JP3296000B2 - 球状多孔質架橋重合体粒子の製造方法 - Google Patents

球状多孔質架橋重合体粒子の製造方法

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JP3296000B2
JP3296000B2 JP01646293A JP1646293A JP3296000B2 JP 3296000 B2 JP3296000 B2 JP 3296000B2 JP 01646293 A JP01646293 A JP 01646293A JP 1646293 A JP1646293 A JP 1646293A JP 3296000 B2 JP3296000 B2 JP 3296000B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は分離材料、担持材料、構
造材料、表示材料等の各種用途に用いられる球状多孔質
架橋重合体粒子の製造方法に関する。詳しくは、特に液
体クロマトグラフィー用充填剤に適した、平均粒子径が
2〜20μmであり、粒子径分布が狭い球状多孔質架橋
重合体粒子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】重合性ビニル単量体から球状重合体粒子
を製造する従来の方法として懸濁重合法、乳化重合法お
よび分散重合法がある。懸濁重合法は分散剤を含む水中
で機械的攪拌により重合性ビニル単量体の分散油滴を形
成し、油溶性重合開始剤により重合を行う方法である。
【0003】乳化重合法は水溶性重合開始剤を用いて界
面活性剤ミセル中で重合性ビニル単量体の重合を行う方
法である。分散重合法は重合性ビニル単量体を溶解する
が生成する重合体は溶解しない媒体中で該媒体可溶の重
合開始剤を用いて該単量体の重合を行う方法である。液
体クロマトグラフィー用充填剤に好適に用いられる、平
均粒子径が2〜20μmの球状多孔質架橋重合体粒子の
製造を行う場合、懸濁重合法で製造される球状架橋重合
体粒子はその平均粒子径を10μm以下にすることが工
業的に困難であり、しかも粒子径分布が広いものしか得
ることが出来ない。
【0004】また乳化重合法で製造される球状重合体粒
子は粒子径分布が狭いものの、重合のメカニズム上、平
均粒子径を1μm以上にすることが困難であり、また高
架橋度の粒子を製造することは不可能である。一方、分
散重合法によれば、平均粒子径が2〜20μmであり、
粒子径分布の狭い球状重合体粒子を製造することが可能
であるが、本法では、重合の進行に伴い生成した重合体
の析出により粒子が形成されるというメカニズム上の制
約から粒子形状の変形、平均粒子径の変動及び粒子径分
布の広範囲化を起こさない重合系の範囲には制限があ
り、そのような系において生成する球状重合体粒子の架
橋度を高くすることは難しい。また、特開平3−14,
808号公報に開示されるように高濃度の分散安定剤の
存在下においてスチレン−ジビニルベンゼンの分散重合
を行うことにより0.5〜5μmの球状架橋重合体粒子
の製造が可能であるが、生成する粒子は非多孔質粒子で
ある。
【0005】よってこれらの従来の重合法単独では平均
粒子径が2〜20μmであり、粒子径分布の狭い球状多
孔質架橋重合体粒子の製造は困難であり、これを解決す
るための方法として、種粒子に重合性単量体を吸収させ
た後に重合を行う、いわゆるシード重合法が研究されて
いる。乳化重合で製造した種粒子を使用するシード重合
法として、例えば特開昭62−227,902号公報に
開示されるように、非架橋種粒子を非架橋性単量体によ
る多段シード重合によって肥大化し、次に0.05〜1
重量%の架橋性単量体を含む単量体混合物によるシード
重合を行い、更にこの架橋系重合体微粒子中に10〜5
0重量%の架橋性単量体を含む単量体混合物及び孔調節
剤を吸収させて重合を行い、溶媒抽出工程を経ることに
より平均粒子径2〜30μmの粒子径分布の狭い球状多
孔質架橋重合体粒子を製造し得るが、工程数が多くその
製造は容易ではない。
【0006】また、工程数を削減するための方法として
は特開昭61−190,504号公報に開示されるよう
に、種粒子に水に対する溶解度が0.02重量%以下で
分子量が5,000以下の有機化合物より構成される膨
潤助剤を吸収させ、次いで種粒子に対して体積で1,0
00倍以上の重合性単量体を吸収させた後に重合を行う
方法がある。しかし、この方法では膨潤助剤の吸収操作
に長時間を必要とする。
【0007】更に、特開昭63−189,413号公報
においては、重量平均分子量が500〜10,000で
ある種粒子1重量部を含む水性分散体に対して架橋性単
量体3重量%以上を含む重合性単量体を2〜500部吸
収させて重合することにより球状架橋重合体粒子が得ら
れるが、この方法では重合性単量体のみを吸収させて重
合するために多孔質構造が得られにくい。また、乳化重
合により得られる粒子を種粒子とするために、2μm以
上の粒子を製造するには多量の重合性単量体を吸収させ
る必要があり、種粒子に吸収されない重合性単量体の存
在により粒子径分布の均一性が損なわれ、また凝集等の
問題が生じることからその製造は容易ではない。
【0008】一方、分散重合で製造した種粒子に用いる
シード重合法としては、例えば特開昭64−1,702
号公報があるが、この方法では球状架橋重合体粒子は得
られない。また、特開昭64−81,810号公報に開
示される方法で球状多孔質架橋重合体粒子が得られる
が、この方法において使用される非イオン性有機化合物
の種類には制限があり、得られる球状多孔質重合体粒子
の多孔質構造を広範囲に制御することは難しい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の方
法では平均粒子径が2〜20μmであり、粒子径分布が
狭い球状多孔質架橋重合体粒子を高い再現性をもって製
造することは困難であった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば量体
は溶解するが重合体は溶解しない媒体中で重合性ビニ
ル単量体を、ラジカル重合開始剤及び連鎖移動剤の存在
下重合し、平均粒径が1〜10μmであり、かつ重量
平均分子量が10,000〜100,000球状重合
体粒子であるシード粒子を製造し、次いでこのシード粒
子に重合性モノビニル単量体、重合性ポリビニル単量体
及び多孔質化溶媒を水性分散液として吸収させて、重合
性モノビニル単量体、重合性ポリビニル単量体及び多孔
質化溶媒を吸収したシード粒子の水性分散液を調製し、
この水性分散液をシード重合に供することにより、平均
粒径が2〜20μmで、かつ粒子径分布の狭い球状多孔
質架橋共重合体粒子製造することができる。
【0011】本発明においては分散重合時に連鎖移動剤
を添加することにより製造された、平均粒子径が1〜1
0μmであり、重量平均分子量が10,000〜10
0,000である球状重合体粒子を種粒子とすることを
第1の特徴とする。従来のシード重合法において使用さ
れる種粒子については、シード重合により生成する粒子
の粒子径の均一性を保つために低架橋度の球状重合体粒
子を採用したり、多量の重合性単量体を吸収させるため
に分子量が10,000以下の球状重合体粒子を採用す
ること以外にはその重合度等についての明確な知見がな
かった。
【0012】本研究者等は分散重合により製造された球
状重合体粒子を種粒子に用いたシード重合法により製造
される球状多孔質架橋重合体粒子の多孔質構造の制御及
び製造再現性について検討した結果、種粒子の分子量が
大きな影響を及ぼし、その分子量については、ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー測定によるポリスチレ
ン換算重量平均分子量において10,000〜100,
000の範囲が好適であることを見いだした。すなわち
重量平均分子量が10,000未満の場合には、重合性
単量体を吸収した粒子の安定性が低下し、粒子径分布の
均一性の低下や重合時の凝集等の問題が生じる。また、
重量平均分子量が100,000を越える場合には、種
重合体による過度の相分離効果によりシード重合後の球
状多孔質重合体粒子の多孔質構造の制御及び製造再現性
に影響を与える。
【0013】そして、このような平均粒子径が1〜10
μmであり、重量平均分子量が10,000〜100,
000である球状重合体粒子を得るには、分散重合時に
連鎖移動剤を添加することにより可能であることを見い
だした。
【0014】連鎖移動剤としては、アリルアルコール及
びそのエステル類、チオアクリル酸エステル類、2,6
−ジメチル−2,6−オクタジエン等のジエン類;クロ
ロホルム、ブロモホルム、四塩化炭素、四臭化炭素等の
ハロゲン化アルキル類、(ジ)クロロベンゼン、(ジ)
ブロモベンゼン、(ジ)クロロトルエン、(ジ)ブロモ
トルエン、トリクロロトルエン等の芳香族ハロゲン化合
物;ニトロメタン、ニトロエタン、トリニトロメタン等
のニトロ化アルキル類、トリニトロベンゼン、トリニト
ロトルエン、ニトロフェノール、トリニトロフェノール
等の芳香族ニトロ化合物;トリメチルアミン、トリエチ
ルアミン等のアルキルアミン類、アニリン、N,N−ジ
メチルアニリン、トルイジン、N,N−ジメチル−p−
トルイジン等の芳香族アミン類;ジエチル亜鉛、トリエ
チルアルミニウム、テトラブチルスズ等の金属アルキル
化物;塩化銅(II)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)等の
金属塩化物類;三塩化リン、トリエチルホスフィン等の
含リン化合物;エチル(ジ)スルフィド、ブチル(ジ)
スルフィド等のアルキル(ジ)スルフィド類、ビス(ジ
メチルチオカルバモイル)スルフィド、ビス(ジメチル
チオカルバモイル)ジスルフィド、ビス(ジエチルチオ
カルバモイル)スルフィド、ビス(ジエチルチオカルバ
モイル)ジスルフィド等のビス(ジアルキルチオカルバ
モイル)スルフィド類及びビス(ジアルキルチオカルバ
モイル)ジスルフィド類、フェニル(ジ)スルフィド、
ベンジル(ジ)スルフィド等の芳香族(ジ)スルフィド
類;エタンチオール、プロパンチオール、ベンゼンチオ
ール、トルエンチオール等のアルキルチオアルコール及
び芳香族チオアルコール類;チオ酢酸、チオ酢酸エチ
ル、チオ安息香酸、チオ安息香酸エチル等のアルキルチ
オカルボン酸、芳香族チオカルボン酸類及びそのエステ
ル類;ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホキシ
ド、ジベンジルスルホキシド等のスルホキシド類、ジメ
チルスルホン、ジフェニルスルホン等のスルホン類;等
を挙げることが出来る。
【0015】その中において好ましくはエチル(ジ)ス
ルフィド、ブチル(ジ)スルフィド等のアルキル(ジ)
スルフィド類、ビス(ジメチルチオカルバモイル)スル
フィド、ビス(ジメチルチオカルバモイル)ジスルフィ
ド、ビス(ジエチルチオカルバモイル)スルフィド、ビ
ス(ジエチルチオカルバモイル)ジスルフィド等のビス
(ジアルキルチオカルバモイル)スルフィド及びビス
(ジアルキルチオカルバモイル)ジスルフィド類、フェ
ニル(ジ)スルフィド、ベンジル(ジ)スルフィド等の
芳香族(ジ)スルフィド類が挙げられ、更に好ましくは
ビス(ジメチルチオカルバモイル)スルフィド、ビス
(ジメチルチオカルバモイル)ジスルフィド、ビス(ジ
エチルチオカルバモイル)スルフィド、ビス(ジエチル
チオカルバモイル)ジスルフィド等のビス(ジアルキル
チオカルバモイル)スルフィド及びビス(ジアルキルチ
オカルバモイル)ジスルフィド類が挙げられる。
【0016】これらの使用量は連鎖移動剤の種類により
異なるが生成する球状重合体粒子の形状、平均粒子径及
び粒子径分布に悪影響を及ぼさない範囲で添加される。
具体的には例えばジスルフィド系の連鎖移動剤の場合モ
ノマーに対し0.01〜19重量%、好ましくは0.0
5〜10重量%、更に好ましくは0.1〜5重量%の割
合である。またハロゲン化アルキル類の場合は1〜60
重量%の範囲で使用される。
【0017】また、分散重合において用いられる重合性
ビニル単量体としては、(メタ)アクリル酸等の不飽和
脂肪族カルボン酸類;(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸アルキル
エステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等の
(メタ)アクリル酸ヒドロキシ低級アルキル、(メタ)
アクリル酸2−エトキシエチル等の(メタ)アクリル酸
アルコキシアルキル、(メタ)アクリル酸グリシジル、
(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等の(メタ)
アクリル酸ジアルキルアミノアルキル等の(メタ)アク
リル酸エステル類;(メタ)アクリルアミド等の(メ
タ)アクリルアミド誘導体;スチレン、t−ブチルスチ
レン等のスチレン及びそのアルキル置換体;酢酸ビニル
等の脂肪酸のビニルエステル類;(メタ)アクリロニト
リル、ビニルピロリドン等;が挙げられ、これらの重合
性ビニル単量体には全重合性ビニル単量体の50重量%
以下の範囲において、上記例示の重合性ビニル単量体を
含むその他の重合性ビニル単量体の一種類以上を共重合
成分として用いることが出来る。
【0018】上記以外のその他の重合性ビニル単量体の
例としては、上記のビニル単量体と共重合するものであ
れば特に限定されないが、具体的には(メタ)アクリル
酸のフェニルエステル、テトラヒドロフルフリルエステ
ル、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルエステル、2
−クロロエチル等のハロゲン含有エステル;クロロスチ
レン、クロロメチルスチレン等のハロゲン置換スチレン
及びその誘導体;メチルビニルエーテル、エチルビニル
エーテル等のビニルエーテル類;アリルアルコール及び
そのエステル又はエーテル類;ビニルスルホン酸、p−
スチレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸等が挙げられ
る。
【0019】分散重合に用いられる媒体は、上記重合性
ビニル単量体を溶解するが生成する(共)重合体は溶解
しないものであり、生成する球状重合体粒子の平均粒子
径及び粒子径分布を所望のものとするために、また使用
する単量体に応じて適宜選択される(例えばY.Alm
og,et.al.,British Polymer
Journal ’82,P131〜136参照)。
具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、
(ジ)エチレングリコール、プロピレングリコール、グ
リセリン等のアルコール類;ギ酸メチル、ギ酸エチル、
酢酸メチル、酢酸エチル、(ジ)エチレングリコールモ
ノアセテート等のエステル類;ジエチルエーテル、ジオ
キサン、テトラヒドロフラン、(ジ)エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、(ジ)エチレングリコールモノ
エチルエーテル等のエーテル類及びエーテルアルコール
類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン等のケトン類;ヘキサン、シクロヘキサン、オク
タン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;
クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、
クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン等
のハロゲン化炭化水素類;アセトニトリル、ジメチルア
ミン、モノエタノールアミン、ジメチルホルムアミド、
ピリジン、ニトロベンゼン等の含窒素化合物;二硫化炭
素、ジメチルスルホキシド等の含硫黄化合物;等の媒体
及び水が挙げられ、これらは単独でも二種類以上の混合
においても用いることが出来る。
【0020】これらの媒体としては、好ましくは脂肪族
低級アルコール等のアルコール類、エーテル類が使用さ
れる。分散重合において生成する重合体が凝集、変形、
融着することなく球状粒子の形態をとるためには上記媒
体に可溶な分散安定剤を用いることが好ましい。分散安
定剤としては、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル
酸、ポリビニルアルコール、ポリメチルビニルエーテ
ル、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリ
(2−エチル−2−オキサゾリン)等のホモポリマー、
各種ランダムコポリマー、グラフトコポリマー、ブロッ
クコポリマー等の合成高分子;メチルセルロース、エチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルセルロース等の天然高分子誘導体;等が挙げ
られ、更に所望ならば上記分散安定剤に加えて補助安定
剤を用いることが出来る。このような補助安定剤として
はアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニ
オン性界面活性剤、両性界面活性剤及び長鎖アルコール
等を挙げることが出来る。
【0021】全重合性ビニル単量体の使用量としては、
通常5〜45重量%、好ましくは10〜40重量%、ま
た分散安定剤は0.01〜10重量%(いずれも重合液
中濃度)であるが、特に限定されない。分散重合におい
て用い得る重合開始剤としては、2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメ
チルバレロニトリル)、4,4−アゾビス(4−シアノ
ペンタン酸)等のアゾ系重合開始剤;t−ブチルヒドロ
ペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、ベンゾイ
ルペルオキシド、ジ−イソプロピルペルオキシジカーボ
ネート、t−ブチルペルオキシイソブチレート及び過酸
化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過酸
化物系重合開始剤またはこれらにアミン、重亜硫酸ナト
リウム等の還元剤を添加した系;等を挙げることが出来
る。
【0022】分散重合による球状重合体粒子の製造は、
分散安定剤及び所望により補助安定剤を溶解した媒体中
に一種または二種類以上の重合性ビニル単量体、重合開
始剤及び連鎖移動剤を添加し、攪拌下にて反応器を加熱
することにより行われる。この場合、重合開始剤及び連
鎖移動剤の添加時期は昇温開始前、昇温中及び重合温度
到達後の何れも可能であり、また一括添加法、分割添加
法及び連続添加法の何れも可能である。
【0023】重合開始剤の使用量としては、単量体全量
に対し、通常0.05〜10重量%、好ましくは0.1
〜5重量%用いられる。重合開始剤の使用量が少ないと
生成する重合体の分子量が高くなり、また、使用量が多
いと反応系が不安定になる。また、重合の進行を良好な
ものとするためには反応器内を窒素、アルゴンガス等の
不活性ガス雰囲気にすることが好ましい。
【0024】重合温度、重合時間については重合性ビニ
ル単量体の種類、量、重合開始剤の種類、量及び連鎖移
動剤の種類、量等によって適宜決定されるが概ね30℃
から90℃にて30分から1440分である。本発明の
第2の特徴は、上述の方法によって製造された所望の大
きさの球状重合体粒子を種粒子とし、重合性モノビニル
単量体、重合性ポリビニル単量体及び多孔質化溶媒を該
種粒子に吸収させた後に(シード)重合を行うことによ
り球状多孔質架橋重合体粒子を製造することにある。
【0025】シード重合で用いられる重合性モノビニル
単量体としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マ
レイン酸等の不飽和カルボン酸類;(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシ
エチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メ
タ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸3−クロ
ロ−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−
クロロエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メ
タ)アクリル酸2,3−ジヒドロキシプロピル、(メ
タ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリ
ル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸テトラ
ヒドロフルフリル等の(メタ)アクリル酸エステル類;
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)ア
クリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体;スチ
レン、メチルスチレン、エチルスチレン、α−メチルス
チレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン等のス
チレン及びそのアルキルまたはハロゲン置換体;酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、メチ
ルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエ
ーテル類;アリルアルコール及びそのエステルまたはエ
ーテル類;(メタ)アクリロニトリル、ビニルスルホン
酸、p−スチレンスルホン酸、ビニルピリジン、ビニル
ピロリドン等、その他のビニル化合物;等が挙げられ、
これらの重合性モノビニル単量体は単独でも二種類以上
の混合においても用いることが出来る。また、種粒子の
製造に用いられる重合性ビニル単量体とは同じでも異な
っていても良い。
【0026】また、重合性ポリビニル単量体としては、
ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、2,4,6−
トリビニルエチルベンゼン等の芳香族ポリビニル化合
物;(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、1,4−
ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチル
グリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチロール
メタンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキノンジ(メ
タ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート類;グリ
セロールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメ
タントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリ
レート類;テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アク
リレート等のテトラ(メタ)アクリレート類;ジペンタ
エリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等のペンタ
(メタ)アクリレート類;ジペンタエリスリトールヘキ
サ(メタ)アクリレート等のヘキサ(メタ)アクリレー
ト類;アジピン酸ジビニル、マレイン酸ジアリル、フタ
ル酸ジアリル、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸ト
リアリル等のポリカルボン酸ポリビニルエステル、ポリ
カルボン酸ポリアリルエステル類;ジビニルエーテル、
(ポリ)エチレングリコールジビニルエーテル、トリメ
チロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリト
ールトリアリルエーテル等のポリオールポリビニルエー
テル、ポリオールポリアリルエーテル類;ブタジエン、
メチレンビスアクリルアミド等その他のポリビニル化合
物;等が挙げられ、これらの重合性ポリビニル単量体は
単独でも二種類以上の混合においても用いることが出来
る。
【0027】この場合、種粒子に吸収させる全重合性ビ
ニル単量体量は種粒子との重量比にて2〜30重量倍、
好ましくは4〜25重量倍である。また、重合性ポリビ
ニル単量体の全重合性ビニル単量体に対する割合は10
〜100重量%の範囲であり、好ましくは20〜100
重量%の範囲である。さらに、本発明においてはシード
重合時での多孔質化溶媒の添加が必須である。本発明に
おいては種粒子の分子量範囲を規定することによりシー
ド重合の際、種粒子重合体に由来する多孔質構造の形成
と、多孔質化溶媒に由来する多孔質構造の形成との割合
の制御が可能となり、その結果として生成する球状架橋
重合体粒子の多孔質構造を広範囲に制御することが出来
るのである。
【0028】多孔質化溶媒として用いられる溶媒は、種
粒子に吸収されるものであって、重合性ビニル単量体を
溶解するがその重合体は溶解しないものであり、具体的
には、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ドデカン、シク
ロヘキサン等の脂肪族及び脂環式炭化水素類;ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭
化水素類;ヘキサノール、オクタノール、ドデカノー
ル、シクロヘキサノール等の脂肪族及び脂環式アルコー
ル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、フタル酸ジメチル、フ
タル酸ジエチル等のエステル類;ジクロロメタン、ジク
ロロエタン、トリクロロエチレン等のハロゲン化炭化水
素類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族ハ
ロゲン化炭化水素類;等が挙げられ、これらの溶媒は単
独でも二種類以上の混合においても用いることが出来
る。また、多孔質化溶媒の添加量については全重合性ビ
ニル単量体に対して30〜350重量%、好ましくは5
0〜300重量%の範囲である。
【0029】シード重合において用いることのできる重
合開始剤としては、2,2′−アゾビスイソブチロニト
リル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニ
トリル)、4,4−アゾビス(4−シアノペンタン酸)
等のアゾ系重合開始剤;t−ブチルヒドロペルオキシ
ド、ジ−t−ブチルペルオキシド、ベンゾイルペルオキ
シド、ジ−イソプロピルペルオキシジカーボネート、t
−ブチルペルオキシイソブチレート等の過酸化物系重合
開始剤またはこれらにアミン等を添加した系;等を挙げ
ることが出来る。
【0030】本発明は、重合性モノビニル単量体、重合
性ポリビニル単量体、多孔質化溶媒及び重合開始剤から
成る分散液を調製し、これを種粒子水性分散液と接触さ
せることにより種粒子中に吸収させて重合を行なう。分
散液の調製には分散性を高めるために分散安定剤を用
い、1μm程度に微分散することが好ましい。このよう
な分散安定剤としては公知のものを用いることが可能で
あり、具体的にはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、ラウリル硫酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク
酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤を挙げることが
でき、更にポリエチレングリコールモノステアレート、
ソルビタンモノステアレート等の非イオン系界面活性
剤、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ビニ
ルアルコール−酢酸ビニル共重合体等の合成高分子を併
用することができる。
【0031】本発明においてはシード重合の際、重合性
ビニル単量体、多孔質化溶媒及び重合開始剤を吸収して
肥大化した種粒子が凝集、変形、融着することを防止
し、その分散安定性を増すために、分散液を含浸後、重
合を始める前に再度、分散安定剤を添加することが好ま
しい。このような分散安定剤としては公知のアニオン
系、ノニオン系の界面活性剤、及びポリビニルピロリド
ン、ポリエチレンイミン、ビニルアルコール−酢酸ビニ
ル共重合体等の合成高分子が使用できる。
【0032】本発明のシード重合における重合温度とし
ては通常40℃〜90℃、好ましくは50℃〜80℃で
あり、重合時間については通常60〜1440分であ
る。本発明により製造された球状多孔質架橋重合体粒子
は、その平均粒子径が2〜20μmの範囲、好ましくは
3〜15μmの範囲にあり、その標準偏差を平均粒子径
で除した値である変動係数は10%以下と粒子径分布の
狭いものである。
【0033】また、その多孔質構造については水銀ポロ
シメーターにより測定した細孔容積が0.2〜2.5m
l/gの範囲、好ましくは0.2〜2.0ml/gであ
り、最頻度半径は1nm〜1μmの範囲、好ましくは1
〜500nmの範囲、更に好ましくは2〜200nmで
あり、BET法にて測定した比表面積については5〜1
500m2 /gの範囲、好ましくは5〜1000m2
gの範囲である。
【0034】本発明により製造された球状多孔質架橋重
合体粒子は分離材料、担持材料等種々の用途に使用され
るが、例えば液体クロマトグラフィー用充填材に用いる
場合には、使用中に種粒子由来の重合体溶出の惧れがあ
るので、予じめ、溶剤を用いて該重合体の抽出を行なう
ことが好ましい。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。 実施例1 攪拌器、コンデンサー、温度計及び窒素ガス導入管を備
えた反応器中にエタノール135.5重量部を入れ、ポ
リビニルピロリドン(平均分子量40,000)3.6
重量部を添加し溶解させた。この溶液にメタクリル酸グ
リシジル60重量部、2,2−アゾビスイソブチロニト
リル0.6重量部及びビス(ジエチルチオカルバモイ
ル)ジスルフィド0.3重量部を添加し、窒素雰囲気下
にて70℃に加熱して3時間重合を行った。放冷後、メ
タノール洗浄を行い単離した球状重合体粒子はその平均
粒子径が1.85μmであり、変動係数は3.1%であ
った。この球状重合体粒子をテトラヒドロフランに溶解
し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによりポ
リスチレン換算分子量を測定したところ、その重量平均
分子量は75,300であり、分子量分散度は2.6で
あった。
【0036】上記の球状重合体粒子(種粒子)5重量部
にドデシル硫酸ナトリウム0.02重量部とイオン交換
水45重量部を加えて種粒子水性分散液を調製した。
タクリル酸グリシジル44.94重量部、エチレングリ
コールジメタクリレート18.90重量部、1,2−ジ
クロロエタン70.88重量部、トルエン29.36重
量部、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.60
重量部、ドデシル硫酸ナトリウム1.13重量部及びイ
オン交換水450重量部から成る重合性ビニル単量体微
分散液を上記種粒子水性分散液に攪拌下、室温にて添加
し16時間保持することにより油滴を種粒子に吸収させ
た。
【0037】次いでこれに1.11重量%ポリビニルア
ルコール水溶液405重量部を添加し、70℃にて8時
間、(シード)重合を行い重合体粒子を得た。この重合
体粒子を単離後、325mlのアセトンを加え60℃に
て4時間抽出操作を行い、種粒子由来の重合体を除去し
た後、乾燥することにより重合体粒子粉末を得た。得ら
れた重合体粒子の平均粒子径は4.83μmであり、変
動係数は4.6%であった。また、水銀ポロシメーター
により測定した細孔容積は0.38ml/g、最頻度半
径は46.7nmであり、BET法にて測定した比表面
積は23.3m2 /gであることから球状多孔質架橋重
合体粒子が得られたことがわかる。
【0038】実施例2 実施例1と同様の反応器中にエタノール135.2重量
部を入れ、ポリビニルピロリドン(平均分子量40,0
00)3.6重量部を添加し溶解させた。この溶液にメ
タクリル酸グリシジル60重量部、2,2−アゾビスイ
ソブチロニトリル0.6重量部及びビス(ジエチルチオ
カルバモイル)ジスルフィド0.6重量部を添加し、窒
素雰囲気下にて70℃に加熱して3時間重合を行った。
放冷後、メタノール洗浄を行い単離した球状重合体粒子
はその平均粒子径が1.63μmであり、変動係数は
2.1%であった。この球状重合体粒子をテトラヒドロ
フランに溶解し、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィーによりポリスチレン換算分子量を測定したところ、
その重量平均分子量は49,200であり、分子量分散
度は2.3であった。
【0039】上記の球状重合体粒子(種粒子)5重量部
にドデシル硫酸ナトリウム0.02重量部とイオン交換
水45重量部を加えて種粒子水性分散液を調製した。
タクリル酸グリシジル44.94重量部、エチレングリ
コールジメタクリレート18.90重量部、1,2−ジ
クロロエタン42.53重量部、トルエン48.94重
量部、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.60
重量部、ドデシル硫酸ナトリウム1.13重量部及びイ
オン交換水450重量部から成る重合性ビニル単量体微
分散液を上記種粒子水性分散液に攪拌下、室温にて添加
し16時間保持することにより油滴を種粒子に吸収させ
た。
【0040】次いでこれに1.11重量%ポリビニルア
ルコール水溶液405重量部を添加し、70℃にて8時
間、(シード)重合を行い重合体粒子を得た。この重合
体粒子を単離後、325mlのアセトンを加え60℃に
て4時間抽出操作を行い、種粒子由来の重合体を除去し
た後、乾燥することにより重合体粒子粉末を得た。得ら
れた重合体粒子の平均粒子径は4.52μmであり、変
動係数は4.9%であった。また、水銀ポロシメーター
により測定した細孔容積は0.59ml/g、最頻度半
径は29.8nmであり、BET法にて測定した比表面
積は44.2m2 /gであった。
【0041】実施例3 実施例2で用いた球状重合体粒子(種粒子)5重量部に
ドデシル硫酸ナトリウム0.02重量部とイオン交換水
45重量部を加えて種粒子水性分散液を調製した。メタ
クリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル11.5
0重量部、グリセロールジメタクリレート52.86重
量部、1,2−ジクロロエタン70.88重量部、トル
エン29.36重量部、2,2′−アゾビスイソブチロ
ニトリル0.60重量部、ドデシル硫酸ナトリウム1.
13重量部及びイオン交換水450重量部から成る重合
性ビニル単量体微分散液を上記種粒子水性分散液に攪拌
下、室温にて添加し16時間保持することにより油滴を
種粒子に吸収させた。
【0042】次いでこれに1.11重量%ポリビニルア
ルコール水溶液405重量部を添加し、70℃にて8時
間、(シード)重合を行い重合体粒子を得た。この重合
体粒子を単離後、325mlのアセトンを加え60℃に
て4時間抽出操作を行い、種粒子由来の重合体を除去し
た後、乾燥することにより重合体粒子粉末を得た。得ら
れた重合体粒子の平均粒子径は5.02μmであり、変
動係数は3.9%であった。また、水銀ポロシメーター
により測定した細孔容積は0.91ml/g、最頻度半
径は108.8nmであり、BET法にて測定した比表
面積は12.2m2 /gであった。
【0043】実施例4 実施例2で用いた球状重合体粒子(種粒子)5重量部に
ドデシル硫酸ナトリウム0.02重量部とイオン交換水
45重量部を加えて種粒子水性分散液を調製した。メタ
クリル酸2,3−ジヒドロキシプロピル12.84重量
部、エチレングリコールジメタクリレート29.40重
量部、1,2−ジクロロエタン47.25重量部、n−
ヘキサノール18.45重量部、2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリル0.40重量部、ドデシル硫酸ナトリ
ウム0.75重量部及びイオン交換水300重量部から
成る重合性ビニル単量体微分散液を上記種粒子水性分散
液に攪拌下、室温にて添加し16時間保持することによ
り油滴を種粒子に吸収させた。
【0044】次いでこれに1.11重量%ポリビニルア
ルコール水溶液270重量部を添加し、70℃にて8時
間、(シード)重合を行い重合体粒子を得た。この重合
体粒子を単離後、225mlのアセトンを加え60℃に
て4時間抽出操作を行い、種粒子由来の重合体を除去し
た後、乾燥することにより重合体粒子粉末を得た。得ら
れた重合体粒子の平均粒子径は3.52μmであり、変
動係数は3.3%であった。また、水銀ポロシメーター
により測定した細孔容積は0.68ml/g、最頻度半
径は109.2nmであり、BET法にて測定した比表
面積は43.3m2 /gであった。
【0045】実施例5 実施例1と同様の反応器中にエタノール135.2重量
部を入れ、ポリビニルピロリドン(平均分子量40,0
00)3.6重量部を添加し溶解させた。この溶液にメ
タクリル酸グリシジル54重量部、クロロメチルスチレ
ン6重量部、2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.
6重量部及びビス(ジエチルチオカルバモイル)ジスル
フィド0.6重量部を添加し、窒素雰囲気下にて70℃
に加熱して4時間重合を行った。放冷後、メタノール洗
浄を行い単離した球状重合体粒子はその平均粒子径が
1.84μmであり、変動係数は3.7%であった。こ
の球状重合体粒子をテトラヒドロフランに溶解し、ゲル
パーミエーションクロマトグラフィーによりポリスチレ
ン換算分子量を測定したところ、その重量平均分子量は
46,400であり、分子量分散度は2.6であった。
【0046】上記の球状重合体粒子(種粒子)5重量部
にドデシル硫酸ナトリウム0.02重量部とイオン交換
水45重量部を加えて種粒子水性分散液を調製した。メ
タクリル酸2,3−ジヒドロキシプロピル12.84重
量部、エチレングリコールジメタクリレート29.40
重量部、1,2−ジクロロエタン47.25重量部、n
−オクタノール18.68重量部、2,2′−アゾビス
イソブチロニトリル0.40重量部、ドデシル硫酸ナト
リウム0.75重量部及びイオン交換水300重量部か
ら成る重合性ビニル単量体微分散液を上記種粒子水性分
散液に攪拌下、室温にて添加し16時間保持することに
より油滴を種粒子に吸収させた。
【0047】次いでこれに1.11重量%ポリビニルア
ルコール水溶液270重量部を添加し、70℃にて8時
間、(シード)重合を行い重合体粒子を得た。この重合
体粒子を単離後、225mlのアセトンを加え60℃に
て4時間抽出操作を行い、種粒子由来の重合体を除去し
た後、乾燥することにより重合体粒子粉末を得た。得ら
れた重合体粒子の平均粒子径は4.52μmであり、変
動係数は2.7%であった。また、水銀ポロシメーター
により測定した細孔容積は0.76ml/g、最頻度半
径は74.8nmであり、BET法にて測定した比表面
積は37.2m2 /gであった。
【0048】応用例1 実施例2にて得られた球状多孔質架橋重合体粒子30重
量部に10重量%硫酸水溶液300重量部を加え、50
℃にて5時間加熱することによりメタクリル酸グリシジ
ル由来のエポキシ基の加水分解を行った。反応終了後、
粒子をイオン交換水にて充分に洗浄し、単離後に乾燥す
ることにより粒子粉末を得た。この加水分解後の粒子2
0重量部に5N−NaOH水溶液96重量部を加え、室
温において超音波分散下で30分間攪拌した。
【0049】次いで、これに51%β−ジエチルアミノ
エチルクロリド塩酸塩水溶液117.6重量部を加え、
50℃にて6時間反応することによりジエチルアミノエ
チル基を導入した。得られた粒子のジエチルアミノエチ
ル基の導入量を滴定法により測定したところ0.56m
eq/gであった。この粒子を内径8.0mm、長さ1
00mmのガラスカラム中に充填し、高速液体クロマト
グラフィー評価を行った。
【0050】
【表1】測定条件: 測定装置:LC−6Aシステム(島津製作所製) 溶離液 :A→B 30min リニアグラジエント A:20mMトリスヒドロキシメチルアミノメタン・塩
酸緩衝液(pH8.0) B:A+0.5M塩化ナトリウム 流速 :1.0ml/min 圧力 :12kg/cm2 検出 :UV280nm 温度 :25℃ サンプル:ミオグロビン(シグマ社製) 25μg/10μl オバルブミン(シグマ社製) 100μg/10μl トリプシンインヒビター(シグマ社製) 50μg/10μl クロマトグラムを第1図に示す。また、この粒子を内径
8.0mm、長さ100mmのガラスカラム中に充填
し、蛋白質吸着容量の測定を行った。
【0051】
【表2】測定条件: 測定装置:LC−6Aシステム(島津製作所製) 吸着液 :14mMトリスヒドロキシメチルアミノメタ
ン・塩酸緩衝液(pH8.0) 流速 :1.0ml/min 圧力 :12kg/cm2 検出 :UV280nm 温度 :25℃ 試料 :牛血清アルブミン(シグマ社製)
【0052】上記の測定条件にて14mMトリスヒドロ
キシメチルアミノメタン・塩酸緩衝液(pH8.0)に
溶解した牛血清アルブミンをカラムに注入し、吸着させ
た。飽和吸着後、吸着されずに溶出する牛血清アルブミ
ンをUV280nmの検出から確認することによりカラ
ムに吸着された牛血清アルブミン量を求めたところ、粒
子1mlあたりの牛血清アルブミン吸着容量は70mg
と良好な値を示した。
【0053】比較例1 実施例1の分散重合工程においてビス(ジエチルチオカ
ルバモイル)ジスルフィドの添加を行わずに得られた球
状重合体粒子をテトラヒドロフランに溶解し、ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィーによりポリスチレン換
算分子量を測定したところ、その重量平均分子量は27
4,200であり、分子量分散度は4.4であった。こ
の球状重合体粒子を種粒子に用いて実施例1と同様にし
てシード重合を行った。得られた重合体粒子についての
水銀ポロシメーターにより測定した細孔容積は0.15
ml/g、最頻度半径は219.7nmであり、またB
ET法にて測定した比表面積は4.6m2 /gであり、
多孔質構造が不十分なものであった。
【0054】この球状多孔質架橋重合体粒子に対して応
用例1と同様にしてジエチルアミノエチル基を導入し
た。得られた粒子のジエチルアミノエチル基の導入量を
滴定法により測定したところ0.51meq/gであっ
た。この粒子を内径8.0mm、長さ100mmのガラ
スカラム中に充填し、応用例1と同様にして牛血清アル
ブミンの吸着容量測定を行ったところ、粒子1mlあた
り7.2mgと低いものであった。
【0055】
【発明の効果】本発明により、平均粒子径が2〜20μ
mであり、粒子径分布が狭い球状多孔質架橋重合体粒子
をその多孔質構造を広範囲に制御し、高い再現性をもっ
て製造することが可能である。このような球状多孔質架
橋重合体粒子は分離材料、担持材料、構造材料、表示材
料等の各種用途に好適に用いられ、特に液体クロマトグ
ラフィー用充填剤に用いた場合には良好な分離特性と高
吸着容量特性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】応用例1において実施した本発明の球状粒子を
用いてイオン交換樹脂として使用した場合の高速液体ク
ロマトグラフィー評価のクロマトグラムである。
【符号の説明】
1 ミオグロビン 2 オバルブミン 3 トリプシンインヒビター

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単量体は溶解するが重合体は溶解しない
    媒体中で、重合性ビニル単量体を、ラジカル重合開始剤
    及び連鎖移動剤の存在下重合し、平均粒径が1〜10
    μmであり、かつ重量平均分子量が10,000〜10
    0,000球状重合体粒子であるシード粒子を製造
    し、次いでこのシード粒子に重合性モノビニル単量体、
    重合性ポリビニル単量体及び多孔質化溶媒を水性分散液
    として吸収させて、重合性モノビニル単量体、重合性ポ
    リビニル単量体及び多孔質化溶媒を吸収したシード粒子
    の水性分散液を調製し、この水性分散液をシード重合に
    供することを特徴とする球状多孔質架橋重合体粒子の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 シード重合により得られた重合体粒子
    を、シード粒子を溶解し得る溶媒で処理して重合体粒子
    中のシード粒子を抽出除去することを特徴とする請求項
    1記載の球状多孔質架橋重合体粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】 連鎖移動剤として、アルキルスルフィド
    類、アルキルジスルフィド類、ビス(ジアルキルチオカ
    ルバモイル)スルフィド類、ビス(ジアルキルチオカル
    バモイル)ジスルフィド類、芳香族スルフィド類及び芳
    香族ジスルフィド類よりなる群から選ばれたものを用い
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の球状多孔質架
    橋重合体粒子の製造方法。
  4. 【請求項4】 多孔質溶媒を、シード粒子に吸収させる
    全重合性ビニル単量体に対して30〜350重量%用い
    ることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載
    の球状多孔質架橋重合体粒子の製造方法。
  5. 【請求項5】 シード粒子に吸収させる全重合性ビニル
    単量体に占める重合性ポリビニル単量体の割合が10〜
    100重量%であり、かつシード粒子に吸収させる全重
    合性ビニル単量体のシード粒子に対する比率が2〜30
    重量倍であることを特徴とする請求項1ないし4のいず
    れかに記載の球状多孔質架橋重合体粒子の製造方法。
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