JP3303252B2 - 椅子の背凭れ板取付装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、椅子の座席の下部
より後上方に立ち上がる背杆に、背凭れ板を取り付ける
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、椅子の座席下部より後上方に立ち
上がる背杆の上部に、背凭れ板を取り付けるには、背凭
れ板の複数箇所にナットを埋設し、これらのナットと対
向して背杆上部に取付孔を穿設し、各ナットと取付孔の
位置を合わせて背凭れ板に背杆を当接させた後、背杆の
背面側より止めねじを取付孔に挿通してナットに螺合
し、背凭れ板と背杆とを止着していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述の従来手段による
と、小型の椅子では、背凭れ板は充分の強度を持ちうる
が、背凭れ板の上下寸法が大きく、かつ背凭れ板が傾斜
装置により大きく後傾するものでは、背凭れ板及び背杆
に大きな負荷が加わるため、背凭れ板及び背杆が破損す
るおそれがある。また、背凭れ板のナットと、背杆上部
の取付孔の位置あわせが面倒であり、背凭れ板と背杆と
の止着に時間がかかる。

【０００４】本発明は、上述のような問題点に鑑みてな
されたもので、背凭れ板の上下寸法が大きく、かつ背凭
れ板が傾斜装置により大きく後傾するものでも、背凭れ
板及び背杆が破損することがないように充分な強度をも
ち、また、背凭れ板におけるナットと背杆上部の取付孔
の位置合わせが容易で、背凭れ板と背杆との止着を短時
間で行えるようにした、椅子の背凭れ板取付装置を提供
することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明によると、上記課
題は、次のようにして解決される。 (１) クッション体を前面に装着した背凭れ板と、この
背凭れ板の背面に止着された背杆とを備え、前記背凭れ
板の背面側に、左右１対の上下方向に延びる凸部を設け
るとともに、背杆の前面には、前記各凸部に嵌合して、
これを背面から覆う上下方向に延びる左右１対の凹溝を
設け、前記両凸部と凹溝とを係合させて止着する。

【０００６】(２) 上記(１)項において、背凭れ板にお
ける各凸部の背面と、この背面に対向する背杆の凹溝の
底面とを当接し、この凹溝の背面から、止めねじを挿入
して、背凭れ板を背杆に止着する。

【０００７】

【発明の実施の態様】図３は、座席部及び背凭れ部が一
体に繋がったクッション体(２)を有する背凭れ椅子(１)
を示す。背凭れ(３)の内部には、背杆(４)が、座席の下
から後上方に立ち上がっている。この背杆(４)は、図１
の右側によく示されている。背杆(４)の下端の横向きの
枢軸(4a)は、背凭れ(３)の傾斜装置の一部分を構成して
いる。

【０００８】背杆(４)の前面には、背凭れ板(５)が取り
付けられている。背凭れ板(５)の前面には、クッション
体(２)が装着される。この背凭れ板(５)は、図１の左側
によく示されている。

【０００９】図１から明らかなように、背凭れ板(５)の
背面には、上下方向に延びる左右の凸部(６)(６)が、互
いに平行に２条形成されている。背凭れ板(５)は、例え
ば合成樹脂材料のような硬質材を成形してなり、前記凸
部(６)は、係合孔(７)や補強用のリブ(８)等とともに一
体的に形成されている。凸部(６)の背面の上下には、ね
じ孔(6a)(6a)が穿設されている。

【００１０】背杆(４)の前面両側部には、上下方向に延
びる凹溝(９)(９)が、平行に形成されている。凹溝(９)
は、背凭れ板(５)の前記凸部(６)を嵌合するのに充分な
幅及び深さのものである。

【００１１】従って、各凸部(６)に凹溝(９)を嵌合させ
た状態では、背杆(４)のふたつの凹溝(９)(９)の間の中
央部分(10)は、背凭れ板(５)の背面に当接する。

【００１２】この状態で、前述の背凭れ板(５)の凸部
(６)のねじ孔(6a)と、背杆(４)の凹溝(９)の底面に穿設
したねじ孔(9a)とを合致させ、止めねじ(11)(図２参照)
により、背凭れ板(５)を背杆(４)に固定する。この時、
背凭れ板(５)の凸部(６)の背面は、背杆(４)の凹溝(９)
の底面に当接する。

【００１３】

【発明の効果】請求項１記載の発明によれば、背凭れ板
の背面における上下方向に延びる凸部と、背杆の前面に
おける凹溝とを係合させて止着するようにしたので、背
凭れ板及び背杆ともに、後方への曲げ及びねじれに対す
る強度は大であり、背凭れ板の上下寸法が大きく、かつ
背凭れ板が傾斜装置により大きく後傾するものでも、背
凭れ板及び背杆が妄りに破損することがないような充分
な強度を持つものが得られる。

【００１４】また、背凭れ板の凸部に背杆の凹溝を嵌合
させることにより、背凭れ板と背杆との位置合わせが容
易にでき、背凭れ板と背杆との止着を短時間に行える。

【００１５】しかも、前記凸部および凹溝は、左右に１
対設けられているので、後方への曲げ及びねじれに対す
る強度はきわめて大である。

【００１６】請求項２記載の発明によると、背凭れ板と
背杆が相対的に移動するのが、効果的に防止される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を適用した背凭れ板の背面と背杆の前面
とを、左右に開いた状態で示す斜視図である。

【図２】背凭れ板と背杆とを結合した状態で示す横断面
図で、図１のII-II線に沿う拡大断面図である。

【図３】本発明を適用した背もたれ椅子の、一部を破断
して示す側面図である。

【符号の説明】

(１)背凭れ椅子 (２)クッション体 (３)背凭れ (４)背杆 (4a)枢軸 (５)背凭れ板 (６)凸部 (6a)ねじ孔 (７)係合孔 (８)補強用のリブ (９)凹溝 (9a)取付孔 (10)中央部分 (11)止めねじ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A47C 7/40

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 クッション体を前面に装着した背凭れ板
   と、この背凭れ板の背面に止着された背杆とを備え、前
   記背凭れ板の背面側に、左右１対の上下方向に延びる凸
   部を設けるとともに、背杆の前面には、前記各凸部に嵌
   合して、これを背面から覆う上下方向に延びる左右１対
   の凹溝を設け、前記両凸部と凹溝とを係合させて止着し
   たことを特徴とする椅子の背凭れ板取付装置。
2. 【請求項２】 背凭れ板における各凸部の背面と、この
   背面に対向する背杆の凹溝の底面とを当接し、この凹溝
   の背面から、止めねじを挿入して、背凭れ板を背杆に止
   着したことを特徴とする請求項１記載の椅子の背凭れ板
   取付装置。