JP3296034B2 - サーミスタ温度センサ - Google Patents

サーミスタ温度センサ

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JP3296034B2
JP3296034B2 JP20576393A JP20576393A JP3296034B2 JP 3296034 B2 JP3296034 B2 JP 3296034B2 JP 20576393 A JP20576393 A JP 20576393A JP 20576393 A JP20576393 A JP 20576393A JP 3296034 B2 JP3296034 B2 JP 3296034B2
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  • Measuring Temperature Or Quantity Of Heat (AREA)

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,自動車の排気ガス等の
温度を測定するサーミスタ温度センサに関する。
【0002】
【従来技術】温度センサには各種の方式のものがある
が,その1つとして,サーミスタの温度による抵抗変化
を利用したサーミスタ温度センサがある。サーミスタ温
度センサは,例えば,サーミスタ素子を絶縁管の先端か
ら突出させてそれを検査対象に近接させて温度を測定す
る。また,サーミスタ素子を保護するために上記サーミ
スタ素子と絶縁管とを金属管中に収容したものも多く用
いられている。
【0003】そして,金属管に上記サーミスタ素子と絶
縁管とを固定する方法として耐熱セメントを用いる構造
が提案されている(特開昭62−278421号公報参
照)。即ち,上記温度センサ9は,図6に示すように,
絶縁管922の先端からサーミスタ素子91を突出さ
せ,セメント921で保持したサーモユニット90を金
属管93に収容し,金属管93に注入した耐熱セメント
94中に埋設して上記サーモユニット90を固定する。
【0004】そしてサーミスタ素子91と接続したサー
モユニット90のリード端子95を信号取出し用のリー
ド線96と金属管93内で接続する。このように,耐熱
セメント94(以下単に「セメント」という)によって
サーモユニット90を金属管93に固定する方法は構成
部品点数が少なく構造が簡素で安価であるという利点が
ある。
【0005】また,セメント94は,被測温流体の温度
を金属管93を介してサーモユニット90に伝達する役
目も果たす。従って,セメント94は比較的熱伝導率の
良好なものが用いられる。なお図6において,符号97
は温度センサ9を測温部に装着するためのネジ金具であ
る。
【0006】即ち,上記温度センサ9は,被測温流体を
収容した収容部98の外壁のねじ穴981からその先端
の感温部を挿入し,ネジ金具97をねじ穴981に螺着
して収容部98に固定する。例えば,エンジンの排気ガ
ス温度を測定する場合には,エンジンの排気管に設けた
ねじ穴から温度センサ9の先端部を挿入し,ネジ金具9
7を排気管のねじ穴に螺着する。
【0007】
【解決しようとする課題】しかしながら,ネジ金具97
を用いて被測温流体の収容部の外壁に装着する上記サー
ミスタ温度センサ9には次のような問題がある。即ち,
被測温流体の収容部の内部と外部とには温度差があり,
外部(外気)の温度の影響を受けてサーミスタ温度セン
サに温度エラーが生ずるということである。
【0008】収容部98内の被測温流体の温度をT1
外気温度をT2 とすれば,図6に示すネジ金具97の前
端部971の温度は略T1 ,後端部972の温度は略T
2 となり,ネジ金具97の前方から後方にかけて温度差
ΔTが生ずる。
【0009】一方,サーミスタ温度センサを埋設する耐
熱セメントは,サーミスタ温度センサの測定精度と熱応
答を良好にするため熱伝導の高いものが用いられてい
る。そのため,上記温度差ΔTの温度勾配がサーミスタ
素子に影響し,温度エラーを生ずる。本発明は,かかる
従来のサーミスタ温度センサの問題点に鑑み,被測温流
体と外気との温度差による測定誤差を抑制することので
きるサーミスタ温度センサを提供しようとするものであ
る。
【0010】
【課題の解決手段】本発明は,被測温流体を収容する収
容部に装着し,上記流体の温度を測定するサーミスタ温
度センサであって,該サーミスタ温度センサは,先端部
を閉塞した金属管と,該金属管の前端部に寄せて収容さ
れたサーモユニットと,上記金属管の外周部に取付けら
れ,金属管を上記収容部に設けたねじ穴に挿入螺着する
ネジ金具とを有しており,上記サーモユニットは,リー
ド線を挿通させる絶縁管と,該絶縁管の前端部に固定し
たサーミスタ素子とを有していると共に,その前方部分
が金属管内においてセメントに埋設固定されており,上
記サーモユニットのセメント埋設部は,サーモユニット
の前端から始まり,サーミスタ素子の後端部とネジ金具
の全長の前方2/3の位置との間に及んでいることを特
徴とするサーミスタ温度センサにある。
【0011】本発明において特に注目すべきことの第1
点は,サーミスタ温度センサはネジ金具により収容部に
設けたねじ穴に挿入螺着する構造を有することである。
本発明において特に注目すべきことの第2点は,サーモ
ユニットが金属管内にセメントにより埋設固定さている
ことである。
【0012】そして,本発明において最も注目すべきこ
とは,サーモユニットにおけるセメント埋設部が,サー
モユニットの前端から,サーミスタ素子の後端部とネジ
金具の全長の前方2/3の位置の間にまで及んでいるこ
とである。即ち,セメント埋設部の後端位置は,サーミ
スタ素子の後端部とネジ金具の全長の前方2/3の位置
との間に及んでいる。それ故,少なくともネジ金具の後
方1/3はセメントに埋設されていない。なお,上記に
おいて,ネジ金具の全長とは,ネジ金具の前後長である
(図1のL)。
【0013】
【作用及び効果】本発明のサーミスタ温度センサのサー
モユニットは,少なくともサーミスタ素子の後端部まで
はセメントに埋設されている。従って,サーミスタ素子
全体はセメントに埋設されており,被測温流体の温度
は,金属管と上記セメントとを経由してサーミスタ素子
に素早く伝達される。また,サーモユニットをセメント
により支持するという強度上の要請からもセメントは,
少なくともサーミスタ素子全体を覆う必要がある。
【0014】一方,セメントは少なくともネジ金具の後
方1/3には及んでいない。即ち,ネジ金具の後方1/
3より後方のサーモユニットは,熱伝導率の低い空気に
よって覆われている。従って,ネジ金具の後端部(図
6,符号972)を被う外気(温度T2 )の影響は,検
温素子であるサーミスタ素子には及びにくい。
【0015】即ち,サーミスタ素子には,金属管とセメ
ントによって被測温流体の温度T1が応答性良く伝達さ
れるが,外気の影響は,ネジ金具下のサーモユニットを
被う空気に遮られて大幅に抑制される。それ故,被測温
流体と外気との温度差によるサーミスタ温度センサの測
定エラーは大幅に低下する。
【0016】なお,セメント埋設部の後端部をネジ金具
の全長の2/3以下までとしたのは,セメント埋設部の
後端部がそれ以上長くなると,サーモユニットを被う空
気の外気遮温効果が小さくなり,サーミスタ温度センサ
が外気の影響を受けるようになるからである。上記のよ
うに,本発明によれば,被測温流体と外気との温度差に
よる測定誤差を抑制することのできるサーミスタ温度セ
ンサを提供することができる。
【0017】
【実施例】本発明の実施例にかかるサーミスタ温度セン
サについて,図1〜図5を用いて説明する。本例は,エ
ンジンの排気ガス(EGRガスを含む)の温度を測定す
るサーミスタ温度センサである。本例は,図1に示すよ
うに,被測温流体80を収容した収容部40に装着し,
上記流体80の温度T1 を測定するサーミスタ温度セン
サ10である。
【0018】サーミスタ温度センサ10は,先端部を閉
塞した金属管11と,金属管11の前端部111に寄せ
て収容されたサーモユニット20と,金属管11の外周
部112に取付けられ,金属管11を収容部40に設け
たねじ穴41に挿入,螺着するネジ金具12とを有して
いる。
【0019】サーモユニット20は,リード線14を挿
通させる絶縁管21と,絶縁管21の前端部に固定した
サーミスタ素子22とを有している。そして,サーモユ
ニット20の前方部分は,金属管11内においてセメン
ト30に埋設固定されている。
【0020】サーモユニット20のセメント埋設部23
は,サーモユニット20の前端201から始まる。そし
て,セメント埋設部23は,サーミスタ素子22の後端
部221と,ネジ金具12の全長Lの前方2/3の位置
との間に及んでいる。被測温流体80は,エンジンの排
気であり,収容部40は,エンジンの排気管或いはEG
Rガス通路管である。
【0021】以下それぞれについて詳説する。サーミス
タ温度センサ10は,図2に示すように,エンジンの排
気管或いはEGRガス通路管のねじ穴41にネジ金具1
2を螺着して取付けられる。図2において,符号19
は,ネジ金具12と収容部40との間に介設させるガス
ケットである。
【0022】サーミスタ温度センサ10は,図1に示す
ように,サーモユニット20が金属管11内に収容され
ており,金属管11の前端部111に接するよう検温素
子であるサーミスタ素子22が配設されている。上記サ
ーモユニット20は,次のような工程により,金属管1
1に固定される。
【0023】最初にMgO系セメントを水と混合し泥状
化する。そして,泥状化したセメント30を所定量だけ
ディスペンサ等を用いて,金属管11の前端部111に
注入する。上記ディスペンサは,注射針状のパイプを備
えた注入器である。続いて,サーモユニット20を,そ
の先端が金属管11に突き当たるまで,上記セメント3
0部に真直ぐに挿入する。
【0024】サーモユニット20の挿入に伴いセメント
30は,後方に押し出され,サーモユニット20の外周
と金属管11の内壁との隙間を這い上がる。その結果,
サーモユニット20の前方には,セメント30に被われ
たセメント埋設部23が形成される。その後,常温〜2
00℃の温度でセメント30を乾燥,硬化させて,サー
モユニット20を金属管11に固定する。
【0025】サーモユニット20は,図3に示すよう
に,絶縁管21の前端にサーミスタ素子22が取付けら
れている。このサーミスタ素子22は,ガラス221に
封入された抵抗素子222からなる検出部22aと,こ
の検出部22aを保持する絶縁管22bとからなる。絶
縁管21には,サーミスタ素子22のリード線14を挿
通するリード穴211が穿設されている。リード線14
は接着剤212によって,リード穴211に固定され
る。更に絶縁管22bの後端と絶縁管21の前端とは,
接着剤213によって固定される。なお,絶縁管21
は,マグネシア系のセラミックで形成された絶縁管であ
る。
【0026】サーミスタ素子22は,ガラスによってサ
ーミスタを封止したものであり,接着剤212により絶
縁管21に取付けられる。サーミスタ素子22の全長は
約4mmである。そして,図1に示すように,絶縁管2
1の後方から引出されたリード線14は,被覆を有する
リードワイヤ15と接続され,リードワイヤ15は,サ
ーミスタ温度センサ10の後方から外部に引き出され
る。
【0027】リードワイヤ15の引き出し部は,ゴムブ
ッシュ16と保護チューブ18を介設させて,金属管1
1をかしめて封止される。一方,金属管11の先端から
約5mmの位置には,ネジ金具12が金属管11の外周
にろう付けされる。
【0028】上記ネジ金具12の全長Lは,約15mm
である。そして,サーモユニット20のセメント埋設部
23の後端位置は,サーミスタ素子22の後端部221
と,ネジ金具12の前方から2/3(約10mm)の位
置との間にある。
【0029】次に,本例のサーミスタ温度センサ10の
作用効果ついて述べる。サーミスタ温度センサ10の検
温部であるサーミスタ素子22は,セメント30に埋設
されている。従って,図2に示すように,サーミスタ温
度センサ10を排気管に装着した場合,被測温流体80
である排気ガスの温度T1 は,金属管11とセメント3
0を経て素早くサーミスタ素子22に伝達される。なぜ
ならば,金属管11とセメント30とは,共に熱的な良
導体であるからである。
【0030】一方,ネジ金具12を経由した外気温度T
2 の影響は,ネジ金具12下においてサーモユニット2
0の外周を被う空気81によって抑制される。空気81
は熱的な不良導体であり,ネジ金具12後端部122に
おける外気温度T2 は,これによってサーモユニット2
0に伝わりにくくなるからである。
【0031】図4は,セメント埋設部23の後端部の位
置を変化させてサーミスタ温度センサ10の温度変化を
測定した特性図である。即ち,図5に示すように,セメ
ント埋設部23の後端位置231を,ネジ金具12の前
端(x=0)から,後端(x=15mm)まで変化させ
る。図4はこのときのサーミスタ温度センサ10の測定
値の変化を示すものである。
【0032】図4において,点Aはサーミスタ温度セン
サ10の許容精度の限界を示す点であり,同図から知ら
れるように,セメント埋設部23の後端位置231が,
ネジ金具12の2/3以下(x≦10)のときは上記許
容精度を充分に満足する。なお,測定カーブ51(実
線)と52(破線)とは,セメント30の熱伝導率を変
えたときの特性カーブである。
【0033】上記カーブ51(高伝導率),52(低伝
導率)の差から知られるように,セメントの熱伝導率の
差は,セメント埋設部23の長短差に比べると影響度は
少ない。上記のように,本例によれば,被測温流体80
と外気との温度差による測定誤差を抑制することのでき
るサーミスタ温度センサ10を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のサーミスタ温度センサの断面図。
【図2】実施例のサーミスタ温度センサの装着状態断面
図。
【図3】実施例のサーモユニットの断面図。
【図4】実施例のサーミスタ温度センサにおいてセメン
ト埋設部の後端位置xを変化させたときの特性変化図。
【図5】図4におけるセメント埋設部の後端位置xの説
明図。
【図6】従来のサーミスタ温度センサの断面図。
【符号の説明】
10...サーミスタ温度センサ, 11...金属管, 12...ネジ金具, 20...サーモユニット, 21...絶縁管, 22...サーミスタ素子, 221...後端部, 23...セメント埋設部, 231...後端位置, 30...セメント, 40...収容部, 41...ねじ穴, 80...被測温流体,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−278421(JP,A) 特開 平1−233334(JP,A) 特開 平5−34543(JP,A) 特開 平6−229840(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01K 7/22 G01K 1/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測温流体を収容する収容部に装着し,
    上記流体の温度を測定するサーミスタ温度センサであっ
    て,該サーミスタ温度センサは,先端部を閉塞した金属
    管と,該金属管の前端部に寄せて収容されたサーモユニ
    ットと,上記金属管の外周部に取付けられ,金属管を上
    記収容部に設けたねじ穴に挿入螺着するネジ金具とを有
    しており,上記サーモユニットは,リード線を挿通させ
    る絶縁管と,該絶縁管の前端部に固定したサーミスタ素
    子とを有していると共に,その前方部分が金属管内にお
    いてセメントに埋設固定されており,上記サーモユニッ
    トのセメント埋設部は,サーモユニットの前端から始ま
    り,サーミスタ素子の後端部とネジ金具の全長の前方2
    /3の位置との間に及んでいることを特徴とするサーミ
    スタ温度センサ。
  2. 【請求項2】 請求項1において,被測温流体はエンジ
    ンの排気であり,上記収容部はエンジンの排気管或いは
    EGRガス通路管であることを特徴とするサーミスタ温
    度センサ。
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