JP3299356B2 - 地中埋設体と地下管路との貫通状態判別方法 - Google Patents

地中埋設体と地下管路との貫通状態判別方法

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JP3299356B2 JP25611093A JP25611093A JP3299356B2 JP 3299356 B2 JP3299356 B2 JP 3299356B2 JP 25611093 A JP25611093 A JP 25611093A JP 25611093 A JP25611093 A JP 25611093A JP 3299356 B2 JP3299356 B2 JP 3299356B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、棒状または管状の地中
埋設体と地下管路とを伝播する音響を用いて、地中を掘
削することなく、前記地中埋設体がこれに近接する地下
管路を貫通しているかどうかを判別する判別方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】家庭用ガス管などの地中に埋設される棒
状または管状の地中埋設体は、これに近接する下水管な
どの地下管路から、30cm以上離隔して埋設されるよ
う定められている。しかし、実際には、前記地下管路と
地中埋設体との交差部分で、前記地中埋設体が前記地下
管路を貫通して埋設されていることがある。このような
場合、鋼管などによって実現される前記地中埋設体は、
地下管路内を流れる水分によって腐食されやすく、また
腐食された地中埋設体は、地盤の変動などによって折損
する可能性がある。このような事態の発生を防止するた
めに、前記地中埋設体が、これに近接する地下管路を貫
通している箇所を探し出し、当該地中埋設体を適当な場
所に移設するか、前記地中埋設体に防食および補強など
の処理を施す必要がある。
【0003】このため従来、道路などの地中に埋設され
た地中埋設体に沿って、地中を掘削し、前記地中埋設体
と前記地下管路との交差部分を露出し、目視によって前
記地中埋設体が地下管路を貫通しているかどうかを確認
する作業が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のよう
に、掘削位置を特定せず、地中埋設体に沿って地中を掘
削していく作業は、労力と時間とを必要とする。このた
め、実際に地中埋設体が地下管路を貫通している箇所を
探し出すまでの間に、多大な労力と時間とを費やしてし
まい、処理を施すべき地中埋設体は、その間に腐食が進
行してしまうという問題がある。
【0005】本発明の目的は、地中埋設体と地下管路と
を伝播する音響信号を用いて、地中を掘削することな
く、地中埋設体と地下管路との貫通状態を判別すること
ができる地中埋設体と地下管路との貫通状態判別方法を
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、地中埋設体の
地上露出部に音響信号を与え、地中埋設体に近接する地
下管路内を伝播する音響信号を受信し、受信した音響信
号のうちから周波数が異なる成分の音圧値を測定し、高
周波成分の音圧値と低周波成分の音圧値との比が予め定
める値以上に大きいとき貫通状態と判別することを特徴
とする地中埋設体と地下管路との貫通状態判別方法であ
る。
【0007】
【作用】本発明に従えば、地中埋設体の地上露出部に音
響信号を与え、地中埋設体に近接する地下管路内を伝播
する音響信号を受信する。さらに、受信した音響信号の
うちから、周波数の異なる成分の音圧値を測定し、高周
波成分の音圧値と低周波成分の音圧値との比が、予め定
める値以上に大きいとき、地中埋設体が地下管路を貫通
している状態であると判別する。したがって、従来のよ
うに、地中に埋設された地中埋設体に沿って地中を掘削
し、目視によって地中埋設体が、これに近接する地下管
路を貫通しているかどうかを調べる必要がなく、掘削作
業にかかる労力と時間とを節約することができる。これ
によって、地下管路を貫通している地中埋設体を、速や
かに探し出すことができ、当該地中埋設体の移設または
当該地中埋設体に防食および補強処理を施すなどの処置
を速やかに行うことができる。このため、地中埋設体が
地下管路を貫通していることによって生じる地中埋設体
の折損などの事故を防止するための作業を効率よく行う
ことができる。
【0008】
【実施例】図1は、本発明の一実施例である地中埋設体
1と地下管路2との貫通状態判別方法を示す簡略化した
断面図および斜視図である。図1(a)は、地中埋設体
1と地下管路2との地中における配置を示す断面図であ
る。図1(b)は、地中埋設体1と地下管路2との貫通
状態を示す斜視図である。図1(a)は、図1(b)の
切断面線I−Iから見た断面図である。図1(a),
(b)に示すように、家庭用ガス管などの地中埋設体1
は、たとえば地表からの距離L1が約0.6mの地中に
埋設され、配管されている。前記地中埋設体1の一方端
部は、鉛直方向上方に向かって配置され、地表から露出
して各家庭内に配管される。前記地中埋設体1は、たと
えば直径が25mmの鋼管によって実現される。また、
地中には、下水管などの地下管路2が、たとえば地表か
らの距離L4が約0.6mの地中に埋設されて配管され
ている。前記地下管路2は、たとえば、直径150mm
の陶管によって実現され、それぞれ約0.7mの間隔で
継ぎ合わされている。また、地下管路2には、前記地下
管路2の保守・点検などのために、予め定められる間隔
をおいて、開口部5が設けられている。前記地中埋設体
1と地下管路2とは地点Qで交差し、鉛直上方に向かっ
て配置される地中埋設体1と地点Qとの距離L2は、た
とえば約1mである。前記地中埋設体1は、たとえば地
下管路2と交差する地点Qにおいて、地下管路2の上部
を貫通している。
【0009】図2は、本実施例の地中埋設体1と地下管
路2との貫通状態判別方法を説明するためのフローチャ
ートである。以下、図1および図2を参照して、地中埋
設体1と地下管路2との貫通状態判別方法を説明する。
図2に示すステップj1では、図示しない測定者Aが、
地中埋設体1の地表からの露出部において、当該地中埋
設体1を伝播する音響信号を発生する。前記音響信号
は、たとえば、測定者Aが、地中埋設体1をハンマー3
でたたいて発生させる。地中埋設体1をハンマー3でた
たいて発生させた音は、地中埋設体1を伝播し、地中埋
設体1と地下管路2とが接している場合には、直接地下
管路2に伝播する。また、地中埋設体1と地下管路2と
が離隔して埋設されている場合には、地中埋設体1と、
これに近接する地下管路2との間に介在される土やコン
クリートなどを介して、地下管路2に伝播される。この
ように、地下管路2に伝播された音響信号は、前記地下
管路2を伝播して、地下管路2の開口部5で受信するこ
とができる。
【0010】ステップj2では、測定者Bが、前記地中
埋設体1に近接する地下管路2の開口部5において、前
記地中埋設体1から地下管路2に伝播する音響信号を受
信し、受信した前記音響信号の時間変化を測定する。た
とえば、前記地中埋設体1と地下管路2とが交差する地
点Qからの距離L3が約4mである前記地下管路2の開
口部5において、測定者Bが、前記地中埋設体1から、
地中および地下管路2を伝播してきた前記音響信号を、
マイクロフォン4で受信し、時間変化を測定する。
【0011】ステップj3では、前記ステップj2で受
信された音響信号の周波数分析が行われる。たとえば、
マイクロフォン4に接続されたパーソナルコンピュータ
などのソフトウエアによる高速フーリエ変換によって、
受信された音響信号の中から予め定められる周波数成分
の時間変化が求められる。
【0012】ステップj4では、地中埋設体1を構成す
る材料と、地中埋設体1の露出部で発生される音響信号
とから、判別に用いる前記音響信号の高周波成分と低周
波成分との周波数が特定される。
【0013】ステップj5では、受信された音響信号の
うちからステップj4で特定された周波数の高周波成分
と低周波成分とが取出され、前記2つの周波数成分の音
圧の各ピーク値PH,PLとが比較される。すなわち、
前記高周波成分の音圧のピーク値PHと、前記低周波成
分の音圧のピーク値PLとの比、すなわちPH/PLが
求められる。
【0014】ステップj6では、受信された音響信号の
高周波成分と低周波成分との音圧のピーク値の比が10
以上であるかどうか、すなわちPH/PLの値が10以
上であるかどうかが判断される。PH/PLの値が10
以上であれば、ステップj7に移り、PH/PLの値が
10未満であればステップj8に移る。
【0015】ステップj7では、地中埋設体1と、地下
管路2とは貫通状態であると判断される。ステップj8
では、地中埋設体1と、地下管路2とは離隔していると
判断される。
【0016】図3は、地中埋設体1が地下管路2を貫通
している場合と、前記両者が20cm離隔している場合
の受信音響信号の高周波成分と低周波成分との音圧の時
間変化を示す波形図である。前記地中埋設体1は、ねじ
鋼管によって実現される家庭用ガス管であり、地下管路
2は、陶管によって実現される下水管である。地中埋設
体1と地下管路2との貫通状態の判別に用いられる音響
信号の高周波成分と低周波成分とは、それぞれ周波数1
600Hzと500Hzとに選ばれる。また、図3にお
いて、音圧は縦軸にデシベル値で表されている。前記デ
シベル値Idは、最小可聴限界の音の強さI0W/cm
2に対し、IW/cm2の音の強さを表わす場合、以下の
式で表わされる。ただし、I0=10-16W/cm2、対
数はWを底とする常用対数である。
【0017】Id=10・log(I/I0) また、音の強さを音圧で比較する場合、デシベル値Pd
は、音圧P、基準圧力P0、P0=2×10-4μbar
とすると、以下の式で表される。ただし、対数は10を
底とする常用対数である。
【0018】Pd = 20・log(P/P0) 音の強さは音圧の2乗に比例しており、ここでは最小可
聴限界の音の強さを基準としたデシベル値を用いて、音
の強さを表わす。したがって、デシベル値で10dB以
上の差があれば、音圧にすると10倍以上の音圧比にな
る。
【0019】また、横軸には、時間が表されている。波
形図下部に示される数値は、バックグラウンドの平均値
を表している。さらに、図3において、左側上方の波形
図は、地中埋設体1と地下管路2とが貫通状態にあると
きの周波数500Hzの周波数成分の音圧の時間変化を
表す。図3の左側下方の波形図は、地中埋設体1と地下
管路2とが貫通状態にあるときの周波数1600Hzの
周波数成分の音圧の時間変化を表す。図3の右側上方の
波形図は、地中埋設体1と地下管路2とが20cmの距
離をおいて埋設された状態での周波数500Hzの周波
数成分の音圧の時間変化を表す。さらに図3の右側下方
の波形図は、地中埋設体1と地下管路2とが20cmの
距離をおいて埋設された状態での周波数1600Hzの
周波数成分の音圧の時間変化を表す。
【0020】図3に示すように、地中埋設体1と地下管
路2とが、20cm離隔して埋設されている場合には、
周波数500Hzの周波数成分の音圧のピーク値と、周
波数1600Hzの周波数成分の音圧のピーク値とは、
それぞれ約20dBであり、ほぼ同じ値を示している。
これに対して、地中埋設体1と地下管路2とが貫通状態
にある場合は、周波数500Hzの周波数成分の音圧の
ピーク値が約25dBであるのに対し、周波数1600
Hzの周波数成分の音圧のピーク値は、約45dBを示
している。このように、地中埋設体1と地下管路2とが
貫通状態にある場合には、周波数1600Hzの周波数
成分の音圧のピーク値の方が、周波数500Hzの周波
数成分の音圧のピーク値よりもデシベル値で約20dB
以上大きな値を示している。これは音圧にすると、約1
00倍の音圧比である。
【0021】図4は受信音響信号のうちの周波数315
Hz,400Hz,500Hzの周波数成分の音圧の時
間変化を表す波形図であり、図5は受信音響信号のうち
の周波数630Hz,800Hz,1000Hzの周波
数成分の音圧の時間変化を表す波形図であり、図6は受
信音響信号のうちの周波数1250Hz,1600H
z,2000Hzの周波数成分の音圧の時間変化を表す
波形図である。図4、図5および図6において、音圧
は、縦軸にデシベル値で表されている。横軸には、時間
が表されている。また、各波形図下部に示される数値
は、バックグラウンドの平均値を表している。また、図
4、図5および図6においても、図3と同様、地中埋設
体1は鋼管から成るガス管であり、地下管路2は陶管か
ら成る下水管である。さらに、図4、図5および図6に
おいて、各図中の左側の列に、地中埋設体1が地下管
路2の下部を貫通した状態で、周囲を土で固定されて埋
設されている場合の各周波数成分の波形図を示す。ま
た、各図中の中央の列に、地中埋設体1が地下管路2
の上部を貫通した状態で、周囲をセメントで固定されて
埋設されている場合の各周波数成分の波形図を示す。さ
らに、各図中の右側の列に、地中埋設体1が地下管路
2と20cmの距離をおいて埋設されている場合の各周
波数成分の波形図を示す。
【0022】図4に示すように、周波数が315Hz〜
500Hzの低周波成分は、地中埋設体1が地下管路2
を貫通している場合、すなわちおよびの場合と、前
記両者が離隔している場合、すなわちの場合とに拘わ
らず、音圧の時間変化に急激な変化は見られず、測定時
間内では、ほぼ一定レベルで増減する音圧値を示してい
る。また、各周波数成分の音圧のピーク値は、の場合
と、の場合と、の場合とを比較しても明確な差異は
見られない。さらに、前記各周波数成分の音圧のピーク
値は、周波数315Hz,400Hzでは、時間経過に
対して音圧があまり減衰しないことから、20dB前後
の値を示すピークが多く見られる。このため、地中埋設
体と地下管路との貫通状態の判別に用いる受信音響信号
の低周波成分の周波数は、周波数500Hzに選ばれる
ことが好ましい。
【0023】また、図5に示すように、周波数が630
〜1000Hzになると、各周波数成分の音圧は、地中
埋設体1が地下管路2を貫通している場合と、前記両者
が離隔している場合とに拘わらず、時間経過に対する減
衰の割合が大きくなる。また、音圧のピーク値は、周波
数630Hzの周波数成分については、の場合、約2
3dBであり、の場合、約30dBであり、の場
合、約22dBである。周波数800Hzの周波数成分
では、音圧のピーク値は、の場合、約27dBであ
り、の場合、約37dBであり、の場合、約19d
Bである。さらに、周波数1000Hzの周波数成分で
は、音圧のピーク値は、の場合、約23dBであり、
の場合、約35dBであり、の場合、約23dBで
ある。これらを比較してみると、の場合には、前記各
周波数成分の音圧のピーク値は、いずれも30dB以上
の値を示しており、の場合のピーク値に比較して明ら
かに大きな値を示している。これに対し、の場合と、
の場合とでは、各周波数成分の音圧のピーク値は、2
0dB〜25dBの範囲にあり、の場合との場合と
では、明確な差異は見られない。
【0024】さらに図6に示すように、周波数が125
0〜2000Hzになると、各周波数成分の音圧の時間
に対する減衰の割合は、周波数が630〜1000Hz
の場合に比べて、緩やかになる。また、周波数1250
Hzでは、各周波数成分の音圧のピーク値は、の場
合、約37dBであり、の場合、約50dBであり、
の場合、約23dBである。周波数1600Hzで
は、周波数成分の音圧のピーク値は、の場合、約36
dBであり、の場合、約45dBであり、の場合、
約20dBである。さらに、周波数2000Hzでは、
周波数成分の音圧のピーク値は、の場合、約40dB
であり、の場合、約40dBであり、の場合、約1
7dBである。これらを比較して見ると、の場合に
は、いずれの周波数成分も、音圧のピーク値は、20d
B前後の値を示している。これに対し、の場合には、
音圧のピーク値は35〜40dBの範囲の値を示してい
る。また、の場合には、音圧のピーク値は、40〜5
0dBの範囲の値を示している。このように、周波数1
250〜2000Hzでは、各周波数成分の音圧のピー
ク値は、の場合にも、の場合にも、の場合と比較
して明確な差異をもって大きい値を示している。
【0025】このように、図4、図5および図6から、
受信される音響信号のうち、およびの場合と、の
場合とを判別するために用いられる高周波成分の周波数
は、周波数1250Hz〜2000Hzの範囲に選ばれ
ることが好ましいことが判る。
【0026】以上のように、地中埋設体1が地下管路2
を貫通している場合と、地中埋設体1と地下管路2とが
離隔している場合とでは、音響信号の周波数による伝播
特性が異なることが判る。すなわち、地中埋設体1が地
下管路2を貫通している場合には、地中埋設体1と地下
管路2とが離隔して埋設されている場合と比較して、音
響信号の高周波成分がよく伝播されることが判る。ま
た、地中埋設体1が地下管路2を貫通している場合で
も、地中埋設体1と地下管路2との周囲を固定している
地中の材質によっても、周波数による音響信号の伝播特
性が異なることが判る。すなわち、地中埋設体1と地下
管路2とが、周囲を土によって固定されている場合に比
べて、周囲をセメントによって固定されている場合の方
が、音響信号の高周波成分がよく伝播されることが判
る。また、地中埋設体1の材質が異なるときには、音響
信号の周波数による伝播特性、発生される音響信号、た
とえばハンマーで地中埋設体1をたたくことなどによっ
て発生される音響信号中の周波数成分の割合などが異な
ってくる。したがって、地中埋設体1の材質によって、
地中埋設体1を伝播させる音響信号、地中埋設体1と地
下管路2との貫通状態を判別するために用いる高周波成
分の周波数および低周波成分の周波数などを予め定めて
おく。これによって、地中埋設体1と地下管路2との貫
通状態を判別するために用いる周波数成分の各周波数お
よび音響信号は、地中埋設体1の材質によって最適に選
ばれる。
【0027】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、地中埋設
体の地上露出部に音響信号を与え、地中埋設体に近接す
る地下管路内を伝播する音響信号を受信する。さらに、
受信した音響信号のうちから、周波数の異なる成分の音
圧値を測定し、高周波成分の音圧値と低周波成分の音圧
値との比が、予め定める値以上に大きいとき、地中埋設
体が地下管路を貫通している状態であると判別する。し
たがって、従来のように、地中に埋設された地中埋設体
に沿って地中を掘削し、目視によって地中埋設体が、こ
れに近接する地下管路を貫通しているかどうかを調べる
必要がなく、掘削作業にかかる労力と時間とを節約する
ことができる。これによって、地下管路を貫通している
地中埋設体を速やかに探し出すことができ、当該地中埋
設体の移設または当該地中埋設体に防食および補強処理
を施すなどの処置を速やかに行うことができる。このた
め、地中埋設体が地下管路を貫通していることによって
生じる地中埋設体の折損などの事態を防止するための作
業を、効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である地中埋設体1と地下管
路2との貫通状態判別方法を示す簡略化された断面図お
よび斜視図である。
【図2】本実施例の地中埋設体1と地下管路2との貫通
状態判別方法を説明するためのフローチャートである。
【図3】地中埋設体1が地下管路2を貫通している場合
と、前記両者が20cm離隔している場合の、受信音響
信号の高周波成分と低周波成分との音圧の時間変化を示
す波形図である。
【図4】受信音響信号のうちの周波数315Hz,40
0Hz,500Hzの周波数成分の音圧の時間変化を表
す波形図である。
【図5】受信音響信号のうちの周波数630Hz,80
0Hz,1000Hzの周波数成分の音圧の時間変化を
表す波形図である。
【図6】受信音響信号のうちの周波数1250Hz,1
600Hz,2000Hzの周波数成分の音圧の時間変
化を表す波形図である。
【符号の説明】
1 地中埋設体 2 地下管路 3 ハンマー 4 マイクロフォン 5 地下管路開口部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地中埋設体の地上露出部に音響信号を与
    え、 地中埋設体に近接する地下管路内を伝播する音響信号を
    受信し、 受信した音響信号のうちから周波数が異なる成分の音圧
    値を測定し、 高周波成分の音圧値と低周波成分の音圧値との比が予め
    定める値以上に大きいとき貫通状態と判別することを特
    徴とする地中埋設体と地下管路との貫通状態判別方法。
JP25611093A 1993-10-13 1993-10-13 地中埋設体と地下管路との貫通状態判別方法 Expired - Fee Related JP3299356B2 (ja)

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