JP3311475B2 - 連続熱間圧延方法 - Google Patents
連続熱間圧延方法Info
- Publication number
- JP3311475B2 JP3311475B2 JP06685594A JP6685594A JP3311475B2 JP 3311475 B2 JP3311475 B2 JP 3311475B2 JP 06685594 A JP06685594 A JP 06685594A JP 6685594 A JP6685594 A JP 6685594A JP 3311475 B2 JP3311475 B2 JP 3311475B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rolling
- laser
- rolled material
- transmission
- speed
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Metal Rolling (AREA)
- Laser Beam Processing (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はホットストリップを完全
連続圧延によって製造できるようにした連続熱間圧延方
法に関するものである。
連続圧延によって製造できるようにした連続熱間圧延方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の熱間圧延ラインはスラブを加熱炉
から1本ずつ抽出して粗圧延機群により、所要厚のシー
トバーに圧延し、このシートバーを仕上圧延機群により
所要厚のストリップに圧延した後コイラーによってコイ
ルに巻取るようになっている。この従来の熱間圧延ライ
ンにあっては圧延材を1本ずつ粗圧延機および仕上げ圧
延することから次のような問題があった。
から1本ずつ抽出して粗圧延機群により、所要厚のシー
トバーに圧延し、このシートバーを仕上圧延機群により
所要厚のストリップに圧延した後コイラーによってコイ
ルに巻取るようになっている。この従来の熱間圧延ライ
ンにあっては圧延材を1本ずつ粗圧延機および仕上げ圧
延することから次のような問題があった。
【0003】すなわち、各圧延材をそれぞれ粗圧延機群
および仕上圧延機群の上下の圧延ロールに円滑に噛込ま
せる必要があるため、各圧延材毎に先端部形状および板
厚等の調整が必要であり、先端から後端にまで均一な品
質が得られない。また、圧延材の先端部と後端部での温
度差が生じ製品材質の不均一となること。特に薄物圧延
において、ストリップの先端がコイラーに達するまでの
間にはストリップ速度を大きくすることが出来ず生産性
が悪いし、更には、先端の圧延材と後行の圧延材との間
に圧延作業に全く関与しない空間が存在するので、設備
の利用有効度が低く、生産能率が悪いという問題があ
る。
および仕上圧延機群の上下の圧延ロールに円滑に噛込ま
せる必要があるため、各圧延材毎に先端部形状および板
厚等の調整が必要であり、先端から後端にまで均一な品
質が得られない。また、圧延材の先端部と後端部での温
度差が生じ製品材質の不均一となること。特に薄物圧延
において、ストリップの先端がコイラーに達するまでの
間にはストリップ速度を大きくすることが出来ず生産性
が悪いし、更には、先端の圧延材と後行の圧延材との間
に圧延作業に全く関与しない空間が存在するので、設備
の利用有効度が低く、生産能率が悪いという問題があ
る。
【0004】これら従来の熱間圧延ラインの問題を解決
すべく、近年、シートバーを連続的に熱間圧延するた
め、圧延中の走行圧延材の後端部と後行圧延材の先端部
とをシャー切断の切断面のまま突合わせ接合し、この接
合したシートバーを連続圧延する方法が提案されてい
る。しかし、切断面のままのため、突き合わせ状態が悪
く、大きなギャップが存在するため、細いビームを絞る
(通常1mm以下)必要があるレーザを用いた接合は不
可能であった。このためレーザ以外の方法として、例え
ば、特開昭61−126983号公報にはホットスカー
ファーで接合端面を同時に加熱し、突合わせて圧接する
方法や特開平4−89109号公報には、接合端面を接
触させ、その領域にて鋼片の厚み方向に貫通する交番磁
界を印加して加熱し、押圧して接合する方法が開示され
ている。また、特開平4−309482号公報は伝送距
離の変化に対しビーム集光状態を一定に保つ発明とし
て、レンズを加工ヘッド内で上下させ伝送距離の違いに
より起こる焦点距離の変化を相殺しようとしたものが開
示されている。
すべく、近年、シートバーを連続的に熱間圧延するた
め、圧延中の走行圧延材の後端部と後行圧延材の先端部
とをシャー切断の切断面のまま突合わせ接合し、この接
合したシートバーを連続圧延する方法が提案されてい
る。しかし、切断面のままのため、突き合わせ状態が悪
く、大きなギャップが存在するため、細いビームを絞る
(通常1mm以下)必要があるレーザを用いた接合は不
可能であった。このためレーザ以外の方法として、例え
ば、特開昭61−126983号公報にはホットスカー
ファーで接合端面を同時に加熱し、突合わせて圧接する
方法や特開平4−89109号公報には、接合端面を接
触させ、その領域にて鋼片の厚み方向に貫通する交番磁
界を印加して加熱し、押圧して接合する方法が開示され
ている。また、特開平4−309482号公報は伝送距
離の変化に対しビーム集光状態を一定に保つ発明とし
て、レンズを加工ヘッド内で上下させ伝送距離の違いに
より起こる焦点距離の変化を相殺しようとしたものが開
示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した、特開昭61
−126983号公報や特開平4−89109号公報の
ように、押圧を必要とする接合方法では、一般に押圧力
が面圧にして3kgf/mm2 以上と高く、この押圧力
を発生させるために必要なシートバーのクランプ力は、
シートバーとクランプバーの摩擦力で決定されるので、
過大なクランプ力が加わる。このため、クランプ部でシ
ートバー表面のスケールを押し込み、製品疵を発生させ
るという問題があった。また、特開平4−309482
号公報はレンズを加工ヘッド内で上下させ伝送距離の違
いにより起こる焦点距離の変化を相殺しようとした。伝
送距離の変化が短かければこれでもよいが、伝送距離の
変化が10mの程度で起こる熱延材の連続化では焦点位
置だけでなく、集光スポット径、焦点位置での出力密度
分布の変化が大きく、これらをレンズの上下だけで一定
状態に補正するのは無理である。
−126983号公報や特開平4−89109号公報の
ように、押圧を必要とする接合方法では、一般に押圧力
が面圧にして3kgf/mm2 以上と高く、この押圧力
を発生させるために必要なシートバーのクランプ力は、
シートバーとクランプバーの摩擦力で決定されるので、
過大なクランプ力が加わる。このため、クランプ部でシ
ートバー表面のスケールを押し込み、製品疵を発生させ
るという問題があった。また、特開平4−309482
号公報はレンズを加工ヘッド内で上下させ伝送距離の違
いにより起こる焦点距離の変化を相殺しようとした。伝
送距離の変化が短かければこれでもよいが、伝送距離の
変化が10mの程度で起こる熱延材の連続化では焦点位
置だけでなく、集光スポット径、焦点位置での出力密度
分布の変化が大きく、これらをレンズの上下だけで一定
状態に補正するのは無理である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記したよう
な問題を解決したもので、レーザ切断、接合の工程中に
ビーム伝送距離の変化を少なくし、集光ビームの状態を
一定に保ち、常に同じ加工結果が得られる安定したレー
ザ接合が実現できる連続熱間圧延方法を提供するもので
ある。その発明の要旨とするところは、熱間圧延装置の
圧延機の仕上げ入側で、先行の圧延材の後端部と後行の
圧延材の先端部の両方あるいは一方を切断し、その後、
該先行材後端部と後行材先端部を突合せてレーザ接合
し、該接合した圧延材を連続圧延する連続圧延方法にお
いて、該先行材の後端部と該後行材の先端部を切断及び
溶接するレーザビームを固定光源から圧延材走行方向に
伝送し圧延材速度と同期して移動するレーザ切断・接合
機へ伝送する伝送光学系中に圧延材速度の1/2の速度
で圧延方向に追従し折り返し伝送する圧延方向可動折り
返し反射ミラーにより伝送し、レーザビームの圧延方向
伝送距離を一定に保持しながら該圧延材端部をレーザ切
断および接合することを特徴とする連続熱間圧延方法に
ある。
な問題を解決したもので、レーザ切断、接合の工程中に
ビーム伝送距離の変化を少なくし、集光ビームの状態を
一定に保ち、常に同じ加工結果が得られる安定したレー
ザ接合が実現できる連続熱間圧延方法を提供するもので
ある。その発明の要旨とするところは、熱間圧延装置の
圧延機の仕上げ入側で、先行の圧延材の後端部と後行の
圧延材の先端部の両方あるいは一方を切断し、その後、
該先行材後端部と後行材先端部を突合せてレーザ接合
し、該接合した圧延材を連続圧延する連続圧延方法にお
いて、該先行材の後端部と該後行材の先端部を切断及び
溶接するレーザビームを固定光源から圧延材走行方向に
伝送し圧延材速度と同期して移動するレーザ切断・接合
機へ伝送する伝送光学系中に圧延材速度の1/2の速度
で圧延方向に追従し折り返し伝送する圧延方向可動折り
返し反射ミラーにより伝送し、レーザビームの圧延方向
伝送距離を一定に保持しながら該圧延材端部をレーザ切
断および接合することを特徴とする連続熱間圧延方法に
ある。
【0007】
【作用】以下、本発明について図面に従って詳細に説明
する。図1はレーザビーム伝送に係る工程設備を説明す
るための概念図である。レーザ切断・接合機は走行中の
圧延材を切断・接合するもので、このレーザ切断・接合
機は固定光源であるレーザ発振器2とそのビームを受け
速度に同期しながら、圧延材を圧延方向に追従する圧延
方向可動反射ミラー3、更にはそのビームを受け垂直方
向に昇降する垂直方向可動反射ミラー4、最終的にビー
ムを受け幅方向に動きながら圧延材を接合する幅方向可
動集光ミラー5で構成される。符号6は走間シャーであ
り、7はピンチロール、8は搬送ロール、9は突合せシ
ームを検出するセンサーである。図1に示すように、先
行材1aの後端部と後行材1bの後端をレーザビームに
より接合することにより、圧延材の幅方向平行に接合さ
れている状況が判る。
する。図1はレーザビーム伝送に係る工程設備を説明す
るための概念図である。レーザ切断・接合機は走行中の
圧延材を切断・接合するもので、このレーザ切断・接合
機は固定光源であるレーザ発振器2とそのビームを受け
速度に同期しながら、圧延材を圧延方向に追従する圧延
方向可動反射ミラー3、更にはそのビームを受け垂直方
向に昇降する垂直方向可動反射ミラー4、最終的にビー
ムを受け幅方向に動きながら圧延材を接合する幅方向可
動集光ミラー5で構成される。符号6は走間シャーであ
り、7はピンチロール、8は搬送ロール、9は突合せシ
ームを検出するセンサーである。図1に示すように、先
行材1aの後端部と後行材1bの後端をレーザビームに
より接合することにより、圧延材の幅方向平行に接合さ
れている状況が判る。
【0008】図2はレーザビーム伝送に係る工程設備を
説明するための平面図である。レーザ発振器2よりビー
ム変換器10を介して、追従する圧延方向可動反射ミラ
ー3、最終的にビームを受け幅方向に動きながら圧延材
を接合する幅方向可動集光ミラー5により構成される。
この工程は全て熱延材が動いた状態で行う走間工程であ
る。従って、従来の伝送方法では図2に示すようにレー
ザ切断、レーザ溶接の工程中においてレーザビームの伝
送距離が大きく変化する。(ビームはそれぞれの工程に
おいて、レーザ発振器から開始位置と終了位置の距離の
差分だけ伝送距離が工程中に変化する。)
説明するための平面図である。レーザ発振器2よりビー
ム変換器10を介して、追従する圧延方向可動反射ミラ
ー3、最終的にビームを受け幅方向に動きながら圧延材
を接合する幅方向可動集光ミラー5により構成される。
この工程は全て熱延材が動いた状態で行う走間工程であ
る。従って、従来の伝送方法では図2に示すようにレー
ザ切断、レーザ溶接の工程中においてレーザビームの伝
送距離が大きく変化する。(ビームはそれぞれの工程に
おいて、レーザ発振器から開始位置と終了位置の距離の
差分だけ伝送距離が工程中に変化する。)
【0009】さらに、この工程での熱延材の走行速度V
L は100m/minのオーダであるので、レーザ切
断、接合とも数秒の工程ではあるが、伝送距離の変化は
10m程度になる。さらにレーザ発振器出口から加工点
までの距離は最長位置で20〜30mであるので、伝送
距離の変化を割合で表すと、30%以上の大きな変化に
なる。従来の伝送方式では、ビーム伝送距離l1 ,
l2 ,l3 とすると、全伝送距離Lt(t)=l1 +l
2 +l3 は加工と共にl2 が板搬送速度と同じ速度で変
化するため、板圧延速度をVL とすると、l2 (t)=
120+V1 ×tで(120:加工開始時のl2 )、Lt
(t)=l1+l2 +l3 =l1 +120+VL ×t+l
3 のように伝送距離が変化する。
L は100m/minのオーダであるので、レーザ切
断、接合とも数秒の工程ではあるが、伝送距離の変化は
10m程度になる。さらにレーザ発振器出口から加工点
までの距離は最長位置で20〜30mであるので、伝送
距離の変化を割合で表すと、30%以上の大きな変化に
なる。従来の伝送方式では、ビーム伝送距離l1 ,
l2 ,l3 とすると、全伝送距離Lt(t)=l1 +l
2 +l3 は加工と共にl2 が板搬送速度と同じ速度で変
化するため、板圧延速度をVL とすると、l2 (t)=
120+V1 ×tで(120:加工開始時のl2 )、Lt
(t)=l1+l2 +l3 =l1 +120+VL ×t+l
3 のように伝送距離が変化する。
【0010】図3は熱延バーの幅方向よりレーザ加工光
学系の斜視図である。45°反射鏡である垂直方向可動
反射ミラー4と集光系11は10〜30m/minの速
度Vcで移動し、その範囲は1〜1.5mである。この
程度の変化であれば全伝送距離の10%以下の変化しか
ないので、板幅方向の伝送距離の変化は特に気にする必
要はない。問題は圧延方向の伝送距離の変化分である。
学系の斜視図である。45°反射鏡である垂直方向可動
反射ミラー4と集光系11は10〜30m/minの速
度Vcで移動し、その範囲は1〜1.5mである。この
程度の変化であれば全伝送距離の10%以下の変化しか
ないので、板幅方向の伝送距離の変化は特に気にする必
要はない。問題は圧延方向の伝送距離の変化分である。
【0011】図4はレーザ発振器1台の場合のレーザ切
断およびレーザ溶接での開始点と終了点を示す図であ
る。また、図5はレーザ発振器2台の場合のレーザ切断
およびレーザ溶接での開始点と終了点を示す図である。
それぞれの加工でレーザ加工ヘッド(切断ヘッド12、
溶接ヘッド13)はライン方向に速度VL とバーの幅方
向に速度VC で移動走査されるので、ヘッドの軌跡は斜
の移動線となる。図5の場合は1台のレーザが片側の加
工を実施し全加工時間を半分にする作用となる。
断およびレーザ溶接での開始点と終了点を示す図であ
る。また、図5はレーザ発振器2台の場合のレーザ切断
およびレーザ溶接での開始点と終了点を示す図である。
それぞれの加工でレーザ加工ヘッド(切断ヘッド12、
溶接ヘッド13)はライン方向に速度VL とバーの幅方
向に速度VC で移動走査されるので、ヘッドの軌跡は斜
の移動線となる。図5の場合は1台のレーザが片側の加
工を実施し全加工時間を半分にする作用となる。
【0012】図2から図5で示すレーザビームの伝送距
離が大きく変化している。図5でのP0 とP1 そしてP
2 とP3 は3〜4mであり、P0 とP3 では8〜10m
となる。この伝送距離の変化は加工点でのレーザビーム
の集光に大きな影響を及ぼし、連続的な工程中の集光状
態の変化は加工開始点と終了点での加工状態に差異を発
生させてしまう。つまり、安定的なレーザ切断や溶接が
得られない。図6はレーザ発振器から12m位置で同じ
レンズで集光した場合のビーム集光径を示したグラフで
ある。
離が大きく変化している。図5でのP0 とP1 そしてP
2 とP3 は3〜4mであり、P0 とP3 では8〜10m
となる。この伝送距離の変化は加工点でのレーザビーム
の集光に大きな影響を及ぼし、連続的な工程中の集光状
態の変化は加工開始点と終了点での加工状態に差異を発
生させてしまう。つまり、安定的なレーザ切断や溶接が
得られない。図6はレーザ発振器から12m位置で同じ
レンズで集光した場合のビーム集光径を示したグラフで
ある。
【0013】図7はレーザ発振器から21m位置で同じ
レンズで集光した場合のビーム集光径を示したグラフで
ある。12m伝送では最小集光径が0.3mm程度であ
るのに対し、21m伝送した後では最小集光径が0.5
mmに拡大している。レーザ加工現象の一番大きな支配
パラメータである集光点でのレーザ出力密度は集光径の
二乗に反比例するので、この場合パワー密度は約3倍も
変化することになる。これでは12m伝送時の加工特性
と21m伝送時の加工特性は全く異なるものになる。
レンズで集光した場合のビーム集光径を示したグラフで
ある。12m伝送では最小集光径が0.3mm程度であ
るのに対し、21m伝送した後では最小集光径が0.5
mmに拡大している。レーザ加工現象の一番大きな支配
パラメータである集光点でのレーザ出力密度は集光径の
二乗に反比例するので、この場合パワー密度は約3倍も
変化することになる。これでは12m伝送時の加工特性
と21m伝送時の加工特性は全く異なるものになる。
【0014】図8は伝送距離が変化したときの集光点で
の出力密度分布を示す図である。図8(A)は12m、
図8(B)は21mのそれぞれの伝送での300mm集
光レンズでの集光ビームの強度分布を示している。伝送
距離が変化することにより集光径が変化するだけでな
く、出力密度分布の形状も変化する。これもレーザ加工
現象を支配する大きなパラメータであり、出力密度分布
が異なると加工結果は大きく変化する。
の出力密度分布を示す図である。図8(A)は12m、
図8(B)は21mのそれぞれの伝送での300mm集
光レンズでの集光ビームの強度分布を示している。伝送
距離が変化することにより集光径が変化するだけでな
く、出力密度分布の形状も変化する。これもレーザ加工
現象を支配する大きなパラメータであり、出力密度分布
が異なると加工結果は大きく変化する。
【0015】図9は本発明に係る伝送光学系を示す図で
ある。ビーム伝送距離l1 ,l2 ,l3 ,l4 ,l5 と
すると、全伝送距離はLt(t)=l1 +l2 +l3 +
l4+l5 で表されるが、l2 ,l4 ,l5 は工程中に
変化する。ここでl5 の変化は板幅方向に切断、溶接す
ることによる変化であり、その量は切断時において1〜
2m、溶接時においては、さらにその1/5程度の量で
あり、これによって集光特性に大きな影響を与えること
はない。圧延方向には、前述したように10mのオーダ
ーの変化を伴う。
ある。ビーム伝送距離l1 ,l2 ,l3 ,l4 ,l5 と
すると、全伝送距離はLt(t)=l1 +l2 +l3 +
l4+l5 で表されるが、l2 ,l4 ,l5 は工程中に
変化する。ここでl5 の変化は板幅方向に切断、溶接す
ることによる変化であり、その量は切断時において1〜
2m、溶接時においては、さらにその1/5程度の量で
あり、これによって集光特性に大きな影響を与えること
はない。圧延方向には、前述したように10mのオーダ
ーの変化を伴う。
【0016】本発明は、反射鏡箱14中に配設した圧延
方向可動反射ミラー32 、33 による折り返し伝送を挿
入することにより走間レーザ加工においても圧延方向の
ビーム伝送距離を一定に保つ伝送光学系である。仮に、
板の速度をVL とすると、この時に図9の伝送系で圧延
方向可動反射ミラー32 、33 による折り返し光学系を
熱延材の圧延方向と同方向に速度VL /2で動かした場
合、l2 は時間と共にl2 (t)=120+VL /2×t
となり、l4 は時間と共にl4 (t)=140−VL /2
×tとなる(120:加工開始時のl2 、140:加工開始
時のl4 )。すなわち、l2 (t)+l4 (t)=120
+140=一定となる。前述のように図9では、Lt=l
1 +l2 +l3 +l4 +l5 であるので、上記l2 、l
4 を代入するとLは変化しないことになる。(厳密には
l5 の変化分だけ変化するがこの値は小さく無視出来
る)従って、本発明の伝送光学系を熱延連続化に適用す
ることで、工程中の伝送距離の変化を無くし、集光状態
が常に一定となり、安定した加工結果を得ることが出来
る。
方向可動反射ミラー32 、33 による折り返し伝送を挿
入することにより走間レーザ加工においても圧延方向の
ビーム伝送距離を一定に保つ伝送光学系である。仮に、
板の速度をVL とすると、この時に図9の伝送系で圧延
方向可動反射ミラー32 、33 による折り返し光学系を
熱延材の圧延方向と同方向に速度VL /2で動かした場
合、l2 は時間と共にl2 (t)=120+VL /2×t
となり、l4 は時間と共にl4 (t)=140−VL /2
×tとなる(120:加工開始時のl2 、140:加工開始
時のl4 )。すなわち、l2 (t)+l4 (t)=120
+140=一定となる。前述のように図9では、Lt=l
1 +l2 +l3 +l4 +l5 であるので、上記l2 、l
4 を代入するとLは変化しないことになる。(厳密には
l5 の変化分だけ変化するがこの値は小さく無視出来
る)従って、本発明の伝送光学系を熱延連続化に適用す
ることで、工程中の伝送距離の変化を無くし、集光状態
が常に一定となり、安定した加工結果を得ることが出来
る。
【0017】
【実施例】加熱炉で加熱されたスラブを粗圧延機によっ
て圧延された後の板厚60mm、幅1980mm、温度
1000℃、100mpmで走行中の先行圧延材の後端
部と同条件の後行圧延材の先端部をそれぞれベンデュラ
ムシャーで切断して端部形状を備えて突合わせ、レーザ
出力25kwとし、集光距離300mmの集光ミラーで
集光し、切断速度60mm/secで溶接速度30mm
/secなる条件のレーザ装置を用いて、ライン速度1
00m/minとするとき、反射鏡箱移動速度は50m
/minでレーザビーム伝送距離21mと一定状態に保
持しながら安定したレーザ切断及び溶接が可能となっ
た。その後仕上げ圧延機を用いて連続熱間圧延を行い、
板厚6mmの製品を仕上げるも、全く破断なく良好な圧
延が行われた。
て圧延された後の板厚60mm、幅1980mm、温度
1000℃、100mpmで走行中の先行圧延材の後端
部と同条件の後行圧延材の先端部をそれぞれベンデュラ
ムシャーで切断して端部形状を備えて突合わせ、レーザ
出力25kwとし、集光距離300mmの集光ミラーで
集光し、切断速度60mm/secで溶接速度30mm
/secなる条件のレーザ装置を用いて、ライン速度1
00m/minとするとき、反射鏡箱移動速度は50m
/minでレーザビーム伝送距離21mと一定状態に保
持しながら安定したレーザ切断及び溶接が可能となっ
た。その後仕上げ圧延機を用いて連続熱間圧延を行い、
板厚6mmの製品を仕上げるも、全く破断なく良好な圧
延が行われた。
【0018】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によるレーザ
切断および接合の工程中にビーム伝送距離の変化を少な
くし、集光ビームの状態を一定に保ち、常に加工結果が
得られるようにすることにより、安定したレーザ切断お
よび接合の実現が可能となり粗圧延後の圧延材を先行す
る仕上げ圧延中の圧延材に材料を停止することなく、連
続的に仕上げ圧延がされると共に、品質の良好な熱間圧
延材を得ることが出来、生産性の向上並びに圧延品質の
向上を図ることが出来る優れた効果を奏するものであ
る。
切断および接合の工程中にビーム伝送距離の変化を少な
くし、集光ビームの状態を一定に保ち、常に加工結果が
得られるようにすることにより、安定したレーザ切断お
よび接合の実現が可能となり粗圧延後の圧延材を先行す
る仕上げ圧延中の圧延材に材料を停止することなく、連
続的に仕上げ圧延がされると共に、品質の良好な熱間圧
延材を得ることが出来、生産性の向上並びに圧延品質の
向上を図ることが出来る優れた効果を奏するものであ
る。
【図1】レーザビーム伝送に係る工程設備を説明するた
めの概念図、
めの概念図、
【図2】レーザビーム伝送に係る工程設備を説明するた
めの平面図、
めの平面図、
【図3】熱延バーの幅方向よりレーザ加工光学系の斜視
図、
図、
【図4】レーザ発振器1台の場合のレーザ切断およびレ
ーザ溶接での開始点と終了点を示す図、
ーザ溶接での開始点と終了点を示す図、
【図5】レーザ発振器2台の場合のレーザ切断およびレ
ーザ溶接での開始点と終了点を示す図、
ーザ溶接での開始点と終了点を示す図、
【図6】レーザ発振器から12m位置で同じレンズで集
光した場合のビーム集光径を示したグラフ、
光した場合のビーム集光径を示したグラフ、
【図7】レーザ発振器から21m位置で同じレンズで集
光した場合のビーム集光径を示したグラフ、
光した場合のビーム集光径を示したグラフ、
【図8】本発明に係る伝送距離が変化したときの集光点
でのパワー密度分布を示す図、
でのパワー密度分布を示す図、
【図9】本発明に係る伝送光学系を示す図である。
【符号の説明】 1a 先行材後端コイル 1b 後行材先端コイル 2 レーザ発振器 3、31 、32 、33 、34 圧延方向可動反射ミラー 4、4´ 垂直方向可動反射ミラー 5 幅方向可動集光ミラー 6 走間シャー 7 ピンチロール 8 搬送ロール 9 イメージセンサー 10 ビーム変換器 11 集光系 12、12´ 切断ヘッド 13、13´ 溶接ヘッド 14 反射鏡箱 l1 、l2 、l3 、l4 、l5 、l2 ´、l4 ´ ビー
ム伝送距離 P0 レーザ切断開始点 P1 レーザ切断終了点 P2 レーザ溶接開始点 P3 レーザ溶接終了点
ム伝送距離 P0 レーザ切断開始点 P1 レーザ切断終了点 P2 レーザ溶接開始点 P3 レーザ溶接終了点
フロントページの続き (72)発明者 浜田 直也 神奈川県相模原市淵野辺5−10−1 新 日本製鐵株式会 エレクトロニクス研究 所内 (56)参考文献 特許2947612(JP,B2) 国際公開94/16838(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 1/26 B21B 15/00 B23K 26/00 B23K 26/06 B23K 26/08
Claims (1)
- 【請求項1】 熱間圧延装置の圧延機の仕上げ入側で、
先行の圧延材の後端部と後行の圧延材の先端部の両方あ
るいは一方を切断し、その後、該先行材後端部と後行材
先端部を突合せてレーザ接合し、該接合した圧延材を連
続圧延する連続圧延方法において、該先行材の後端部と
該後行材の先端部を切断及び溶接するレーザビームを固
定光源から圧延材走行方向に伝送し圧延材速度と同期し
て移動するレーザ切断・接合機へ伝送する伝送光学系中
に圧延材速度の1/2の速度で圧延方向に追従し折り返
し伝送する圧延方向可動折り返し反射ミラーにより伝送
し、レーザビームの圧延方向伝送距離を一定に保持しな
がら該圧延材端部をレーザ切断および接合することを特
徴とする連続熱間圧延方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06685594A JP3311475B2 (ja) | 1994-04-05 | 1994-04-05 | 連続熱間圧延方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06685594A JP3311475B2 (ja) | 1994-04-05 | 1994-04-05 | 連続熱間圧延方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07275905A JPH07275905A (ja) | 1995-10-24 |
JP3311475B2 true JP3311475B2 (ja) | 2002-08-05 |
Family
ID=13327891
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06685594A Expired - Fee Related JP3311475B2 (ja) | 1994-04-05 | 1994-04-05 | 連続熱間圧延方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3311475B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1743728B1 (de) * | 2005-07-16 | 2010-12-29 | Ideal-Werk C. & E. Jungeblodt GmbH & Co.KG | Laser-Bandschweissmaschine und Verfahren zum Schweissen eines Bandes |
JP5258391B2 (ja) * | 2008-05-30 | 2013-08-07 | 株式会社N.P.W技研 | 被覆テープ分断方法及び被覆テープ分断装置 |
-
1994
- 1994-04-05 JP JP06685594A patent/JP3311475B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07275905A (ja) | 1995-10-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5994665A (en) | Method of continuous hot rolling and apparatus for welding steel bars thereof | |
EP0753359B1 (en) | Method and apparatus for continuous finishing hot-rolling a steel strip | |
JP3311475B2 (ja) | 連続熱間圧延方法 | |
JP3120013B2 (ja) | 熱間圧延鋼片の接合方法 | |
JP3215327B2 (ja) | 鋼帯の連続熱間仕上圧延方法 | |
JPS6363586A (ja) | クラツドストリツプの製造方法 | |
JP2911744B2 (ja) | アルミニウム合金ストリップのレーザ接合方法 | |
JP2991921B2 (ja) | 連続熱間圧延におけるレーザ切断方法 | |
JP3267795B2 (ja) | 連続熱間圧延におけるレーザ接合方法 | |
JP2947612B2 (ja) | 連続熱間圧延方法およびその圧延材接合装置 | |
JPH046441B2 (ja) | ||
JP3023261B2 (ja) | 鋼片の接合用設備列 | |
JPH08294703A (ja) | 熱間圧延における鋼片の接合方法 | |
JP3210542B2 (ja) | 鋼片の接合におけるレーザ仮付溶接方法 | |
JPH08257775A (ja) | 熱間圧延鋼片の接合方法 | |
JP2871404B2 (ja) | 複合熱源溶接製管方法 | |
JPH10272585A (ja) | 熱間圧延鋼片の突合せ溶接方法およびその装置 | |
JPH07251280A (ja) | アルミ合金連続圧延工程でのレーザ溶接法 | |
JPH07256305A (ja) | 連続熱間圧延方法 | |
JPH07256304A (ja) | 連続熱間圧延方法 | |
AU710706B2 (en) | Method and apparatus for continuous finishing hot-rolling a steel strip | |
JP3670817B2 (ja) | 熱間連続圧延のための鋼材接合方法 | |
JP3328503B2 (ja) | 連続熱間圧延における被圧延材の接合方法 | |
JPH0330473B2 (ja) | ||
JPH11226762A (ja) | 鋼板の溶接速度とウィービング幅の決定方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20020514 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |