JP3307615B2 - 橋梁用伸縮装置 - Google Patents

橋梁用伸縮装置

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JP3307615B2
JP3307615B2 JP25351999A JP25351999A JP3307615B2 JP 3307615 B2 JP3307615 B2 JP 3307615B2 JP 25351999 A JP25351999 A JP 25351999A JP 25351999 A JP25351999 A JP 25351999A JP 3307615 B2 JP3307615 B2 JP 3307615B2
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慎一 大巻
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般に、橋梁用伸縮
装置に関する。より詳細には、本発明は、橋軸直交方向
の変位にも対処できる新規な橋梁用伸縮装置に関する。
【0002】
【従来の技術】橋梁には、温度変化等に起因する膨張収
縮に対処するため、伸縮装置が取付けられている。従来
の橋梁用伸縮装置は、専ら橋軸方向の変位を吸収するこ
とを目的としており、橋軸直交方向の変位を吸収するよ
うには構成されていなかった。しかし、平成7年に起こ
った阪神大震災において、橋軸直交方向に作用した力に
よって破損した橋梁の被害例が発生した。このため、阪
神大震災以後に、橋軸直交方向の変位にも対処できる伸
縮装置が幾つか開発されている。
【0003】そのような伸縮装置の例として、輪荷重を
直接受けるミドルビームを支持するサポートビームを平
面的に見て「八の字」形に配置し、ミドルビームとサポ
ートビームとの間にベアリングを挿入し、ベアリングが
サポートビームの軸線上を摺動することにより、直交直
角方向の変位にも対処できるように構成した装置があ
る。
【0004】また、別の伸縮装置の例として、輪荷重を
直接受けるミドルビームとサポートビームとの間にスラ
イディングベアリング又は変位ゴム層を取付け、橋軸方
向のみならず橋軸直交方向の変位にも対処できるように
した装置がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
装置では、「八の字」形に配置されたサポートビームに
ミドルビームが固定されたような状態となっているた
め、各ミドルビーム間の遊間を任意に広げることができ
ず、メインテナンスしにくいという課題がある。また、
後者の装置では、部品数が多いため、コストが高くな
り、設置時の調整も容易ではなく、さらに、いわゆるメ
タルタッチ(金属部品同士の接触)が発生するという課
題がある。このように、橋軸直交方向の変位にも対処で
きる伸縮装置が幾つか開発されているものの、上述のよ
うな課題を備えており、満足すべき装置がないのが現状
である。
【0006】したがって、本発明は、橋軸直交方向の変
位にも対処できる、メインテナンス性に優れた、比較的
簡単な構造を有する橋梁用伸縮装置を提供することを目
的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願請求項1に記載の橋
梁用伸縮装置は、橋軸直交方向に互いに平行に延び、輪
荷重を直接受ける複数本のミドルビームを備え、ミドル
ビームが、最も橋台側に位置する1本の第1のミドルビ
ームと、最も床版側に位置する1本の第2のミドルビー
ムと、第1のミドルビームと第2のミドルビームとの間
に位置する1本又は複数本の第3のミドルビームとによ
って構成されており、橋軸方向に互いに所定間隔隔てて
延びた複数本のサポートビームを備え、各ミドルビーム
が、上側ベアリングを介してサポートビーム上で支持さ
れており、各サポートビームの一端が、下側ベアリング
を介して橋台側又は床版側のいずれか一方のボックスに
固定されており、各サポートビームの他端が、床版側又
は橋台側のボックスに配置された下側ベアリング上に摺
動可能に載せられており、シャフトが、各上側ベアリン
グの略中央に設けられた孔、サポートビームの長さ方向
に沿ってその略中央に設けられた開口、および各下側ベ
アリングの略中央に設けられた孔を貫通して垂直方向に
それぞれ延びており、各シャフトの径が、上側ベアリン
グの孔の径、サポートビームの開口の径、および下側ベ
アリングの孔の径よりも小さくなるように選定されてお
り、各サポートビームの前記一端に隣接して位置するシ
ャフトが、サポートビームに固定されており、第3のミ
ドルビームの下方に位置するシャフトの上端が、第3の
ミドルビームの下端に固定されている、ことを特徴とす
るものである。
【0008】本願請求項2に記載の橋梁用伸縮装置は、
前記請求項1の装置において、上側ベアリングおよび下
側ベアリングが、上部補強鋼板と下部補強鋼板との間に
ウレタンを挟むことによって構成されており、上側ベア
リングの下面および下側ベアリングの上面に摺動板が取
付けられていることを特徴とするものである。
【0009】本願請求項3に記載の橋梁用伸縮装置は、
前記請求項2の装置において、サポートビームが、間に
隙間が形成されるように所定間隔へだてて配置された一
対の溝形鋼と、溝形鋼の上側フランジと下側フランジに
固定された摺動板とを有しており、これらの摺動板と上
側ベアリングおよび下側ベアリングの摺動板が接触して
おり、各摺動板には、サポートビームに固定されている
シャフトが貫通する孔と、摺動板の中心軸線上に延び、
サポートビームに固定されているシャフト以外のシャフ
トが貫通する長孔とが設けられていることを特徴とする
ものである。
【0010】本願請求項4に記載の橋梁用伸縮装置は、
前記請求項1〜3のいずれか1項の装置において、ミド
ルビーム間の遊間を調整するための遊間調整手段を更に
備え、遊間調整手段が、対向して配置された一対のベー
スプレートと、ベースプレート間に配置された鋼製スプ
リングとを有しており、鋼製スプリングが、ベースプレ
ートの対向面にそれぞれ設けられたピンに端部を挿入す
ることによって位置決めされていることを特徴とするも
のである。
【0011】本願請求項5に記載の橋梁用伸縮装置は、
前記請求項4の装置において、ベースプレートのピンが
設けられている面と反対側の面が、耐磨耗性ゴムで被覆
されていることを特徴とするものである。
【0012】本願請求項6に記載の橋梁用伸縮装置は、
前記請求項4又は5の装置において、ミドルビームの下
側フランジの上面の一方に、遊間調整手段の一方のベー
スプレートを係止するためのフックが取付けられてお
り、フックが、ベースプレートの厚みよりも僅かに大き
な隙間をミドルビームのウェブ面との間に形成するよう
にミドルビームの下側フランジに固定された、上方に突
出したプレートによって構成されており、フックの前記
隙間にベースプレートを挿入することによって遊間調整
手段を取付けることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】次に図面を参照して、本発明の好
ましい実施の形態に係る橋梁用伸縮装置について説明す
る。図1において全体として参照符号10で示される橋
梁用伸縮装置は、輪荷重を直接受けるミドルビーム1
2、14、16、18を備えている。ミドルビーム1
2、14、16、18としては、一般に、図1に示され
るように、I形鋼が使用される。最も橋台(図示せず)
側に位置するミドルビーム12は、その下側フランジ1
2aが、溶接によって、橋台側のボックス20に固定さ
れている。なお、各ミドルビーム12、14、16、1
8は、橋梁の幅員全体にわたって(紙面と直交方向に)
延びている。
【0014】各ミドルビーム12、14、16、18の
下端には、コマと通称される厚肉プレート24、26、
28、30を介して、上側ベアリング32、34、3
6、38が取付けられている。厚肉プレート24、2
6、28、30は、溶接によって、対応するミドルビー
ム12、14、16、18にしっかりと固定されてお
り、上側ベアリング32、34、36、38も、溶接に
よって、対応する厚肉プレート24、26、28、30
にしっかりと固定されている。なお、厚肉プレートは、
ベアリングの高さを調整するとともに、受圧面積を確保
する役目を果たす。
【0015】図5は、上側ベアリング32を示した断面
図である。上側ベアリング32は、上部補強鋼板32a
と下部補強鋼板32cとの間にウレタン32bを挟み、
下部補強板32aの下面に摺動板32dを取付けること
によって、構成されている。摺動板32dは好ましく
は、ポリアセタールのような摩擦係数の小さな材料で形
成されている。上側ベアリング32および厚肉プレート
24の略中央には、後述するシャフトが貫通する孔32
e、24aが設けられている。なお、上側ベアリング3
4、36、38も、上側ベアリング32と実質的に同一
の構成を有している。
【0016】各上側ベアリング32、34、36、38
は、ミドルビーム12、14、16、18と直交方向
(即ち、橋軸方向X)に延びたサポートビーム40によ
って支持されている。サポートビーム40は、図2およ
び図4に最も良く示されるように、間に隙間が形成され
るように所定間隔wへだてて配置された一対の溝形鋼4
0a、40bと、溝形鋼40a、40bの上側フランジ
と下側フランジに溶接によってそれぞれ固定された摺動
板40c、40dとを有している。
【0017】摺動板40c、40dには、上側ベアリン
グ32の孔32eに対応する箇所に、孔32eと実質的
に同一の大きさの孔40eが設けられている。摺動板4
0c、40dには又、それらの中心軸線上に延びた長孔
(スロットホール)40fが設けられている。長孔40
fは、後述する理由のため、上側ベアリング34の孔3
4aの位置する箇所から上側ベアリング38の孔38a
の位置する箇所に至る距離よりも長い長さを有してい
る。なお、摺動板40c、40dは好ましくは、ステン
レス鋼のような摩擦係数が小さく且つ耐候性のある金属
材料で形成されている。
【0018】サポートビーム40の一方の端部(即ち、
橋台側の端部)は、下側ベアリング42を介してボック
ス20(従って、橋台)で支持されている。より詳細に
説明すると、インサート46によってボックス20に固
定されたコマすなわち厚肉プレート44上に下側ベアリ
ング42が固定されており、下側ベアリング42上にサ
ポートビーム40の一方の端部が載っている。
【0019】なお、下側ベアリング42は、摺動板が下
部補強鋼板にではなく上部補強鋼板に取付けられている
点を除いて、上側ベアリングと実質的に同一の構成を有
している。したがって、下側ベアリング42の摺動板
(図示せず)とサポートビーム40の摺動板40dが接
触している。また、下側ベアリング42の略中央にシャ
フトが貫通する孔42aが設けられており、厚肉プレー
ト44の略中央にも同様に、シャフトを貫通する孔44
aが設けられている。
【0020】そして、厚肉プレート24の孔24a、上
側ベアリング32の孔32e、サポートビーム40の隙
間(及び、摺動板40c、40dの孔40e)、下側ベ
アリング42の孔42a、厚肉プレート44の孔44a
を、シャフト48が貫通している。シャフト48は、図
1および図4(b)に最も良く示されるように、溶接に
よって、ブラケット50を介してサポートビーム40に
固定されている。なお、シャフト48の径は、ヒンジ構
造体を構成させるため、厚肉プレート24の孔24a、
上側ベアリング32の孔32e、サポートビーム40の
隙間(及び、摺動板40c、40dの孔40e)、下側
ベアリング42の孔42a、厚肉プレート44の孔44
aよりも小さい。
【0021】一方、サポートビーム40の他方の端部
(即ち、床版側の端部)は、下側ベアリング52を介し
て、床版(図示せず)側のボックス22で支持されてい
る。より詳細に説明すると、インサート56によってボ
ックス22に固定されたコマすなわち厚肉プレート54
上に下側ベアリング52が固定されており、下側ベアリ
ング52上にサポートビーム40が載っている。
【0022】なお、下側ベアリング52は、下側ベアリ
ング42と実質的に同一の構成を有している。したがっ
て、下側ベアリング52の摺動板(図示せず)とサポー
トビーム40の摺動板40dが接触している。また、下
側ベアリング52の略中央にシャフトが貫通する孔52
aが設けられており、厚肉プレート54の略中央にも同
様に、シャフトを貫通する孔54aが設けられている。
【0023】そして、厚肉プレート30の孔30a、上
側ベアリング38の孔38a、サポートビーム40の隙
間(及び、サポートビーム40の長孔40f)、下側ベ
アリング52の孔52a、厚肉プレート54の孔54a
を、シャフト58が貫通している。シャフト58は、シ
ャフト46と異なり、サポートビーム40に固定されて
いない。なお、シャフト58の径は、ヒンジ構造体を構
成させるため、厚肉プレート30の孔30a、上側ベア
リング38の孔38a、サポートビーム40の隙間(及
び、サポートビーム40の長孔40f)、下側ベアリン
グ52の孔52a、厚肉プレート54の孔54aよりも
小さい。
【0024】最も橋台側のミドルビーム12と最も床版
側のミドルビーム18との間に位置するミドルビーム1
4、16の下端には、上述のように、厚肉プレート2
6、28、および上側ベアリング34、36がそれぞれ
固定されており、上側ベアリング34、36の下面に取
付けられた摺動板(図示せず)が、サポートビーム40
の摺動板40cと接触している。また、厚肉プレート2
6、28の略中央に設けられた孔26a、28a、上側
ベアリング34、36の略中央に設けられた孔34a、
36a、サポートビーム40の隙間(及び、摺動板40
c、40dの長孔40f)を、シャフト60、62がそ
れぞれ貫通している。
【0025】シャフト60、62の上端は、溶接によっ
て、ミドルビーム14、16の下端及び/又は厚肉プレ
ート26、28にそれぞれ固定されており、シャフト6
0、62の下部分は、図1に示されるように、サポート
ビーム40から下方にそれぞれ突出している。そして、
サポートビーム40から突出したシャフト60、62の
下部分には、下側ベアリング64、66および厚肉プレ
ート68、70がそれぞれ装着されており、下側ベアリ
ング64、66および厚肉プレート68、70は、下側
ベアリング64、66の摺動板(図示せず)がサポート
ビーム40の摺動板40dに接触するように、二重ナッ
ト72、74によって、それぞれ締付けられている。な
お、シャフト60、62の径は、シャフト48、58と
同様に、ヒンジ構造体を構成させるため、厚肉プレート
26、28の孔26a、28a、上側ベアリング34、
36の孔34a、36a、サポートビーム40の隙間
(及び、サポートビーム40の長孔40f)、下側ベア
リング64、66の孔、厚肉プレート68、70の孔よ
りも小さい。
【0026】なお、下側ベアリング64、66は、下側
ベアリング42、52と実質的に同一の構成を有してい
る。以上の構成により、シャフト60、62は、サポー
トビーム40の摺動板40c、40dの長孔40fを貫
通することになる。
【0027】本発明に係る橋梁用伸縮装置10は、上述
のように、3種類のシャフト48、58、60、62を
有しているが、そのうちシャフト48は、サポートビー
ム40を固定する役割を果たし、シャフト60、62
は、中間に位置するミドルビーム14、16を固定する
役割を果たしている。これに対し、シャフト58は、サ
ポートビーム40にもミドルビーム18にも固定されて
おらず、フリーな状態となっている。
【0028】シャフト48、58は、図1に示されるよ
うに、厚肉プレート24、44、30、54の孔24
a、44a、30a、54aに空隙48a、48b、5
8a、58bが形成されるように、長さを選定するのが
好ましい。これは、桁端の回転等により装置10が回転
変形する場合に、装置10が円滑に変形し、かつ、シャ
フト48、58とミドルビーム12、18の下面および
ボックス20、22との接触による騒音の発生を回避す
るためである。また、空隙58aと58bの両方、或い
は下側の空隙58bに、パッキン(図示せず)を配置す
るのが好ましい。これは、少なくとも空隙58bにパッ
キンを配置しないと、空隙58bが消失してしまうから
である。
【0029】なお、上記説明および添付図面においては
サポートビーム40が1つしか示されていないが、サポ
ートビーム40は、図2において矢印Yで図示されてい
る橋軸直交方向において所定間隔隔てて必要本数配置さ
れており、各サポートビームとミドルビームとの交差箇
所も、上述のように構成されている。
【0030】また、ミドルビーム12、14、16、1
8の間の空隙には、止水材76が配置されている。止水
材76としては、発泡体で形成された止水材や止水ゴム
等の公知の材料を使用してよい。
【0031】以上のように構成された橋梁用伸縮装置1
0の作動について説明する。まず橋軸方向(X方向)に
力が作用し、或いは膨張収縮した場合には、シャフト4
8がサポートビーム40に固定されており、かつ、上側
ベアリングおよび下側ベアリングの摺動板とサポートビ
ームの摺動板とがそれぞれ接触し、シャフト58、6
0、62がサポートビームの摺動板の長孔40fを貫通
しているため、シャフト58、60、62(従って、ミ
ドルビーム18、14、16)が長孔40fの範囲内に
おいて橋軸方向に移動し、橋軸方向の変位を吸収する。
その際、輪荷重は、ミドルビームから上側ベアリングを
介してサポートビームに伝達され、次いで下側ベアリン
グから床版や桁に伝達される。
【0032】一方、橋軸直交方向(Y方向)に力が作用
し、或いは膨張収縮した場合には、シャフト48がサポ
ートビーム40に固定されており、かつ、シャフト5
8、60、62が一種のヒンジ構造体を構成しているた
め、シャフト58を基点としてシャフト58、60、6
2が橋軸直交方向に移動し、橋軸直交方向の変位を吸収
する。その際も、輪荷重は、ミドルビームから上側ベア
リングを介してサポートビームに伝達され、次いで下側
ベアリングから床版や桁に伝達される。
【0033】さらに、上述のように、シャフト48、5
8の上方および下方に空隙48a、48b、58a、5
8bが設けられているため、桁端に回転力が作用した場
合にも、回転変位が吸収される。
【0034】本発明は、以上の発明の実施の形態に限定
されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範
囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範
囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0035】たとえば、前記実施の形態では、中間に位
置するミドルビームが2つ設けられているが、伸縮装置
10を設置する橋梁に応じて、中間に位置するミドルビ
ームを1つにしてもよく、或いは3つ以上設けてもよ
い。
【0036】また、前記実施の形態では、サポートビー
ムを固定する役割を果たすシャフトが最も橋台側のミド
ルビームに関連して配置され、フリーな状態にあるサポ
ートビームが最も床版側のミドルビームに関連して配置
されているが、この配置を逆転させ、サポートビームを
固定する役割を果たすシャフトを最も床版側のミドルビ
ームに関連して配置し、フリーな状態にあるサポートビ
ームを最も橋台側のミドルビームに関連して配置しても
よい。
【0037】さらに、図6に示されるように、ミドルビ
ーム間の遊間を調整するための遊間調整手段を設けても
よい。図6において全体として参照符号80で示される
遊間調整手段は、対向して配置された一対のベースプレ
ート82、84と、ベースプレート82、84間に配置
された鋼製スプリング86とを有している。鋼製スプリ
ング86は好ましくは、ベースプレート82、84の対
向面にそれぞれ設けられたピン82a、84aに端部を
挿入することによって位置決めされている。
【0038】ベースプレート82、84と鋼製スプリン
グ86を一体化するため、鋼製スプリング86の端部を
弾性ゴム(図示せず)で被覆するのが好ましい。また、
車両走行に起因する振動による騒音の発生を防止するた
め、ベースプレート82、84のピン82a、84aが
設けられている面と反対側の面(即ち、ミドルビームの
ウェブに接触する面)を耐磨耗性ゴム82b、84bで
被覆するのが好ましい。
【0039】さらに、遊間調整手段80の脱着を容易に
するため、ミドルビームの下側フランジの上面の一方
(図6では、右側の上面)に、遊間調整手段80の一方
のベースプレート(図6の例では、ベースプレート8
2)を係止するためのフック14a、16aを取付ける
のがよい。フック14a、16aは、ベースプレート8
2、84の厚み(耐磨耗性ゴム82b、84bで被覆さ
れている場合は、それらを含んだ厚み)よりも僅かに大
きな隙間Pをウェブ面との間に形成するようにミドルビ
ームの下側フランジに固定された、上方に突出したプレ
ートによって構成されている。これにより、隙間Pにベ
ースプレートを挿入し、或いは隙間Pからベースプレー
トを取り出すことによって、遊間調整手段80を容易に
脱着することができる。上述のように、両方のベースプ
レートを係止せずに一方のベースプレートのみを係止し
たのは、鋼製スプリング86が著しく剪断変形した場合
に、係止していない方のベースプレートを自由に可動さ
せて剪断変形を吸収させることにより、鋼製スプリング
86が破損するのを防止するためである。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、橋軸方向の変位のみな
らず、橋軸直交方向の変位にも対処できる伸縮装置が得
られる。また、本発明の装置は、構造が比較的簡単であ
るため、メインテナンスが容易であり、製造コストが廉
価である。また、本発明の装置は、メタルタッチ部分
(金属同士が接触する部分)がないため、騒音の発生が
非常に少ない。また、本発明の装置では、万が一許容量
以上の変位が生じた場合であっても、シャフト部分がヒ
ンジ構造となるため、止水体等の二次部材が破損するに
とどまり、主要部材が破損しにくい構造となっている。
さらに、本発明の伸縮装置に装着される遊間調整手段
は、脱着が容易であり、作業の効率化に著しく寄与す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施の形態に係る橋梁用伸縮
装置を示した概略図である。
【図2】図1の線2−2に沿った図である。
【図3】図1の線3−3に沿った図である。
【図4】サポートビームを示した図であって、(a)
は、図1の線4a−4aに沿った図、(b)は、(a)
の線4b−4bに沿った図である。
【図5】上側ベアリングを示した断面図である。
【図6】遊間調整手段を示した図である。
【符号の説明】
10 橋梁用伸縮装置 12、14、16、18 ミドルビーム 20、22 ボックス 32、34、36、38 上側ベアリング 40 サポートビーム 42、52、64、66 下側ベアリング 48、58、60、62 シャフト 76 止水体 80 遊間調整手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−229325(JP,A) 特開 平11−200310(JP,A) 特開 平11−152707(JP,A) 実開 昭55−44843(JP,U) 実開 昭61−159404(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E01D 19/06 E01C 11/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 橋梁用伸縮装置であって、 橋軸直交方向に互いに平行に延び、輪荷重を直接受ける
    複数本のミドルビームを備え、ミドルビームが、最も橋
    台側に位置する1本の第1のミドルビームと、最も床版
    側に位置する1本の第2のミドルビームと、第1のミド
    ルビームと第2のミドルビームとの間に位置する1本又
    は複数本の第3のミドルビームとによって構成されてお
    り、 橋軸方向に互いに所定間隔隔てて延びた複数本のサポー
    トビームを備え、各ミドルビームが、上側ベアリングを
    介してサポートビーム上で支持されており、各サポート
    ビームの一端が、下側ベアリングを介して橋台側又は床
    版側のいずれか一方のボックスに固定されており、各サ
    ポートビームの他端が、床版側又は橋台側のボックスに
    配置された下側ベアリング上に摺動可能に載せられてお
    り、 シャフトが、各上側ベアリングの略中央に設けられた
    孔、サポートビームの長さ方向に沿ってその略中央に設
    けられた開口、および各下側ベアリングの略中央に設け
    られた孔を貫通して垂直方向にそれぞれ延びており、各
    シャフトの径が、上側ベアリングの孔の径、サポートビ
    ームの開口の径、および下側ベアリングの孔の径よりも
    小さくなるように選定されており、 各サポートビームの前記一端に隣接して位置するシャフ
    トが、サポートビームに固定されており、第3のミドル
    ビームの下方に位置するシャフトの上端が、第3のミド
    ルビームの下端に固定されている、 ことを特徴とする装置。
  2. 【請求項2】 上側ベアリングおよび下側ベアリング
    が、上部補強鋼板と下部補強鋼板との間にウレタンを挟
    むことによって構成されており、上側ベアリングの下面
    および下側ベアリングの上面に摺動板が取付けられてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 【請求項3】 サポートビームが、間に隙間が形成され
    るように所定間隔へだてて配置された一対の溝形鋼と、
    溝形鋼の上側フランジと下側フランジに固定された摺動
    板とを有しており、これらの摺動板と上側ベアリングお
    よび下側ベアリングの摺動板が接触しており、各摺動板
    には、サポートビームに固定されているシャフトが貫通
    する孔と、摺動板の中心軸線上に延び、サポートビーム
    に固定されているシャフト以外のシャフトが貫通する長
    孔とが設けられていることを特徴とする請求項2に記載
    の装置。
  4. 【請求項4】 ミドルビーム間の遊間を調整するための
    遊間調整手段を更に備え、遊間調整手段が、対向して配
    置された一対のベースプレートと、ベースプレート間に
    配置された鋼製スプリングとを有しており、鋼製スプリ
    ングが、ベースプレートの対向面にそれぞれ設けられた
    ピンに端部を挿入することによって位置決めされている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    装置。
  5. 【請求項5】 ベースプレートのピンが設けられている
    面と反対側の面が、耐磨耗性ゴムで被覆されていること
    を特徴とする請求項4に記載の装置。
  6. 【請求項6】 ミドルビームの下側フランジの上面の一
    方に、遊間調整手段の一方のベースプレートを係止する
    ためのフックが取付けられており、フックが、ベースプ
    レートの厚みよりも僅かに大きな隙間をミドルビームの
    ウェブ面との間に形成するようにミドルビームの下側フ
    ランジに固定された、上方に突出したプレートによって
    構成されており、フックの前記隙間にベースプレートを
    挿入することによって遊間調整手段を取付けることを特
    徴とする請求項4又は5に記載の装置。
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