JP3309789B2 - コネクティングロッドのボルト締結構造及びそのボルト並びにコネクティングロッド - Google Patents
コネクティングロッドのボルト締結構造及びそのボルト並びにコネクティングロッドInfo
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- JP3309789B2 JP3309789B2 JP35368097A JP35368097A JP3309789B2 JP 3309789 B2 JP3309789 B2 JP 3309789B2 JP 35368097 A JP35368097 A JP 35368097A JP 35368097 A JP35368097 A JP 35368097A JP 3309789 B2 JP3309789 B2 JP 3309789B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関のピスト
ンとクランクシャフトとを連結するコネクティングロッ
ドのボルト締結構造及びそのボルト並びにコネクティン
グロッドに関するものである。
ンとクランクシャフトとを連結するコネクティングロッ
ドのボルト締結構造及びそのボルト並びにコネクティン
グロッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、内燃機関は、そのピストンが
コネクティングロッドを介して出力軸であるクランクシ
ャフトに連結され、ピストンの往復移動をコネクティン
グロッドによってクランクシャフトの回転へと変換して
いる。こうしたコネクティングロッドの一例としては、
例えば特公昭48−19818号公報に記載されたもの
が知られている。
コネクティングロッドを介して出力軸であるクランクシ
ャフトに連結され、ピストンの往復移動をコネクティン
グロッドによってクランクシャフトの回転へと変換して
いる。こうしたコネクティングロッドの一例としては、
例えば特公昭48−19818号公報に記載されたもの
が知られている。
【0003】同公報に記載されたコネクティングロッド
は、棒状に形成されたロッド本体と、そのロッド本体に
ボルトで固定されるキャップとを備えている。このロッ
ド本体の一端部には、ピストンピンによってピストンが
連結されている。また、ロッド本体の他端部には、ボル
トによって同他端部との間にクランクシャフトを挟む態
様でキャップが取り付けられている。ロッド本体とキャ
ップとの取付構造としては、上記公報に記載されたボル
トとナットとを用いる構造の他に、図8に示すようなボ
ルト71とネジ孔72aとを用いる構造が知られてい
る。
は、棒状に形成されたロッド本体と、そのロッド本体に
ボルトで固定されるキャップとを備えている。このロッ
ド本体の一端部には、ピストンピンによってピストンが
連結されている。また、ロッド本体の他端部には、ボル
トによって同他端部との間にクランクシャフトを挟む態
様でキャップが取り付けられている。ロッド本体とキャ
ップとの取付構造としては、上記公報に記載されたボル
トとナットとを用いる構造の他に、図8に示すようなボ
ルト71とネジ孔72aとを用いる構造が知られてい
る。
【0004】同図に示されるロッド本体72とキャップ
73との取付構造では、キャップ73に形成された貫通
孔73aと同軸上で延びる上記ネジ孔72aがロッド本
体72に形成され、そのネジ孔72aに上記貫通孔73
aを貫通したボルト71が螺入されている。そして、ロ
ッド本体72とキャップ73との対向面81,82間に
は、内燃機関のクランクシャフト(図示せず)が挟まれ
て回転可能に支持されるようになっている。
73との取付構造では、キャップ73に形成された貫通
孔73aと同軸上で延びる上記ネジ孔72aがロッド本
体72に形成され、そのネジ孔72aに上記貫通孔73
aを貫通したボルト71が螺入されている。そして、ロ
ッド本体72とキャップ73との対向面81,82間に
は、内燃機関のクランクシャフト(図示せず)が挟まれ
て回転可能に支持されるようになっている。
【0005】このようにロッド本体72とキャップ73
との取り付けにボルト71とネジ孔72aとを用いるこ
とでナットを設ける必要がなくなり、そのナットの分だ
けコネクティングロッドの軽量化を図ることができるよ
うになる。
との取り付けにボルト71とネジ孔72aとを用いるこ
とでナットを設ける必要がなくなり、そのナットの分だ
けコネクティングロッドの軽量化を図ることができるよ
うになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ボルト71
の外周面及びネジ孔72aの内周面には、図9に示すよ
うに、雄ネジ75を形成したネジ部76及び雌ネジ77
を形成したネジ部78がそれぞれ設けられている。従っ
て、ロッド本体72とキャップ73との固定時には、雄
ネジ75と雌ネジ77との螺合により両者の接触面79
に押圧力が働き、ロッド本体72には上記押圧力に基づ
く応力が生じるようになる。ネジ孔72aとロッド本体
72の対向面81との間の距離は、図8に示すように、
ボルト71の先端側(図中上側)に向かうほど長くな
る。そのため、上記押圧力に基づく応力は、ネジ孔72
aと対向面81との距離が短くて肉厚が薄くなる部位、
即ちロッド本体72におけるボルト71のネジ部76の
基端(図中下端)に対応する部位にて大きくなり、コネ
クティングロッドの耐久性が低下するようになる。
の外周面及びネジ孔72aの内周面には、図9に示すよ
うに、雄ネジ75を形成したネジ部76及び雌ネジ77
を形成したネジ部78がそれぞれ設けられている。従っ
て、ロッド本体72とキャップ73との固定時には、雄
ネジ75と雌ネジ77との螺合により両者の接触面79
に押圧力が働き、ロッド本体72には上記押圧力に基づ
く応力が生じるようになる。ネジ孔72aとロッド本体
72の対向面81との間の距離は、図8に示すように、
ボルト71の先端側(図中上側)に向かうほど長くな
る。そのため、上記押圧力に基づく応力は、ネジ孔72
aと対向面81との距離が短くて肉厚が薄くなる部位、
即ちロッド本体72におけるボルト71のネジ部76の
基端(図中下端)に対応する部位にて大きくなり、コネ
クティングロッドの耐久性が低下するようになる。
【0007】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、コネクティングロッドの応
力が大きくなる部位での耐久性の低下を抑制することの
できるコネクティングロッドのボルト締結構造及びその
ボルト並びにコネクティングロッドを提供することにあ
る。
ものであって、その目的は、コネクティングロッドの応
力が大きくなる部位での耐久性の低下を抑制することの
できるコネクティングロッドのボルト締結構造及びその
ボルト並びにコネクティングロッドを提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明では、一端部に内燃機関のピス
トンが連結されるロッド本体と、そのロッド本体の他端
部との間に同機関のクランクシャフトを挟むキャップと
の内、いずれか一方に貫通孔を設けるとともに他方に前
記貫通孔と同軸上で延びるネジ孔を設け、前記貫通孔を
貫通して前記ネジ孔にボルトを螺入し、同ボルトの締め
付けを行うことで前記キャップを前記ロッド本体に固定
するコネクティングロッドのボルト締結構造において、
前記ボルトのネジ部のネジピッチにあって、前記ネジ孔
の設けられた前記キャップ又は前記ロッド本体のより肉
厚な部位に位置される該ネジ部の軸線方向先端部、及び
より肉厚の薄い部位に位置される該ネジ部の軸線方向基
端部は、そのネジピッチが所定のピッチP1とされ、前
記ネジ部の軸線方向先端部と前記ネジ部の軸線方向基端
部との間の該ネジ部の軸線方向中央部は、そのネジピッ
チが前記所定のピッチP1よりも小さいピッチP2とし
た。
め、請求項1記載の発明では、一端部に内燃機関のピス
トンが連結されるロッド本体と、そのロッド本体の他端
部との間に同機関のクランクシャフトを挟むキャップと
の内、いずれか一方に貫通孔を設けるとともに他方に前
記貫通孔と同軸上で延びるネジ孔を設け、前記貫通孔を
貫通して前記ネジ孔にボルトを螺入し、同ボルトの締め
付けを行うことで前記キャップを前記ロッド本体に固定
するコネクティングロッドのボルト締結構造において、
前記ボルトのネジ部のネジピッチにあって、前記ネジ孔
の設けられた前記キャップ又は前記ロッド本体のより肉
厚な部位に位置される該ネジ部の軸線方向先端部、及び
より肉厚の薄い部位に位置される該ネジ部の軸線方向基
端部は、そのネジピッチが所定のピッチP1とされ、前
記ネジ部の軸線方向先端部と前記ネジ部の軸線方向基端
部との間の該ネジ部の軸線方向中央部は、そのネジピッ
チが前記所定のピッチP1よりも小さいピッチP2とし
た。
【0009】
【0010】
【0011】同構成によれば、ボルトのネジ部における
ネジピッチは同ネジ部におけるボルトの軸線方向両端部
以外の位置にて他の位置のものより小さくなるため、ロ
ッド本体とキャップとの固定時にはボルトの先端側に位
置する両ネジ部間の押圧力が高くなる。ボルトが螺入さ
れるネジ孔をロッド本体に形成する場合であれ、キャッ
プに形成する場合であれ、それらロッド本体又はキャッ
プにおけるボルトの先端側に位置する部位は基端側の部
位よりも肉厚となる。そのため、上記ボルト先端側の部
位にて上記大きな応力による耐久性の低下が生じるのを
抑制することができるようになる。
ネジピッチは同ネジ部におけるボルトの軸線方向両端部
以外の位置にて他の位置のものより小さくなるため、ロ
ッド本体とキャップとの固定時にはボルトの先端側に位
置する両ネジ部間の押圧力が高くなる。ボルトが螺入さ
れるネジ孔をロッド本体に形成する場合であれ、キャッ
プに形成する場合であれ、それらロッド本体又はキャッ
プにおけるボルトの先端側に位置する部位は基端側の部
位よりも肉厚となる。そのため、上記ボルト先端側の部
位にて上記大きな応力による耐久性の低下が生じるのを
抑制することができるようになる。
【0012】請求項2記載の発明では、一端部に内燃機
関のピストンが連結されるロッド本体と、そのロッド本
体の他端部との間に同機関のクランクシャフトを挟むキ
ャップとの内、いずれか一方に貫通孔を設けるとともに
他方に前記貫通孔と同軸上で延びるネジ孔を設け、前記
貫通孔を貫通して前記ネジ孔にボルトを螺入し、同ボル
トの締め付けを行うことで前記キャップを前記ロッド本
体に固定するコネクティングロッドのボルト締結構造に
おいて、前記ネジ孔のネジ部にあって、そのネジ孔の設
けられた前記キャップ又は前記ロッド本体のより肉厚な
部位に位置される該ネジ部の軸線方向先端部、及びより
肉厚の薄い部位に位置される該ネジ部の軸線方向基端部
は、そのネジピッチが所定のピッチP4とされ、同ネジ
孔のネジ部にあって前記軸線方向先端部と前記軸線方向
基端部との間の軸線方向中央部は、そのネジピッチが前
記所定のピッチP4よりも大きいピッチP5とした。
関のピストンが連結されるロッド本体と、そのロッド本
体の他端部との間に同機関のクランクシャフトを挟むキ
ャップとの内、いずれか一方に貫通孔を設けるとともに
他方に前記貫通孔と同軸上で延びるネジ孔を設け、前記
貫通孔を貫通して前記ネジ孔にボルトを螺入し、同ボル
トの締め付けを行うことで前記キャップを前記ロッド本
体に固定するコネクティングロッドのボルト締結構造に
おいて、前記ネジ孔のネジ部にあって、そのネジ孔の設
けられた前記キャップ又は前記ロッド本体のより肉厚な
部位に位置される該ネジ部の軸線方向先端部、及びより
肉厚の薄い部位に位置される該ネジ部の軸線方向基端部
は、そのネジピッチが所定のピッチP4とされ、同ネジ
孔のネジ部にあって前記軸線方向先端部と前記軸線方向
基端部との間の軸線方向中央部は、そのネジピッチが前
記所定のピッチP4よりも大きいピッチP5とした。
【0013】同構成によれば、ネジ孔のネジ部における
ネジピッチは同ネジ部におけるネジ孔の軸線方向両端部
以外の位置にて他の位置のものよりも大きくなるため、
ロッド本体とキャップとの固定時にはボルトの先端側に
位置する両ネジ部間の押圧力が高くなる。ボルトが螺入
されるネジ孔をロッド本体に形成する場合であれ、キャ
ップに形成する場合であれ、それらロッド本体又はキャ
ップにおけるボルトの先端側に位置する部位は基端側の
部位よりも肉厚になる。そのため、上記ボルト先端側の
部位にて上記大きな応力による耐久性の低下が生じるの
を抑制することができるようになる。
ネジピッチは同ネジ部におけるネジ孔の軸線方向両端部
以外の位置にて他の位置のものよりも大きくなるため、
ロッド本体とキャップとの固定時にはボルトの先端側に
位置する両ネジ部間の押圧力が高くなる。ボルトが螺入
されるネジ孔をロッド本体に形成する場合であれ、キャ
ップに形成する場合であれ、それらロッド本体又はキャ
ップにおけるボルトの先端側に位置する部位は基端側の
部位よりも肉厚になる。そのため、上記ボルト先端側の
部位にて上記大きな応力による耐久性の低下が生じるの
を抑制することができるようになる。
【0014】請求項3記載の発明では、内燃機関におけ
るコネクティングロッドのロッド本体とキャップとのい
ずれか一方に設けられたネジ孔に螺入され、締め付けら
れることで、それらロッド本体とキャップとを両者間に
内燃機関のクランクシャフトを挟んだ状態で固定するボ
ルトにおいて、前記ネジ孔に螺着されるネジ部を備え、
前記ネジ孔の設けられた前記キャップ又は前記ロッド本
体のより肉厚な部位に位置される該ネジ部の軸線方向先
端部のネジピッチ、及びより肉厚の薄い部位に位置され
る該ネジ部の軸線方向基端部のネジピッチを所定のピッ
チP1とするとともに、前記ネジ部の軸線方向先端部と
前記ネジ部の軸線方向基端部との間の該ネジ部の軸線方
向中央部のネジピッチを前記所定のピッチP1よりも小
さいピッチP2とした。
るコネクティングロッドのロッド本体とキャップとのい
ずれか一方に設けられたネジ孔に螺入され、締め付けら
れることで、それらロッド本体とキャップとを両者間に
内燃機関のクランクシャフトを挟んだ状態で固定するボ
ルトにおいて、前記ネジ孔に螺着されるネジ部を備え、
前記ネジ孔の設けられた前記キャップ又は前記ロッド本
体のより肉厚な部位に位置される該ネジ部の軸線方向先
端部のネジピッチ、及びより肉厚の薄い部位に位置され
る該ネジ部の軸線方向基端部のネジピッチを所定のピッ
チP1とするとともに、前記ネジ部の軸線方向先端部と
前記ネジ部の軸線方向基端部との間の該ネジ部の軸線方
向中央部のネジピッチを前記所定のピッチP1よりも小
さいピッチP2とした。
【0015】同構成によれば、ボルトのネジ部における
ネジピッチは同ネジ部におけるボルトの軸線方向両端部
以外の位置にて他の位置のものより小さくなるため、ロ
ッド本体とキャップとの固定時にはボルトの先端側に位
置する両ネジ部間の押圧力が高くなる。ボルトが螺入さ
れるネジ孔をロッド本体に形成する場合であれ、キャッ
プに形成する場合であれ、それらロッド本体又はキャッ
プにおけるボルトの先端側に位置する部位は基端側の部
位よりも肉厚となる。そのため、上記ボルト先端側の部
位にて上記大きな応力による耐久性の低下が生じるのを
抑制することができるようになる。
ネジピッチは同ネジ部におけるボルトの軸線方向両端部
以外の位置にて他の位置のものより小さくなるため、ロ
ッド本体とキャップとの固定時にはボルトの先端側に位
置する両ネジ部間の押圧力が高くなる。ボルトが螺入さ
れるネジ孔をロッド本体に形成する場合であれ、キャッ
プに形成する場合であれ、それらロッド本体又はキャッ
プにおけるボルトの先端側に位置する部位は基端側の部
位よりも肉厚となる。そのため、上記ボルト先端側の部
位にて上記大きな応力による耐久性の低下が生じるのを
抑制することができるようになる。
【0016】請求項4記載の発明では、一端部に内燃機
関のピストンが連結されるロッド本体と、そのロッド本
体の他端部との間に同機関のクランクシャフトを挟むキ
ャップとの内、いずれか一方に貫通孔を設けるとともに
他方に前記貫通孔と同軸上で延びるネジ孔を設け、前記
貫通孔を貫通して前記ネジ孔にボルトを螺入し、同ボル
トの締め付けを行うことで前記キャップを前記ロッド本
体に固定するコネクティングロッドにおいて、前記ネジ
孔に形成されたネジ部にあって、そのネジ孔の設けられ
た前記キャップ又は前記ロッド本体にあってより肉厚な
部位に位置される該ネジ部の軸線方向先端部のネジピッ
チ、及びより肉厚の薄い部位に位置される該ネジ部の軸
線方向基端部のネジピッチを所定のピッチP4とすると
ともに、同ネジ孔のネジ部にあって前記軸線方向先端部
と前記軸線方向基端部との間の軸線方向中央部のネジピ
ッチを前記所定のピッチP4よりも大きいピッチP5と
した。
関のピストンが連結されるロッド本体と、そのロッド本
体の他端部との間に同機関のクランクシャフトを挟むキ
ャップとの内、いずれか一方に貫通孔を設けるとともに
他方に前記貫通孔と同軸上で延びるネジ孔を設け、前記
貫通孔を貫通して前記ネジ孔にボルトを螺入し、同ボル
トの締め付けを行うことで前記キャップを前記ロッド本
体に固定するコネクティングロッドにおいて、前記ネジ
孔に形成されたネジ部にあって、そのネジ孔の設けられ
た前記キャップ又は前記ロッド本体にあってより肉厚な
部位に位置される該ネジ部の軸線方向先端部のネジピッ
チ、及びより肉厚の薄い部位に位置される該ネジ部の軸
線方向基端部のネジピッチを所定のピッチP4とすると
ともに、同ネジ孔のネジ部にあって前記軸線方向先端部
と前記軸線方向基端部との間の軸線方向中央部のネジピ
ッチを前記所定のピッチP4よりも大きいピッチP5と
した。
【0017】同構成によれば、ネジ孔のネジ部における
ネジピッチは同ネジ部におけるネジ孔の軸線方向両端部
以外の位置にて他の位置のものよりも大きくなるため、
ロッド本体とキャップとの固定時にはボルトの先端側に
位置する両ネジ部間の押圧力が高くなる。ボルトが螺入
されるネジ孔をロッド本体に形成する場合であれ、キャ
ップに形成する場合であれ、それらロッド本体又はキャ
ップにおけるボルトの先端側に位置する部位は基端側の
部位よりも肉厚になる。そのため、上記ボルト先端側の
部位にて上記大きな応力による耐久性の低下が生じるの
を抑制することができるようになる。
ネジピッチは同ネジ部におけるネジ孔の軸線方向両端部
以外の位置にて他の位置のものよりも大きくなるため、
ロッド本体とキャップとの固定時にはボルトの先端側に
位置する両ネジ部間の押圧力が高くなる。ボルトが螺入
されるネジ孔をロッド本体に形成する場合であれ、キャ
ップに形成する場合であれ、それらロッド本体又はキャ
ップにおけるボルトの先端側に位置する部位は基端側の
部位よりも肉厚になる。そのため、上記ボルト先端側の
部位にて上記大きな応力による耐久性の低下が生じるの
を抑制することができるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態を図1〜図5に従って説明する。図5に示すよう
に、エンジン11は、ピストン12とクランクシャフト
(出力軸)15とがコネクティングロッド16によって
連結され、そのコネクティングロッド16によってピス
トン12の往復移動がクランクシャフト15の回転へと
変換される。また、ピストン12の上側には燃焼室17
が設けられ、同燃焼室17には空気と燃料とからなる混
合ガスが充填されるようになる。そして、燃焼室17内
の混合ガスが点火されて燃焼すると、同ガスの燃焼エネ
ルギーによりピストン12が往復移動してクランクシャ
フト15が回転する。
形態を図1〜図5に従って説明する。図5に示すよう
に、エンジン11は、ピストン12とクランクシャフト
(出力軸)15とがコネクティングロッド16によって
連結され、そのコネクティングロッド16によってピス
トン12の往復移動がクランクシャフト15の回転へと
変換される。また、ピストン12の上側には燃焼室17
が設けられ、同燃焼室17には空気と燃料とからなる混
合ガスが充填されるようになる。そして、燃焼室17内
の混合ガスが点火されて燃焼すると、同ガスの燃焼エネ
ルギーによりピストン12が往復移動してクランクシャ
フト15が回転する。
【0019】ここで、上記コネクティングロッド16の
詳細構造を図1及び図2に示す。この図1はコネクティ
ングロッド16全体を示す側面図であって、図2はコネ
クティングロッド16において後述する大端部26を示
す断面図である。
詳細構造を図1及び図2に示す。この図1はコネクティ
ングロッド16全体を示す側面図であって、図2はコネ
クティングロッド16において後述する大端部26を示
す断面図である。
【0020】図1に示すように、コネクティングロッド
16は、棒状に形成されたロッド本体21と、そのロッ
ド本体21にボルト28で固定されるキャップ23とか
ら構成されている。ロッド本体21の一端部(図中上端
部)には、ピストンピン24によってピストン12が連
結される小端部25が形成されている。また、ロッド本
体の他端部(図中下端部)には、ボルト28によって同
他端部との間にクランクシャフト15を挟む態様でキャ
ップ23が取り付けられている。そして、ロッド本体2
1の他端部とキャップ23とにより、コネクティングロ
ッド16に大端部26が形成されている。なお、大端部
26において、ロッド本体21とキャップ23との対向
面21a,23aはそれぞれ半円弧状に形成され、それ
ら対向面21a,23a間にクランクシャフト15が回
転可能に支持されている。
16は、棒状に形成されたロッド本体21と、そのロッ
ド本体21にボルト28で固定されるキャップ23とか
ら構成されている。ロッド本体21の一端部(図中上端
部)には、ピストンピン24によってピストン12が連
結される小端部25が形成されている。また、ロッド本
体の他端部(図中下端部)には、ボルト28によって同
他端部との間にクランクシャフト15を挟む態様でキャ
ップ23が取り付けられている。そして、ロッド本体2
1の他端部とキャップ23とにより、コネクティングロ
ッド16に大端部26が形成されている。なお、大端部
26において、ロッド本体21とキャップ23との対向
面21a,23aはそれぞれ半円弧状に形成され、それ
ら対向面21a,23a間にクランクシャフト15が回
転可能に支持されている。
【0021】図2に示すように、大端部26の外側部
(対向面21a,23aの外側方に位置する部分)に
は、キャップ23を図中上下方向に貫通する貫通孔27
が設けられている。また、ロッド本体21には上記貫通
孔27と同軸上で延びるネジ孔29が設けられている。
そして、ボルト28は、その先端部(図中上端部)がネ
ジ孔29に螺着された状態で貫通孔27を貫通してい
る。このボルト28において貫通孔27から図中下方に
突出した部分にはナット33が螺着されている。そし
て、ナット33を締め付けることにより、キャップ23
がロッド本体21側に引き寄せられて、ロッド本体21
とキャップ23との固定が行われる。
(対向面21a,23aの外側方に位置する部分)に
は、キャップ23を図中上下方向に貫通する貫通孔27
が設けられている。また、ロッド本体21には上記貫通
孔27と同軸上で延びるネジ孔29が設けられている。
そして、ボルト28は、その先端部(図中上端部)がネ
ジ孔29に螺着された状態で貫通孔27を貫通してい
る。このボルト28において貫通孔27から図中下方に
突出した部分にはナット33が螺着されている。そし
て、ナット33を締め付けることにより、キャップ23
がロッド本体21側に引き寄せられて、ロッド本体21
とキャップ23との固定が行われる。
【0022】次に、ボルト28とロッド本体21との螺
合構造について図3を参照して詳しく説明する。なお、
図3は、ボルト28の先端外周部と、ロッド本体21に
おけるネジ孔29の内周部との拡大図である。
合構造について図3を参照して詳しく説明する。なお、
図3は、ボルト28の先端外周部と、ロッド本体21に
おけるネジ孔29の内周部との拡大図である。
【0023】同図に示されるように、ネジ孔29の内周
面には、一定のピッチP3となる雌ネジ34が形成さた
ネジ部35が設けられている。また、ボルト28の先端
部(図中左端部)外周面には、雄ネジ36が形成された
ネジ部37が設けられている。本実施形態にあって、こ
の雄ネジ36は、ネジ部37におけるボルト28の軸線
方向中央部のピッチP2が、同中央部以外でのピッチP
1よりも小さい値となっている。従って、ボルト28と
ネジ孔29との螺合時、ボルト28の基端側(図中右
側)に位置する雄ネジ36では、雌ネジ34との接触面
38が当該ネジ山の左側(ボルト先端側)に位置する。
また、ボルト28の先端側(図中左側)に位置する雄ネ
ジ36では、雌ネジ34との接触面39が当該ネジ山の
右側(ボルト基端側)になる。この状態で、ナット33
(図2)を締め付けることによって、ロッド本体21と
キャップ23との固定が行われる。
面には、一定のピッチP3となる雌ネジ34が形成さた
ネジ部35が設けられている。また、ボルト28の先端
部(図中左端部)外周面には、雄ネジ36が形成された
ネジ部37が設けられている。本実施形態にあって、こ
の雄ネジ36は、ネジ部37におけるボルト28の軸線
方向中央部のピッチP2が、同中央部以外でのピッチP
1よりも小さい値となっている。従って、ボルト28と
ネジ孔29との螺合時、ボルト28の基端側(図中右
側)に位置する雄ネジ36では、雌ネジ34との接触面
38が当該ネジ山の左側(ボルト先端側)に位置する。
また、ボルト28の先端側(図中左側)に位置する雄ネ
ジ36では、雌ネジ34との接触面39が当該ネジ山の
右側(ボルト基端側)になる。この状態で、ナット33
(図2)を締め付けることによって、ロッド本体21と
キャップ23との固定が行われる。
【0024】次に、ロッド本体21とキャップ23との
固定作業について説明する。ロッド本体21とキャップ
23とを固定する際には、先ず貫通孔27及びネジ孔2
9の軸線が一致するようにロッド本体21とキャップ2
3とが位置合わせされる。その後、レンチ等によってボ
ルト28が貫通孔27側(図2の上から下)へ向かって
ネジ孔29に螺入される。このとき、ボルト28の螺入
に伴って図3に示される雄ネジ36と雌ネジ34との接
触面38に押圧力が働き、その押圧力によりボルト28
がボルト基端側に向かって押されるようになる。そし
て、図2に示すように、ボルト28のネジ部37全体が
ネジ孔29内に位置するまで螺入が進むと、ボルト28
の基端部が貫通孔27から図中下側に向かって突出する
ようになる。
固定作業について説明する。ロッド本体21とキャップ
23とを固定する際には、先ず貫通孔27及びネジ孔2
9の軸線が一致するようにロッド本体21とキャップ2
3とが位置合わせされる。その後、レンチ等によってボ
ルト28が貫通孔27側(図2の上から下)へ向かって
ネジ孔29に螺入される。このとき、ボルト28の螺入
に伴って図3に示される雄ネジ36と雌ネジ34との接
触面38に押圧力が働き、その押圧力によりボルト28
がボルト基端側に向かって押されるようになる。そし
て、図2に示すように、ボルト28のネジ部37全体が
ネジ孔29内に位置するまで螺入が進むと、ボルト28
の基端部が貫通孔27から図中下側に向かって突出する
ようになる。
【0025】この状態で、ボルト28における貫通孔2
7から突出する部分にナット33が螺着されるととも
に、そのナット33の締め付けが行われる。このように
ナット33が締め付けられると、図3に示されるネジ部
35,37のボルト基端側にあっては、そこに位置する
接触面38が互いに離間しようとする。このため、それ
ら接触面38間に働く押圧力は小さくなる。また、ネジ
部35,37のボルト先端側にあっては、そこに位置す
る接触面39が互いに押し付けられるようになる。この
ため、それら接触面39間に働く押圧力は大きくなる。
そして、上記接触面39間に働く押圧力によりロッド本
体21とキャップ23とが引き寄せられ、それら両者が
固定されるようになる。
7から突出する部分にナット33が螺着されるととも
に、そのナット33の締め付けが行われる。このように
ナット33が締め付けられると、図3に示されるネジ部
35,37のボルト基端側にあっては、そこに位置する
接触面38が互いに離間しようとする。このため、それ
ら接触面38間に働く押圧力は小さくなる。また、ネジ
部35,37のボルト先端側にあっては、そこに位置す
る接触面39が互いに押し付けられるようになる。この
ため、それら接触面39間に働く押圧力は大きくなる。
そして、上記接触面39間に働く押圧力によりロッド本
体21とキャップ23とが引き寄せられ、それら両者が
固定されるようになる。
【0026】ここで、ロッド本体21とキャップ23と
の固定時には、雄ネジ36と雌ネジ34との螺合による
上記押圧力に基づきロッド本体21に応力が生じる。上
記応力の大きさをボルト28の軸線方向各位置毎に表し
たグラフを図4に示す。このグラフから明らかなよう
に、ロッド本体21とキャップ23との固定時には、ロ
ッド本体21においてボルト先端側に位置する部位ほど
上記応力が大きくなる。即ち、本実施形態では、ボルト
28の軸線方向位置毎における上記応力の大きさが図4
のグラフのような推移傾向を示すように、上記雄ネジ3
6のピッチP1,P2の大きさが予め設定されている。
の固定時には、雄ネジ36と雌ネジ34との螺合による
上記押圧力に基づきロッド本体21に応力が生じる。上
記応力の大きさをボルト28の軸線方向各位置毎に表し
たグラフを図4に示す。このグラフから明らかなよう
に、ロッド本体21とキャップ23との固定時には、ロ
ッド本体21においてボルト先端側に位置する部位ほど
上記応力が大きくなる。即ち、本実施形態では、ボルト
28の軸線方向位置毎における上記応力の大きさが図4
のグラフのような推移傾向を示すように、上記雄ネジ3
6のピッチP1,P2の大きさが予め設定されている。
【0027】こうした応力の推移傾向に対し、ロッド本
体21においては図2に示されるように、ボルト先端側
に向かうほどネジ孔29とロッド本体21の対向面21
aとの間の距離が長くなって、ロッド本体21の肉厚t
が大きくなっている。従って、ロッド本体21における
肉厚tが薄い部位、即ちロッド本体21においてネジ部
37のボルト基端に対応する部位にて上記応力が大きく
なることが防止される。また、ロッド本体21において
上記応力が大きくなる部位では肉厚tが厚くなるため、
その応力が大きくなる部位で耐久性の低下が生じるのを
抑制することができるようになる。
体21においては図2に示されるように、ボルト先端側
に向かうほどネジ孔29とロッド本体21の対向面21
aとの間の距離が長くなって、ロッド本体21の肉厚t
が大きくなっている。従って、ロッド本体21における
肉厚tが薄い部位、即ちロッド本体21においてネジ部
37のボルト基端に対応する部位にて上記応力が大きく
なることが防止される。また、ロッド本体21において
上記応力が大きくなる部位では肉厚tが厚くなるため、
その応力が大きくなる部位で耐久性の低下が生じるのを
抑制することができるようになる。
【0028】以上詳述した本実施形態によれば、以下に
示す効果が得られるようになる。・本実施形態における
ボルト28の雄ネジ36は、ネジ部37におけるボルト
28の軸線方向中央部のピッチP2が他の位置でのピッ
チP1よりも小さくなる。そのため、ロッド本体21と
キャップ23との固定時には、ボルト先端側に位置する
雄ネジ36と雌ネジ34と接触面39間に生じた押圧力
が、ボルト基端側に位置する雄ネジ36と雌ネジ34と
の接触面38間に生じる押圧力よりも大きくなる。従っ
て、上記押圧力に基づきロッド本体21に生じる応力
は、ロッド本体21においてボルト先端側の部位ほど大
きくなるとともにボルト基端側の部位ほど小さくなる。
そして、ロッド本体21においてボルト先端側に位置す
る部位はボルト基端側の部位よりも肉厚tが厚くなるた
め、肉厚tの薄い上記ボルト基端側の部位にて大きな応
力による耐久性の低下が生じるのを抑制することができ
る。
示す効果が得られるようになる。・本実施形態における
ボルト28の雄ネジ36は、ネジ部37におけるボルト
28の軸線方向中央部のピッチP2が他の位置でのピッ
チP1よりも小さくなる。そのため、ロッド本体21と
キャップ23との固定時には、ボルト先端側に位置する
雄ネジ36と雌ネジ34と接触面39間に生じた押圧力
が、ボルト基端側に位置する雄ネジ36と雌ネジ34と
の接触面38間に生じる押圧力よりも大きくなる。従っ
て、上記押圧力に基づきロッド本体21に生じる応力
は、ロッド本体21においてボルト先端側の部位ほど大
きくなるとともにボルト基端側の部位ほど小さくなる。
そして、ロッド本体21においてボルト先端側に位置す
る部位はボルト基端側の部位よりも肉厚tが厚くなるた
め、肉厚tの薄い上記ボルト基端側の部位にて大きな応
力による耐久性の低下が生じるのを抑制することができ
る。
【0029】なお、本実施形態は、例えば以下のように
変更することもできる。 ・本実施形態では、ロッド本体21にボルト28が螺入
されるネジ孔29を設け、キャップ23にボルト28が
貫通する貫通孔27を設けたが、ロッド本体21に貫通
孔27を設けるとともにキャップ23にネジ孔29を設
け、貫通孔27及びネジ孔29の位置関係を上記実施形
態と逆にしてもよい。この場合、ボルト28における先
端及び基端の位置関係も上記実施形態と逆になるが、そ
の効果は上記実施形態と同様である。
変更することもできる。 ・本実施形態では、ロッド本体21にボルト28が螺入
されるネジ孔29を設け、キャップ23にボルト28が
貫通する貫通孔27を設けたが、ロッド本体21に貫通
孔27を設けるとともにキャップ23にネジ孔29を設
け、貫通孔27及びネジ孔29の位置関係を上記実施形
態と逆にしてもよい。この場合、ボルト28における先
端及び基端の位置関係も上記実施形態と逆になるが、そ
の効果は上記実施形態と同様である。
【0030】・本実施形態では、頭部のないボルト28
とナット33とによってロッド本体21とキャップ23
との固定を行ったが、これに代えて図6に示すような頭
部41aを備えたボルト41によりロッド本体21とキ
ャップ23との固定を行ってもよい。この場合、ボルト
41は貫通孔27を貫通して同孔27側からネジ孔29
に螺入されることとなる。こうしたボルト41を採用し
た場合でも、上記実施形態と同様の効果を得ることがで
きるようになる。
とナット33とによってロッド本体21とキャップ23
との固定を行ったが、これに代えて図6に示すような頭
部41aを備えたボルト41によりロッド本体21とキ
ャップ23との固定を行ってもよい。この場合、ボルト
41は貫通孔27を貫通して同孔27側からネジ孔29
に螺入されることとなる。こうしたボルト41を採用し
た場合でも、上記実施形態と同様の効果を得ることがで
きるようになる。
【0031】・本実施形態の雄ネジ36は、ネジ部37
におけるボルト28の軸線方向両端部でのピッチP1よ
り小さいピッチP2となる部分が、上記ネジ部37にお
けるボルト28の軸線方向中央部に位置するが、本発明
はこれに限定されない。即ち、雄ネジ36のピッチP2
となる部分がネジ部37におけるボルト28の軸線方向
両端部に位置していないことを条件に、そのピッチP2
となる部分の位置をボルト28の軸線方向に沿って適宜
変更してもよい。
におけるボルト28の軸線方向両端部でのピッチP1よ
り小さいピッチP2となる部分が、上記ネジ部37にお
けるボルト28の軸線方向中央部に位置するが、本発明
はこれに限定されない。即ち、雄ネジ36のピッチP2
となる部分がネジ部37におけるボルト28の軸線方向
両端部に位置していないことを条件に、そのピッチP2
となる部分の位置をボルト28の軸線方向に沿って適宜
変更してもよい。
【0032】・本実施形態では、雄ネジ36のピッチP
1,P2を異なる値に設定するとともに雌ネジ34のピ
ッチP3を一定値としたが、これに代えて図7に示すよ
うに雄ネジ36のピッチP6を一定値にするとともに雌
ネジ34のピッチP4,P5を異なる値に設定してもよ
い。この場合、雌ネジ34は、ネジ部35におけるボル
ト28の軸線方向中央部でのピッチP5が他の位置での
ピッチP4よりも大きくなるよう形成される。そして、
上記ピッチP4,P5の値は、ロッド本体21とキャッ
プ23との固定時にロッド本体21に生じる応力が、ロ
ッド本体21におけるボルト28の軸線方向への位置変
化に対して図4に示すように推移する値に設定されるこ
とが好ましい。
1,P2を異なる値に設定するとともに雌ネジ34のピ
ッチP3を一定値としたが、これに代えて図7に示すよ
うに雄ネジ36のピッチP6を一定値にするとともに雌
ネジ34のピッチP4,P5を異なる値に設定してもよ
い。この場合、雌ネジ34は、ネジ部35におけるボル
ト28の軸線方向中央部でのピッチP5が他の位置での
ピッチP4よりも大きくなるよう形成される。そして、
上記ピッチP4,P5の値は、ロッド本体21とキャッ
プ23との固定時にロッド本体21に生じる応力が、ロ
ッド本体21におけるボルト28の軸線方向への位置変
化に対して図4に示すように推移する値に設定されるこ
とが好ましい。
【0033】・雄ネジ36をボルト28の軸線方向両端
部以外の部位にて他の位置のものよりも小さいピッチに
形成するとともに、雌ネジ34をボルト28の軸線方向
両端部以外の部位にて他の部位のものよりも大きいピッ
チに形成してもよい。
部以外の部位にて他の位置のものよりも小さいピッチに
形成するとともに、雌ネジ34をボルト28の軸線方向
両端部以外の部位にて他の部位のものよりも大きいピッ
チに形成してもよい。
【0034】
【0035】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、ボルトの
ネジ部におけるネジピッチは同ネジ部におけるボルトの
軸線方向両端部以外の位置にて他の位置のものより小さ
くなるため、ロッド本体とキャップとの固定時にはボル
トの先端側に位置する両ネジ部間の押圧力が大きくな
る。ボルトが螺入されるネジ孔をロッド本体に形成する
場合であれ、キャップに形成する場合であれ、それらロ
ッド本体又はキャップにおけるボルトの先端側に位置す
る部位はボルト基端側の部位よりも肉厚となる。そのた
め、上記基端側の部位にて大きな応力による耐久性の低
下が生じるのを抑制することができる。
ネジ部におけるネジピッチは同ネジ部におけるボルトの
軸線方向両端部以外の位置にて他の位置のものより小さ
くなるため、ロッド本体とキャップとの固定時にはボル
トの先端側に位置する両ネジ部間の押圧力が大きくな
る。ボルトが螺入されるネジ孔をロッド本体に形成する
場合であれ、キャップに形成する場合であれ、それらロ
ッド本体又はキャップにおけるボルトの先端側に位置す
る部位はボルト基端側の部位よりも肉厚となる。そのた
め、上記基端側の部位にて大きな応力による耐久性の低
下が生じるのを抑制することができる。
【0036】請求項2記載の発明によれば、ネジ孔のネ
ジ部におけるネジピッチは同ネジ部におけるネジ孔の軸
線方向両端部以外の位置にて他の位置のものよりも大き
くなるため、ロッド本体とキャップとの固定時にはボル
トの先端側に位置する両ネジ部間の押圧力が高くなる。
ボルトが螺入されるネジ孔をロッド本体に形成する場合
であれ、キャップに形成する場合であれ、それらロッド
本体又はキャップにおけるボルトの先端側に位置する部
位は基端側の部位よりも肉厚になる。そのため、上記ボ
ルト基端側の部位にて大きな応力による耐久性の低下が
生じるのを抑制することができる。
ジ部におけるネジピッチは同ネジ部におけるネジ孔の軸
線方向両端部以外の位置にて他の位置のものよりも大き
くなるため、ロッド本体とキャップとの固定時にはボル
トの先端側に位置する両ネジ部間の押圧力が高くなる。
ボルトが螺入されるネジ孔をロッド本体に形成する場合
であれ、キャップに形成する場合であれ、それらロッド
本体又はキャップにおけるボルトの先端側に位置する部
位は基端側の部位よりも肉厚になる。そのため、上記ボ
ルト基端側の部位にて大きな応力による耐久性の低下が
生じるのを抑制することができる。
【0037】請求項3記載の発明によれば、ロッド本体
とキャップとの固定時にはボルトの先端側に位置する両
ネジ部間の押圧力が大きくなる。ボルトが螺入されるネ
ジ孔をロッド本体に形成する場合であれ、キャップに形
成する場合であれ、それらロッド本体又はキャップにお
けるボルトの先端側に位置する部位はボルト基端側の部
位よりも肉厚となる。そのため、上記基端側の部位にて
大きな応力による耐久性の低下が生じるのを抑制するこ
とができる。
とキャップとの固定時にはボルトの先端側に位置する両
ネジ部間の押圧力が大きくなる。ボルトが螺入されるネ
ジ孔をロッド本体に形成する場合であれ、キャップに形
成する場合であれ、それらロッド本体又はキャップにお
けるボルトの先端側に位置する部位はボルト基端側の部
位よりも肉厚となる。そのため、上記基端側の部位にて
大きな応力による耐久性の低下が生じるのを抑制するこ
とができる。
【0038】請求項4記載の発明によれば、ロッド本体
とキャップとの固定時にはボルトの先端側に位置する両
ネジ部間の押圧力が高くなる。ボルトが螺入されるネジ
孔をロッド本体に形成する場合であれ、キャップに形成
する場合であれ、それらロッド本体又はキャップにおけ
るボルトの先端側に位置する部位は基端側の部位よりも
肉厚になる。そのため、上記ボルト基端側の部位にて大
きな応力による耐久性の低下が生じるのを抑制すること
ができる。
とキャップとの固定時にはボルトの先端側に位置する両
ネジ部間の押圧力が高くなる。ボルトが螺入されるネジ
孔をロッド本体に形成する場合であれ、キャップに形成
する場合であれ、それらロッド本体又はキャップにおけ
るボルトの先端側に位置する部位は基端側の部位よりも
肉厚になる。そのため、上記ボルト基端側の部位にて大
きな応力による耐久性の低下が生じるのを抑制すること
ができる。
【図1】本実施形態のコネクティングロッドを示す側面
図。
図。
【図2】同コネクティングロッドの大端部を示す断面
図。
図。
【図3】ボルトの雄ネジとネジ孔の雌ネジとの螺合態様
を示す拡大断面図。
を示す拡大断面図。
【図4】ロッド本体におけるボルトの軸線方向各位置で
の応力の大きさを示すグラフ。
の応力の大きさを示すグラフ。
【図5】コネクティングロッドが設けられたエンジン全
体を示す斜視図。
体を示す斜視図。
【図6】ロッド本体とキャップとを固定するボルトにお
ける他の実施形態を示すコネクティングロッド大端部の
断面図。
ける他の実施形態を示すコネクティングロッド大端部の
断面図。
【図7】更に他の実施形態におけるボルトの雄ネジとネ
ジ孔の雌ネジとの螺合態様を示す拡大断面図。
ジ孔の雌ネジとの螺合態様を示す拡大断面図。
【図8】従来のロッド本体とキャップとの固定構造の一
例を示す断面図。
例を示す断面図。
【図9】同従来の固定構造におけるボルトの雄ネジとネ
ジ孔の雌ネジとの螺合構造を示す拡大断面図。
ジ孔の雌ネジとの螺合構造を示す拡大断面図。
11…エンジン、12…ピストン、15…クランクシャ
フト、21…ロッド本体、23…キャップ、27…貫通
孔、28…ボルト、29…ネジ孔、34…雌ネジ、35
…ネジ部、36…雄ネジ、37…ネジ部、41…ボル
ト。
フト、21…ロッド本体、23…キャップ、27…貫通
孔、28…ボルト、29…ネジ孔、34…雌ネジ、35
…ネジ部、36…雄ネジ、37…ネジ部、41…ボル
ト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16B 31/06 F16C 7/02
Claims (4)
- 【請求項1】一端部に内燃機関のピストンが連結される
ロッド本体と、そのロッド本体の他端部との間に同機関
のクランクシャフトを挟むキャップとの内、いずれか一
方に貫通孔を設けるとともに他方に前記貫通孔と同軸上
で延びるネジ孔を設け、前記貫通孔を貫通して前記ネジ
孔にボルトを螺入し、同ボルトの締め付けを行うことで
前記キャップを前記ロッド本体に固定するコネクティン
グロッドのボルト締結構造において、前記ボルトのネジ部のネジピッチにあって、前記ネジ孔
の設けられた前記キャップ又は前記ロッド本体のより肉
厚な部位に位置される該ネジ部の軸線方向先端部、及び
より肉厚の薄い部位に位置される該ネジ部の軸線方向基
端部は、そのネジピッチが所定のピッチP1とされ、前
記ネジ部の軸線方向先端部と前記ネジ部の軸線方向基端
部との間の該ネジ部の軸線方向中央部は、そのネジピッ
チが前記所定のピッチP1よりも小さいピッチP2とさ
れてなる ことを特徴とするコネクティングロッドのボル
ト締結構造。 - 【請求項2】一端部に内燃機関のピストンが連結される
ロッド本体と、そのロッド本体の他端部との間に同機関
のクランクシャフトを挟むキャップとの内、いずれか一
方に貫通孔を設けるとともに他方に前記貫通孔と同軸上
で延びるネジ孔を設け、前記貫通孔を貫通して前記ネジ
孔にボルトを螺入し、同ボルトの締め付けを行うことで
前記キャップを前記ロッド本体に固定するコネクティン
グロッドのボルト締結構造において、 前記ネジ孔のネジ部にあって、そのネジ孔の設けられた
前記キャップ又は前記ロッド本体のより肉厚な部位に位
置される該ネジ部の軸線方向先端部、及びより肉厚の薄
い部位に位置される該ネジ部の軸線方向基端部は、その
ネジピッチが所定のピッチP4とされ、同ネジ孔のネジ
部にあって前記軸線方向先端部と前記軸線方向基端部と
の間の軸線方向中央部は、そのネジピッチが前記所定の
ピッチP4よりも大きいピッチP5とされてなることを
特徴とする コネクティングロッドのボルト締結構造。 - 【請求項3】内燃機関におけるコネクティングロッドの
ロッド本体とキャップとのいずれか一方に設けられたネ
ジ孔に螺入され、締め付けられることで、それ らロッド
本体とキャップとを両者間に内燃機関のクランクシャフ
トを挟んだ状態で固定するボルトにおいて、 前記ネジ孔に螺着されるネジ部を備え、前記ネジ孔の設
けられた前記キャップ又は前記ロッド本体のより肉厚な
部位に位置される該ネジ部の軸線方向先端部のネジピッ
チ、及びより肉厚の薄い部位に位置される該ネジ部の軸
線方向基端部のネジピッチを所定のピッチP1とすると
ともに、前記ネジ部の軸線方向先端部と前記ネジ部の軸
線方向基端部との間の該ネジ部の軸線方向中央部のネジ
ピッチを前記所定のピッチP1よりも小さいピッチP2
とすることを特徴とするボルト。 - 【請求項4】一端部に内燃機関のピストンが連結される
ロッド本体と、そのロッド本体の他端部との間に同機関
のクランクシャフトを挟むキャップとの内、いずれか一
方に貫通孔を設けるとともに他方に前記貫通孔と同軸上
で延びるネジ孔を設け、前記貫通孔を貫通して前記ネジ
孔にボルトを螺入し、同ボルトの締め付けを行うことで
前記キャップを前記ロッド本体に固定するコネクティン
グロッドにおいて、 前記ネジ孔に形成されたネジ部にあって、そのネジ孔の
設けられた前記キャップ又は前記ロッド本体にあってよ
り肉厚な部位に位置される該ネジ部の軸線方向先端部の
ネジピッチ、及びより肉厚の薄い部位に位置される該ネ
ジ部の軸線方向基端部のネジピッチを所定のピッチP4
とするとともに、同ネジ孔のネジ部にあって前記軸線方
向先端部と前記軸線方向基端部との間の軸線方向中央部
のネジピッチを前記所定のピッチP4よりも大きいピッ
チP5とすることを特徴とするコネクティングロッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35368097A JP3309789B2 (ja) | 1997-12-22 | 1997-12-22 | コネクティングロッドのボルト締結構造及びそのボルト並びにコネクティングロッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35368097A JP3309789B2 (ja) | 1997-12-22 | 1997-12-22 | コネクティングロッドのボルト締結構造及びそのボルト並びにコネクティングロッド |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11182520A JPH11182520A (ja) | 1999-07-06 |
JP3309789B2 true JP3309789B2 (ja) | 2002-07-29 |
Family
ID=18432495
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35368097A Expired - Fee Related JP3309789B2 (ja) | 1997-12-22 | 1997-12-22 | コネクティングロッドのボルト締結構造及びそのボルト並びにコネクティングロッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3309789B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106808731A (zh) * | 2017-03-17 | 2017-06-09 | 苏州蓝王机床工具科技有限公司 | 具有导向功能的连杆与球体丝杠的连接机构 |
-
1997
- 1997-12-22 JP JP35368097A patent/JP3309789B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11182520A (ja) | 1999-07-06 |
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