JP3307153B2 - レーザレーダ装置 - Google Patents

レーザレーダ装置

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JP3307153B2
JP3307153B2 JP11584495A JP11584495A JP3307153B2 JP 3307153 B2 JP3307153 B2 JP 3307153B2 JP 11584495 A JP11584495 A JP 11584495A JP 11584495 A JP11584495 A JP 11584495A JP 3307153 B2 JP3307153 B2 JP 3307153B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はレーザレーダ装置、特
に光源にコヒーレントCW(continuous wave )レーザ
を用いたレーザレーダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図24は、特公昭64−2903号公報
に示された、CWレーザを発生する光源からの送信光を
擬似ランダム信号で変調することによりターゲットの距
離情報を得るレーザレーダ装置である。同図において、
1は送信光を発生する送信部、2は反射光を処理する受
信部、3は送信部1からの送信光を放射する送信光学
系、4は反射光を受光する受信光学系である。
【0003】送信部1は、CW光を発振するレーザ発振
器5、このCW光を擬似ランダム信号に基づき変調する
変調器6、上記擬似ランダム信号(例えば、M系列やバ
ーカ系列など)を発生する系列発生器7よりなる。受信
部2は、受信光学系4からの受信光を検出する光検出器
8、系列発生器7が発生した擬似ランダム信号を遅延す
るとともに、この遅延された信号と光検出器8で検出さ
れた信号との相関を求める遅延相関器9、遅延相関器9
の出力を表示する表示記録部10からなる。
【0004】次に、図に基づき動作を説明する。レーザ
発振器5が発振したCW光は、変調器6において、系列
発生器7が発生した擬似ランダム信号(1系列長Mビッ
ト,1ビット当たりの時間幅:τ)により変調を受けた
後、送信光学系3から送信光として大気中に放射され
る。
【0005】ここで、図24に示すように、送信光が受
信光学系4の視野に含まれる割合が0から正に変わる距
離をRmとする。この距離Rmはこのレーザレーダ装置
の最小測定距離であり、Rmより遠方にあるターゲット
が測定可能である。
【0006】図示しないターゲットからの反射光は受信
光学系4で受光され、光検出器8で検出され、電気信号
に変換される。遅延相関器9において、この受信信号を
記録するとともに、この受信信号と、系列発生器7から
の擬似ランダム信号を時間遅延tdだけ遅延させた信号
との相関処理を行う。ところで、擬似ランダム信号によ
り変調がかけられた光信号を送信したとき、受信部2に
おいて、受信信号と擬似ランダム信号との位相が一致し
た場合に、その出力にピークが生じる。一致しない場合
にはピークは生じない。このピークはターゲットの位置
を示す。したがって、遅延時間tdを調整することによ
り、受信光の往復時間trが遅延時間tdと等しくなる
距離における反射強度の情報を測定することができる。
このときの距離分解能はcτ/2(c:光速)である。
よって、遅延時間tdを測定領域で掃引する事によりタ
ーゲットを見つけることができる。
【0007】ところで、上記のように、CWレーザ光源
を用い擬似ランダム信号による変調を行うレーザレーダ
装置では次のような欠点がある。第1に、1回の測定に
おいて、少なくとも1系列長の時間幅の受信信号に対
し、測定領域の全体を掃引するために必要な回数だけ上
記遅延時間tdを変化させて相関処理を行うため、測定
時間が長くかかる。第2に、ターゲットが移動している
場合には、受信光の往復時間trが1系列長の初めと終
わりでは変わってしまうため、相関処理の精度が劣化す
る。第3に、測定領域にあり1系列長に相当する距離だ
け離れた2つのターゲットからの受信信号を区別するこ
とができないため、測定距離範囲が限定されたり、測定
精度が劣化する。
【0008】一方、光源にコヒーレントCWレーザを用
い、受信部でヘテロダイン検波を行うことにより、ター
ゲットのドップラシフト量を検出し、ターゲットの距離
情報だけでなく速度情報を得ることができる。図25
は、特開平3−75581号公報に示された、光源にコ
ヒーレントCWレーザを用いたレーザレーダ装置であ
る。同図において、1は送信光を発生する送信部、2は
反射光を処理する受信部、3は送信部1からの送信光を
放射する送信光学系、4は反射光を受光する受信光学系
である。
【0009】送信部1は、CW光を発生するレーザ発振
器11、ローカルレーザ光を発生するローカル発振器1
2、擬似ランダム信号は発生する系列発生器13、擬似
ランダム信号を遅延するとともに、入力される遅延信号
に基づき遅延量を調整する可変遅延回路14、レーザ発
振器11の発振周波数及びローカル発振器12の発振周
波数を制御する周波数管理回路15からなる。レーザ発
振器11の出力は送信光学系3に供給され、ローカル発
振器12の出力は、受信光学系4からの受信光とともに
受信部2に供給される。また、レーザ発振器11の出力
及びローカル発振器12の出力は、それぞれ一部が分配
されて周波数管理回路15に供給される。
【0010】受信部2は、受信光学系4から受信光を受
けて2乗検波を行う、Photo Diode(以下、PDとす
る)等の光検出器16、光検出器16の出力を増幅する
増幅器(以下、Ampとする)17、増幅器17の出力
から高周波成分を抽出する高周波通過フィルタ(以下、
HPFとする)18、Amp17の出力から所定の帯域
の信号を抽出する帯域通過フィルタ(以下、BPFとす
る)19、BPF19の出力からターゲットの周波数を
抽出する周波数弁別器20、HPF18の出力からター
ゲットの距離を求めるとともに、遅延信号を生成して送
信部1の可変遅延回路14に対し出力する制御装置21
からなる。また、22は送信光、23はターゲット、2
4は受信光である。
【0011】次に動作について説明する。図25のレー
ザレーダ装置は、送信部1において、ローカル光にも所
定の時間(tD )の遅延をかけた擬似ランダム変調を行
う。そして、受信部2において、このローカル光と、光
検出器16上で受信光学系4からの受信信号光と合成し
てヘテロダイン検波を行う。すなわち、図25のレーザ
レーダ装置は、図24のものとは異なり、光の領域で相
関処理を行う方式(以後、この方式を光周波数領域相関
復調法とする)を用いている。これにより、受信部に遅
延相関器を必要としなくなる。レーザ発振器11および
ローカル発振器12における周波数変調は、周波数の切
り替え時に位相が不連続にならないCPFSKである。
【0012】信号光を発振するレーザ発振器11は、系
列発生器13で発生する擬似ランダム変調信号の0,1
信号に応じて2つの周波数(f0,f1)で発振する。
同様に、ローカル光を発振するローカル発振器12は、
擬似ランダム変調信号の0,1信号に応じた周波数で発
振する。ローカル発振器12の発振周波数は、周波数管
理回路15により、レーザ発振器11の発振周波数とロ
ーカル発振器12の発振周波数の差が中間周波数fIF
等しくなるように制御される。このときのローカル発振
器12の発振周波数は、(fIF+f0,fIF+f1)で
ある。
【0013】系列発生器13で発生する擬似ランダム変
調信号は、レーザ発振器11には直接、ローカル発振器
12には可変遅延回路14により任意の遅延tdをかけ
てから与えられ、それぞれの発振器を周波数変調する。
レーザ発振器11からの信号光は送信光学系3より送信
され、送信光として大気伝搬する。そして、ターゲット
23で散乱され、その一部が受信光24として受信され
る。
【0014】受信光24は、レーザ発振器11の出力信
号光に対して、ターゲット23の速度に応じたドップラ
シフトfdと大気伝搬による時間遅延trとに対応する
周波数変調を受ける。一方、ローカル発振器12からの
ローカル光は、レーザ発振器11の出力信号光に対し
て、規定の周波数差fIFと可変遅延回路14による時間
遅延td とに対応する周波数変調を受ける。これらの受
信光とローカル光により光検出器16上でヘテロダイン
検波がなされる。
【0015】図26(a)に、受信信号の周波数の時間
変化を、図26(b)にそのスペクトルを示す。図26
(a)の(イ)段は送信光の周波数の時間変化、(ロ)
段は上記送信光に対する受信光の周波数の時間変化、
(ハ)段はローカル光の周波数の時間変化、(ニ)段は
光検出器16の出力信号の周波数を、それぞれ示す。
(ニ)の波形からわかるように、受信信号の遅延時間は
trであり、このことは、ターゲットまでの距離はc・
tr/2(c:光速)であることを意味する。受信部2
の制御装置21は、遅延時間tD がtrに一致するよう
に遅延信号を送信部1に対し出力する。大気伝搬による
時間遅延trと可変遅延回路による時間遅延tD が等し
いときに限り、完全に上記受信光とローカル光とは相関
がとられる。このとき光検出器16の出力信号は、
(ニ)の波形のように、中間周波数fIFにドップラシフ
トfdを加えた一定の周波数(fIF+fd)の信号とな
る。
【0016】また、そのスペクトルは、図26(b)の
ように単一の鋭いピークを持つ(以下、上記周波数のピ
ークをメインピークとする)。この時間遅延trと受信
信号の周波数fdを測定することにより、ターゲット2
3の距離と速度を求めることができる。
【0017】ところで、大気伝搬による時間遅延と可変
遅延回路による時間遅延が一致しないとき、上記受信光
とローカル光とは非相関となり、fIF+fdに加えてf
IF+fd−f’,fIF+fd+f’を合わせた3値の周
波数を、擬似ランダム変調により時間的にランダムな周
期で取る。この様子を図27(a)に示す。ここで、
f’はf0,f1の周波数差である。そのため、受信信
号のスペクトルは、擬似ランダム変調により変調周波数
の2倍程度のブロードな範囲にランダムな分布を持つメ
インピークに加えて、上記2値の周波数を中心とする変
調周波数の2倍程度のブロードな範囲にランダムな分布
を持つサイドローブを持つスペクトルとなる。図27
(b)に受信信号のスペクトル分布の包絡線を示す。
【0018】大気伝搬による時間遅延trと可変遅延回
路14による時間遅延tD を一致させるために、図27
(b)に示される非相関時に現れるサイドローブのエネ
ルギーを用いている。光検出器16からの受信信号は増
幅器17で増幅される。増幅された受信信号は2分さ
れ、それぞれ、メインピーク(fIF+fd)近傍の周波
数を通過するBPF19と高周波側のサイドローブ(f
IF+f’+fd)近傍の周波数を通過させるHPF18
を通過する。大気伝搬による時間遅延と可変遅延回路に
よる時間遅延が一致したとき、即ち、完全に相関がとれ
たときサイドローブのエネルギーは0となるから、時間
遅延trと時間遅延tD とを一致させるために、制御装
置21は、HPF18を通過するエネルギーが最も少な
くなる遅延時間tdを求める。
【0019】上記の様な構成の光周波数領域相関復調法
を用いたレーザレーダ装置では、光を用いるため、マイ
クロ波のレーダに比べてドップラ周波数が大きい。ドッ
プラ周波数が不明であることから、HPF18の帯域を
測定速度範囲に対応して非常に広く取らなければなら
ず、S/Nよく測定することができなかった。また、周
波数変調であるため、上記のように、非相関の成分はサ
イドローブの周波数にでるため、マイクロ波のレーダで
よく用いられる2値(0,π)の位相変調による擬似ラ
ンダム変調に比べメインピークにおけるスペクトル拡散
が完全には行われず、メインピークのピーク値は完全に
非相関のときでも相関時の1/4程度の大きさをとるこ
とがあり、メインピークのピーク値により相関,非相関
を判断するときに精度が落ちる欠点があった。
【0020】また、送信部1では送信光およびローカル
光を発振する擬似ランダム変調信号により変調されるレ
ーザ発振器11とローカル発振器12の2つの発振器が
必要であった。さらに、上記2つの発振器間の擬似ラン
ダム変調信号の2値それぞれに対応する発振周波数の差
が等しくなるように上記2つの発振器の発振周波数を制
御する周波数管理装置15が必要であり、送信部1が複
雑になるという欠点があった。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】図24のCWレーザ光
源を用い擬似ランダム信号による変調を行うレーザレー
ダ装置では次のような欠点がある。 (1)1回の測定において、少なくとも1系列長の時間
幅の受信信号に対し、測定領域の全体を掃引するために
必要な回数だけ上記遅延時間tdを変化させて相関処理
を行うため、測定時間が長くかかる。 (2)ターゲットが移動している場合には、受信光の往
復時間trが1系列長の初めと終わりでは変わってしま
うため、相関処理の精度が劣化する。 (3)測定領域にあり1系列長に相当する距離だけ離れ
た2つのターゲットからの受信信号を区別することがで
きないため、測定距離範囲が限定されたり、測定精度が
劣化する。
【0022】さらに、図25に示すような構成の光周波
数領域相関復調法を用いたレーザレーダ装置では、 (4)ドップラ周波数が不明なためにHPF18の帯域
を広くしなければならず、良好なS/Nで測定すること
ができない。 (5)周波数変調であるため、位相変調による擬似ラン
ダム変調に比べメインピークにおけるスペクトル拡散が
完全には行われず、メインピークのピーク値により相
関,非相関を判断するときに精度が落ちる。 (6)レーザ発振器とローカル発振器の2つの発振器が
必要である。さらに、これら2つの発振器の発振周波数
を制御する周波数管理装置が必要である。
【0023】この発明は、以上のような問題を解決する
ためになされたもので、簡単な構成で、精度良く、短時
間で測定することができるレーザレーダ装置を提供する
ことを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】請求項1に係るレーザレ
ーダ装置は、レーザ光を擬似ランダム信号で周波数変調
した送信光及びローカル光を出力する送信部と、上記送
信光をターゲットに対して送信する送信光学系と、上記
ターゲットからの反射光を受光する受信光学系と、上記
受信光学系からの反射光と上記送信部からのローカル光
との合波光に基づき処理を行い、上記ターゲットの距離
信号及び速度信号を出力するとともに、上記ローカル光
を変調する擬似ランダム信号を遅延させる遅延信号を出
力する受信部とを備えたレーザレーダ装置において、上
記送信部による上記送信光及び上記ローカル光に対する
上記擬似ランダム信号による変調の際の周波数変移量を
f’、上記送信光と上記ローカル光との周波数差をfIF
としたとき、上記受信部に、上記合波光を検出する光検
出器と、上記光検出器の出力信号のうちの、上記中間周
波数fIF近傍の信号を通過させて、メインピーク信号を
出力する帯域通過フィルタと、上記光検出器の出力信号
のうちの、(fIF+f’)近傍の周波数を通過させて、
高周波側サイドローブ信号を出力する高域通過フィルタ
と、上記光検出器の出力信号のうちの、(fIF−f’)
近傍の周波数を通過させて、低周波側サイドローブ信号
を出力する低域通過フィルタと、上記帯域通過フィルタ
の出力と、上記高域通過フィルタの出力と上記低域通過
フィルタの出力の和との比に基づき、上記ローカル光を
変調する擬似ランダム信号の遅延信号を生成し、上記送
信部に対し出力する制御装置とを備えたものである。
【0025】請求項2に係るレーザレーダ装置は、ター
ゲットの最大測定速度に対応するドップラ周波数をfd
max、擬似ランダム信号の変調周波数をfmとしたと
き、上記擬似ランダム信号による変調の際の周波数変移
量f’及び上記送信光と上記ローカル光の発振周波数の
差fIFを、fIF≧f’≧2(fdmax+fm)を満た
すように設定したものである。
【0026】請求項3に係るレーザレーダ装置は、上記
受信部における上記帯域通過フィルタの通過帯域を、f
IFを中心として幅が±(fdmax+fm)以下とし、
上記高域通過フィルタの通過帯域を、fIF+f’−(f
dmax+fm)以上とし、上記低域通過フィルタの通
過帯域を、fIF−f’+(fdmax+fm)以下とし
たものである。
【0027】請求項4に係るレーザレーダ装置は、上記
受信部に、上記合波光を検出する光検出器と、上記光検
出器の出力信号のうちの、上記中間周波数fIF近傍の信
号を通過させる第1の帯域通過フィルタと、上記中間周
波数fIFの信号を発振するマイクロ波発振器と、上記光
検出器の出力信号と上記マイクロ波発振器の信号とを混
合する第1のミキサと、上記第1のミキサの出力のうち
の、上記光検出器の出力信号の周波数と上記マイクロ波
発振器の出力信号の周波数との和の周波数の信号を通過
させる高域通過フィルタと、上記第1の帯域透過フィル
の出力信号と上記高域通過フィルタの出力とを混合す
る第2のミキサと、上記第2のミキサの出力のうちの、
上記中間周波数fIF近傍の周波数を通過させる第2の帯
域通過フィルタと、上記第2の帯域通過フィルタの出力
に基づき、上記ローカル光を変調する擬似ランダム信号
の遅延信号を生成し、上記送信部に対し出力する制御装
置とを備えたものである。
【0028】請求項5に係るレーザレーダ装置は、上記
受信部に、上記合波光を検出する光検出器と、上記光検
出器の出力を増幅する利得可変増幅器と、上記周波数変
移量f’の信号を発振するマイクロ波発振器と、上記光
検出器の出力と上記マイクロ波発振器の信号とを混合す
るミキサと、上記増幅器の出力と上記ミキサの出力とを
加算する加算器と、上記増幅器の出力と上記ミキサの出
力とを減算する減算器と、上記減算器の出力のうちの、
上記中間周波数fIF近傍の信号を通過させる第1の帯域
通過フィルタと、上記加算器の出力のうちの、上記中間
周波数fIF近傍の信号を通過させる第2の帯域通過フィ
ルタと、上記利得可変増幅器の利得を制御して上記第2
の帯域通過フィルタの出力強度を一定とするゲインコン
トローラと、上記第1の帯域通過フィルタの出力及び上
記第2の帯域通過フィルタの出力に基づき、上記ローカ
ル光を変調する擬似ランダム信号の遅延信号を生成し、
上記送信部に対し出力する信号処理装置とを備えたもの
である。
【0029】請求項6に係るレーザレーダ装置は、上記
信号処理装置に、上記第1の帯域通過フィルタの出力と
上記第2の帯域通過フィルタの出力とを混合するミキサ
と、上記ミキサの出力のうちのベースバンド信号を通過
させる狭帯域の低域通過フィルタと、上記狭帯域の低域
通過フィルタの出力を最大とするように、上記ローカル
光を変調する擬似ランダム信号に対する遅延時間を制御
する制御装置とを備えたものである。
【0030】請求項7に係るレーザレーダ装置は、上記
信号処理装置に、上記第2の帯域通過フィルタの出力の
周波数を測定し、上記ターゲットの速度信号を出力する
周波数検出手段と、上記第1の帯域通過フィルタの出力
のうちの、上記ターゲットの速度に対応する周波数近傍
の信号を通過させる可変帯域通過フィルタと、上記可変
帯域通過フィルタの出力を最大とするように、上記ロー
カル光を変調する擬似ランダム信号に対する遅延時間を
制御する制御装置とを備えたものである。
【0031】請求項8に係るレーザレーダ装置は、上記
信号処理装置に、上記第1の帯域通過フィルタの出力を
デジタル信号に変換するA/D変換器と、上記A/D変
換器が出力するデジタル信号に基づきFFT(Fast Fou
rier Transform)を行う演算回路と、 上記演算回路の
出力に基づき上記ローカル光を変調する擬似ランダム信
号に対する遅延時間を制御する制御装置とを備えたもの
である。
【0032】請求項9に係るレーザレーダ装置は、上記
送信部に、レーザ発振器と、上記レーザ発振器からの出
力光を2つに分ける分配手段と、上記2つの出力光の一
方を変調する第1の変調器と、上記2つの出力光の他方
に対し上記中間周波数fIFの周波数シフトを与える周波
数シフタと、上記周波数シフタの出力光を変調する第2
の変調器と、上記第1の変調器に上記擬似ランダム信号
を供給する系列発生器と、上記系列発生器が出力する上
記擬似ランダム信号に対し時間遅延を与えた後に上記第
2の変調器に供給する可変遅延回路とを備えたものであ
る。
【0033】請求項10に係るレーザレーダ装置は、上
記第1の変調器に、上記擬似ランダム信号に応じて変調
電圧を発生する第1の電圧制御器と、上記第1の電圧制
御器の出力電圧に基づき位相変調を行う第1の位相変調
器とを備えるとともに、上記第2の変調器に、上記擬似
ランダム信号に応じて変調電圧を発生する第2の電圧制
御器と、上記第2の電圧制御器の出力電圧に基づき位相
変調を行う第2の位相変調器とを備えたものである。
【0034】請求項11に係るレーザレーダ装置は、上
記送信部に、レーザ発振器と、上記レーザ発振器からの
出力光を2つに分ける分配手段と、上記擬似ランダム信
号に応じて変調電圧を発生する第1の電圧制御器と、上
記第1の電圧制御器の出力電圧に基づき上記2つに分け
られた出力光の一方を変調する第1の位相変調器と、上
記擬似ランダム信号に応じて変調電圧を発生する第2の
電圧制御器と、上記第2の電圧制御器の出力電圧に基づ
き上記2つに分けられた出力光の他方を変調する第2の
位相変調器と、上記第1の電圧制御器に上記擬似ランダ
ム信号を供給する系列発生器と、上記系列発生器が出力
する上記擬似ランダム信号に対し時間遅延を与えた後に
上記第2の電圧制御器に供給する可変遅延回路とを備
え、同値の擬似ランダム信号に対して変調された、上記
第1の位相変調器の出力光及び上記第2の位相変調器の
出力光との周波数の差が上記中間周波数fIFとなるよう
に、上記第1の電圧制御器の出力電圧と上記第2の電圧
制御器の出力電圧を設定するものである。
【0035】請求項12に係るレーザレーダ装置は、上
記送信部に、レーザ発振器と、上記レーザ発振器からの
出力光を擬似ランダム信号で変調する変調器と、上記変
調器からの出力光を2つに分けて、一方を送信光として
出力する分配手段と、上記分配手段の2つの出力光の他
方に対し上記中間周波数fIFの周波数シフトを与えてロ
ーカル光として出力する周波数シフタと、上記変調器に
与える擬似ランダム信号を発生する系列発生器と、上記
擬似ランダム信号の1系列当たりの時間幅を制御する制
御器とを備えたものである。
【0036】請求項13に係るレーザレーダ装置は、上
記受信部からの上記ターゲットの距離信号及び速度信号
に基づき上記ターゲットの位置と速度を予測するととも
に、この予測結果に基づき上記遅延信号を発生する予測
回路を備えたものである。
【0037】請求項14に係るレーザレーダ装置は、上
記送信部は、上記予測回路が予測したターゲットの速度
信号を受けて、上記擬似ランダム信号の1ビット当たり
の時間幅を変化させるものである。
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】請求項15に係るレーザレーダ装置は、上
記周波数検出手段を、周波数弁別器により構成したもの
である。
【0043】請求項16に係るレーザレーダ装置は、上
記周波数検出手段を、入力された信号を増幅するリミッ
タアンプと、上記リミッタアンプの出力をカウントする
周波数カウンタとにより構成したものである。
【0044】請求項17に係るレーザレーダ装置は、上
記周波数検出手段を、入力されたアナログ信号をデジタ
ル信号に変換するA/D変換器と、上記A/D変換器が
出力するデジタル信号に対しFFTを行う演算回路とに
より構成したものである。
【0045】
【作用】請求項1の発明においては、上記受信部の、光
検出器が上記合波光を検出し、帯域通過フィルタが上記
光検出器の出力信号のうちの、上記中間周波数fIF近傍
の信号を通過させて、メインピーク信号を出力し、高域
通過フィルタが上記光検出器の出力信号のうちの、(f
IF+f’)近傍の周波数を通過させて、高周波側サイド
ローブ信号を出力し、低域通過フィルタが上記光検出器
の出力信号のうちの、(fIF−f’)近傍の周波数を通
過させて、低周波側サイドローブ信号を出力し、制御装
置が、上記帯域通過フィルタの出力と、上記高域通過フ
ィルタの出力と上記低域通過フィルタの出力の和との比
に基づき、上記ローカル光を変調する擬似ランダム信号
の遅延信号を生成し、上記送信部に対し出力する。
【0046】請求項2の発明においては、ターゲットの
最大測定速度に対応するドップラ周波数をfdmax、
擬似ランダム信号の変調周波数をfmとしたとき、上記
擬似ランダム信号による変調の際の周波数変移量f’及
び上記送信光と上記ローカル光の発振周波数の差f
IFを、fIF≧f’≧2(fdmax+fm)を満たすよ
うに設定して、メインピークへのサイドローブの漏れ込
みを防止する。
【0047】請求項3の発明においては、上記受信部に
おける上記帯域通過フィルタの通過帯域を、fIFを中心
として幅が±(fdmax+fm)以下とし、上記高域
通過フィルタの通過帯域を、fIF+f’−(fdmax
+fm)以上とし、上記低域通過フィルタの通過帯域
を、fIF−f’+(fdmax+fm)以下とし、メイ
ンピークへのサイドローブの漏れ込みを防止する。
【0048】請求項4の発明においては、上記受信部
の、光検出器が上記合波光を検出し、第1の帯域通過フ
ィルタが上記光検出器の出力信号のうちの、上記中間周
波数fIF近傍の信号を通過させ、マイクロ波発振器が上
記中間周波数fIFの信号を発振し、第1のミキサが上記
光検出器の出力信号と上記マイクロ波発振器の信号とを
混合し、高域通過フィルタが、上記第1のミキサの出力
のうちの、上記光検出器の出力信号の周波数と上記マイ
クロ波発振器の出力信号の周波数との和の周波数の信号
を通過させ、第2のミキサが上記第1の帯域透過フィル
の出力信号と上記高域通過フィルタの出力とを混合
し、第2の帯域通過フィルタが、上記第2のミキサの出
力のうちの、上記中間周波数fIF近傍の周波数を通過さ
せ、制御装置が、上記第2の帯域通過フィルタの出力に
基づき、上記ローカル光を変調する擬似ランダム信号の
遅延信号を生成し、上記送信部に対し出力する。
【0049】請求項5の発明においては、上記受信部
の、光検出器が上記合波光を検出し、利得可変増幅器が
上記光検出器の出力を増幅し、マイクロ波発振器が上記
周波数変移量f’の信号を発振し、ミキサが上記光検出
器の出力と上記マイクロ波発振器の信号とを混合し、加
算器が上記増幅器の出力と上記ミキサの出力とを加算
し、減算器が上記増幅器の出力と上記ミキサの出力とを
減算し、第1の帯域通過フィルタが、上記減算器の出力
のうちの、上記中間周波数fIF近傍の信号を通過させ、
第2の帯域通過フィルタが、上記加算器の出力のうち
の、上記中間周波数fIF近傍の信号を通過させ、ゲイン
コントローラが上記利得可変増幅器の利得を制御して上
記第2の帯域通過フィルタの出力強度を一定とし、信号
処理装置が、上記第1の帯域通過フィルタの出力及び上
記第2の帯域通過フィルタの出力に基づき、上記ローカ
ル光を変調する擬似ランダム信号の遅延信号を生成し、
上記送信部に対し出力する。
【0050】請求項6の発明においては、上記信号処理
装置の、ミキサが上記第1の帯域通過フィルタの出力と
上記第2の帯域通過フィルタの出力とを混合し、狭帯域
の低域通過フィルタが上記ミキサの出力のうちのベース
バンド信号を通過させ、制御装置が、上記狭帯域の低域
通過フィルタの出力を最大とするように、上記ローカル
光を変調する擬似ランダム信号に対する遅延時間を制御
する。
【0051】請求項7の発明においては、上記信号処理
装置の、周波数検出手段が、上記第2の帯域通過フィル
タの出力の周波数を測定し、上記ターゲットの速度信号
を出力し、可変帯域通過フィルタが、上記第1の帯域通
過フィルタの出力のうちの、上記ターゲットの速度に対
応する周波数近傍の信号を通過させ、制御装置が、上記
可変帯域通過フィルタの出力を最大とするように、上記
ローカル光を変調する擬似ランダム信号に対する遅延時
間を制御する。
【0052】請求項8の発明においては、上記信号処理
装置の、A/D変換器が上記第1の帯域通過フィルタの
出力をデジタル信号に変換し、演算回路が、上記A/D
変換器が出力するデジタル信号に基づきFFT(FastFo
urier Transform)を行い、制御装置が、上記演算回路
の出力に基づき上記ローカル光を変調する擬似ランダム
信号に対する遅延時間を制御する。
【0053】請求項9の発明においては、上記送信部
の、分配手段がレーザ発振器からの出力光を2つに分
け、第1の変調器が上記2つの出力光の一方を変調し、
周波数シフタが上記2つの出力光の他方に対し上記中間
周波数fIFの周波数シフトを与え、第2の変調器が上記
周波数シフタの出力光を変調し、系列発生器が上記第1
の変調器に上記擬似ランダム信号を供給し、可変遅延回
路が、上記系列発生器が出力する上記擬似ランダム信号
に対し時間遅延を与えた後に上記第2の変調器に供給す
る。
【0054】請求項10の発明においては、第1の電圧
制御器及び第2の電圧制御器が、上記擬似ランダム信号
に応じて変調電圧を発生し、第1の位相変調器及び第2
の位相変調器が上記第1の電圧制御器及び上記第2の電
圧制御器の出力電圧に基づき位相変調を行う。
【0055】請求項11の発明においては、上記送信部
の、分配手段がレーザ発振器からの出力光を2つに分
け、第1の電圧制御器が上記擬似ランダム信号に応じて
変調電圧を発生し、第1の位相変調器が、上記第1の電
圧制御器の出力電圧に基づき上記2つに分けられた出力
光の一方を変調し、第2の電圧制御器が、上記擬似ラン
ダム信号に応じて変調電圧を発生し、第2の位相変調器
が、上記第2の電圧制御器の出力電圧に基づき上記2つ
に分けられた出力光の他方を変調し、系列発生器が、上
記第1の電圧制御器に上記擬似ランダム信号を供給し、
可変遅延回路が、上記系列発生器が出力する上記擬似ラ
ンダム信号に対し時間遅延を与えた後に上記第2の電圧
制御器に供給し、上記第1の電圧制御器の出力電圧と上
記第2の電圧制御器の出力電圧は、同値の擬似ランダム
信号に対して変調された、上記第1の位相変調器の出力
光及び上記第2の位相変調器の出力光との周波数の差が
上記中間周波数fIFとなるように設定される。
【0056】請求項12の発明においては、上記送信部
の、変調器が、レーザ発振器からの出力光を擬似ランダ
ム信号で変調し、分配手段が、上記変調器からの出力光
を2つに分けて、一方を送信光として出力し、周波数シ
フタが、上記分配手段の2つの出力光の他方に対し上記
中間周波数fIFの周波数シフトを与えてローカル光とし
て出力し、系列発生器が、上記変調器に与える擬似ラン
ダム信号を発生し、制御器が、上記擬似ランダム信号の
1系列当たりの時間幅を制御する。
【0057】請求項13の発明においては、予測回路
が、上記受信部からの上記ターゲットの距離信号及び速
度信号に基づき上記ターゲットの位置と速度を予測する
とともに、この予測結果に基づき上記遅延信号を発生す
る。
【0058】請求項14の発明においては、上記送信部
は、上記予測回路が予測したターゲットの速度信号を受
けて、上記擬似ランダム信号の1ビット当たりの時間幅
を変化させる。
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】請求項15の発明においては、周波数弁別
器がドップラ周波数fdを検出する。
【0064】請求項16の発明においては、リミッタア
ンプが、入力された、ドップラ周波数fdを含む信号を
増幅し、周波数カウンタが上記リミッタアンプの出力を
カウントすることによりドップラ周波数fdを検出す
る。
【0065】請求項17の発明においては、A/D変換
器が、入力された、ドップラ周波数fdを含むアナログ
信号をデジタル信号に変換し、演算回路が、上記A/D
変換器が出力するデジタル信号に対しFFTを行うこと
により周波数分析を行い、ドップラ周波数fdを検出す
る。
【0066】
【実施例】 実施例1.次に、この発明の一実施例について図に基づ
き説明する。図1は、この実施例1のレーザレーダ装置
の構成図である。同図において、1は送信光を発生する
送信部、2はターゲットからの反射光を処理する受信
部、3は送信部1からの送信光を放射する送信光学系、
4はターゲットからの反射光を受光する受信光学系であ
る。
【0067】送信部1は、CW光を発生するレーザ発振
器11、ローカルレーザ光を発生するローカル発振器1
2、疑似ランダム信号は発生する系列発生器13、擬似
ランダム信号を遅延するとともに、入力される遅延信号
に基づき遅延量を調整する可変遅延回路14、レーザ発
振器11の発振周波数及びローカル発振器12の発振周
波数を制御する周波数管理回路15からなる。レーザ発
振器11の出力は送信光学系3に供給され、ローカル発
振器12の出力は、受信光学系4からの受信光とともに
受信部2に供給される。受信光とローカル光とは受信部
2までの途中で合波される。また、レーザ発振器11の
出力及びローカル発振器12の出力は、それぞれ一部が
分配されて周波数管理回路15に供給される。
【0068】受信部2は、受信光学系4からの受信光と
送信部1からのローカル光との合波光を受けて自乗検波
を行う、Photo Diode (以下、PDとする)等の光検出
器16、光検出器16の出力を増幅する増幅器(以下、
Ampとする)17、Amp17の出力から所定の帯域
の信号を抽出する帯域通過フィルタ(以下、BPFとす
る)19、BPF19の出力からターゲットの周波数を
抽出する周波数弁別器20、Amp17の出力のうちの
メインピーク近傍の周波数を通過させる第2の帯域通過
フィルタ30、Amp17の出力のうちの低周波側のサ
イドローブ近傍の周波数を通過させる低周波数の信号を
抽出する低域通過フィルタ31、Amp17の出力のう
ちの高周波側のサイドローブ近傍の周波数を通過させる
高域通過フィルタ32、低域通過フィルタ31の出力と
高域通過フィルタ32の出力とを合成する加算器31
5、第2の帯域通過フィルタ30の出力及び加算器31
5の出力に基づき距離を求めるとともに、送信部1に対
し遅延信号を出力する制御装置21aからなる。また、
22は送信光、23はターゲット、24は受信光であ
る。
【0069】次に動作について説明する。図1のレーザ
レーダ装置は、送信部1において、ローカル光にも所定
の時間(tD )の遅延をかけた擬似ランダム変調を行
う。そして、受信部2において、このローカル光と、光
検出器16上で受信光学系4からの受信信号光と合成し
てヘテロダイン検波を行う。すなわち、図1のレーザレ
ーダ装置は、光の領域で相関処理を行う方式(以後、こ
の方式を光周波数領域相関復調法とする)を用いてい
る。レーザ発振器11およびローカル発振器12におけ
る周波数変調は、周波数の切り替え時に位相が不連続に
ならないCPFSKである。
【0070】信号光を発振するレーザ発振器11は、系
列発生器13で発生する擬似ランダム変調信号の0,1
信号に応じて2つの周波数(f0,f1)で発振する。
同様に、ローカル光を発振するローカル発振器12は、
擬似ランダム変調信号の0,1信号に応じた周波数で発
振する。ローカル発振器12の発振周波数は、周波数管
理回路15により、レーザ発振器11の発振周波数とロ
ーカル発振器12の発振周波数の差が中間周波数fIF
等しくなるように制御される。このときのローカル発振
器12の発振周波数は、(fIF+f0,fIF+f1)で
ある。
【0071】系列発生器13で発生する擬似ランダム変
調信号は、レーザ発振器11には直接、ローカル発振器
12には可変遅延回路14により任意の遅延tdをかけ
てから与えられ、それぞれの発振器を周波数変調する。
レーザ発振器11からの信号光は送信光学系3より送信
され、送信光として大気を伝搬する。そして、ターゲッ
ト23で散乱され、その一部が受信光24として受信さ
れる。
【0072】受信光24は、レーザ発振器11の出力信
号光に対して、ターゲット23の速度に応じたドップラ
シフトfdと大気伝搬による時間遅延trとに対応する
周波数変調を受ける。一方、ローカル発振器12からの
ローカル光は、レーザ発振器11の出力信号光に対し
て、規定の周波数差fIFと可変遅延回路14による時間
遅延td とに対応する周波数変調を受ける。これらの受
信光とローカル光により光検出器16上でヘテロダイン
検波がなされる。
【0073】送信光、受信光等の時間波形は図26
(a)のようであり、また、受信信号のスペクトルは、
図26(b)のように単一の鋭いピークを持つ(以下、
上記周波数のピークをメインピークとする)。この時間
遅延trと受信信号の周波数からfdを測定することに
より、ターゲット23の距離と速度を求めることができ
る。
【0074】ところで、大気伝搬による時間遅延と可変
遅延回路による時間遅延が一致しないとき、上記受信光
とローカル光とは非相関となり、fIF+fdに加えてf
IF+fd−f’,fIF+fd+f’を合わせた3値の周
波数を、擬似ランダム変調により時間的にランダムな周
期で取る。この様子を図2(a)に示す。ここで、f’
はf0,f1の周波数差である。そのため、受信信号の
スペクトルは、擬似ランダム変調により変調周波数の2
倍程度のブロードな範囲にランダムな分布を持つメイン
ピークに加えて、上記2値の周波数を中心とする変調周
波数の2倍程度のブロードな範囲にランダムな分布を持
つサイドローブを持つスペクトルとなる。図2(b)に
受信信号のスペクトル分布の包絡線を示す。
【0075】次に、図2(b)のスペクトルが得られた
場合に、実際の遅延時間trと送信部1の可変遅延回路
14の遅延時間tD とを一致させるための処理について
説明する。この処理は受信部2の制御装置21aが行
う。
【0076】受信部2の増幅器17により増幅された受
信信号は4つに分配され、帯域通過フィルタ19、第2
の帯域通過フィルタ30、低域通過フィルタ31、高域
通過フィルタ32にそれぞれ供給される。ここで、第2
の帯域通過フィルタ30、低域通過フィルタ31、
通過フィルタ32の出力信号を、それぞれSIG A、
SIG B、SIG Cとすると、これらのスペクトル
は、図2(b)のようである。すなわち、SIG Aは
周波数(fIF+fd)にピークをもつメインピークであ
り、SIG Bは周波数(fIF+fd−f’)にピーク
をもつ低周波側サイドローブであり、SIG Cは周波
数(fIF+fd+f’)にピークをもつ高周波側サイド
ローブである。ここで、f’=f1−f0である。
【0077】低域通過フィルタ31の出力信号SIG
Bと域通過フィルタ32の出力信号SIG Cとは、
加算器315において加算される。この出力信号SIG
Xが、第2の帯域通過フィルタ30の出力信号SIG
Aとともに制御装置21aに入力される。
【0078】ところで、大気伝搬による時間遅延と可変
遅延回路による時間遅延が一致したとき、第2の帯域通
過フィルタ30のメインピーク出力は最大値をとり、低
域通過フィルタ1,高域通過フィルタ32のいずれのサ
イドローブの出力も、理論上は0になり、雑音成分だけ
になる。そこで、制御装置21aは、SIG AとSI
G Xとの比(SIG A/SIG X)が最大になる
ように、あるいは、SIG XとSIG Aとの比(S
IG X/SIG A)が最小になるように、出力する
遅延信号を調整する。このときの遅延時間tdよりター
ゲット23の距離が求められる。同時に、周波数弁別器
20の出力からドップラ周波数fdを求めることにより
速度が測定される。このように、メインピークと、2つ
のサイドローブとの比から遅延信号を生成するので、メ
インピーク信号のみ、あるいは、1つ、あるいは2つの
サイドローブ信号のみから判断するよりも、精度の高い
測定ができる。
【0079】次に、上記動作の細部について説明する。
光におけるドップラシフトは比較的大きい。例えば、送
信光とローカル光の波長を1.5μmとし、ターゲット
の速度200km/hとすると、ドップラシフトは約7
5MHzとなる。したがって、ターゲットの速度によっ
てはメインローブの出力の一部が低域通過フィルタ31
あるいは高域通過フィルタ32を通過したり、または逆
に、サイドローブの出力の一部が帯域通過フィルタ30
を通過したりして、測定の精度が低下することが考えら
れる。
【0080】そこで、ターゲットの測定速度範囲内で、
ターゲットの速度によらず上記の状態が起こらないよう
に、中間周波数fIF,周波数差f’およびフィルタ30
〜32の通過帯域を設定する。送信光と受信光とが非相
関であるとき、メインピークおよびサイドローブの帯域
としては変調周波数の2倍程度を考えればよいから、タ
ーゲットの最大ドップラ周波数をfdmax,擬似ラン
ダム信号の変調周波数をfm(=1/τ)とすると、中
間周波数fIF,周波数差f’を次式に示す条件を満たす
ように設定する。 fIF≧f’≧2(fdmax+fm)
【0081】このとき、帯域通過フィルタ30,低域通
過フィルタ31,高域通過フィルタ32の通過帯域を、
それぞれ以下のようにする。帯域通過フィルタ30の通
過帯域を、fIFを中心とする幅が±(fdmax+f
m)以下とする。低域通過フィルタ31の通過帯域を、
IF+f’−(fdmax+fm)以上とする。高域通
過フィルタ32の通過帯域を、fIF−f’+(fdma
x+fm)以下とする。このように設定すれば、ターゲ
ットの速度によってメインローブの出力の一部が低域通
過フィルタ31,高域通過フィルタ32を、または、逆
にサイドローブの出力の一部が帯域通過フィルタ30を
通過することがなくなる。
【0082】以上のように、この実施例1によれば、制
御装置において、メインピークと、低周波側サイドロー
ブと高周波側サイドローブとの和との比が最大になるよ
うに遅延信号を生成するので、メインピークのみに基づ
き遅延信号を生成する場合と比べ、良好なS/Nで測定
することができる。さらに、メインピークにおけるスペ
クトル拡散が完全には行われず、メインピークのピーク
値が明瞭でない場合でも、測定精度は低下しない。
【0083】実施例2.図3は、実施例2のレーザレー
ダ装置の受信部の構成図である。40は中間周波数fIF
の信号を発生するマイクロ波発振器、41は帯域通過フ
ィルタ19の周波数fIF+fdの出力とマイクロ波発振
40の周波数fIFの出力とを混合して、これらの和(2
IF+fd)及び差fdの周波数の信号を出力する第1
のミキサ、42は周波数(2fIF+fd)の信号を抽出
する高域通過フィルタ(HPF)、43は高域通過フィ
ルタ42の出力と帯域通過フィルタ19の出力とを混合
して、これらの和(3fIF+2fd)及び差fIFの周波
数の信号を出力する第2のミキサ、44は第2のミキサ
43の出力から差fIFの周波数の信号を抽出する狭帯域
帯域通過フィルタ44である。図3において、図1と同
一あるいは相当部分については、同一符号を付してい
る。
【0084】次に動作について、図に基づいて説明す
る。送信部からの送信光およびローカル光は、上記実施
例1と同様に光周波数領域相関復調法に基づいて、擬似
ランダム変調されているものとする。受信光とローカル
光は光検出器16で自乗検波され、増幅器17で増幅さ
れる。増幅された受信信号はBPF19でメインピーク
のみを通過させ、3分配される。これらのうちの1つは
速度信号を求めるために用いられる。
【0085】上記3分配された受信信号の他の1つは、
第1のミキサ41において、マイクロ波発振器40で発
振するfIFの信号とミキシングされる。この出力信号は
2fIF+fdおよびfdの中心周波数を持つスペクトル
となる。HPF42により、この出力信号のうちの2f
IF+fdのみが取り出される。第2のミキサにおいて、
HPF42の出力と上記3分配された受信信号の残りの
一つとがミキシングされる。このHPF42の出力信号
は、3fIF+2fdおよびfIFに中心周波数を持つスペ
クトルとなる。狭帯域BPF44により、この出力信号
のうちのfIF近傍の周波数の信号のみが取り出されて、
この中心周波数fIFのスペクトルのみが制御装置21に
導かれる。そして、制御装置21bは、このスペクトル
のピークが最大になるような遅延信号を出力する。
【0086】この実施例1の構成によれば、ターゲット
の速度によらず、制御装置21bに達する信号は常に中
間周波数fIFである。このことは、制御処理21bにお
ける処理が容易になることを意味する。
【0087】また、ドップラシフトを打ち消すことによ
りBPF44の帯域を非常に狭く取ることができるの
で、高いS/N比が得られる。相関をとる時間は最低で
も擬似ランダム変調の1系列長時間幅(Mτ;M:1系
列長ビット数,τ:変調周期)はかかることから、狭帯
域BPF44の帯域は1/Mτ以下とすることが可能で
ある。擬似ランダム信号にM系列を用いれば、M(=2
N −1;N:自然数)の値は任意に大きくできるので、
帯域を非常に狭く取ることができる。上記実施例1の場
合と同様に、伝搬時間と遅延時間が等しいとき狭帯域B
PF44の出力は最大となる。このとき、周波数弁別器
20によりドップラシフトを得てターゲットの速度を知
ることができる。
【0088】以上のように、この実施例2によれば、制
御装置に入力される信号のドップラシフトが打ち消され
るので、フィルタの帯域を広くする必要がなくなり、良
好なS/Nで測定することができる。
【0089】実施例3.図4は、実施例3のレーザレー
ダ装置の受信部の構成図である。50は、周波数f’
(f’は変調周波数の差)の信号を発生するマイクロ波
発振器、51は増幅器17が出力する受信信号とマイク
ロ波発振器50の出力信号とを混合するミキサ、52は
増幅器17の出力信号を増幅する第2の増幅器、53は
後述の第2の帯域フィルタ57の出力に基づき、第2の
増幅器52のゲインをコントロールするゲインコントロ
ーラ、54は第2の増幅器の出力からミキサ51の出力
を減算する減算器、55は第2の増幅器52の出力とミ
キサ51の出力とを加算する加算器、56は減算器54
の出力から所定の帯域の信号を取り出す第1の帯域通過
フィルタ(BPF)、57は加算器55の出力から所定
の帯域の信号を取り出す第2の帯域通過フィルタ(BP
F)、58は第1の帯域通過フィルタ56が出力する位
相変調信号及び第2の帯域通過フィルタ57が出力する
周波数(fIF+fd)の信号に基づき、距離信号、速度
信号、遅延信号を生成する信号処理装置である。図4に
おいて、図1と同一あるいは相当部分については、同一
符号を付している。
【0090】図に基づいて説明する。送信部からの送信
光およびローカル光は上記実施例の場合と同様に光周波
数領域相関復調法に基づいて、擬似ランダム変調信号に
より周波数変調されているものとする。また、この送信
光およびローカル光の周波数変調は周波数切り替え時に
位相が不連続にならないとする。
【0091】受信光とローカル光は光検出器16で自乗
検波され、増幅器17で増幅される。増幅された受信信
号は2分配される。上記2分配された受信信号の一つ
は、ミキサ51において、マイクロ波発振器50で発振
された周波数f’の信号とミキシングされる。上記2分
配された受信信号の他方は、第2の増幅器52により増
幅される。第2の増幅器52のゲインは、ゲインコント
ロール53により、常にBPF57の出力が一定になる
ように制御される。ミキサ51からの出力と第2の増幅
器52からの出力はそれぞれ2分され、それぞれの一方
は減算器54に、他方は加算器55に入力される。減算
器54および加算器55の出力はそれぞれBPF56,
57に入力される。
【0092】ここで、BPF56,57を通過する信号
について考える。相関が取れているときの増幅器17か
らの出力は、周波数(fIF+fd)の信号である。よっ
て、ミキサ51の出力の周波数は(fIF+fd+
f’),(fIF+fd−f’)の信号となる。したがっ
て、加算器55の出力信号のスペクトルは、図5(a)
に示すように、これら3つの信号が合成されたスペクト
ルになる。
【0093】また、減算器54の出力信号のスペクトル
も同様であり、周波数(fIF+fd)の信号の位相と、
周波数(fIF+fd+f’),(fIF+fd−f’)の
信号の位相とが180度(π)だけずれている点で異な
る。周波数(fIF+fd+f’),(fIF+fd−
f’)の信号は、BPF56、57の通過帯域外の信号
であるので、BPF56,57を通過することができな
い。よって、このときのBPF56,57の出力は、図
5(b)に示すように、増幅器52からの周波数(fIF
+fd)のみの信号である。BPF57の出力について
言えば、結局、第2の増幅器52の出力と同じことにな
る。
【0094】一方、非相関時において、増幅器17から
の出力は、図2(b)に示すように、3つの周波数(f
IF+fd),(fIF+fd+f’),(fIF+fd−
f’)で周波数変調された信号である。周波数が(fIF
+fd+f’)または(fIF+fd−f’)であると
き、ミキサ51により、周波数fIF+fdの信号が作ら
れる。BPF57は周波数(fIF+fd)の信号のみを
通過させるから、BPF57の出力の周波数は(fIF
fd)であって、そのレベルは図2(b)のメインピー
ク信号、低周波側サイドローブ、及び、高周波側サイド
ローブを合成した信号となる。
【0095】このように相関時,非相関時いずれの場合
も、BPF57の出力信号の周波数は(fIF+fd)で
ある。このドップラ−周波数fdに基づき、速度信号が
生成される。また、ゲインコントロール53は、BPF
57の出力レベルが一定になるように、増幅器52のゲ
インをコントロールしているので、BPF57の出力信
号の強度は一定となる。
【0096】次にBPF56の出力について説明する。
非相関時の信号を時間軸で見ると、たとえば図27
(ニ)に示すように、その周波数は順番に(1)fIF
fd、(2)fIF+fd+f’、(3)fIF+fd−
f’、(4)fIF+fd、(5)fIF+fd+f’、
(6)fIF+fd、・・・となる。BPF56は周波数
(fIF+fd)の信号のみを通過するから、上記(1)
(4)(6)の信号は第2の増幅器52の出力が、上記
(2)(3)(5)の信号はミキサ51の出力が、それ
ぞれBPF56の出力端に現れる。また、ミキサ51の
出力と第2の増幅器52の出力とは減算器54により合
成されるから、これらの出力間においてπの位相差を生
じている。
【0097】ところで、第2の増幅器52の出力信号の
位相と上記ミキサの出力信号の位相とは、非相関時には
周波数の変調に伴い、これらの入力経路(第2の増幅器
52の信号か、それともミキサ51からの信号か)がラ
ンダムに切り替えられるので、その位相は不連続になる
(なお、相関時において上記ミキサに出力は生じな
い)。さらに、BPF56の出力は周波数の変調に伴う
入力経路の切り替え時に位相がπずれることになる。次
式の条件を満たすときBPF57の出力の位相は連続と
なる。 f’・τ=L (L:自然数)
【0098】したがって、BPF56の出力は擬似ラン
ダムに変調された位相変調信号となる。相関時には、図
6(a)のように周波数(fIF+fd)にメインピーク
が生じ、一方、非相関時には、スペクトルは図6(b)
の斜線の領域に広がる。擬似ランダム変調(系列長M)
に関して位相変調と周波数変調を比べたとき、前者の方
がスペクトル拡散が完全に行われ、完全に非相関のとき
にメインピークのピーク値が相関時の1/M以下にな
る。すなわち、図4の構成によれば、BPF56の出力
は位相変調信号であるから、より高い精度で測定を行う
ことができる。
【0099】信号処理装置58は、メインピークのピー
ク値が最大になるようにローカル光に対する変調の遅延
時間を制御するとともに、BPF56とBPF57の出
力からターゲットの距離と速度情報を得る。
【0100】以上のように、この実施例3によれば、位
相変調信号に基づき信号処理を行うので、相関時のスペ
クトルと非相関時のスペクトルとを容易に区別すること
ができて完全に相関をとることが可能となり、良好なS
/Nで測定することができる。
【0101】実施例4.図7は、実施例4のレーザレー
ダ装置の受信部の構成図である。図7は、図4の信号処
理装置58の詳細な内部構成を示す。60は、BPF5
6の出力とBPF57の出力をミキシングするミキサ、
61はミキサ60と制御装置21の間に配置された狭帯
域の低域通過フィルタである。図7において、図1、図
4と同一あるいは相当部分については、同一符号を付し
ている。
【0102】次に動作について説明する。受信部1の動
作は、基本的に実施例3の場合と同じである。先に述べ
たように、BPF56とBPF57の出力信号の周波数
は(fIF+fd)である。よって、ミキサ60の出力は
ベースバンド信号となる。
【0103】ところで、非相関時において、BPF56
の出力は擬似ランダムに変調された位相変調信号とな
る。このとき、ミキサ60の出力は、スペクトルが拡散
されていることから、より広いスペクトル分布を持つ。
したがって、ミクサ60の出力信号は、狭帯域の低域通
過フィルタ61により損失を受ける。これに対し、相関
時において、低域通過フィルタ61による損失は少な
い。そして、完全に相関が取れたときに、狭帯域の低域
通過フィルタ61の出力は最大値を取る。
【0104】制御装置21cは、狭帯域の低域通過フィ
ルタ61の出力が最大値を取るように遅延信号を調整す
る。このときの遅延時間tdよりターゲット24の距離
が、周波数弁別器20より速度が、それぞれ測定され
る。
【0105】この実施例4によれば、実施例3と同様の
効果を奏するとともに、狭帯域の低域通過フィルタ61
の帯域を、実施例2の場合と同様に非常に狭く取ること
ができるので高いS/N比が得られる。
【0106】実施例5.図8は、この実施例3のレーザ
レーダ装置の受信部の構成図である。図8は、図4の信
号処理装置58の詳細な内部構成を示す。70は通過中
心周波数を任意に変えることができる可変狭帯域帯域通
過フィルタである。図8において、図1、図4と同一あ
るいは相当部分については、同一符号を付している。
【0107】次に動作について説明する。受信部1の動
作は、基本的に実施例3の場合と同じである。先に述べ
たように、上記BPF56とBPF57の出力信号の周
波数は(fIF+fd)である。周波数弁別器20からの
ターゲットの速度情報として、BPF57の出力信号の
周波数(fIF+fd)が得られる。可変狭帯域帯域通過
フィルタ70は周波数弁別器20からの信号を受けて、
その通過中心周波数を(fIF+fd)に変えるようにす
る。相関がとれたとき、BPF56の出力信号のスペク
トルは、周波数(fIF+fd)に集中するから、相関が
とれるほど、BPF70の出力レベルは大きくなる。こ
の構成により、実施例4の場合と同様に、完全に相関が
取れたときに、可変狭帯域帯域通過フィルタ70の出力
は最大値をとるようになる。
【0108】制御装置21は、可変狭帯域帯域通過フィ
ルタ70の出力が最大値を取るように遅延信号を調整す
る。このときの遅延時間tdよりターゲットの距離が測
定される。
【0109】この実施例5によれば、実施例3と同様の
効果を奏するとともに、狭帯域の低域通過フィルタ61
の帯域を、実施例2の場合と同様に非常に狭く取ること
ができるので高いS/N比が得られる。
【0110】実施例6.図9はこの実施例6のレーザレ
ーダ装置の受信部の構成図である。図9は、図4の信号
処理装置58の詳細な内部構成を示す。80はBPF5
6の出力信号をデジタル信号に変換するA/D変換器、
81はA/D変換器80が出力するデジタル信号に対し
てFFT(Fast Fourier Transform)を行う演算回路、
82はローカル光に対する変調の遅延時間を制御すると
ともに、演算回路81の演算結果からターゲットの距離
と速度情報を得る制御装置である。
【0111】次に動作について説明する。受信部1の動
作は、基本的に実施例3の場合と同じである。先に述べ
たように、上記BPF56とBPF57の出力信号の周
波数は(fIF+fd)である。BPF56の出力信号を
A/D変換器80によりデジタル信号に変換し、演算回
路81により上記デジタル信号を擬似ランダム信号の1
系列長時間幅単位で区切り、その時間幅内のデータでF
FTを行う。これにより、BPF56の出力信号のスペ
クトル分布が得られる。すでに述べたように、BPF5
6の出力信号は位相変調信号であり、そのスペクトル
は、相関時には鋭い単一なピークを持つが、非相関時に
はスペクトル拡散の効果により非常にブロードな分布を
持つ。
【0112】制御装置82は、上記スペクトルが鋭い単
一なピークを持つように、ローカル光に対する変調の遅
延時間を制御する。そして、相関がとれたときのスペク
トルからターゲットの距離と速度情報を得る。
【0113】この実施例6によれば、演算回路81での
FFTを行っており、このときの周波数分解能は擬似ラ
ンダム信号の1系列長時間幅の逆数であり、比較的小さ
くできるので、高S/N比の測定ができる。
【0114】実施例7.図10は、この実施例7のレー
ザレーダ装置の送信部の構成図である。同図において、
90は単一波長で発振するCWレーザ発振器、91はレ
ーザ発振器90からのレーザ光を任意の割合で2つに分
ける分配器、92,93は分配器91で分けられたレー
ザ光をそれぞれ変調する第1の変調器および第2の変調
器、94は分配器91と第2の変調器93の間に置かれ
た周波数シフタである。第1の変調器92の出力光は送
信光に、第2の変調器93の出力光はローカル光に用い
られる。分配器91は、偏光子、ミラー反射鏡、光ファ
イバカプラ等により構成される。また、周波数シフタ9
4は、音響光学素子(AO)、波長変換を行うラマンセ
ル、OPD(optical parametric oscillator )等によ
り構成される。
【0115】95は擬似ランダム信号を発生し、第1の
変調器92、第2の変調器93にそれぞれ供給する系列
発生器、96は系列発生器93と第2の変調器93の間
に設けられ、任意の遅延を与える可変遅延回路である。
系列発生器95からの変調信号は第1の変調器92には
直接に与えられ、第2の変調器93には可変遅延回路9
6を介して与えられる。
【0116】次に動作について説明する。レーザ発振器
90は単一波長、即ち単一周波数のCWレーザ光を発振
する。このレーザ光は分配器91により、任意の割合で
2つに分けられ、それぞれ第1の変調器92および第2
の変調器93に入力される。第2の変調器93と分配器
91の間に周波数シフタ94が置かれている。周波数シ
フタ94は、第1の変調器92に入力するレーザ光の周
波数と、第2の変調器93に入力するレーザ光の周波数
との間に、中間周波数fIFに相当する周波数差を与え
る。
【0117】第1の変調器92及び第2の変調器93
は、それぞれ系列発生器95で発生する2値の擬似ラン
ダム信号により上記レーザ光を変調する。ところで、可
変遅延回路96により、第2の変調器93に与えられる
擬似ランダム信号には、第1の変調器92に与えられる
擬似ランダム信号に対して任意の遅延時間tD が与えら
れる。第1の変調器92及び第2の変調器93は、擬似
ランダム信号の2値(0,1)の間で周波数差f’を与
える周波数変調を行うとする。このとき、第1の変調器
92から出力されるレーザ光の周波数は擬似ランダム信
号の2値(0,1)に対応してf0,f1であり、第2
の変調器93から出力されるレーザ光の周波数は同様に
IF+f0,fIF+f1となる。図10の送信部1から
出力される送信光及びローカル光は、図1の送信部1か
らのものと同じである。
【0118】以上のように、この実施例7の構成によれ
ば、周波数領域相関復調法を用いたレーザレーダ装置に
おいて、第1の変調器92からの出力光は擬似ランダム
信号で周波数変調された送信光に、第2の変調器93か
らの出力光は送信光に対して時間遅延tD を持つ擬似ラ
ンダム信号で周波数変調されたローカル光として使用で
きる。このように、一つの光源90からのレーザ光を送
信光とローカル光に用いているため、レーザ発振器が1
つですみ、さらに、2つの発振器の周波数を管理するた
めの周波数管理回路が不要となる。したがって、構成が
簡単になるとともに、送信光とローカル光の周波数管理
が容易なレーザレーダ装置を得ることができる。
【0119】なお、分配器91として、レーザ光が各素
子間を空間伝搬するときには部分透過鏡が、光ファイバ
で伝搬するときはファイバカプラ等が用いられる。
【0120】実施例8.図11は、この実施例8のレー
ザレーダ装置の送信部の構成図である。100,101
は入力される第1,第2の印加電圧に基づきそれぞれ変
調を行う位相変調器である。102,103は第1,第
2の位相変調器100,101に印加する電圧をそれぞ
れ制御する第1,第2の電圧制御装置である。
【0121】次に動作について説明する。図11の送信
部において、印加する電圧を制御することにより、第
1,第2の位相変調器100,101を周波数変調器と
して用いている。基本的な動作は実施例7の場合と同じ
である。
【0122】第1,第2の位相変調器100,101
は、KDPやLiNbO3 等の電気光学結晶素子を材質
とする、位相変化が印加電圧に比例する線形の位相変調
器とする。系列発生器95からの擬似ランダム信号に応
じて、第1,第2の電圧制御器102,103は、図1
2(a)に示すような波形の印可電圧を与える。同図の
電圧波形は、「0」のとき電圧V0の一定値であり、
「1」のとき電圧V0から電圧V1に線形に増加する鋸
歯状波である。位相変化の時間積分は周波数変化になる
ことから、信号が「1」のとき、位相変調器100、1
01を通過するレーザ光に一定量の周波数変化が生じ
る。このときレーザ光の周波数は一定値f1である。他
方、信号が「0」のとき、印可電圧は一定値であるから
レーザ光の周波数は一定値f0である。図12(b)に
第1の位相変調器100による送信光の変調を示す。
【0123】また、図13に第1,第2の位相変調器1
00,101に印加される電圧の、動作時における時間
波形例を示す。
【0124】このように位相変調器を周波数変調器とし
て用いることにより、簡単な構成で、送信光とローカル
光の周波数管理がさらに容易になるレーザレーダ装置を
得ることができる。
【0125】実施例9.図14は、この実施例9のレー
ザレーダ装置の送信部の構成図である。図14の送信部
1は、図11の送信部1の周波数シフタを持たず、かわ
りに位相変調器に印加する電圧を調整することにより送
信光とローカル光との所定の周波数差を与えている。
【0126】この実施例9において、第2の位相変調器
101に周波数シフタの機能を持たせる。即ち、第1の
位相変調器100による周波数シフト量に比べて、第2
の位相変調器101の周波数シフト量がfIFだけ大きく
なるようにする。
【0127】そのための印加電圧波形を図15(c)に
示す。図15(a)〜(d)は、第1の位相変調器10
0および第2の位相変調器101に与える、擬似ランダ
ム信号値に対する印加電圧と周波数シフト量の関係を示
す。印加電圧を時間軸上で一定にせずに、一定の傾きを
持たせて変化させることにより変調周波数が変化する。
したがって、同図にあるように、各擬似ランダム信号値
に対応して第2の位相変調器101に印加する電圧の傾
きを、第1の位相変調器100に印加する電圧の傾きよ
りも、周波数シフト量fIFに相当する分だけ増加させる
ことにより、第2の位相変調器101に周波数シフタの
機能を持たせることができる。
【0128】図16に、第1,第2の位相変調器10
0,101に印加される電圧の動作時の時間波形例を示
す。この実施例9によれば、周波数シフタが不要にな
り、さらに構成が簡単で、かつ送信光とローカル光の周
波数管理が容易なレーザレーダ装置を得ることができ
る。
【0129】実施例10.図17は、この実施例10の
レーザレーダ装置の送信部の構成図である。110はレ
ーザ発振器90からのレーザ光を系列発生器95からの
擬似ランダム信号により変調する変調器、111は系列
発生器95で発生する擬似ランダム信号の1系列当たり
の時間幅を制御する系列時間幅制御器である。
【0130】次に動作について説明する。レーザ発振器
90からのレーザ光は、変調器110において、系列発
生器95からの擬似ランダム信号により変調される。変
調されたレーザ光は2つに分けられ、一方は送信光とな
る。他方は周波数シフタ94により周波数fIFの周波数
シフトを受け、ローカル光として用いられる。
【0131】上記実施例1〜9の場合と異なり、ローカ
ル光の変調に遅延が掛かってない。したがって、大気伝
搬による時間遅延が、擬似ランダム信号の1系列分の時
間幅に等しいか、あるいはその整数倍に相当する距離か
らの受信光に対してのみ、ローカル光は完全に相関がと
れ、他方、それ以外からの距離からの反射光に対しては
非相関となる。よって、この実施例11において、系列
発生器95が発生する擬似ランダム信号の1系列分の時
間幅を変化させることにより、距離の掃引を行うことが
できる。
【0132】この実施例10によれば、変調器が一つで
すむので、構成がさらに簡単で、かつ、送信光とローカ
ル光の周波数制御が容易な送信部が得ることができる。
【0133】実施例11.図18は、この実施例11の
レーザレーダ装置の構成図である。120は受信部2か
らターゲットの距離・速度情報を受けることにより、タ
ーゲットの距離、速度を予測する予測回路である。
【0134】次に動作について説明する。受信部2にお
いて、ターゲットの速度・距離情報を得る方法は、上述
の光周波数領域相関復調法と同じである。予測回路12
0では受信部2からターゲットの距離・速度情報を受け
ることにより、次に測定するときのターゲットの距離、
速度を予測する。予測についての具体的な処理内容は、
レーダ装置においてなされる一般的な処理と同様であ
る。そして、予測した距離情報に対応した遅延信号を送
信部1の可変遅延回路に与え、予測したターゲットの距
離周辺を調べる。加えて、予測したターゲットの速度情
報から予想ドップラ周波数を受信部2の周波数測定手段
へ与える。これにより、ターゲットの追尾を短時間に行
うことができる。
【0135】ところで、ターゲットが移動している場
合、受信光の1系列長当たりの時間幅はターゲットの速
度(ターゲットの距離が増える方向を正ととる)により
変化する。これを、図19(d)に示す通常の擬似ラン
ダム信号で変調されたローカル光と相関を取ると精度が
落ちる。そこで、予測したターゲットの速度情報を送信
部1の系列発生器に与えるとともに、ローカル光を変調
する擬似ランダム信号についてのみ、このターゲットの
速度情報のターゲットの速度に応じて、例えば、図19
(b),(c)のように1ビット当たりの時間幅を段階
的に変えるようにする。
【0136】この実施例11によれば、予測した距離情
報及び速度情報に基づき、ターゲットの存在が予想され
る部分について処理するので、処理を短時間で行うこと
ができ、測定時間が短くなる。さらにターゲットの追尾
を短時間で行うことができる。さらに、ローカル光の変
調をターゲットの予測速度に応じて切り替えるので、高
精度の測定を行うことができる。
【0137】実施例12.図20は、この実施例12の
レーザレーダ装置の受信部の構成図である。130は、
周波数弁別器20の出力に基づき通過中心周波数が変化
する可変狭帯域帯域通過フィルタである。
【0138】次に動作について説明する。この実施例1
2のレーザレーダ装置は、まずCW波を送信してターゲ
ットのドップラ周波数を求め、BPF130の通過帯域
を最適に設定し、次に擬似ランダム変調をかけることに
より距離情報を得る点を特徴とする。
【0139】図示しない送信部は、送信光及びローカル
光に対する擬似ランダム信号による変調を、任意に休止
することができる。すなわち、送信光及びローカル光に
ついて、未変調期間と変調期間とを任意に選択できる。
未変調期間において、送信光及びローカル光はCW光で
あり、周波数弁別器20からターゲットの速度情報とし
て、受信信号の周波数(fIF+fd)が得られる。可変
狭帯域帯域通過フィルタ130は周波数弁別器20から
の信号を受けて、通過中心周波数を(fIF+fd)に変
える。
【0140】次に、上記実施例と同じ擬似ランダム信号
による変調器間に切り換えて、可変狭帯域帯域通過フィ
ルタ130の出力からターゲットの距離情報を得る。完
全に相関が取れたときに、可変狭帯域帯域通過フィルタ
130の出力は最大値を取る。制御装置21は、可変狭
帯域帯域通過フィルタ130の出力が最大値を取るよう
にローカル光に対する擬似ランダム信号の遅延時間を制
御する。
【0141】この実施例12によれば、まずドップラ周
波数情報を求め、BPFを最適に設定するので、ターゲ
ットの存在が予想される部分について処理するので、実
施例5の場合と同様に高S/N比の測定ができる。
【0142】実施例13.図21は、この実施例13の
レーザレーダ装置の構成図である。140は送信部1
の、図示しない2種類以上の擬似ランダム信号を選択し
て発生する系列発生器に対し、切り換え信号を与える変
調制御回路である。
【0143】次に動作について説明する。送信部1は、
送信光及びローカル光に対して2種類以上の擬似ランダ
ム信号を選択して変調を行うことができる。これら2種
類以上の擬似ランダム信号を以下の条件で切り換えるこ
とにより、測定上の利点を得ることができる。
【0144】第1に、図22(b)に示すように、2種
類以上の擬似ランダム信号を交互に用いることにより、
複数のターゲットが互いに擬似ランダム信号の1系列分
の時間幅分離れている場合であっても、これらの反射光
を区別することができる。したがって、より遠距離また
精度の高い測定を行うことができる。なお、擬似ランダ
ム信号が1種類の場合、図22(a)に示すように、タ
ーゲット1からの反射信号とターゲット2からの反射信
号は、いずれも同じ擬似ランダム信号(A系列)である
ので、これらを区別することができない。
【0145】第2に、図23(a)(b)に示すよう
に、2種類以上の擬似ランダム信号として、距離分解能
に対応する1ビット当たりの時間幅がそれぞれ異なる系
列を用いることにより、測定時間が短くなる。要求され
る距離分解能を持つ擬似ランダム信号の1ビット当たり
の時間幅をτとする。まず、距離分解能がk倍である1
ビット当たりの時間幅がk・τである擬似ランダム信号
で測定し、次にターゲットが測定された距離周辺(距離
分解能程度の範囲)のみを1ビット当たりの時間幅がτ
の擬似ランダム信号で測定する。
【0146】これにより、全測定範囲を1ビット当たり
の時間幅がτの擬似ランダム信号で測定するよりも、1
回の距離測定で全測定範囲を掃引する遅延時間tdの回
数を少なくし、測定に要する時間を短くすることができ
る。図23は2種類の擬似ランダム信号を用いた例を示
したが、3種類またはそれ以上の擬似ランダム信号を用
いても良い。
【0147】なお、上記実施例1,2、3等おいて、周
波数測定手段として、入力信号からドップラ周波数を弁
別する周波数弁別器を用いているが、もちろん周波数測
定手段として、入力信号を増幅するリッミタアンプとこ
のリミッタアンプの出力信号の周波数を検出するカウン
タとの組合せによる周波数カウンタや、入力信号をデジ
タル信号に変換するA/D変換器と上記A/D変換器か
らの出力に基づきFFTを行う演算回路からなる周波数
測定装置を用いても同様の効果が得られることは言うま
でもない。また、上記実施例7,8,9においては送信
光とローカル光の間に周波数差fIFを与えるために周波
数シフタを用いているが、測定対象が移動ターゲットで
あるか、光波レーダを速度取り締まり装置のような速度
が0近傍のターゲットを測る必要がない用途に用いる場
合には、fIF=0であっても良いので、周波数シフタは
なくてもよい。
【0148】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、上記受信部に、上記合波光を検出する光検出器と、
上記光検出器の出力信号のうちの、上記中間周波数fIF
近傍の信号を通過させて、メインピーク信号を出力する
帯域通過フィルタと、上記光検出器の出力信号のうち
の、(fIF+f’)近傍の周波数を通過させて、高周波
側サイドローブ信号を出力する高域通過フィルタと、上
記光検出器の出力信号のうちの、(fIF−f’)近傍の
周波数を通過させて、低周波側サイドローブ信号を出力
する低域通過フィルタと、上記帯域通過フィルタの出力
と、上記高域通過フィルタの出力と上記低域通過フィル
タの出力の和との比に基づき、上記ローカル光を変調す
る擬似ランダム信号の遅延信号を生成し、上記送信部に
対し出力する制御装置とを備えたので、相関がとれる遅
延信号を精度良く生成できて、測定精度が向上する。
【0149】また、請求項2の発明によれば、ターゲッ
トの最大測定速度に対応するドップラ周波数をfdma
x、擬似ランダム信号の変調周波数をfmとしたとき、
上記擬似ランダム信号による変調の際の周波数変移量
f’及び上記送信光と上記ローカル光の発振周波数の差
IFを、fIF≧f’≧2(fdmax+fm)を満たす
ように設定したので、サイドローブ信号による影響を低
減できて、さらに、測定精度が向上する。
【0150】また、請求項3の発明によれば、上記帯域
通過フィルタの通過帯域を、fIFを中心として幅が±
(fdmax+fm)以下とし、上記高域通過フィルタ
の通過帯域を、fIF+f’−(fdmax+fm)以上
とし、上記低域通過フィルタの通過帯域を、fIF−f’
+(fdmax+fm)以下としたので、サイドローブ
信号による影響を低減できて、さらに、測定精度が向上
する。
【0151】また、請求項4の発明によれば、上記受信
部に、上記合波光を検出する光検出器と、上記光検出器
の出力信号のうちの、上記中間周波数fIF近傍の信号を
通過させる第1の帯域通過フィルタと、上記中間周波数
IFの信号を発振するマイクロ波発振器と、上記光検出
器の出力信号と上記マイクロ波発振器の信号とを混合す
る第1のミキサと、上記第1のミキサの出力のうちの、
上記光検出器の出力信号の周波数と上記マイクロ波発振
器の出力信号の周波数との和の周波数の信号を通過させ
る高域通過フィルタと、上記第1の帯域透過フィルタ
出力信号と上記高域通過フィルタの出力とを混合する第
2のミキサと、上記第2のミキサの出力のうちの、上記
中間周波数fIF近傍の周波数を通過させる第2の帯域通
過フィルタと、上記第2の帯域通過フィルタの出力に基
づき、上記ローカル光を変調する擬似ランダム信号の遅
延信号を生成し、上記送信部に対し出力する制御装置と
を備えたので、制御信号の入力信号におけるドップラシ
フトによる影響が打ち消され、測定精度が向上する。
【0152】また、請求項5の発明によれば、上記受信
部に、上記合波光を検出する光検出器と、上記光検出器
の出力を増幅する利得可変増幅器と、上記周波数変移量
f’の信号を発振するマイクロ波発振器と、上記光検出
器の出力と上記マイクロ波発振器の信号とを混合するミ
キサと、上記増幅器の出力と上記ミキサの出力とを加算
する加算器と、上記増幅器の出力と上記ミキサの出力と
を減算する減算器と、上記減算器の出力のうちの、上記
中間周波数fIF近傍の信号を通過させる第1の帯域通過
フィルタと、上記加算器の出力のうちの、上記中間周波
数fIF近傍の信号を通過させる第2の帯域通過フィルタ
と、上記利得可変増幅器の利得を制御して上記第2の帯
域通過フィルタの出力強度を一定とするゲインコントロ
ーラと、上記第1の帯域通過フィルタの出力及び上記第
2の帯域通過フィルタの出力に基づき、上記ローカル光
を変調する擬似ランダム信号の遅延信号を生成し、上記
送信部に対し出力する信号処理装置とを備えたので、相
関時のスペクトルと非相関時のスペクトルとを容易に区
別できて、測定精度が向上する。
【0153】また、請求項6の発明によれば、上記信号
処理装置に、上記第1の帯域通過フィルタの出力と上記
第2の帯域通過フィルタの出力とを混合するミキサと、
上記ミキサの出力のうちのベースバンド信号を通過させ
る狭帯域の低域通過フィルタと、上記狭帯域の低域通過
フィルタの出力を最大とするように、上記ローカル光を
変調する擬似ランダム信号に対する遅延時間を制御する
制御装置とを備えたので、簡単な構成により測定精度が
向上する。
【0154】また、請求項7の発明によれば、上記信号
処理装置に、上記第2の帯域通過フィルタの出力の周波
数を測定し、上記ターゲットの速度信号を出力する周波
数検出手段と、上記第1の帯域通過フィルタの出力のう
ちの、上記ターゲットの速度に対応する周波数近傍の信
号を通過させる可変帯域通過フィルタと、上記可変帯域
通過フィルタの出力を最大とするように、上記ローカル
光を変調する擬似ランダム信号に対する遅延時間を制御
する制御装置とを備えたので、フィルタ通過帯域を狭く
できて測定精度が向上する。
【0155】また、請求項8の発明によれば、上記信号
処理装置に、上記第1の帯域通過フィルタの出力をデジ
タル信号に変換するA/D変換器と、上記A/D変換器
が出力するデジタル信号に基づきFFT(Fast Fourier
Transform)を行う演算回路と、 上記演算回路の出力
に基づき上記ローカル光を変調する擬似ランダム信号に
対する遅延時間を制御する制御装置とを備えたので、フ
ィルタ通過帯域を比較的狭い擬似ランダム信号の1系列
長時間幅の逆数とできて、測定精度が向上する。
【0156】また、請求項9の発明によれば、上記送信
部に、レーザ発振器と、上記レーザ発振器からの出力光
を2つに分ける分配手段と、上記2つの出力光の一方を
変調する第1の変調器と、上記2つの出力光の他方に対
し上記中間周波数fIFの周波数シフトを与える周波数シ
フタと、上記周波数シフタの出力光を変調する第2の変
調器と、上記第1の変調器に上記擬似ランダム信号を供
給する系列発生器と、上記系列発生器が出力する上記擬
似ランダム信号に対し時間遅延を与えた後に上記第2の
変調器に供給する可変遅延回路とを備えたので、レーザ
発振器が1つですみ構成が簡単になる。
【0157】また、請求項10の発明によれば、上記第
1の変調器に、上記擬似ランダム信号に応じて変調電圧
を発生する第1の電圧制御器と、上記第1の電圧制御器
の出力電圧に基づき位相変調を行う第1の位相変調器と
を備えるとともに、上記第2の変調器に、上記擬似ラン
ダム信号に応じて変調電圧を発生する第2の電圧制御器
と、上記第2の電圧制御器の出力電圧に基づき位相変調
を行う第2の位相変調器とを備えたので、レーザ発振器
が1つですみ構成が簡単になるとともに、変調制御が容
易になる。
【0158】また、請求項11の発明によれば、上記送
信部に、レーザ発振器と、上記レーザ発振器からの出力
光を2つに分ける分配手段と、上記擬似ランダム信号に
応じて変調電圧を発生する第1の電圧制御器と、上記第
1の電圧制御器の出力電圧に基づき上記2つに分けられ
た出力光の一方を変調する第1の位相変調器と、上記擬
似ランダム信号に応じて変調電圧を発生する第2の電圧
制御器と、上記第2の電圧制御器の出力電圧に基づき上
記2つに分けられた出力光の他方を変調する第2の位相
変調器と、上記第1の電圧制御器に上記擬似ランダム信
号を供給する系列発生器と、上記系列発生器が出力する
上記擬似ランダム信号に対し時間遅延を与えた後に上記
第2の電圧制御器に供給する可変遅延回路とを備え、同
値の擬似ランダム信号に対して変調された、上記第1の
位相変調器の出力光及び上記第2の位相変調器の出力光
との周波数の差が上記中間周波数fIFとなるように、上
記第1の電圧制御器の出力電圧と上記第2の電圧制御器
の出力電圧を設定するので、レーザ発振器が1つです
み、さらに、周波数シフタが不要になるので構成が簡単
になる。
【0159】また、請求項12の発明によれば、上記送
信部に、レーザ発振器と、上記レーザ発振器からの出力
光を擬似ランダム信号で変調する変調器と、上記変調器
からの出力光を2つに分けて、一方を送信光として出力
する分配手段と、上記分配手段の2つの出力光の他方に
対し上記中間周波数fIFの周波数シフトを与えてローカ
ル光として出力する周波数シフタと、上記変調器に与え
る擬似ランダム信号を発生する系列発生器と、上記擬似
ランダム信号の1系列当たりの時間幅を制御する制御器
とを備えたので、可変遅延回路が不要になり、さらに構
成が簡単になる。
【0160】また、請求項13の発明によれば、上記受
信部からの上記ターゲットの距離信号及び速度信号に基
づき上記ターゲットの位置と速度を予測するとともに、
この予測結果に基づき上記遅延信号を発生する予測回路
を備えたので、予測情報に基づき処理を迅速に行うこと
ができる。
【0161】また、請求項14の発明によれば、上記送
信部は、上記予測回路が予測したターゲットの速度信号
を受けて、上記擬似ランダム信号の1ビット当たりの時
間幅を変化させるので、測定精度が向上する。
【0162】
【0163】
【0164】
【0165】
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1のレーザレーダ装置の構
成図である。
【図2】 この発明の実施例1のレーザレーダ装置の非
相関時における受信信号の周波数の時間変化とそのスペ
クトルを示す図である。
【図3】 この発明の実施例2のレーザレーダ装置の受
信部の構成図である。
【図4】 この発明の実施例3のレーザレーダ装置の受
信部の構成図である。
【図5】 この発明の実施例3のレーザレーダ装置の受
信部のBPF57の入力信号のスペクトル及び出力信号
のスペクトルを示す図である。
【図6】 この発明の実施例3のレーザレーダ装置の受
信部のBPF56の出力信号のスペクトルを示す図であ
る。
【図7】 この発明の実施例4のレーザレーダ装置の受
信部の構成図である。
【図8】 この発明の実施例5のレーザレーダ装置の受
信部の構成図である。
【図9】 この発明の実施例6のレーザレーダ装置の受
信部の構成図である。
【図10】 この発明の実施例7のレーザレーダ装置の
送信部の構成図である。
【図11】 この発明の実施例8のレーザレーダ装置の
送信部の構成図である。
【図12】 実施例8の送信部の第1の位相変調器10
0に与える、擬似ランダム信号値に対する印加電圧と周
波数シフト量の関係を示す図である。
【図13】 実施例8の送信部の第1,第2の位相変調
器100,101に印加される動作電圧の時間波形例を
示す図である。
【図14】 この発明の実施例9のレーザレーダ装置の
送信部の構成図である。
【図15】 実施例9の送信部の第1,第2の位相変調
器100,101に与える、擬似ランダム信号値に対す
る印加電圧と周波数シフト量の関係を示す図である。
【図16】 実施例9の送信部の第1,第2の位相変調
器100,101に印加される動作電圧の時間波形例を
示す図である。
【図17】 この発明の実施例10のレーザレーダ装置
の送信部の構成図である。
【図18】 この発明の実施例11のレーザレーダ装置
の構成図である。
【図19】 この発明の実施例11のレーザレーダ装置
における、移動ターゲットからの受信光の1系列長の時
間変化を示す図である。
【図20】 この発明の実施例12のレーザレーダ装置
の受信部の構成図である。
【図21】 この発明の実施例13のレーザレーダ装置
の構成図である。
【図22】 この発明の実施例13のレーザレーダ装置
における、2種類以上の擬似ランダム信号を交互に用い
て送信光に変調したときの擬似ランダム信号の1系列分
の時間幅分離れた2つのターゲットからの反射光を示
す。
【図23】 この発明の実施例13のレーザレーダ装置
における、1ビットあたりの時間幅が異なる2種類の擬
似ランダムデータを用いた測定方法の説明図である。
【図24】 従来の、光源にCWレーザを用い、送信光
を擬似ランダム信号で変調することによりターゲットの
距離情報を得るレーザレーダ装置の構成図である。
【図25】 従来の、光源にコヒーレントCWレーザを
用いたレーサレーダ装置の構成図である。
【図26】 光周波数領域相関復調法における、相関時
の受信信号の周波数の時間変化とそのスペクトルを示
す。
【図27】 光周波数領域相関復調法における、非相関
時の受信信号の周波数の時間変化とそのスペクトルを示
す。
【符号の説明】
1 送信部、2 受信部、3 送信光学系、4 受信光
学系、5 CW光を発振するレーザ発振器、6 変調
器、7 擬似ランダム信号を発生する系列発生器、8
光検出器、9 遅延相関器、10 表示記録部、11
レーザ発振器、12ローカル発振器、13 系列発生
器、14 可変遅延回路、15 周波数管理回路、16
自乗検波を行う光検出器、17 増幅器、18 高周
波通過フィルタ、19 帯域透過フィルタ、20 周波
数弁別器、21 制御装置、22 送信光、23 ター
ゲット、30 メインピーク近傍の周波数を通過する第
2の帯域透過フィルタ、31 低周波側のサイドローブ
近傍の周波数を通過する低域通過フィルタ、32 高周
波側のサイドローブ近傍の周波数を通過させる高域通過
フィルタ、40 中間周波数fIFの信号を発生するマ
イクロ波発振器、41第1のミキサ、42 高域通過フ
ィルタ、43 第2のミキサ、44 狭帯域帯域透過フ
ィルタ、50 f’の信号を発生するマイクロ波発振
器、51 ミキサ、52 第2の増幅器、53 第2の
増幅器52のゲインをコントロールするゲインコントロ
ーラ、54 減算器、55 加算器、56 第1の帯域
透過フィルタ、57 第2の帯域透過フィルタ、58
信号処理装置、60 ミキサ、61狭帯域の低域通過フ
ィルタ、70 可変狭帯域帯域透過フィルタ、80 A
/D変換器、81 A/D変換器80からのデジタル信
号にFFTを行う演算回路、82 制御装置、90 単
一波長で発振するCWレーザ発振器、91 レーザ光を
任意の割合で2つに分ける分配器、92,93 第1お
よび第2の変調器、94 周波数シフタ、95 擬似ラ
ンダム信号を発生する系列発生器、96 任意の遅延を
与える可変遅延回路、100,101 第1,第2の位
相変調器、102,103 第1,第2の電圧制御装
置、110 変調器、111 擬似ランダム信号の1系
列当たりの時間幅を制御する系列時間幅制御装置、12
0 ターゲットの距離、速度を予測する予測回路、13
0 可変狭帯域帯域透過フィルタ、135 加算器、1
40 系列発生器に対し、切り換え信号を与える系列制
御回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H04B 10/105 10/22 (56)参考文献 特開 平3−75581(JP,A) 特開 平6−102347(JP,A) 特開 平5−87913(JP,A) 特開 平3−160384(JP,A) 特開 昭47−37287(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 7/48 - 7/51 G01S 17/00 - 17/95 G01C 3/00 - 3/32 H04B 10/00 - 10/28

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光を擬似ランダム信号で周波数
    調した送信光及びローカル光を出力する送信部と、上記
    送信光をターゲットに対して送信する送信光学系と、上
    記ターゲットからの反射光を受光する受信光学系と、上
    記受信光学系からの反射光と上記送信部からのローカル
    光との合波光に基づき処理を行い、上記ターゲットの距
    離信号及び速度信号を出力するとともに、上記ローカル
    光を変調する擬似ランダム信号を遅延させる遅延信号を
    出力する受信部とを備えたレーザレーダ装置において、 上記送信部による上記送信光及び上記ローカル光に対す
    る上記擬似ランダム信号による変調の際の周波数変移量
    をf’、上記送信光と上記ローカル光との周波数差をf
    IFとしたとき、 上記受信部に、 上記合波光を検出する光検出器と、 上記光検出器の出力信号のうちの、上記中間周波数fIF
    近傍の信号を通過させて、メインピーク信号を出力する
    帯域通過フィルタと、 上記光検出器の出力信号のうちの、(fIF+f’)近傍
    の周波数を通過させて、高周波側サイドローブ信号を出
    力する高域通過フィルタと、 上記光検出器の出力信号のうちの、(fIF−f’)近傍
    の周波数を通過させて、低周波側サイドローブ信号を出
    力する低域通過フィルタと、 上記帯域通過フィルタの出力と、上記高域通過フィルタ
    の出力と上記低域通過フィルタの出力の和との比に基づ
    き、上記ローカル光を変調する擬似ランダム信号の遅延
    信号を生成し、上記送信部に対し出力する制御装置とを
    備えたことを特徴とするレーザレーダ装置。
  2. 【請求項2】 ターゲットの最大測定速度に対応するド
    ップラ周波数をfdmax、擬似ランダム信号の変調周
    波数をfmとしたとき、上記擬似ランダム信号による変
    調の際の周波数変移量f’及び上記送信光と上記ローカ
    ル光の発振周波数の差fIFを、fIF≧f’≧2(fdm
    ax+fm)を満たすように設定したことを特徴とする
    請求項1記載のレーザレーダ装置。
  3. 【請求項3】 上記受信部における上記帯域通過フィル
    タの通過帯域を、fIFを中心として幅が±(fdmax
    +fm)以下とし、 上記高域通過フィルタの通過帯域を、fIF+f’−(f
    dmax+fm)以上とし、 上記低域通過フィルタの通過帯域を、fIF−f’+(f
    dmax+fm)以下としたことを特徴とする請求項2
    記載のレーザレーダ装置。
  4. 【請求項4】 レーザ光を擬似ランダム信号で周波数
    調した送信光及びローカル光を出力する送信部と、上記
    送信光をターゲットに対して送信する送信光学系と、上
    記ターゲットからの反射光を受光する受信光学系と、上
    記受信光学系からの反射光と上記送信部からのローカル
    光との合波光に基づき処理を行い、上記ターゲットの距
    離信号及び速度信号を出力するとともに、上記ローカル
    光を変調する擬似ランダム信号を遅延させる遅延信号を
    出力する受信部とを備えたレーザレーダ装置において、 上記送信光と上記ローカル光との周波数差をfIFとした
    とき、 上記受信部に、 上記合波光を検出する光検出器と、 上記光検出器の出力信号のうちの、上記中間周波数fIF
    近傍の信号を通過させる第1の帯域通過フィルタと、 上記中間周波数fIFの信号を発振するマイクロ波発振器
    と、 上記光検出器の出力信号と上記マイクロ波発振器の信号
    とを混合する第1のミキサと、 上記第1のミキサの出力のうちの、上記光検出器の出力
    信号の周波数と上記マイクロ波発振器の出力信号の周波
    数との和の周波数の信号を通過させる高域通過フィルタ
    と、 上記第1の帯域透過フィルタの出力信号と上記高域通過
    フィルタの出力とを混合する第2のミキサと、 上記第2のミキサの出力のうちの、上記中間周波数fIF
    近傍の周波数を通過させる第2の帯域通過フィルタと、 上記第2の帯域通過フィルタの出力に基づき、上記ロー
    カル光を変調する擬似ランダム信号の遅延信号を生成
    し、上記送信部に対し出力する制御装置とを備えたこと
    を特徴とするレーザレーダ装置。
  5. 【請求項5】 レーザ光を擬似ランダム信号で周波数
    調した送信光及びローカル光を出力する送信部と、上記
    送信光をターゲットに対して送信する送信光学系と、上
    記ターゲットからの反射光を受光する受信光学系と、上
    記受信光学系からの反射光と上記送信部からのローカル
    光との合波光に基づき処理を行い、上記ターゲットの距
    離信号及び速度信号を出力するとともに、上記ローカル
    光を変調する擬似ランダム信号を遅延させる遅延信号を
    出力する受信部とを備えたレーザレーダ装置において、 上記送信部による上記送信光及び上記ローカル光に対す
    る上記擬似ランダム信号による変調の際の周波数変移量
    をf’、上記送信光と上記ローカル光との周波数差をf
    IFとしたとき、 上記受信部に、 上記合波光を検出する光検出器と、 上記光検出器の出力を増幅する利得可変増幅器と、 上記周波数変移量f’の信号を発振するマイクロ波発振
    器と、 上記光検出器の出力と上記マイクロ波発振器の信号とを
    混合するミキサと、 上記増幅器の出力と上記ミキサの出力とを加算する加算
    器と、 上記増幅器の出力と上記ミキサの出力とを減算する減算
    器と、 上記減算器の出力のうちの、上記中間周波数fIF近傍の
    信号を通過させる第1の帯域通過フィルタと、 上記加算器の出力のうちの、上記中間周波数fIF近傍の
    信号を通過させる第2の帯域通過フィルタと、 上記利得可変増幅器の利得を制御して上記第2の帯域通
    過フィルタの出力強度を一定とするゲインコントローラ
    と、 上記第1の帯域通過フィルタの出力及び上記第2の帯域
    通過フィルタの出力に基づき、上記ローカル光を変調す
    る擬似ランダム信号の遅延信号を生成し、上記送信部に
    対し出力する信号処理装置とを備えたことを特徴とする
    レーザレーダ装置。
  6. 【請求項6】 上記信号処理装置に、 上記第1の帯域通過フィルタの出力と上記第2の帯域通
    過フィルタの出力とを混合するミキサと、 上記ミキサの出力のうちのベースバンド信号を通過させ
    る狭帯域の低域通過フィルタと、 上記狭帯域の低域通過フィルタの出力を最大とするよう
    に、上記ローカル光を変調する擬似ランダム信号に対す
    る遅延時間を制御する制御装置とを備えたことを特徴と
    する請求項5記載のレーザレーダ装置。
  7. 【請求項7】 上記信号処理装置に、 上記第2の帯域通過フィルタの出力の周波数を測定し、
    上記ターゲットの速度信号を出力する周波数検出手段
    と、 上記第1の帯域通過フィルタの出力のうちの、上記ター
    ゲットの速度に対応する周波数近傍の信号を通過させる
    可変帯域通過フィルタと、 上記可変帯域通過フィルタの出力を最大とするように、
    上記ローカル光を変調する擬似ランダム信号に対する遅
    延時間を制御する制御装置とを備えたことを特徴とする
    請求項5記載のレーザレーダ装置。
  8. 【請求項8】 上記信号処理装置に、 上記第1の帯域通過フィルタの出力をデジタル信号に変
    換するA/D変換器と、 上記A/D変換器が出力するデジタル信号に基づきFF
    T(Fast Fourier Transform)を行う演算回路と、 上
    記演算回路の出力に基づき上記ローカル光を変調する擬
    似ランダム信号に対する遅延時間を制御する制御装置と
    を備えたことを特徴とする請求項5記載のレーザレーダ
    装置。
  9. 【請求項9】 レーザ光を擬似ランダム信号で周波数
    調した送信光及びローカル光を出力する送信部と、上記
    送信光をターゲットに対して送信する送信光学系と、上
    記ターゲットからの反射光を受光する受信光学系と、上
    記受信光学系からの反射光と上記送信部からのローカル
    光との合波光に基づき処理を行い、上記ターゲットの距
    離信号及び速度信号を出力するとともに、上記ローカル
    光を変調する擬似ランダム信号を遅延させる遅延信号を
    出力する受信部とを備えたレーザレーダ装置において、 上記送信部による上記送信光及び上記ローカル光に対す
    る上記擬似ランダム信号による変調の際の周波数変移量
    をf’、上記送信光と上記ローカル光との周波数差をf
    IFとしたとき、 上記送信部に、 レーザ発振器と、 上記レーザ発振器からの出力光を2つに分ける分配手段
    と、 上記2つの出力光の一方を変調する第1の変調器と、 上記2つの出力光の他方に対し上記中間周波数fIFの周
    波数シフトを与える周波数シフタと、 上記周波数シフタの出力光を変調する第2の変調器と、 上記第1の変調器に上記擬似ランダム信号を供給する系
    列発生器と、 上記系列発生器が出力する上記擬似ランダム信号に対し
    時間遅延を与えた後に上記第2の変調器に供給する可変
    遅延回路とを備えたことを特徴とするレーザレーダ装
    置。
  10. 【請求項10】 上記第1の変調器に、上記擬似ランダ
    ム信号に応じて変調電圧を発生する第1の電圧制御器
    と、上記第1の電圧制御器の出力電圧に基づき位相変調
    を行う第1の位相変調器とを備えるとともに、 上記第2の変調器に、上記擬似ランダム信号に応じて変
    調電圧を発生する第2の電圧制御器と、上記第2の電圧
    制御器の出力電圧に基づき位相変調を行う第2の位相変
    調器とを備えたことを特徴とする請求項9記載のレーザ
    レーダ装置。
  11. 【請求項11】 レーザ光を擬似ランダム信号で周波数
    変調した送信光及びローカル光を出力する送信部と、上
    記送信光をターゲットに対して送信する送信光学系と、
    上記ターゲットからの反射光を受光する受信光学系と、
    上記受信光学系からの反射光と上記送信部からのローカ
    ル光との合波光に基づき処理を行い、上記ターゲットの
    距離信号及び速度信号を出力するとともに、上記ローカ
    ル光を変調する擬似ランダム信号を遅延させる遅延信号
    を出力する受信部とを備えたレーザレーダ装置におい
    て、 上記送信部による上記送信光及び上記ローカル光に対す
    る上記擬似ランダム信号による変調の際の周波数変移量
    をf’、上記送信光と上記ローカル光との周波数差をf
    IFとしたとき、 上記送信部に、 レーザ発振器と、 上記レーザ発振器からの出力光を2つに分ける分配手段
    と、 上記擬似ランダム信号に応じて変調電圧を発生する第1
    の電圧制御器と、 上記第1の電圧制御器の出力電圧に基づき上記2つに分
    けられた出力光の一方を変調する第1の位相変調器と、 上記擬似ランダム信号に応じて変調電圧を発生する第2
    の電圧制御器と、 上記第2の電圧制御器の出力電圧に基づき上記2つに分
    けられた出力光の他方を変調する第2の位相変調器と、 上記第1の電圧制御器に上記擬似ランダム信号を供給す
    る系列発生器と、 上記系列発生器が出力する上記擬似ランダム信号に対し
    時間遅延を与えた後に上記第2の電圧制御器に供給する
    可変遅延回路とを備え、 同値の擬似ランダム信号に対して変調された、上記第1
    の位相変調器の出力光及び上記第2の位相変調器の出力
    光との周波数の差が上記中間周波数fIFとなるように、
    上記第1の電圧制御器の出力電圧と上記第2の電圧制御
    器の出力電圧を設定することを特徴とするレーザレーダ
    装置。
  12. 【請求項12】 レーザ光を擬似ランダム信号で周波数
    変調した送信光及びローカル光を出力する送信部と、上
    記送信光をターゲットに対して送信する送信光学系と、
    上記ターゲットからの反射光を受光する受信光学系と、
    上記受信光学系からの反射光と上記送信部からのローカ
    ル光との合波光に基づき処理を行い、上記ターゲットの
    距離信号及び速度信号を出力するとともに、上記ローカ
    ル光を変調する擬似ランダム信号を遅延させる遅延信号
    を出力する受信部とを備えたレーザレーダ装置におい
    て、 上記送信部による上記送信光及び上記ローカル光に対す
    る上記擬似ランダム信号による変調の際の周波数変移量
    をf’、上記送信光と上記ローカル光との周波数差をf
    IFとしたとき、 上記送信部に、 レーザ発振器と、 上記レーザ発振器からの出力光を擬似ランダム信号で変
    調する変調器と、 上記変調器からの出力光を2つに分けて、一方を送信光
    として出力する分配手段と、 上記分配手段の2つの出力光の他方に対し上記中間周波
    数fIFの周波数シフトを与えてローカル光として出力す
    る周波数シフタと、 上記変調器に与える擬似ランダム信号を発生する系列発
    生器と、 上記擬似ランダム信号の1系列当たりの時間幅を制御す
    る制御器とを備えたことを特徴とするレーザレーダ装
    置。
  13. 【請求項13】 上記受信部からの上記ターゲットの距
    離信号及び速度信号に基づき上記ターゲットの位置と速
    度を予測するとともに、この予測結果に基づき上記遅延
    信号を発生する予測回路を備えたことを特徴とする請求
    項1記載のレーザレーダ装置。
  14. 【請求項14】 上記送信部は、上記予測回路が予測し
    たターゲットの速度信号を受けて、上記擬似ランダム信
    号の1ビット当たりの時間幅を変化させることを特徴と
    する請求項13記載のレーザレーダ装置。
  15. 【請求項15】 上記周波数検出手段を、周波数弁別器
    により構成したことを特徴とする請求項7記載のレーザ
    レーダ装置。
  16. 【請求項16】 上記周波数検出手段を、入力された信
    号を増幅するリミッタアンプと、上記リミッタアンプの
    出力をカウントする周波数カウンタとにより構成したこ
    とを特徴とする請求項7記載のレーザレーダ装置。
  17. 【請求項17】 上記周波数検出手段を、入力されたア
    ナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、
    上記A/D変換器が出力するデジタル信号に対しFFT
    を行う演算回路とにより構成したことを特徴とする請求
    項7記載のレーザレーダ装置。
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