JP3300811B2 - ニッケル金属膜形成用溶液、およびこれを用いたニッケル金属薄膜の形成方法 - Google Patents
ニッケル金属膜形成用溶液、およびこれを用いたニッケル金属薄膜の形成方法Info
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- C23C18/02—Chemical coating by decomposition of either liquid compounds or solutions of the coating forming compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating; Contact plating by thermal decomposition
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ニッケル金属薄膜
を基板上に直接形成するための原料となる金属溶液、お
よびこの金属溶液を用いたニッケル金属薄膜の形成方法
に係る。
を基板上に直接形成するための原料となる金属溶液、お
よびこの金属溶液を用いたニッケル金属薄膜の形成方法
に係る。
【0002】
【従来の技術】従来、ニッケル金属薄膜は、電気メッキ
法や化学メッキ法、印刷法、蒸着法等といった方法によ
り一般に形成されている。
法や化学メッキ法、印刷法、蒸着法等といった方法によ
り一般に形成されている。
【0003】ニッケル金属膜を合成する最も一般的な方
法は電解法であるが、この手法を採用する場合には、コ
ーティング基板は電導性のものに限定されてしまう。一
方、無電解メッキは、絶縁体基板に金属膜をコーティン
グすることが可能であるものの、その膜厚制御は困難で
ある。しかも、このとき原料として用いられる次亜リン
酸に起因して、得られるニッケル金属膜は不純物として
リンを含有することになる。
法は電解法であるが、この手法を採用する場合には、コ
ーティング基板は電導性のものに限定されてしまう。一
方、無電解メッキは、絶縁体基板に金属膜をコーティン
グすることが可能であるものの、その膜厚制御は困難で
ある。しかも、このとき原料として用いられる次亜リン
酸に起因して、得られるニッケル金属膜は不純物として
リンを含有することになる。
【0004】また、金属粉体を主成分とする金属ペース
トを用いるスクリーン印刷を利用することもできるが、
微細ニッケル金属を用いることは容易ではない。
トを用いるスクリーン印刷を利用することもできるが、
微細ニッケル金属を用いることは容易ではない。
【0005】別の手法として、まず酸化ニッケル膜を形
成し、これを水素還元することによって金属膜に変換す
ることも知られている。しかしながら、還元雰囲気を利
用することは、コストやプロセスの面で大きな障害とな
る。しかも、こうして形成されたニッケル膜は多孔質で
ある。
成し、これを水素還元することによって金属膜に変換す
ることも知られている。しかしながら、還元雰囲気を利
用することは、コストやプロセスの面で大きな障害とな
る。しかも、こうして形成されたニッケル膜は多孔質で
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高い純度の
ニッケル金属薄膜を、簡便なプロセスで基板上に直接形
成するための原料溶液となるニッケル金属膜形成用溶液
を提供することを目的とする。
ニッケル金属薄膜を、簡便なプロセスで基板上に直接形
成するための原料溶液となるニッケル金属膜形成用溶液
を提供することを目的とする。
【0007】また本発明は、純度が高いニッケル金属薄
膜を、低コストかつ簡便なプロセスで基板上に直接形成
する方法を提供することを目的とする。
膜を、低コストかつ簡便なプロセスで基板上に直接形成
する方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、ヒドラゾンユニットを有する還元性のキ
レート型配位子と、ニッケルイオンとを含有するアルコ
ール溶液からなるニッケル金属膜形成用溶液を提供す
る。
に、本発明は、ヒドラゾンユニットを有する還元性のキ
レート型配位子と、ニッケルイオンとを含有するアルコ
ール溶液からなるニッケル金属膜形成用溶液を提供す
る。
【0009】また本発明のニッケル金属膜形成用溶液に
おいて、前記還元性の配位子は、前記ニッケルイオンの
2倍モル量で含有されていることが好ましい。
おいて、前記還元性の配位子は、前記ニッケルイオンの
2倍モル量で含有されていることが好ましい。
【0010】また本発明は、前述のニッケル金属膜形成
用溶液を基板上に塗布して、ゲル膜を形成する工程と、
得られたゲル膜を不活性ガス雰囲気中で熱処理する工程
とを具備するニッケル金属薄膜の形成方法を提供する。
用溶液を基板上に塗布して、ゲル膜を形成する工程と、
得られたゲル膜を不活性ガス雰囲気中で熱処理する工程
とを具備するニッケル金属薄膜の形成方法を提供する。
【0011】本発明のニッケル金属薄膜の形成方法にお
いて、前記ニッケル金属膜形成用溶液は、ディップ・コ
ーティング法またはスピンコーティング法により前記基
板上に塗布することができる。
いて、前記ニッケル金属膜形成用溶液は、ディップ・コ
ーティング法またはスピンコーティング法により前記基
板上に塗布することができる。
【0012】また、前記熱処理は、400℃以上の温度
で10〜30分間行われることが好ましい。
で10〜30分間行われることが好ましい。
【0013】さらに、前記基板としては、絶縁性基板を
用いることができる。
用いることができる。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明者らは、α−ヒドロキシケトンヒド
ラゾンが、酢酸金属塩のアルコールへの強い溶解促進効
果を有することを見出した。ヒドラゾンは、還元剤とし
て有効なヒドラジンユニットを含むので、この効果をさ
らに積極的に活かすことが可能となる。本発明は、こう
した知見に基づいてなされたものである。
ラゾンが、酢酸金属塩のアルコールへの強い溶解促進効
果を有することを見出した。ヒドラゾンは、還元剤とし
て有効なヒドラジンユニットを含むので、この効果をさ
らに積極的に活かすことが可能となる。本発明は、こう
した知見に基づいてなされたものである。
【0016】本発明のニッケル金属膜形成用溶液は、例
えば、還元性をもちキレート型配位子が可能となる化合
物と、ニッケル金属原料とを、溶媒としてのアルコール
に溶解することによって調製することができる。
えば、還元性をもちキレート型配位子が可能となる化合
物と、ニッケル金属原料とを、溶媒としてのアルコール
に溶解することによって調製することができる。
【0017】還元性の配位子としては、ヒドラゾン誘導
体R(R’)C=NNH2が好ましい(ここで、Rおよ
びR’は、それぞれ、置換または未置換のアルキル基な
どである)。こうした構造単位を含むキレート型化合物
としては、例えば、ヒドロキシケトンヒドラゾンやジケ
トンヒドラゾンが挙げられる。ヒドロキシケトンヒドラ
ゾンおよびジケトンヒドラゾンは、骨格構造として金属
にキレート配位し得る水酸基あるいはカルボニル基とC
=N基とを含むので、金属に強く配位することができ
る。具体的には、ヒドロキシケトンヒドラゾンおよびジ
ケトンヒドラゾンとしては、例えば、アセトールとヒド
ラジンとから合成されたアセトールヒドラゾン、および
ジアセチルとヒドラジンとから合成されたジケトンヒド
ラゾンが挙げられる。
体R(R’)C=NNH2が好ましい(ここで、Rおよ
びR’は、それぞれ、置換または未置換のアルキル基な
どである)。こうした構造単位を含むキレート型化合物
としては、例えば、ヒドロキシケトンヒドラゾンやジケ
トンヒドラゾンが挙げられる。ヒドロキシケトンヒドラ
ゾンおよびジケトンヒドラゾンは、骨格構造として金属
にキレート配位し得る水酸基あるいはカルボニル基とC
=N基とを含むので、金属に強く配位することができ
る。具体的には、ヒドロキシケトンヒドラゾンおよびジ
ケトンヒドラゾンとしては、例えば、アセトールとヒド
ラジンとから合成されたアセトールヒドラゾン、および
ジアセチルとヒドラジンとから合成されたジケトンヒド
ラゾンが挙げられる。
【0018】あるいは、ヒドロキシケトン類(アセチル
アセトンを含む)やジケトン類と、抱水ヒドラジンとの
混合物をヒドラゾンの代わりに利用することもできる。
ヒドロキシケトン類としては、具体的には、アセトー
ル、アセトイン、ベンゾイン等のα−ヒドロキシケト
ン、およびγ−ケトブタノール等のβ−ヒドロキシケト
ンなどを用いることができる。また、ジケトン類として
は、ジアセチルやベンジルなどが挙げられる。
アセトンを含む)やジケトン類と、抱水ヒドラジンとの
混合物をヒドラゾンの代わりに利用することもできる。
ヒドロキシケトン類としては、具体的には、アセトー
ル、アセトイン、ベンゾイン等のα−ヒドロキシケト
ン、およびγ−ケトブタノール等のβ−ヒドロキシケト
ンなどを用いることができる。また、ジケトン類として
は、ジアセチルやベンジルなどが挙げられる。
【0019】上述したようなヒドラゾンを用いる場合に
は、溶液中におけるその含有量は、ニッケルイオンに対
し、2倍モル量とすることが好ましい。また、ヒドロキ
シケトン類やジケトン類と抱水ヒドラジンとの混合物を
用いる場合も、各成分の含有量は、ニッケルイオンに対
して2倍モル量とすることが好ましい。2倍モル量未満
であると、時に溶液が不安定となってゲル化する場合が
あり、膜コーティングが困難となる。
は、溶液中におけるその含有量は、ニッケルイオンに対
し、2倍モル量とすることが好ましい。また、ヒドロキ
シケトン類やジケトン類と抱水ヒドラジンとの混合物を
用いる場合も、各成分の含有量は、ニッケルイオンに対
して2倍モル量とすることが好ましい。2倍モル量未満
であると、時に溶液が不安定となってゲル化する場合が
あり、膜コーティングが困難となる。
【0020】ニッケル金属原料としては、各種の無機金
属塩が利用できるが、金属膜の合成プロセスから、ハロ
ゲンや硫黄などの有害元素を含まないことが望ましい。
特に、熱分解時の腐食性ガスの発生を防止するために酢
酸ニッケルが最も好ましい。
属塩が利用できるが、金属膜の合成プロセスから、ハロ
ゲンや硫黄などの有害元素を含まないことが望ましい。
特に、熱分解時の腐食性ガスの発生を防止するために酢
酸ニッケルが最も好ましい。
【0021】また、アルコールとしては、例えば、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノー
ル、iso−ブタノール、sec−メタノール、メトキ
シエタノール、およびエトキシエタノールなどが利用で
きる。
ノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノー
ル、iso−ブタノール、sec−メタノール、メトキ
シエタノール、およびエトキシエタノールなどが利用で
きる。
【0022】本発明のニッケル金属膜形成用溶液は、例
えば、こうしたアルコールに、ニッケル金属原料として
の酢酸ニッケルを懸濁させ、次いで、ヒドラゾンを所定
量加えることによって調製することができる。あるい
は、酢酸ニッケルとヒドロキシケトンあるいはジケトン
と抱水ヒドラジンとの混合物を(1:2:2)のモル比
でアルコールに加えることによって、本発明のニッケル
金属膜形成用溶液を調製してもよい。
えば、こうしたアルコールに、ニッケル金属原料として
の酢酸ニッケルを懸濁させ、次いで、ヒドラゾンを所定
量加えることによって調製することができる。あるい
は、酢酸ニッケルとヒドロキシケトンあるいはジケトン
と抱水ヒドラジンとの混合物を(1:2:2)のモル比
でアルコールに加えることによって、本発明のニッケル
金属膜形成用溶液を調製してもよい。
【0023】得られたニッケル金属膜形成用溶液を用い
て、以下に説明するような手法により、ニッケル金属薄
膜を基板上に直接形成することができる。
て、以下に説明するような手法により、ニッケル金属薄
膜を基板上に直接形成することができる。
【0024】まず、ディップ・コーティング法、あるい
はスピンコーティング法を用いて、上述した溶液を基板
上に塗布し、ゲル膜を形成する。ここでの基板として
は、ガラスやセラミックス基板などの絶縁性基板を用い
ることができ、必要に応じて表面処理を基板に施しても
よい。表面処理としては、例えば、ゾル−ゲル法を利用
するチタニアなどの酸化物コーティング等が挙げられ
る。
はスピンコーティング法を用いて、上述した溶液を基板
上に塗布し、ゲル膜を形成する。ここでの基板として
は、ガラスやセラミックス基板などの絶縁性基板を用い
ることができ、必要に応じて表面処理を基板に施しても
よい。表面処理としては、例えば、ゾル−ゲル法を利用
するチタニアなどの酸化物コーティング等が挙げられ
る。
【0025】次いで、空気中100〜120℃でゲル膜
を乾燥させた後、窒素中などのような不活性ガス雰囲気
中で熱処理を施すことによって、ニッケル金属薄膜が形
成される。熱処理温度は400以上とすることが好まし
く、その時間は10〜30分間とすることが好ましい。
熱処理温度が400℃未満の場合には、完全な金属膜を
形成することが困難となる。また、熱処理時間が10分
未満の場合には、ニッケル生成反応が不完全となり、一
方、30分を越えると、ガス中に含まれる水分や酸素の
影響によって、酸化ニッケルが生成するおそれがある。
なお、熱処理温度の上限は特に限定されないが、雰囲気
中の酸素成分によるニッケルの酸化を防止するために
は、600℃程度とすることが好ましい。
を乾燥させた後、窒素中などのような不活性ガス雰囲気
中で熱処理を施すことによって、ニッケル金属薄膜が形
成される。熱処理温度は400以上とすることが好まし
く、その時間は10〜30分間とすることが好ましい。
熱処理温度が400℃未満の場合には、完全な金属膜を
形成することが困難となる。また、熱処理時間が10分
未満の場合には、ニッケル生成反応が不完全となり、一
方、30分を越えると、ガス中に含まれる水分や酸素の
影響によって、酸化ニッケルが生成するおそれがある。
なお、熱処理温度の上限は特に限定されないが、雰囲気
中の酸素成分によるニッケルの酸化を防止するために
は、600℃程度とすることが好ましい。
【0026】このように、いわゆる塗膜熱分解法によっ
て、純度の高いニッケル金属薄膜を、絶縁性基板上に直
接形成することが可能となった。
て、純度の高いニッケル金属薄膜を、絶縁性基板上に直
接形成することが可能となった。
【0027】また、次のようなTiO2プレコート法を
用いることによって、ニッケル金属薄膜と基板との密着
性や、金属薄膜の均一性をよりいっそう向上させること
ができる。このTiO2プレコート法とは、ディップコ
ーティング法によってチタンアルコキシドから得られる
ゾルを利用してコーティングする、一般的にゾル−ゲル
法と呼ばれる手法である。
用いることによって、ニッケル金属薄膜と基板との密着
性や、金属薄膜の均一性をよりいっそう向上させること
ができる。このTiO2プレコート法とは、ディップコ
ーティング法によってチタンアルコキシドから得られる
ゾルを利用してコーティングする、一般的にゾル−ゲル
法と呼ばれる手法である。
【0028】さらに、上述したようなゲル膜の堆積、乾
燥および熱処理の工程を繰り返すことによって、得られ
るニッケル金属薄膜の膜厚を制御することも可能であ
る。
燥および熱処理の工程を繰り返すことによって、得られ
るニッケル金属薄膜の膜厚を制御することも可能であ
る。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、具体例を示して本発明をさ
らに詳細に説明する。
らに詳細に説明する。
【0030】まず、下記反応式で表されるようなアセト
ールとヒドラジンとのin−situ反応を利用して、
次のような手法により本発明のニッケル金属膜形成用溶
液を調製した。
ールとヒドラジンとのin−situ反応を利用して、
次のような手法により本発明のニッケル金属膜形成用溶
液を調製した。
【0031】
【化1】
【0032】具体的には、ニッケル金属原料に対するモ
ル比R=2のアセトールおよびヒドラジンを2−プロパ
ノール溶媒に室温で溶解して5時間以上攪拌し、この混
合溶液を放置した。次いで、ニッケル金属原料としての
Ni(OAc)2・4H2Oを添加して攪拌した後、1時
間還流して本発明のニッケル金属膜形成用溶液を調製し
た。得られた溶液におけるNi原子濃度は0.5Mであ
った。
ル比R=2のアセトールおよびヒドラジンを2−プロパ
ノール溶媒に室温で溶解して5時間以上攪拌し、この混
合溶液を放置した。次いで、ニッケル金属原料としての
Ni(OAc)2・4H2Oを添加して攪拌した後、1時
間還流して本発明のニッケル金属膜形成用溶液を調製し
た。得られた溶液におけるNi原子濃度は0.5Mであ
った。
【0033】この溶液を、基板としての耐熱ガラス(コ
ーニング#7059)上にディップコーティング法によ
り塗布して、ゲル膜を形成した。この際、基板の引き上
げ速度は6cm/分とした。得られたゲル膜を110℃
で10分間乾燥し、さらに、窒素中、400〜600℃
で30分間の熱処理を施した。
ーニング#7059)上にディップコーティング法によ
り塗布して、ゲル膜を形成した。この際、基板の引き上
げ速度は6cm/分とした。得られたゲル膜を110℃
で10分間乾燥し、さらに、窒素中、400〜600℃
で30分間の熱処理を施した。
【0034】以上のような塗布、乾燥、熱処理の工程を
5回繰り返して、基板上にニッケル金属薄膜を形成し
た。得られた薄膜の膜厚は、約80nmであった。
5回繰り返して、基板上にニッケル金属薄膜を形成し
た。得られた薄膜の膜厚は、約80nmであった。
【0035】さらに、用いる化合物の種類やモル比など
を変更する以外は、上述と同様の手法により数種類の金
属溶液を調製し、それを用いて薄膜の形成を試みた。
を変更する以外は、上述と同様の手法により数種類の金
属溶液を調製し、それを用いて薄膜の形成を試みた。
【0036】各溶液におけるNi(OAc)2・4H2O
の溶解性を目視により観察するとともに、形成された薄
膜の状態をX線回折により観察して、得られた結果を下
記表1にまとめる。
の溶解性を目視により観察するとともに、形成された薄
膜の状態をX線回折により観察して、得られた結果を下
記表1にまとめる。
【0037】
【表1】
【0038】表1に示されるように、アセトールとヒド
ラジンとの混合物(R=2)は、極めて有効な還元剤と
して作用しているので、ニッケル金属薄膜を形成するこ
とができる。この混合系の効果は、上述の反応式に示し
たヒドラゾンの生成と、下記化学式に示すニッケルへの
配位に基づいている。
ラジンとの混合物(R=2)は、極めて有効な還元剤と
して作用しているので、ニッケル金属薄膜を形成するこ
とができる。この混合系の効果は、上述の反応式に示し
たヒドラゾンの生成と、下記化学式に示すニッケルへの
配位に基づいている。
【0039】
【化2】
【0040】上記化学式中、Xは溶媒を表す。
【0041】なお、ヒドラジンおよびヒドロキシケトン
は、単独では還元剤としての作用を有さないことが、表
1の結果から明らかである。
は、単独では還元剤としての作用を有さないことが、表
1の結果から明らかである。
【0042】図1には、上述したような本発明の方法に
より形成されたニッケル金属薄膜のXRDパターンの熱
処理温度依存性を示す。図1から、400℃で熱処理を
行った場合に、最も純度の高い金属ニッケル薄膜が得ら
れることがわかる。
より形成されたニッケル金属薄膜のXRDパターンの熱
処理温度依存性を示す。図1から、400℃で熱処理を
行った場合に、最も純度の高い金属ニッケル薄膜が得ら
れることがわかる。
【0043】本発明の方法により形成されたニッケル金
属薄膜の膜厚および比抵抗値を測定し、得られた結果を
下記表2に示す。ここでは、上述したTiO2プレコー
ト法を用いて、ニッケル金属薄膜と基板との密着性をさ
らに向上させた。なお、表2には、従来の2段階(酸化
ニッケルの水素還元法)により得られたニッケル薄膜に
ついての結果、および純ニッケル(文献値:東京化学同
人、化学辞典)についての結果も併せて示した。
属薄膜の膜厚および比抵抗値を測定し、得られた結果を
下記表2に示す。ここでは、上述したTiO2プレコー
ト法を用いて、ニッケル金属薄膜と基板との密着性をさ
らに向上させた。なお、表2には、従来の2段階(酸化
ニッケルの水素還元法)により得られたニッケル薄膜に
ついての結果、および純ニッケル(文献値:東京化学同
人、化学辞典)についての結果も併せて示した。
【0044】
【表2】
【0045】本発明の方法により形成されたニッケル金
属薄膜は、従来の2段階で得られたニッケル薄膜とほぼ
同程度であるが、純ニッケルの約2倍の比抵抗値を有す
ることが、表2の結果から明らかである。
属薄膜は、従来の2段階で得られたニッケル薄膜とほぼ
同程度であるが、純ニッケルの約2倍の比抵抗値を有す
ることが、表2の結果から明らかである。
【0046】このように、還元性を有する配位子とニッ
ケルイオンとを含有する本発明の金属溶液を基板上に塗
布してゲル膜を形成し、これを窒素などの不活性ガス雰
囲気中で熱処理するという本発明の方法を用いることに
よって、基板上に高純度のニッケル金属薄膜を直接形成
することが初めて可能となった。
ケルイオンとを含有する本発明の金属溶液を基板上に塗
布してゲル膜を形成し、これを窒素などの不活性ガス雰
囲気中で熱処理するという本発明の方法を用いることに
よって、基板上に高純度のニッケル金属薄膜を直接形成
することが初めて可能となった。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
高い純度のニッケル金属薄膜を、簡便なプロセスで基板
上に直接形成するための原料溶液となるニッケル金属膜
形成用溶液が提供される。また本発明によれば、純度が
高い可能なニッケル金属薄膜を、低コストかつ簡便なプ
ロセスで基板上に直接形成する方法が提供される。
高い純度のニッケル金属薄膜を、簡便なプロセスで基板
上に直接形成するための原料溶液となるニッケル金属膜
形成用溶液が提供される。また本発明によれば、純度が
高い可能なニッケル金属薄膜を、低コストかつ簡便なプ
ロセスで基板上に直接形成する方法が提供される。
【0048】本発明を用いることによって、導電性を有
しない基板上にも純度の高い良質なニッケル金属薄膜を
直接形成することが可能となり、その工業的価値は絶大
である。
しない基板上にも純度の高い良質なニッケル金属薄膜を
直接形成することが可能となり、その工業的価値は絶大
である。
【図1】ニッケル金属薄膜のXRDパターンの熱処理温
度依存性を表すチャート図。
度依存性を表すチャート図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 18/08 JICSTファイル(JOIS)
Claims (6)
- 【請求項1】 ヒドラゾンユニットを有する還元性のキ
レート型配位子と、ニッケルイオンとを含有するアルコ
ール溶液からなるニッケル金属膜形成用溶液。 - 【請求項2】 前記還元性のキレート型配位子は、前記
ニッケルイオンの2倍モル量で含有されている請求項1
に記載のニッケル金属膜形成用溶液。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載のニッケル金属
膜形成用溶液を基板上に塗布して、ゲル膜を形成する工
程と、得られたゲル膜を不活性ガス雰囲気中で熱処理す
る工程とを具備するニッケル金属薄膜の形成方法。 - 【請求項4】 前記ニッケル金属膜形成用溶液は、ディ
ップ・コーティング法またはスピンコーティング法によ
り前記基板上に塗布される請求項3に記載のニッケル金
属薄膜の形成方法。 - 【請求項5】 前記熱処理は、400℃以上の温度で1
0〜30分間行われる請求項3または4に記載のニッケ
ル金属薄膜の形成方法。 - 【請求項6】 前記基板は、絶縁性基板である請求項3
ないし5のいずれか1項に記載のニッケル金属薄膜の形
成方法。
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