JP3308249B2 - 洗掘監視システム - Google Patents

洗掘監視システム

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JP3308249B2
JP3308249B2 JP28935799A JP28935799A JP3308249B2 JP 3308249 B2 JP3308249 B2 JP 3308249B2 JP 28935799 A JP28935799 A JP 28935799A JP 28935799 A JP28935799 A JP 28935799A JP 3308249 B2 JP3308249 B2 JP 3308249B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、河川橋や海上橋等
の橋梁の上部構造を支持する橋脚・橋台等の洗掘状態を
監視する洗掘監視システムに関する。
【0002】
【従来の技術】河川や海に架け渡される橋梁は、鉄道や
道路の建設に欠くことのできない構造物であり、橋梁を
設置する場所の地理的条件等に応じて、桁橋、アーチ
橋、トラス橋、吊橋などの様々なタイプの橋梁が採用さ
れている。橋梁の構造は、例えば地盤に埋め込まれて固
定された橋脚や橋台に橋桁を設置したものが一般的であ
るが、水の流れの影響により、橋脚等の周辺の河床、海
底は洗掘される。特に悪天候時の増水による洪水・急流
等で、洗掘現象は進行しやすい。洗掘が進行すると、橋
脚等の安定性が失われ、橋梁上の鉄道車両やその他の車
両の通行に支障を生じるおそれがある。
【0003】従って、橋脚や橋台、基礎の周辺の洗掘状
況を常に監視し、洗掘の程度によっては列車や車両を走
行させないようにするなどの安全対策を講じる必要があ
る。特に、洗掘現象が急激に進行する河川増水時等の濁
流下において洗掘の進行状況を正確に把握することが、
橋梁の安全を確保する上で非常に重要となってくる。
【0004】洗掘を監視する方法としては、例えば図8
に示すような、光学式センサや超音波センサ等を利用し
た監視システムが、従来から試みられている。図8
(a)は河床が正常な状態を示し、図8(b)は河床が
洗掘されている状態を示している。橋桁81を支持する
基礎83及び橋脚82は河床85の中に埋設され、橋梁
80全体を支持している。洗掘状態を監視する光学式ま
たは超音波式のセンサ86は、発信器86a及び受信器
86bで構成され、橋桁81の下部に取り付けられてい
る。発信器86aからは、光学式の場合は光波が、超音
波式の場合は超音波が、それぞれ河床85に向けて発信
される。これらの発信波は、河川水84を透過して河床
85の表面で反射し、その反射波は受信器86bで受信
される。このときの発信から受信までの時間を計測する
ことによって、センサ86から河床85の表面までの距
離を算出し、河床レベルが正常であるかどうかを調べて
洗掘状態を判断する。例えば、図8(a)に示すよう
に、河床85が洗掘されていなくて正常な状態にあると
きは、センサ86によって検出した河床85表面までの
距離も正常であると判断されるが、図8(b)に示すよ
うに河床85が洗掘されていると、センサ86によって
検出された距離は長くなり、所定の距離以上の場合は、
異常であると判断される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、光学式
または超音波式のセンサ86を用いた洗掘の監視システ
ムでは、河川水84の透明度が高い場合には、河床85
の表面までの距離を正常に算出できるが、河川水84中
に浮遊物があったり濁流の場合等では、光や超音波はこ
れらに妨害されて河床85まで到達せず、河床85まで
の距離を正確に検知できない。この傾向は、大雨増水時
になるほど顕著になる。仮に河床85まで到達できたと
しても、洗掘進行中の河床85の表面はスラリー状にな
っており、河床85と河川水84との境界が不明確であ
るため、光又は超音波は十分に反射せず、受信器86b
で検知できない。しかも、橋脚82の上では、通常列車
や一般車両等が走行しており、その走行に応じた外乱振
動がセンサ86に加わるため、超音波センサを用いた監
視方法においては、その影響は非常に大きくなる。
【0006】これらの要因により、上記の監視方法は試
験的に実施されているのみで、実用化には至っていな
い。一方、橋脚等の洗掘監視システムの使命は、濁流等
の悪条件下で、河床の洗掘状況を正確かつ迅速に検知し
て、橋梁の安全性を確認することにある。従って、河川
水又は海水等の濁度や浮遊物に関係なく、常に河床の洗
掘状態を把握できるような洗掘監視システムが望まれて
いた。
【0007】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、河川水や海水の濁度や浮遊物等に関係なく、橋脚等
の周辺の洗掘状態を検知できる洗掘監視システムを提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記目的
を達成するためになされた請求項1記載の洗掘監視シス
テムは、橋梁の上部構造を支持する橋脚や橋台、基礎等
の橋梁支持体の洗掘状態を監視するための洗掘監視シス
テムであって、洗掘センサ取付穴を有する中空杭状の外
管と、物体の衝突や摩擦に起因して振動が発生する感応
部に、前記振動に基づいた検知信号を発生する検出部が
結合されて構成される洗掘センサとを備え、前記洗掘セ
ンサは、前記洗掘センサ取付穴から前記外管の内部に水
が入ってこないように、前記洗掘センサ取付穴を前記感
応部で塞ぐように取り付けられ、しかも前記感応部と前
記外管とは振動絶縁体によって音響的に絶縁されて
り、更に、前記洗掘センサの自己診断のために、前記感
応部と音響的に結合された励振部と、前記励振部を励振
して前記感応部を振動させるための励振信号発生部とを
備えていることを特徴とする。
【0009】検出部と感応部との結合は、感応部で発生
した振動が感応部から検出部に伝わるように結合すれば
よく、その方法は特に限定されない。例えば、検出部と
感応部とを直接接触させて、感応部で発生した振動が検
出部に直接伝わるようにしてもよい。
【0010】また、上記の洗掘監視システムでは、洗掘
センサは外管のセンサ取付穴を感応部で覆うように取り
付けられ、外管は河床土や海底中に埋設して使用するた
め、列車や車両の走行振動や、河川水中の浮遊固形物等
が外管に衝突して生じる振動などの様々な外因による振
動が、外管を介して感応部に伝わってくる。これらの外
乱振動によって検出部から検知信号が発生すると、洗掘
状態を誤って判断してしまうおそれがある。そこで、感
応部への直接的な衝突や摩擦以外に起因する振動が感応
部に伝わらないよう、感応部と外管とを振動絶縁体によ
って絶縁する。この振動絶縁体は、河川水や海水等が外
管内部に浸水するのを防ぐ防水シール材としての役目も
果たす。このような振動絶縁体は、ゴム、プラスチック
等、振動を吸収でき、しかも外管内部への浸水を防止で
きるものであれば何でもよい。
【0011】本発明の洗掘監視システムでは、洗掘セン
サが取り付けられた外管を、例えば、少なくとも洗掘セ
ンサが河床や海底の土中に位置するように河床や海底に
埋設して使用する。河床や海底が正常な状態であるとき
は、洗掘センサは土中に埋設されているため、感応部表
面では河川水や海の流水による水中の浮遊固形物等との
衝突や摩擦が生じない。従って、感応部と結合されてい
る検出部からも、信号は発生しない。一方、悪天候によ
る増水等で洗掘現象が生じ、埋設されていた洗掘センサ
が水中にさらされると、水中の浮遊固形物等が感応部表
面に衝突、摩擦して、感応部が振動する。この振動を検
出部が検知して検知信号を発生する。この検知信号の有
無により、洗掘されているかどうかを判定することがで
きる。更に、励振部は、洗掘センサの動作を自己診断す
るためのものであり、自己診断の際は、例えば励振信号
発生部から励振部を励振させるための信号を出力する。
すると、励振部に入力された信号に起因する励振部の振
動が感応部を介して検出部に伝わる。この検出部からの
検知信号を読み取ることにより、洗掘センサが正常に動
作しているかを確認することができる。
【0012】上記構成の洗掘監視システムを用いると、
水中の浮遊固形物が感応部に衝突、摩擦することによっ
て生じる振動を検出部で検出することにより洗掘状態を
判断するため、水の濁度に関係なく正確かつリアルタイ
ムに判断することができる。また、振動絶縁体を介して
感応部を外管に取り付けることにより、感応部への直接
の衝突、摩擦以外の要因によって検出部から検知信号が
発生するのを防止しているため、洗掘状態の誤判断を防
ぐことができると共に、外管内部への浸水も確実に防止
できる。しかも、洗掘センサに自己診断機能を持たせる
ことにより、埋設中の洗掘センサを直接点検することな
く、遠隔地からいつでも確実かつ安全に動作確認をする
ことができる。 請求項2に記載の洗掘監視システムは、
請求項1記載の洗掘監視システムであって、前記検出部
及び前記励振部は共にAEセンサであることを特徴とす
る。固体材料に力学的応力を加えたときに、固体材料内
部にAE(アコースティック・エミッション)すなわち
超音波が発生することは一般に知られている。従って、
河川水中の浮遊固形物等が感応部に衝突又は摩擦する際
には感応部の内部で超音波が発生する。AEセンサは、
このような超音波を検出又は発生するための、圧電素子
を用いた周知のセンサであり、このAEセンサを検出部
及び励振部として用いる。 洗掘が進んで洗掘センサの感
応部が河川水又は海水中に露出すると、水中の浮遊固形
物等が感応部に衝突、摩擦し、感応部の内部で超音波が
発生する。この超音波をAEセンサで検出することによ
り、少なくともその洗掘センサの位置まで洗掘が進んで
いることがわかる。洗掘されずに洗掘センサが河床中に
あるときは、感応部への衝突等が発生しないため、AE
センサからも検知信号は発生しない。なお、AEセンサ
から出力される検知信号は微弱な電圧(数μV〜数m
V)であるため、増幅手段や変換手段等によって、電圧
を増幅したり電気−光変換を行うなど、外部に伝送する
のに適した信号に変換するのが望ましい。そして、この
ように検出部がAEセンサである洗掘センサを自己診断
する場合、励振部にもAEセンサを用い、励振信号発生
部から例えばパルス状の電圧を付 加すればよい。パルス
状の電圧が励振部に入力されると励振部は圧電作用によ
り振動し、その振動が感応部に伝わる。すると感応部の
内部では超音波が発生する。この超音波を検出部で検出
できたかどうか判断することにより、洗掘センサが正常
であるかどうか自己診断すればよい。 このような構成の
洗掘監視システムでは、検出部及び励振部に共にAEセ
ンサを用いるため、感応部への固形物等の衝突や摩擦に
よって生じる感応部内の超音波を検出することにより洗
掘状態を確実に監視することができる。しかも、励振部
を強制的に振動させて、感応部の内部に超音波を発生さ
せることができるため、河川水中の浮遊固形物等の感応
部への衝突又は摩擦を擬似的に再現できる。さらに、励
振部によって感応部の内部で発生した超音波を検出部で
確実に検出することができる。従って、洗掘センサの自
己診断をより正確に行うことができる。
【0013】尚、洗掘センサの設置数は任意の数に設定
できるが、前記外管にて前記橋梁支持体の高さ方向に少
なくとも二個以上備えるようにするとよい。洗掘センサ
が一つの場合、洗掘センサが埋設されている深さまで洗
掘が進んだときに洗掘の判断ができるものの、埋設位置
までの洗掘の進行状況や、洗掘が進んで洗掘センサが水
中に露出した後の洗掘進行状態については判断できな
い。従って、上記のように複数の洗掘センサを橋梁支持
体の高さ方向に配置して用いることにより、どの程度の
深さまで洗掘が進んでいるか、洗掘状態の変化の過程を
監視することができ、より正確に洗掘状態を判断でき
る。
【0014】また、上記請求項1又は2に記載の洗掘監
視システムは、前記検知信号に基づいて前記洗掘状態を
判断し、前記橋梁の健全性を判定する信号処理部を備え
たものであるとよい。信号処理部では、例えば検出部か
らの検知信号を増幅したり、検知信号に含まれるノイズ
成分をカットしたりして、洗掘状態を判定するのに適し
た信号になるよう検知信号の信号処理を行う。また、信
号処理後の検知信号に基づく洗掘状態の判断及び橋梁の
健全性の判定も行う。具体的には、例えば洗掘センサか
らの検知信号が、感応部が振動していない状態を示して
いるときには、その洗掘センサの設置位置まで洗掘が進
んでいないと判断し、感応部が振動している状態を示し
ているときには、その洗掘センサの設置位置まで洗掘が
進んだと判断する。その判断結果に基づいて、例えば列
車や一般車両等がその橋梁を通過するにあたり、全く支
障がないとか、支障が生じるおそれがあるといったよう
に健全性を判定する。また、洗掘の進行状態をモニタ等
に表示したりブザー等で警告したりするような構成にし
たり、洗掘状態に応じて、橋梁を走行しないよう列車等
に指示したり、一般車両に対して通行を禁止する信号を
出すようなシステムを設けて、橋梁を走行する車両等の
安全を図ることができるような構成にしてもよい。
【0015】このような構成の洗掘監視システムでは、
検知信号に基づく洗掘状態の進行状況の判断及び洗掘の
進行状況に応じた橋梁の健全性の判定を信号処理部で行
うため、洗掘の状態を正確かつリアルタイムに知ること
ができ、橋梁上を走行する列車や一般車両等に対する対
応を迅速にとることができる。
【0016】
【0017】更に、この信号処理部は、前記検知信号に
基づいて前記洗掘状態を判断する際に、前記検知信号の
信号レベルに基づいて判断するとよい。例えば所定の信
号レベルを設定し、その信号レベルを越える検知信号が
検出部から出力されれば洗掘状態であると判断し、その
信号レベルに満たない検知信号の場合は単なる微弱振
動、すなわち洗掘状態になっていないものと判断するよ
うな構成にすることができる。このような構成の洗掘監
視システムでは、河川水中の浮遊固形物等の衝突や摩擦
以外の、地盤の微弱振動等の要因によって、微弱な検知
信号が発生しても、その信号レベルに応じて洗掘である
かどうかの判断を行うことができるため、洗掘状態の誤
判断を防止できる。
【0018】
【0019】
【0020】更にまた、信号処理部は、前記検知信号に
基づいて前記洗掘状態を判断する際に、前記検知信号の
持続時間が所定の時間を超えた場合にのみ洗掘状態であ
ると判断するものであるとよい。上記構成の洗掘監視シ
ステムでは、例えば信号処理部において予め所定の持続
時間を設定しておき、その持続時間を越えてもなお検知
信号の発生が続けば洗掘状態であると判断し、検知信号
の発生が所定の持続時間に満たない場合は、洗掘ではな
く列車通過等の外因による振動であると判断するように
すればよい。尚、予め設定しておく持続時間は、例えば
鉄道車両が橋梁を通過するのに要する時間に若干の余裕
を見込んで設定するなど、橋梁上を走行する鉄道車両の
速度等を考慮して適宜決めればよい。
【0021】このような構成の洗掘監視システムでは、
鉄道車両などの通過等により振動絶縁体の振動吸収性能
を上回るほどの振動が感応部に伝わって、万一検出部か
ら検知信号が発生しても、その持続時間に応じて洗掘に
よる検知信号であるか否かを判断するため、洗掘状態の
誤判断を防止できる。
【0022】また、信号処理部は、前記検知信号に基づ
いて前記洗掘状態を判断する際に、車両通過時に信号処
理を中断するとよい。橋梁上を鉄道車両や一般車両等の
車両が通行しているかどうかを判断するためには、例え
ば橋梁上にセンサを設置して、車両通過中であるかどう
かをセンサからの信号によって知ることができるように
すればよい。その場合、センサからの信号に応じて、車
両が通過していない時のみ信号処理部における信号処理
を行い、洗掘状態の判断及び橋梁の健全性の判定を行
う。また、鉄道車両の通過時刻及び通過時間を予め信号
処理部に記憶させておき、橋梁通過中は洗掘監視システ
ムの動作を一時中断するような構成にしてもよい。な
お、このような信号処理の中断は、鉄道車両通過時に限
らず、振動絶縁体の振動吸収性能を上回るほどの振動が
発生するような大型車両等が通過する場合であってその
通過時刻が予めわかっているときにも実行してもよく、
橋梁を通過する車両の種類等に応じて適宜決めればよ
い。
【0023】このような構成の洗掘監視システムでは、
車両等の通過により振動絶縁体の振動吸収性能を上回る
ほどの振動が感応部に伝わって、万一検出部から検知信
号が発生しても、車両等の通過中は信号処理を中断する
ため、洗掘状態が誤判断されるのを防止できる。
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施の形
態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態の洗
掘監視システムを示す説明図、図2は本実施形態のセン
サ本体の内部構成を示す断面図である。洗掘監視システ
ム10は、主としてセンサ本体11、信号ケーブル1
2、信号処理部13a、及び制御部13bを備えてい
る。洗掘の監視対象となる橋梁16は、例えば図1に示
すような一般的な橋梁であり、基礎16a及び橋脚16
bによって橋桁16cが支持されており、その基礎16
a及び橋脚16bは河床17の中に埋設固定されてい
る。
【0031】センサ本体11は、河床17の洗掘状況を
検知して監視センター13に信号を送るもので、金属製
の中空円筒状の外管11aで構成され、急流時の水圧や
水流中の固形物の衝突等によって破損しないだけの十分
な強度を有するものである。センサ本体11には、三個
の洗掘センサ(上位洗掘センサ21、中位洗掘センサ2
2、下位洗掘センサ23)が等間隔でセンサ本体11の
長さ方向、つまり橋脚16bの高さ方向に設けられてい
る。そして、このセンサ本体11は、各洗掘センサ2
1、22、23が全て河床17の中に位置し、しかも下
位洗掘センサ23は橋脚16bを支持するのに最低限必
要な河床土深さ位置になるように河床17に埋設され、
二つの取付部材15a、15bによって橋脚16bに固
定されている。
【0032】次に、センサ本体11の三箇所に設けられ
た各洗掘センサ21、22、23について、図2に基づ
いて説明する。例えば上位洗掘センサ21は、感応部2
1a、検出用AEセンサ21b、自己診断用AEセンサ
21cで構成されている。感応部21aは、三個のOリ
ング21d,21e,21fを介して感応部支持部材2
1gに支持され、その感応部21aに検出用AEセンサ
21b及び自己診断用AEセンサ21cが音響的に結合
されて取り付けられている。尚、検出用AEセンサ21
bは本発明の検出部に相当し、自己診断用AEセンサ2
1cは本発明の励振部に相当し、三個のOリング21
d,21e,21fは本発明の振動絶縁体に相当する。
【0033】感応部21aは金属製であり、その周囲は
三個のOリング21d,21e,21fによって金属製
の感応部支持部材21gと音響的に絶縁されている。そ
のため、列車通過や外管11aへの河川水中浮遊固形物
の衝突等による外乱振動の影響が感応部21aに伝わる
ことを防止している。また、これらのOリング21d,
21e,21fは、音響的絶縁と同時に、河川水18が
センサ本体11内部に浸水してこないための防水シール
材としての役目も果たしている。Oリング21d,21
e,21fとしては、例えばゴム系や軟質プラスチック
を素材とするものを用いることができるが、音響的絶縁
効果及び防水効果を達成するものであれば特に限定され
ない。
【0034】検出用AEセンサ21bは、センシング素
子として圧電素子を用いた周知のAEセンサであり、河
川水18の中の浮遊固形物等が感応部21aに衝突又は
摩擦して感応部21aの内部に生じる超音波を検出する
ものである。自己診断用AEセンサ21cは、検出用A
Eセンサ21bと同じ構造のAEセンサであり、励振信
号(電圧パルス等)を付加することによって振動する。
この振動は感応部21aに伝達されて感応部21aの内
部で超音波が発生し、その超音波を検出用AEセンサ2
1bで検出することができる。つまり、河川水18中の
浮遊固形物等の衝突等によって感応部21aの内部に生
じる超音波を、自己診断用AEセンサ21cを励振させ
ることによって強制的に発生させようというものであ
る。
【0035】センサ本体11の外管11aには洗掘セン
サ取付枠11bが溶接固着されており、この洗掘センサ
取付枠11bにボルト締めすることにより上位洗掘セン
サ21を外管11aに固定している。つまり、感応部2
1a、感応部支持部材21g及び感応部21aと感応部
支持部材21gとの間に介在する三個のOリング21
d,21e,21fによって、洗掘センサ取付枠11b
を完全に塞いでいる。尚、この洗掘センサ取付枠11b
は本発明の洗掘センサ取付穴に相当するものである。ま
た、上位洗掘センサ21及び洗掘センサ取付枠11bの
側面(河川水18や河床17にさらされる面)は、セン
サ本体11の外管11aの側面形状とほぼ合致するよう
に形成されており、河川水18の中の浮遊固形物がひっ
かかったり固着したりしてセンサの正常な動作を妨害す
るのを防いでいる。
【0036】センサ本体11内の上部には、変換増幅部
27が設置されており、検出用AEセンサ21b及び自
己診断用AEセンサ21cは、上位洗掘センサ用ケーブ
ル24によってこの変換増幅部27に接続されている。
変換増幅部27では、例えば検出用AEセンサ21bか
らの検知信号を増幅したり、遠隔地に設置されている監
視センター13の信号処理部13aから送信された励振
信号を、自己診断用AEセンサ21cを励振させるため
の適切な信号に変換したりするなどの機能を持つ。セン
サ本体11の上部には防水コネクタ14が設けられてお
り、変換増幅部27からのセンサ本体内信号ケーブル2
8が防水コネクタ14を介して信号ケーブル12に接続
されている。この信号ケーブル12は、監視センター1
3の信号処理部13aに接続されている。なお、上位洗
掘センサ用ケーブル24は、一本の多芯ケーブルを用い
ており、検出用AEセンサ21bと変換増幅部27、及
び自己診断用AEセンサ21cと変換増幅部27とを、
それぞれ別経路で接続しているが、多芯ケーブルを二本
用いたり、単芯のより線を複数用いたりするなど、上位
洗掘センサ用ケーブル24の形態は特に限定されない。
【0037】中位洗掘センサ22及び下位洗掘センサ2
3の詳細については、いずれも上位洗掘センサ21と同
じものであるため、その説明を省略する。また、中位洗
掘センサ22からの中位洗掘センサ用ケーブル25及び
下位洗掘センサ23からの下位洗掘センサ用ケーブル2
6はいずれも上位洗掘センサ21と同様、それぞれ変換
増幅部27に接続されている。
【0038】信号ケーブル12は、監視センター13の
信号処理部13aと接続されており、各洗掘センサ2
1、22、23への電源供給及び信号伝送を行うもので
ある。信号処理部13aでは、主として各洗掘センサ2
1、22、23からの検知信号を処理(増幅、ノイズ除
去、波形整形、波形比較等)して各洗掘センサ21、2
2、23による検知信号の有無や、洗掘の進行状態の判
定結果を出力又は表示したり、それぞれの自己診断用A
Eセンサ21c,22c,23cへ励振信号を発信する
機能を持っており、例えば増幅器、バンドパスフィル
タ、波形整形器、比較器、表示モニタ、励振信号発生部
等で構成されている。従って、変換増幅部27によって
増幅された各検出用AEセンサ21b,22b,23b
からの検知信号は、信号処理部13aにおいて、洗掘状
態を判定するために適切に処理される。
【0039】制御部13bでは、例えば信号処理部13
aによって判定された洗掘状態の進行の程度に基づい
て、橋梁16を通過する列車や一般車両等に警告を発す
るなどの機能を有する。次に、本洗掘監視システム10
を用いて洗掘状態の判定を行う手順について、図3及び
図4に基づいて説明する。洗掘状態の判定処理は、信号
処理部13aにより行う。図3は洗掘状態の判定処理を
示すフローチャート、図4は洗掘の過程におけるセンサ
本体11と河床17表面との位置関係を示す説明図であ
る。
【0040】例えば河川増水時等、洗掘の進行状態を監
視する必要が生じた場合、監視センター13からセンサ
本体11の変換増幅部27に電源を供給し、洗掘監視シ
ステム10を起動させて、洗掘判定処理を開始する。ま
ず、ステップ(以下「S」と略す)310で、下位洗掘
センサ23の検出用AEセンサ23bからの検知信号が
あるかどうかを判断する。具体的には、信号処理部13
a内の増幅器やフィルタ、波形整形器等を通過してきた
検知信号を、同じく信号処理部13a内の比較器で所定
の電圧レベル(しきい値)と比較し、検知信号がしきい
値より大きい場合には検知されたものとし、しきい値よ
り小さい場合には未検知と判断する。
【0041】河床17の洗掘が進んで、例えば図4
(d)の状態であれば、下位洗掘センサ23の感応部2
3aに河川水18の中の固形物等の衝突や摩擦が生じ、
検出用AEセンサ23bで信号が検知される。従って、
S370に進み、危険度レベルCであることを示す信号
を監視センター13のモニタ等に表示する。危険度レベ
ルCとは、少なくとも下位洗掘センサ23の位置まで洗
掘が進行して橋梁16上の車両等の走行に支障が生じる
おそれがあり、何らかの対処をする必要があることを示
すものである。
【0042】一方、例えば図4(a)のように河床17
が洗掘されていない場合又は河床17の洗掘の進行が例
えば図4(b)、(c)のいずれかに示すように下位洗
掘センサ23の位置まで進んでいない場合は、下位洗掘
センサ23の検出用AEセンサ23bでは信号を検知し
ないため、S320に進む。
【0043】S320では、下位洗掘センサ23の場合
と同様、中位洗掘センサ22の検出用AEセンサ22b
における検知信号の有無を判断する。洗掘状態が図4
(c)に示す状態であれば、中位洗掘センサ22の検出
用AEセンサ22bで信号が検知されるため、S360
に進み、危険度レベルBであることを監視センター13
のモニタ等に表示する。危険度レベルBとは、中位洗掘
センサ22と下位洗掘センサ23との間の位置まで洗掘
が進んでおり、橋梁16上の車両等の走行には支障ない
ものの、今後の洗掘の進行状態に十分注意すべきレベル
であることを示すものである。一方、例えば図4(a)
のように河床17が洗掘されていない場合又は洗掘の進
行が例えば図4(b)に示すように中位洗掘センサ22
の位置まで進んでいない場合は、中位洗掘センサ22の
検出用AEセンサ22bでは信号が検知されないため、
S330に進む。
【0044】S330でも、下位洗掘センサ23の場合
と同様、上位洗掘センサ21の検出用AEセンサ21b
における検知信号の有無を判断する。洗掘状態が例えば
図4(b)に示す状態であれば、上位洗掘センサ21の
検出用AEセンサ21bで信号が検知されるため、S3
50に進み、危険度レベルAであることを監視センター
13のモニタ等に表示する。危険度レベルAとは、河床
17がわずかに洗掘されている(上位洗掘センサ21と
中位洗掘センサ22との間の位置まで)ものの、まだ洗
掘進行の初期段階であって、橋梁16上の車両等の走行
には全く支障ないレベルであることを示すものである。
【0045】一方、河床17が洗掘されずに、例えば図
4(a)に示す状態にある場合、上位洗掘センサ21の
検出用AEセンサ21bで信号は検知されないため、S
340に進む。S340では、安全信号を出力し、河床
17は洗掘されていない正常な状態にあることを監視セ
ンター13のモニタ等に表示する。信号処理部13aで
は、各洗掘センサ21、22、23からの検知信号波形
をモニタ等に表示することもでき、その波形を観察する
ことで、監視員等の目視による監視をすることもでき
る。
【0046】上記のような洗掘判定処理を繰り返すこと
により、本洗掘監視システム10では、洗掘の進行状況
を的確に検知することができ、監視センター13ではリ
アルタイムにその状態を知ることができる。また、本洗
掘監視システム10では、河川水18の中の浮遊固形物
等が各洗掘センサ21、22、23の感応部21a,2
2a,23aに衝突や摩擦したりすることによって感応
部内に生じる超音波をを検出することで、洗掘発生の有
無を判断するため、河川水18の濁度に関係なく常に正
確かつリアルタイムな洗掘監視が可能となる。また、上
位洗掘センサ21の感応部21aは三個のOリング21
d,21e,21fによって感応部支持部材21gと音
響的に絶縁されている(中位洗掘センサ22及び下位洗
掘センサ23も同様)ため、各感応部21a,22a,
23aへの直接の衝突や摩擦等以外の要因によって各感
応部21a、22a、23aの内部に超音波が発生して
洗掘状態を誤判断してしまうのを防止できると共に、外
管11aの内部への浸水も確実に防止できる。しかも、
各洗掘センサ21、22、23は所定の距離を隔てて橋
脚16bの高さ方向に沿って複数(三個)設けられてい
るため、洗掘の進行や変化の過程を段階的に知ることが
できる。本実施形態ではこの洗掘センサの設置数を三個
にしたが、これに限らず任意の数に設定でき、設置数が
多いほどより細かく正確に洗掘の進行状態を把握でき
る。
【0047】また、信号処理部13aでは、検知信号が
所定のしきい値より大きい場合に洗掘であると判断する
ため、各感応部21a,22a,23aへの浮遊固形物
等の衝突や摩擦による振動以外の微弱振動によって、微
弱な検知信号が発生しても、誤って洗掘であると判断さ
れることはない。そして、各感応部21a,22a,2
3aへの浮遊固形物等の衝突や摩擦を、各検出用AEセ
ンサ21b,22b,23bによって検出するため、感
応部への固形物等の衝突や摩擦によって生じる感応部内
の超音波を検出して、洗掘状態を確実に監視することが
できる。
【0048】さらに、制御部13bでは信号処理部13
aで判断された洗掘状態に応じて、橋梁16を走行しな
いよう列車等に指示したり、一般車両に対して通行を禁
止する信号を出したりして、橋梁16を走行する車両等
に対する対応を迅速にとることができる。
【0049】次に、各洗掘センサ21、22、23の自
己診断用AEセンサを用いた自己診断機能について、図
5に基づいて説明する。自己診断処理は、洗掘状態の判
定処理と同様、信号処理部13aにより行う。図5は、
洗掘センサの自己診断処理を示すフローチャートであ
る。
【0050】センサ本体11に設けられた上位洗掘セン
サ21、中位洗掘センサ22、下位洗掘センサ23が正
常に動作するかどうか診断する場合、まずS500で、
監視センター13の信号処理部13aから上位洗掘セン
サ21の自己診断用AEセンサ21cに励振信号(電圧
パルス)を送信する。自己診断用AEセンサ21cは、
既述の通り励振信号によって振動し、その振動によって
感応部21aの内部に超音波が発生し、その超音波が検
出用AEセンサ21bに伝わる。従って、S510にお
いて、上位洗掘センサ21が正常であれば、自己診断用
AEセンサ21cの振動を感応部21aを介して検出用
AEセンサ21bで検知でき、S520にて上位洗掘セ
ンサ21が正常であることを監視センター13のモニタ
等に表示する。検出用AEセンサ21bにて何ら信号が
検知されない場合は、S530に進んで上位洗掘センサ
21が異常であることを監視センター13のモニタ等に
表示する。中位洗掘センサ22及び下位洗掘センサ23
についても同様にして、正常に動作するかどうかを自己
診断し、その結果を監視センター13に伝える。
【0051】このように、各洗掘センサ21、22、2
3に自己診断機能を持たせることにより、必要に応じて
遠隔地等から動作の確認を行うことができる。そのた
め、洗掘センサの保守・点検のために直接現場に行って
河川又は河床中のセンサを確認する必要がなく、この自
己診断により異常が認められた場合にのみ、直接現場に
行ってセンサを取り替える等の作業を行えばよいため、
確実、安全かつ効率的にセンサの動作確認を行うことが
できる。また、自己診断用AEセンサ21c,22c,
23cを用いることにより、感応部の内部に強制的に超
音波を発生させることができるため、河川水中の浮遊固
形物等の感応部への衝突又は摩擦を擬似的に再現でき
る。従って、洗掘センサの自己診断をより正確に行うこ
とができる。
【0052】なお、本発明の実施の形態は、上記実施形
態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲
に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもな
い。例えば、上記実施形態では一つのセンサ本体を橋脚
16bの近傍の河床17に埋設して使用する例を示した
が、センサ本体11を複数設けて洗掘監視システム10
を構成してもよい。例えば橋脚16bの周囲に、橋脚1
6bを囲むように等間隔に複数のセンサ本体11を埋設
すれば、河床17の場所による洗掘状態の違いを把握で
き、より信頼性のあるシステムを構築することができ
る。
【0053】また、各洗掘センサ21、22、23は、
全て河床17の中に位置するように埋設する必要はな
く、例えば上位洗掘センサ21を常に河川水18の中に
露出させ、中位洗掘センサ22及び下位洗掘センサ23
を河床17の中に埋設するように設置してもよい。
【0054】さらに、変換増幅部27では、主として各
検出用AEセンサからの検知信号を増幅するものとした
が、例えば検知信号(微弱な電圧信号)を電気−光変換
してもよい。その場合、信号ケーブル12に光ファイバ
ーケーブル等を用いて光伝送すればよい。また、信号ケ
ーブル12を用いずに、無線通信を利用してセンサ本体
11と監視センター13との信号の送受信を行うような
構成にすることもできる。
【0055】洗掘判定処理についても、本実施形態で示
した手順(図3参照)に限定されず、例えば常に上位洗
掘センサ21、中位洗掘センサ22、下位洗掘センサ2
3の全ての洗掘センサの検知信号の有無をみてから最終
判定するようにしてもいいし、各洗掘センサ21、2
2、23の検知信号波形を監視センター13内のモニタ
等に個々に表示させ、どの洗掘センサから検知信号が出
力されているか常にわかるようにし、それらを目視確認
することにより人為的に判定してもよい。
【0056】また、図3に示した洗掘判定処理のS31
0でYESと判断されたときに、すぐにS370に進ん
で危険度信号レベルCを出力せず、例えば図6に示すよ
うに、下位洗掘センサ23からの検知信号出力が所定時
間持続した場合にのみ危険度信号レベルCを出力するよ
うにしてもよい。具体的には、S310にて下位洗掘セ
ンサ23から検知信号が出力されていると判断された場
合、S610に進んで検知信号の持続時間t1の計測を
開始する。次に、S620に進み、再び下位洗掘センサ
23からの検知信号出力の有無を判断し、検知信号が出
力されていればS630に進む。S630では、検知信
号の持続時間t1が予め設定された時間Tを超えたかど
うかを判断し、持続時間t1が設定時間Tを超えた場合
はS370に進んで危険度信号レベルCを出力する。持
続時間t1が設定時間Tを超えていないときは再びS6
20に戻り、持続時間t1が設定時間Tを超えるまでS
620〜S630の処理を繰り返す。
【0057】S620において、もし検知信号が出力さ
れていないと判断された場合、すなわち検知信号の持続
時間t1がTに満たなかった場合は、その検知信号は洗
掘以外の何らかの外因によって突発的に発生したものと
みて、下位洗掘センサ23の位置までは洗掘は進んでい
ないものと判断し、S320に進む。S320でYES
と判断された場合、及びS330でYESと判断された
場合も、上記のS310の場合と全く同様、それぞれS
640及びS670に進んで、各洗掘センサからの検知
信号の持続時間をみて判断すればよいため、ここではそ
の説明を省略する。設定時間Tは、例えば鉄道車両が橋
梁を通過するのに要する時間に若干の余裕を見込んで設
定するなど、橋梁上を走行する鉄道車両の速度や、その
他橋梁周辺の環境条件等を考慮して適宜決めればよい。
このような処理をすれば、鉄道車両などの通過等により
振動絶縁体の振動吸収性能を上回るほどの振動が感応部
に伝わって、万一検出部から検知信号が発生しても、そ
の持続時間に応じて洗掘による検知信号であるか否かを
判断するため、洗掘状態の誤判断を防止できる。
【0058】さらに、洗掘判定処理のS310の前に、
例えば図7に示すように、S305にて列車が通過中で
あるかどうかを判断し、通過中でなければS310に進
み、通過中であればS310に進まずに再びS305に
戻って、列車が完全に通過するまでS310に進まない
ようにしてもよい。このような処理をすれば、列車通過
時の振動が万一各洗掘センサ21、22、23の感応部
21a,22a,23aに伝わったとしても、それぞれ
の検出用AEセンサ21b,22b,23bでは検出さ
れず、洗掘の誤判断をするおそれはない。なお、列車が
通過中であるかどうかの判断は、橋梁近くにセンサ等を
設置して列車通過中にセンサから信号を送信して列車通
過を知らせるようにしてもよいし、信号処理部13aに
予め列車走行ダイヤのデータを入力しておき、列車が橋
梁を通過する時刻になったら自動的に洗掘判定処理を中
断するようにしてもよい。
【0059】また、上記実施形態では、河川に架け渡さ
れた橋梁16の橋脚16b等の洗掘状態を監視する場合
を示したが、河川に限らず、海上橋の橋脚の洗掘監視シ
ステムとして使用したり、その他堤防、護岸等のあらゆ
る水中建造物に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態の洗掘監視システムを示す説明図
である。
【図2】 本実施形態のセンサ本体の内部構造を示す断
面図である。
【図3】 洗掘状態の判定処理を示すフローチャートで
ある。
【図4】 洗掘の過程におけるセンサ本体と河床表面と
の位置関係を示す説明図である。
【図5】 洗掘センサの自己診断処理を示すフローチャ
ートである。
【図6】 洗掘状態の判定処理の他の実施例を示すフロ
ーチャートである。
【図7】 洗掘状態の判定処理の他の実施例を示すフロ
ーチャートである。
【図8】 従来の洗掘監視方法を示す説明図である。
【符号の説明】
10・・・洗掘監視システム 11・・・センサ本体、 11a・・・外管 11b・・・洗掘センサ取付枠 12・・・信号ケーブル、13・・・監視センター 13a・・・信号処理部、13b・・・制御部 14・・・防水コネクタ、15a・・・取付部材 16・・・橋梁、 16b・・・橋脚 16c・・・橋桁、 17・・・河床 18・・・河川水 21・・・上位洗掘センサ 21a、22a、23a・・・感応部 21b、22b,23b・・・検出用AEセンサ 21c、22c,23c・・・自己診断用AEセンサ 21d、21e、21f・・・Oリング 21g・・・感応部支持部材 22・・・中位洗掘センサ 23・・・下位洗掘センサ、 27・・・変換増幅部 28・・・センサ本体内信号ケーブル
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−271057(JP,A) 特開 昭63−111459(JP,A) 特公 平6−58354(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01D 21/00 E01D 19/02 G01M 19/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 橋梁の上部構造を支持する橋脚や橋台、
    基礎等の橋梁支持体の洗掘状態を監視するための洗掘監
    視システムであって、 洗掘センサ取付穴を有する中空杭状の外管と、 物体の衝突や摩擦に起因して振動が発生する感応部に、
    前記振動に基づいた検知信号を発生する検出部が結合さ
    れて構成される洗掘センサとを備え、 前記洗掘センサは、前記洗掘センサ取付穴から前記外管
    の内部に水が入ってこないように、前記洗掘センサ取付
    穴を前記感応部で塞ぐように取り付けられ、しかも前記
    感応部と前記外管とは振動絶縁体によって音響的に絶縁
    されており、 更に、前記洗掘センサの自己診断のために、 前記感応部と音響的に結合された励振部と、 前記励振部を励振して前記感応部を振動させるための励
    振信号発生部とを備えて いることを特徴とする洗掘監視
    システム。
  2. 【請求項2】 前記検出部及び前記励振部は共にAEセ
    ンサであることを特徴とする請求項1記載の洗掘監視シ
    ステム。
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