JP3305620B2 - 反射型液晶表示装置及びそれを用いた液晶プロジェクター装置 - Google Patents
反射型液晶表示装置及びそれを用いた液晶プロジェクター装置Info
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Description
置、及びこれをライトバルブとして用いた液晶プロジェ
クター装置に関するものである。
晶に2色性色素を添加した液晶を用いるGH(ゲスト・
ホスト)モードや、誘電率異方性が負の液晶を用いたも
のがある。
方式がある。これでは、電界によるコレステリック・ネ
マティック相転移現象が利用されており、誘電率異方性
が正のネマティック液晶に光学活性物質を添加して得ら
れるカイラルネマチック液晶に2色性色素を添加したも
のを、垂直配向処理した液晶セルに封入している。
子は、光学活性物質の作用でねじれ配向しているので、
液晶層を通過する光は2色性色素によって吸収され着色
する。一方、電圧印加時、液晶及び2色性色素の各分子
は垂直配向となるので、液晶層を通過する光は2色性色
素により吸収されることなく無色となる。ここで2色性
色素を可視光領域を吸収するように混合した場合には白
黒表示が得られる。
射型液晶表示装置として、例えば特開平2−23652
3号公報には、電圧無印加時、上下の基板間で液晶分子
が63°又は193°でねじれるように配向させた反射
型液晶表示装置が開示されている。
行に配向し、上下の基板間では63°又は193°をな
すようにねじれ配向しているので、入射した直線偏光
は、液晶層を通過中に楕円偏光となり、反射面ではほぼ
円偏光となる。そして、反射面で位相が180°回転し
て反射され、再び液晶層を通過して楕円偏光となり、入
射光とは90°偏光面が回転した直線偏光となって出射
する。したがって、入射光偏光方向と出射光検光方向と
が直交するとき、白表示となる。一方、電圧印加時は、
液晶分子の誘電率の異方性のために電界方向に平行に再
配列して基板表面に対して垂直に配向するので、入射光
に対する複屈折の異方性が消失し、入射した直線偏光が
そのまま維持されて反射する。したがって、入射光偏光
方向と出射光検光方向とが直交するときは、黒表示とな
る。
た従来の反射型液晶表示装置には、以下に示すような問
題がある。
表示装置においては、液晶に添加されている2色性色素
にて光を吸収させることにより黒表示を行うため、直射
日光の下や、液晶プロジェクター装置のライトバルブに
使用される等して強い光にさらされると、光による液晶
及び2色性色素の分解が起こり、長期の使用においては
信頼性が低い。
公報に開示されているような反射型液晶表示装置では、
GHモードを用いた場合のような光劣化による信頼性の
問題はないが、誘電率異方性が正の液晶を用いているの
で、液晶層に電圧を印加して液晶分子を電界方向に再配
列させても、基板付近の液晶分子は配向膜の規制力を特
に強く受けているためあまり動作せず、常に基板表面に
対して平行に倒れている。このため、基板付近では複屈
折の消去が完全ではなく、光抜けが発生して黒レベルが
低くなる。その結果、輝度レベルが高くともそのコント
ラスト比は50:1前後と低いものとなり、表示特性に
問題があった。
あって、第1の目的は、液晶の光による劣化等を受け難
く、長期使用可能な高信頼性を有すると共に、十分なコ
ントラスト比が得られる高表示特性の反射型液晶表示装
置を提供することにあり、第2の目的は、高信頼性で優
れた表示特性の液晶プロジェクター装置を提供すること
にある。
装置は、対向する2枚の基板間に液晶層が挟持され、該
2枚の基板のうちの一方の基板に液晶層を通過した光を
反射する反射手段が設けられた反射型液晶表示装置にお
いて、上記液晶層が負の誘電率異方性を有する液晶から
なると共に、上記2枚の基板のうちの反射手段を備えて
いない方の基板の光入射側に配置された、入射光偏光方
向と出射光検光方向とが直交した偏光素子と、上記2枚
の基板の各対向面に設けられた、電圧無印加時に液晶分
子を基板表面に対して垂直配向させる一方、電圧印加時
に液晶分子をねじれ配向させる配向層とを備え、上記両
配向層における液晶分子をねじれ配向させる各配向方向
の成す角の2等分線と上記偏光素子の入射光偏光方向と
が40°〜50°の角度を成すことを特徴としている。
ると、液晶分子が電界とは垂直を成す方向に倒れる性質
を有した、誘電率異方性が負の液晶を用いているので、
電圧無印加時、液晶分子は基板表面に対して垂直配向
し、電圧を印加することにより、液晶分子は2枚の基板
間を連続的にねじれながら基板に対して平行になるよう
に倒れることとなる。
屈折が一切発生しておらず、液晶層内に入射した直線偏
光はそのまま何の偏光を受けることなく反射手段にて反
射されるので、入射光偏光方向と出射光検光方向とが直
交した偏光素子を透過することはできず、黒表示とな
る。このとき、液晶分子は基板付近のものも含めて総て
基板に対して垂直に配向しているので、偏光素子を通過
できる光は一切存在せず、光は完全に遮断されて高い黒
レベルとなる。
し、液晶層内に入射した直線偏光は偏光を受け、偏光素
子の出射光検光軸を通過するものが出てくる。このとき
の偏光素子を通過する光(反射光)の強度は、両配向層
の液晶分子をねじれ配向させる各配向方向と偏光素子の
入射光偏光方向とに密接な関係があり、反射率は、両配
向方向の成す角の2等分線と該偏光素子の入射光偏光方
向とが成す角度0°から90°までの間で、45°をピ
ークに0%〜93%の間で変化する。そこで、本発明の
反射型液晶表示装置では、該角度を40°〜50°とし
ている。これにより、効率よく反射光を得ることがで
き、輝度レベルを高くできる。
で直接光を吸収することはないので、液晶層の劣化を最
小限に押さえることができる。
上記2等分線と上記入射光偏光方向との成す角度を45
°とすることが最も好ましく、これにより、輝度レベル
を最も高くすることが可能となり、コントラストを最も
高くできる。
反射手段を反射電極として形成する構成としてもよく、
このような構成にすることで、反射手段が反射側基板の
外側に設けられていた場合のような視差による問題を回
避できると共に、反射側の基板として不透明基板を用い
ることもできる。また、部材の兼用により製造コストの
低減も図れる。
上記液晶層を形成する液晶にカイラルドーパントを含有
する構成としてもよく、カイラルドーパントを含有させ
ることで、液晶分子のねじれ配向性が向上し、安定した
液晶分子配向を得ることができる。
素子に偏光ビームスプリッタを用いてなる請求項1に記
載の反射型液晶表示装置を、ライトバルブとして用いる
ことを特徴としている。
は、強い光にさらされ光による劣化が進みやすい状況下
で使用されるが、請求項1に記載の反射型液晶表示装置
は、光による劣化に強いので、このような反射型液晶表
示装置をライトバルブとして用いた本発明の液晶プロジ
ェクター装置は、信頼性が高く、かつ、ライトバルブが
高コントラストであるので、優れた表示特性も有するも
のである。
置では、赤色領域光源用、緑色領域光源用、及び青色領
域光源用に3枚のライトバルブを配置した構成としても
よく、これにより、スクリーンにフルカラーにて情報を
表示できる。
1ないし図9に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。
置は、図2(a)(b)に示すように、光源44、投影レ
ンズ45、投影スクリーン46、ダイクロイックミラー
システム42、偏光ビームスプリッタ43、及び3枚の
ライトバルブ40R・40G・40Bを備えている。
4から照射される光のP偏光成分を透過し、P偏光成分
と直交する偏光成分であるS偏光成分を反射する偏光素
子である。上記ダイクロイックミラーシステム42は、
上記偏光ビームスプリッタ43を経て入射した光を、赤
色領域成分、緑色領域成分、及び青色領域成分の光に分
離して、対応する上記の3枚のライトバルブ40R・4
0G・40Bにそれぞれ入射させるものである。
Bは、何れも反射型液晶素子から構成されており、ライ
トバルブ40Rが赤色領域用の光シャッターとして、ラ
イトバルブ40Gが緑色領域用光の光シャッターとし
て、ライトバルブ40Bが青色領域用の光シャッターと
してそれぞれ機能するものである。
・40G・40Bを構成する反射型液晶素子の構造を詳
細に説明する。
晶層18を挟持するように対向して配された、一対の透
明基板1・13を有している。図において下側にある透
明基板1は、ガラス等からなるもので、その上には、図
4に示すように、ベースコート膜2が成膜されている。
このベースコート膜2は、透明基板1からの不純物拡散
を防止するためのもので、Al2 O3 やSiO2 等から
なる。
るアクティブ素子としてのTFT32が形成されてい
る。TFT32においては、ベースコート膜2上に島状
にパターニングされた半導体膜であるポリシリコン膜3
1を有し、このポリシリコン膜31の上に、SiO2 か
らなるゲート絶縁膜6が積層されている。
からなるゲート電極7が形成されており、このゲート電
極7は、表面が陽極酸化されることで、陽極酸化膜8に
より被覆されている。
化膜8を含むゲート電極7をマスクとして、リンを注入
してN型となっているソース部3及びドレイン部4と、
拡散を行っていないチャネル部5とからなる。
る層間絶縁膜9が積層されており、この層間絶縁膜9上
には、ポリシリコン膜31のソース部3とコンタクトホ
ール33にて結合されたアルミニウムからなるソース電
極10が形成されている。
護膜11が形成されると共に、この上層には、TFT3
2のドレイン部4とコンタクトホール34にて結合され
たアルミニウムからなる反射画素電極12が形成されて
いる。つまり、反射画素電極12が保護膜11上に形成
された構造である。
極の両機能を備えたもので、部材の兼用にて製造工程が
減少し製造コストの削減が図れる。また、このような反
射画素電極12とすることで、反射手段が透明基板1の
液晶層18側に設けられるため、透明基板1の厚みによ
る視差の問題を回避できると共に、かつ、透明基板1に
不透明な基板を用いることも可能となり、設計の自由度
が広がるといった利点もある。
マトリクス状に配置され、ゲート電極7はゲートバスラ
イン19によってゲート駆動用回路20に接続され、ま
た、ソース電極10は、ソースバスライン21によって
ソース駆動用回路22に接続されている。
と対向して配置されるもう一方の透明基板13は、透明
基板1と同様にガラス等からなり、その内面に、ITO
(Indium Tin Oxide)からなる透明電極14が形成されて
いる。
射画素電極12或いは透明電極14の上層に、垂直配向
性の配向膜15・15がそれぞれ形成されている。透明
基板1・13のそれぞれに設けられた配向膜15・15
には、図1(a)(b)に示すように、光入射側の透明基
板13の配向方向26と光反射側の透明基板1における
配向方向25との成す角度が、例えば60°となるよう
に配向処理が施されている。
うに、基板間寸法を保持するためのスペーサー17を挟
持した状態で、基板周辺を覆うシール樹脂16により接
着され、基板間には、誘電率異方性が負のネマチック液
晶が注入されて液晶層18が形成されている。誘電率異
方性が負のネマチック液晶は、液晶分子が電界とは垂直
を成す方向に倒れる性質を有している。
の一製造方法を説明する。
ラス基板を用い、この透明基板1上に、まずはべースコ
ート膜2として、スパッタリング法によりAl2 O3 又
はSiO2 を100[nm]積層する。次に、ポリシリ
コン膜31として、プラズマCVD法によって、非晶質
シリコン膜を膜厚50〜150[nm]、例えば100
[nm]で積層する。そして、これを窒素雰囲気下にお
いて、600[℃]で熱アニールを行い、多結晶化を行
った後、パターニングを行うことによって島状の半導体
層を形成する。
膜厚100[nm]のSiO2 膜をゲート絶縁膜6とし
て成膜する。スパッタリングには、ターゲットとしてS
iO2 を用い、スパッタリング時の基板温度は200〜
400[℃]、例えば350[℃]で、スパッタリング
雰囲気は酸素とアルゴンで、アルゴン/酸素=0〜0.
5、例えば0.1以下とする。
厚さ600〜800[nm]、例えば600[nm]の
アルミニウム(0.1〜2[%]のシリコンを含む)を
成膜する。なお、上記SiO2 膜とアルミニウム膜の成
膜工程は連続的に行うことが望ましい。
ト電極7を形成し、さらに、このゲート電極7の表面を
陽極酸化して、表面に陽極酸化膜8となる酸化物層を形
成する。この陽極酸化は、酒石酸が1〜5[%]含まれ
たエチレングリコール溶液中で行う。得られた酸化物層
の厚さは200[nm]である。この酸化物は、後のイ
オンドーピング工程において、オフセットゲート領域を
形成する厚さとなるため、オフセットゲート領域の長さ
を陽極酸化工程で決めることができる。
ゲート電極7とその周囲の酸化層をマスクとして不純
物、例えばリンを注入する。ここでは、ドーピングガス
としてフォスフィン(PH3 )を用い、加速電圧を60
〜90[kV]、例えば80[kV]とし、ドーズ量は
1×1015〜8×1015[cm-2]、例えば2×1015
[cm-2]とする。
熱アニールを行い活性化し、活性領域であるソース部3
とドレイン部4を形成する。これら上部に、厚さ600
[nm]のSiO2 膜を層間絶縁膜9としてプラズマC
VD法によって形成し、これにソース電極10とp−S
iのソース部3をつなぐコンタクトホール33を形成し
た後、アルミニウムからなるソース電極10を形成す
る。
護膜11を形成する。高分子樹脂にはポリイミド樹脂で
あるSE−812(日産化学社製)を用い、スピンコー
ト法により膜厚が2[μm]とるように形成し、250
[℃]で1時間焼成する。
素電極12とのコンタクトを取るためのコンタクトホー
ル形成用のレジストパターンを形成し、ドライエッチン
グ法により保護膜をエッチングし、コンタクトホール3
4を形成した後、スパッタリング法により膜厚が100
[nm]となるようにアルミニウム膜を成膜し、パター
ニングすることで反射画素電極12を形成する。
は、厚さ1[mm]の石英ガラスを用い、スパッタリン
グ法により透明電極14となるITOを100[nm]
形成する。
及び透明基板13の透明電極14上に、液晶分子27が
基板に対して垂直配向性の配向膜15・15であるJA
LS204(日本合成ゴム社製)を印刷法により、膜厚
が10[nm]となるように形成する。配向膜15・1
5の配向処理はラビング法を用い、透明基板1及び透明
基板13のラビング方向は、60°ずらす。
厚さが1.5[μm]となるようにスペーサー17を散
布した後、熱硬化性の接着剤であるシール樹脂16によ
り貼り合わせる。
LI−4788−000(メルク社製)を用い、真空注
入法により基板間に注入し、注入口を封止する。再配向
は110[℃]のオーブンに1[h]投入して行う。こ
れにて、上記の反射型液晶素子が製造される。
8に電圧を印加しないとき(電圧無印加)、図6(a)
に示すように、液晶分子27は、両側に設けられた配向
膜15・15の配向力により各透明基板1・13に対し
て垂直に配向する。このような配向状態では複屈折は一
切発生せず、液晶層内に入射した光はそのまま何の偏光
を受けることなく反射画素電極12にて反射される。
圧印加時)、図6(b)に示すように、液晶分子27
は、配向膜15・15の配向方向25・26による配向
力にて、透明基板1と透明基板13の間で連続的に60
°ねじれながら、各透明基板1・13に対して水平にな
るように倒れる。このような配向状態では、複屈折が発
生し、入射した直線偏光は、液晶層18の通過中に偏光
を受け、偏光面が回転した直線偏光となって出射する。
は、光入射側に、偏光素子を配置して反射型液晶表示装
置を構成する際、図1(a)に示すように、入射光偏光
方向23と出射光検光方向24とが直交した偏光素子3
0を配設することで、液晶層18への電圧無印加時、何
ら偏光を受けなかった光は入射光偏光方向23と出射光
検光方向24とが直交した偏光素子30を透過すること
ができず、黒表示となる。特に、液晶分子27は基板界
面のものも含めて総て透明基板1・13に対して垂直に
配向しているので、偏光素子30の出射光検光軸を通過
できる光は一切存在せず、光は完全に遮断されて高い黒
レベルとなる。
が発生し、入射した直線偏光は、液晶層を通過中に偏光
を受けて、入射時とは異なる偏光面を有する直線偏光と
なり偏光素子30の出射光検光軸を透過するものが出て
くる。そしてこのときの通過光(反射光)の強度を表す
反射率と、両配向膜15・15の各配向方向25・26
の成す角の2等分線Lと該偏光素子30の入射光偏光方
向23とが成す角度とには、図7に示すような関係があ
る。尚、(+)表示は、2等分線の右回りでなす角を
(−)とした場合の左回りでなす角度を示している。
0°までの間で、45°をピークに0%〜93%の間で
変化し、これより、該角度を40°〜50°とすること
で、十分な反射率がえられ、より好ましくは45°とす
ることであることもわかる。
光入射側に、偏光素子を配置して反射型液晶表示装置を
構成する際は、入射光偏光方向23と出射光検光方向2
4とが直交した偏光素子30を、上記2等分線Lと入射
光偏光方向23とが40°〜50°の角度を成すように
配設することで、高い輝度レベルを得ることができる。
子30を配設してなる反射型液晶表示装置の電圧−反射
率特性を示す。このグラフからわかるように、反射率は
液晶層18に印加する電圧を可変することで調整できる
ので、この反射型液晶表示装置では、電圧調整により輝
度調整が可能である。なお、図8では、両透明基板1・
13の配向方向25・26が成す角度が60°の上記反
射型液晶素子を用いた反射型液晶表示装置の電圧−反射
率特性と共に、該角度が30°、90°の反射型液晶素
子を用いた反射型液晶表示装置の電圧−反射率特性も併
せて示す(但し、90°の該特性は60°の該特性にほ
ぼ一致)。
は、このような反射型液晶表示装置の構成を、3枚の各
ライトバルブ40R・40G・40Bと、入射光偏光方
向と出射光検光方向とが直交する偏光素子としての偏光
ビームスプリッタ43とで実現している。
表示を簡単に説明すると、図2(a)に示すように、光
源44から出射した光は、偏光ビームスプリッタ43に
入射し、P偏光成分はそのまま通過し、S偏光成分のみ
がダイクロイックミラーシステム42に入射する。ダイ
クロイックミラーシステム42に入射したS偏光成分
は、赤色領域成分、緑色領域成分、及び青色領域成分に
分離され、それぞれ赤色領域用のライトバルブ40R、
緑色領域用のライトバルブ40G、及び青色領域用のラ
イトバルブ40BにS偏光成分として入射する。
液晶層18に電圧が印加されていない場合、図2(a)
に示すように、S偏光成分はライトバルブ40R・40
G・40B内のそれぞれの反射画素電極12によりS偏
光成分のまま反射され、S偏光成分として再び偏光ビー
ムスプリッタ43に到達し反射される。このため光はス
クリーン46には届かず黒表示となる。
0Bの液晶層18に電圧が印加されている場合は、図2
(b)に示すように、S偏光成分はライトバルブ40R
・40G・40B内の液晶層18を通過する際にP偏光
成分に変化しながら、それぞれの反射画素電極12によ
りP偏光成分として反射されて出射し、再び偏光ビーム
スプリッタ43に到達する。このときP偏光成分は偏光
ビームスプリッタ43を透過するため、そのまま投影レ
ンズ45を透過し、スクリーン46に投影される。
・40G・40Bの液晶層18全体に電圧印加した状態
と電圧を印加しない状態とで説明したが、これを各画素
毎に当てはめる、即ち、3つのライトバルブ40R・4
0G・40Bに対してそれぞれの書込み情報に応じて前
述のTFT32のゲート電極7をゲートバスライン19
を介して入力されるゲート信号を基にON/OFF制御
し、ゲート電極7がONした反射画素電極12にのみソ
ースバスライン21より入力される情報をソース電極3
を介して書き込み、その部分の液晶層18に電圧を印加
することで、任意の表示が可能となり、フルカラー表示
が可能となる。
89nm)、青(480nm)の各波長には図9に示す
ような電圧−反射率特性があるため、赤色領域用、緑色
領域用、青色領域用の各ライトバルブ40R・40G・
40Bにおいて、それぞれの色の階調を電圧調整(γ補
正)して投影することにより、色ムラのない、コントラ
スト比が1000:1もの高コントラストな表示を得る
ことができる。
ェクター装置では、ライトバルブ40R・40G・40
Bとして、液晶層18が負の誘電率異方性を有する液晶
からなり、2枚の透明基板1・13には、電圧無印加時
に液晶分子27を基板表面に対して垂直配向させる一
方、電圧印加時に液晶層18をねじれ配向させる配向膜
15が形成された反射型液晶素子が用いられ、これらラ
イトバルブ40R・40G・40Bに対して、偏光ビー
ムスプリッタ43が、2枚の透明基板1・13の各配向
方向25・26が成す角の2等分線と該ビームスプリッ
タ43の入射光偏光方向とが40°〜50°の角度を成
すように配設されている。
ルとによりコントラストを従来に比べて高くでき、か
つ、GHモードのように液晶層内で直接光を吸収するこ
とはないので、液晶層の劣化を最小限に押さえることが
でき、その結果、高コントラストの優れた表示特性、並
びに光による劣化に強い高信頼性の液晶プロジェクター
装置を実現できる。
基板1・13における配向膜15・15の各配向方向2
5・26が成す角度を60°とした例を挙げたが、30
°や90°としてもよく、高い輝度レベルが得られる値
であればよい。
置を液晶プロジェクター装置に適用した構成を例示した
が、その用途は液晶プロジェクター装置に限定されるも
のではない。
カイラルドーパントを混入させることで、液晶分子27
のねじれ配向性が向上し、安定した液晶分子配向を得る
ことができる。
示装置は、上記液晶層が負の誘電率異方性を有する液晶
からなると共に、上記2枚の基板のうちの反射手段を備
えていない方の基板の光入射側に配置された、入射光偏
光方向と出射光検光方向とが直交した偏光素子と、上記
2枚の基板の各対向面に設けられた、電圧無印加時に液
晶分子を基板表面に対して垂直配向させる一方、電圧印
加時に液晶分子をねじれ配向させる配向層とを備え、上
記両配向層における液晶分子をねじれ配向させる各配向
方向の成す角の2等分線と上記偏光素子の入射光偏光方
向とが40°〜50°の角度を成す構成である。
ルとが得られると共に、光による液晶層の劣化も受け難
い。その結果、高コントラストで優れた表示特性を有
し、かつ、高い信頼性も有する反射型液晶表示装置を提
供できるという効果を奏する。
装置は、請求項1の構成において、上記2等分線と上記
入射光偏光方向との成す角度が45°である構成である
ので、輝度レベルを最も高くしてコントラストをさらに
高くできるという効果を奏する。
装置は、請求項1の構成において、上記反射手段が、液
晶層に電圧を印加するための電極機能も有する反射電極
として形成されている構成であるので、反射手段が反射
側基板の外側に設けられていた場合のような視差による
問題を回避できると共に、反射側の基板として不透明基
板を用いることもでき、また、部材の兼用により製造コ
ストの低減も図れるなどの効果を併せて奏する。
装置は、請求項1の構成において、上記液晶層を形成す
る液晶にカイラルドーパントが含有されている構成であ
るので、液晶分子のねじれ配向性が向上し、安定した液
晶分子配向を得ることができるという効果を併せて奏す
る。
ター装置は、以上のように、偏光素子に偏光ビームスプ
リッタを用いてなる請求項1記載の反射型液晶表示装置
をライトバルブとして備えている構成である。
光による劣化に強いので、このような反射型液晶表示装
置をライトバルブとして用いた液晶プロジェクター装置
は、信頼性が高く、かつ、高コントラストであるので、
優れた表示特性を有する。その結果、高コントラストで
優れた表示特性を有し、かつ、高い信頼性も有する液晶
プロジェクター装置を提供できるという効果を奏する。
ター装置は、請求項5の構成において、赤色領域光源
用、緑色領域光源用、及び青色領域光源用に3枚のライ
トバルブが配置されている構成であるので、これによ
り、請求項5の構成による効果に加えて、スクリーンに
フルカラー画像を表示することができるという効果を奏
する。
ー装置に備えられるライトバルブをなす反射型液晶素子
の配向方向と、該反射型液晶素子上に配される偏光素子
の入射光偏光方向と出射光検光方向との関係を示す説明
図である。
図である。
子の構成を示す断面図である。
る。
無による液晶分子の配向状態を説明するための模式図で
ある。
のなす角度の2等分線と、偏光素子の入射光偏光方向と
がなす角度と反射率の関係を示すグラフである。
型液晶表示装置における電圧と反射率との関係を示すグ
ラフである。
型液晶表示装置における波長に依存した電圧と反射率と
の関係を示すグラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】対向する2枚の基板間に液晶層が挟持さ
れ、該2枚の基板のうちの一方の基板に液晶層を通過し
た光を反射する反射手段が設けられた反射型液晶表示装
置において、 上記液晶層が負の誘電率異方性を有する液晶からなると
共に、上記2枚の基板のうちの反射手段を備えていない方の基
板の光入射側に配置された、入射光偏光方向と出射光検
光方向とが直交した偏光素子と、 上記2枚の基板の各対向面に設けられた、電圧無印加時
に液晶分子を基板表面に対して垂直配向させる一方、電
圧印加時に液晶分子をねじれ配向させる配向層とを備
え、 上記両配向層における液晶分子をねじれ配向させる各配
向方向の成す角の2等分線と上記偏光素子の入射光偏光
方向とが40°〜50°の角度を成すことを特徴とする
反射型液晶表示装置。 - 【請求項2】上記2等分線と上記入射光偏光方向との成
す角度が45°であることを特徴とする請求項1記載の
反射型液晶表示装置。 - 【請求項3】上記反射手段が、液晶層に電圧を印加する
ための電極の機能も有する反射電極として形成されてい
ることを特徴とする請求項1記載の反射型液晶表示装
置。 - 【請求項4】上記液晶層を形成する液晶にカイラルドー
パントが含有されていることを特徴とする請求項1記載
の反射型液晶表示装置。 - 【請求項5】偏光素子に偏光ビームスプリッタを用いて
なる請求項1記載の反射型液晶表示装置をライトバルブ
として備えていることを特徴とする液晶プロジェクター
装置。 - 【請求項6】赤色領域光源用、緑色領域光源用、及び青
色領域光源用に3枚のライトバルブが配置されているこ
とを特徴とする請求項5記載の液晶プロジェクター装
置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP15963797A JP3305620B2 (ja) | 1997-06-17 | 1997-06-17 | 反射型液晶表示装置及びそれを用いた液晶プロジェクター装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15963797A JP3305620B2 (ja) | 1997-06-17 | 1997-06-17 | 反射型液晶表示装置及びそれを用いた液晶プロジェクター装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH117020A JPH117020A (ja) | 1999-01-12 |
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JP15963797A Expired - Fee Related JP3305620B2 (ja) | 1997-06-17 | 1997-06-17 | 反射型液晶表示装置及びそれを用いた液晶プロジェクター装置 |
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-
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- 1997-06-17 JP JP15963797A patent/JP3305620B2/ja not_active Expired - Fee Related
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