JP3303441B2 - 電子線分析装置 - Google Patents

電子線分析装置

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JP3303441B2
JP3303441B2 JP15813493A JP15813493A JP3303441B2 JP 3303441 B2 JP3303441 B2 JP 3303441B2 JP 15813493 A JP15813493 A JP 15813493A JP 15813493 A JP15813493 A JP 15813493A JP 3303441 B2 JP3303441 B2 JP 3303441B2
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  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子線分析装置に関
し、特に電子線分析装置において電子ビームあるいは試
料ステージを2次元的に走査することによって、試料表
面の凹凸や元素分布の2次元的な情報を得るマッピング
分析に関するものである。
【0002】
【従来の技術】試料に電子ビームや単色X線等の励起源
を照射し、この照射によって試料から発生する二次電子
や特性X線等を検出することにより、試料の表面観察や
元素分析を行う電子線マイクロアナライザ等の電子線分
析装置において、電子ビームあるいは試料ステージを2
次元的に走査することによって、試料表面の凹凸や元素
分布の2次元的な情報を得るマッピング分析と呼ばれる
分析が知られている。
【0003】従来、このマッピング分析は、試料上の分
析領域において定めた分析開始位置から分析終了位置ま
での間において、励起源あるいは試料ステージを順次走
査することによって行なわれる。このマッピングを図8
の従来の電子線分析装置のマッピング分析を説明する図
を用いて説明する。図8において、分析される試料の分
析領域Aは例えば矩形の領域によって表されており、マ
ッピング分析はこの分析領域Aの例えば一つの隅を原点
(図中では分析領域Aの左上隅)を分析開始位置とし、
その分析開始位置から順次励起源あるいは試料ステージ
を走査して、分析領域Aの例えば前記分析開始位置の対
角線上の点(図中では分析領域Aの右下隅)を分析終了
位置として分析を行っている。
【0004】したがって、従来の電子線分析装置におい
ては、マッピング分析の開始位置と終了位置が固定さ
れ、その間を走査するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
従来の電子線分析装置においては、以下のような問題点
を有している。
【0006】(1)従来の電子線分析装置によるマッピ
ング分析では、分析を開始してから試料の分析領域内の
重要な部分のデータが得られるまでの時間が長時間化す
るという問題点がある。
【0007】これは、通常マッピング分析により試料表
面の2次元的な情報を得る場合、データとして重要な部
分は分析領域の中心付近にあることがほとんどであり、
従来の電子線分析装置によるマッピング分析ではマッピ
ング分析の開始位置と終了位置が固定されており、走査
は常に開始位置から出発するため、重要な部分の走査が
分析開始直後に行われるとは限らず、開始位置から重要
な部分まで走査が到達するのに時間がかかるためであ
る。
【0008】(2)したがって、試料のセッティングの
ミスや励起源の照射条件の設定ミス等により測定条件が
種々に変化して良好なデータが得られない場合には、再
分析を行なうが、前記(1)の問題点において示したよ
うに分析に重要な部分での結果の良否が確認されるまで
時間がかかると、再分析に要する時間が長時間化し、分
析効率が悪くなるという二次的な問題点がある。
【0009】(3)また、前記(2)の再分析に要する
時間の長時間化は、非常に弱い試料に大きなダメージを
与えることとなり、再分析が困難となるという二次的な
問題点がある。
【0010】そこで、本発明は前記した従来の電子線分
析装置の問題点を解決し、試料の分析領域内の重要な領
域のデータを短時間で得ることができる電子線分析装置
を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために、試料に電子ビームを照射し、この照射に
より試料から発生する信号を検出することによって試料
の表面観察や元素分析を行う電子線分析装置において、
電子ビームあるいは前記試料を支持する試料ステージを
2次元的に走査する走査手段と、3個以上の小分析領域
によりなる試料に分析領域において、小分析領域の走査
順序を指定する領域順序指定手段とを有し、この領域順
序指定手段により走査手段を制御して、領域順序指定手
段において指定した走査順序に従って電子ビームあるい
は試料ステージを2次元的に走査し、小分析領域中の最
重要分析領域のマッピング中にデータの良否判定を行う
構成とするものである。
【0012】
【作用】本発明によれば、前記構成とすることによっ
て、試料に電子ビームを照射し、この照射によって試料
から発生する二次電子や特性X線等の信号を検出するこ
とにより試料の表面観察や元素分析を行う電子線分析装
置において、領域順序指定手段によって試料の分析領域
を分割してなる小分析領域の走査順序を指定し、この領
域順序指定手段の信号により走査手段の駆動を制御し、
設定した指定順序に従って電子ビームあるいは試料を支
持する試料ステージを2次元的に走査し、試料のマッピ
ングを行なう。そして、各小分析領域において得られた
データを合成して1つのマッピングデータを生成する。
【0013】小分析領域中の最重要分析領域のマッピン
グ中にデータの良否判定を行い、判定結果に基づいて分
析の続行あるいは分析条件の再設定後の再分析を行う。
試料の分析領域を分割してなる小分析領域において、最
も重要なデータが得られる小分析領域を最重要分析領域
として、分析の指定順序を第1番目とし、分析領域内で
最も重要な領域からのデータが分析の初期段階において
得られるようにすることができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図を参照しながら詳
細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものでは
ない。
【0015】(実施例1) (本発明の実施例1の構成)図1は本発明の電子線分析
装置のブロック構成図であり、図2は本発明の電子線分
析装置における分析領域を説明する図である。なお、図
1に示す電子線分析装置の構成は、通常の電子線マイク
ロアナライザに適用した例を示すものであり、また、こ
の実施例1においては、試料ステージを2次元的に走査
することによりマッピングを行う例を示している。
【0016】はじめに、電子線分析装置の構成について
説明する。電子線分析装置は、X−Yステージ11に配
置された試料3に電子銃1から電子ビーム2を照射し、
試料3から発生する二次電子や特性X線等の信号を検出
するものであり、特性X線は分光結晶4により選択され
てX線検出器5によって検出される。X線検出器5によ
り検出された特性X線の信号は、いったんメモリ6に記
憶され、信号処理手段7において信号処理された後、画
像信号としてビデオメモリ8に記憶される。ビデオメモ
リ8に記憶された画像信号は、CRT9において表示さ
れる。
【0017】また、試料3を保持しているX−Yステー
ジ11は、ステージ走査手段12からの駆動信号により
の駆動され、試料3の電子ビーム2に対するX軸方向及
びY軸方向の2次元的な移動を可能としている。また、
このステージ走査手段12には領域順序指定手段13が
接続され、試料3上の領域の走査順序を指定している。
【0018】次に、図2を用いて本発明の電子線分析装
置における分析領域について説明する。図2中の分析領
域Aは前記従来例の分析領域Aに対応している。従来例
のマッピングにおいては、この分析領域A全体を一つの
分析領域としているのに対して、本発明の分析領域はこ
の分析領域Aを複数個の小分析領域A1〜A16に分割
している。
【0019】また、本発明の電子線分析装置の分析領域
においては、この分割した小分析領域A1〜A16の中
からデータとして重要な部分の領域を最重要分析領域と
して指定し、他の領域と区別して分析の処理を行なうこ
とができる。例えば、図2においては、斜線で示すよう
に最重要分析領域として小分析領域A7を指定してい
る。
【0020】(実施例1の作用)次に、本発明の実施例
1の作用について、前記図1〜図7を用いて説明する。
【0021】図3は、本発明の実施例の小分析領域の重
要度を説明する図であり、図4〜図6は、本発明の実施
例の小分析領域の分析順序を説明する図であり、図7
は、本発明の実施例1のマッピングのフローチャートで
ある。
【0022】はじめに、図3を用いて小分析領域の分析
の重要度と分析順序について説明する。分析領域Aにお
いて、分割された小分析領域の中から、重要なデータが
得られる領域を最重要分析領域(図中では右上がりの斜
線部分)とする。また、この最重要分析領域を囲む近傍
の領域を例えばゾーン1(図中では右下がりの斜線部
分)とし、さらにその外側を囲む領域をゾーン2(図中
では点群の部分)とする。
【0023】そして、この領域及びゾーンを分析のデー
タの重要度に対応させる。例えば、この実施例では、最
重要分析領域を最もデータの重要度が高い部分とし、ゾ
ーン1をその次に重要度が高い部分とし、ゾーン2を3
番目に重要度が高い部分とする。そして、本発明のマッ
ピングにおいては、分析を行なう領域の順序をこのデー
タの重要度に応じて定めるものであり、図3における分
析の順序は最重要分析領域、ゾーン1、ゾーン2とな
る。
【0024】図3に示すように、最重要分析領域に近い
ほどデータの重要度が高く、その重要度が高い順に分析
の順序を設定するアルゴリズムの例を、図4〜図6を用
いて説明する。なお、図4〜図6では小分析領域A7を
最重要分析領域として説明する。
【0025】はじめに、図4において、小分析領域の分
析順序を主走査方向及び副走査方向の順により定める例
を示す。この例においては、小分析領域A7が最重要分
析領域であるため、第1番目に小分析領域A7の分析を
行なう。次に分析を行なう小分析領域としては、小分析
領域A7を取り囲んでいる小分析領域A2、A3、A
4、A6、A8、A10、A11、A12があるが、そ
れらの小分析領域のうち最初に分析を行なう領域を、主
走査方向及び副走査方向で先頭にあるA2とし、次に主
走査方向に沿ってA3、A4の順序とし、次に副走査方
向で次の列の小分析領域を主走査方向にA6、A8の順
序とし、次に副走査方向で次の列の小分析領域を主走査
方向にA10、A11、A12とする。
【0026】さらに、この次に分析を行なう小分析領域
としては、前記小分析領域を取り囲んでいる小分析領域
A1、A5、A9、A13、A14、A15、A16が
あるが、主走査方向及び副走査方向で先頭にあるA1を
はじめとし、次に副走査方向にA5、A9、A13の順
序とし、次に主走査方向の順にA14、A15、A16
とする。なお、図4において、この順序を矢印により示
している。
【0027】次に、図5において、小分析領域に分析順
序を最重要分析領域に対しての距離が短い順により定め
る例を示す。この例においても、小分析領域A7が最重
要分析領域であるため、1番目に小分析領域A7の分析
を行う。次に分析を行う小分析領域としては、小分析領
域A7を囲んでいる小分析領域A2,A3,A4,A
6,A8,A10,A11,A12があるが、それらの
小分析領域のうち最初に分析を行う領域を、小分析領域
A7に最も接近している小分析領域A3,A6,A8,
A11の中から主走査方向及び副走査方向で先頭にある
A3とし、次に主走査方向及び副走査方向に従ってA
6,A8,A11の順序とする。
【0028】この次に分析を行なう小分析領域として
は、最重要分析領域に対して対角線る位置にある小分析
領域A2、A4、A10、A12があるが、主走査方向
及び副走査方向に従って、A2、A4、A10、A12
の順序とする。その後も、同様にして順序を設定する。
なお、図5において、この順序を括弧で囲った数字及び
矢印(図中、矢印は9番目までの順序を示している)に
より示している。
【0029】次に、図6において、小分析領域の分析順
序を最重要分析領域に対しての距離が短い順により定め
る他の例を示す。前記例においては、最重要分析領域で
ある小分析領域A7の分析の後、小分析領域A7に最も
近接している小分析領域A3、A6、A8、A11の中
での順序を円周方向としてA8、A3、A4、A5の順
序とする。
【0030】この次に分析を行なう小分析領域として最
重要分析領域に対して対角線の位置にある小分析領域A
2、A4、A10、A12についても、円周方向に沿っ
てA2、A10、A12、A4、の順序とする。その後
も、同様にして順序を設定する。なお、図6において、
この順序を括弧で囲った数字及び矢印(図中、矢印は第
9番目までの順序を示している)により示している。
【0031】次に、本発明の最重要分析領域を含む小分
析領域のマッピングについて、図1の構成図、及び図7
のフローチャートに示すステップSの符号に従って説明
する。
【0032】ステップS1:はじめに、電子線分析装置
において、試料ステージであるX−Yステージ11上に
試料3をセットし、その試料3の分析に対する電子ビー
ム2の加速電圧、電子ビーム流、ビーム径等の分析条件
を設定する。
【0033】ステップS2:次に、試料3の分析領域を
複数個の小分析領域に分割する。この分割における分割
の個数や大きさは、あらかじめ設定しておくことも、ま
た分析を行なう試料に応じて設定することも可能であ
る。
【0034】ステップS3:前記ステップS2の工程に
おいて、分割した小分析領域の中からデータの重要性に
応じて最重要分析領域を指定し、小分析領域の中で最初
に分析を行なう分析領域を設定する。
【0035】ステップS4:前記ステップS3で指定し
た最重要分析領域において、電子ビーム2あるいはX−
Yステージ11を2次元的に走査することにより、試料
3の2次元的な情報を得てマッピングを行なう。マッピ
ングにより得られたデータは、最重要分析領域の位置情
報とともにメモリ6に記憶される。
【0036】ステップS5:前記ステップS4で行なわ
れる最重要分析領域のマッピングの工程を監視し、マッ
ピングが終了した場合にはステップS9の工程に進み、
マッピングが継続中の場合にはステップS6〜ステップ
S8の処理によりデータの良否に応じた処理を行なう。
【0037】ステップS6:マッピング継続中におい
て、最重要分析領域のマッピングのデータの良否を判定
し、得られたデータに何らかの不都合がある場合には次
のステップS7の工程に進み、得られたデータが良好の
場合にはステップS5に戻り最重要分析領域のマッピン
グの工程の監視を続行する。
【0038】ステップS7:前記ステップS6の工程で
最重要分析領域のマッピングのデータに欠陥が発見され
た場合には、その分析を中断する。
【0039】ステップS8:前記ステップS7の分析の
中断後、試料3の分析における電子ビーム2の加速電
圧、電子ビーム流、ビーム径等の分析条件を、前記ステ
ップS1で設定したものから変更して再設定を行なって
ステップS4の工程に戻り、再分析の処理を行なう。
【0040】ステップS9:前記ステップS1〜ステッ
プS8の工程により最重要分析領域での分析が終了した
後、分析領域中のその他の小分析領域におけるマッピン
グを行なう。このその他の小分析領域におけるマッピン
グにおいては、例えば図4〜図6の例において示したよ
うに、あらかじめ定めておいた分析順序のアルゴリズム
に従って小分析領域の分析順序を設定し、その順序に従
って小分析領域間での移動を行う。そして、得られたデ
ータを前記最重要分析領域のデータと同様に、小分析領
域の位置情報とともにメモリ6に記憶する。
【0041】ステップS10:全分析領域中でのマッピ
ングの工程の終了を監視し、マッピングの工程が終了し
ていない場合には再びステップS9に戻って残りの小分
析領域のマッピングを行い、終了した場合には前記マッ
ピングにより得られた最重要分析領域のデータとその他
の分析領域のデータをメモリ6から読み出し、信号処理
手段7において1つのマッピングデータを生成する。こ
のマッピングデータは分析領域全体のデータとなる。
【0042】(本発明の実施例1特有の効果)前記構成
によって、実施例1における小分析領域の分析順序は、
最重要分析領域のみを指定することによってあらかじめ
定められた分析順序のアルゴリズムに従って設定するこ
とができる。
【0043】(本発明の実施例1の変形例)この実施例
1では、分析領域Aを小分析領域A1〜A16の16個
の等しい大きさの小分析領域に分割しているが、分割の
個数及び分割した個々の小分析領域の大きさはこれに限
定されるものではなく、任意の個数及び任意の大きさに
分割することができる。また、図2においては、小分析
領域A1〜A16を矩形の領域に分割しているが、領域
の形状はこの矩形に限定されるものではなく、任意の形
状とすることができる。
【0044】また、小分析領域におけるデータの重要度
の設定、及びその重要度に対応した分析領域の分析の順
序の設定は、前記実施例1に限定されるものではなく、
任意に設定することができる。
【0045】また、小分析領域間の分析順序の設定は、
小分析領域におけるデータの重要度に対応させることな
く任意に設定することもできる。
【0046】(実施例2)次に、本発明の電子線分析装
置の実施例2について説明する。
【0047】(本発明の実施例2の構成)実施例2にお
ける電子線分析装置の構成及び分析領域の構成は前記実
施例1と同様であるので、説明を省略する。
【0048】(本発明の実施例2の作用)以下、実施例
2の作用について説明する。実施例2の作用において前
記実施例1とは、最重要分析領域以外の他の小分析領域
の分析の順序の指定において相違し、その他の手順につ
いては前記実施例1の作用とほぼ同様である。そこで、
以下では実施例1と相違する作用についてのみ、図1、
図9及び図10を用いて説明する。
【0049】図9は、本発明の実施例2のマッピングの
フローチャートであり、図10は分析領域の指定のフロ
ーチャートである。
【0050】前記実施例1においては、マッピングにお
ける小分析領域間の分析の順序をあらかじめ定められた
アルゴリズムに従って自動的に設定するのに対して、実
施例2においては分析する領域を最重要分析領域の分析
の後に逐次指定していく点で相違している。図9に示す
実施例2のマッピングのフローチャートにおいて、前記
実施例1のマッピングのフローチャートと相違は、図7
に示す前記実施例1のフローチャートのステップS5と
ステップS9の間にステップSaの他の分析領域の指定
を設けたところにある。
【0051】この他の分析領域の指定を行なう工程につ
いて、図10のフローチャートを用いて説明する。
【0052】ステップSa−1:はじめに、CRT上に
分析領域を分割した小分析領域と、ステップS3におい
て指定した最重要分析領域と、既に指定した小分析領域
を表示する。この表示は、オペレータが次の小分析領域
を指定するための案内とするためである。
【0053】ステップSa−2:次に、前記ステップS
a−1の工程におけるCRT9の表示やそれまでの分析
結果を参考にして、次に分析を行なう小分析領域を決定
し、図示されないポインティングデバイスによって指定
を行なう。なお、このポインティングデバイスの指定信
号は、領域順序指定手段13が有する記憶手段等に入力
される。
【0054】ステップSa−3:前記ステップSa−2
において出力された小分析領域の指定信号は、領域順序
指定手段13が有する記憶手段等に記憶される。
【0055】この分析領域の順序の指定が完了した後、
記憶手段に記憶された指定順序に従ってステップS9の
工程によりマッピングを行ない、その後は前記実施例1
と同様にマッピング生成の処理が行なわれる。
【0056】なお、ステップS10において、全領域の
マッピングが終了していない場合には、再びステップS
aのその他の分析領域の指定工程に戻り、未指定の小領
域から次に分析を行なう領域を選択し、前記と同様の処
理が続行される。
【0057】(本発明の実施例2特有の効果)小分析領
域の指定を、最重要分析領域の分析結果やその他の小分
析領域分析結果に基づいて適宜設定することができ、試
料のデータに適応した分析領域の分析の順番を設定する
ことができる。
【0058】(本発明の実施例2の変形例)前記ポイン
ティングデバイスとしては、例えばジョイスティク、ト
ラックボール、マウス等の通常使用される手段を用いる
ことができる。
【0059】(実施例3)次に、本発明の電子線分析装
置の実施例3について説明する。
【0060】(本発明の実施例3の構成)実施例3にお
ける電子線分析装置の構成及び分析領域の構成は前記実
施例1及び実施例2と同様であるので、説明を省略す
る。
【0061】(本発明の実施例3の作用)以下、実施例
3の作用について説明する。実施例3の作用において前
記実施例1及び実施例2とは、最重要分析領域以外の他
の小分析領域の分析の順序の指定において相違し、その
他の手順については前記実施例1及び実施例2の作用と
ほぼ同様である。そこで、以下では実施例1及び実施例
2と相違する作用についてのみ、図1、図9及び図11
を用いて説明する。
【0062】本発明の実施例3のマッピングのフローチ
ャートは、前記実施例2と同様に図9により示され、分
析領域の指定のフローチャートは、図11に示される。
【0063】前記実施例1においては、マッピングにお
ける小分析領域間の分析の順序をあらかじめ定められた
アルゴリズムに従って自動的に設定するのに対して、実
施例3においては分析する領域を最重要分析領域の分析
の後に全ての小分析領域を指定する点で相違している。
なお、図9に示す実施例2のマッピングのフローチャー
トにおいて、前記実施例1のマッピングのフローチャー
トと相違は、図7に示す前記実施例1のフローチャート
のステップS5とステップS9の間にステップSaの他
の分析領域の指定を設けたところにあり、この点におい
ては前記実施例1と同様である。
【0064】この他の分析領域の指定を行なう工程につ
いて、図11のフローチャートを用いてステップSbの
符号に従って説明する。
【0065】ステップSb−1:はじめに、CRT上に
分析領域を分割した小分析領域と、ステップS3におい
て指定した最重要分析領域を表示する。この表示は、オ
ペレータが小分析領域を指定するための案内とするため
である。
【0066】ステップSb−2:次に、前記ステップS
b−1の工程におけるCRT9の表示を参照して、次に
分析を行なう小分析領域の分析順序を決定し、図示され
ないポインティングデバイスによって指定を行なう。な
お、このポインティングデバイスの指定信号は、領域順
序指定手段13が有する記憶手段に入力される。
【0067】ステップSb−3:前記ステップSb−2
において出力された小分析領域の指定信号は、領域順序
指定手段13が有する記憶手段に記憶される。
【0068】ステップSb−4:分析領域中の小分析領
域について全ての分析の順序の指定が終了したか否か判
定し、全ての分析の順序の指定が終了するまでステップ
Sb−2及びステップSb−3の工程を繰り返す。
【0069】この分析領域の順序の指定が完了した後、
記憶手段に記憶された指定順序に従ってステップS9の
工程によりマッピングを行ない、その後は前記実施例1
と同様にマッピング生成の処理が行なわれる。
【0070】(本発明の実施例3の作用)以下、実施例
3の作用について説明するが、実施例3の作用は前記実
施例2の作用とほぼ同様であるため、以下では実施例2
と相違する作用についてのみ説明する。
【0071】(本発明の実施例3特有の効果)小分析領
域の指定を、一度に行なうことができ、最重要分析領域
の分析後の処理時間を短縮することができる。
【0072】(実施例4)次に、本発明の電子線分析装
置の実施例4について説明する。
【0073】(本発明の実施例4の構成)実施例4にお
ける電子線分析装置の構成及び分析領域の構成は前記実
施例1、実施例2及び実施例3と同様であるので、説明
を省略する。
【0074】(本発明の実施例4の作用)以下、実施例
4の作用について説明する。実施例4の作用において前
記実施例1とは、最重要分析領域の指定の工程部分にお
いて相違し、その他の手順については前記実施例1の作
用とほぼ同様である。そこで、以下では実施例1と相違
する作用についてのみ、図1、図12及び図13を用い
て説明する。
【0075】図12は、本発明の実施例4のマッピング
のフローチャートであり、図13は分析領域の指定のフ
ローチャートである。
【0076】前記実施例1においては、マッピングにお
ける小分析領域間の分析の順序をあらかじめ定められた
アルゴリズムに従って自動的に設定するのに対して、実
施例4においては最重要分析領域を含めた小分析領域す
べてについて一度に指定するものである。図12に示す
実施例4のマッピングのフローチャートにおいて、前記
実施例1のマッピングのフローチャートと相違は、図7
に示す前記実施例1のフローチャートのステップS3の
部分であり、このステップS3において最重要分析領域
を含めた小分析領域すべてについて分析順序を指定する
点にある。
【0077】この最重要分析領域を含めた小分析領域す
べてについて分析順序の指定を行なう工程について、図
13のフローチャートを用いてステップSbの符号に従
って説明する。
【0078】ステップSc−1:はじめに、CRT上に
分析領域を分割した小分析領域を表示する。この表示
は、オペレータが小分析領域を指定するための案内とす
るためである。
【0079】ステップSc−2:次に、前記ステップS
c−1の工程におけるCRT9の表示を参照して、最重
要分析領域とその後に分析を行なう小分析領域の分析順
序を決定し、図示されないポインティングデバイスによ
って指定を行なう。なお、このポインティングデバイス
の指定信号は、領域順序指定手段13が有する記憶手段
に入力される。
【0080】ステップSc−3:前記ステップSc−2
において出力された小分析領域の指定信号は、領域順序
指定手段13が有する記憶手段に記憶される。
【0081】ステップSb−4:分析領域中の小分析領
域について全ての分析の順序の指定が終了したか否か判
定し、全ての分析の順序の指定が終了するまでステップ
Sc−2及びステップSc−3の工程を繰り返す。
【0082】この分析領域の順序の指定が完了した後、
記憶手段に記憶された指定順序に従ってステップS9の
工程によりマッピングを行ない、その後は前記実施例1
と同様にマッピング生成の処理が行なわれる。
【0083】(本発明の実施例4特有の効果)分析領域
の分析の順序の指定を最重要分析領域の指定と同時に行
なうことができ、分析領域の指定のための時間を短縮す
ることができる。
【0084】(変形例)なお、本発明は上記実施例に限
定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変
形が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するも
のではない。
【0085】前記実施例においては、マッピング分析を
試料ステージを2次元的に走査することにより行ってい
るが、電子ビーム等の励起源を2次元的に走査すること
により行うこともできる。励起源を2次元的に走査する
場合には、前記実施例の領域順序指定手段により電子ビ
ーム等の励起源を偏向させる手段を制御して、励起源を
2次元的に振らせることより行うことができる。この場
合には、走査手段として、前記実施例のステージ走査手
段に代えて励起源走査手段とする。
【0086】また、本発明は電子線マイクロアナライザ
に限らず励起源を試料に照射して種々の信号を検出器す
ることにより表面分析を行なう種々の分析装置に適用す
ることができる。
【0087】また、本発明では、分析データの良否の判
定を分析者等のオペレータによって行っているが、画像
処理等の技術により検出した画像の特徴を抽出し、さら
かじめ設定しておいたしきい値との比較により自動的に
判定を行うことも可能である。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電子線分析装置において、試料の分析領域内の重要な領
域のデータを短時間で得ることができるという効果が得
られる。
【0089】また、本発明の電子線分析装置を用いたマ
ッピング分析によれば、分析領域内でもっとも重要な領
域から順にデータを得ることができるため、分析条件の
設定ミス等により良好なデータが得られないという状態
を分析開始後すぐに確認することができるため、再分析
に要する時間を大幅に短縮することができるという二次
的な効果を有し、また、試料へのダメージを最小限にと
どめることができるという二次的な効果も有している。
【0090】また、分析装置の状態が時間的に変動する
場合においても、重要領域のデータが先に得られている
ため、重要性を加味した場合のデータの変動が減少し、
全体として良好な結果を得ることができるという二次的
な効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子線分析装置のブロック構成図であ
る。
【図2】本発明の電子線分析装置における分析領域を説
明する図である。
【図3】本発明の実施例の小分析領域の重要度を説明す
る図である。
【図4】本発明の実施例の小分析領域の分析順序を説明
する図である。
【図5】本発明の実施例の小分析領域の分析順序を説明
する図である。
【図6】本発明の実施例の小分析領域の分析順序を説明
する図である。
【図7】本発明の実施例1のマッピングのフローチャー
トである。
【図8】従来の電子線分析装置のマッピング分析を説明
する図である。
【図9】本発明の実施例2及び実施例3のマッピングの
フローチャートである。
【図10】分析領域の指定のフローチャートである。
【図11】分析領域の指定のフローチャートである。
【図12】実施例4のマッピングのフローチャートであ
る。
【図13】分析領域の指定のフローチャートである。
【符号の説明】
1…電子銃、2…電子ビーム、3…試料、4…分光結
晶、5…X線検出器、6…メモリ、7…信号処理手段、
8…ビデオメモリ、9…CRT、11…X−Yステー
ジ、12…ステージ走査手段、13…領域順序指定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 23/00 - 23/227

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料に電子ビームを照射し、この照射に
    よって試料から発生する信号を検出することにより試料
    の表面観察や元素分析を行う電子線分析装置において、 前記電子ビームあるいは前記試料を支持する試料ステー
    ジを2次元的に走査する走査手段と、 3個以上の小分析領域によりなる前記試料の分析領域に
    おいて、前記小分析領域の走査順序を指定する領域順序
    指定手段とを有し、 前記領域順序指定手段により前記走査手段を制御して、
    前記領域順序指定手段において指定した走査順序に従っ
    て前記電子ビームあるいは前記試料ステージを2次元的
    に走査し、 前記小分析領域中の最重要分析領域のマッピング中にデ
    ータの良否判定を行う、電子線分析装置。
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