JP3310260B2 - 移相器 - Google Patents

移相器

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JP3310260B2
JP3310260B2 JP2000218192A JP2000218192A JP3310260B2 JP 3310260 B2 JP3310260 B2 JP 3310260B2 JP 2000218192 A JP2000218192 A JP 2000218192A JP 2000218192 A JP2000218192 A JP 2000218192A JP 3310260 B2 JP3310260 B2 JP 3310260B2
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  • Waveguide Switches, Polarizers, And Phase Shifters (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】
【0001】本発明は、移相器に係わり、特に、移動通
信基地局アンテナから放射される放射ビームのチルト角
を制御する移相器に適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話に代表される移動通信方法で
は、限られた周波数を有効に活用できるように、基地局
アンテナの放射ビームをやや下向きに傾けて使用し、即
ち、「チルトさせる」ことにより、放射ビームが飛び過
ぎて他のゾーンに干渉を与えないようにしている。この
場合に、一般的には、アレイアンテナにおける、適宜複
数個のアンテナ素子をまとめて形成したアンテナブロッ
ク毎に給電する励振電力の位相を、アンテナ給電部で変
化させて、放射ビームをチルトさせている。このアンテ
ナ給電部には、励振電力の位相を変化させる移相器が複
数備えられる。図10は、従来のアンテナ給電部に使用
される、従来の移相器の一例の概略構成を示す模式図で
ある。この図10に示す移相器は、メアンダライン1を
使用する移相器であり、このメアンダライン1は筐体
(図示せず)に固定される。また、金属板2は、このメ
アンダライン1とともに、マイクロストリップ線路を構
成する。さらに、このメアンダライン1を挟む、一対の
高誘電率誘電体板(以下、単に、誘電体という。)(3
a,3b)は、このメアンダライン1、金属の筐体と
で、トリプレート線路を構成する。図10に示す移相器
は、前述した構成において、金属板2と、誘電体(3
a,3b)とを、矢印方向に移動させることにより、ト
リプレート線路を構成する誘電体(3a,3b)により
移相が遅延することを利用して、メアンダライン1を通
過する高周波の移相量を調整するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、アンテナから
放射される放射ビームのチルト角を制御するためには、
前記アンテナブロック毎に給電する励振電力のそれぞれ
の移相を制御する必要があり、そのため複数個の移相器
が必要となる。しかしながら、前述した移相器に使用さ
れる誘電体(3a,3b)は高価であるため、前述した
移相器を複数備えるアンテナ給電部が高価になるという
問題点があった。さらに、前述した移相器を複数使用す
る場合に、この移相器を配置する設置スペースが大きく
なるという問題点もあった。本発明は、前記従来技術の
問題点を解決するためになされたものであり、本発明の
目的は、複数個の励振電力の位相を制御する際に、従来
よりもコストを低減し、かつ、小型化を図ることが可能
となる移相器を提供することにある。本発明の前記なら
びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び
添付図面によって明らかにする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記の通りである。即ち、本発明は、筐体内部に、それ
ぞれが蛇行部部を有し、隣接して配置される一対の伝送
線路(例えば、メアンダライン)を設け、この一対の伝
送線路に対して、前記一対の伝送線路が挿入される間隔
を有し、互いに対向して配置され、かつ、前記一対の伝
送線路および前記筐体とともにトリプレート線路を構成
する一対の誘電体と、前記一対の誘電体の一方の誘電体
の前記一対の伝送線路の延長方向と直交する方向の両側
に配置され、かつ、前記一対の伝送線路とともにマイク
ロストリップ線路を構成する一対の接地電極板とを設
け、前記一対の誘電体および前記一対の接地電極板を、
前記一対の伝送線路の延長方向と直交する方向に移動さ
せることにより、前記一対の伝送線路における、前記ト
リプレート線路部分の長さをそれぞれ変化させて、前記
一対の伝送線路を通過する高周波の位相を互いに逆方向
に変化させることを特徴とする。また、本発明の好まし
い実施の形態では、前記一対の誘電体、および前記一対
の接地電極板は基板上に配置され、当該基板を移動させ
て、前記一対の誘電体および前記一対の接地電極板を前
記一対の伝送線路の延長方向と直交する方向に移動させ
ることを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。なお、実施の形態を説明す
るための全図において、同一機能を有するものは同一符
号を付け、その繰り返しの説明は省略する。図1は、本
発明の実施の形態の移相器の概略構成を示す斜視図であ
る。本実施の形態の移相器も、メアンダライン(本発明
の蛇行部を有する伝送線路)を使用する移相器である。
しかしながら、本実施の形態では、互いに隣接して配置
される一対のメアンダライン(1a,1b)を備える。
この一対のメアンダライン(1a,1b)は、筐体5に
固定されており、また、この一対のメアンダライン(1
a,1b)を挟むように、一対の誘電体(3a,3b)
が設けられる。一方の誘電体3aにおける、筐体5の長
軸方向(図1の矢印Aの方向)の両側には、一対の導体
板(本発明の接地電極板)(2a,2b)が設けられ
る。ここで、一対の誘電体(3a,3b)と、一対の導
体板(2a,2b)とは、筐体5の長軸方向に一体とな
って移動可能であり、しかも、一対のメアンダライン
(1a,1b)が、一対の誘電体間に挿入されていない
場合には、一対のメアンダライン(1a,1b)の下に
は、必ず、一対の導体板(2a,2b)が配置されるよ
うにされる。
【0006】以下、本実施の形態の移相器の動作原理を
簡単に説明する。一対のメアンダライン(1a,1b)
が、一対の誘電体間に挿入されている状態、即ち、一対
のメアンダライン(1a,1b)が一対の誘電体(3
a,3b)にサンドイッチされている状態では、さら
に、その上下に金属製の筐体5があるため、この状態で
は、一対のメアンダライン(1a,1b)はトリプレー
ト線路の中心導体になる。また、一対のメアンダライン
(1a,1b)から筐体5までの距離に比較して、一対
の導体板(2a,2b)までの距離が非常に近ければ、
一対のメアンダライン(1a,1b)の下に、一対の導
体板(2a,2b)が配置されている状態において、一
対のメアンダライン(1a,1b)と、一対の導体板
(2a,2b)とはマイクロストリップ線路となる。こ
の場合に、一対のメアンダライン(1a,1b)におけ
る、トリプレート線路の部分と、マイクロストリップ線
路の部分との間で、インピーダンスの整合がとれるよう
に構造パラメータを設計する。一対の誘電体(3a,3
b)として、高誘電率のもの用いると、トリプレート線
路の部分で位相が遅れる。したがって、本実施の形態の
移相器では、トリプレート線路の部分の長さに比例した
移相量が得られることになる。
【0007】本実施の形態の移相器では、一対のメアン
ダライン(1a,1b)を用いており、一対の誘電体
(3a,3b)が中央にある場合は、一方のメアンダラ
イン1aを通過する高周波(励振電力)と、他方のメア
ンダライン1bを通過する高周波との間の位相差はな
い。しかしながら、図1のように、一方のメアンダライ
ン1aの方に、一対の誘電体(3a,3b)が移動する
と、一方のメアンダライン1aを通過する高周波の位相
が、他方のメアンダライン1bを通過する高周波の位相
より遅れる。当然、逆の場合は反対の結果になる。即
ち、本実施の形態では、一対の誘電体(3a,3b)の
移動に応じて、一対のメアンダライン(1a,1b)か
らは、位相シフト量の絶対値は同じであるが、符号が反
対となる高周波が得られる。基地局アンテナのチルト角
を制御するための移相器には、通常、プラスとマイナス
の位相を同時に出力することが要求される。そこで、1
つの高周波を2分岐もしくは3分岐して、そのうちの2
つの信号を、本実施の形態の移相器を通すことにより、
アンテナのチルト角を変えることができ、本実施の形態
の移相器は、基地局アンテナのチルト角操作用の移相器
に適している。
【0008】次に、一対のメアンダライン(1a,1
b)における、マイクロストリップ線路の部分と、トリ
プレート線路の部分とのインピーダンス整合について説
明する。マイクロストリップ線路の特性インピーダンス
は、例えば、下記文献(イ)により近似計算できる。 (イ)K.C.Gupta,R.Garg and I.J.Bahl:“Microstripli
nes and slot line”,Artech House Inc.,1979. また、トリプレート線路の特性インピーダンスについて
は、下記文献(ロ)に誘電率が一様な場合の計算法が示
されている。 (ロ)Harlan Howe Jr:“Strio line circuit desig
n”,Artech House Inc.,1974. 本実施の形態では、一対のメアンダライン(1a,1
b)は固定されていて、その上下を一対の誘電体(3
a,3b)および一対の導体板(2a,2b)が一体と
なって移動する構造であるから、一対のメアンダライン
(1a,1b)のライン幅と厚さとは、マイクロストリ
ップ線路の部分とトリプレート線路の部分とで一致させ
なくてはならない。この場合に、マイクロストリップ線
路の部分の特性インピーダンスと、トリプレート線路の
部分の特性インピーダンスとは、50Ωで一致させるこ
とが実際的である。
【0009】本実施の形態において、マイクロストリッ
プ線路の部分の特性インピーダンスと、トリプレート線
路の部分の特性インピーダンスとを、50Ωで一致させ
るよう設計した結果の1例を表1に示す。ここで、図2
(a)、(b)に示すように、Wは、メアンダライン
(1a,1b)の幅、tは、メアンダライン(1a,1
b)の厚さ、hは、導体板(2a,2b)よりのメアン
ダライン(1a,1b)までの高さ、εr mは、導体板
(2a,2b)とメアンダライン(1a,1b)との間
の誘電率、pは、筐体5の上側とメアンダライン(1
a,1b)までの距離、sは、筐体5の下側とメアンダ
ライン(1a,1b)までの距離、dは、誘電体(3
a,3b)の厚さ、εbは、筐体内具の誘電率、εdは、
誘電体(3a,3b)の誘電率である。
【0010】
【表1】 また、表1の諸元で、メアンダライン(1a,1b)の
ライン幅(W)のみを変化させた場合のマイクロストリ
ップ線路の部分と、トリプレート線路の部分の特性イン
ピーダンスの変化を図3に示す。図3に示すように、ラ
イン幅(W)が大きくなると、それぞれ特性インピーダ
ンスが低下するが、ライン幅(W)が1.6mmのとこ
ろで交叉し、そのときの特性インピーダンスが50Ωと
なっている。
【0011】この場合の移相量は、下記(1)式で表さ
れる。
【数1】 λg=λo/(εe1/2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (1) これにより、メアンダライン(1a,1b)のライン長
あたりの移相量は、下記(2)式で表される。
【数2】 移相量=1.02°/mm ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (2) したがって、±90°の移相量を有する移相器を実現す
るためには、メアンダライン(1a,1b)は約180
mmの長さが必要となる。ここで、εeは、下記(3)
式で表される等価誘電率である。
【数3】 εe=εd/(1−(2d/b)+(εb/εd)×(2d/b)) 但し、b=p+s ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (3) なお、この(3)式は、図2(b)に示すトリプレート
線路において、ライン幅(W)が大きいとして近似した
場合の等価誘電率(εe)である。
【0012】ここで、εd≫εbである場合には、 前記
(3)式は、下記(4)式のように表される。
【数4】 εe=εd×b/(b−2d) ・・・・・・・・・・・・・・・・・ (4) 本実施の形態において、一対のメアンダライン(1a,
1b)の長さをなるべく短くして、移相器の小型化をは
かるためには、εeを大きくする必要がある。そして、
εeを大きくするためには、εd≫εbの条件が成り立っ
ていれば、一対の誘電体(3a,3b)の誘電率をむや
みに大きくすることより、前記(4)からわかるよう
に、筐体5の高さに占める一対の誘電体(3a,3b)
の厚さ(d)の割合を高めることが効果的であることが
わかる。即ち、一対の誘電体(3a,3b)の厚さ
(d)を一定に保ったまま、移相器全体をなるべく薄く
作れば良いということである。
【0013】以下、本実施の形態において、一対の誘電
体(3a,3b)、および一対の導体板(2a,2b)
の移動機構の一例について、図4を用いて説明する。な
お、図4(a)は、筐体5の長軸方向(図1の矢印Aの
方向)から見た図であり、図4(b)は、図1に示す一
対のメアンダライン(1a,1b)の延長方向(図1の
矢印Bの方向)から見た図である。図4に示す例では、
一対の誘電体(3a,3b)、および一対の導体板(2
a,2b)は、基板6上に配置され、この基板6を移動
させて、一対の誘電体(3a,3b)、および一対の導
体板(2a,2b)を、筐体5の長軸方向に移動させ
る。この場合に、誘電体3aは、基板6に形成された溝
9に配置され、これにより、一対の導体板(2a,2
b)の方が、一対のメアンダライン(1a,1b)によ
り近接するようにされる。なお、一対の導体板(2a,
2b)は、例えば、銅板、アルミニウム板などの金属板
により構成され、これらの金属板は、例えば、接着等に
より基板上に固定される。また、誘電体3bは、スペー
サ7により、誘電体3a上に配置される。
【0014】本実施の形態では、1個の移相器で、2つ
の高周波の位相量を変えることができ、その上、前述し
た従来の移相器を2つ使用する場合に比して、1対の誘
電体(3a,3b)を1個使用するのみであるので、移
相器の製品コストを低減することができる。それによ
り、前述した基地局アンテナのアンテナ給電部のコスト
を低減することが可能となる。また、本実施の形態で
は、前述した従来の移相器を2つ使用する場合に比し
て、小型化を図ることができるので、前述した基地局ア
ンテナのアンテナ給電部の小型化を図ることが可能とな
る。
【0015】以下、本実施の形態の移相器として、2G
Hz帯の移相器を実際に試作した結果について説明す
る。図5は、図6ないし図9に示す各特性値を測定した
回路構成を説明するための図である。図5において、1
0は試作した本実施の形態の移相器、20は3分配器で
あり、図5に示す回路構成では、3分配器20に入力さ
れた高周波(RF波)は、予め決められた分配比にした
がって分岐され、そのうちの1出力はそのまま出力され
る(ポート2)。残りの2出力は、試作した本実施の形
態の移相器10に導かれる。前述したように、移相器1
0を通過する高周波は、ポートによりプラスとマイナス
の移相をうけて出力される(ポート1、ポート3)。
【0016】図6は、試作した移相器10の入力VSW
R特性の実測結果を示すグラフである。図6(a)は、
一対の誘電体(3a,3b)を中央に置いた状態での実
測結果、図6(b)は、図6(a)の状態より一対の誘
電体(3a,3b)をポート3の方に6mm移動した状
態での実測結果である。この図6(b)に示す状態は、
移相器10を設計上ではかなり大きく移動した状態であ
る。図6から分かるように、両方の状態において、入力
VSWRは、1.2以下である。可動範囲内全体でも、
入力VSWRは1.2以下であり、一対のメアンダライ
ン(1a,1b)のマイクロストリップ線路の部分の特
性インピーダンスと、トリプレート線路の部分の特性イ
ンピーダンスとが良く整合していることがわかる。
【0017】図7は、ポート1の伝送特性の実測結果を
示すグラフ、図8は、ポート2の伝送特性の実測結果を
示すグラフ、図9は、ポート3の伝送特性の実測結果を
示すグラフである。この図7ないし図9において、各図
(a)は、一対の誘電体(3a,3b)を中央に置いた
状態での伝送特性の実測結果を示すグラフ、各図(b)
は、一対の誘電体(3a,3b)をポート3側へ6mm
移動した状態での伝送特性の実測結果を示すグラフであ
る。図7(a)、図8(a)、図9(a)に示すよう
に、一対の誘電体(3a,3b)を中央に置いた状態で
は、伝送特性のうち振幅については、ポート1、2、3
に対して、分配比が−5.8dB:−3.2dB:−
5.8dBとなるように、あらかじめ3分配器20で分
岐してあるために、ほぼそのような特性になっている。
なお、この分配比は、アレイアンテナとしてトータルの
指向性が低サイドローブ特性であることを要求されてい
ることから、このように決めてある。伝送特性のうち位
相特性については、前述したように、ポート1とポート
3については、移相器10を経由しており、しかも、一
対の誘電体(3a,3b)が中央にあることから、ポー
ト1とポート3の位相特性はほぼ同じである。しかし、
ポート2については、移相器10を経由せずに直接出力
されているために位相の回り方が少ない様子が見られ
る。
【0018】図7(b)、図8(b)、図9(b)に示
すように、一対の誘電体(3a,3b)をポート3側へ
6mm移動した状態では、伝送特性のうちの振幅特性
は、一対の誘電体(3a,3b)が中央にある場合とほ
とんど変わらない。伝送特性のうちの位相特性について
は、ポート2はもちろん変わらないが、ポート1とポー
ト3については変化した。中心周波数の2.045GH
zにおける、一対の誘電体(3a,3b)を中央に置い
た状態からの位相シフト量を数値で示すと次のようであ
る。 ポート1については、−85.7°→16.4° ポート2については、 3.6°→ 3.5° ポート3については、−85.4°→145.5°(−
214.5°) つまり、ポート1では、102.1°進み、ポート3で
は、129.1°遅れたことになる。ポート1での位相
の進み量と、ポート3での位相の遅れ量とはその絶対値
は等しいことが望ましいが、試作した結果では違いがあ
った。
【0019】次に、通過損失について説明する。図5な
いし図7における測定結果において、マーカー位置での
出力レベルを整理すると表2のようになる。ポート2の
振幅が大きいのは、前述したように予め3分配器20で
分岐してあるためであるが、これらの値と、下記(5)
式を用いて総合の通過損失(L)を求めると最下段の値
となる。
【数5】 LdB=10logV V=10VP1dB/10+10VP2dB/10+10VP3dB/10 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (5) ここで、VP1dB、VP2dB、VP3dBは、マー
カー位置での出力レベル(dB)である。
【0020】
【表2】 この表2に示すように、図5に示す回路構成において、
3分配器20での損失を含め、総合通過損失は、0.2
dB以下とすることができる。以上、本発明者によって
なされた発明を、前記実施の形態に基づき具体的に説明
したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるもので
はなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可
能であることは勿論である。
【0021】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記の通りである。本発明の移相器によれば、複数個の励
振電力の位相を制御する際に、従来よりもコストを低減
し、かつ、小型化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の移相器の概略構成を示す
斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態の一対のメアンダライン、
一対の高誘電率誘電体板、および一対の導体板の寸法を
説明するための図である。
【図3】本発明の実施の形態の一対のメアンダラインの
ライン幅を変化させた時の、トリプレート線路部分の特
性インピーダンスと、マイクロストリップ線路部分の特
性インピーダンスの変化を示すグラフである。
【図4】本発明の実施の形態において、一対の高誘電率
誘電体板、および一対の導体板の移動機構の一例を説明
するための図である。
【図5】図6ないし図9に示す各特性値を測定した回路
構成を説明するための図である。
【図6】試作した移相器10の入力VSWR特性の実測
結果を示すグラフである。
【図7】図5に示すポート1の伝送特性の実測結果を示
すグラフである。
【図8】図5に示すポート2の伝送特性の実測結果を示
すグラフである。
【図9】図5に示すポート3の伝送特性の実測結果を示
すグラフである。
【図10】従来の移相器の一例の概略構成を示す模式図
である。
【符号の説明】
1,1a,1b…メアンダライン、2,2a,2b…導
体板、3a,3b…高誘電率誘電体板、5…筐体、6…
基板、7…スペーサ、9…溝、10…移相器、20…3
分配器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−205002(JP,A) 特開2000−91803(JP,A) 実開 平7−7201(JP,U) 恵比根佳雄 外1名,高誘電率誘電体 を装荷したメアンダライン型移相器,電 子情報通信学会技術研究報告,日本,社 団法人 電子情報通信学会,2000年 7 月20日,Vol.100 No.218,29− 36 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01P 1/18 H01P 5/04 603 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筐体と、 前記筐体内部に隣接して配置され、それぞれが蛇行部を
    有する一対の伝送線路と、 前記筐体内部に互いに対向して配置され、前記一対の伝
    送線路が挿入される間隔を有し、かつ、前記一対の伝送
    線路および前記筐体とともにトリプレート線路を構成す
    る一対の誘電体と、 前記筐体内部に前記一対の誘電体の一方の誘電体におけ
    る、前記一対の伝送線路の延長方向と直交する方向の両
    側に配置され、かつ、前記一対の伝送線路とともにマイ
    クロストリップ線路を構成する一対の接地電極板とを有
    し、 前記一対の伝送線路は、前記筐体に固定され、 前記一対の誘電体は、および前記一対の接地電極板は、
    前記一対の伝送線路に対して、前記一対の伝送線路の延
    長方向と直交する方向に移動可能とされる移相器であっ
    て、 前記一対の誘電体および前記一対の接地電極板を移動さ
    せることにより、前記一対の伝送線路における、前記ト
    リプレート線路部分の長さをそれぞ変化させて、前記一
    対の伝送線路を通過する高周波の位相を互いに逆方向に
    変化させることを特徴とする移相器。
  2. 【請求項2】 前記一対の誘電体、および前記一対の接
    地電極板が配置される基板を有し、 前記基板を移動させて、前記一対の誘電体および前記一
    対の接地電極板を、前記一対の伝送線路の延長方向と直
    交する方向に移動させることを特徴とする請求項1に記
    載の移相器。
JP2000218192A 2000-07-19 2000-07-19 移相器 Expired - Fee Related JP3310260B2 (ja)

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