JP3309444B2 - 記録再生装置及びブレーキバンド - Google Patents

記録再生装置及びブレーキバンド

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JP3309444B2
JP3309444B2 JP29330892A JP29330892A JP3309444B2 JP 3309444 B2 JP3309444 B2 JP 3309444B2 JP 29330892 A JP29330892 A JP 29330892A JP 29330892 A JP29330892 A JP 29330892A JP 3309444 B2 JP3309444 B2 JP 3309444B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テープテンション
調整機構を備えたビデオテープレコーダ(VTR)等の
記録再生装置及びこの記録再生装置に備えられるブレー
キバンドに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ビデオテープレコーダ(VT
R)等の記録再生装置においては、磁気テープを安定し
て走行させるために、磁気テープが適度なテンションを
与えられた状態で走行させることが必要であり、まだ、
そのテンションはできるだけ一定の強さに保持されるこ
とが必要である。
【0003】特にVTR等においては、情報の記録再生
時にヘッドドラムの外周面に対して磁気テープが密着し
て巻付けられて走行することが重要な条件とされてお
り、テープテンションが適度でない場合、あるいは大き
く変動する場合等は上述のヘッドドラムへの磁気テープ
の巻付け状態が不安定となり、情報の正確な記録再生が
行われない。
【0004】そのため、従来のVTR等の磁気テープが
回転ヘッドドラムに斜めに巻付けられて走行するテープ
プレイヤーにあっては、テープテンションをほぼ一定に
保持するテープテンション調整機構が備えられている。
【0005】例えば、従来のテープテンション調整機構
31は、図7に示すように、磁気テープTを掛け渡すテ
ンレギピン32をテンレギアーム33上に立設し、この
テンレギアーム33を支持点34を中心として水平方向
に回動可能に取付け、バネ35によって上述のテンレギ
ピン32が磁気テープTと接触する方向へ偏倚力を付与
する一方、一端がシャーシ側に固定されてリール台41
に巻回される鋼線製のストリング36の他端を、テンレ
ギピン32と支点軸34との間の部位に止着して構成さ
れている。
【0006】この構成により、テープテンションが弱く
なるとテンレギアーム33が支点軸34を中心として図
7において反時計方向に回転し、この回転により、スト
リング36が牽引されてリール台41の周面に圧接され
る。
【0007】また、テープテンションが強くなるとテン
レギアーム33が支点軸34を中心として図7において
時計方向に回転し、この回転によりストリング36は牽
引が弛むことになってリール台41に対する圧接が弛緩
されて、テープテンションを調整するようになってい
る。
【0008】なお、記録再生装置内には、テープテンシ
ョン調整機構31の近傍に位置して磁気テープTの走行
方向を変える垂直固定ガイド42を設けると共に、ヘッ
ドドラムHを挟んで略対称的に磁気テープTを傾斜させ
る固定傾斜ガイド43,43′を配設し、またヘッドド
ラムHに対して斜めに磁気テープTを巻付け、再び磁気
テープTを垂直状態に戻すためにガイドするローラガイ
ド44,44′、ローラガイド45,45′及び傾斜ガ
イド46,46′を移動ベース(図示せず)上に設けて
配置している。
【0009】そして、磁気テープTはヘッドドラムHに
対する出口側において固定傾斜ガイド43′からキャプ
スタン47、移動ガイド48を経由してカセットC内に
送られ巻取り側リール49に巻取られるようになってい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように構成される
従来の記録再生装置において、テープテンション調整機
構はストリングが鋼線により形成されており、また、リ
ール台は合成樹脂により形成されているため、その摩耗
速度はストリングのリール台に対する巻付け圧力Pとリ
ール台の回転速度Vとの積PVに比例するが、ストリン
グは断面円形の鋼線であるためリール台と線接触するこ
とになり、従ってPVの値が非常に大きく、結果として
リール台の摩耗が速くなる欠点があった。
【0011】また、ストリングとリール台との相対速度
の増加に伴い摩擦係数が減少するような状態になるとス
ティックスリップを起し、ブレーキ力が変動してテープ
テンションの変動の原因となる不具合があった。
【0012】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
で、金属製のストリングを用いるテープテンション調整
機構を備えた記録再生装置において、リール台の摩耗速
度を低下させ、また、スティックスリップを発生し難く
して、リール台に対する安定したブレーキ力が得られ、
磁気テープを安定して走行できるようにした記録再生装
置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の記録再生装置は、記録担体であるテープと、
このテープの供給又は巻取りを行うリール台と、このテ
ープが走行時に弾性的に摺接するテープガイドをその一
端に有し、シャーシに回動自在に軸支されたテンション
レギュレータアームと、このテンションレギュレータア
ームの軸支点近傍に一端が係止され、中間部分がリール
台の周面の一部に巻付けられると共に他端がシャーシの
所定部位に係止された金属製のストリング状ブレーキバ
ンドと、を備えた記録再生装置において、ブレーキバン
ドは、リール台に巻付けられる部分を金型によって押し
潰して所要幅の平坦部を形成したワイヤにより成り、こ
のワイヤの両端部には、平坦部と面方向を直交させた状
態で止金具が固着され、この両端部の止金具をテンショ
ンレギュレータアーム及びシャーシに係止して取付けら
れる構成としたものである。
【0014】また、本発明におけるブレーキバンドはこ
れをステンレスにより形成したものである。
【0015】また、本発明におけるブレーキバンドは平
坦部にリール台との摺接方向に細かい凹状溝を形成した
ものである。
【0016】
【0017】
【作用】本発明による記録再生装置においては、ブレー
キバンドのリール台周面に巻付けられる部分に平坦部を
形成したことにより、リール台に対して面摺接すること
になって摺接面積が大となり、巻付け圧力が低減され、
リール台の摩耗速度を低減できる。
【0018】また、ブレーキバンドはステンレスにより
形成したことにより錆が生じることなく長期の使用に耐
える。
【0019】また、ブレーキバンドの平坦部に細かい凹
状溝を形成したことにより、リール台との相対速度増加
に伴い摩擦係数が増加するようになり、スティックスリ
ップが生じ難くブレーキ力が安定する。
【0020】さらに、ブレーキバンドの平坦部は、ワイ
ヤを金型により押し潰して形成することにより極めて簡
単にかつ確実に形成できる。
【0021】
【実施例】以下、本発明装置に適用するテープテンショ
ン調整機構の実施例を図1乃至図6を参照して説明す
る。
【0022】本例のテープテンション調整機構1は、供
給側リール台2の近傍に位置してシャーシに軸支される
テンションレギュレータアーム(以下テンレギアームと
いう)3と、リール台2に巻付けられてシャーシとテン
レギアーム3とに止着されるストリング状のブレーキバ
ンド(以下ストリングという)4とから構成される。
【0023】テンレギアーム3はその先端部にテープガ
イド5が立設され、略中央部において軸ピン6によりシ
ャーシ上に回転可能に軸支されて、その軸支部とテープ
ガイド5との間に位置して所定の引張り弾力を保有する
引張りコイルばね7を係合して一方向(図1において反
時計方向)に回転偏倚されている。
【0024】ブレーキバンドであるストリング4は金属
製のワイヤによりなるもので、その一端がテンレギアー
ム3の軸支点近傍のテープガイド5寄りの位置に係止さ
れ、中間部分がリール台2の周面のガイド溝2aに挿入
される状態で巻付けられると共に他端がシャーシの所定
部位に係止されており、テンレギアーム3の回転偏倚に
よりリール台2のガイド溝2aの内周面に圧接されるよ
うになっている。
【0025】ここで特に本発明では、ストリング4のリ
ール台2に対する巻付け部分、詳しくはガイド溝2aに
挿入されて巻付けられる部分(以下、巻付け部分とい
う)4aは、所要幅を有する平坦面状に形成されてい
る。即ち、本例のストリング4はステンレスのワイヤに
より形成され、巻付け部分4aはこのワイヤを金型によ
り押し潰して元の線径の2倍程度の幅の平坦部として形
成し、これをリール台2に対するブレーキ用バンドとし
て用いることができるようになっている。そしてこのブ
レーキバンドとしてのストリング4の両端部には、平坦
部である巻付け部分4aと面方向を直交させた状態で止
金具8及び9が固着されており、一端側の止金具9をテ
ンレギアーム3の軸支点近傍の位置に係止すると共に、
他端側の止金具8をリール台2に近接してシャーシ上に
設置されるストリングブロック10にねじ11により係
止して取付けてある。なお、ストリングブロック10に
は調整ドライバ12の駆動歯車13が噛み合わされてい
る。
【0026】また、このストリング4の平坦面状の巻付
け部分4aには図5及び図6に示すように長手方向、即
ち、リール台2との摺接方向に細い凹状溝4a1 を形成
してある。この凹状溝4a1 の形成方法の一例として
は、平坦面形成用の金型に予め砥石により細かい横筋目
を形成しておき、この金型を用いることにより、巻付け
部分4aは平坦面状に形成されると共にこの平坦面には
長手方向に細い凹状溝4a1 が形成される。このストリ
ング4の凹状溝4a1 を形成することによる平坦面状巻
付け部分4aの面粗度は1.6μm以下とすることが望
ましい。
【0027】また、このストリング4の一例としては、
線径が0.16mmで平坦面状巻付け部分4aの幅が
0.3mmとして形成される。
【0028】このように形成されるストリング4を用い
るテープテンション調整機構1は、供給側リール台2と
同軸に一体的に回転されるリール14から導出される磁
気テープTがテンレギアーム3のテープガイド5に巻付
いた後、固定ガイド15に摺接して前述した従来例と略
同等のテープパスをある張力で引張られて通過し一定の
速度で巻取側リール(図示せず)に巻き取られるが、こ
のとき、磁気テープTに対し、テープテンション調整を
行う。
【0029】即ち、テンレギアーム3はテープガイド5
を介して磁気テープの張力を受けるため、図1において
時計方向に回転しようとすると同時に引張りコイルばね
7により反時計方向に回転しようとする力も受けてお
り、両方の力の差でストリング4が引張られてリール台
2のガイド溝2aの内周面に圧接し、リール14の回転
を妨げようとする。
【0030】また、磁気テープTの張力が減少したとす
ると、テンレギアーム3を時計方向に回転させようとす
る力が減少するため、引張りコイルばね7の弾力とのバ
ランスが崩れてストリング4を引張る力は増加する。従
って、ストリング4がリール台2に圧接する力が増加
し、リール14の回転をさらに妨げようとし、磁気テー
プTは一定の速度で引かれているため、結果的に磁気テ
ープの張力は増加する。逆に、磁気テープTの張力が増
加していった場合、前述の動作と逆の動作により磁気テ
ープTの張力は減少する。
【0031】以上の動作を繰り返すことにより、磁気テ
ープTの張力は、常に一定に保持される。
【0032】このように、ストリング4がリール台2に
圧接されることによりリール台2の摩耗等の問題が生じ
るが、本例においては、ストリング4のリール台2への
巻付け部分4aは平坦面状に形成されていることによ
り、リール台2とは面接触することになり、従って、巻
付けた圧力値が低減されて摩耗速度が大幅に下げられる
ことになる。
【0033】また、ストリング4の平坦状巻付け部4a
にはリール台2に対する摺接方向に細かい凹状溝4a1
を形成したことにより、リール台2とストリング4の摺
接によるブレーキの相対速度が増加するに伴い摩擦係数
が増加する特性となってスティックスリップが生じ難く
なり、ブレーキ力の変動がほとんどなく、安定したブレ
ーキ力を得ることができる。この場合、平坦状巻付け部
4aの面粗度が1.6μm以下にすることによりその効
果は大となる。
【0034】このように構成されるテープテンション調
整機構により磁気テープは供給側リールから常に一定の
テープテンションにより安定して送り出されて走行さ
れ、確実に記録・再生が行われる。
【0035】以上、本発明の一実施例を説明したが、本
発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の
趣旨を逸脱しない範囲で種々変更できるものである。
【0036】例えば、ストリング4の平坦状巻付け部4
aを粗面にするには摺接方向の連続状凹凸を形成するこ
となく、サンド状等の独立した凹凸を形成してもよい。
【0037】なお、本発明は回転ヘッド方式の記録再生
装置に限ることなく、固定ヘッド方式の記録再生装置に
も適用できることは勿論である。
【0038】
【発明の効果】以上のように本発明では、ブレーキバン
ドにおけるリール台周面に巻付けられる部分に平坦部を
形成したことによりリール台に対する接触面積が増大し
て摩擦係数が安定し、またリール台との相対速度の増加
に伴い摩擦係数が増加するようになってスティックスリ
ップが生じ難くなり、ブレーキ及びテープテンションが
安定して磁気テープを常に安定して走行させることがで
きて記録・再生が確実に行われ、信頼性が向上する。そ
して、ブレーキバンドをステンレス材で形成することに
より腐食しにくくなるので、錆によるブレーキ力の変化
を防止でき、また、ブレーキバンドの平坦部にリール台
との接触方向に細かい凹状溝を形成することにより、摩
耗を改善し、安定したブレーキ力を得ることができる。
さらにブレーキバンドの平坦部は、ワイヤを金型により
押し潰すことで難しい加工工程を要することなく簡単
に、かつ、確実に形成することができ、また、このよう
に平坦部を形成してもブレーキバンドの断面積は全体に
わたってほぼ一様で強度的にも一様であり、長期の使用
に充分耐え、リール台に対して常に確実に安定して接触
できる構造とすることができ信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による記録再生装置の要部の平面図であ
る。
【図2】同、分解斜視図である。
【図3】本発明に適用するストリングの一例の平面図で
ある。
【図4】同、ストリングの側面図である。
【図5】同、ストリングの平坦部分の拡大図である。
【図6】図5のA−A線断面図である。
【図7】従来の記録再生装置の平面図である。
【符号の説明】
1 テープテンション調整機構 2 リール台 3 テンションレギュレータアーム 4 ストリング(ブレーキバンド) 4a 巻付け部分(平坦部) 4a1 凹状溝 5 テープガイド 8,9 止金具 T 磁気テープ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録担体であるテープと、 該テープの供給又は巻取りを行うリール台と、 該テープが走行時に弾性的に摺接するテープガイドをそ
    の一端に有し、シャーシに回動自在に軸支されたテンシ
    ョンレギュレータアームと、 該テンションレギュレータアームの軸支点近傍に一端が
    係止され、中間部分が上記リール台の周面の一部に巻付
    けられると共に他端が上記シャーシの所定部位に係止さ
    れた金属製のストリング状ブレーキバンドと、 を備えた記録再生装置において、 上記ブレーキバンドは、 上記リール台に巻付けられる部分を金型によって押し潰
    して所要幅の平坦部を形成したワイヤにより成り、 このワイヤの両端部には、上記平坦部と面方向を直交さ
    せた状態で止金具が固着され、 この両端部の止金具を上記テンションレギュレータアー
    ム及び上記シャーシに係止して取付けられるものである
    ことを特徴とする記録再生装置。
  2. 【請求項2】 上記ブレーキバンドを形成する金属がス
    テンレスであることを特徴とする請求項1に記載の記録
    再生装置。
  3. 【請求項3】 上記ブレーキバンドの平坦部の上記リー
    ル台との摺接方向に細かい凹状溝が形成されて成ること
    を特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
  4. 【請求項4】 記録担体であるテープと、 該テープの供給又は巻取りを行うリール台と、 該テープが走行時に弾性的に摺接するテープガイドをそ
    の一端に有し、シャーシに回動自在に軸支されたテンシ
    ョンレギュレータアームと、 を有する記録再生装置に備えられ、 上記テンションレギュレータアームの軸支点近傍に一端
    が係止され、中間部分が上記リール台の周面の一部に巻
    付けられると共に他端が上記シャーシの所定部位に係止
    される金属製のストリング状ブレーキバンドであって、 上記リール台に巻付けられる部分を金型によって押し潰
    して所要幅の平坦部を形成したワイヤにより成り、 このワイヤの両端部には、上記平坦部と面方向を直交さ
    せた状態で止金具が固着され、 この両端部の止金具を上記テンションレギュレータアー
    ム及び上記シャーシに係止して取付けられることを特徴
    とするブレーキバンド。
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