JP3292958B2 - ネジ送り機構の熱変位補正方法 - Google Patents

ネジ送り機構の熱変位補正方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、工作機械等のネジ送
り機構において送りネジの熱変位による位置決め誤差を
補正する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、送りネジの回転に伴いテーブル
等の移動体を位置決めするネジ送り機構においては、駆
動時の摩擦熱によって送りネジが膨脹する。そこで、従
来、送りネジに予張力を付与して熱膨張を抑制する方法
が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この従来方法によれ
ば、送りネジの長手方向各部における温度分布が均一で
ある場合に、熱膨張による位置決め誤差を有効に解消す
ることができる。ところが、送りネジの一部分を使用し
てテーブルを位置決めするような場合には、送りネジが
局部的に発熱するため、その部分だけ伸び他の部分は相
対的に収縮して、全体の位置決め精度が低下するという
問題があった。
【0004】そこで、この発明の課題は、常時送りネジ
の一部分を使用し時々他の部分で位置決めするような場
合でも、送りネジの全長にわたって熱変位による位置決
め誤差を正確に補正できる方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明の熱変位補正方法は、予張力が付与され
た送りネジにより移動体を位置決めするネジ送り機構に
おいて、送りネジの発熱部分を特定し、発熱部分を含む
送りネジの長手方向各部の補正関数を求め、移動体の位
置に応じた補正関数を選択し、送りネジの一端にて長手
方向の変位量を検出し、選択した補正関数と変位量とに
基づき送りネジの長手方向各部の熱変位による位置決め
誤差を補正することを特徴とする。
【0006】
【作用】この発明の方法によれば、送りネジの一端の変
位量と移動体の位置に応じた補正関数とに基づいて
りネジの長手方向各部の位置決め誤差が正確に補正され
。従って、常時送りネジの一部分を使用し時々他の部
分で位置決めするような場合でも、送りネジ全体の位置
決め精度を向上することができる。
【0007】
【実施例】以下、この発明を具体化した一実施例を図面
に基づいて説明する。図1は工作機械のネジ送り機構を
示す概略図であり、図において、1はベッド、2は移動
体としてのテーブル、3はボールネジからなる送りネ
ジ、4は送りネジ3に螺合するナットである。送りネジ
3はベッド1に突設した左右一対のブラケット5,6に
軸受7,8を介して支持され、その軸線方向には所定の
予張力が付与されている。送りネジ3の右端には位置検
出器9を備えた送りモータ10が結合され、このモータ
10により送りネジ3及びナット4を介してテーブル2
が往復移動される。送りネジ3の左端には測定部11が
設けられるとともに、これと対応する位置のベッド1に
は測定部11のギャップ量gを検出するギャップセンサ
ー12が設置され、そのギャップセンサー12には測定
器13が接続されている。
【0008】図2は前記ネジ送り機構の制御回路を示す
ブロック図であり、NC制御装置14には、NCプログ
ラムに基づいてテーブル2の送り指令値を発生する送り
指令値発生回路15、各種の機械定数及び初期設定値等
を記憶する記憶回路16、送りネジ3の一部分を使用し
て位置決めする際にその発熱部分を特定する発熱部分演
算回路17、ギャップセンサー12の測定タイミングを
決定するタイミング決定回路18、測定器13の測定値
に基づき送りネジ3の左端の変位量を演算する変位量演
算回路19、変位量及び機械定数等に基づき送りネジ3
の長手方向各部における複数の誤差補正関数を演算する
関数演算回路20、位置検出器9からの信号に基づき送
りネジ3の位置に応じた補正関数を選択する関数選択回
路21、選択した補正関数から熱膨張誤差の補正値を決
定する補正値決定回路22、過剰発熱時にアラームを発
生するアラーム発生回路23、及び、誤差補正値で送り
モータ10を駆動するモータドライブ回路24が設けら
れている。
【0009】上記のように構成されたネジ送り機構にお
いて、次に、熱膨張誤差の補正方法について説明する。
図3に示すように、左右のブラケット5,6の間隔より
もΔだけ短い長さLの送りネジ3を予張力Tを付与して
組付けると、各ブラケット5,6がΔa,Δbだけ変位
した状態で、送りネジ3が発熱によりλだけ熱膨脹する
(Δ=Δa+Δb+λ)。例えば、小型旋盤のZ軸の場
合、1200mmの送りネジ3は430Kgの予張力で
3°Cの温度変化により45μmだけ膨脹する。送りネ
ジ3が各部均一な温度分布で膨脹した場合は、送りネジ
3が伸びた分だけブラケット5,6が復元するため、テ
ーブル2の位置決め誤差を実質的に解消することができ
る。
【0010】しかしながら、送りネジ3の一部分を使用
して位置決めするような加工状態においては、図4に示
すように、L2の部分がΔtだけ局部的に発熱し、送り
ネジ3はこの部分で膨脹し、他の部分L1,L3では相
対的に収縮する。いま、 λ2:温度上昇分ΔtによるL2部分の膨脹量 λ1:L2部分の伸びによるL1部分の相対的収縮量 λ3:L2部分の伸びによるL3部分の相対的収縮量 δa:L2部分の伸びによるブラケット5の復元した変
位量 δb:L2部分の伸びによるブラケット6の復元した変
位量 ΔT:温度上昇分Δtによる予張力Tの変化量 GA:軸受7を含むブラケット5のバネ定数 GB:軸受8を含むブラケット6のバネ定数 GS:送りネジ3のバネ定数 とすると、以下の関係式が成立する。
【0011】
【数1】
【0012】上記(6式)及び(7式)において、G
A,GB,GS,Lは機械定数としてNC制御装置14
の記憶回路16に設定される。例えば、小型旋盤のZ軸
の場合、送りネジ3の長さ:1200mm、そのバネ定
数:9.5Kg/μm、ブラケット5,6のバネ定数:
40Kg/μm、軸受7,8のバネ定数:170Kg/
μmである。また、L1,L2は発熱部分演算回路17
により演算され、初期設定値として記憶回路16に格納
される。したがって、ブラケット5の変位量δaをギャ
ップセンサー12で測定することにより、L2部分の膨
脹量λ2及びL1部分の収縮量λ1を求めることができ
る。
【0013】ところで、ギャップセンサー12による測
定時には、図5に示すように、送りネジ3の振れにより
測定部11の中心Oがギャップセンサー12からずれた
り、加減速時の慣性力及び摺動抵抗を含む送り力により
ブラケット5,6が変形して測定部11の中心Oが傾い
たりする可能性があり、これらは測定誤差の要因とな
る。振れによる誤差を排除する対策としては、送りネジ
3の1回転中の平均値または最大値を測定する方法があ
る。また、図5に示すように、送りネジ3の外周にドッ
ク25を取付け、これを近接スイッチ26で検出し、位
置検出器9の出力に基づいて測定タイミングを特定する
方法も有効である。送り力による誤差を排除するために
は、図6に示すように、測定タイミングを等速送り区間
に設定し、左行時及び右行時における測定部11の平均
ギャップ量を求める。送りネジ3が発熱した状態での平
均ギャップ量をgs、発熱がない状態でのギャップ量を
g0とすると、ブラケット5の変位量δaは次式で求め
られる。 δa=gs−g0 (8式) この実施例においては、タイミング決定回路18が前記
測定タイミングを決定し、そこからの信号に応答し、変
位量演算回路19が上記(8式)の演算を実行してブラ
ケット5の変位量δaを求める。
【0014】送りネジ3の長手方向各部の位置決め誤差
を補正するためには、図7に破線で示すような補正値曲
線を得る必要がある。送り指令値発生回路15の指令値
xがL1区間にあるとき、誤差補正値H1は次式により
求められる。
【0015】
【数2】
【0016】また、指令値xがL2区間にあるときに
は、誤差補正値H2は次式により求められる。
【0017】
【数3】
【0018】指令値xがL3区間にあるときには、誤差
補正値H3は次式で求められる。
【0019】
【数4】
【0020】上記(9式)、(10式)及び(11式)
から明らかなように、各区間L1,L2,L3の誤差補
正値H1,H2,H3はいずれもブラケット5の変位量
δaの関数として求められる。そして、各区間L1,L
2,L3の関数は関数演算回路20で演算され、関数選
択回路21にてテーブル2の位置に応じて選択され、そ
の選択した補正関数に基づき誤差補正値H1,H2,H
3が補正値決定回路22によって決定される。これによ
り、送りネジ3の長手方向各部の位置決め誤差が正確に
補正され、その補正値に基づきモータドライブ回路24
により送りモータ10が駆動される。この結果、常時送
りネジ3の一部分L2を使用し時々両端部分でテーブル
2を位置決めするような場合でも、送りネジ3全体の位
置決め精度を向上することができる。なお、過剰発熱に
伴い軸受7,8に過大なスラスト荷重が作用しないよう
に、記憶回路16にはブラケット5,6の許容変位量δ
alimit が設定されていて、変位量演算回路19でδa
>δalimit が判別されたときには、アラーム発生回路
23がブザーまたはランプ等の警報手段(図示略)を作
動させる。
【0021】この発明は上記実施例に限定されるもので
はなく、工作機械のコラム、サドル等の移動体のネジ送
り機構に適用したり、或いは、工作機械以外の各種位置
決め機構に応用したりするなど、本発明の趣旨を逸脱し
ない範囲で各部の形状並びに構成を適宜に変更して具体
化することも可能である。
【0022】
【発明の効果】以上に詳述したように、この発明によれ
ば、送りネジの一端の変位量と移動体の位置に応じた補
正関数とに基づいて送りネジの長手方向各部の位置決め
誤差が正確に補正されるので、常時送りネジの一部分を
使用し時々他の部分で位置決めするような場合でも、送
りネジ全体の位置決め精度を向上できるという優れた効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すネジ送り機構の概略図
である。
【図2】図1のネジ送り機構の制御回路を示すブロック
図である。
【図3】予張力によるネジ送り機構各部の変形状態を示
す説明図である。
【図4】局部発熱による送りネジの変位状態を示す説明
図である。
【図5】変位量測定時の誤差排除方法を示す説明図であ
る。
【図6】変位量測定タイミングを示す説明図である。
【図7】誤差曲線及び補正値曲線を示す説明図である。
【符号の説明】
1・・ベッド、2・・テーブル、3・・送りネジ、4・
・ナット、5,6・・ブラケット、7,8・・軸受、9
・・位置検出器、10・・送りモータ、11・・測定
部、12・・ギャップセンサー、13・・測定器、14
・・NC制御装置、15・・送り指令値発生回路、16
・・記憶回路、17・・発熱部分演算回路、18・・タ
イミング決定回路、19・・変位量演算回路、20・・
関数演算回路、21・・関数選択回路、22・・補正値
決定回路、23・・アラーム発生回路、24・・モータ
ドライブ回路、25・・ドック、26・・近接スイッ
チ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−119351(JP,A) 特開 平2−243248(JP,A) 特開 平4−240045(JP,A) 実開 昭62−179616(JP,U) 実開 昭61−141057(JP,U) 実開 昭56−104843(JP,U) 実開 昭53−74785(JP,U) 実開 平3−126544(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23Q 15/00 - 15/28

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予張力が付与された送りネジにより移動
    体を位置決めするネジ送り機構において、送りネジの発
    熱部分を特定し、発熱部分を含む送りネジの長手方向各
    部の補正関数を求め、移動体の位置に応じた補正関数を
    選択し、送りネジの一端にて長手方向の変位量を検出
    し、選択した補正関数と変位量とに基づき送りネジの長
    手方向各部の熱変位による位置決め誤差を補正すること
    を特徴とする熱変位補正方法。
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