JP3306568B2 - 高周波スイッチ回路 - Google Patents

高周波スイッチ回路

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JP3306568B2
JP3306568B2 JP03587095A JP3587095A JP3306568B2 JP 3306568 B2 JP3306568 B2 JP 3306568B2 JP 03587095 A JP03587095 A JP 03587095A JP 3587095 A JP3587095 A JP 3587095A JP 3306568 B2 JP3306568 B2 JP 3306568B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロ波帯からミリ
波帯に至るまでの周波数帯域における高周波スイッチ回
路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の高周波スイッチ回路の一例とし
て、通信機の送受共用アンテナ切替回路の構成を図10
に示す。
【0003】図10において、1は図示しないアンテナ
に接続されるアンテナ接続端子、2は図示しない送信回
路に接続される送信回路接続端子、3は図示しない受信
回路に接続される受信回路接続端子である。
【0004】4、5は、それぞれマイクロストリップ線
路等の伝送線路(分布定数線路)による1/4波長線路
であり、インピーダンスの状態を反転するインピーダン
ス変換器として機能する。
【0005】次に、6、7は電界効果トランジスタ(F
ET)、51、52は高周波信号遮断用の高抵抗、5
3、54はスイッチ切替制御端子である。
【0006】図に示すように、アンテナ接続端子1と送
信回路接続端子2および受信回路接続端子3とが、1/
4波長線路4および5をそれぞれ介して接続されること
により、独立した等価な2本の「アーム」が形成されて
いる。
【0007】そして、1/4波長線路4と送信回路接続
端子2との間の節21にFET6のドレイン電極が接続
され、FET6のソース電極は接地されている。同様
に、1/4波長線路5と受信回路接続端子3との間の節
22にFET7のドレイン電極が接続され、FET7の
ソース電極は接地されている。
【0008】ここで、FET6、7は可変抵抗ダイオー
ドの機能を有しており、各ゲート電極に順バイアスある
いは逆バイアスの制御電圧を印加することで、ドレイン
−ソース間のインピーダンスをオン(低インピーダン
ス)あるいはオフ(高インピーダンス)状態に動作させ
る。
【0009】また、以上の説明から容易に推察されるよ
うに、この送受共用アンテナ切替回路は非常に小型に作
成することができる。
【0010】上記構成において、アンテナと受信回路と
が互いに接続されるように切り替えた場合、および、ア
ンテナと送信回路とが互いに接続されるように切り替え
た場合の各回路動作について、以下に項別に分けて説明
する。
【0011】(1)アンテナと受信回路とが接続される
場合 この場合、図10において、スイッチ切替制御端子53
に零もしくは順バイアスが制御電圧として印加され、一
方、これとは独立に、スイッチ切替制御端子54にFE
T7のピンチオフ電圧以下の逆バイアスが制御電圧とし
て印加される。
【0012】図11は、この場合の図10の等価回路で
ある。FET7は、電極抵抗40、オフ抵抗41および
ドレイン−ソース間の接合容量42により、図11に示
す抵抗41とシャントコンデンサ42の並列に、抵抗4
0を直列したものと等価になる。周波数が高くなると、
接合容量42のインピーダンスが小さくなるので、オフ
抵抗41は見えなくなる。そして、このシャントコンデ
ンサ42の容量成分と1/4波長線路5の直列誘導成分
との組合わせにより、アンテナ接続端子1と受信回路接
続端子3との間はある特定の特性インピーダンスを持っ
た伝送路と等価になる。
【0013】通常は、この特性インピーダンスと受信回
路接続端子3に接続される受信回路の入力インピーダン
スとの間で整合がとれるように回路設計が行なわれる。
【0014】一方、FET6のドレイン−ソース間は低
インピーダンスであり、図11に示すオン抵抗39と等
価になる。すなわち、節21はほぼアースに短絡された
状態であると言える。この節21は1/4波長線路4に
接続されているので、同線路4においてこの低インピー
ダンスは高インピーダンスに変換され、アンテナ接続端
子1に入力された高周波信号は、送信回路接続端子2に
接続される送信回路に漏洩することなく、受信回路接続
端子3側に出力される。
【0015】かくして、2つのFET6、7が伝送路と
並列にシャントされているこの並列形高周波スイッチ回
路の動作により、アンテナと受信回路とが接続される。
【0016】(2)アンテナと送信回路とが接続される
場合 同様にして、アンテナと送信回路が接続するように切り
替えるには、上記(1)とは逆の形態で各制御電圧を印
加するようにする。すなわち、スイッチ切替制御端子5
3にはFET6のピンチオフ電圧以下の逆バイアスが、
一方、スイッチ切替制御端子54には零もしくは順バイ
アスが、それぞれ独立に制御電圧として印加される。
【0017】上述したように、図10の回路は独立した
等価な2本の「アーム」が形成されていると考えられる
ので、この場合の各スイッチ切替制御端子53、54と
各節21、22との間は、上記(1)の場合と逆の状態
になる。すなわち、その等価回路は、図示は省略する
が、節21とアースとの間に抵抗とシャントコンデンサ
の並列に、抵抗を直列したものが、節22とアースとの
間にオン抵抗が存在する状態となる。これにより、送信
回路接続端子2に入力された高周波信号は、受信回路接
続端子3に接続された受信回路に漏洩することなくアン
テナ接続端子1側に出力され、送信回路とアンテナとが
接続される。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えば上記
(1)の例において、アンテナ接続端子1に接続される
アンテナから受信回路接続端子3に接続される受信回路
への信号の通過損失を小さく、かつ、送信回路接続端子
2に接続される送信回路への信号の漏洩を少なくするた
めには、 (イ)アンテナ接続端子1から見た送信回路接続端子2
側のアームがより開放状態に近いこと、すなわち、節2
1がよりアースに短絡された状態になること (ロ)1/4波長線路5を通過した高周波信号のうち、
逆バイアス状態に設定されたFET7を介してアースに
漏洩する成分が少ないことが必要である。
【0019】このためには、図11に示すオン抵抗39
の抵抗値が小さく、また、シャントコンデンサ42のイ
ンピーダンスが大きければ、すなわち、容量値が小さけ
ればよい。
【0020】ところが、オン抵抗39を小さくする目的
でFETのゲート幅を広げると、逆バイアス状態に設定
された場合にドレイン−ソース間の接合容量、図11に
示すシャントコンデンサ42の容量値が大きくなるの
で、高周波になるほどドレイン−ソース間のインピーダ
ンス(オフインピーダンス)が低下する。従って、アン
テナ接続端子1を介してアンテナから入力した高周波信
号が受信回路接続端子3側に出力されずに抵抗40、コ
ンデンサ42を通してアースに漏洩してしまう、すなわ
ち、アンテナから受信回路への信号通過損失が大きくな
るという問題があった。
【0021】以上述べたように、入力端子−出力端子間
を結ぶ線路上の節とアースとの間にFETやダイオード
などのスイッチング素子が設けられた小型の並列形高周
波スイッチ回路においては、該スイッチング素子がオン
状態である時の通過損失を小さく、かつ、オフ状態であ
る時の信号漏洩を少なくする(アイソレーションを高め
る)ことが望ましい。ところが、係るスイッチング素子
のオン抵抗を小さくすると、スイッチング素子の接合容
量が大きくなる。従って、信号の周波数が高くなるにつ
れてオフ時のインピーダンスが低下し、その結果、オン
状態の時の通過損失が大きくかつオフ状態の時の信号漏
洩が大きくなるという問題があった。
【0022】本発明は、上述した事情に鑑みてなされた
ものであり、上記形態に接続されたスイッチング素子が
オン状態である時の通過損失が小さく、かつ、オフ状態
である時の信号漏洩が小さく、線形性が良好な小型の高
周波スイッチ回路を提供することを目的としている。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、複数の入出力端子のひとつを選択的に別の端子に接
続する高周波スイッチ回路であって、各入出力端子と前
記別の端子との間に、可変インピーダンス素子を有し、
各入出力端子とアースとの間に、可変容量ダイオード素
子との組合せにより直列共振又は並列共振となる誘導性
リアクタンス成分を有する回路を含む回路網を有し、可
変容量ダイオード素子は、複数の該可変容量ダイオード
素子が、陽極同士又は陰極同士が互いに接続されるよう
に直列接続されたものであることを特徴とする
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【作用】本発明によれば、複数の入出力端子を結ぶ複数
の伝送線路上の各一点とアースとの間に、可変容量ダイ
オード素子との組合せで直列又は並列共振となるような
誘導性リアクタンス成分を有する回路を含む回路網を介
挿することにより、これらの入出力端子を切り替えて使
用する場合に、入力側に設定された入出力端子から出力
側に設定された入出力端子への信号の通過損失を小さ
く、かつ、入力側にも出力側にも設定されなかった入出
力端子側への信号の漏洩を少なくすることができる。
【0029】また、可変容量ダイオード素子が有する接
合容量と、該回路網の誘導性リアクタンスとで直列共振
又は並列共振の状態にすることにより、伝送線路上の一
点とアースとの間は、ほぼ短絡の状態から適度にインピ
ーダンスの高い状態に変化させることができる。
【0030】従って、可変容量ダイオード素子の接合容
量によりオフインピーダンスが低下するような高い周波
数においても、スイッチング素子がオン状態に設定され
た時の通過損失が小さく、また、オフ状態に設定された
時の信号の漏洩が少ない良好なスイッチ動作が得られ
る。
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】更に、複数の可変容量ダイオード素子を、
陽極同士又は陰極同士が互いに接続されるように直列接
続することにより、単一の可変容量ダイオード素子と同
等の可変容量値変化が得られるだけでなく、信号の入力
で生じる電位の変動によってもたらされる可変容量ダイ
オードの容量値変動を互いに打ち消し合うため、これを
スイッチング素子として使用した場合、通過損失が小さ
く、かつ、漏洩が少ないだけでなく、線形性が良好なス
イッチ動作が得られる。
【0035】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例につ
いて説明する。
【0036】 図1は、参考例による高周波スイッチ回路
を適用した通信機の送受共用アンテナ切替回路の構成を
示す図であり、図10と共通する各部には同一の符号を
付し、その説明を省略する。
【0037】図1において、節21とFET6との間に
インダクタ101が、また、節22とFET7との間に
同様にインダクタ102がそれぞれ介挿されている。
【0038】これらインダクタ101、102の誘導値
は、FET(可変抵抗ダイオード)6もしくは7のオフ
動作時の接合容量と、これと直列に接続されたインダク
タとで、送信または受信周波数に直列共振するように設
計する。
【0039】上記構成において、アンテナと受信回路と
が互いに接続される場合、及び、アンテナと送信回路と
が互いに接続される場合の各回路動作について、以下に
項別に分けて説明する。
【0040】(1)アンテナと受信回路とが接続される
場合 この場合、図1において、スイッチ切替制御端子53に
FET(可変抵抗ダイオード)6のピンチオフ電圧以下
の逆バイアスが制御電圧として印加され、一方、これと
は独立に、スイッチ切替制御端子54に零もしくは順バ
イアスが制御電圧として印加される。すなわち、前述し
た図10に対する(1)の場合とは、スイッチ切替制御
端子53、54に対するバイアスのかけ方が互いに逆に
なっている。
【0041】また、この場合、インダクタ101と可変
抵抗ダイオード6の接合容量とは、目的とする周波数に
対して直列共振の状態になっている。
【0042】図2は、この場合の図1の等価回路であ
る。この場合、インダクタ101とコンデンサ33は直
列共振の状態であるので、直列の電極抵抗31の分だけ
共振のQファクタは劣化するが、節21はほぼアースに
短絡された状態となる。そして、この低インピーダンス
が1/4波長線路4によって高インピーダンスに変換さ
れるので、アンテナ接続端子1から見た送信回路接続端
子2は開放状態になり、アンテナ接続端子1より入力し
た高周波信号は送信回路接続端子2側に漏洩されること
なく、受信回路接続端子3側に出力される。
【0043】一方、FET(可変抵抗ダイオード)7の
ドレイン−ソース間は低インピーダンスであり、図2に
示すオン抵抗34と等価になる。従って、インダクタ1
02と可変抵抗ダイオード7との組合わせは、直列の低
抵抗成分を有した高周波コイルと同等であり、周波数が
高くなるにつれてインピーダンスは高くなるので、高周
波信号は阻止される。
【0044】従って、アンテナ接続端子1より入力して
1/4波長線路5を通過した高周波信号のうち節24側
へ漏洩する信号成分はほとんど無く、ほぼ全ての信号が
受信回路接続端子3に接続された受信回路に出力され
る。
【0045】かくして、通過損失が小さく、かつ信号漏
洩が小さい特性で、アンテナと受信回路とが接続され
る。
【0046】(2)アンテナと送信回路とが接続される
場合 同様にして、アンテナと送信回路が接続するように切り
替えるには、上記(1)とは逆の形態で各制御電圧を印
加するようにする。すなわち、スイッチ切替制御端子5
3には零もしくは順バイアスが、一方、スイッチ切替制
御端子54にはFET7のピンチオフ電圧以下の逆バイ
アスが、それぞれ独立に制御電圧として印加される。
【0047】この場合の各スイッチ切替制御端子53、
54と各4節21、22との間は、上記(1)の場合と
逆の状態になり、その等価回路(図示略)は、節23と
アースとの間にオン抵抗が、節24とアースとの間に抵
抗とシャントコンデンサの並列に、抵抗を直列したもの
が存在する状態となる。これにより、通過損失が小さ
く、かつ信号漏洩が小さい特性で、アンテナ入力端子1
に接続されたアンテナと送信回路接続端子2に接続され
た送信回路とが接続される。
【0048】以上説明した図1の送受共用アンテナ切替
回路によれば、図10の構成に比べた全体の回路面積の
増加は、インダクタ101、102を装加した分だけで
あるから、従来の回路構成(図10)の1つの特徴であ
る「小型」であるという利点は、参考例の構成(図
1)、すなわちインダクタ101、102を追加した回
路構成によっても保たれる。
【0049】また、参考例によれば、オン抵抗が十分小
さくなるようなゲート幅の広いFETを用いなくても、
使用する周波数において、逆ゲートバイアス時のドレイ
ン−ソース間の接合容量との直列によって共振する誘導
値のインダクタを適用すればよいので、実用的である。
【0050】なお、参考例による高周波スイッチ回路
は、その適用を受共用アンテナ切替回路に限ることな
く、多様な分野に応用が可能である。
【0051】図3は、図10に示す従来の構成による高
周波スイッチ回路と、図1に示す参考例1の高周波スイ
ッチ回路について、通過損失及び信号漏洩の周波数特性
を、市販の高周波回路シュミレータによってシミュレー
ションしたものである。図に示すように、波数19G
Hzにおいて挿入損失が約0.4dB減少し、信号漏洩
が約12dB減少している。
【0052】なお、図1の変形例として、1/4波長線
路4、5は一端を短絡または開放したとき他端が開放ま
たは短絡する特性の任意の線路でよく、一般にはn/4
波長線路(nは奇数)の使用が可能である。
【0053】また、端子2、または3の一方のみが具備
されて、端子1に接続するためのスイッチの構成も可能
で、その場合の構成は図12(A)のようになり、1/
4波長線路は不要である。
【0054】更に図12(B)に示すごとく、1/4波
長線路4、5を可変インピーダンス素子4a、5aに置
換することも可能である。図12(B)では可変インピ
ーダンス素子はFETにより実現され、FET6、7と
同期してオン/オフする。
【0055】 図4は、参考例1と同等の機能を有する高
周波スイッチ回路を適用した通信機の送受信共用アンテ
ナ切替回路の構成を示す図であり、図1と共通する各部
には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0056】参考例1の構成(図1)では、インダクタ
101、102をそれぞれFET6、7と直列に接続し
て、それぞれの組合わせによる直列共振を利用した構成
になっているが、インダクタ101とFET6、インダ
クタ102とFET7をそれぞれ並列に接続して並列共
振を利用した構成(図4)においても、参考例1と同等
の機能を得ることができる。
【0057】この場合、これらインダクタ101、10
2の誘導値は、FET(可変抵抗ダイオード)6もしく
は7のオフ動作時の接合容量と、これと並列に接続され
たインダクタとで、送信または受信周波数に並列共振す
るように設計する。
【0058】また、図4において、節21と節23との
間にマイクロストリップ線路等による1/4波長線路1
03が、節22と節24との間に同様にマイクロストリ
ップ線路等による1/4波長線路104がそれぞれ介挿
されている。
【0059】上記構成において、アンテナと受信回路と
が互いに接続される場合、及び、アンテナと送信回路と
が互いに接続される場合の各回路動作について、以下に
項別に分けて説明する。
【0060】(1)アンテナと受信回路とが接続される
場合 この場合、前述した図1に対する(1)の場合と同様
に、スイッチ切替制御端子53にFET(可変抵抗ダイ
オード)6のピンチオフ電圧以下の逆バイアスが制御電
圧として印加され、一方、これとは独立に、スイッチ切
替制御端子54に零もしくは順バイアスが制御電圧とし
て印加される。また、この場合、インダクタ101と可
変抵抗ダイオード6の接合容量とは、目的とする周波数
に対して並列共振の状態になっている。すなわち、節2
3とアースとの間のインピーダンスはほぼ無限大(開
放)の状態になっている。ここで、1/4波長線路10
3はインピーダンスの状態を反転するインピーダンス変
換器として機能するから、節21と23との間に1/4
波長線路103を介挿することにより、節21とアース
との間のインピーダンスはほぼ短絡の状態に変換され
る。従って、その等価回路は省略するが、前述した図1
に対する(1)の場合においてアンテナ接続端子1から
送信回路接続端子2側を見たと同等の状態となる。
【0061】一方、受信回路接続端子3側においてはF
ET(可変抵抗ダイオード)7はオン抵抗と等価になる
から、インダクタ102(誘導値をLARとする)と可変
抵抗ダイオード7との組合わせは、インダクタと低抵抗
(抵抗値をRONとする)の並列接続と等価で、並列のイ
ンピーダンスの絶対値|Z|は
【数1】 となり、節24とアースとの間のインピーダンスはほぼ
短絡の状態になっている。従って、節22と24との間
に1/4波長線路104を介挿することにより、節22
とアースとの間のインピーダンスはほぼ開放の状態に変
換されるので、前述した図1に対する(1)の場合と同
様に、アンテナ接続端子1より入力して1/4波長線路
5を通過した高周波信号のうち節24側へ漏洩する信号
成分はほとんど無く、ほぼ全ての信号が受信回路接続端
子3に接続された受信回路に出力される。
【0062】かくして、前述した図1に対する(1)の
場合と等価になり、通過損失が小さく、かつ信号漏洩が
小さい特性で、アンテナと受信回路とが接続される。
【0063】(2)アンテナと送信回路とが接続される
場合 同様にして、アンテナと送信回路が接続するように切り
替えるには、上記(1)とは逆の形態で各制御電圧を印
加するようにする。すなわち、スイッチ切替制御端子5
3には零もしくは順バイアスが、一方、スイッチ切替制
御端子54にはFET7のピンチオフ電圧以下の逆バイ
アスが、それぞれ独立に制御電圧として印加されること
で、前述した図1に対する(2)の場合と等価になり、
同等の機能を得ることができる。
【0064】以上のことから、図4の参考例、図1の
参考例1と同等の機能を有し、同様の効果が得られる。
【0065】また、以上説明した図4の送受共用アンテ
ナ切替回路によれば、図10の構成に比べた全体の回路
面積の増加は、インダクタ101、102、1/4波長
線路103、104を装加した分であり、対象となる信
号の周波数が高い場合には線路波長も短いから、従来の
回路構成(図10)の1つの特徴である「小型」である
という利点は、参考例の構成(図4)、すなわちインダ
クタ101、102、1/4波長線路103、104を
追加した回路構成によっても保たれる。
【0066】 図5は、本発明一実施例による高周波ス
イッチ回路を適用した通信機の送受共用アンテナ切替回
路の構成を示す図であり、図1と共通する各部には同一
の符号を付し、その説明を省略する。
【0067】図5において、FET6の代わりに陽極同
士が互いに接続されるように直列接続された可変容量ダ
イオード(以下、反直列可変容量ダイオードと略す)
8、9が、またFET7の代わりに反直列可変容量ダイ
オード10、11ががそれぞれ介挿されている。
【0068】また、インダクタ101、102の誘導値
は、逆バイアスされた反直列可変容量ダイオード8、9
の合成容量と、インダクタ101、もしくは逆バイアス
された反直列可変容量ダイオード10、11の合成容量
とインダクタ102とで、送信または受信周波数に直列
共振するように設計する。
【0069】上記構成において、アンテナと受信回路と
が互いに接続される場合、及び、アンテナと送信回路と
が互いに接続される場合の各回路動作について、以下に
項別に分けて説明する。
【0070】(1)アンテナと受信回路とが接続される
場合 この場合、図5において、図1に対する(1)の場合と
同様、スイッチ切替制御端子53に逆バイアスが制御電
圧として印加され、一方、これとは独立に、スイッチ切
替制御端子54に零もしくは順バイアスが制御電圧とし
て印加される。
【0071】この場合、インダクタ101(誘導値をL
R とする)と、反直列可変容量ダイオード8、9の合成
容量(容量値をCR とする)とは、目的とする周波数に
対して直列共振の状態になっている。すなわち、リアク
タンスXR は、
【数2】
【0072】図6は、この場合の図5の等価回路であ
る。この場合、インダクタ101とコンデンサ36は直
列共振の状態であるので、直列の電極抵抗35の分だけ
共振のQファクタは劣化するが、節21はほぼアースに
短絡された状態となる。そして、この低インピーダンス
が1/4波長線路4によって高インピーダンスに変換さ
れるので、アンテナ接続端子1から見た送信回路接続端
子2は開放状態になり、アンテナ接続端子1より入力し
た高周波信号は送信回路接続端子2側に漏洩されること
なく、受信回路接続端子3側に出力される。
【0073】一方、零または順バイアスされた反直列可
変容量ダイオード10、11の等価回路もまた、逆バイ
アスされた反直列可変容量ダイオード8、9の場合と同
様に、合成容量38と電極抵抗37の直列で表される。
しかし、合成容量38(容量値をCO とする)は、逆バ
イアスされた場合の合成容量36よりも容量値が大きい
(CO >CR )から、インダクタ102と可変容量ダイ
オード10、11の直列によるリアクタンスXO
【数3】 となり、誘導性を示す。従って、直列の低抵抗成分を有
した高周波コイルと同等であり、周波数が高くなるにつ
れてインピーダンスは高くなるので、高周波信号は阻止
される。
【0074】従って、アンテナ接続端子1より入力して
1/4波長線路5を通過した高周波信号のうち、節24
側へ漏洩する信号成分はほとんど無く、ほぼ全ての信号
が受信回路接続端子3に接続された受信回路に出力され
る。
【0075】かくして、通過損失が小さく、かつ信号漏
洩が小さい特性で、アンテナと受信回路とが接続され
る。
【0076】図7は、図10に示す従来の構成による高
周波スイッチ回路と、図5に示す本発明の実施の高周
波スイッチ回路について、通過損失及び信号漏洩の周波
数特性を、市販の高周波回路シミュレータによってシミ
ュレーションしたものである。図に示すように、本発明
によって、周波数19GHzにおいて挿入損失が約0.
2dB減少し、信号漏洩が約10dB減少している。
【0077】ところで、図5に示す本発明の実施の構
成において、反直列可変容量ダイオード8、9及び1
0、11を適用することにより、単一の可変容量ダイオ
ードを適用した場合に比べて入出力特性に関する線形性
が良好となる。その理由を以下で説明する。
【0078】図8は、単一可変容量ダイオードと反直列
可変容量ダイオードの動作原理の違いを模式的に表した
ものである。
【0079】図8(1)で示すような単一可変容量ダイ
オードの場合、可変容量の容量変化は、制御端子74に
与える制御電圧VDCに対してだけでなく、節70からダ
イオードに入力する高周波信号の振幅VRFに対しても生
じる。従って、節70からダイオードに大信号が入力し
た場合、節70の電位が大きく変動するので、容量変動
が大きくなる。
【0080】これに対して、反直列可変容量ダイオード
構成の場合、図8(2)に示すように、電圧VDCに対し
て2つの可変容量ダイオードは互いに逆向きであるか
ら、各々の容量は制御電圧に対して同じ容量変化とな
り、合成容量は単一可変容量ダイオードの場合と同じよ
うに変化する。
【0081】一方、節70からダイオードに入力する高
周波信号の振幅VRFは、図8(3)に示すように2つの
可変容量ダイオードで分圧され、この電圧に対して各々
の可変容量ダイオードの容量変化は逆となる。従って、
高周波信号の振幅VRFに対する合成容量としての変化
は、容量変動が互いに打ち消し合うため、単一可変容量
ダイオードと比較して非常に小さい。
【0082】よって、図5に示す本発明の実施の構成
において、反直列可変容量ダイオード8、9、10、1
1を適用することにより、節23、24とアースとの間
に単一の可変容量ダイオードを適用した場合に比べて、
入出力特性に関する線形性が良好となる。
【0083】図9は、図5に示す本発明の実施の反直
列可変容量ダイオードを用いた構成の高周波スイッチ回
路と、図5の構成において反直列可変容量ダイオードの
代わりに節23、24とアースとの間に単一の可変容量
ダイオードを適用した場合の高周波スイッチ回路につい
て、同一周波数における入出力特性を、市販の高周波回
路シミュレータによってシミュレーションしたものであ
る。図に示すように、本発明によって、1dB利得圧縮
点が約8dB向上している。
【0084】(2)アンテナと送信回路とが接続される
場合 同様にして、アンテナと送信回路が接続するように切り
替えるには、上記(1)とは逆の形態で各制御電圧を印
加するようにする。すなわち、スイッチ切替制御端子5
3には零もしくは順バイアスが、一方、スイッチ切替制
御端子54には逆バイアスが、それぞれ独立に制御電圧
として印加される。
【0085】この場合の節21とアース、節22とアー
スとの間は、上記(1)の場合と逆の状態になり、その
等価回路(図示略)は、インダクタ102と合成容量3
8の組合わせが直列共振に、インダクタ101と合成容
量36の組合わせのインピーダンスが誘導性になる。こ
れにより、通過損失が小さく、かつ信号漏洩が小さく、
線形性が良い特性で、アンテナ入力端子1に接続された
アンテナと送信回路接続端子2に接続された送信回路と
が接続される。
【0086】以上説明した図5の送受共用アンテナ切替
回路によれば、図10の構成に比べた全体の回路面積の
増加は、FET6、7を可変容量ダイオード8、9、1
0、11で置き換え、インダクタ101、102及び直
流阻止用コンデンサ61、62、接地電位を与える高抵
抗55、56、57、58を装加した分であるから、従
来の回路構成(図10)の1つの特徴である「小型」で
あるという利点は、本実施例の構成(図5)によっても
保たれる。
【0087】また、本実施例によれば、オン抵抗が十分
小さくなるようなゲート幅の広いFETを用いなくて
も、使用する周波数において、可変容量ダイオードとの
直列によって共振する誘導値のインダクタを選択すれば
よいので、実用的である。
【0088】なお、本発明による高周波スイッチ回路
は、その適用を本実施例による送受共用アンテナ切替回
路に限ることなく、多様な分野に応用が可能である。
【0089】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の高周波
スイッチ回路によれば、入出力端子を切り替えて使用す
る場合に、入力側に設定された入出力端子から出力側に
設定された入出力端子への信号の通過損失を小さく、か
つ、入力側にも出力側にも設定されなかった入出力端子
側への信号の漏洩を少なくすることができ、しかも線形
性がよいという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例となる高周波スイッチ回路(送受共用ア
ンテナ切替回路)の構成を示す図である。
【図2】図1の等価回路である。
【図3】図1の回路の効果を示す図である。
【図4】図1と同等の効果を有する他の参考となる
周波スイッチ回路(送受共用アンテナ切替回路)の構成
を示す図である。
【図5】本発明実施例における高周波スイッチ回路
(送受共用アンテナ切替回路)の構成を示す図である。
【図6】図5の等価回路である。
【図7】図5の効果の一つを示す図である。
【図8】本発明による原理を模式的に示す図である。
【図9】本発明効果の一つを示す図である。
【図10】従来例の高周波スイッチ回路(送受共用アン
テナ切替回路)の構成を示す図である。
【図11】図10の等価回路である。
【図12】図1と同等の効果を有する他の参考例となる
高周波スイッチ回路の構成を示す図である。
【符号の説明】
1、2、3 入出力端子 4、5、103、104 1/4波長線路(分布定数線
路) 6、7 FET 8、9、10、11、71、72、73 可変容量ダイ
オード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−258126(JP,A) 特開 平7−99425(JP,A) 特開 平7−22802(JP,A) 特開 平1−101002(JP,A) 特開 平5−55803(JP,A) 特開 昭60−174534(JP,A) 特開 昭49−120564(JP,A) 実開 昭62−68302(JP,U) 特公 昭41−6487(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01P 1/15 H03K 17/693 H03K 17/76

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の入出力端子のひとつを選択的に別
    の端子に接続する高周波スイッチ回路であって 前記 各入出力端子と前記別の端子の間に可変インピ
    ーダンス素子を有、 前記各入出力端子とアースとの間に、可変容量ダイオー
    素子との組合により直列共振又は並列共振となる誘
    導性リアクタンス成分を有する回路を含む回路網を
    前記可変容量ダイオード素子は、複数の該可変容量ダイ
    オード素子が、陽極同士又は陰極同士が互いに接続され
    るように直列接続されたものである ことを特徴とする高
    周波スイッチ回路。
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