JPH1085662A - 防錆剤、防錆方法及び防錆容器蓋 - Google Patents
防錆剤、防錆方法及び防錆容器蓋Info
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- JPH1085662A JPH1085662A JP24642296A JP24642296A JPH1085662A JP H1085662 A JPH1085662 A JP H1085662A JP 24642296 A JP24642296 A JP 24642296A JP 24642296 A JP24642296 A JP 24642296A JP H1085662 A JPH1085662 A JP H1085662A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 食品衛生上の問題や消泡の問題がなく、王冠
の切断エッジ部などの金属の切断面に円滑且つ確実に塗
布することが可能であると共に乾燥乃至焼き付けも容易
であり、熱水処理後においても十分な防錆性を発揮で
き、且つ塗装後の防錆塗膜が耐ホッパリング性(皮膜保
持性)にも優れている防錆剤及びそれを用いた防錆容器
蓋を提供するにある。 【解決手段】 金属の切断面に塗布して該切断面の防錆
に用いられる防錆剤であり、樹脂100重量部に対して
1〜70重量部の脂肪酸エステルワックスを含有し、該
樹脂及び該脂肪酸エステルワックスが水性媒体中に溶解
又は分散されてなる防錆剤であって、該防錆剤の塗布時
において、固形分1〜18重量%、フォードカップ#4
による25℃における粘度10〜30秒であって、塗布
時における防錆剤中の溶媒における、水/有機溶剤の重
量比率が85/15〜50/50となるようにして用い
られることを特徴とする防錆剤。
の切断エッジ部などの金属の切断面に円滑且つ確実に塗
布することが可能であると共に乾燥乃至焼き付けも容易
であり、熱水処理後においても十分な防錆性を発揮で
き、且つ塗装後の防錆塗膜が耐ホッパリング性(皮膜保
持性)にも優れている防錆剤及びそれを用いた防錆容器
蓋を提供するにある。 【解決手段】 金属の切断面に塗布して該切断面の防錆
に用いられる防錆剤であり、樹脂100重量部に対して
1〜70重量部の脂肪酸エステルワックスを含有し、該
樹脂及び該脂肪酸エステルワックスが水性媒体中に溶解
又は分散されてなる防錆剤であって、該防錆剤の塗布時
において、固形分1〜18重量%、フォードカップ#4
による25℃における粘度10〜30秒であって、塗布
時における防錆剤中の溶媒における、水/有機溶剤の重
量比率が85/15〜50/50となるようにして用い
られることを特徴とする防錆剤。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属の切断面の保
護に用いる防錆剤、防錆方法並びに防錆容器蓋に関する
もので、より詳細には、防錆性、皮膜保持性、フレーバ
ー保持性、塗装性乃至乾燥性、熱水処理耐性及び耐消泡
性に優れた防錆剤及びこれを用いた防錆容器蓋に関す
る。
護に用いる防錆剤、防錆方法並びに防錆容器蓋に関する
もので、より詳細には、防錆性、皮膜保持性、フレーバ
ー保持性、塗装性乃至乾燥性、熱水処理耐性及び耐消泡
性に優れた防錆剤及びこれを用いた防錆容器蓋に関す
る。
【0002】
【従来の技術及びその課題】王冠の切断エッジ部などの
金属の切断面は、一般に鉄などの活性な金属面が露出し
ており、かつ切断時に応力がかかって金属の結晶構造に
欠陥が生じているので、腐食しやすくなっている。そこ
で王冠の切断エッジ部などには、防錆のため防錆剤を塗
布することが一般に行われている。
金属の切断面は、一般に鉄などの活性な金属面が露出し
ており、かつ切断時に応力がかかって金属の結晶構造に
欠陥が生じているので、腐食しやすくなっている。そこ
で王冠の切断エッジ部などには、防錆のため防錆剤を塗
布することが一般に行われている。
【0003】特開平6−47339号公報には、融点が
32乃至60℃の高級アルコール又はその脂肪酸エステ
ルの溶媒溶液を、金属製容器乃至容器蓋の少なくともカ
ットエッジ部に塗布することを特徴とする容器乃至容器
蓋の防錆方法が記載されている(従来技術1)。
32乃至60℃の高級アルコール又はその脂肪酸エステ
ルの溶媒溶液を、金属製容器乃至容器蓋の少なくともカ
ットエッジ部に塗布することを特徴とする容器乃至容器
蓋の防錆方法が記載されている(従来技術1)。
【0004】また、特開平6−329166号公報に
は、食品添加物で乳化剤として知られているグリセリン
脂肪酸モノエステルと調味料として使用されている飽和
ジカルボン酸との反応により得られるオリゴエステるま
たはポリエステルを含有する高純度の無臭性パラフィン
系またはイソパラフィン系溶剤溶液で、飲料用容器王冠
の鉄露出面を防錆処理することが記載されている(従来
技術2)。
は、食品添加物で乳化剤として知られているグリセリン
脂肪酸モノエステルと調味料として使用されている飽和
ジカルボン酸との反応により得られるオリゴエステるま
たはポリエステルを含有する高純度の無臭性パラフィン
系またはイソパラフィン系溶剤溶液で、飲料用容器王冠
の鉄露出面を防錆処理することが記載されている(従来
技術2)。
【0005】更に、特開平6−57458号公報には、
アミン変性シロキサンとジメチルシロキサンとの共重合
体を有機溶剤で希釈したシリコーン系防錆組成物や、サ
ルコシン酸(メチルアミノ酢酸)とオレイン酸との縮合
物を有機溶剤で希釈した脂肪酸モノエステル系防錆組成
物が開示されている(従来技術3)。
アミン変性シロキサンとジメチルシロキサンとの共重合
体を有機溶剤で希釈したシリコーン系防錆組成物や、サ
ルコシン酸(メチルアミノ酢酸)とオレイン酸との縮合
物を有機溶剤で希釈した脂肪酸モノエステル系防錆組成
物が開示されている(従来技術3)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】王冠等に使用される防
錆剤には、通常の金属に対する防錆剤とは異なったいく
つかの特性が要求される。即ち、王冠等に使用される防
錆剤は、その塗膜が内容物に触れることがあるため、食
品衛生(FDA)上の問題があり、使用できる材質がこ
の問題がないものに限定される。
錆剤には、通常の金属に対する防錆剤とは異なったいく
つかの特性が要求される。即ち、王冠等に使用される防
錆剤は、その塗膜が内容物に触れることがあるため、食
品衛生(FDA)上の問題があり、使用できる材質がこ
の問題がないものに限定される。
【0007】また、使用する防錆塗料の固形物やその塗
装に使用する溶剤は内容物の香味を低下するものであっ
てはならない。すなわち、防錆材料としてエポキシ系樹
脂やビニル系樹脂を用いる場合、これらの樹脂はそれ自
体に臭気があるとともに、ケトンやエステル系溶剤のよ
うに臭気の強い溶媒を使用する必要があるため、塗布作
業の際の環境悪化を招き、しかも食品を内容物とする場
合には、内容物に臭気が移行したりすることがある。
装に使用する溶剤は内容物の香味を低下するものであっ
てはならない。すなわち、防錆材料としてエポキシ系樹
脂やビニル系樹脂を用いる場合、これらの樹脂はそれ自
体に臭気があるとともに、ケトンやエステル系溶剤のよ
うに臭気の強い溶媒を使用する必要があるため、塗布作
業の際の環境悪化を招き、しかも食品を内容物とする場
合には、内容物に臭気が移行したりすることがある。
【0008】更に、これらの防錆塗料は塗布が容易であ
り、塗布後の乾燥乃至焼き付けも容易なものでなければ
ならない。即ち、王冠等のカットエッジ面は幅が0.1
乃至0.2mmと著しく狭いものであり、これに円滑且
つ確実に塗装を行うためには、塗料組成に多くの制約を
受けやすい。また、格別の加熱乾燥が必要になると、そ
のための装置コストを要するばかりではなく、ライナー
を形成するポリエチレン等は容易に熱変形するので、ラ
イナー形成後に加熱処理ができないという制約をも受け
ることになる。
り、塗布後の乾燥乃至焼き付けも容易なものでなければ
ならない。即ち、王冠等のカットエッジ面は幅が0.1
乃至0.2mmと著しく狭いものであり、これに円滑且
つ確実に塗装を行うためには、塗料組成に多くの制約を
受けやすい。また、格別の加熱乾燥が必要になると、そ
のための装置コストを要するばかりではなく、ライナー
を形成するポリエチレン等は容易に熱変形するので、ラ
イナー形成後に加熱処理ができないという制約をも受け
ることになる。
【0009】容器蓋に特有の問題として、打栓の際に、
容器蓋を一定方向に整列させて打栓機に供給しなければ
ならないという必要性がある。このために、ホッパーリ
ングが一般に行われるが、この場合、攪拌により、容器
蓋同士がぶつかり合うことになるので、折角形成された
被膜がカットエッジから剥離して防錆作用が失われ、ま
た剥離した塗膜がダスト等となって内容品中に混入する
という問題がある。
容器蓋を一定方向に整列させて打栓機に供給しなければ
ならないという必要性がある。このために、ホッパーリ
ングが一般に行われるが、この場合、攪拌により、容器
蓋同士がぶつかり合うことになるので、折角形成された
被膜がカットエッジから剥離して防錆作用が失われ、ま
た剥離した塗膜がダスト等となって内容品中に混入する
という問題がある。
【0010】また、内容物充填密封後の瓶詰め製品は、
ビンに付着した内容物を洗浄する温水洗浄や、湯雑菌、
レトルト殺菌等の熱水処理を受けるが、これの処理に際
して、防錆効果が失われる場合もあり、更に、王冠類を
打栓した瓶詰め製品は、湿度の高い環境下に長時間保存
されることも多く、王冠等の金属カット面に施される防
錆塗料は、耐熱水性や、防錆性の持続性に優れたもので
なければならない。
ビンに付着した内容物を洗浄する温水洗浄や、湯雑菌、
レトルト殺菌等の熱水処理を受けるが、これの処理に際
して、防錆効果が失われる場合もあり、更に、王冠類を
打栓した瓶詰め製品は、湿度の高い環境下に長時間保存
されることも多く、王冠等の金属カット面に施される防
錆塗料は、耐熱水性や、防錆性の持続性に優れたもので
なければならない。
【0011】従来技術1における提案は、防錆材料に異
味異臭がなく、またこれを設けた王冠類は、耐ホッパー
リング性に優れているという利点があるが、耐熱水性
や、防錆性の持続性において未だ十分満足しうるもので
はない。
味異臭がなく、またこれを設けた王冠類は、耐ホッパー
リング性に優れているという利点があるが、耐熱水性
や、防錆性の持続性において未だ十分満足しうるもので
はない。
【0012】また、従来技術2の提案は、防錆材料の安
全性には優れているとしても、未だ防錆塗膜の耐熱水性
や、防錆性の持続性において未だ十分満足しうるもので
はない。
全性には優れているとしても、未だ防錆塗膜の耐熱水性
や、防錆性の持続性において未だ十分満足しうるもので
はない。
【0013】更に、従来技術3の防錆材料は、食品安全
上使用範囲が限定されることが多く、また防錆塗膜の耐
熱水性や防錆性の持続性の点でも未だ不十分であり、内
容物がビールや炭酸飲料の場合には泡が消えやすくなる
という問題もある。
上使用範囲が限定されることが多く、また防錆塗膜の耐
熱水性や防錆性の持続性の点でも未だ不十分であり、内
容物がビールや炭酸飲料の場合には泡が消えやすくなる
という問題もある。
【0014】更にまた、本発明者らの研究によると、公
知の防錆塗料は、塗装時の安定性にも欠けており、防錆
塗料中の固形分が凝集してブツを生じやすく、このよう
な塗料から形成される塗膜は防錆性や皮膜保持性に劣る
という欠点も認めれる。
知の防錆塗料は、塗装時の安定性にも欠けており、防錆
塗料中の固形分が凝集してブツを生じやすく、このよう
な塗料から形成される塗膜は防錆性や皮膜保持性に劣る
という欠点も認めれる。
【0015】従って、本発明の目的は、食品衛生上の問
題や消泡の問題がなく、王冠の切断エッジ部などの金属
の切断面に円滑且つ確実に塗布することが可能であると
共に乾燥乃至焼き付けも容易であり、熱水処理後におい
ても十分な防錆性を発揮でき、且つ塗装後の防錆塗膜が
耐ホッパリング性(皮膜保持性)にも優れている防錆剤
及びそれを用いた防錆容器蓋を提供するにある。
題や消泡の問題がなく、王冠の切断エッジ部などの金属
の切断面に円滑且つ確実に塗布することが可能であると
共に乾燥乃至焼き付けも容易であり、熱水処理後におい
ても十分な防錆性を発揮でき、且つ塗装後の防錆塗膜が
耐ホッパリング性(皮膜保持性)にも優れている防錆剤
及びそれを用いた防錆容器蓋を提供するにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、金属の
切断面に塗布して該切断面の防錆に用いられる防錆剤で
あり、樹脂100重量部に対して1〜70重量部の脂肪
酸エステルワックスを含有し、該樹脂及び該脂肪酸エス
テルワックスが水性媒体中に溶解又は分散されてなる防
錆剤であって、該防錆剤の塗布時において、固形分1〜
18重量%、フォードカップ#4による25℃における
粘度10〜30秒であって、塗布時における防錆剤中の
溶媒における、水/有機溶剤の重量比率が85/15〜
50/50となるようにして用いられることを特徴とす
る防錆剤が提供される。
切断面に塗布して該切断面の防錆に用いられる防錆剤で
あり、樹脂100重量部に対して1〜70重量部の脂肪
酸エステルワックスを含有し、該樹脂及び該脂肪酸エス
テルワックスが水性媒体中に溶解又は分散されてなる防
錆剤であって、該防錆剤の塗布時において、固形分1〜
18重量%、フォードカップ#4による25℃における
粘度10〜30秒であって、塗布時における防錆剤中の
溶媒における、水/有機溶剤の重量比率が85/15〜
50/50となるようにして用いられることを特徴とす
る防錆剤が提供される。
【0017】本発明によればまた、上記防錆剤を、固形
分1〜18重量%、フォードカップ#4による25℃に
おける粘度10〜30秒であって、防錆剤中の、水/有
機溶剤の重量比率が85/15〜50/50となるよう
に調整して、金属の切断面に塗布し乾燥させることを特
徴とする金属の切断面の防錆方法が提供される。
分1〜18重量%、フォードカップ#4による25℃に
おける粘度10〜30秒であって、防錆剤中の、水/有
機溶剤の重量比率が85/15〜50/50となるよう
に調整して、金属の切断面に塗布し乾燥させることを特
徴とする金属の切断面の防錆方法が提供される。
【0018】本発明によれば更に、表面処理鋼板から成
る容器蓋の少なくともカットエッジ部に、カルボキシル
基含有アクリル系樹脂と脂肪酸エステルとを含有する樹
脂組成物の塗布層を設けたことを特徴とする防錆容器蓋
が提供される。
る容器蓋の少なくともカットエッジ部に、カルボキシル
基含有アクリル系樹脂と脂肪酸エステルとを含有する樹
脂組成物の塗布層を設けたことを特徴とする防錆容器蓋
が提供される。
【0019】本発明は、水溶性乃至水分散性樹脂、特に
カルボキシル基含有アクリル系樹脂と、脂肪酸エステル
ワックス、特に高級脂肪酸と多価アルコールとから誘導
された水酸基またはエーテル基含有エステルとを含有す
る樹脂組成物は、防錆性、皮膜保持性、フレーバー保持
性、塗装性乃至乾燥性、熱水処理耐性及び耐消泡性に優
れた防錆塗膜を形成するという知見に基づくものであ
る。
カルボキシル基含有アクリル系樹脂と、脂肪酸エステル
ワックス、特に高級脂肪酸と多価アルコールとから誘導
された水酸基またはエーテル基含有エステルとを含有す
る樹脂組成物は、防錆性、皮膜保持性、フレーバー保持
性、塗装性乃至乾燥性、熱水処理耐性及び耐消泡性に優
れた防錆塗膜を形成するという知見に基づくものであ
る。
【0020】アクリル変性エポキシ樹脂のような水性樹
脂(本発明の一方の成分)を単独で、王冠カットエッジ
の防錆塗膜の形成に用いた場合(詳細は後述する比較例
2参照)、この塗膜は、フレーバー保持性、塗装性乃至
乾燥性及び耐消泡性には優れているとしても、肝心の防
錆性、皮膜保持性及び熱水処理耐性に劣っている。
脂(本発明の一方の成分)を単独で、王冠カットエッジ
の防錆塗膜の形成に用いた場合(詳細は後述する比較例
2参照)、この塗膜は、フレーバー保持性、塗装性乃至
乾燥性及び耐消泡性には優れているとしても、肝心の防
錆性、皮膜保持性及び熱水処理耐性に劣っている。
【0021】一方、本発明で他方の成分である脂肪酸エ
ステルを単独で使用した場合(詳細は後述する比較例3
参照)、この防錆剤は、フレーバー保持性には優れてお
り、また塗装性及び耐消泡性にはやや優れているもの
の、防錆性、皮膜保持性、乾燥性及び熱水処理耐性には
劣っている。
ステルを単独で使用した場合(詳細は後述する比較例3
参照)、この防錆剤は、フレーバー保持性には優れてお
り、また塗装性及び耐消泡性にはやや優れているもの
の、防錆性、皮膜保持性、乾燥性及び熱水処理耐性には
劣っている。
【0022】また、従来技術1における高級アルコール
を単独で使用した場合(詳細は後述する比較例4参
照)、この防錆剤は、防錆性、皮膜保持性及びフレーバ
ー保持性には優れているが、塗装性乃至乾燥性、熱水処
理耐性及び耐消泡性に劣っている。
を単独で使用した場合(詳細は後述する比較例4参
照)、この防錆剤は、防錆性、皮膜保持性及びフレーバ
ー保持性には優れているが、塗装性乃至乾燥性、熱水処
理耐性及び耐消泡性に劣っている。
【0023】更に、従来技術3におけるアミノ変性シリ
コーンオイルを水性樹脂に組み合わせて使用した場合
(詳細は後述する比較例1参照)、この防錆剤は、防錆
性及びフレーバー保持性には優れているが、皮膜保持
性、塗装性乃至乾燥性、熱水処理耐性及び耐消泡性に劣
っている。
コーンオイルを水性樹脂に組み合わせて使用した場合
(詳細は後述する比較例1参照)、この防錆剤は、防錆
性及びフレーバー保持性には優れているが、皮膜保持
性、塗装性乃至乾燥性、熱水処理耐性及び耐消泡性に劣
っている。
【0024】これに対して、本発明に従い、上記水性樹
脂と、脂肪酸エステルとを組み合わせで使用すると(詳
細は後述する実施例1乃至6参照)、防錆性、皮膜保持
性、フレーバー保持性、塗装性乃至乾燥性、熱水処理耐
性及び耐消泡性の全てが顕著に向上するのであって、こ
れは本発明による予想外の効果である。即ち、水性樹脂
或いは脂肪酸エステルの何れか単独を使用した場合に
は、防錆性、皮膜保持性及び熱水処理耐性が不十分であ
ることからみて、本発明の防錆樹脂組成物では、両者の
相互作用(反応)により、これらの特性が飛躍的に向上
しているものと認められる。
脂と、脂肪酸エステルとを組み合わせで使用すると(詳
細は後述する実施例1乃至6参照)、防錆性、皮膜保持
性、フレーバー保持性、塗装性乃至乾燥性、熱水処理耐
性及び耐消泡性の全てが顕著に向上するのであって、こ
れは本発明による予想外の効果である。即ち、水性樹脂
或いは脂肪酸エステルの何れか単独を使用した場合に
は、防錆性、皮膜保持性及び熱水処理耐性が不十分であ
ることからみて、本発明の防錆樹脂組成物では、両者の
相互作用(反応)により、これらの特性が飛躍的に向上
しているものと認められる。
【0025】
[樹脂成分]本発明の防錆剤において、樹脂としては水
に分散又は溶解可能な樹脂であり、乾燥することによっ
て耐水性の良好な膜を形成できるものであれば特に制限
なく使用できる。
に分散又は溶解可能な樹脂であり、乾燥することによっ
て耐水性の良好な膜を形成できるものであれば特に制限
なく使用できる。
【0026】上記樹脂としては、親水性官能基(例え
ば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基、ホウ
酸基などのアニオン性基;アミノ基、酸と反応してオニ
ウム塩を形成可能なアンモニウム塩形成基、スルホニウ
ム塩形成基、ホスホニウム塩形成基などのカチオン性
基、水酸基、エーテル基など)を骨格中に有し、そのま
までもしくは中和剤で中和することによって又は他の樹
脂と混合することによって水分散化又は水溶化可能な樹
脂であり、このような樹脂としては、例えば上記官能基
を有する化合物を用いてそれ自体公知の方法で製造され
る上記官能基を有せしめたポリエステル樹脂、アルキド
樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹
脂、アミノ樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂と高酸
価アクリル系樹脂との結合樹脂、ポリブタジエンなどの
末中和樹脂及びこれらの末中和樹脂中の官能基を中和剤
で中和した樹脂などが挙げられ、これらは単独でもしく
は2種以上混合して使用することができる。
ば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基、ホウ
酸基などのアニオン性基;アミノ基、酸と反応してオニ
ウム塩を形成可能なアンモニウム塩形成基、スルホニウ
ム塩形成基、ホスホニウム塩形成基などのカチオン性
基、水酸基、エーテル基など)を骨格中に有し、そのま
までもしくは中和剤で中和することによって又は他の樹
脂と混合することによって水分散化又は水溶化可能な樹
脂であり、このような樹脂としては、例えば上記官能基
を有する化合物を用いてそれ自体公知の方法で製造され
る上記官能基を有せしめたポリエステル樹脂、アルキド
樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹
脂、アミノ樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂と高酸
価アクリル系樹脂との結合樹脂、ポリブタジエンなどの
末中和樹脂及びこれらの末中和樹脂中の官能基を中和剤
で中和した樹脂などが挙げられ、これらは単独でもしく
は2種以上混合して使用することができる。
【0027】上記アニオン性基を中和するために用いる
中和剤としては、例えばアルカリ金属化合物、アンモニ
ア、1級、2級及び3級のアルキルアミンならびに脂肪
族アミン、アルカノールアミン、脂肪族環状アミンなど
の塩基性化合物を挙げることができる。
中和剤としては、例えばアルカリ金属化合物、アンモニ
ア、1級、2級及び3級のアルキルアミンならびに脂肪
族アミン、アルカノールアミン、脂肪族環状アミンなど
の塩基性化合物を挙げることができる。
【0028】前記カチオン性基の中和(オニウム塩形成
も包含する)に用いられる中和剤としては、例えば塩
酸、硫酸などの無機酸;酢酸、プロピオン酸、乳酸、蟻
酸、アクリル酸、メタクリル酸などの有機酸などの酸を
挙げることができる。
も包含する)に用いられる中和剤としては、例えば塩
酸、硫酸などの無機酸;酢酸、プロピオン酸、乳酸、蟻
酸、アクリル酸、メタクリル酸などの有機酸などの酸を
挙げることができる。
【0029】本発明では、水溶性乃至水分散性樹脂とし
て、カルボキシル基含有アクリル樹脂或いはカルボキシ
ル基含有アクリル樹脂成分とエポキシ樹脂との組成物を
用いることが特に好ましい。
て、カルボキシル基含有アクリル樹脂或いはカルボキシ
ル基含有アクリル樹脂成分とエポキシ樹脂との組成物を
用いることが特に好ましい。
【0030】上記カルボキシル基含有アクリル樹脂成分
は、そのカルボキシル基がアンモニウム塩またはアミン
塩の形に転化されることにより、樹脂に水溶性乃至水分
散性を与える成分であると共に、樹脂中に含有されるカ
ルボキシル基は、金属との密着性を高めると共に、塗料
中の他の成分と反応して硬化塗膜を形成する。また、ア
クリル樹脂は、高分子熱可塑性樹脂としての特性を兼ね
備えていて、可撓性、強靱性、透明性に優れた塗膜を与
える。尚、カルボキシル基をアンモニウム塩またはアミ
ン塩の形にしておくことは、塗料の状態で水溶性乃至自
己水分散性が得られると共に、焼き付けた状態では、ア
ンモニアまたはアミンが揮散して耐水性に優れた塗膜が
形成されるという利点をもたらす。
は、そのカルボキシル基がアンモニウム塩またはアミン
塩の形に転化されることにより、樹脂に水溶性乃至水分
散性を与える成分であると共に、樹脂中に含有されるカ
ルボキシル基は、金属との密着性を高めると共に、塗料
中の他の成分と反応して硬化塗膜を形成する。また、ア
クリル樹脂は、高分子熱可塑性樹脂としての特性を兼ね
備えていて、可撓性、強靱性、透明性に優れた塗膜を与
える。尚、カルボキシル基をアンモニウム塩またはアミ
ン塩の形にしておくことは、塗料の状態で水溶性乃至自
己水分散性が得られると共に、焼き付けた状態では、ア
ンモニアまたはアミンが揮散して耐水性に優れた塗膜が
形成されるという利点をもたらす。
【0031】このカルボキシル基含有アクリル樹脂は、
単独でも或いはエポキシ樹脂成分との混合物乃至部分反
応物の形でも使用される。エポキシ樹脂成分は塗膜の金
属への密着性及び耐腐食性をを向上させ、且つ塗膜の硬
化性を向上させる。エポキシ樹脂成分をカルボキシル基
含有アクリル樹脂成分に部分反応により結合させること
により、この塗膜形成樹脂は、一般に自己乳化分散性と
なる。
単独でも或いはエポキシ樹脂成分との混合物乃至部分反
応物の形でも使用される。エポキシ樹脂成分は塗膜の金
属への密着性及び耐腐食性をを向上させ、且つ塗膜の硬
化性を向上させる。エポキシ樹脂成分をカルボキシル基
含有アクリル樹脂成分に部分反応により結合させること
により、この塗膜形成樹脂は、一般に自己乳化分散性と
なる。
【0032】カルボキシル基含有アクリル系樹脂として
は、下記(a)群の如きカルボキシル基含有ラジカル重
合性不飽和単量体の少なくとも1種又は必要であればこ
れと共重合可能な(b)群の如きラジカル重合性不飽和
単量体とを共重合させて得られるアクリル系樹脂を例示
できる。 (a)アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコ
ン酸、クロトン酸、無水マレイン酸等の如きα,β−エ
チレン性不飽和カルボン酸。 (b)2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアク
リレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート等の如き
アクリル酸又はメタクリル酸の炭素原子数が1〜8個の
ヒドロキシアルキルエステル: メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチル
アクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルアク
リレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルアク
リレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチ
ルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、シ
クロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレ
ート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘ
キシルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリ
ルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリ
ルメタクリレート、アクリル酸デシル等の如きアクリル
酸又はメタクリル酸の炭素原子数が1〜24個のアルキ
ル又はシクロアルキルエステル: アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアク
リルアミド、N−エチルメタクリルアミド、ジアセトン
アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−
メチロールメタクリルアミド、N−メトキシメチルアク
リルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド等の如
きアクリルもしくはメタクリルアミド又はこれらの誘導
体: スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンの如
き芳香族ビニル単量体: プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、ビニルプロピオネート、ビニ
ルビバレート、ベオバモノマー(シェル化学社製)等の
如きビニル単量体。
は、下記(a)群の如きカルボキシル基含有ラジカル重
合性不飽和単量体の少なくとも1種又は必要であればこ
れと共重合可能な(b)群の如きラジカル重合性不飽和
単量体とを共重合させて得られるアクリル系樹脂を例示
できる。 (a)アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコ
ン酸、クロトン酸、無水マレイン酸等の如きα,β−エ
チレン性不飽和カルボン酸。 (b)2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアク
リレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート等の如き
アクリル酸又はメタクリル酸の炭素原子数が1〜8個の
ヒドロキシアルキルエステル: メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチル
アクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルアク
リレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルアク
リレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチ
ルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、シ
クロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレ
ート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘ
キシルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリ
ルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリ
ルメタクリレート、アクリル酸デシル等の如きアクリル
酸又はメタクリル酸の炭素原子数が1〜24個のアルキ
ル又はシクロアルキルエステル: アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアク
リルアミド、N−エチルメタクリルアミド、ジアセトン
アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−
メチロールメタクリルアミド、N−メトキシメチルアク
リルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド等の如
きアクリルもしくはメタクリルアミド又はこれらの誘導
体: スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンの如
き芳香族ビニル単量体: プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、ビニルプロピオネート、ビニ
ルビバレート、ベオバモノマー(シェル化学社製)等の
如きビニル単量体。
【0033】上記した不飽和単量体の好ましい組合せの
例としては、例えば(イ)メタクリル酸メチル/アクリ
ル酸2−エチルヘキシル/アクリル酸、(ロ)スチレン
/メタクリル酸メチル/アクリル酸エチル/メタクリル
酸、(ハ)スチレン/アクリル酸エチル/メタクリル
酸、(ニ)メタクリル酸メチル/アクリル酸エチル/ア
クリル酸等が挙げられる。
例としては、例えば(イ)メタクリル酸メチル/アクリ
ル酸2−エチルヘキシル/アクリル酸、(ロ)スチレン
/メタクリル酸メチル/アクリル酸エチル/メタクリル
酸、(ハ)スチレン/アクリル酸エチル/メタクリル
酸、(ニ)メタクリル酸メチル/アクリル酸エチル/ア
クリル酸等が挙げられる。
【0034】これらのカルボキシル基含有アクリル系樹
脂の調製は、例えば上記した不飽和単量体をラジカル重
合用開始剤の存在下に溶液重合法により容易に行い得
る。上記カルボキシル基含有アクリル系樹脂の数平均分
子量としては、通常5,000〜100,000程度、
また酸価は樹脂固形分で通常50〜500程度の範囲内
がよい。
脂の調製は、例えば上記した不飽和単量体をラジカル重
合用開始剤の存在下に溶液重合法により容易に行い得
る。上記カルボキシル基含有アクリル系樹脂の数平均分
子量としては、通常5,000〜100,000程度、
また酸価は樹脂固形分で通常50〜500程度の範囲内
がよい。
【0035】本発明では、エポキシ樹脂、なかでも芳香
族系エポキシ樹脂(ビスフェノール型エポキシ樹脂)と
高酸価アクリル系樹脂との結合樹脂が特に好適である。
この結合樹脂は例えば下記に示す方法により製造され得
る。 (I)芳香族系エポキシ樹脂とカルボキシル基含有高酸
価アクリル樹脂とを、有機溶剤溶液中、第3級アミンの
存在下にエステル付加反応させる。 (II)有機溶剤溶液中、ベンゾイルパーオキサイド等の
ラジカル発生剤の存在下に、芳香族系エポキシ樹脂にラ
ジカル重合性不飽和単量体をグラフト重合反応させる。
族系エポキシ樹脂(ビスフェノール型エポキシ樹脂)と
高酸価アクリル系樹脂との結合樹脂が特に好適である。
この結合樹脂は例えば下記に示す方法により製造され得
る。 (I)芳香族系エポキシ樹脂とカルボキシル基含有高酸
価アクリル樹脂とを、有機溶剤溶液中、第3級アミンの
存在下にエステル付加反応させる。 (II)有機溶剤溶液中、ベンゾイルパーオキサイド等の
ラジカル発生剤の存在下に、芳香族系エポキシ樹脂にラ
ジカル重合性不飽和単量体をグラフト重合反応させる。
【0036】該芳香族系エポキシ樹脂としては、例えば
エピクロルヒドリンとビスフェノールとをアルカリ触媒
の存在下に高分子量まで縮合させたもの、エピクロルヒ
ドリンとビスフェノールとをアルカリ触媒の存在下に低
分子量のエポキシ樹脂に縮合させ、この低分子量エポキ
シ樹脂とビスフェノールとを重付加反応させることによ
り得られたもの等の他、二塩基酸を組合せたエポキシエ
ステル樹脂であってもよい。
エピクロルヒドリンとビスフェノールとをアルカリ触媒
の存在下に高分子量まで縮合させたもの、エピクロルヒ
ドリンとビスフェノールとをアルカリ触媒の存在下に低
分子量のエポキシ樹脂に縮合させ、この低分子量エポキ
シ樹脂とビスフェノールとを重付加反応させることによ
り得られたもの等の他、二塩基酸を組合せたエポキシエ
ステル樹脂であってもよい。
【0037】かかるエポキシ樹脂の具体例としては、例
えばシェル化学社製のエピコート1004(エポキシ当
量約900、数平均分子量約1,400)、エピコート
1007(エポキシ当量約1,700、数平均分子量約
2,900)、エピコート1009(エポキシ当量約
3,500、数平均分子量約3,750)、エピコート
1010(エポキシ当量約4,500、数平均分子量約
5,500)等が挙げられる。
えばシェル化学社製のエピコート1004(エポキシ当
量約900、数平均分子量約1,400)、エピコート
1007(エポキシ当量約1,700、数平均分子量約
2,900)、エピコート1009(エポキシ当量約
3,500、数平均分子量約3,750)、エピコート
1010(エポキシ当量約4,500、数平均分子量約
5,500)等が挙げられる。
【0038】上記エポキシ樹脂1分子当りのエポキシ基
の数は、特に制限されるものではなく、エポキシ樹脂と
カルボキシル基含有アクリル系樹脂との結合樹脂を得る
ための反応の反応形態により適宜選択される。すなわ
ち、該反応形態が前記(I)エステル付加反応である場
合には、上記エポキシ樹脂1分子当りエポキシ基は平均
0.5〜2個、好ましくは0.5〜1.6個であるのが
よい。また、該反応形態がエポキシ樹脂主鎖の水素引き
抜きによるカルボキシル基含有アクリル系モノマーを含
むアクリル系モノマーのグラフト反応である場合、上記
エポキシ樹脂中にエポキシ基は実質上存在しなくてもよ
い。
の数は、特に制限されるものではなく、エポキシ樹脂と
カルボキシル基含有アクリル系樹脂との結合樹脂を得る
ための反応の反応形態により適宜選択される。すなわ
ち、該反応形態が前記(I)エステル付加反応である場
合には、上記エポキシ樹脂1分子当りエポキシ基は平均
0.5〜2個、好ましくは0.5〜1.6個であるのが
よい。また、該反応形態がエポキシ樹脂主鎖の水素引き
抜きによるカルボキシル基含有アクリル系モノマーを含
むアクリル系モノマーのグラフト反応である場合、上記
エポキシ樹脂中にエポキシ基は実質上存在しなくてもよ
い。
【0039】また、上記エポキシ樹脂の数平均分子量
は、レトルト処理性、粘度などの点から通常1,400
〜8,000程度が好ましく、2,900〜7,000
程度であることがより好ましい。
は、レトルト処理性、粘度などの点から通常1,400
〜8,000程度が好ましく、2,900〜7,000
程度であることがより好ましい。
【0040】上記(I)エステル付加反応において、使
用される芳香族系エポキシ樹脂とカルボキシル基含有ア
クリル系樹脂の固形分濃度としては、特に制限はなく、
これら樹脂の最適粘度を有する範囲であることが望まし
い。また第3級アミンは、芳香族系エポキシ樹脂のエポ
キシ基に対して通常0.1〜1当量の範囲で使用するの
がよい。
用される芳香族系エポキシ樹脂とカルボキシル基含有ア
クリル系樹脂の固形分濃度としては、特に制限はなく、
これら樹脂の最適粘度を有する範囲であることが望まし
い。また第3級アミンは、芳香族系エポキシ樹脂のエポ
キシ基に対して通常0.1〜1当量の範囲で使用するの
がよい。
【0041】上記エステル付加反応は、従来公知の方法
で行うことができ、例えば芳香族系エポキシ樹脂の有機
溶剤溶液とカルボキシル基含有アクリル系樹脂の有機溶
剤溶液とを均一に混合せしめた後、第3級アミン水性溶
液の存在下に通常60〜130℃の反応温度において約
1〜6時間反応を実質的にエポキシ基が消費されるまで
行うのがよい。
で行うことができ、例えば芳香族系エポキシ樹脂の有機
溶剤溶液とカルボキシル基含有アクリル系樹脂の有機溶
剤溶液とを均一に混合せしめた後、第3級アミン水性溶
液の存在下に通常60〜130℃の反応温度において約
1〜6時間反応を実質的にエポキシ基が消費されるまで
行うのがよい。
【0042】エポキシ樹脂と高酸価アクリル系樹脂との
グラフト化物を前記(II)グラフト重合反応によって得
る場合に使用するラジカル重合性不飽和単量体として
は、前記(I)エステル付加反応において使用するカル
ボキシル基含有アクリル系樹脂の製造に用いられる
(a)群及び(b)群のラジカル重合性不飽和単量体と
同様の単量体を挙げることができる。
グラフト化物を前記(II)グラフト重合反応によって得
る場合に使用するラジカル重合性不飽和単量体として
は、前記(I)エステル付加反応において使用するカル
ボキシル基含有アクリル系樹脂の製造に用いられる
(a)群及び(b)群のラジカル重合性不飽和単量体と
同様の単量体を挙げることができる。
【0043】上記グラフト重合反応において、芳香族系
エポキシ樹脂と上記ラジカル重合性不飽和単量体との使
用割合としては、特に制限はないが通常前者:後者=9
5〜70重量%:5〜30重量%とするのがよい。この
場合、カルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体
は、全ラジカル重合性単量体中20〜80重量%となる
ように使用するのがよい。またラジカル発生剤は、ラジ
カル重合性不飽和単量体に対して通常3〜15重量%の
範囲で使用するのがよい。
エポキシ樹脂と上記ラジカル重合性不飽和単量体との使
用割合としては、特に制限はないが通常前者:後者=9
5〜70重量%:5〜30重量%とするのがよい。この
場合、カルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体
は、全ラジカル重合性単量体中20〜80重量%となる
ように使用するのがよい。またラジカル発生剤は、ラジ
カル重合性不飽和単量体に対して通常3〜15重量%の
範囲で使用するのがよい。
【0044】上記グラフト重合反応は、従来公知の方法
で行うことができ、例えば80〜150℃に加熱された
芳香族系エポキシ樹脂の有機溶剤溶液にラジカル発生剤
を均一に混合せしめたラジカル重合性不飽和単量体を1
〜3時間要して添加し、さらに同温度を1〜3時間保持
することによって行うことができる。
で行うことができ、例えば80〜150℃に加熱された
芳香族系エポキシ樹脂の有機溶剤溶液にラジカル発生剤
を均一に混合せしめたラジカル重合性不飽和単量体を1
〜3時間要して添加し、さらに同温度を1〜3時間保持
することによって行うことができる。
【0045】上記(I)エステル付加反応及び(II)グ
ラフト重合反応において使用される有機溶剤としては、
芳香族系エポキシ樹脂及びカルボキシル基含有アクリル
系樹脂を溶解するものであればよいが、これら樹脂の反
応物のカルボン酸塩を水で希釈する場合にエマルジョン
の形成に支障を来たさない水混合性有機溶剤であって、
沸点が120℃以下であることが、水性化の際に脱溶剤
することなく使用できるので好ましい。
ラフト重合反応において使用される有機溶剤としては、
芳香族系エポキシ樹脂及びカルボキシル基含有アクリル
系樹脂を溶解するものであればよいが、これら樹脂の反
応物のカルボン酸塩を水で希釈する場合にエマルジョン
の形成に支障を来たさない水混合性有機溶剤であって、
沸点が120℃以下であることが、水性化の際に脱溶剤
することなく使用できるので好ましい。
【0046】本発明において、「水混合性」とは20℃
の温度にて水に対する溶解度が5%以上であることを意
味する。水混合性有機溶剤は水に任意の割合で溶解する
ものであることが好ましい。
の温度にて水に対する溶解度が5%以上であることを意
味する。水混合性有機溶剤は水に任意の割合で溶解する
ものであることが好ましい。
【0047】上記芳香族系エポキシ樹脂と高酸価アクリ
ル系樹脂との結合樹脂は塩基性化合物で樹脂中のカルボ
キシル基の少なくとも一部を中和することによって水分
散性樹脂とすることができる。
ル系樹脂との結合樹脂は塩基性化合物で樹脂中のカルボ
キシル基の少なくとも一部を中和することによって水分
散性樹脂とすることができる。
【0048】本発明の防錆剤において、水性樹脂の基体
樹脂が水酸基などの架橋性官能基を有する場合には、硬
化性を向上するためにその架橋性官能基と反応性を有す
る架橋剤を樹脂の一部として配合することができる。例
えば基体樹脂が上記芳香族エポキシ樹脂と高酸価アクリ
ル系樹脂との結合樹脂である場合には、架橋性官能基と
して水酸基、カルボキシル基などが存在し、この架橋剤
としてフェノール樹脂やアミノ樹脂などを配合すること
ができる。これは、カルボキシ基含有アクリル樹脂を単
独で使用する場合にも同様である。
樹脂が水酸基などの架橋性官能基を有する場合には、硬
化性を向上するためにその架橋性官能基と反応性を有す
る架橋剤を樹脂の一部として配合することができる。例
えば基体樹脂が上記芳香族エポキシ樹脂と高酸価アクリ
ル系樹脂との結合樹脂である場合には、架橋性官能基と
して水酸基、カルボキシル基などが存在し、この架橋剤
としてフェノール樹脂やアミノ樹脂などを配合すること
ができる。これは、カルボキシ基含有アクリル樹脂を単
独で使用する場合にも同様である。
【0049】フェノール樹脂としては、フェノールやビ
スフェノールAなどのフェノール類とホルムアルデヒド
とを反応触媒の存在下で縮合反応させて、メチロール基
を導入してなるレゾール型フェノール樹脂を挙げること
ができる。アミノ樹脂としては、メラミン、尿素、ベン
ゾグアナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミド等
のアミノ成分とアルデヒドとの反応によって得られるメ
チロール化アミノ樹脂が挙げられる。アルデヒドとして
は、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセト
アルデヒド、ベンツアルデヒド等がある。また、このメ
チロール化アミノ樹脂のメチロール基の一部をメチルア
ルコール、エチルアルコール、n−ブチルアルコール、
イソブチルアルコールなどの炭素原子数1〜8のアルコ
ールにてエーテル化したものも使用できる。
スフェノールAなどのフェノール類とホルムアルデヒド
とを反応触媒の存在下で縮合反応させて、メチロール基
を導入してなるレゾール型フェノール樹脂を挙げること
ができる。アミノ樹脂としては、メラミン、尿素、ベン
ゾグアナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミド等
のアミノ成分とアルデヒドとの反応によって得られるメ
チロール化アミノ樹脂が挙げられる。アルデヒドとして
は、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセト
アルデヒド、ベンツアルデヒド等がある。また、このメ
チロール化アミノ樹脂のメチロール基の一部をメチルア
ルコール、エチルアルコール、n−ブチルアルコール、
イソブチルアルコールなどの炭素原子数1〜8のアルコ
ールにてエーテル化したものも使用できる。
【0050】[脂肪酸エステル]本発明防錆剤において
は、上記樹脂以外に、脂肪酸エステルワックスが必須成
分として配合される。上記脂肪酸エステルワックスとし
ては、炭素原子数11〜23の脂肪酸基を有する脂肪酸
エステルワックス、特に高級脂肪酸と多価アルコールと
から誘導された水酸基或いはエーテル基含有エステルが
好適であり、なかでも脂肪酸蔗糖エステル、ポリグリセ
リンエーテルと脂肪酸とのエステル化物が好ましい。
は、上記樹脂以外に、脂肪酸エステルワックスが必須成
分として配合される。上記脂肪酸エステルワックスとし
ては、炭素原子数11〜23の脂肪酸基を有する脂肪酸
エステルワックス、特に高級脂肪酸と多価アルコールと
から誘導された水酸基或いはエーテル基含有エステルが
好適であり、なかでも脂肪酸蔗糖エステル、ポリグリセ
リンエーテルと脂肪酸とのエステル化物が好ましい。
【0051】脂肪酸蔗糖エステルとしては、例えば、特
開平6−293865号公報に開示されている。蔗糖に
存在する8個の水酸基の内少なくとも1つが脂肪酸とエ
ステル化された、モノエステル、ジエステル、トリエス
テル以上のポリエステル又はこれらエステルの混合物を
挙げることができる。
開平6−293865号公報に開示されている。蔗糖に
存在する8個の水酸基の内少なくとも1つが脂肪酸とエ
ステル化された、モノエステル、ジエステル、トリエス
テル以上のポリエステル又はこれらエステルの混合物を
挙げることができる。
【0052】ポリグリセリンエーテルと脂肪酸とのエス
テル化物としては、例えば、特開平7−138501号
公報に開示されている、グリセリンの4〜12量体であ
るポリグリセリンエーテルと脂肪酸とのエステル化物で
あって、ポリグリセリンエーテル中の水酸基の1/3以
上がエステル化されているものを挙げることができる。
テル化物としては、例えば、特開平7−138501号
公報に開示されている、グリセリンの4〜12量体であ
るポリグリセリンエーテルと脂肪酸とのエステル化物で
あって、ポリグリセリンエーテル中の水酸基の1/3以
上がエステル化されているものを挙げることができる。
【0053】脂肪酸蔗糖エステル及びポリグリセリンエ
ーテルと脂肪酸とのエステル化物などの好適な脂肪酸エ
ステルワックスにおける脂肪酸としては、炭素原子数1
1〜23の飽和又は不飽和脂肪酸が好ましく、具体例と
してラウリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等が挙げられる。
ーテルと脂肪酸とのエステル化物などの好適な脂肪酸エ
ステルワックスにおける脂肪酸としては、炭素原子数1
1〜23の飽和又は不飽和脂肪酸が好ましく、具体例と
してラウリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等が挙げられる。
【0054】上記脂肪酸蔗糖エステルの市販品として
は、例えば、三菱化成食品(株)製の、リョートーシュ
ガーエステルS−170、同S−770、同S−167
0、同O−1570、同B−370、第一工業製薬
(株)製の、DKエステルF−50、同F−110、同
F−160などが挙げられる。脂肪酸と蔗糖とのエステ
ルについては、第一工業製薬(株)発行の「シュガーエ
ステル物語」(昭和59年発行)などに詳しく記載され
ている。
は、例えば、三菱化成食品(株)製の、リョートーシュ
ガーエステルS−170、同S−770、同S−167
0、同O−1570、同B−370、第一工業製薬
(株)製の、DKエステルF−50、同F−110、同
F−160などが挙げられる。脂肪酸と蔗糖とのエステ
ルについては、第一工業製薬(株)発行の「シュガーエ
ステル物語」(昭和59年発行)などに詳しく記載され
ている。
【0055】[防錆剤組成物及び防錆方法]本発明の防
錆剤において、上記脂肪酸エステルワックスの量は、前
記樹脂100重量部に対して1〜70重量部、好ましく
は5〜45重量部、さらに好ましくは10〜40重量部
の範囲である。上記脂肪酸エステルワックスの量が1重
量部未満では防錆効果が十分でなく、一方、脂肪酸エス
テルワックスの量が70重量部を超えると防錆剤中で脂
肪酸エステルワックスが分離し安定性が悪くなり、また
熱水処理(レトルト処理)により防錆効果が十分でなく
なる。
錆剤において、上記脂肪酸エステルワックスの量は、前
記樹脂100重量部に対して1〜70重量部、好ましく
は5〜45重量部、さらに好ましくは10〜40重量部
の範囲である。上記脂肪酸エステルワックスの量が1重
量部未満では防錆効果が十分でなく、一方、脂肪酸エス
テルワックスの量が70重量部を超えると防錆剤中で脂
肪酸エステルワックスが分離し安定性が悪くなり、また
熱水処理(レトルト処理)により防錆効果が十分でなく
なる。
【0056】本発明の防錆剤は、前記樹脂及び前記脂肪
酸エステルワックスが、水性媒体中に溶解又は分散され
てなるものであり、塗布時において固形分が1〜18重
量%、好ましくは5〜15重量%であって、粘度が、2
5℃においてフォードカップ#4での測定値で、10〜
30秒、好ましくは12〜20秒であることが必要であ
る。塗布時において、上記固形分が1重量%未満では防
錆剤による被膜が薄くなり過ぎて防錆性が低下し、一
方、上記固形分が18重量%を超えると被膜が厚くなり
過ぎて被膜が機械的にとれやすくなる。また上記粘度が
10秒未満になると防錆剤による被膜が薄くなり過ぎて
防錆性が低下し、一方、上記粘度が30秒を超えると被
膜が厚くなり過ぎて被膜が機械的にとれやすくなる。
酸エステルワックスが、水性媒体中に溶解又は分散され
てなるものであり、塗布時において固形分が1〜18重
量%、好ましくは5〜15重量%であって、粘度が、2
5℃においてフォードカップ#4での測定値で、10〜
30秒、好ましくは12〜20秒であることが必要であ
る。塗布時において、上記固形分が1重量%未満では防
錆剤による被膜が薄くなり過ぎて防錆性が低下し、一
方、上記固形分が18重量%を超えると被膜が厚くなり
過ぎて被膜が機械的にとれやすくなる。また上記粘度が
10秒未満になると防錆剤による被膜が薄くなり過ぎて
防錆性が低下し、一方、上記粘度が30秒を超えると被
膜が厚くなり過ぎて被膜が機械的にとれやすくなる。
【0057】本発明の防錆剤の塗布時における溶媒の水
/有機溶剤の重量比率が85/15〜50/50である
ことが必要である。水/有機溶剤の重量比率が85/1
5より大きくなると、水が多くなって乾燥性が低下しや
すくなり、また乾燥中に切断エッジ部に錆が生じやすく
なり、さらに表面張力が大きくなって被塗物の端部に防
錆剤の溜まりができやすくなって、その部分の被膜の機
械的強度が低下しやすくなる。一方、水/有機溶剤の重
量比率が50/50より小さくなると有機溶剤による作
業環境の低下、可燃物としての火災の危険性の増大、石
油資源の消費量の増大などの問題があり、これらの観点
から好ましくない。
/有機溶剤の重量比率が85/15〜50/50である
ことが必要である。水/有機溶剤の重量比率が85/1
5より大きくなると、水が多くなって乾燥性が低下しや
すくなり、また乾燥中に切断エッジ部に錆が生じやすく
なり、さらに表面張力が大きくなって被塗物の端部に防
錆剤の溜まりができやすくなって、その部分の被膜の機
械的強度が低下しやすくなる。一方、水/有機溶剤の重
量比率が50/50より小さくなると有機溶剤による作
業環境の低下、可燃物としての火災の危険性の増大、石
油資源の消費量の増大などの問題があり、これらの観点
から好ましくない。
【0058】上記有機溶剤は、防錆剤の安定性、防錆剤
被膜の乾燥性などの観点から沸点が120℃以下の水混
和性有機溶剤であることが好ましく、その代表例とし
て、例えば、メタノール、エタノール、n−又はi−プ
ロパノール、n−、1−、sec−又はt−ブチルアル
コール、アセトン、メチルエチルケトン、エチルエーテ
ル、ジオキサン、酢酸メチル、酢酸エチルなどを挙げる
ことができる。上記有機溶剤は、沸点が120℃以下の
水混和性有機溶剤以外に、防錆剤の安定性を劣化させな
い範囲で水難溶性有機溶剤、例えばキシレン、トルエン
などを少量含有してもよい。
被膜の乾燥性などの観点から沸点が120℃以下の水混
和性有機溶剤であることが好ましく、その代表例とし
て、例えば、メタノール、エタノール、n−又はi−プ
ロパノール、n−、1−、sec−又はt−ブチルアル
コール、アセトン、メチルエチルケトン、エチルエーテ
ル、ジオキサン、酢酸メチル、酢酸エチルなどを挙げる
ことができる。上記有機溶剤は、沸点が120℃以下の
水混和性有機溶剤以外に、防錆剤の安定性を劣化させな
い範囲で水難溶性有機溶剤、例えばキシレン、トルエン
などを少量含有してもよい。
【0059】本発明防錆剤は、金属の切断面に塗布し乾
燥して被膜形成することによって金属の切断面の腐食を
防止することができる。
燥して被膜形成することによって金属の切断面の腐食を
防止することができる。
【0060】[防錆容器蓋]本発明の防錆容器蓋は、表
面処理鋼板から成る容器蓋の少なくともカットエッジ部
に、カルボキシル基含有アクリル系樹脂と脂肪酸エステ
ルとを含有する樹脂組成物の塗布層を設けて成る。
面処理鋼板から成る容器蓋の少なくともカットエッジ部
に、カルボキシル基含有アクリル系樹脂と脂肪酸エステ
ルとを含有する樹脂組成物の塗布層を設けて成る。
【0061】容器蓋の殻体となる表面処理鋼板として
は、冷圧延鋼板を焼鈍後二次冷間圧延し、亜鉛メッキ、
錫メッキ、ニッケルメッキ、電解クロム酸処理、クロム
酸処理等の表面処理の一種または二種以上行ったものを
用いることができる。好適な表面処理鋼板の一例は、電
解クロム酸処理鋼板であり、特に10乃至200mg/
m2 の金属クロム層と1乃至50mg/m2 (金属クロ
ム換算)のクロム酸化物層とを備えたものであり、この
ものは塗膜密着性と耐腐食性との組合せに優れている。
表面処理鋼板の好適な他の例は、0.6乃至11.2g
/m2 の錫メッキ量を有する硬質ブリキ板である。この
ブリキ板は、金属クロム換算で、クロム量が1乃至30
mg/m2 となるようなクロム酸処理或いはクロム酸/
リン酸処理が行われていることが望ましい。更に他の例
としてはアルミニウムメッキ、アルミニウム圧接等を施
したアルミニウム被覆鋼板が用いられる。
は、冷圧延鋼板を焼鈍後二次冷間圧延し、亜鉛メッキ、
錫メッキ、ニッケルメッキ、電解クロム酸処理、クロム
酸処理等の表面処理の一種または二種以上行ったものを
用いることができる。好適な表面処理鋼板の一例は、電
解クロム酸処理鋼板であり、特に10乃至200mg/
m2 の金属クロム層と1乃至50mg/m2 (金属クロ
ム換算)のクロム酸化物層とを備えたものであり、この
ものは塗膜密着性と耐腐食性との組合せに優れている。
表面処理鋼板の好適な他の例は、0.6乃至11.2g
/m2 の錫メッキ量を有する硬質ブリキ板である。この
ブリキ板は、金属クロム換算で、クロム量が1乃至30
mg/m2 となるようなクロム酸処理或いはクロム酸/
リン酸処理が行われていることが望ましい。更に他の例
としてはアルミニウムメッキ、アルミニウム圧接等を施
したアルミニウム被覆鋼板が用いられる。
【0062】金属板の厚みは、金属の種類、容器の用途
或いはサイズによっても相違するが、一般に1.0乃至
0.1mm、特に0.5乃至0.2mmの厚みを有する
のがよい。
或いはサイズによっても相違するが、一般に1.0乃至
0.1mm、特に0.5乃至0.2mmの厚みを有する
のがよい。
【0063】上記金属板の両表面には、金属を保護する
ための保護塗膜が形成されている。この保護塗膜として
は、熱硬化性樹脂塗料、例えば、フェノール−ホルムア
ルデヒド樹脂、フラン−ホルムアルデヒド樹脂、キシレ
ン−ホルムアルデヒド樹脂、ケトン−ホルムアルデヒド
樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムア
ルデヒド樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、トリアリルシ
アヌレート樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、シリコーン樹
脂、油性樹脂、或は熱可塑性樹脂塗料、例えば、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸共
重合体、塩化ビニル−マレイン酸−酢酸ビニル共重合
体、アクリル重合体、飽和ポリエステル樹脂等を挙げる
ことができる。これらの樹脂塗料は単独でも2種以上の
組合せでも使用され、またアンダーコートとトップコー
トのように複層で設けることもできる。
ための保護塗膜が形成されている。この保護塗膜として
は、熱硬化性樹脂塗料、例えば、フェノール−ホルムア
ルデヒド樹脂、フラン−ホルムアルデヒド樹脂、キシレ
ン−ホルムアルデヒド樹脂、ケトン−ホルムアルデヒド
樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムア
ルデヒド樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、トリアリルシ
アヌレート樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、シリコーン樹
脂、油性樹脂、或は熱可塑性樹脂塗料、例えば、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸共
重合体、塩化ビニル−マレイン酸−酢酸ビニル共重合
体、アクリル重合体、飽和ポリエステル樹脂等を挙げる
ことができる。これらの樹脂塗料は単独でも2種以上の
組合せでも使用され、またアンダーコートとトップコー
トのように複層で設けることもできる。
【0064】塗膜の厚みには、格別の制限がないが、一
般に0.01乃至5μm、特に0.1乃至3μmの厚み
に設けるのが、耐腐食性と加工性の点で好適である。ま
た、容器蓋の外面となる塗膜には、各種ワックス、ポリ
エチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス等の滑剤
を含有させ、また、容器内面となる塗膜には、ライナー
剤等に対して接着性のある接着性塗料や接着促進剤を含
有する塗料を用いることができる。金属板への塗装及び
焼き付けは、それ自体公知の条件及び手段で行うことが
できる。
般に0.01乃至5μm、特に0.1乃至3μmの厚み
に設けるのが、耐腐食性と加工性の点で好適である。ま
た、容器蓋の外面となる塗膜には、各種ワックス、ポリ
エチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス等の滑剤
を含有させ、また、容器内面となる塗膜には、ライナー
剤等に対して接着性のある接着性塗料や接着促進剤を含
有する塗料を用いることができる。金属板への塗装及び
焼き付けは、それ自体公知の条件及び手段で行うことが
できる。
【0065】上記塗装板を、剪断し、例えばプレス成形
や絞り成形等の手段で、王冠、ネジ付きキャップ、ツイ
ストオフキャップ、ピルファープルーフキャップ、テー
アオフキャップ、その他公知の任意の容器蓋形状(殻
体)に成形する。
や絞り成形等の手段で、王冠、ネジ付きキャップ、ツイ
ストオフキャップ、ピルファープルーフキャップ、テー
アオフキャップ、その他公知の任意の容器蓋形状(殻
体)に成形する。
【0066】容器蓋の内面側には、容器口部との密封を
行うためのガスケット或いはパッキング等を設ける。こ
のガスケット乃至パッキングは、柔軟性とクッション性
とを有する高分子材料から成っており、所謂円盤状に切
り出したディスクの形で蓋内面に施すこともできるが、
生産性の点で、ライナーの形で施すのが一般的である。
ライナーの施用には、所謂インシェルモールド法、ライ
ニング法等を採用し得る。
行うためのガスケット或いはパッキング等を設ける。こ
のガスケット乃至パッキングは、柔軟性とクッション性
とを有する高分子材料から成っており、所謂円盤状に切
り出したディスクの形で蓋内面に施すこともできるが、
生産性の点で、ライナーの形で施すのが一般的である。
ライナーの施用には、所謂インシェルモールド法、ライ
ニング法等を採用し得る。
【0067】インシェルモールド法の場合、低密度ポリ
エチレン、線状低密度ポリエチレン等のオレフィン系樹
脂の溶融物を容器蓋内面に供給し、冷却された金型で押
圧して、ライナー形状に成形すると共に、殻体内面に接
着させる。
エチレン、線状低密度ポリエチレン等のオレフィン系樹
脂の溶融物を容器蓋内面に供給し、冷却された金型で押
圧して、ライナー形状に成形すると共に、殻体内面に接
着させる。
【0068】ライニング法の場合、塩化ビニル系樹脂と
可塑剤とを含有するプラスチゾル組成物を、ノズルから
殻体内面に供給して、スピンコートして、殻体内面の外
周部で盛り上がったライナー層を形成させる。ライニン
グ法には、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等のエ
ラストマーのラテックスを用いることもできる。これら
の何れの場合にも、ライナー層の形成には、ライニング
後の殻体を加熱して、ライナー層を固化させることが必
要となる。
可塑剤とを含有するプラスチゾル組成物を、ノズルから
殻体内面に供給して、スピンコートして、殻体内面の外
周部で盛り上がったライナー層を形成させる。ライニン
グ法には、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等のエ
ラストマーのラテックスを用いることもできる。これら
の何れの場合にも、ライナー層の形成には、ライニング
後の殻体を加熱して、ライナー層を固化させることが必
要となる。
【0069】本発明においては、上記ライナーが施され
た金属容器蓋のカットエッジ部に前述した防錆塗料を施
す。容器蓋のカットエッジ部に本発明の防錆剤を塗布す
る方法は、特に限定されるものではないが、容器蓋のカ
ットエッジと防錆剤の層を担持する塗布機構、例えばベ
ルトやロールとを接触させる方法が採用される。カット
エッジ部にのみ選択的に防錆剤を施すのが望ましく、こ
の目的に、実公昭50−13884号公報、特公昭60
−55186号公報、特開昭62−149366公報等
に記載の装置を用いてカットエッジ部分への塗布を行う
ことができる。
た金属容器蓋のカットエッジ部に前述した防錆塗料を施
す。容器蓋のカットエッジ部に本発明の防錆剤を塗布す
る方法は、特に限定されるものではないが、容器蓋のカ
ットエッジと防錆剤の層を担持する塗布機構、例えばベ
ルトやロールとを接触させる方法が採用される。カット
エッジ部にのみ選択的に防錆剤を施すのが望ましく、こ
の目的に、実公昭50−13884号公報、特公昭60
−55186号公報、特開昭62−149366公報等
に記載の装置を用いてカットエッジ部分への塗布を行う
ことができる。
【0070】防錆剤の塗布は、ライナー形成後の容器蓋
に、直ちに行うのが好ましく、こうすることにより、ラ
イナー形成後の容器蓋が有する余熱により、防錆剤層の
乾燥硬化を迅速に行うことができ、格別の加熱が必要で
なくなるという利点が達成される。防錆剤の乾燥温度は
50〜150℃の範囲が適当であり、1〜10分間程度
の時間で乾燥が行われる。
に、直ちに行うのが好ましく、こうすることにより、ラ
イナー形成後の容器蓋が有する余熱により、防錆剤層の
乾燥硬化を迅速に行うことができ、格別の加熱が必要で
なくなるという利点が達成される。防錆剤の乾燥温度は
50〜150℃の範囲が適当であり、1〜10分間程度
の時間で乾燥が行われる。
【0071】防錆剤の塗布量は、金属の切断面の防錆が
でき、かつ機械的強度を有する範囲であればよく、通
常、乾燥膜厚が0.01〜5μm、好ましくは0.1〜
3μmとなる範囲であることが好適である。
でき、かつ機械的強度を有する範囲であればよく、通
常、乾燥膜厚が0.01〜5μm、好ましくは0.1〜
3μmとなる範囲であることが好適である。
【0072】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。以下、「部」及び「%」は、それぞれ重量基
準によるものとする。
説明する。以下、「部」及び「%」は、それぞれ重量基
準によるものとする。
【0073】カルボキシル基含有アクリル樹脂溶液の製
造 製造例1 撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロート及び窒素導入
口を備えた四ツ口フラスコにブタノール400部を秤取
した。次にメタクリル酸174部、スチレン87部、エ
チルアクリレート29部及びベンゾイルパーオキサイド
(75%水湿潤物)14.5部をビーカーに秤取し、よ
く混合撹拌し、予備混合物を調製した。フラスコ中のブ
タノールの温度を105℃に加熱し、この温度において
前記予備混合物を滴下ロートから3時間にわたって滴下
した。同温度でさらに2時間保持し、共重合反応を完了
させた。次いで2−ブトキシエタノール290部を加え
て、粘度370センチポイズ、樹脂酸価390、固形分
30%のカルボキシル基含有アクリル樹脂溶液を得た。
造 製造例1 撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロート及び窒素導入
口を備えた四ツ口フラスコにブタノール400部を秤取
した。次にメタクリル酸174部、スチレン87部、エ
チルアクリレート29部及びベンゾイルパーオキサイド
(75%水湿潤物)14.5部をビーカーに秤取し、よ
く混合撹拌し、予備混合物を調製した。フラスコ中のブ
タノールの温度を105℃に加熱し、この温度において
前記予備混合物を滴下ロートから3時間にわたって滴下
した。同温度でさらに2時間保持し、共重合反応を完了
させた。次いで2−ブトキシエタノール290部を加え
て、粘度370センチポイズ、樹脂酸価390、固形分
30%のカルボキシル基含有アクリル樹脂溶液を得た。
【0074】エポキシ樹脂溶液の製造 製造例2 エピコート828(油化シェル社製エポキシ樹脂、エポ
キシ当量約190、粘度約130ポイズ、25℃)50
5部、ビスフェノールA286部、トリーn−ブチルア
ミン0.5部及びメチルイソブチルケトン88部を反応
容器に入れ、窒素気流下で135℃に加熱したところ、
内容物は180℃まで発熱した。このものを160℃ま
で冷却し、約3時間反応を行ってエポキシ価0.02
5、溶液粘度(25℃における樹脂分40%のブチルカ
ルビトール溶液のガードナーホルト粘度)Z2 の90%
エポキシ樹脂溶液を得た。
キシ当量約190、粘度約130ポイズ、25℃)50
5部、ビスフェノールA286部、トリーn−ブチルア
ミン0.5部及びメチルイソブチルケトン88部を反応
容器に入れ、窒素気流下で135℃に加熱したところ、
内容物は180℃まで発熱した。このものを160℃ま
で冷却し、約3時間反応を行ってエポキシ価0.02
5、溶液粘度(25℃における樹脂分40%のブチルカ
ルビトール溶液のガードナーホルト粘度)Z2 の90%
エポキシ樹脂溶液を得た。
【0075】カルボキシル基含有反応生成物水分散液の
製造 製造例3 配合 (1)製造例1で得たカルボキシル基含有アクリル樹脂溶液 150部 (2)製造例2で得たエポキシ樹脂溶液 283部 (3)n−ブタノール 86部 (4)2−ブトキシエタノール 47部 (5)脱イオン水 3.2部 (6)ジメチルアミノエタノール 5.3部 (7)ジメチルアミノエタノール 9.5部 (8)脱イオン水 416部 合計 1,000部 反応容器に上記(1)〜(4)を入れ、窒素気流下で1
15℃に加熱し、樹脂成分を溶解せしめた。溶解後10
5℃まで冷却し、(5)〜(6)の順に加え、105℃
で3時間保持した。反応生成物はアクリル系樹脂/エポ
キシ樹脂の固形分重量比が15/85である。反応は、
酸価を測定して追跡し、反応終点では酸価51であっ
た。次いで3時間後に(7)を添加した。その後、
(8)を30分間にわたって添加して充分に撹拌を行い
固形分30%の安定なカルボキシル基含有反応生成物水
分散液Aを得た。
製造 製造例3 配合 (1)製造例1で得たカルボキシル基含有アクリル樹脂溶液 150部 (2)製造例2で得たエポキシ樹脂溶液 283部 (3)n−ブタノール 86部 (4)2−ブトキシエタノール 47部 (5)脱イオン水 3.2部 (6)ジメチルアミノエタノール 5.3部 (7)ジメチルアミノエタノール 9.5部 (8)脱イオン水 416部 合計 1,000部 反応容器に上記(1)〜(4)を入れ、窒素気流下で1
15℃に加熱し、樹脂成分を溶解せしめた。溶解後10
5℃まで冷却し、(5)〜(6)の順に加え、105℃
で3時間保持した。反応生成物はアクリル系樹脂/エポ
キシ樹脂の固形分重量比が15/85である。反応は、
酸価を測定して追跡し、反応終点では酸価51であっ
た。次いで3時間後に(7)を添加した。その後、
(8)を30分間にわたって添加して充分に撹拌を行い
固形分30%の安定なカルボキシル基含有反応生成物水
分散液Aを得た。
【0076】防錆剤の作成(塗布時の防錆剤組成) 実施例1 容器中に、製造例3で得たカルボキシル基含有反応生成
物水分散液Aを333.3部、ワックスa(グリセリン
の重合度が6で1分子中に水酸基を8個有するヘキサグ
リセリンエーテルとラウリン酸とが、前者:後者のモル
比が1:6となる割合でエステル化されたエステル化
物)を30.0部、脱イオン水702.7部及びエタノ
ール234.0部を配合し、均一に撹拌して固形分10
%、粘度(25℃でのフォードカップ#4による測定粘
度、以下同様)20秒の防錆剤を得た。
物水分散液Aを333.3部、ワックスa(グリセリン
の重合度が6で1分子中に水酸基を8個有するヘキサグ
リセリンエーテルとラウリン酸とが、前者:後者のモル
比が1:6となる割合でエステル化されたエステル化
物)を30.0部、脱イオン水702.7部及びエタノ
ール234.0部を配合し、均一に撹拌して固形分10
%、粘度(25℃でのフォードカップ#4による測定粘
度、以下同様)20秒の防錆剤を得た。
【0077】実施例2 容器中に、製造例3で得たカルボキシル基含有反応生成
物水分散液Aを333.3部、ワックスb(グリセリン
の重合度が10で1分子中に水酸基を12個有するデカ
グリセリンエーテルとラウリン酸とが、前者:後者のモ
ル比が1:10となる割合でエステル化されたエステル
化物)を30.0部、脱イオン水702.7部及びメチ
ルエチルケトン234.0部を配合し、均一に撹拌して
固形分10%、粘度22秒の防錆剤を得た。
物水分散液Aを333.3部、ワックスb(グリセリン
の重合度が10で1分子中に水酸基を12個有するデカ
グリセリンエーテルとラウリン酸とが、前者:後者のモ
ル比が1:10となる割合でエステル化されたエステル
化物)を30.0部、脱イオン水702.7部及びメチ
ルエチルケトン234.0部を配合し、均一に撹拌して
固形分10%、粘度22秒の防錆剤を得た。
【0078】実施例3 容器中に、製造例3で得たカルボキシル基含有反応生成
物水分散液Aを333.3部、実施例2で使用したワッ
クスbを50.0部、脱イオン水425.0部及びエタ
ノール191.7部を配合し、均一に撹拌して固形分1
5%、粘度28秒の防錆剤を得た。
物水分散液Aを333.3部、実施例2で使用したワッ
クスbを50.0部、脱イオン水425.0部及びエタ
ノール191.7部を配合し、均一に撹拌して固形分1
5%、粘度28秒の防錆剤を得た。
【0079】実施例4 容器中に、製造例3で得たカルボキシル基含有反応生成
物水分散液Aを333.3部、ワックスc(グリセリン
の重合度が6で1分子中に水酸基を8個有するヘキサグ
リセリンエーテルとステアリン酸とが、前者:後者のモ
ル比が1:8となる割合でエステル化されたエステル化
物)を10.0部、サイメル303(三井サイテック
(株)製、メチルエーテル化メラミン樹脂)を2.0
部、脱イオン水341.6部及びn−プロパノール24
6.4部を配合し、均一に撹拌して固形分12%、粘度
28秒の防錆剤を得た。
物水分散液Aを333.3部、ワックスc(グリセリン
の重合度が6で1分子中に水酸基を8個有するヘキサグ
リセリンエーテルとステアリン酸とが、前者:後者のモ
ル比が1:8となる割合でエステル化されたエステル化
物)を10.0部、サイメル303(三井サイテック
(株)製、メチルエーテル化メラミン樹脂)を2.0
部、脱イオン水341.6部及びn−プロパノール24
6.4部を配合し、均一に撹拌して固形分12%、粘度
28秒の防錆剤を得た。
【0080】実施例5 実施例1において、ワックスaをリョートーシュガーエ
ステルS−1670(三菱化成食品(株)製のワック
ス、ステアリン酸蔗糖エステルであってモノエステルが
約75%、ジ又はトリエステル以上のポリエステルが約
25%のエステル混合物)に変更する以外は実施例1と
同様に行い、固形分10%、粘度20秒の防錆剤を得
た。
ステルS−1670(三菱化成食品(株)製のワック
ス、ステアリン酸蔗糖エステルであってモノエステルが
約75%、ジ又はトリエステル以上のポリエステルが約
25%のエステル混合物)に変更する以外は実施例1と
同様に行い、固形分10%、粘度20秒の防錆剤を得
た。
【0081】実施例6 容器中に、ダイヤナールLX−301(三菱レイヨン
(株)製、アクリルエマルジョン、固形分50%)20
0.0部、実施例1で使用したワックスaを30.0
部、脱イオン水800.0部及びエタノール270.0
部を配合し、均一に撹拌して固形分10%、粘度(25
℃でのフォードカップ#4による測定粘度、以下同様)
20秒の防錆剤を得た。
(株)製、アクリルエマルジョン、固形分50%)20
0.0部、実施例1で使用したワックスaを30.0
部、脱イオン水800.0部及びエタノール270.0
部を配合し、均一に撹拌して固形分10%、粘度(25
℃でのフォードカップ#4による測定粘度、以下同様)
20秒の防錆剤を得た。
【0082】比較例1 容器中に、製造例3で得たカルボキシル基含有反応生成
物水分散液Aを333.3部、実施例1で使用したワッ
クスaを30.0部、脱イオン水916.4部及びエタ
ノール20.3部を配合し、均一に撹拌して固形分10
%、粘度18秒の防錆剤を得た。
物水分散液Aを333.3部、実施例1で使用したワッ
クスaを30.0部、脱イオン水916.4部及びエタ
ノール20.3部を配合し、均一に撹拌して固形分10
%、粘度18秒の防錆剤を得た。
【0083】比較例2 容器中に、製造例3で得たカルボキシル基含有反応生成
物水分散液Aを333.3部、トーレシリコーンSF8
417(トーレシリコーン社製、シリコーン系ワック
ス)を5.0部及び脱イオン水467.8部及びエタノ
ール54.9部を配合し、均一に撹拌して固形分10
%、粘度20秒の防錆剤を得た。
物水分散液Aを333.3部、トーレシリコーンSF8
417(トーレシリコーン社製、シリコーン系ワック
ス)を5.0部及び脱イオン水467.8部及びエタノ
ール54.9部を配合し、均一に撹拌して固形分10
%、粘度20秒の防錆剤を得た。
【0084】比較例3 容器中に、製造例3で得たカルボキシル基含有反応生成
物水分散液Aを333.3部、脱イオン水396.7部
及びエタノール270.0部を配合し、均一に撹拌して
固形分10%、粘度23秒の防錆剤を得た。
物水分散液Aを333.3部、脱イオン水396.7部
及びエタノール270.0部を配合し、均一に撹拌して
固形分10%、粘度23秒の防錆剤を得た。
【0085】比較例4 容器中に、実施例1で使用したワックスaを100.0
部、脱イオン水630.0部及びエタノール270.0
部を配合し、均一に撹拌して固形分10%、粘度23秒
の防錆剤を得た。
部、脱イオン水630.0部及びエタノール270.0
部を配合し、均一に撹拌して固形分10%、粘度23秒
の防錆剤を得た。
【0086】[王冠シェルの調製]板厚さ0.26mm
のTFS鋼板の両面に、エポキシ・尿素系塗料を乾燥皮
膜で5g/m2 となる様に塗装し、190℃で10mi
nの乾燥焼き付けを行った後、内面側となる面にPE接
着塗料を5g/m2 の被膜量に塗布・乾燥し、両面塗装
鋼板を作成した。次に得られた鋼板から専用プレスで頂
板の外径が26mmの王冠シェルを成型し、更にシェル
側内面に300mgの溶融ポリエチレンペレットを挿
入、冷却パンチにて型押し成形してライナー付王冠を調
製し、試料王冠とした。
のTFS鋼板の両面に、エポキシ・尿素系塗料を乾燥皮
膜で5g/m2 となる様に塗装し、190℃で10mi
nの乾燥焼き付けを行った後、内面側となる面にPE接
着塗料を5g/m2 の被膜量に塗布・乾燥し、両面塗装
鋼板を作成した。次に得られた鋼板から専用プレスで頂
板の外径が26mmの王冠シェルを成型し、更にシェル
側内面に300mgの溶融ポリエチレンペレットを挿
入、冷却パンチにて型押し成形してライナー付王冠を調
製し、試料王冠とした。
【0087】[防錆液の塗布]特公昭60−55186
号公報に記載の塗布装置を用いて、上記実施例1乃至6
及び比較例1乃至4の塗布剤(組成を下記表1に示す)
を試料王冠のカットエッジ部に塗布した。
号公報に記載の塗布装置を用いて、上記実施例1乃至6
及び比較例1乃至4の塗布剤(組成を下記表1に示す)
を試料王冠のカットエッジ部に塗布した。
【0088】[評価]調製した塗布王冠については、以
下の項目の評価を行った。
下の項目の評価を行った。
【0089】1.塗装性、乾燥性 塗布時の作業性及び各塗布剤の乾燥性を観察した。 塗装性:増粘・皮張り評価 乾燥性:指触(○:ベタツキなし △:僅かに粘着
×:多量に付着)。
×:多量に付着)。
【0090】2.防錆性:直径20cmのガラスシャー
レに水道水で全体を浸した濾紙を敷き、その上にカット
エッジ塗布王冠をカットエッジ部を下方にして置き、蓋
をした後40℃雰囲気中に3日間放置する。放置後濾紙
上に転移した発錆の状態を観察し次の基準で評価した。 評点 5 発錆跡 無し 4 王冠1個当たり1〜3点の点状小錆 3 3〜7点の点状中錆 2 8〜15の線状中錆 1 カットエッジの形状全体に発錆
レに水道水で全体を浸した濾紙を敷き、その上にカット
エッジ塗布王冠をカットエッジ部を下方にして置き、蓋
をした後40℃雰囲気中に3日間放置する。放置後濾紙
上に転移した発錆の状態を観察し次の基準で評価した。 評点 5 発錆跡 無し 4 王冠1個当たり1〜3点の点状小錆 3 3〜7点の点状中錆 2 8〜15の線状中錆 1 カットエッジの形状全体に発錆
【0091】3.皮膜保持性:直径15cm、長さ25
cmの硬質ガラス製のタンブラー中に塗布王冠を25ケ
入れ、10分間のホッパリングテスト(60回転/1分
間の条件で円筒を回転攪拌する)を行った後、王冠を取
り出し、項目1と同様の錆試験を行い、ホッパリングで
の皮膜保持性を評価した。
cmの硬質ガラス製のタンブラー中に塗布王冠を25ケ
入れ、10分間のホッパリングテスト(60回転/1分
間の条件で円筒を回転攪拌する)を行った後、王冠を取
り出し、項目1と同様の錆試験を行い、ホッパリングで
の皮膜保持性を評価した。
【0092】4.臭気:200mlの三角フラスコ中に
塗布王冠を10ケ投入した後密栓し、40℃恒温室中に
保管した。保管後、フラスコ中の臭気を官能評価した。
塗布王冠を10ケ投入した後密栓し、40℃恒温室中に
保管した。保管後、フラスコ中の臭気を官能評価した。
【0093】5.熱水処理耐性 試料王冠の表面に80℃の熱水を5分間シャワーした
後、項目1と同様の錆試験を行い、熱水処理での皮膜保
持性を評価した。
後、項目1と同様の錆試験を行い、熱水処理での皮膜保
持性を評価した。
【0094】6.消泡性 容量500mlのガラスコップに液表面から1/4が泡
となるようにビールを注ぎ、次いで実施例、1〜4及び
比較例、1〜4の各組成物の0.1mgを液中に落と
し、表面の泡の層が1/3に消える迄の時間を測定し、
コントロール(無添加)品の時間を100として各組成
物の消泡時間を比較した。 評点 5 コントロール品と変わらず 4 コントロール品の80%の時間 3 コントロール品の50%の時間 2 コントロール品の20%の時間 1 コントロール品の10%以下の時間
となるようにビールを注ぎ、次いで実施例、1〜4及び
比較例、1〜4の各組成物の0.1mgを液中に落と
し、表面の泡の層が1/3に消える迄の時間を測定し、
コントロール(無添加)品の時間を100として各組成
物の消泡時間を比較した。 評点 5 コントロール品と変わらず 4 コントロール品の80%の時間 3 コントロール品の50%の時間 2 コントロール品の20%の時間 1 コントロール品の10%以下の時間
【0095】[結果]得られた結果を表2に示した。
【0096】
【表1】 1)三菱レイヨン(株)製 アクリルエマルジョン 固形分50% 2)東芝シリコーン(株)製 アミノ変性シリコーンオイル
【0097】
【表2】
【0098】
【発明の効果】本発明の防錆組成物は、食品衛生上の問
題や消泡の問題がなく、かつ塗布が簡単で塗装作業上の
問題がなく、王冠の切断エッジ部などの金属の切断面に
塗布することにより、熱水処理後においても十分な防錆
性を発揮する塗膜を形成できる。
題や消泡の問題がなく、かつ塗布が簡単で塗装作業上の
問題がなく、王冠の切断エッジ部などの金属の切断面に
塗布することにより、熱水処理後においても十分な防錆
性を発揮する塗膜を形成できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 国元 剛 神奈川県平塚市長瀞2番12号 日本クラウ ンコルク株式会社内 (72)発明者 小松 光男 愛知県小牧市大字下末字流180番地 日本 クラウンコルク株式会社内
Claims (14)
- 【請求項1】 金属の切断面に塗布して該切断面の防錆
に用いられる防錆剤であり、樹脂100重量部に対して
1〜70重量部の脂肪酸エステルワックスを含有し、該
樹脂及び該脂肪酸エステルワックスが水性媒体中に溶解
又は分散されてなる防錆剤であって、該防錆剤の塗布時
において、固形分1〜18重量%、フォードカップ#4
による25℃における粘度10〜30秒であって、塗布
時における防錆剤中の溶媒における、水/有機溶剤の重
量比率が85/15〜50/50となるようにして用い
られることを特徴とする防錆剤。 - 【請求項2】 樹脂が、芳香族エポキシ樹脂と高酸価ア
クリル系樹脂との反応生成物を主成分として含有するも
のであることを特徴とする請求項1記載の防錆剤。 - 【請求項3】 脂肪酸エステルワックスが、脂肪酸蔗糖
エステル及びポリグリセリンエーテルの脂肪酸エステル
から選ばれたワックスである請求項1または2記載の防
錆剤。 - 【請求項4】 有機溶剤が、沸点120℃以下の水混和
性有機溶剤である請求項1乃至3の何れかに記載の防錆
剤。 - 【請求項5】 請求項1記載の防錆剤を、固形分1〜1
8重量%、フォードカップ#4による25℃における粘
度10〜30秒であって、防錆剤中の、水/有機溶剤の
重量比率が85/15〜50/50となるように調整し
て、金属の切断面に塗布し乾燥させることを特徴とする
金属の切断面の防錆方法。 - 【請求項6】 金属の切断面が、王冠の切断エッジ部で
ある請求項5記載の防錆方法。 - 【請求項7】 表面処理鋼板から成る容器蓋の少なくと
もカットエッジ部に、カルボキシル基含有アクリル系樹
脂と脂肪酸エステルとを含有する樹脂組成物の塗布層を
設けたことを特徴とする防錆容器蓋。 - 【請求項8】 アクリル系樹脂がアクリル変性エポキシ
樹脂である請求項7記載の防錆容器蓋。 - 【請求項9】 アクリル系樹脂が、カルボキシル基含有
アクリル樹脂とビスフェノール型エポキシ樹脂との共重
合体乃至組成物から成る請求項7または8記載の防錆容
器蓋。 - 【請求項10】 脂肪酸エステルが高級脂肪酸と多価ア
ルコールとから誘導された水酸基またはエーテル基含有
エステルである請求項7乃至9の何れかに記載の防錆容
器蓋。 - 【請求項11】 脂肪酸エステルがワックス状のエステ
ルである請求項7乃至10の何れかに記載の防錆容器
蓋。 - 【請求項12】 前記樹脂組成物が、樹脂100重量部
当たり1乃至70重量部の脂肪酸エステルを含有するも
のである請求項7乃至11の何れかに記載の防錆容器
蓋。 - 【請求項13】 表面処理鋼板が電解クロム酸処理鋼板
またはブリキである請求項7乃至12の何れかに記載の
防錆容器蓋。 - 【請求項14】 容器蓋が王冠である請求項7乃至13
の何れかに記載の防錆容器蓋。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24642296A JPH1085662A (ja) | 1996-09-18 | 1996-09-18 | 防錆剤、防錆方法及び防錆容器蓋 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24642296A JPH1085662A (ja) | 1996-09-18 | 1996-09-18 | 防錆剤、防錆方法及び防錆容器蓋 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1085662A true JPH1085662A (ja) | 1998-04-07 |
Family
ID=17148251
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24642296A Withdrawn JPH1085662A (ja) | 1996-09-18 | 1996-09-18 | 防錆剤、防錆方法及び防錆容器蓋 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1085662A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100405263B1 (ko) * | 2001-03-21 | 2003-11-12 | 윤연홍 | 녹 방지 러그 캡 및 그 제조 방법 |
JP2008302939A (ja) * | 2007-06-05 | 2008-12-18 | Kita Sangyo Co Ltd | 瓶栓 |
KR101140707B1 (ko) * | 2004-12-24 | 2012-05-03 | 삼성전자주식회사 | 내식제 및 이를 갖춘 열교환기 |
-
1996
- 1996-09-18 JP JP24642296A patent/JPH1085662A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100405263B1 (ko) * | 2001-03-21 | 2003-11-12 | 윤연홍 | 녹 방지 러그 캡 및 그 제조 방법 |
KR101140707B1 (ko) * | 2004-12-24 | 2012-05-03 | 삼성전자주식회사 | 내식제 및 이를 갖춘 열교환기 |
JP2008302939A (ja) * | 2007-06-05 | 2008-12-18 | Kita Sangyo Co Ltd | 瓶栓 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20031202 |