JP3310669B2 - 抗菌性ジアルデヒド組成物およびその使用法 - Google Patents

抗菌性ジアルデヒド組成物およびその使用法

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 この発明は、一般的には抗菌性組成物に関し、特に、
ジアルデヒド抗菌剤と炭水化物またはポリオールとの付
加物を含有する安定な抗菌性組成物であって、水性液と
接触したときに活性形態のジアルデヒドを再生する抗菌
性組成物に関する。
発明の背景 抗菌性組成物は長い間にわたって使用されてきてお
り、多数の異なる化合物から調製することができる。次
亜塩素酸ナトリウムは家庭用および病院用の多くの抗菌
剤の活性成分として用いられている。消毒薬は通常は有
機物の存在下でその活性を幾分損なうが、次亜塩素酸塩
は特にそれらの殺菌能を大幅に失う。この原因は、抗菌
剤を使用する場所に一般的に存在する有機物に対して、
次亜塩素酸と次亜塩素酸塩イオンが高い反応性を示すか
らである。従って、多くの場合、次亜塩素酸塩含有洗浄
用組成物を適正に使用するためには、有機汚染物を予め
除去しなければならない。さらに、塩素含有消毒薬は使
用に際して耐え難い臭気を発する。
炭素原子数2〜6の飽和ジアルデヒド、例えばグルタ
ルアルデヒドは特に有効な殺菌剤として知られており、
他の薬剤、例えば塩素含有化合物の欠点を有していな
い。ジアルデヒド、特にグルタルアルデヒドは、加熱殺
菌が不適当または実際的でないような、例えば耐熱性の
ない器具類等を取り扱う病院並びに医師および歯科医師
の診療室等において、手術用器具やカテーテル等を殺菌
するための冷殺菌剤として使用されている。グルタルア
ルデヒドは、pHが7以上の抗菌剤としては最も活性が高
い。
しかしながら、グルタルアルデヒドは、その用途を制
限するか、または妨げるいくつかの重大な欠点を有して
いる。グルタルアルデヒドは強烈な催涙性蒸気を発生
し、吸収状態または液状状態でも耐え難い臭気を発す
る。グルタルアルデヒドは高濃度、即ち、約50%以上の
濃度では単独重合してその抗菌特性を喪失する傾向があ
る。さらに、この重合し易い傾向は、グルタルアルデヒ
ドが最も高い抗菌活性を発揮するpH領域(中性〜アルカ
リ性領域)において促進される。グルタルアルデヒド水
溶液のpHを7よりも高くするか、または、該水溶液の水
を蒸発させると、グルタルアルデヒドは非常に速く重合
してその抗菌特性を失う。このため、グルタルアルデヒ
ドは濃度が50%よりも低い水溶液としてpHが7よりも低
い状態、好ましくは5よりも低い状態で保存しなければ
ならない。
市販のグルタルアルデヒドは、保存中の単独重合を最
少にするために、緩衝液処理によってpHが酸性側(3.1
〜4.5)に調製された25〜50%の水溶液として販売され
ている。しかしながら、このようなpH領域においては、
グルタルアルデヒドの抗菌活性は低いため、該水溶液の
pHは使用直前に7.5〜8.5に調整しなければならない。こ
のような問題に対処するために、数名の配合者による二
液系の使用がおこなわれている。即ち、第一の系は使用
溶液(典型的には、緩衝液処理によってpHが3.1〜4.5に
調整された2〜3%のグルタルアルデヒド水溶液)であ
り、第二の系はアルカリ化活性剤である。二液系の混合
溶液の貯蔵寿命は数週間であるために、二成分は使用直
前に混合される。この混合によって系のpHは最適な値ま
で高められるので、グルタルアルデヒドは活性化され
る。この種の二液系は使用に不便なだけでなく、分配さ
れた使用溶液状態での最終的なユーザーまでの輸送費も
高くなる。また、グルタルアルデヒド水溶液はpHが7よ
りも高くなると不安定になるため、活性化剤の現場での
使用は不可避的なものとなっている。
グルタルアルデヒド抗菌性組成物を配合するための多
くの試みがなされている。例えば、ブーシェ(Bouche
r)による米国特許第3,968,250号明細書には、グルタル
アルデヒドをpH7で安定化するクエン酸ナトリウムおよ
びアルコールもしくはジオールを含有する2%水性グル
タルアルデヒド組成物(pH6〜7.4)が開示されている。
また、フェローズ(Fellows)による米国特許第4,122,1
92号明細書には、固体状の不活性キャリヤーに吸収させ
たグルタルアルデヒドを乾燥アルカリ化剤と配合した組
成物が記載されており、該組成物は殺菌活性と殺胞子活
性を有するとされている。さらに、ウォーナー(Warne
r)らによる米国特許第4,448,977号明細書には、組成物
に水を添加した後、数時間でグルタルアルデヒドを生成
する液状のアセタールと酸との混合物の合成法が記載さ
れている。
ヨーロッパ特許出願第046 375号明細書には、典型的
にはジオール20%とグルタルアルデヒド2.5%を含有
し、臭気が抑制されたグルタルアルデヒド組成物が開示
されている。また、独国特許DE 3517548号明細書には、
界面活性剤、トリポリ燐酸ナトリウム、硫酸ナトリウム
およびクメンスルホン酸ナトリウムとの混合物に吸収さ
せたグルタルアルデヒドとグリセリンの無水付加物を18
%含有する消毒性組成物が記載されている。該付加物
は、グルタルアルデヒドをpH6.5まで中和した後で形成
される。前記の特許は種々の配合処方によってグルタル
アルデヒドの安定性の改良を計るものであるが、実用的
見地からは不十分であって、長期間にわたって安定な配
合処方は実証されていない。
英国特許出願第2,017,124号明細書には、二官能性ア
ルデヒド(例えば、グルタルアルデヒド等)とポリオー
ル(例えば、糖炭水化物および特定のポリヒドロキシア
ルコール等)を水の存在下で反応させることによって樹
脂状付加物を製造する方法が開示されている。しかしな
がら、この明細書には、この種の組成物を抗菌的な用途
に供することを教示または開示する旨の記載はない。
世界中の公衆衛生当局者は、エイズウイルス、肝炎ま
たはその他の感染性疾患によって汚染された溢流体液
(spilled body fluids)に関しては一般的な危惧の念
を抱いている。各国の保健当局は、汚染され得る溢流体
液、例えば、血液、嘔吐物、尿および糞便等は消毒剤で
処理するように一致して推奨している。この種の生物学
的な溢流物(spills)は学校、病院、養護施設、航空
機、レストランおよび老人福祉センター等を含む多くの
場所において発生する。
吸湿性の組成物はこの種の生物学的溢流物を除去する
には有効である。何故ならば、該組成物は液状物を迅速
に吸収し、取り扱いが容易な半固体に変化させるからで
ある。このような吸湿性組成物は、体液のような生物学
的溢流物が発生する学校やその他の施設において有用で
ある。生物学的溢流物と接触させたときにこれを吸収
し、該溢流物で汚染された領域を、人間の手が触れる前
に消毒するような抗菌性組成物の重要性はますます高く
なってきている。塩素源を含有する吸湿性組成物は知ら
れている。しかしながら、抗菌性ジアルデヒド、例え
ば、グルタルアルデヒドを含有する吸湿性の製品は現在
のところ提供されていない。
このため、種々の方法で使用できて必要に応じて抗菌
性作用を発揮するような安定な抗菌性組成物が依然とし
て要請されている。
発明の概要 本発明者によれば、通常の貯蔵温度よりも高い融点を
有する固体状ジアルデヒドヘミアセタールが優れた安定
性を有し、固体状キャリヤーに吸収されたシロップ状の
グルタルアルデヒド誘導体または液状のグルタルアルデ
ヒドを用いることによって従来不可能であった配合の融
通性と可能性をもたらすことが見出された。即ち、この
発明は、有効量の抗菌性ジアルデヒド(例えば、グルタ
ルアルデヒド)および有効安定化量のポリヒドロキシ化
合物(例えば、炭水化物またはポリオール)を含有し、
汚染された表面の防腐処理、衛生化処理、消毒処理また
は殺菌処理に使用し得る安定な固体状もしくは半固体状
抗菌性組成物に関する。好ましい炭水化物は単糖類、二
糖類、少糖類、多糖類、これらの誘導体および以上の化
合物の任意の混合物であって、その使用量は、組成物を
安定な固体にするのに有効な量である。ポリオールは好
ましくは糖アルコールであり、組成物を安定な半固体ま
たは粘稠液体にする。本発明による抗菌性組成物には他
の成分、例えば、組成物を活性な抗菌性形態で用いたと
き、pHを最適な抗菌活性が得られるような範囲に維持す
るのに有効な量の緩衝剤を配合してもよい。抗菌性のジ
アルデヒドは、本発明による組成物が水性液と接触した
ときに、活性な抗菌性形態で放出される。
本発明による組成物は、グルタルアルデヒド水溶液を
ポリオールまたは炭水化物と混合することによって調製
される。水を減圧下で除去し、および/または加熱をお
こなうことによって無色粘稠液の付加物を形成させる。
冷却することにより、該粘稠液の一部が固化し、粉末化
し得る固体またはブロック状固体が形成される。このよ
うにして調製された付加物を、酸性、中性またはアルカ
リ性の水中に溶解させると、グルタルアルデヒドが直ち
に放出される。本発明による組成物は、抗菌性ジアルデ
ヒドと炭水化物またはポリオールとの混合物として調製
してもよく、あるいは、ジアルデヒド抗菌剤の−CHO基
と炭水化物またはポリオールの−OH基を反応させて得ら
れる縮合生成物として調製してもよい。
本発明による抗菌性組成物は優れた抗菌活性を発揮す
るだけでなく、液体グルタルアルデヒドの使用に付随す
る問題点、即ち、貯蔵時の不安定性、活性の喪失、催涙
性蒸気および耐え難い臭気等の問題点は有さない。この
組成物は貯蔵中は驚くほど安定であり、水性液と接触す
ると、驚くほど高い抗菌活性を発揮する。この組成物
は、有効量のジアルデヒド抗菌剤(例えば、グルタルア
ルデヒド)が早急に必要な場合に特に有用である。
本発明による固体状組成物は、水性液吸収剤、例え
ば、無機または有機の粒状キャリヤーを配合することに
よって、吸湿性の組成物として調製してもよい。このよ
うにして調製される固体状の微細に分割された吸湿性組
成物は水性液、例えば、生物学的溢流液と接触すると、
これを吸収して消毒する。
この抗菌性組成物は種々の形態の製品中に収納して使
用することによって抗菌性活性を発揮するようにしても
よく、この場合、グルタルアルデヒドは好適なものであ
るが、その安定性と液体特性は従来の製品中に収納して
使用する場合の障害となっていた。本発明による吸湿性
組成物は、例えば、水溶性、感水性または吸水性のポリ
マー材料製のパケットまたはパウチに収納することによ
って、吸湿性の抗菌性物品を調製してもよく、該抗菌性
物品は生物学的溢流液と接触すると、これを効果的に吸
収して消毒する。
この出願で用いる「抗菌性(antimicrobial)」とい
う用語は、汚染された表面または領域を、微生物を殺す
ことによって防腐処理(preserve)、衛生化処理(sani
tize)、消毒処理(disinfect)または殺菌処理(steri
lize)し得る特性を有することを意味する。これらの
「防腐処理」、「衛生化処理」、「消毒処理」および
「殺菌処理」という用語は、微生物を殺す速度が遅い処
理(防腐処理)から全微生物を完全に死滅させる処理
(殺菌処理)にわたる組成物の微生物を死滅させる特性
の程度に関するものである。
本発明の一態様は、汚染させた表面に係わる殺菌的な
用途に用いられる抗菌性組成物が含まれる。本発明の別
の態様には、固体状の微細に分割された吸湿性の抗菌性
組成物が含まれる。本発明のさらに別の態様には、水溶
性、感水性または吸水性のポリマー材料製パケットまた
はパウチに抗菌性組成物または吸湿性組成物を収納して
成る物品が含まれる。本発明のさらにまた別の態様に
は、上記の組成物および物品を用いて、汚染された表面
または領域を防腐処理、衛生化処理、消毒処理または殺
菌処理する方法が含まれる。
図面の簡単な説明 図1は、本発明によるスクロース−グルタルアルデヒ
ドヘミアセタールと従来技術によるグリセロール−グル
タルアルデヒドヘミアセタールを密閉瓶に25℃で貯蔵し
たときの相対的安定性を対比したグラフである。
図2は、本発明によるスクロース−グルタルアルデヒ
ドヘミアセタールと従来技術によるグリセロール−グル
タルアルデヒドヘミアセタールを密閉瓶に40℃で貯蔵し
たときの相対的安定性を対比したグラフである。
図3は、本発明によるスクロース−グルタルアルデヒ
ドヘミアセタールと従来技術によるグリセロール−グル
タルアルデヒドヘミアセタールを開放瓶に40℃に貯蔵し
たときの相対的安定性を対比したグラフである。
図4は、本発明によるスクロース−グルタルアルデヒ
ドヘミアセタールを種々の条件下で貯蔵したときの相対
的安定性を示すグラフである。
発明の詳細な説明 本発明は、防腐処理、衛生化処理、消毒処理および殺
菌処理のための広範囲の殺菌スペクトル(例えば、殺胞
子特性および殺結核菌特性)を有する一相型(one par
t)の殺菌性組成物に関するものであって、該組成物は
病院、医師や歯科医師の診療室および獣医の治療現場等
において冷殺菌剤として特に有用である。本発明による
組成物は、抗菌性ジアルデヒドおよびポリヒロドキシ化
合物、例えば、炭水化物またはポリオールを含有する安
定な配合物であって、水性媒体に溶解すると、直ちにジ
アルデヒド、例えばグルタルアルデヒドを放出する。
抗菌剤 本発明による組成物に配合する抗菌剤の量は、該組成
物の主要成分間で望ましくない相互作用または化学反応
が誘発されない有効量である。抗菌剤は、有害な微生物
を死滅させる殺菌作用を発揮する。
本発明による組成物に配合する抗菌剤は抗菌性ジアル
デヒド類である。一般的には、この種のジアルデヒド類
は、次式OHC−R−CHO(式中、RはC1〜C4アルキレン基
または共有単結合を含む残基を示す)で表わされる。幾
分詳述するならば、Rはメチレン、エチレン、プロピレ
ンおよびブチレンのような低級アルキレン基を含む残基
から選択される基または2つのカルボニル基間の共有単
結合を示す。好ましい抗菌剤はC2〜C6飽和ジアルデヒド
であって、例えば、スクシンアルデヒド、マロンアルデ
ヒド、アシプアルデヒド、グリオキサールおよびグルタ
ルアルデヒドが適当である。
次式OHC(CH23CHOで表わされるグルタルアルデヒド
は抗菌剤としては特に好ましいものである。ユニオン・
カーバイド社(Union Carbide)製の「ウカルシド(Uc
arcide)225」および「ウカルシド250」はそれぞれ25%
および50%の活性溶液であるグルタルアルデヒド組成物
として市販されている。グルタルアルデヒドは、pHが酸
性領域の溶液中で安定であるが、殺菌剤としての活性は
劣る。典型的なグルタルアルデヒド溶液はpHが3.1〜4.5
のときに最も安定である。pHがアルカリ性領域のグルタ
ルアルデヒド溶液は殺菌剤としてはより有効であるが、
安定性が劣り、重合しやすい。
グルタルアルデヒドは、滅菌特性を有する数少ない殺
菌剤のうちの1種であって、ミコバクテリウム結核菌、
ウィルス、胞子および植物性細胞を含むあらゆる種類の
微生物を死滅させ得る。グルタルアルデヒドは手術用器
具数の殺菌処理に対して特に需要があり、就中、加熱殺
菌処理が実際的でないような情況下または被処理物品が
熱損傷を受けるような場合において使用する殺菌剤とし
て供給されている。
前述のように、グルタルアルデヒドは、最も高い活性
を示すpH領域においては単独重合を非常におこしやす
い。このため、従来から、殺菌用のグルタルアルデヒド
は商業的な観点から、調製時から使用時までの期間中の
単独重合を避けるために、活性強度が一般に25〜50%の
水溶液として販売されており、最終的な使用溶液は、pH
が3.1〜4.5で、活性強度が通常は2〜3%水溶液であ
る。このことは、使用溶液のpHを約8〜9に調整するた
めに、アルカリ化剤を使用直前に添加しなければならな
いことを意味する。このため、従来品は二液系にしなけ
ればならなかった。しかしながら、二液系の場合には、
pHを確実に適切な範囲に調整するために各系をあらかじ
め計量しなければならず、その使用は極めて不便であ
る。
グルタルアルデヒドのpH調整の重要性は強調しすぎる
ことはない。例えば、pHが8.5のときの殺菌速度は、pH
が5.0のときよりも約20倍も速い。このような相違は、
細胞壁の表面アミン基が、pHが酸性条件下においてプロ
トン化されるか、またはアミン塩を形成すると、この殺
菌剤の殺菌速度が遅延化することによってもたらされる
ものと考えられる。この場合、グルタルアルデヒドは、
内部のpHがより中性である細胞壁を貫通して内部の遊離
アミン基と反応することによってその活性を発揮するも
のと考えられる。pHの値が低くなればなるほど、プロト
ン化される表面アミンの数が多くなり、殺菌効果の発現
がより遅くなる。
抗菌作用の様式を説明するために、グルタルアルデヒ
ドのような抗菌剤による微生物の不活性化に関しては異
なる機構が提案されている。一つの見解は、最終的な殺
菌効果は、殺菌剤が微生物の細胞内容物を周囲の媒体中
へ放出させる機能によって発現するというものである。
別の見解によれば、微生物の代謝プロセスに関与する細
胞壁界面と抗菌剤との相互作用によって殺菌効果がもた
らされるとされている。
本発明による抗菌的に有効な組成物は、グルタルアル
デヒドのような抗菌性ジアルデヒドを、該組成物に基づ
いて、約1〜90重量%、好ましくは約20〜70重量%、最
も好ましくは約50〜60重量%含有する。
炭水化物およびポリオール 本発明による抗菌性組成物には、糖のような炭水化物
または糖アルコールのようなポリオールを含むポリヒド
ロキシ化合物をさらに安定化に有効な量配合する。
糖類は、一般的な炭水化物に含まれる比較的簡単な構
成要素を含む分子構造を有する一群の有機化合物であ
る。各々の糖は炭素原子数2〜7、通常は5または6の
連鎖から成る。これらの炭素原子のうちの1個の炭素原
子は、アセタール型またはケタール型で結合していても
よいアルデヒド性酸素原子またはケトン性酸素原子を有
しており、残りの炭素原子は、通常は水素原子およびヒ
ドロキシル基を有している。一般に、糖は多かれ少なか
れ甘味があり、水溶性で、無色無臭の光学的活性物質で
あって加熱すると脱水し、カラメル化した後、炭化す
る。
糖の一部は分離した単一ユニットとして存在する単糖
類である。他の糖類は二糖類、三糖類およびより高位の
サッカリドである。加水分解によって分裂して2個の単
糖類を生成する炭水化物は二糖類と呼ばれる。二糖類
は、1個または2個のカルボニル基を介する単糖類2分
子の縮合反応によって形成される。新たに形成される結
合は酸の影響を受けやすく、また、多くの場合はアルカ
リの影響も受けやすい。酸によって二糖類はそれを構成
する単糖類に加水分解され、遊離のカルボニル基を有す
る二糖類は還元作用を示す。この出願で用いる「少糖
類」という用語は、糖ユニットを3〜15個有する糖ポリ
マーを意味し、また、「多糖類」という用語は、糖ユニ
ットを10個よりも多く有するより高位の糖ポリマーを意
味する。
本発明による組成物の炭水化物成分は、好ましくは1
種または2種以上の単糖類、二糖類、少糖類、多糖類、
これらの誘導体または以上の化合物の任意の混合物を含
む。使用する単糖類には、好ましくはフルクトース、グ
ルコースまたはこれらの任意の混合物が含まれる。二糖
類には、好ましくはスクロース、ラクトース、マルトー
スまたはこれらの任意の混合物が含まれる。本発明によ
る組成物の炭水化物成分は、グルコース反復単位を含む
二糖類、少糖類、多糖類またはこれらの任意の混合物を
含んでいてもよい。炭水化物を配合することによって、
本発明による組成物は安定な固体となる。
グルコース(ブドウ糖)は市場ではコーンシュガーと
して知られており、果物ジュース中に遊離の状態で存在
し、蜂蜜中ではフルクトースと共に遊離の状態で存在す
る。グルコースの商業的な入手源は、酸または酵素で加
水分解したコーンスターチが含まれる。グルコースの最
も一般的な形態は、ブドウ糖水和物と呼ばれているα型
のモノ水和物(融点:80〜85℃)である。フルクトース
(レブロース)は蜂蜜中にグルコースと共に含まれる
が、より一般的には、結合してスクロースとして存在す
る。フルクトースポリマーとしては、ダリア、キクイモ
およびハワイセンネンゾク(Hawaiian ti plant)の塊
茎中の貯蔵炭水化物が知られている。D−フルクトース
は一般的な糖類のうちで最も溶解性が高く、結晶化して
吸湿性の無水β型のものになる(融点:102〜104℃)。
スクロースは、単糖類であるグルコースとフルクトー
スから構成される二糖類であって、六員環中のα−D−
グルコシル残基が五員環中のβ−D−フルクトシド残基
と結合している。スクロースは調査されたあらゆる陸生
植物のジュース中に見出されているが、主としてサトウ
キビやビートを原料として製造されている。スクロース
は水からの晶出によって特徴的な単斜晶系の固体となる
(融点:184℃)。ラクトースまたは乳糖は、調査された
あらゆる哺乳動物の乳汁中に約2〜6%含まれている二
糖類である。市販品はα型のモノ水和物であるが(融
点:201.6℃)、これを93.3℃以上の温度で結晶化させる
と、無水のβ型のものに変化する(融点:252.2℃)。ラ
クトースの場合、β−ガラクトシル残基はグルコースユ
ニットの第4炭素原子上のヒドロキシル酸素原子と結合
し、両方の構成要素が六員環であるために、ラクトース
は還元糖である。マルトースまたは麦芽糖は発芽穀粒中
に存在する二糖類であって、醸造過程の麦芽処理工程中
に生成する。商業的には、マルトースは澱粉のβ−アミ
ラーゼ分解によって製造されている。マルトースは、α
−グルコシル残基が他のグルコースユニットの第4炭素
原子上のヒドロキシル酸素原子と結合した還元性二糖類
であって、両方のグルコースユニットは六員還である。
マルトースは水からの晶出によってβ型のモノ水和物と
なる(融点:102〜103℃)。
種々の少糖類や多糖類も本発明による組成物に配合す
ることができる。好ましい少糖類はスクロースの誘導体
である。多糖類は動植物界に広く分布しており、食糧の
保存料や構造材料として利用されている。適当な多糖類
には澱粉とセルロースが含まれ、これらはそれぞれα−
1,4結合およびβ−1,4結合によって結合したD−グルコ
ピラノシルユニットから構成される。コーンスターチは
本発明による組成物の配合成分としては好ましい多糖類
である。
本発明による組成物に配合する炭水化物は上述の糖類
の種々の誘導体、好ましくはエステルもしくはエーテル
誘導体を含んでいてもよい。炭水化物のエステル誘導体
は、通常は、塩基の存在下において、炭水化物を酸塩化
物または酸無水物を用いて処理することによって製造さ
れる。アノマーを含む炭水化物のすべてのヒドロキシル
基が反応する。炭水化物は、塩基の存在下において、ハ
ロゲン化アルキルを用いて処理することによってエーテ
ルに変換される。完全なエーテル化は該処理を繰り返す
ことによって達成される。炭水化物のエステルとエーテ
ル誘導体は、一部の遊離糖よりも容易にその機能を発揮
するので使用することができる。単糖類は多くのヒドロ
キシル基を有するので、通常は、水に極めて溶解し易い
が、有機溶媒には不溶である。単糖類は精製することが
困難であり、それらの水溶液から水を除去すると、結晶
よりもシロップになり易い。これに対して、エステルや
エーテル誘導体は大部分の他の有機化合物のような挙動
を示し、有機溶媒に溶解し、精製と結晶化は容易であ
る。
本発明による組成物に配合し得るポリオールは、1分
子あたり3個またはそれ以上のヒドロキシル基を有する
ポリヒドロキシルアルコールである。ヒドロキシル基を
3個よりも多く有するポリオールは糖アルコールとして
知られている化合物であって、次式CH2OH(CHOH)nCH2O
H(式中、nは2〜5の数を示す)で表わされる。適当
なポリオールとしては、キシリトール、マルチトール、
ペンタエリスリトール、マンニトール、ソルビトール、
イノシトール、グリセロール、エチレングリコールおよ
び1,4−シクロヘキサンジオール等が例示される。本発
明による組成物に配合するポリオールは抗菌剤を半固体
または粒稠液体にする。
抗菌性組成物は炭水化物またはポリオールを、該組成
物に基づいて、約10〜99重量%、好ましくは約30〜80重
量%、最も好ましくは約40〜50重量%含有する。本発明
による固体状の抗菌性組成物は所望の粒径を有する粒状
体にしてもよく、あるいはブロック状固体にしてもよ
い。
緩衝剤 本発明による抗菌性組成物に緩衝剤を配合し、該組成
物を活性な抗菌性形態で用いたときのそのpHをアルカリ
性領域に維持することができる。組成物を水性液と接触
させたとき、グルタルアルデヒドのようなジアルデヒド
の抗菌活性にとって最適なアルカリ性領域にpHを維持す
る緩衝剤を用いるのが好ましい。本発明による組成物の
抗菌活性に対して有効なpHの範囲は約3〜11、好ましく
は約7〜9である。
本発明による抗菌性組成物に配合してもよい典型的な
緩衝剤としては、下記のものが例示される: 重炭酸ナトリウム/炭酸ナトリウム、酢酸/酢酸ナトリ
ウム、燐酸二水素カリウム/燐酸水素二ナトリウム、カ
コジル酸/カコジル酸ナトリウム、トリス(ヒドロキシ
メチル)アミノメタン塩酸塩/トリス(ヒドロキシメチ
ル)アミノメタン、バルビトン/バルビトンナトリウ
ム、p−フェノールスルホン酸カリウム/p−フェノール
スルホン酸カリウムナトリウム、2−アミノ−2−メチ
ルプロパン−1,3−ジオール塩酸塩/2−アミノ−2−メ
チルプロパン−1,3−ジオール、アンモニア/塩化アン
モニウム、グリシン/ナトリウムグリシネート、トリス
酸マレエート/水酸化ナトリウム、燐酸二水素カリウム
/水酸化ナトリウム、塩酸/コリジン、塩酸/トリス
(ヒドロキシメチル)アミノメタン、塩酸/2−アミノ−
2−メチルプロパン−1,3−ジオール、硼酸/塩化カリ
ウム/水酸化ナトリウムおよび燐酸水素二ナトリウム/
水酸化ナトリウム。その他の適当な無機緩衝剤として
は、硼砂(硼酸ナトリウム)、炭酸カルシウム、水酸化
第一鉄、ライム(炭酸カルシウム)、炭酸水素ナトリウ
ム、燐酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、燐酸二水
素ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリ
ウム、酸化ナトリウムおよび燐酸三ナトリウム等が例示
される。適当な有機緩衝剤としては、安息香酸ナトリウ
ム、クエン酸ナトリウム、フマル酸ナトリウム、グルタ
ル酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウ
ム、オレイン酸ナトリウム、蓚酸ナトリウム、サリチル
酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、琥珀酸ナトリ
ウム、酒石酸ナトリウム、モノエタノールアミン、ジエ
タノールアミンおよびトリエタノールアミン等が例示さ
れる。
本発明による抗菌性組成物は緩衝剤を、該組成物に基
づいて約0〜30重量%、好ましくは約1〜20重量%、最
も好ましくは約1〜5重量%含有する。
吸収剤 本発明による固体状の抗菌性組成物は、乾燥した無機
または有機の粒状キャリヤーを含有する水性液吸収剤の
配合によって、吸湿性組成物にすることができる。抗菌
性組成物は微細に分割した後、乾燥粉末状キャリヤーと
混合することによって、流動性の消毒性粉状混合物にす
るのが好ましい。吸収剤は、生物学的溢流液のような水
性液に組成物を接触させたとき、該水性液の吸収を効果
的に促進する。本発明において使用可能な吸収剤として
は、シリカ、アルカリ金属珪酸塩、ポリアクリレート、
珪藻土、トウモロコシの粉砕穂軸およびこれらの任意の
混合物が例示される。
吸収剤として使用し得るシリカまたは二酸化珪素(Si
O2)は無定形のものが好ましい。無定形のシリカは実質
上脱水された重合シリカであって、珪酸の縮合ポリマー
と考えることができる。本発明による組成物に配合する
のに好ましい無定形シリカは沈降シリカである。沈降シ
リカは非常に微細に分割されたシリカであって、その重
合度は調製法によって制限される。沈降シリカは、通常
は酸中和処理を伴う可溶性珪酸塩の不安定化処理によっ
て調製される。不安定化処理は、無機塩のような重合禁
止剤も含有する溶液中でおこない、これによって極めて
微細な水和シリカの沈澱物が調製される。この沈澱物は
濾過処理に付し、次いで、貯蔵塩が実質上含まれなくな
るまで洗浄した後、所望の程度まで乾燥させる。最終的
に得られるシリカ粒子(粒径:7役20〜50mμ)は粒径が
約1〜5μの凝集塊を形成する。沈降シリカは約100〜2
00m2/gの表面積を有し、沈澱する塩に起因するカルシウ
ムまたは他のカチオンによって汚染される場合もある。
沈降シリカの二酸化珪素(SiO2)の含有量は85〜90%で
あり、pHは約4〜8.5である。
本発明による抗菌性組成物に配合し得る別の吸収剤は
アルカリ金属珪酸塩である。アルカリ金属珪酸塩はアル
カリ金属塩基を用いて調製される合成無機珪酸塩であ
る。本発明による組成物に配合するのに好ましいアルカ
リ金属珪酸塩は無水粉状または結晶性水和形態の珪酸ナ
トリウムである。使用し得る別の珪酸塩には珪酸カリウ
ムおよび珪酸リチウムが含まれる。珪酸ナトリウムは適
度に塩基性のpHを示し、その組成は約0.5SiO2/Na2O〜4S
iO2/Na2Oの範囲で変化させ得る。市販されている結晶性
の製品は無水のメタ珪酸ナトリウムおよび水和メタ珪酸
塩類である。典型的には、珪酸ナトリウムおよび珪酸カ
リウムは、常套のガラス製炉内において、砂とソーダ灰
を約1450℃で溶融させることによって製造される。これ
らの成分の比率は砂と炉内に添加するアルカリの割合に
よって決定される。市販のソーダ灰は極めて純度が高い
ので、最終生成物の不純物源になることはほとんどな
い。無水の結晶性生成物は、炭酸ナトリウムと砂を所定
の比率で溶融させることによって調製してもよい。この
種のガラスは非常に速く結晶化するが、炭酸ナトリウム
の割合は高くなるほど、溶融結晶中に含有される二酸化
炭素の量は多くなる。従って、水和メタ珪酸塩よりもア
ルカリ性の強いこの種の無水固体はメタ珪酸ナトリウム
と苛性ソーダとの機械的または一体的(integral)混合
物である場合が多い。水和結晶性生成物は、通常は、水
和物組成物の溶液を融点よりも高い温度で調製した後、
該溶液を冷却し、マスを結晶化させることによって製造
される。
本発明による抗菌性組成物に配合して吸湿性の抗菌性
組成物を調製する原料であるさらに別の吸収剤は、ポリ
アクリレートのような多孔性の吸湿性ポリマー組成物で
ある。ヘキスト・セラネーズ社(Hoechst Celanese)
の市販品「サンウェット(Sanwet)」(登録商標)は好
適なポリアクリレートポリマー組成物である。他の好ま
しい吸湿性組成物は珪藻土である。珪藻土は、藻類(珪
藻)と同族の先史時代の小さな水生植物の残骸から成る
軟質で嵩高な固体(シリカ:約88%)である。イーグル
・ピッチャー社(Eagle−Picher)の市販品「セラトム
(Celatom)FW−80」は好ましい珪藻土である。トウモ
ロコシの粉砕穂軸も吸収剤として使用してもよい。
本発明による吸湿性組成物の配合に際しては、上記の
吸収剤は単独で使用してもよく、あるいは種々の混合物
として使用してもよい。吸湿性の抗菌性組成物は吸収剤
を、該組成物に基づいて、約0〜99重量%、好ましくは
約50〜99重量%、最も好ましくは約70〜99重量%含有す
る。
その他の配合成分 本発明による抗菌性組成物には、前記の配合成分のほ
かに、常套の添加剤、例えば、顔料、芳香料、防錆剤、
トリエチレングリコールのような安定剤および界面活性
剤を配合してもよい。本発明による組成物に配合し得る
界面活性剤としては、第四アンモニウム化合物、ノニオ
ン界面活性剤およびアニオン界面活性剤等が例示され
る。第四アンモニウム化合物は界面活性剤として作用す
るだけでなく、抗菌活性を促進する。ノニオン界面活性
剤は抗菌性組成物に高い安定性を付与する。好ましいノ
ニオン界面活性剤は水不溶性のアルコール(例えば、オ
クタノール、デカノール、ドデカノール等)、フェノー
ル類(例えば、オクチルフェノール、ノニルフェノール
等)およびこれらのアルコールやフェノール類のエトキ
シレート(該アルコールまたはフェノール類1モルあた
りエチレンオキシドを1〜10モル含むエトキシレートが
好適である)である。使用し得る他のノニオン界面活性
剤にはエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポ
リマーが含まれる。界面活性剤の配合量は、本発明によ
る組成物に基づいて、約0〜89重量%、好ましくは約1
〜50重量%である。
好ましい固体状抗菌性組成物は、次式OHC−R−CHO
(式中、RはC1〜C4アルキレン基を有する残基または共
有単結合を含む残基を示す)で表わされる抗菌剤を約1
〜90重量%、単糖類、二糖類、少糖類、多糖類、これら
の誘導体および以上の化合物の任意の混合物から成る群
から選択される炭水化物、糖アルコールを含むポリオー
ルまたはこれらの任意の混合物を含有するポリヒドロキ
シ化合物を約10〜99重量%および該組成物を活性形態で
用いたときにその抗菌活性が最適になるように系のpHを
約3〜11に維持する緩衝剤を約0〜30重量%含有する。
特に好ましい安定な固体状の抗菌性ヘミアセタール組
成物は、グルタルアルデヒド約1〜90重量%およびスク
ロース約10〜99重量%含有する。
微細に分割された固体状で吸湿性の好ましい抗菌性組
成物は、抗菌性ジアルデヒド化合物を約2〜50重量%、
単糖類、二糖類、少糖類、多糖類、これらの誘導体およ
び以上の化合物の任意の混合物から成る群から選択され
る炭水化物、糖アルコールを含むポリオールまたはこれ
らの任意の混合物を含有するポリヒドロキシ化合物を約
1〜50重量%および沈降シリカ、珪酸塩、ポリアクリレ
ート、珪藻土、トウモロコシの粉砕穂軸およびこれらの
任意の混合物から成る群から選択される水性液吸収剤を
約10〜97重量%含有する。この吸湿性組成物は水性溢流
液等の水性液を効果的に吸収する。
本発明は、水性媒体に溶解するとジアルデヒドを直ち
に放出する安定な固体状のジアルデヒドドナーを提供す
る。本発明による組成物は、抗菌剤とキャリヤーとして
作用する炭水化物もしくはポリオールとの混合物または
縮合生成物から形成されるものと考えられる。グルタル
アルデヒドのようなジアルデヒド抗菌剤の−CHO基と炭
水化物もしくはポリオールの−OH基とが縮合反応におい
て反応することによって抗菌剤と炭水化物もしくはポリ
オールが結合して本発明による組成物が形成されると考
えられる。グルタルアルデヒドはスクロース水溶液中に
おいては、水和物、ヘミアセタールまたはアセタールを
形成し得る。本発明による組成物を形成させるには水は
除去されなければならないので、グルタルアルデヒドと
糖との間でヘミアセタールが形成されるものと考えられ
る。スクロースのような糖に含まれる多数のヒドロキシ
ル基とグルタルアルデヒドのジアルデヒド基に起因し
て、分子間ヘミアセタールと分子内ヘミアセタールが形
成される可能性がある。前者の場合には低分子が形成さ
れるが、後者の場合にはポリマーが形成され得る。本発
明による組成物には両方の構造体が混在するものと考え
られる。
本発明に係わるヘミアセタールは非常に安定であり、
就中、特定の固体状ヘミアセタールは最も安定であるこ
とが判明した。特に好ましいヘミアセタールは固体状の
グルタルアルデヒド−スクロースヘミアセタールであ
る。これらのヘミアセタールは水性系に溶解すると遊離
のグルタルアルデヒドを容易に生成し、また、グルタル
アルデヒドに比べてppmの基準で遊離のグルタルアルデ
ヒドと同程度の活性を示すことも判明した。
本発明に係わる固体状のグルタルアルデヒドヘミアセ
タールは特に好適で有用な成分であり、別の固体状アル
カリ化剤もしくは緩衝剤、固体状界面活性剤およびその
他の固体状の添加剤成分と反応することなく配合するこ
とができ、これによって、一液系溶液、即ち、計量した
成分を所定量の水に溶解させることによって調製される
十分に活性な使用溶液が得られる。従来品に比べてさら
に別の利点は、望ましくない不活性キャリヤーを必要と
しないために、濃厚製品を調製できることである。即
ち、本発明による組成物は、フィラー(キャリヤー)の
配合が不要なため、輸送と保管のコストが節約できる点
で、経済的に有利である。これらの安定な系は、従来品
によっては満たされなかった要求を満足させることがで
きる。本発明による組成物は優れた抗菌活性を発揮する
だけでなく、液状グルタルアルデヒドに付随する問題点
(貯蔵不安定性、活性喪失、催涙性蒸気、耐え難い臭気
等)を有さない。
また、毒性に関しても、本発明による組成物は、従来
のグルタルアルデヒド調製品に比べて安全である。経口
摂取による致死量(LD)はいずれの場合も同レベルであ
るが、皮膚毒性に関しては、固体状成分は皮膚に吸収さ
れないために、本発明による固体状組成物の方が低い。
例えば、ネズミの場合、含水グルタルアルデヒドを経口
投与したときのLD50は2.38ml/kgであり、皮膚塗布によ
るLD50は2.56ml/kgである。本発明による固体状組成物
を皮膚に接触させたときの致死量は上記の値よりもかな
り高い。従って、本発明によれば、取り扱いがより安全
な製品が提供される。
調製法 本発明による抗菌性組成物の固体源としては、グルタ
ルアルデヒドのような抗菌性ジアルデヒドを用いること
ができる。グルタルアルデヒド−糖水溶液の加温(例え
ば、80℃)脱水反応によって、硬質透明な結晶性固体を
調製することができる。抗菌性組成物は加熱処理に付す
ことによって無臭状態となり、加温空気中で安定であ
り、その融点は60〜80℃である。
典型的な合成法においては、水は水流アスピレーター
による減圧下、50〜100℃の温度において、問題なく除
去される。グルタルアルデヒド−スクロース付加組成物
の調製の場合、混合物は極めて高い粘性を帯び、上記条
件下では水を除去できなくなる。このような問題を克服
してグルタルアルデヒド−スクロース組成物を調製する
2通りの方法が見出された。高粘度物は樹脂フラスコの
中央部に局在化することが判明したが、これは樹脂フラ
スコ内の温度勾配に関係する。減圧度をより高くする
か、または、粘度降下剤(例えば、グリセリン)を用い
ることによって、粘度を均一に保つことが可能となり、
これによって、樹脂フラスコ内の温度をより均一にする
ことができる。
本発明による安定で高活性な組成物を調製するときに
利用し得る要因は、pHと温度の影響である。組成物をpH
が6よりも高い条件下で調製すると、得られるグルタル
アルデヒド活性は低くなる。最良の活性を発揮する組成
物は、pHが3.1〜4.5である市販の25%または50%のグル
タルアルデヒドを用いて調製される。
調製後の本発明による組成物は高いグルタルアルデヒ
ド活性と水中でグルタルアルデヒドを即座に放出し得る
特性を有している。しかしながら、該組成物のグルタル
アルデヒド放出能は経時的に低下する。組成物の安定性
は調製条件によって異なる。グルタルアルデヒド−スク
ロース組成物は一定量のグルタルアルデヒドを放出する
特性を驚くべき長期にわたって維持する。
本発明による組成物を水に溶解させておこなった抗菌
性試験によれば、該組成物が液状グルタルアルデヒドと
同等の抗菌特性を発揮することが判明した。本発明によ
る組成物は水に完全に溶解し、NMR(核磁気共鳴)分析
の結果、水溶液中には糖とグルタルアルデヒドのみが存
在することが判明した。このことは、固体状組成物が水
中でグルタルアルデヒドを容易に放出することを示すも
のである。
本発明による組成物は種々の固体状形態で提供するこ
とができる。このような形態としては、種々のサイズの
粉末、香錠(硬化小滴)、粒状体および固体状ブロック
等が挙げられる。本発明による固体状組成物は活性が50
%よりも高く、80%のような高活性の形態に調製するこ
とができる。吸湿性の抗菌性組成物は、微細な粒状体に
分割した抗菌性ジアルデヒド組成物に吸収剤を配合する
ことによって調製される。
液状グルタルアルデヒドの場合とは異なり、本発明に
よる組成物は単独または配合製品の状態でも非常に安定
であり、乾燥塩基の存在下でも抗菌活性を発揮する。従
って、該組成物は疑似グルタルアルデヒドと見倣すこと
ができる(グルタルアルデヒドは好ましいものである
が、その安定度または液状形態が使用の際の障害とな
る)。例えば、固体状の抗菌性組成物は、抗菌剤が有用
な種々の製品、例えば、潤滑剤および小便用やトイレ用
便器の縁ブロックに配合して使用することができる。ジ
アルデヒド−糖組成物は、抗菌活性を喪失することな
く、乾燥塩基および/または吸収剤を配合して使用する
ことができる。ジアルデヒド−糖組成物はブロック状に
成形することができる。このような成形ブロック自体は
殺菌剤や消毒剤として有用である。ブロック状または粉
末状の組成物は乾燥塩基と配合することができ、該配合
物を水性液に溶解した溶液は、医療用の器具や設備等の
冷殺菌剤として使用できる。
吸収剤を配合して得られる吸湿性の抗菌性組成物を、
水溶性、感水性または吸水性のポリマー材料製パケット
またはパウチに収納することによって、吸収性の殺菌性
物品を調製できる。この種の吸収性物品は生物学的な溢
流液、例えば、病院やその他の施設において生ずる汚染
された溢流体液の除去に利用できる。
好ましい吸湿性の抗菌性物品は、抗菌性のC2〜C6飽和
ジアルデヒド約2〜50重量%、水性液吸収剤約10〜97重
量%および二糖類、少糖類、多糖類またはこれらの任意
の混合物を含む炭水化物約1〜50重量%含有する微細に
分割された固体状で吸湿性の抗菌性組成物を保有する。
このような物品は、吸湿性の該抗菌性組成物を収納する
水溶性、感水性または吸水性ポリマー材料製パケットま
たはパウチを有する。この種の物品は、溢流水性液と接
触すると効果的にこれを吸収し、溢流液の発生部位を消
毒する。吸湿性組成物の好ましい成分は前述の成分と同
様のものである。該物品のパケットまたはパウチの材料
となる好ましいポリマーはポリビニルアルコールポリマ
ーである。
使用法 本発明によれば、有効量の抗菌性ジアルデヒドおよび
炭水化物、ポリオールまたはこれらの任意の混合物を含
む有効量のポリヒドロキシ化合物を含有する安定な活性
形態の抗菌性組成物を汚染された表面または領域に、該
表面または領域を有効に防腐処理、衛生化処理、消毒処
理または殺菌処理する時間にわたって接触させる工程を
含む、該抗菌性組成物を用い汚染表面または汚染領域を
防腐処理、衛生化処理、消毒処理または殺菌処理する方
法が提供される。
吸湿性組成物および該吸湿性組成物を保有する物品
は、溢流体液によってもたらされる生物学的水性溢流液
を除去し、該溢流液で汚染された領域を消毒処理するの
に特に有用である。この種の溢流液には水性の生物学的
有害物または生物学的汚染物が含まれる。本発明による
吸湿性組成物と物品は、有害な生物学的溢流液を安全か
つ簡易に処理する手段を提供する。また、該組成物や物
品は、生物学的溢流液の安全な除去手段を提供する。即
ち、該溢流液に人間が接触する前に該組成物を散布する
か、または該物品を接触させることによって、該溢流液
をその採取処理前に吸収して消毒することができる。
本発明によれば、前記の吸湿性の固体状抗菌性組成物
を生物学的溢流液と、該溢流液を吸収して消毒するのに
有効な時間にわたって接触させる工程を含む、該組成物
を用いる生物学的溢流液の除去消毒法が提供される。さ
らに本発明によれば、前記の吸湿性の固体状抗菌性組成
物および該組成物を保有する水溶性、感水性または吸水
性のポリマー材料製パケットまたはパウチを有する吸湿
性の抗菌性物品を生物学的溢流液と、該溢流液を吸収し
て消毒するのに有効な時間にわたって接触させる工程を
含む、該抗菌性物品を用いる生物学的溢流液の除去消毒
法が提供される。
抗菌性溶液は、グルタルアルデヒドのようなジアルデ
ヒド抗菌剤と炭水化物もしくはポリオールを含有する本
発明による組成物を用いることによって調製することも
できる。即ち、該組成物を水性液と混合することによっ
て防腐処理、衛生化処理、消毒処理または殺菌処理用の
溶液を調製することができ、該溶液は汚染された物体や
物品と接触させる。被処理物体や物品としては、汚染さ
れた医療用の器具や装置類および汚染された衣料品やそ
の他の織物類等が例示される。
防腐処理、衛生化処理、消毒処理または殺菌処理用の
溶液の調製に使用し得る吸湿性の抗菌性物品は、抗菌性
のC2〜C6飽和ジアルデヒド約1〜90重量%および炭水化
物もしくはポリオールを含むポリヒドロキシ化合物約10
〜99重量%含有する。抗菌性組成物は、水溶性、感水性
または吸水性のポリオール材料製パケットまたはパウチ
に収納される。このような物品を水性液に添加すること
によって、防腐処理、衛生化処理、消毒処理または殺菌
処理用の溶液を調製することができる。使用するポリマ
ー材料としてはポリビニルアルコールポリマーが好まし
い。
本発明によれば、前記の抗菌性物品を溶解するのに有
効な量の水性液に添加することによって水性抗菌性溶液
を形成させる工程を含む、汚染された物体または物品を
防腐処理、衛生化処理、消毒処理または殺菌処理する方
法が提供される。汚染された物体または物品は該抗菌性
溶液と、該物体または物品を防腐処理、衛生化処理、消
毒処理または殺菌処理するのに有効な時間にわたって接
触させる。
以下の実施例は本発明を例証するものであるが、本発
明の最良の態様も含まれる。
実施例1 実施例1の抗菌性組成物を以下の手順によって調製し
た。グルタルアルデヒド50%水溶液30gを入れた丸底フ
ラスコ内へ脱イオン水34gを添加し、次いでスクロース3
4.23gを加えた。この溶液を蒸気浴上において、スクロ
ースが完全に溶解するまで加熱することによって透明な
均質溶液を調製した。この反応溶液を回転蒸発器(80
℃)を用いる処理に付すことによって、揮発分を除去し
た。得られた生成物は、グルタルアルデヒドとスクロー
スを含有する硬質透明で粉砕可能な気泡体(foam)であ
った。
実施例1による組成物の抗菌活性およびグルタルアル
デヒド放出特性をウカルシド250(グルタルアルデヒド5
0%水溶液)と比較することによって調べた。該抗菌活
性を調べるために数種の実験をおこなった。第一の実験
においては、実施例1の固体状組成物を緩衝液処理しな
い中性水に溶解させたところ、1250ppm(理論量)のグ
ルタルアルデヒドが検出された。この活性溶液に黄色ブ
ドウ球菌(S.aureus)または大腸菌(E.coli)を接種
し、菌数の経時的減少を測定した(表I参照)。第二の
実験においては、活性溶液のpHを緩衝液処理によって8
に調製する以外は第一の実験と同様の操作をおこなった
(表II参照)。表Iおよび表IIのデータから明らかなよ
うに、実施例1による組成物はグルタルアルデヒド水溶
液と同じ抗菌活性を発揮すると共に、含有するグルタル
アルデヒドを100%放出する。
グルタルアルデヒドの試験濃度は1250ppm(理論値)
である。従って、ウカルシド250は活性グルタルアルデ
ヒドを50%含有し、実施例1の組成物は活性アルデヒド
を30.5%含有すると考えられる。実際の値は滴定法によ
って求めた(表III参照)。
実施例1による組成物の「熱空気」安定性とグルタル
アルデヒド放出特性は、該組成物をオーブン内での開放
暴露処理に付した後、滴定分析によって調べた(表III
参照)。
表IIIに示すように、実施例1による組成物は50℃で
2週間暴露した後でも、当初に含まれるグルタルアルデ
ヒドの大部分を保有する。
グルタルアルデヒドの含有量の異なる種々の組成物を
調製した。これらのスクロース−グルタルアルデヒド付
加生成物の安定性を調べ、結果を以下の表IVに示す。
表IVに示すように、試料5と8の場合には、6週間後
に活性の増加がみられ、その他の試料の場合には、6週
間後に最小限の活性低下がみられた。
実施例2〜10 以下の試料を実施例1の手順に準拠して調製した。こ
れらの試料2〜10はグルタルアルデヒドと種々のポリヒ
ドロキシ化合物(炭水化物またはポリオール)との付加
生成物である。これらの組成物とポリヒドロキシ化合物
の特性を以下の表Vに示す。
試料2、3および6並びにウカルシド250の貯蔵試料
の抗菌性活性を調べた。これらの試料は、実施例1記載
の手順に従い、緩衝液処理によってpHを8に調製した条
件下で試験し、結果を以下の表VIに示す。表VIのデータ
から明らかなように、実施例2、3および6による組成
物は、グルタルアルデヒド水溶液と同じ抗菌活性を示し
た。
試料2(グルタルアルデヒド/スクロース)とウカル
シド250(グルタルアルデヒド50%水溶液)の抗菌活性
を、本来的なpH条件下(pH4)および緩衝液で調製したp
H条件下(pH8)において比較し、結果を以下の表VIIに
示す。表VIIから明らかなように、試料2はいずれのpH
条件下においても、ウカルシド250の場合と非常に類似
した抗菌活性を示した。
実施例11〜19 実施例2による組成物(グルタルアルデヒド−スクロ
ース)32.9gをポリアクリレート吸収剤[サンウェット
(Sanwet)3500p]20.0gおよび珪藻土[セラトム(Cela
tom)FW−80]147.1gと混合することによって、実施例1
1による組成物を調製した。該組成物の成分の含有量
(重量%)を以下の表VIIIに示す。組成物11に対する比
較試料として、ウカルシド250またはウカルシド530G
(珪酸塩に吸収させたグルタルアルデヒド)を含有する
吸収性組成物12〜19を調製した。
乾燥組成物11〜19を黄色ブドウ球菌と5分間接触させ
ることによって衛生化試験をおこなった。該試験は、吸
収剤対接種源の割合が1:1になる条件下でおこない、結
果を以下の表IXに示す。表IXから明らかなように、組成
物11は、3種の試験温度のいずれにおいても6週間で良
好な活性を示した。組成物14(ウカルシド530G含有)は
3週間と1週間のいずれの場合も、黄色ブドウ球菌のlo
g(減数)は1.0よりも小さく、ほとんど活性を示さなか
った。ウカルシド250またはウカルシド530Gを含有する
その他の試料間には著しい差異はないが、トリエチレン
グリコール(TEG)含有試料またはTEGとノニルフェノー
ルエトキシレートを含有する試料は必要な活性を示し
た。
組成物11、12、13および16〜18を黄色ブドウ球菌と5
分間接触させることによって衛生化試験をおこなった。
該試験は、吸収剤対接種源の割合が1:1になる条件下で
おこない、結果を以下の表Xに示す。表Xから明らかな
ように、組成物11は、試験温度に左右されずに10週間に
わたって配合安定性があり、良好な活性を示した。他の
実施例による4週間後の試料は良好な活性を示した[黄
色ブドウ球菌のlog(減数)は2.3またはそれ以上であ
る]。
実施例20 吸収剤を実施例1による組成物に配合することによっ
て吸湿性の抗菌性組成物を調製する以外は実施例1と同
様の手順を繰り返した。実施例1による組成物を「フー
バーソルブ(Hubersorb)」(中塩基性の珪酸ナトリウ
ム)に表XIに示す割合で配合することによって実施例20
による組成物を調製した。実施例20による組成物の抗菌
活性を実施例1記載の手順によって調べた。但し、この
場合は、該組成物をポリビニルアルコール製パケット内
に収納して使用した。表XIIに示す量で珪酸ナトリウム
に吸収させたウカルシド250(ウカルシド配合物)と実
施例20による組成物の抗菌活性を比較した。試験試料
は、蓋を緩く締めた容器内において、相対湿度が50%で
温度が50℃の条件下において2週間熟成させた。表XII
に示すように、ウカルシド配合物の大部分の活性は失わ
れるが、実施例20による吸湿性組成物はグラム陰性菌で
ある大腸菌およびグラム陽性菌である黄色ブドウ球菌の
いずれに対しても顕著な抗菌活性を示した。
実施例21 グルタルアルデヒド/スクロース付加物を実施例1と
類似の方法によって調製した。実施例1記載の滴定法に
よれば、組成物中のグルタルアルデヒドの含有量は26重
量%であった。この組成物は、ポリビニルアルコール
(PVA)製パケット内に0.602グラム収納して使用した。
組成物はパケットに収納して単独で使用するか、シパー
ネート50(珪酸塩、pH7)と混合するか、またはフーバ
ーソルブ600(珪酸ナトリウム、pH9〜10)と混合した。
これらのパケットを水125ミリに溶解させることによっ
て、濃度が1250ppm(理論値)のグルタルアルデヒド水
溶液を調製した。これらの溶液は、暴露時間が30秒間、
60秒間、120秒間または300秒間の条件下において、黄色
ブドウ球菌および大腸菌に対する試験に供した。これら
のパケットは蓋を緩く締めた容器内に入れ、相対湿度が
50%で温度が50℃のオーブン内において熟成させた。
一つの試料はグルタルアルデヒド/スクロース組成物
(実施例1による組成物)のみ0.602グラムをPVA製パケ
ットに収納したものである。別の試料はグルタルアルデ
ヒド/スクロース組成物0.602グラムとシパーネート50
3.3グラムを含有するものである。さらにまた別の試
料はグルタルアルデヒド/スクロース組成物0.602グラ
ムとフーバーソルブ600 3.3グラム含有するものであ
る。これらの試料は、ウカルシド250/吸収剤組成物と比
較した。抗菌試験の結果を以下の表XIIIに示す。
表XIIIから明らかなように、吸収させたウラシル配合
物の活性の大部分は経時的に失われる。しかしながら、
グルタルアルデヒド/スクロース吸収剤配合物は、フー
バーソルブを吸収剤として用いた場合、大腸菌および黄
色ブドウ球菌に対して、6週間で顕著な抗菌活性を示し
た。グルタルアルデヒド/スクロース組成物のみをPVA
製パケットに収納して使用した場合、顕著な抗菌活性は
2〜5分以内に達成された。
実施例22〜34 実施例22〜34によるヘミアセタールを実施例1に記載
の手順に準拠して調製した。実施例22〜34による生成物
を以下の表XIVにまとめて示す。表XIVには、ジアルデヒ
ドのヘミアセタール並びにこれらの生成物の物理的状態
や40℃で6週間貯蔵後の安定性を含む性状も示す。実用
的な観点から重要な2つの規準は、生成物の安定性(グ
ルタルアルデヒドの減量割合)とグルタルアルデヒド含
有量である。この減量ファクターは経時的な性能の信頼
性を保証する貯蔵寿命を決定し、また、グルタルアルデ
ヒド含有量を高くすることによって、濃縮形態の経済的
製品の提供を可能とする。一般的には、ジアルデヒド供
与体の大部分の理想的な形態は固体であるが、その理由
は、最終製品中において、他の成分との相互作用の傾向
を低減させるからである。表XIVから明らかなように、
「ネオドール(Neodol)25−12」(登録商標)ヘミアセ
タールはかなり安定なヘミアセタールを提供するが、ス
クロースヘミアセタールの方が好ましい。何故ならば、
後者はより安定なだけでなく、ジアルデヒド含有量も実
質的により高いからである。ペンタエリスリトールヘミ
アセタールも、ジアルデヒド含有量が非常に高いだけで
なく、良好な安定性を示すので好ましい。
いずれの理論と関係づけるものではないが、一般的に
は、固体状のヘミアセタールは液状のヘミアセタールよ
りも安定である。立体化学的配置も、両方のグループ内
の異なるヘミアセタール間において相違しており、該配
置も安定性を左右する要因になるものと考えられる。こ
こに例示した中でも最も好ましいヘミアセタールはスク
ロースヘミアセタールである。何故ならば、該ヘミアセ
タールはジアルデヒド含有量の高い固体であるからであ
り、また、スクロースは、精製処理を必要としないほど
高純度の商品として、化学的に低コストで入手し得るか
らである。
実施例35 図1〜図3は、本発明によるスクロース−グルタルア
ルデヒドヘミアセタールと従来のグリセロール−グルタ
ルアルデヒドヘミアセタールに関する種々の貯蔵条件下
での相対的安定性を比較したグラフである。図1は、室
温において、スクロース−グルタルアルデヒドヘミアセ
タールは8週間にわたって検出し得るグルタルアルデヒ
ド減量をもたらさなかったが、グリセロール−グルタル
アルデヒドヘミアセタールは約10%のグルタルアルデヒ
ド減量をもたらすことを示す。図2および図3は、40℃
におけるスクロース−グルタルアルデヒドヘミアセター
ルとグリセロール−グルタルアルデヒドヘミアセタール
に関する相対的安定性を示す。図2は密閉瓶中で貯蔵し
たときのデータを示し、また、図3は開放瓶中で貯蔵し
たときのデータを示す。試料を密閉瓶と開放瓶で貯蔵す
る2通りの条件は、これらのヘミアセタール類の安定性
に対する湿度の効果に影響を及ぼす。貯蔵容器が密閉瓶
の場合、8週間経過後、スクロース誘導体のグルタルア
ルデヒド減量は非常にわずかであって、ほとんど検知で
きないが、グリセロール誘導体はそのグルタルアルデヒ
ド含有量の約40%を喪失する(図2参照)。貯蔵容器が
開放容器の場合、8週間経過後、スクロース誘導体はグ
ルタルアルデヒドを喪失しなかったが、グリセロール誘
導体は約50%を喪失した(図3参照)。即ち、スクロー
ス誘導体は40℃の貯蔵条件下において、予想外の驚くべ
き安定性を示した。40℃という貯蔵温度は、製品を空調
雰囲気下で貯蔵する場合を除き、製品を、例えば、輸送
したり貯蔵したりするときの現実的な温度である。
次に、スクロース−グルタルアルデヒドヘミアセター
ルを40℃または室温で6カ月間貯蔵する試験をおこなっ
た。40℃での試験は、試料を開放瓶および密閉瓶に貯蔵
することによっておこなった。このデータを図4にまと
めて示すが、試料間にはわずかの相違が認められるに過
ぎない。図4から明らかなように、試料を室温で密閉瓶
に貯蔵する場合および40℃で開放瓶に貯蔵する場合、グ
ルタルアルデヒドの喪失は実際上認められなかったが、
試料を40℃で密閉瓶に貯蔵する場合には、約5〜6%の
グルタルアルデヒドの喪失がみられた。この安定性に関
するデータは、スクロース−グルタルアルデヒドヘミア
セタールが非常に安定であることを立証するものであ
る。
実施例36 種々のポリオール−グルタルアルデヒドヘミアセター
ルの殺菌効率を例証するために、種々のヘミアセタール
類を合成し、これらとグルタルアルデヒド自体を、活性
グルタルアルデヒドの濃度が同一の条件下において比較
した。殺菌試験法としては、標準的なA.O.A.C.試験法を
採用した。微生物としては、黄色ブドウ球菌と大腸菌を
用いた。試験は、各試料の自然なpHの条件下およびグル
タルアルデヒド生成物の殺菌活性が最適となる条件とし
て常用されている8.0のpH条件下でおこなった。ペンタ
エリスリトール、スクロースおよびラクトースのグルタ
ルアルデヒドヘミアセタール誘導体とグルタルアルデヒ
ド50%水溶液との比較試験を、該誘導体の自然なpH条件
下でおこなった結果を以下の表XVにまとめて示す。これ
らの誘導体は殺菌活性の点で、実験誤差内において、グ
ルタルアルデヒドと同等の特性を示した。pHを8に調製
する以外は表XVの場合と同様の試験をおこない、結果を
以下の表XVIに示す。この場合も例外なく、これらのヘ
ミアセタール類は実験誤差内において、遊離のグルタル
アルデヒドと同等の殺菌特性を示した。
実施例37 市販のグルタルアルデヒド水溶液をウィップ社(Whip
ple)製13−C NMRを用いて分析した。室温下、70%の
活性物質が2,6−ジヒドロキシピラン構造中に存在し、
残りは遊離のグルタルアルデヒドとその水和物として存
在した。グルタルアルデヒドは水和し、次いで、これら
の環構造を環化する傾向が強い。
グルタルアルデヒドの濃厚な水溶液または無水溶液は
低分子量のアルコール、ポリオールまたは炭水化物と混
合して平衡混合物を形成することが判明した。この混合
物はグルタルアルデヒドとその水和物および含水グルタ
ルアルデヒドと類似の構造を有する付加物を含有する。
アルコール、ポリオールまたは炭水化物は付加物中の2,
6−ジヒドロキシピランとグルタルアルデヒドの水和物
の水と置換してヘミアセタール誘導体を形成する。水が
除去されるか、またはグルタルアルデヒドに対するアル
コール、ポリオールまたは炭水化物のモル比が増加する
と、混合物中の付加物の含有量が増大する。
これらの付加物の構造は13−C NMRによって決定し
た。スクロース−グルタルアルデヒドヘミアセタール付
加物に関しては数種の13−C NMRを測定した。無水ス
クロース−グルタルアルデヒドヘミアセタール付加物の
固体状態の13−C NMRスペクトルにおいては、200ppm
付近にはカルボニルの吸収はほぼ完全に認められなかっ
た。他の吸収帯は、この方法の特徴に起因して幅広いも
のであった。このことは、全てのグルタルアルデヒドが
スクロースと錯化したことを示すものである。無水スク
ロース−グルタルアルデヒド付加物のジメチルスルホキ
シド−d6溶液での13C NMRスペクトルにおいては、200p
pm付近においてカルボニル吸収の著しい増大がみられた
が、このことは遊離のグルタルアルデヒドの存在を示す
ものである。ジメチルスルホキシド溶液中においては、
ヘミアセタール結合は、遊離のグルタルアルデヒドを放
出するのには十分弱いものであることが明らかとなっ
た。ジメチルスルホキシド−d6溶液でのスペクトルに
は、ヘミアセタール炭素原子に帰属される幅広い吸収帯
もみられた。
これらの付加物の湿式化学分析法をNMRスペクトル解
析法の補助手段として用いた。亜硫酸水素ナトリウムを
用いてグルタルアルデヒドを分析するためのユニオン・
カーバイド社(Union Carbide)の分析法(BB−TL−20
04)に類似した化学的分析法によってスクロース−グル
タルアルデヒド付加物の活性を測定した。少量の固体状
付加物を水に溶解させることによって500ppmの水溶液を
調製した。この溶液中のグルタルアルデヒドの含有量を
分析し、その値を用いて固体の活性を計算した。この方
法は、ヘミアセタール付加物の測定にも利用できる。ヘ
ミアセタール付加物は水中で加水分解して遊離のグルタ
ルアルデヒドを生成するが、アセタール付加物はこれら
の条件下では加水分解しないので、この分析法によって
はヘミアセタール付加物のみが測定される。
実施例38〜42 本発明による組成物の殺菌活性を例証するために、実
施例1記載の手順に準拠して、実施例38〜42による組成
物38〜42を調製した。これらの組成物の配合処方を以下
の表XVIIに示す。これらの組成物は全て本発明によるグ
ルタルアルデヒド−スクロースヘミアセタールを含有
し、また、組成物39〜42は緩衝剤(炭酸水素ナトリウ
ム)を含有し、さらに、組成物40および42はノニオン界
面活性剤を含有する。各組成物の試料は、水溶性のポリ
ビニルアルコール製 A.O.A.C.分析法(第15版、1990年)の「消毒剤の殺胞子
活性」に記載の試験法に従って、組成物の殺菌活性を20
℃で測定した。試験微生物としては枯草菌を用いた。コ
ントロールとしての試料(市販のグルタルアルデヒド水
溶液)を含む全ての被検試料は、活性グルタルアルデヒ
ドが20,000ppmになるように脱イオン水で希釈して用い
た。殺菌試験の結果を以下の表XVIIIに示す。
表XVIIIに示すように、グルタルアルデヒド−スクロ
ース組成物は市販のグルタルアルデヒドと同等またはそ
れ以上の殺菌活性を発揮するので、水溶性パッケージに
収納して提供することができる。試験に用いた30本の試
験管の全において、枯草菌の成長はみられなかった。即
ち、被検菌の全てが殺菌または消毒された。また、表XV
IIIから明らかなように、数時間の暴露によって全ての
微生物を完全に殺菌できるので、これらの組成物の殺菌
剤としての使用は、系のpHによって左右されない。
以上の説明および実施例は本発明を例証するに過ぎな
いものである。本発明の技術的な思想と範囲を逸脱する
ことなく、本発明の多くの実施態様が可能であり、本発
明は後述する請求の範囲に完全に包含される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61K 9/14 A61K 9/14 9/16 9/16 31/11 31/11 47/48 47/48 (72)発明者 フレデル、デイル・エル アメリカ合衆国55045ミネソタ、リンド ストローム、ネイソン・レーン28270番 (56)参考文献 特開 昭63−294860(JP,A) 特開 昭52−139718(JP,A) 特開 昭54−157517(JP,A) 西独国特許出願公開3517548(DE, A1) 仏国特許出願公開1068788(FR,A 1) 英国特許出願公開2012263(GB,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01N 35/02 A01N 25/00 - 25/34 CA(STN)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の(a)〜(c)の成分を含有し、水
    性液と接触したときに、抗菌性ジアルデヒドを活性な抗
    菌性形態で放出する固体状抗菌性組成物: (a)有効量の抗菌性ジアルデヒド化合物、 (b)糖アルコール、単糖類、二糖類、少糖類およびこ
    れらの混合物から選択される有効安定化量のポリヒドロ
    キシ化合物、および (c)該組成物を活性抗菌性形態で用いたときに、最適
    な抗菌性活性が得られるようにpHを維持する有効量の緩
    衝剤。
  2. 【請求項2】抗菌性ジアルデヒドの−CHO基とポリヒド
    ロキシ化合物の−OH基とが反応することによって、両方
    の化合物が結合する請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】抗菌性ジアルデヒドがグルタルアルデヒド
    を含む請求項1記載の組成物。
  4. 【請求項4】活性形態の組成物のpHが3〜11である請求
    項1記載の組成物。
  5. 【請求項5】下記の(a)〜(c)の成分を含有し、水
    性液と接触したときに、抗菌性ジアルデヒドを活性な抗
    菌性形態で放出する、汚染された表面もしくは領域の防
    腐用、衛生化用、消毒用または殺菌用固体状抗菌性組成
    物: (a)次式OHC−R−CHO(式中、RはC1〜C4アルキレン
    基または共有単結合を含む残基を示す)で表わされる抗
    菌剤1〜90重量%、 (b)糖アルコール、単糖類、二糖類、少糖類およびこ
    れらの混合物から選択されるポリヒドロキシ化合物10〜
    99重量%、および (c)該組成物が活性形態のときに最適な抗菌活性が得
    られるようにpHを3〜11に維持する緩衝剤1〜30重量
    %。
  6. 【請求項6】下記の(a)および(b)成分を含有し、
    水性液と接触したときに、グルタルアルデヒドを活性な
    抗菌性形態で放出する、安定な固体状の抗菌性ヘミアセ
    タール組成物: (a)グルタルアルデヒド1〜90重量%、および (b)スクロース10〜99重量%。
  7. 【請求項7】下記の(a)および(b)成分を含有し、
    水性液と接触したときに、抗菌性ジアルデヒドを活性な
    抗菌性形態で放出する安定な抗菌性組成物を汚染された
    表面もしくは領域と、該表面もしくは領域を防腐処理、
    衛生化処理、消毒処理もしくは殺菌処理するのに有効な
    時間にわたって接触させることを含む、汚染された表面
    もしくは領域を防腐処理、衛生化処理、消毒処理もしく
    は殺菌処理する方法: (a)有効量のジアルデヒド化合物、および (b)糖アルコール、単糖類、二糖類、少糖類およびこ
    れらの混合物から選択される有効安定化量のポリヒドロ
    キシ化合物。
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