プリズム 206 第1放物面鏡 208 第2放物面鏡 210 出射側第1プリズム 212 出射側第2プリズム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田代 英夫 宮城県仙台市青葉区長町字越路19−1399 理化学研究所フォトダイナミクス研究 センター内 (56)参考文献 S.Saikan et al.,A pplied Optics,Vol. 18,No.2,pp.193−196(1979) G.Szabo et al.,Ap plied Physics B,Vo l.B58,No.3,pp.237−241 (1994) G.Szabo et al.,Ap plied Physics B,Vo l.B50,No.1,pp.51−54 (1990) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/37 - 1/39 H01S 3/108 - 3/109 JICSTファイル(JOIS) WPI(DIALOG) INSPEC(DIALOG)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非線形光学結晶にレーザー光を入射し
    て、高調波変換により前記入射されたレーザー光の波長
    変換を行う広帯域高速波長変換方法において、 レーザー光を第1のプリズムへ入射して、前記入射され
    たレーザー光を前記入射されたレーザー光の波長変化に
    対応して光路を屈折させることにより分離させて前記第
    1のプリズムから出射し、 前記第1のプリズムから出射されたレーザー光を、第1
    のシリンドリカル凹面鏡への入射角を選択して斜入射し
    て、前記入射されたレーザー光を前記第1のシリンドリ
    カル凹面鏡の集光特性に応じて出射し、 前記第1のシリンドリカル凹面鏡から出射されたレーザ
    ー光を非線形光学結晶へ入射して、高調波変換により前
    記入射されたレーザー光の波長変換を行い、 前記非線形光学結晶から出射された波長変換された異な
    る波長の変換レーザー光を、前記第1のシリンドリカル
    凹面鏡と同一の構成を備えた第2のシリンドリカル凹面
    鏡へ入射して、前記入射されたレーザーの光を前記第2
    のシリンドリカル凹面鏡の集光特性に応じて出射し、 前記第2のシリンドリカル凹面鏡から出射されたレーザ
    ー光を、前記第1のプリズムと同一の構成を備えた第2
    のプリズムへ入射して、前記入射されたレーザー光を前
    記入射されたレーザー光の波長変化に対応して光路を屈
    折させて出射し、 前記第2のシリンドリカル凹面鏡および前記第2のプリ
    ズムによって、前記第1のシリンドリカル凹面鏡および
    前記第1のプリズムの作用の原理とは逆の原理により、
    前記非線形光学結晶から出射された異なる波長の変換レ
    ーザー光を同軸に重ねることを特徴とする広帯域高速波
    長変換方法。
  2. 【請求項2】 非線形光学結晶にレーザー光を入射し
    て、高調波変換により前記入射されたレーザー光の波長
    変換を行う広帯域高速波長変換方法において、 レーザー光を第1の凸レンズへ入射して、前記入射され
    たレーザー光を前記第1の凸レンズから出射し、 前記第1の凸レンズから出射されたレーザー光を第1の
    プリズムへ入射して、前記入射されたレーザー光を前記
    入射されたレーザー光の波長変化に対応して光路を屈折
    させることにより分離させて前記第1のプリズムから出
    射し、 前記第1のプリズムから出射されたレーザー光を、第1
    のシリンドリカル凹面鏡への入射角を選択して斜入射し
    て、前記入射されたレーザー光を前記第1のシリンドリ
    カル凹面鏡の集光特性に応じて出射し、 前記第1のシリンドリカル凹面鏡から出射されたレーザ
    ー光を非線形光学結晶へ入射して、高調波変換により前
    記入射されたレーザー光の波長変換を行い、 前記非線形光学結晶から出射された波長変換された異な
    る波長の変換レーザー光を、前記第1のシリンドリカル
    凹面鏡と同一の構成を備えた第2のシリンドリカル凹面
    鏡へ入射して、前記入射されたレーザーの光を前記第2
    のシリンドリカル凹面鏡の集光特性に応じて出射し、 前記第2のシリンドリカル凹面鏡から出射されたレーザ
    ー光を、前記第1のプリズムと同一の構成を備えた第2
    のプリズムへ入射して、前記入射されたレーザー光を前
    記入射されたレーザー光の波長変化に対応して光路を屈
    折させて出射し、 前記第2のプリズムから出射されたレーザー光を第2の
    凸レンズへ入射して、前記入射されたレーザー光を前記
    入射されたレーザー光の波長変化に対応して光路を屈折
    させることにより平行ビームとして前記第2の凸レンズ
    から出射し、 前記第2のシリンドリカル凹面鏡および前記第2のプリ
    ズムによって、前記第1のシリンドリカル凹面鏡および
    前記第1のプリズムの作用の原理とは逆の原理により、
    前記非線形光学結晶から出射された異なる波長の変換レ
    ーザー光を同軸に重ねるとともに、前記非線形光学結晶
    上において入射されたレーザー光のビームを平行にする
    ことを特徴とする広帯域高速波長変換方法。
  3. 【請求項3】 非線形光学結晶にレーザー光を入射し
    て、高調波変換により前記入射されたレーザー光の波長
    変換を行う広帯域高速波長変換方法において、 レーザー光を入射側第1分散素子へ入射して、前記入射
    されたレーザー光を前記入射されたレーザー光の波長変
    化に対応して光路を屈折させることにより分離させて前
    記入射側第1分散素子から出射し、 前記入射側第1分散素子から出射されたレーザー光を、
    前記入射側第1分散素子と同一の構成を備えた入射側第
    2分散素子へ入射して、前記入射されたレーザー光の波
    長変化に対応して光路を屈折させることにより平行ビー
    ムとして前記入射側第2分散素子から出射し、 前記入射側第2分散素子から出射された平行ビームのレ
    ーザー光を第1放物面鏡へ入射して、前記入射された平
    行ビームのレーザー光を前記第1放物面鏡により同一点
    に集光させて反射し、 前記第1放物面鏡から同一点に集光させて反射されたレ
    ーザー光を非線形光学結晶へ入射して、高調波変換によ
    り前記入射されたレーザー光の波長変換を行い、 前記非線形光学結晶から出射された波長変換された異な
    る波長の変換レーザー光を、前記第1放物面鏡と同一の
    構成を備えた第2放物面鏡へ入射して、前記入射された
    レーザー光の波長変化に対応して光路を屈折させること
    により平行ビームとして前記第2放物面鏡により反射
    し、 前記第2放物面鏡から平行ビームとして反射されたレー
    ザー光を出射側第1分散素子へ入射して、平行ビームと
    して入射されたレーザー光を前記入射されたレーザー光
    の波長変化に対応して光路を屈折させて出射し、 前記出射側第1分散素子から出射されたレーザー光を、
    前記出射側第1分散素子と同一の構成を備えた出射側第
    2分散素子へ入射して、前記入射されたレーザー光を前
    記入射されたレーザー光の波長変化に対応して光路を屈
    折させて出射し、 前記第1放物面鏡、前記入射側第2分散素子および前記
    入射側第1分散素子と同等の構成である、前記第2放物
    面鏡、前記出射側第2分散素子および前記出射側第1分
    散素子によって、前記第1放物面鏡、前記入射側第2分
    散素子および前記入射側第1分散素子の作用の原理とは
    逆の原理により、前記非線形光学結晶から出射された異
    なる波長の変換レーザー光を同軸に重ねることを特徴と
    する広帯域高速波長変換方法。
  4. 【請求項4】 非線形光学結晶にレーザー光を入射し
    て、高調波変換により前記入射されたレーザー光の波長
    変換を行う広帯域高速波長変換装置において、 レーザー光を入射して、前記入射されたレーザー光を前
    記入射されたレーザー光の波長変化に対応して光路を屈
    折させることにより分離させて出射する第1のプリズム
    と、 前記第1のプリズムから出射されたレーザー光を、入射
    角を選択して斜入射して、前記入射されたレーザー光を
    集光特性に応じて出射する第1のシリンドリカル凹面鏡
    と、 前記第1のシリンドリカル凹面鏡から出射されたレーザ
    ー光を入射して、高調波変換により前記入射されたレー
    ザー光の波長変換を行う非線形光学結晶と、 前記非線形光学結晶から出射された波長変換された異な
    る波長の変換レーザー光を入射して、前記入射されたレ
    ーザーの光を集光特性に応じて出射する、前記第1のシ
    リンドリカル凹面鏡と同一の構成を備えた第2のシリン
    ドリカル凹面鏡と、 前記第2のシリンドリカル凹面鏡から出射されたレーザ
    ー光を入射して、前記入射されたレーザー光を前記入射
    されたレーザー光の波長変化に対応して光路を屈折させ
    て出射する、前記第1のプリズムと同一の構成を備えた
    第2のプリズムとを有し、 前記第2のシリンドリカル凹面鏡および前記第2のプリ
    ズムによって、前記第1のシリンドリカル凹面鏡および
    前記第1のプリズムの作用の原理とは逆の原理により、
    前記非線形光学結晶から出射された異なる波長の変換レ
    ーザー光を同軸に重ねることを特徴とする広帯域高速波
    長変換装置。
  5. 【請求項5】 非線形光学結晶にレーザー光を入射し
    て、高調波変換により前記入射されたレーザー光の波長
    変換を行う広帯域高速波長変換装置において、 レーザー光を入射して、前記入射されたレーザー光を出
    射する前記第1の凸レンズと、 前記第1の凸レンズから出射されたレーザー光を入射し
    て、前記入射されたレーザー光を前記入射されたレーザ
    ー光の波長変化に対応して光路を屈折させることにより
    分離させて出射する第1のプリズムと、 前記第1のプリズムから出射されたレーザー光を、入射
    角を選択して斜入射して、前記入射されたレーザー光を
    集光特性に応じて出射する第1のシリンドリカル凹面鏡
    と、 前記第1のシリンドリカル凹面鏡から出射されたレーザ
    ー光を入射して、高調波変換により前記入射されたレー
    ザー光の波長変換を行う非線形光学結晶と、 前記非線形光学結晶から出射された波長変換された異な
    る波長の変換レーザー光を入射して、前記入射されたレ
    ーザーの光を集光特性に応じて出射する、前記第1のシ
    リンドリカル凹面鏡と同一の構成を備えた第2のシリン
    ドリカル凹面鏡と、 前記第2のシリンドリカル凹面鏡から出射されたレーザ
    ー光を入射して、前記入射されたレーザー光を前記入射
    されたレーザー光の波長変化に対応して光路を屈折させ
    て出射する、前記第1のプリズムと同一の構成を備えた
    第2のプリズムと、 前記第2のプリズムから出射されたレーザー光を入射し
    て、前記入射されたレーザー光を前記入射されたレーザ
    ー光の波長変化に対応して光路を屈折させることにより
    平行ビームとして出射する第2の凸レンズとを有し、 前記第2のシリンドリカル凹面鏡および前記第2のプリ
    ズムによって、前記第1のシリンドリカル凹面鏡および
    前記第1のプリズムの作用の原理とは逆の原理により、
    前記非線形光学結晶から出射された異なる波長の変換レ
    ーザー光を同軸に重ねるとともに、前記非線形光学結晶
    上において入射されたレーザー光のビームを平行にする
    ことを特徴とする広帯域高速波長変換装置。
  6. 【請求項6】 非線形光学結晶にレーザー光を入射し
    て、高調波変換により前記入射されたレーザー光の波長
    変換を行う広帯域高速波長変換装置において、 レーザー光を入射して、前記入射されたレーザー光を前
    記入射されたレーザー光の波長変化に対応して光路を屈
    折させることにより分離させて出射する入射側第1分散
    素子と、 前記入射側第1分散素子から出射されたレーザー光を入
    射して、前記入射されたレーザー光の波長変化に対応し
    て光路を屈折させることにより平行ビームとして出射す
    る、前記入射側第1分散素子と同一の構成を備えた前記
    入射側第2分散素子と、 前記入射側第2分散素子から出射された平行ビームのレ
    ーザー光を入射して、前記入射された平行ビームのレー
    ザー光を同一点に集光させて反射する第1放物面鏡と、 前記第1放物面鏡から同一点に集光させて反射されたレ
    ーザー光を入射して、高調波変換により前記入射された
    レーザー光の波長変換を行う非線形光学結晶と、 前記非線形光学結晶から出射された波長変換された異な
    る波長の変換レーザー光を入射して、前記入射されたレ
    ーザー光の波長変化に対応して光路を屈折させることに
    より平行ビームとして反射する、前記第1放物面鏡と同
    一の構成を備えた第2放物面鏡と、 前記第2放物面鏡から平行ビームとして反射されたレー
    ザー光を入射して、平行ビームとして入射されたレーザ
    ー光を前記入射されたレーザー光の波長変化に対応して
    光路を屈折させて出射する出射側第1分散素子と、 前記出射側第1分散素子から出射されたレーザー光を入
    射して、前記入射されたレーザー光を前記入射されたレ
    ーザー光の波長変化に対応して光路を屈折させて出射す
    る、前記出射側第1分散素子と同一の構成を備えた第2
    分散素子とを有し、 前記第1放物面鏡、前記入射側第2分散素子および前記
    入射側第1分散素子と同等の構成である、前記第2放物
    面鏡、前記出射側第2分散素子および前記出射側第1分
    散素子によって、前記第1放物面鏡、前記入射側第2分
    散素子および前記入射側第1分散素子の作用の原理とは
    逆の原理により、前記非線形光学結晶から出射された異
    なる波長の変換レーザーを同軸に重ねることを特徴とす
    る広帯域高速波長変換装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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G.Szabo et al.,Applied Physics B,Vol.B50,No.1,pp.51−54(1990)
G.Szabo et al.,Applied Physics B,Vol.B58,No.3,pp.237−241(1994)
S.Saikan et al.,Applied Optics,Vol.18,No.2,pp.193−196(1979)

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