JP3293884B2 - 容器乃至容器蓋の防錆方法 - Google Patents
容器乃至容器蓋の防錆方法Info
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Description
の防錆方法に関し、より詳細には容器蓋等のカットエッ
ジに塗布した場合、特別な乾燥工程が不要で塗布作業性
に優れると共に、被膜保持性及び防錆持続性に優れた塗
膜を提供できる防錆方法に関する。
のカットエッジの金属面が露出した状態にあると、貯蔵
時の結露等によってはカットエッジ部の金属面から錆が
発生して衛生的特性が損なわれると共に、容器等が汚れ
商品価値を損なうことになるため、カットエッジ部を防
錆処理することが必要である。一般に金属製容器等のカ
ットエッジ部の防錆方法としては、カットエッジ部分に
エポキシ系樹脂やビニル系樹脂等の防錆塗料を塗布する
ことにより行われている。
うな防錆材料は防錆性及び防錆持続性においては優れる
ものの、カットエッジ部を処理した場合以下の点におい
て十分満足するものではなかった。すなわち防錆材料と
してエポキシ系樹脂やビニル系樹脂を用いる場合、これ
らの樹脂はそれ自体に臭気があるとともに、ケトンやエ
ステル系溶剤のように臭気の強い溶媒を使用する必要が
あるため、塗布作業の際の環境悪化を招き、しかも食品
を内容物とする場合には、内容物に臭気が移行したりす
ることがある。
めに、加熱乾燥が必要であり、特別に加熱処理手段が必
要となって作業性に劣る。特に容器蓋においては、ライ
ナーを形成するポリエチレン等は熱変形するのでライナ
ー形成後は加熱処理ができないため、加熱乾燥が必要な
防錆処理はライナー装着前に限定されてしまう。更に容
器蓋は、打栓の際に容器蓋を一定方向に整列させるため
に、ホッパー内に供給され、攪拌されて容器蓋同士がぶ
つかり合うことになるので、エポキシ系樹脂から成る被
膜のように固い被膜ではカットエッジから剥離して防錆
作用が失われ、また剥離した塗膜がダスト等となって内
容品中に混入するという問題がある。
続性に優れるとともに、臭気がなく、特別な乾燥処理が
不要で作業性に優れた防錆方法を提供するにある。本発
明の他の目的は、被膜保持性に優れ、ホッパーに供給さ
れても、塗膜の剥離が防止された塗膜を提供できる防錆
方法を提供するにある。
料の溶媒溶液を、金属製容器乃至容器蓋の少なくともカ
ットエッジ部に塗布することからなる容器乃至容器蓋の
防錆方法において、 前記防錆塗料として、融点が32乃
至60℃の高級アルコール又はその脂肪酸エステルを使
用し、 前記溶媒として、炭素数が6乃至20のパラフィ
ン系炭化水素から成る高沸点溶媒と、エタノール、プロ
パノール及びブタノールから成る群より選択された少な
くとも1種の低沸点溶媒とを混合して得られる混合溶媒
を用いることを特徴とする防錆方法が提供される。本発
明においては、前記高級アルコールが羊毛アルコールま
たは前記高級アルコールの脂肪酸エステルが羊毛ロウで
あることが好ましい。
32乃至60℃の高級アルコール又はその脂肪酸エステ
ルと溶媒から成る溶液であり、この高級アルコール又は
その脂肪酸エステルは、それ自体臭気の少ないものであ
り、しかもパラフィン系炭化水素や、低沸点アルコール
のような無臭溶媒に可溶であることから、臭気による作
業環境を悪化することがなく、しかも内容物が食品であ
る容器乃至は容器蓋に使用された場合にも、内容物へ臭
気が移行するおそれもないのである。
うちでも、融点が32乃至60℃の範囲にあるものは常
温で蝋の形で存在しているため、塗布した後次工程に行
くまでの間に、特別な乾燥をせずに完全に乾燥すること
ができる。このため、容器蓋においては従来ライナー形
成後は加熱乾燥ができないために、防錆処理はライナー
形成前に行われていたが、本発明の防錆方法によれば、
防錆剤の加熱乾燥処理が不要であるため、防錆処理はラ
イナー形成前に限定されないという利点もある。また本
発明の防錆方法においては、乾燥のための加熱処理が不
要なだけでなく、乾燥にはほとんど時間を要しないの
で、塗布後放置する必要もなく、そのまま次工程に進む
ことができる。
で形成される塗膜のように金属面に固着するというより
も、むしろ防錆材料が金属面に粘着し柔らかい塗膜を形
成しているため、ホッパー内で攪拌された場合にも剥れ
落ちることが防止され、ホッパリング性に優れたものと
なるのである。すなわち融点がこの範囲よりも低いとこ
れら高級アルコール等は常温で液体の形で存在すること
になり、乾燥性が悪くなる。また融点がこの範囲よりも
高いと硬質となるため、ホッパリング性及び溶媒への溶
解性の面で満足な結果を得ることができないものとな
る。
前述した高級アルコール又はその脂肪酸エステルを用い
るのは、後述する実施例の結果からも明らかなように、
パラフィン蝋やホットメルトワックス等では、柔らかい
被膜を形成できるとしても、被膜自体の付着力が弱いた
め、被膜保持性において劣るものとなる。またパラフィ
ン蝋は、熱溶融もしくは溶剤に溶かして用いられるが、
溶け易さの点で問題があり、塗布作業性に劣るという欠
点をも有しているからである。
肪酸エステルは動植物の蝋の形で存在するものである。
高級アルコールは、この高級脂肪酸エステルを高圧還元
あるいはアルカリ鹸化して得られるものであり、臭気は
エステルよりも少ないものである。これらは、融点が3
2乃至60℃の融点を有することが重要である。すなわ
ち融点がこの範囲よりも低いとこれら高級アルコール等
は常温で液体の形で存在することになり、乾燥性が悪く
なる。また融点がこの範囲よりも高いと硬質となるた
め、ホッパリング性及び溶媒への溶解性の面で満足な結
果を得ることができないものとなる。
酸エステルまたは高級アルコールは、これに限定されな
いが炭素数13乃至18の範囲にあるものを好適に使用
できる。中でも羊毛ロウ、または羊毛ロウを加水分解し
てアルコール留分を分離した羊毛アルコールを特に好適
に用いることができる。この羊毛ロウは一般に含水ラノ
リンとして知られており、融点が36乃至42℃の範囲
にあり、常温で強粘性の柔らかい塊であり、ほとんど臭
気がなく、安全性においても優れたものである。
ては、炭素数が6乃至20、特に9乃至12のパラフィ
ン系炭化水素から成る高沸点溶媒と、エタノール、プロ
パノール及びブタノールから成る群より選択された少な
くとも1種の低沸点溶媒とを混合して得られる混合溶媒
を用いる。この場合、高沸点溶媒の沸点は100乃至2
00℃の範囲にあることが好ましく、特にn−デカンが
好適に使用される。また、高沸点溶媒と低沸点溶媒との
混合割合は、高沸点溶媒/低沸点溶媒=1/2乃至1/
9の範囲にあるのがよい。
コール等を前述したような混合溶媒に規定量を溶かして
溶液の形にし、塗布装置に供給する。
又は金属製容器蓋の少なくともカットエッジ部にこの防
錆塗料を塗布するだけで、優れた防錆効果を得ることが
できる。塗布方法としては、容器蓋の場合はなるべく蓋
の内面に塗料が塗布されないことが好ましいので、実公
昭50−13884号公報、特公昭60−55186号
公報、特開昭62−149366公報等に記載の装置を
用いてカットエッジ部分のみに塗布することが好まし
い。また容器に用いる場合は、例えば、缶の巻締部、ス
コア等の適用すべき部位に応じてスプレー塗布、刷塗
り、浸漬塗り等の種々の方法で塗布することができる。
リー・スチール鋼板の両面に、エポキシ・尿素系塗料を
乾燥被膜で5g/m2 となるように塗装し、190℃1
0minの乾燥焼付を行った後、内面側となる面にポリ
エチレン接着塗料を5g/m2 の被膜量に塗布・乾燥
し、両面塗装鋼板を作成した。次に得られた鋼板から専
用プレスで頂板の外径が26mmの王冠シェルを成形
し、更にシェル側内面に300mgの溶融ポリエチレン
ペレットを挿入、冷却パンチにて型押し成形してライナ
ー付王冠を調製し、試料王冠とした。
〜2については、特公昭60−55186号公報に記載
の塗布装置を用いて、試料王冠のカットエッジ部に塗布
した。比較例3は、塗布剤を50℃で溶融し、液面に王
冠のカットエッジ部を浸して塗布した。
カン/エタノール=1/4の混合溶剤に溶解した溶液を
調製した。 実施例2 塗布剤として、脱臭ラノリン(mp37℃)をn−デカ
ン/エタノール=1/4の混合溶剤に溶解した溶液を調
製した。 実施例3 塗布剤として、脱臭ラノリン(mp37℃)をSolv
esso 100(高芳香族石油ナフタ:Standa
rd Oil Co.)/エタノール=1/4の混合溶
剤に溶解した溶液を調製した。
#1007/ビスフェノールA=4/1:キシレン/M
EK=1/1 25%溶液)を調製した。 比較例2 塗布剤として、液状ラノリン(FULUILAN S
P:クローダージャパン)をn−デカン/エタノール=
1/4の混合溶剤に溶解した溶液を調製した。 比較例3 マイクロクリスタリンワックス(Hi−Mic−108
0;mp84℃ 日本製蝋)を50℃に加温溶融し、塗
布剤とした。
の項目の評価を行った。 1.防錆性 直径20cmのガラスシャーレに水道水で全体を浸した
濾紙を敷き、その上にカットエッジ塗布王冠をカットエ
ッジ部を下方にして起き、蓋をした後40℃雰囲気中に
3日間放置する。放置後濾紙上に転移した発錆の状態を
観察し次の基準で評価した。 5 発錆跡なし 4 1〜3点の点状小錆 3 3〜7点の点状中錆 2 8〜15の線状中錆 1 カットエッジの形状全体に発錆
中に塗布王冠を25個入れ、10分間のホッパリングテ
スト(60回転/1分間の条件で円筒を回転攪拌する)
を行った後、王冠を取出し、項目1と同様の錆試験を行
い、ホッパリングでの被膜保持性を評価した。
た後密栓し、40℃恒温室中に保管した。保管後、フラ
スコ中の臭気を官能評価した。 4.その他 各塗布剤の乾燥性を観察した。
2乃至60℃の高級アルコール又はその脂肪酸エステル
の溶媒溶液を用いることにより、塗布後に特別な乾燥工
程が不要となり、これにより防錆処理をライナー形成後
にも行うことが可能となった。しかも臭気が少なく塗布
作業性に優れると共に、柔らかい被膜を形成することが
できホッパリング性にも優れた被膜を形成することがで
きた。
Claims (3)
- 【請求項1】 防錆塗料の溶媒溶液を、金属製容器乃至
容器蓋の少なくともカットエッジ部に塗布することから
なる容器乃至容器蓋の防錆方法において、 前記防錆剤として、融点が32乃至60℃の高級アルコ
ール又はその脂肪酸エステルを使用し、 前記溶媒として、炭素数が6乃至20のパラフィン系炭
化水素から成る高沸点溶媒と、エタノール、プロパノー
ル及びブタノールから成る群より選択された少なくとも
1種の低沸点溶媒とを混合して得られる混合溶媒を用い
ることを特徴とする防錆方法。 - 【請求項2】 前記高級アルコールが羊毛アルコールで
ある請求項1記載の防錆方法。 - 【請求項3】 前記高級アルコールの脂肪酸エステルが
羊毛ロウである請求項1記載の防錆方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20080192A JP3293884B2 (ja) | 1992-07-28 | 1992-07-28 | 容器乃至容器蓋の防錆方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20080192A JP3293884B2 (ja) | 1992-07-28 | 1992-07-28 | 容器乃至容器蓋の防錆方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0647339A JPH0647339A (ja) | 1994-02-22 |
JP3293884B2 true JP3293884B2 (ja) | 2002-06-17 |
Family
ID=16430422
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20080192A Expired - Fee Related JP3293884B2 (ja) | 1992-07-28 | 1992-07-28 | 容器乃至容器蓋の防錆方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3293884B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100405263B1 (ko) * | 2001-03-21 | 2003-11-12 | 윤연홍 | 녹 방지 러그 캡 및 그 제조 방법 |
WO2004035863A1 (ja) | 2002-10-15 | 2004-04-29 | Nippon Steel Corporation | 表面に被覆層を有するチタン系材料とそれを用いた合わせガラスおよびそれらの製造方法 |
-
1992
- 1992-07-28 JP JP20080192A patent/JP3293884B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH0647339A (ja) | 1994-02-22 |
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