JP3298356B2 - 熱形過負荷継電器 - Google Patents

熱形過負荷継電器

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JP3298356B2 JP08095795A JP8095795A JP3298356B2 JP 3298356 B2 JP3298356 B2 JP 3298356B2 JP 08095795 A JP08095795 A JP 08095795A JP 8095795 A JP8095795 A JP 8095795A JP 3298356 B2 JP3298356 B2 JP 3298356B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電動機が過電流によ
り焼損するのを防止する熱形過負荷継電器に関する。
【0002】
【従来の技術】熱形過負荷継電器は、主回路に接続され
たヒータの熱によって湾曲するバイメタルと、このバイ
メタルの動きを伝える伝達機構と、この伝達機構からの
動作力を受けることによって接点を開閉する接点機構
と、この接点機構が開閉動作するときの主回路電流を調
整する電流調整機構とにより構成されたものである。
【0003】図11は、従来の熱形過負荷継電器の構成
を示す一部破砕側面図である。図11のバイメタル1
は、上部がケース内側に固定され、下部が自由端になっ
ている。このバイメタル1にヒータ2が巻回されてい
る。バイメタル1は三個配され、各バイメタル1のヒー
タ2はそれぞれ三相主回路の各相に接続されている。た
だし、図11ではそのうち、二相分だけが示されてい
る。
【0004】図11の伝達機構は、バイメタル1の下部
に係合されたシフタ12とシフタ12の左端に対峙して
いる温度補償バイメタル131と、この温度補償バイメ
タル131に固着した釈放レバー3とにより構成されて
いる。釈放レバー3は内部に明けられた長穴3Aを貫通
するピンXによって上下動および回動自由に支持されて
いる。さらに、このピンXは、図示されていない軸受に
よって回動自由に支持されている。また、釈放レバー3
には、突出状の係合部136が中程に固定して設けら
れ、突起132と舌状の復帰片133とを固着して備え
たレバー状の係合部134が上部に固定して設けられて
いる。係合部134とケース10との間には圧縮スプリ
ング135が介装されるとともに、この圧縮スプリング
135によって突起132と係合部134とが上部の偏
心カム141に接した状態になっている。復帰片133
はピン151と係合するように構成され、このピン15
1は偏心カム141の奥行に配されたリセットレバー5
に固定して設けられている。
【0005】図11の接点機構は、突起状の係合部13
6に対向する突片162とこの突片162を途中に固着
させ下部がケース10側に固定された板ばね6と、この
板ばね6の上部に設けられた可動接点161と、ケース
10に固定された固定端子7と、この固定端子7に設け
られた固定接点171とにより構成されている。板ばね
6は下部にY形に形成されたばねYによって常時は時計
方向に付勢され可動接点161と固定接点171とが接
触状態になっている。この固定接点171と可動接点1
61とが図示されていない導体に接続され主回路を遮断
する接点回路を形成している。
【0006】図11の電流調整機構は電流調整ダイヤル
4と、このダイヤル4に連動するカム141とにより構
成され、カム141の回動により釈放レバー3の傾斜角
度を調整することができる。今、図11において、図示
されていない主回路に過電流が流れると、ヒータ2がバ
イメタル1を熱するのでバイメタル1が湾曲する。これ
によって、シフタ12が温度補償バイメタル131を押
圧する。温度補償バイメタル131が押圧されると釈放
レバー3がピンXを支点にして時計方向に回動するので
突起132とカム141との係合が浅くなり、突起13
2がカム141から外れる。これにより、釈放レバー3
が圧縮ばね135により上方へ動く。このとき、ピン1
51が復帰片133に係合しているので、リセットボタ
ン5が釈放レバー3とともに上方へ移動しケース10か
ら外側へさらに突出する。また、釈放レバー3が上方に
移動すると、係合部136が突片162を押圧するの
で、板ばね6が下部を中心にして反時計方向に回動し、
可動接点161と固定接点171とが離れる。これによ
って主回路を遮断することができるので、電動機の焼損
が防止される。
【0007】主回路に流れる過電流状態が取り除かれる
と、図11のバイメタル1は自然冷却されて元の状態に
戻り、シフタ2も温度補償バイメタル131から離れ
る。この状態でケース10より突出したリセットボタン
5を押し込むとピン151により復帰片133と係合部
134とを介して釈放レバー3が下がる。釈放レバー3
の下方への移動により係合部136と突片162との係
合が解かれ、そして、突起132が偏心カム141の下
面位置に達するまでリセットボタン5が押し込まれる
と、圧縮ばね135の作用により図11に示されたよう
な元の状態に復帰する。
【0008】前記電流調整ダイヤル4は熱形過負荷継電
器の動作(定格)電流を調整するものである。電流調整
ダイヤル4の上面に目盛られた図示されていない目盛点
をケース10側に記された図示されていない指標に合わ
せることによって動作(定格)電流値が調整される。電
流調整ダイヤル4を回動させることによって、係合部1
34の傾斜角度が変わるので、シフタ12と温度補償バ
イメタル131との間隙が変化する。これによって接点
機構部の接点開閉の動作ポイントが調整される。
【0009】なお、図11の装置は各相のバイメタル1
が一本のシフタ12と係合している。しかし、三本の独
立したシフタを配し、このシフタの各々を各相のバイメ
タル1に係合させる構成もある。このようにすれば、欠
相が生じても他相の温度上昇だけで動作するので、欠相
検出仕様の場合に用いられる。ただし、温度補償バイメ
タル131以降の伝達機構部品は単一であり、三つのシ
フタのいずれが移動しても単一の温度補償バイメタル1
31に当たるようになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たような従来の装置は、伝達機構が非常に複雑であると
いう問題があった。すなわち、釈放レバーにはピンの他
に、そのピンを回動自由に支持する軸受けも必要であ
る。さらに、この釈放レバーには、係合部が二個設けら
れ、その一方の係合部には突起や復帰片も備えられてい
た。この伝達機構は接点機構に動きを伝達するために必
要なものではあるが、構成が複雑であり部品点数も多か
った。そのために、製作コストも嵩んでいた。
【0011】この発明の目的は、伝達機構の部品を減ら
し構成を簡略化させることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明によれば、主回路に接続され
たヒータの熱によって湾曲するバイメタルと、このバイ
メタルの動きを伝える伝達機構と、この伝達機構からの
動作力を受けることによって接点を開閉する接点機構
と、この接点機構が開閉動作するときの主回路電流を調
整する電流調整機構とにより構成された熱形過負荷継電
器において、バイメタルが熱によって面の湾曲を反転さ
せるディスク型バイメタルよりなり、このディスク型バ
イメタルには面状のヒータが対峙し、伝達機構がディス
ク型バイメタルの中心部と係合するシャフトを備え、接
点機構がシャフトの軸方向の移動に連動して接点を開閉
させ、電流調整機構がシャフトを軸方向に移動させてな
ることを特徴とする。
【0013】
【0014】また請求項に記載の発明は、主回路に接
続されたヒータの熱によって湾曲するバイメタルと、こ
のバイメタルの動きを伝える伝達機構と、この伝達機構
からの動作力を受けることによって接点を開閉する接点
機構と、この接点機構が開閉動作するときの主回路電流
を調整する電流調整機構とにより構成された熱形過負荷
継電器において、バイメタルが熱によって面の湾曲を反
転させる門型バイメタルよりなり、この門型バイメタル
はヒータが巻回されるとともに柱側の厚さ方向の動きが
固定され、伝達機構が門型バイメタルの反柱側と係合す
るシフタを備え、接点機構がシフタの軸方向の移動に連
動して接点を開閉させ、電流調整機構が門型バイメタル
の一方の柱を面方向に移動させ、二本の柱間隙を増減さ
せてなることを特徴とする。
【0015】また請求項に記載の発明において、三個
の門型バイメタルが厚さ方向に並べて配され、各門型バ
イメタルのヒータは三相主回路の各相に接続され、伝達
機構が、各門型バイメタルに固定されるとともに独立し
て移動する三つのシフタを備えてなるものとしてもよ
い。
【0016】請求項1に記載の発明の構成によれば
イメタルがディスク型バイメタルで構成されるので、伝
達機構がディスク型バイメタルの中心部と係合するシャ
フトでよい。そのために、釈放レバーが不要になり伝達
機構が簡略になる。
【0017】また請求項に記載の発明によれば、バイ
メタルが門型バイメタルで構成されるので、伝達機構が
門型バイメタルの反柱側と係合するシフタでよい。その
ために、釈放レバーが不要になり伝達機構が簡略にな
る。また、請求項に記載の発明において、三相主回路
の各相のに対応する門型バイメタルにそれぞれシフタを
設ける。これによって、各相のシフタが独立して働くの
で欠相検出が可能になる。したがって欠相検出仕様の装
置における伝達機構も簡略になる。
【0018】
【実施例】以下、この発明を実施例に基づいて説明す
る。図1は、発明の実施例にかかる熱形過負荷継電器
の構成を示す一部破砕断面図である。図1のバイメタル
1は上部がケース10側に固定され、下部が自由端にな
っている。このバイメタル1にヒータ2が巻回されてい
る。バイメタル1は三個配され、各バイメタル1のヒー
タ2はそれぞれ三相主回路の各相に接続される。ただ
し、図1ではそのうち二相分だけが示されている。
【0019】図1の伝達機構は、バイメタル1の下部に
係合されたシフタ12と、シフタ12の左端に対峙して
いる温度補償バイメタル31と、この温度補償バイメタ
ル31に固着した釈放レバー8とにより構成されてい
る。釈放レバー8は内部にピンZが貫通することによっ
て回動自由に支持されている。また、釈放レバー8に
は、L形の係合部14が固定して設けられている。
【0020】図1の接点機構は、コイルばね15の下端
に設けられた導電板9を備え、導電板9に固着する可動
接点19Aと、ケース10側に固着する固定接点19B
とで接点が構成されている。図1の電流調整機構は、電
流調整ダイヤル4に連動する調整ねじ16よりなる。図
2は、図1の接点機構および電流調整機構の詳細を示す
斜視図である。調整ねじ16の頭部16Aが波形の凹凸
を形成するようにスプライン加工され、この凹凸に嵌ま
る電流調整ダイヤル4(図1)が頭部16Aを覆うよう
になっている。調整ねじ16のねじ部16Bはケース1
0側から突出した支え部110の貫通ねじ穴110Aに
嵌合するとともに、ねじ部16Bの下端部がL形金具4
0に回転自由に取り付けられている。すなわち、ねじ部
16の下端部に図2では見えない周回溝が形成され、こ
の周回溝にL形金具40の水平面40Bに形成された図
1では見えない穴の周縁が嵌まり込んでいる。したがっ
て、電流調整ダイヤルを介して調整ねじ16を回動させ
ると調整ねじ16がL形金具40とともに上下する。そ
の際、L形金具40は回動しないようにケース側に設け
られた図示されていないガイドによって抑さえてある。
【0021】図2のL形金具40の側板40Cに設けら
れた穴40Aにコイルばね15の一方端が引っ掛けられ
てある。コイルばね16の他方端は、絶縁樹脂製の角筒
部20の中腹に明けられた穴20Aに引っ掛けられてあ
る。角筒部20の両側には導電板9が貼り付けられ、前
述したようにこの導電板9のそれぞれに半球状の可動接
点19Aが設けられてある。二つの導電板19Aはそれ
ぞれ上部の耳部19Cが折り曲げられ、この耳部19C
は導電性の吊り板部19Dを介して平行して張られた二
つの固定端子18にそれぞれ接合されている。固定端子
18にはV字形の切り込み18Aが形成され、吊り板部
19Dはその谷底を固定端18Bとしている。コイルば
ね15は角筒部20の内腔および固定端子18の間を貫
通した後、らせん部15Aを経てL形金具40に吊り下
げられている。
【0022】図2において、コイルばね15をE方向に
押圧すると、吊り板部19Dが導電部9や角筒部20と
ともに固定端18Bを中心にして時計方向に回動する。
角筒部20はコイルばね15によって固定端18B側に
常時引っ張られているので、吊り板部19Dは回動後コ
イルばね15の軸方向(上下方向)に対して図2の状態
とは逆側に反転して安定する(図1の点線61の位
置)。すなわち、吊り板部19Dは固定端18Bを中心
にして振り子運動が可能であり、両側の折り返し位置が
最も安定している。
【0023】図1に戻り、今、図示されていない主回路
に過電流が流れると、ヒータ2がバイメタル1を熱する
のでバイメタル1が湾曲する。これによって、シフタ1
2が温度補償バイメタル31を押圧する。温度補償バイ
メタル31が押圧されると釈放レバー8がピンZを支点
にして時計方向に回動するので、係合部14がコイルば
ね15を左方へ移動させる。これによって導電板9の傾
斜角度が反転し点線61の位置に来る。それによって、
右側の可動接点19Aが右側の固定接点19Bと離れ、
左側の可動接点19Aが左側の固定接点19Bに接触す
る。可動接点19Aと導通している固定端子18と、固
定接点19Bを固定している図示されていない端子とで
主回路を遮断する接点回路が形成される。
【0024】図1の11はリセットボタンである。主回
路に流れる過電流が取り除かれバイメタル1が自然冷却
された後、リセットボタン11を手動で右方に倒すと、
ピン17を中心にして操作棒11Aが反時計方向に回動
する。導電板9が点線の位置61にあると、操作棒11
Aの下端部が導電板9を右方へ押すので、再び導電板9
は反転し元の実線の位置に戻る。これによって、可動接
点19Aと固定接点19Bとの接離が入れ換わる。な
お、13はテストボタンである。図1の状態でテストボ
タン13を手動で右方へ倒すと、図示されていないピン
を中心にして操作棒13Aが時計方向に回動し、操作棒
13Aの下端部が係合部14を左方へ押圧する。これに
よって、コイルばね15が左方へ押され、導電板9が反
転する。このテストボタン13は、装置が正常に動作す
るか否かを確かめるためのものである。
【0025】図1の動作電流を調整するには、電流調整
ダイヤル4を回動することによって調整ねじ16を上下
させる。これによって、コイルばね15の引張力F(図
2)が変わる。図8は、コイルばね15の引張力Fと導
電板9が反転するときのヒータ2の温度(反転温度、動
作電流に対応する)との関係を示す特性線図である。こ
の特性は直線59の関係にあり、コイルばね15の引張
力Fを増すに従って、反転温度が高まる。この引張力F
によって主回路の動作電流を調整することができる。
【0026】図1の釈放レバー8には一つの係合部14
だけしか固着していない。従来の図11の装置では釈放
レバー3に複数の係合部34,36が固着しており、突
起32や復帰片33も必要であった。図1の構成にする
ことにより、伝達機構が簡略化され、製作コストも低減
される。図3は、発明の実施例にかかる熱形過負荷継
電器の構成を示す断面図である。図3はディスク型バイ
メタル21が用いられ、このディスク型バイメタル21
のそれぞれに面ヒータ27が対峙している。面ヒータ2
7は、それぞれ図示されていない三相主回路の各相に接
続されている。ディスク型バイメタル21の外周はケー
ス10によって軸方向に移動するのが抑制されている。
一方、ディスク型バイメタル21の中央部には絶縁性の
シャフト24が貫通するとともにシャフト24と一体の
つば状の係合部35と接している。
【0027】図3の伝達機構は、上記の係合部35とシ
ャフト24より構成され、シャフト24の左端に固定さ
れた金具よりなる係合部37を介してディスク型バイメ
タル21中央部の軸方向の動きを接点機構へ伝える。図
3の接点機構は、係合部37に支持された導電板36に
かしめた二つの可動接点19Aと、この可動接点19A
のそれぞれに対峙する固定接点19Bとによりなり、こ
の接点が主回路を遮断する接点回路を構成している。
【0028】図3の電流調整機構は、ケース10に回動
自由に設けられた電流調整ダイヤル28が偏心カム29
を備えて、この偏心カム29は温度補償バイメタル27
Aを介してスライダ26に接している。このスライダ2
6は三つの板ばね25を備えている。この板ばね25は
下端がU字形に切り欠かれ、この切り欠きにシャフト2
4を嵌めシャフト24を軸方向の移動自由にするととも
に絶縁スペーサ34を介してディスク型バイメタル21
に接している。なお、スペーサ34はシャフト24を軸
方向自由に貫通させるとともに、ディスク型バイメタル
21および板ばね25のいずれとも固着していない。
【0029】今、図3において、図示されていない主回
路に過電流が流れると、面ヒータ27がディスク型バイ
メタル21を熱するのでディスク型バイメタル21の湾
曲が反転して点線21Aの形になる。それに伴って、シ
ャフト24が左方へ移動するので、導電板36も左方へ
動き固定接点19Bと可動接点19Aとが開閉される。
その際に、シャフト24が右方へ戻らないように山形の
ストッパ33がシャフト24に固定されている。
【0030】図3の39はリセットボタンである。この
リセットボタン39は、ケース10に取り付けられた復
帰ばね30を介して操作棒31を備えている。なお、偏
心カム29は、操作棒31の奥行側に配されている。操
作棒31の下部は、さらにもう一つの操作棒32にピン
62を介して連結されている。操作棒32は巻きばねに
よってピン62を中心に反時計方向に常時付勢されてい
る。また、操作棒32は図3の状態から左側の領域への
回動は自由であるが、右側の領域への回動は操作棒31
の突起63によって抑さえられている。さらに、操作棒
32の下端面は斜めに形成されている。シャフト24が
動作時に左方へ移動するとストッパ33が操作棒32に
当たるが、操作棒32が時計方向に回動するので、スト
ッパ33は操作棒32を越えて左側へ移る。一方シャフ
ト24は右端には復帰ばね22が設けられている。この
復帰ばね22は、下部が調整ねじ23を介してケース1
0に固定されている。
【0031】主回路に流れる過電流が取り除かれディス
ク型バイメタル21が自然冷却されると、ディスク型バ
イメタル21の湾曲が元の状態に反転しようとするが、
ストッパ33が操作棒32の左側面に当たり係合するの
でシャフト24が左方へ移動しない。リセットボタン3
9を手動で上げることによって操作棒32が上方へ逃げ
るのでストッパ33が自由になり、シャフト24が復帰
ばね22の力も加わって図3の元の位置に戻る。
【0032】図3の動作電流を調整するには、電流調整
ダイヤル28を回動することによって偏心カム29を回
動させる。これによって、スライダ26が温度補償バイ
メタル27Aを介して左右に動かす。これによってディ
スク型バイメタル21の中央部にかかる左方向の押圧力
Pが変わる。図9は、押圧力Pとディスク型バイメタル
21が反転するときの面ヒータ27の温度(反転温度、
動作電流に対応する)との関係を示す特性線図である。
この特性は直線58の関係にあり、押圧力Pを増すにつ
れて反転温度が低下する。従って、図3の装置は、この
押圧力Pによって主回路の動作電流を調整することがで
きる。
【0033】また、図3装置には、図1の装置や従来の
図11の装置では伝達機構として必要であった釈放レバ
ーやピン、その軸受けがいらなくなり、その代わりにシ
ャフト24があれば構成できる。そのために部品点数が
減り伝達機構が簡略化され、製作コストも低減される。
図4は、請求項に記載の発明の実施例にかかる熱形過
負荷継電器の構成を示す断面図である。図4は門型バイ
メタル42が用いられ、この門型バイメタル42のそれ
ぞれにヒータ41が巻回されている。ヒータ41はそれ
ぞれ三相主回路の各相に接続されるとともに断熱材44
を介してケース10に支持されている。門型バイメタル
42は下部が柱側であり、固定部49によって固定され
るとともに上部はシフタ43の係合部43Aに係合して
いる。シフタ43は右端の圧縮スプリング44Aによっ
て常時は左方に押圧され、門型バイメタル42の上部も
左方へ湾曲させている。
【0034】図4の伝達機構は、係合部43A、43B
を備えたシフタ43である。また、接点機構は上下に配
された可動接点19Aと固定接点19Bであり、導電板
63A,63Bを介して接点回路を形成している。固定
接点19Bは、係合部43Bの手前にあり、導電板63
Bを介してケース10の手前側に固定されている。一
方、可動接点19Aも係合部43Bの手前にあり固定接
点19Bと対峙するとともに導電板63Aを介してケー
ス10の奥行側に固定されている。したがって、シフタ
43を右方に移動させると、係合部43Bと導電板63
Aとが当たり、導電板63Aが湾曲するので上部の固定
接点19Bと可動接点19Aとが開極するとともに、下
部の固定接点19Bと可動接点19Aとが閉極する。
【0035】図5は、図4のA−A断面図であり,シフ
タ43の右側面には小判形の突起56が2個所設けられ
てあり、この突起56がケース10と摺動しながらシフ
タ43の軸方向の移動がなされる。図5の電流調整機構
は、電流調整ダイヤル47に偏心カム48が連動し、こ
の偏心カム48に対してリンク板53が接している。こ
のリンク板53は下端53Aがケース10に拘束される
とともに圧縮ばね54にて反時計方向に回動するように
付勢されている。また、リンク板53には温度補償バイ
メタル55が固定されるとともに、この温度補償バイメ
タル55に調整板52が固着されている。さらに、調整
板52には調整ねじ51に嵌合するねじ穴52Aが明け
られている。調整ねじ51の左端面はスライダ50に固
着されている。スライダ50は、固定部49と同様に門
型バイメタル42の柱側を固定するが、スライダ50自
身が図5の左右方向に移動自由である。
【0036】今、図4において、図示されていない主回
路に過電流が流れると、ヒータ41が門型バイメタル4
2を熱するので門型バイメタル42の湾曲が反転し圧縮
ばね44Aに押し勝って点線42Aの形になる。それに
伴って、係合部43Aを介してシフタ43が右方へ移動
するので、もう一つの係合部43Bが上下の導電板63
Aを押圧する。それに伴って、上方の接点19A,19
Bが開極し、下方の接点19A,19Bが閉極する。
【0037】図4の46はリセットボタンである。この
リセットボタン46は下部がくさび状になっており、ス
プリング46Aを介してケース10に常時は上方に付勢
された状態で取り付けられている。なお、このリセット
ボタン46はシフタ43の奥行側に配されている。主回
路に流れる過電流が取り除かれ門型バイメタル42が自
然冷却されても、門型バイメタル42は自己復帰はしな
い。リセットボタン46を手動で下方へ押圧すると、シ
フタ43の突起56にリセットボタン46下部のくさび
状の部分が当たるのでシフタ43が左方へ滑動し、門型
バイメタル42が元の実線の形に戻る。なお、45はテ
ストボタンであって、これも下部がくさび状になってお
り、スプリング45Aを介してケース10に常時は上方
に付勢された状態で取り付けられている。このテストボ
タン45もシフタ43の奥行側に配されている。手動で
テストボタン45を下方に押圧することによりシフタ4
3の突起56にリセットボタン45下部のくさび状の部
分が当たり、主回路に過電流が流れていなくても、シフ
タ43を右方に滑動させ、接点19A、19Bを開閉す
ることができる。これによって装置が正常に動作するか
否かを確かめることができる。
【0038】動作電流を調整するには、図5において電
流調整ダイヤル47を回動することによって、偏心カム
48を回動させる。これによって、リンク板53が下端
53Aの位置を中心にして回動するので調整ねじ51が
軸方向に動く。この調整ねじ51の移動によってスライ
ダ50が左右方向に動くので門型バイメタル42の柱間
隙を調整することができる。。門型バイメタル42の柱
を幅寄せ量dだけずらせたときに門型バイメタル42の
湾曲が反転するときのヒータ41の温度(反転温度、動
作温度に対応する)を示した特性線図が図10である。
この特性は直線60の関係にあり、幅寄せ量dを増すに
従って、反転温度が上昇する。従って、図4の装置はこ
の幅寄せ量dによって主回路の動作電流を調整すること
ができる。
【0039】また、図4装置には図1の装置や従来の図
11の装置では伝達機構として必要であった釈放レバー
やピン、その軸受けがいらなくなり、その代りにシフタ
43があれば構成できる。そのために部品点数が減り伝
達機構が簡略化され、製作コストも低減される。図6は
請求項に記載の発明の異なる実施例にかかる熱形過負
荷継電器の構成を示す断面図である。三本のシフタ64
A、64B、64Cが設けられ、このそれぞれが係合部
64Dのところで門型バイメタル42と係合している。
【0040】図7は、図6のB−B断面図であり、シフ
タ64A、64B、64Cが突起57を介してケース1
0と、または互いに間隙を保っている。図6、図7のそ
の他の構成は、図4、図5と同じである。シフタ64
A、64B、64Cが互いに独立して配されているの
で、門型バイメタル42のいずれが湾曲しても接点19
A、19Bが開閉される。これによって、三相主回路に
おける欠相検出が可能であるこの場合も、伝達機構はシ
フタ64A、64B、64Cだけであり、従来必要であ
った釈放レバーは不要である。
【0041】
【発明の効果】請求項1に記載の発明においては、バイ
メタルがディスク型バイメタルで構成されるので、伝達
機構がバイメタルの中心部と係合するシャフトよりな
る。そのために、釈放レバーが不要になり伝達機構が簡
略になり、装置のコスト低減が可能になる。
【0042】また、請求項に記載の発明においては、
バイメタルが門型バイメタルで構成されるので、伝達機
構が門型バイメタルの反柱側と係合するシフタよりな
る。そのために、釈放レバーが不要になり伝達機構が簡
略になり、装置のコストが低減される。
【0043】また、請求項に記載の発明において、三
相主回路の各相に対応する門型バイメタルにそれぞれシ
フタを設ける。これによって、各相のものが独立になる
ので欠相検出が可能になる。欠相検出仕様の装置におけ
る伝達機構も簡略になり、装置のコストが低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施例にかかる熱形過負荷継電器の構
成を示す一部破砕断面図
【図2】図1の接点機構および電流調整機構の詳細を示
す斜視図
【図3】発明の実施例にかかる熱形過負荷継電器の構
成を示す断面図
【図4】請求項に記載の発明の実施例にかかる熱形過
負荷継電器の構成を示す断面図
【図5】図4のA−A断面図
【図6】請求項に記載の発明の異なる実施例にかかる
熱形過負荷継電器の構成を示す断面図
【図7】図6のB−B断面図
【図8】図1の装置のコイルばねの引張力Fと導電板の
反転温度との関係を示す特性線図
【図9】図3の装置の押圧力Pとディスク型バイメタル
の反転温度との関係を示す特性線図
【図10】図4の装置の幅寄せ量dと門型バイメタルの
反転温度との関係を示す特性線図
【図11】従来の熱形過負荷継電器の構成を示す一部破
砕側面図
【符号の説明】
1:バイメタル、21:ディスク型バイメタル、42:
門型バイメタル、2,41:ヒータ、27:面ヒータ、
12,26,43,64A,64B,64C:シフタ、
15:コイルばね、8:釈放レバー、9:導電板、3
1:温度補償バイメタル、14:係合部、24:シャフ
ト、19A:可動接点、19B:固定接点
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01H 61/00 H01H 61/01

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主回路に接続されたヒータの熱によって湾
    曲するバイメタルと、このバイメタルの動きを伝える伝
    達機構と、この伝達機構からの動作力を受けることによ
    って接点を開閉する接点機構と、この接点機構が開閉動
    作するときの主回路電流を調整する電流調整機構とによ
    り構成された熱形過負荷継電器において、バイメタルが
    熱によって面の湾曲を反転させるディスク型バイメタル
    よりなり、このディスク型バイメタルには面状のヒータ
    が対峙し、伝達機構がディスク型バイメタルの中心部と
    係合するシャフトを備え、接点機構がシャフトの軸方向
    の移動に連動して接点を開閉させ、電流調整機構がシャ
    フトを軸方向に移動させてなることを特徴とする熱形過
    負荷継電器。
  2. 【請求項2】主回路に接続されたヒータの熱によって湾
    曲するバイメタルと、このバイメタルの動きを伝える伝
    達機構と、この伝達機構からの動作力を受けることによ
    って接点を開閉する接点機構と、この接点機構が開閉動
    作するときの主回路電流を調整する電流調整機構とによ
    り構成された熱形過負荷継電器において、バイメタルが
    熱によって面の湾曲を反転させる門型バイメタルよりな
    り、この門型バイメタルはヒータが巻回されるとともに
    柱側の厚さ方向の動きが固定され、伝達機構が門型バイ
    メタルの反柱側と係合するシフタを備え、接点機構がシ
    フタの軸方向の移動に連動して接点を開閉させ、電流調
    整機構が門型バイメタルの一方の柱を面方向に移動さ
    せ、二本の柱間隙を増減させてなることを特徴とする熱
    形過負荷継電器。
  3. 【請求項3】請求項記載のものにおいて、三個の門型
    バイメタルが厚さ方向に並べて配され、各門型バイメタ
    ルのヒータは三相主回路の各相に接続され、伝達機構
    が、各門型バイメタルに固定されるとともに独立して移
    動する三つのシフタを備えてなることを特徴とする熱形
    過負荷継電器。
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