JP3307074B2 - 電子部品搬送装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は電子部品に種々の加工を
行う際、電子部品を各加工装置に供給したり取り出した
りするために所定位置まで搬送するために使用される電
子部品搬送装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】以下にこの種の従来の電子部品搬送装置
について図面を用いて説明する。

【０００３】図３は従来の電子部品搬送装置の構成を示
す平面図であり、図３に示すように、電子部品を保持す
ることが可能な保持ブロック８と、この保持ブロック８
を結合したパレット９と、このパレット９を搭載して搬
送する供給コンベア１３と、この供給コンベア１３に搭
載されて移動するパレット９を供給コンベア１３の終端
で停止させるストッパーＡ１０と、外部動力により動作
し上記パレット９を所定の位置で停止させるストッパー
Ｂ１１、ストッパーＣ１２と、上記供給コンベア１３と
平行に配置されて逆方向に移動する取り出しコンベア１
６と、供給コンベア１３から取り出しコンベア１６にパ
レット９を移し替える移載部Ａ１７と、取り出しコンベ
ア１６から供給コンベア１３にパレット９を移し替える
移載部Ｂ１８と、取り出しコンベア１６に搭載されて移
動するパレット９を取り出しコンベア１６の終端で停止
させるストッパーＤ１４と、外部動力により動作しパレ
ット９を所定の位置で停止させるストッパーＥ１５によ
り構成されている。

【０００４】以上のように構成された従来の電子部品搬
送装置について、以下その動作について説明する。

【０００５】まず、ストッパーＢ１１が動作状態にあ
り、パレット９は供給位置で停止しており、図示しない
供給装置により電子部品（図示せず）がパレット９に結
合された保持ブロック８に供給されて保持される。この
状態でストッパーＢ１１を解除することによりパレット
９は供給コンベア１３によって作業位置の方向へ搬送さ
れる。この時、作業位置のストッパーＣ１２は動作状態
にあり、パレット９はこのストッパーＣ１２に接触する
ことにより停止する。パレット９が停止後、図示しない
搭載装置により、パレット９の保持ブロック８に保持さ
れている電子部品（図示せず）を取り上げて作業装置に
供給する。その後、ストッパーＣ１２を解除し、パレッ
ト９を搬送すると、パレット９はストッパーＡ１０に接
触して停止する。

【０００６】停止したパレット９は移載部Ａ１７により
取り出しコンベア１６に移し替えられ、取り出しコンベ
ア１６により取り出し位置の方向へ搬送される。この
時、ストッパーＥ１５は動作状態にあり、パレット９は
このストッパーＥ１５に接触することにより停止する。
上記作業装置に供給されて作業が完了した電子部品（図
示せず）は、図示しない搭載装置により作業装置から取
り出され、上記ストッパーＥ１５により取り出し位置に
停止しているパレット９の保持ブロック８に搭載されて
保持される。そして、ストッパーＥ１５は解除され、パ
レット９は搬送されてストッパーＤ１４に接触して停止
する。

【０００７】停止したパレット９は図示しない取り出し
装置により、保持ブロック８に保持した作業完了後の電
子部品（図示せず）が取り出された後、移載部Ｂ１８に
より供給コンベア１３に移し替えられて元の位置に戻
り、１サイクルが完了し、以降、この動作を繰り返すこ
とにより電子部品の供給と取り出しを行って加工作業を
連続して行っていた。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、装置が複雑となって大型化し、コストも高
くなり、また、パレット９も複数個必要になるという問
題点を有していた。

【０００９】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、小型でコストも安く、かつ生産性に優れた電子部品
搬送装置を提供することを目的とするものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の電子部品搬送装置は、未完成電子部品用と完
成電子部品用の夫々の保持ブロックを備えたパレット
と、このパレットを搭載して１つの供給・取り出し装置
と複数の作業装置との間を前進および後退するコンベア
と、このコンベアに搭載されて移動するパレットを所定
の作業装置の位置で停止させるストッパーとからなる構
成としたものである。

【００１１】

【作用】この構成によって、２種の保持ブロックを有し
た一個のパレットが一本のコンベア上を往復することに
より、作業装置と電子部品の供給と取り出しに関する複
雑な機構を必要とせず複数の作業装置に対して電子部品
の供給と取り出しを容易に行うことができるようにな
り、構成もシンプルで小型化が図れ、コストも安く構成
することができる。

【００１２】さらに、供給取り出し装置は１台のままで
もベルトコンベアを延長してストッパーを追加するだけ
で任意の数の作業装置を連結して増設することが容易に
できる。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
しながら説明する。

【００１４】図１（ａ），（ｂ）と図２は同実施例にお
ける電子部品搬送装置を示すものであり、本実施例では
箔巻きトランスを製造する際に使用する搬送装置を一例
にして説明する。

【００１５】本実施例による電子部品搬送装置は、巻き
取り完了した箔巻きトランスのボビンを保持することが
可能な巻き済みボビン保持ブロック１と、未巻ボビンを
保持することが可能な未巻ボビン保持ブロック２と、こ
れらを一個ずつ結合したアルミ製のパレット３と、この
パレット３を搭載して前進したり後退したりして搬送す
るコンベア７と、このコンベア７に搭載されて移動する
パレット３をコンベア７の始端部で停止させるストッパ
ーＡ４と、外部動力により動作し上記パレット３を各所
定の位置で停止させるために複数個設けられたストッパ
ーＢ５、ストッパーＣ６により構成されている。

【００１６】さらに、本実施例における電子部品搬送装
置は、箔巻きトランスの自動化生産設備として、図示し
ない自動化された供給取り出し手段を備えた一台の供給
・取り出し装置と、四個の巻き取りヘッドを備えた巻き
取り装置の各ボビン搭載位置との間を上記コンベア７一
本で連結することにより、一個のパレット３がこれらの
間を往復して各作業を行うことができるように構成して
いる。

【００１７】以上のように構成された本発明の電子部品
搬送装置について、以下にその動作を説明する。

【００１８】まず、パレット３は供給・取り出し位置に
あり、図示しない自動化された供給・取り出し装置の供
給取り出し手段により、未巻ボビン（図示せず）をパレ
ット３の未巻ボビン保持ブロック２に挿入して保持させ
る。この状態で巻き取り装置に設けられた四個の巻き取
りヘッドのいずれかからコンベア７に対してパレットリ
クエスト信号が発せられると、コンベア７を正転してパ
レット３を上記パレットリクエストを行った巻き取りヘ
ッドのボビン搭載位置まで搬送する。この時、このボビ
ン搭載位置のみストッパーＢ５とストッパーＣ６が動作
状態にあり、従ってパレット３はストッパーＢ５に接触
することにより指定されたボビン搭載位置で停止するよ
うになり、この状態を示したのが図１（ａ）である。

【００１９】ここで図示しない自動化された搭載装置に
より、上記ボビン搭載位置から既に巻き取りを完了した
箔巻きトランス（図示せず）を取り出してパレット３の
巻き済みボビン保持ブロック１に挿入し、続いてストッ
パーＢ５を解除することにより、パレット３はストッパ
ーＣ６の位置まで搬送されて停止するようになり、この
状態を示したのが図１（ｂ）である。

【００２０】そして、図示しない自動化された搭載装置
によりパレット３の未巻ボビン保持ブロック２に保持さ
れている未巻ボビン（図示せず）を取り出してボビン搭
載位置に供給する。その後、コンベア７を逆転すること
によりパレット３が後退してストッパーＡ４に接触する
ことにより、供給・取り出し位置で停止する。また、こ
の時、ストッパーＣ６も解除される。そして、図示しな
い自動化された供給取り出し手段により、上記供給・取
り出し位置で停止したパレット３の巻き済みボビン保持
ブロック１に保持されている上記巻き取りを完了した箔
巻きトランス（図示せず）を取り出し、新たな未巻ボビ
ン（図示せず）をパレット３の未巻ボビン保持ブロック
２に挿入して保持する。

【００２１】以降、この動作を繰り返すことにより、一
本のコンベア７と一個のパレット３で未巻ボビンの供給
と巻き取りを完了した箔巻きトランスの取り出しをして
加工作業を連続して行うことができる。

【００２２】なお、二個以上の巻き取りヘッドでパレッ
トリクエスト信号が重複した場合は、供給・取り出し装
置に近い方の巻き取りヘッドを優先して順次パレット搬
送を行うように構成している。

【００２３】さらに、上記本実施例における電子部品搬
送装置は、コンベア７を構成するベルトのスピードを約
８８０mm／ｓｅｃ（高速）と約３２０mm／ｓｅｃ（低
速）との二段階に切り替え可能なベルトコンベアを用い
ており、パレット３の各停止位置の約２５０mm手前でベ
ルトのスピードを低速に切り替えることにより、パレッ
ト３の停止時にストッパー４，５，６による衝撃でパレ
ット３に保持されているボビンの姿勢が乱れるのを防
ぎ、信頼性を高めることができるようにしている。

【００２４】また、上記本実施例で説明した供給・取り
出し装置が備えている図示しない供給取り出し手段は、
ＮＣ制御される水平直交２軸のアクチュエータとエアシ
リンダとエアチャックとにより構成されたものであり、
また供給・取り出し装置では、未巻ボビンの供給と、巻
き取り完了した箔巻きトランスのリード線フォーミング
・切断、半田付け、検査、完成品の取り出しとを行って
おり、前述の供給取り出し手段を用いてこれらの各ステ
ーション間のボビン（巻き済みボビン）の搬送を行い、
このタクトタイムは約１７秒／１個である。また、本実
施例の巻き取り装置の巻き取りタクトタイムは一ヘッド
当り約７０〜８０秒／１個であり、一台の供給取り出し
装置に対して巻き取りヘッドを四個連結することは、上
記のタクトタイムから換算して極めて効率が高いもので
あり、簡素な構成で小型化と低価格化を実現すると共
に、生産性や信頼性においても優れた効果を奏するもの
である。

【００２５】なお、上記本実施例では一箇所の供給・取
り出し装置と、四箇所の同一工程のボビン搭載位置との
間をコンベア７一本で連結する構成としたが、本発明は
これに限定されるものではなく、一箇所の供給・取り出
し位置と、数箇所の別工程の作業位置を一本のコンベア
７で連結し、これらの間を一個のパレット３が行き来す
るような構成にすることもできることは言うまでもな
い。

【００２６】

【発明の効果】以上のように本発明の電子部品搬送装置
は、電子部品を保持する２種の保持ブロックを有したパ
レットを一本のコンベア上を前進および後退させ、この
パレットをストッパーにより所定の位置で停止させる構
成とすることにより、一箇所の供給・取り出し位置と数
箇所の作業位置との間を一本のコンベアで連結し、一個
のパレットがこれらの間を往復して複数の作業装置に対
して電子部品の供給と取り出しを行い、所定の作業を行
うことができ、作業装置における電子部品の供給・取り
出しの構成を簡素なものにし小型化と低価格化を実現す
ると共に、生産性や信頼性においても優れた効果を発揮
することができる電子部品搬送装置を実現できるもので
ある。

【００２７】さらに、本発明の電子部品搬送装置は、一
台の供給取り出し装置に対して任意の作業装置をコンベ
アを延長してストッパーを追加するだけで連結すること
ができ、システムの拡張も極めて容易で自由度も大きい
ものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例による電子部品搬送装置の動
作説明のための平面図

【図２】同実施例によるパレットを示す斜視図

【図３】従来の電子部品搬送装置の動作説明のための平
面図

【符号の説明】

１ 巻き済みボビン保持ブロック ２ 未巻ボビン保持ブロック ３ パレット ４ ストッパーＡ ５ ストッパーＢ ６ ストッパーＣ ７ コンベア

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−3784（ＪＰ，Ａ) 特開 昭50−59881（ＪＰ，Ａ) 特開 昭51−26351（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B65G 47/88 B65G 35/04 B65G 25/00 - 25/12 B65H 67/00 - 67/08

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 未完成電子部品用と完成電子部品用の夫
   々の保持ブロックを備えたパレットと、このパレットを
   搭載して１つの供給・取り出し装置と複数の作業装置と
   の間を前進および後退するコンベアと、このコンベアに
   搭載されて移動するパレットを所定の作業装置の位置で
   停止させるストッパーとからなる電子部品搬送装置。
2. 【請求項２】 走行速度を切り替えることが可能なコン
   ベアを用いた請求項１記載の電子部品搬送装置。