JP3292434B2 - プラズマディスプレイパネルの隔壁形成用組成物及びそれを用いた隔壁形成方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの隔壁形成用組成物及びそれを用いた隔壁形成方法

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JP3292434B2 JP20189395A JP20189395A JP3292434B2 JP 3292434 B2 JP3292434 B2 JP 3292434B2 JP 20189395 A JP20189395 A JP 20189395A JP 20189395 A JP20189395 A JP 20189395A JP 3292434 B2 JP3292434 B2 JP 3292434B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、壁掛けテレビ等の
映像表示用ディスプレイやコンピュータ端末機、券売
機、車両、ホテル、銀行等における情報表示用ディスプ
レイに用いられるプラズマディスプレイパネル(以下、
PDPと略称する)の隔壁(バリヤーリブ)の形成に用
いられる組成物及びそれを用いた隔壁形成方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】PDPはガス放電による発光を利用して
映像や情報の表示を行う平面ディスプレイであり、パネ
ル構造、駆動方法によってDC型とAC型に分類され
る。一例としてDC型カラーPDPの原理を図4を参照
して簡単に説明すると、DC型カラーPDPにおいて
は、2枚の透明基板1a,1b(一般にガラス板)の間
の空間が透明基板間に介在された格子状の隔壁2によっ
て区画されておびただしい数の微小のセル空間が形成さ
れており、各セル空間内にHe,Xe等の放電ガスが封
入されている。符号3a〜3cは、放電ガスの放電によ
り発生する紫外光により励起され、3原色の可視光を発
光する蛍光体膜である。2枚の基板内面にはそれぞれ各
セルに対応して電極4a,4bが設けられており、一般
にカソード4aはネサガラス等の透明導電材料膜から形
成されている。これらの電極4a,4b間に高電圧を印
加すると、各セル空間内に封入されている放電ガスがプ
ラズマ放電Pを起こし、放射される紫外線で赤(3
a)、青(3b)、緑(3c)各色の蛍光体を発光さ
せ、画像を表示させる。フルカラー表示においては、上
記のように赤、青、緑の3原色の蛍光体で1つの画素が
構成される。
【0003】DC型PDPにおいては、前記したように
各セル空間は格子状の隔壁により区画され、一方、AC
型PDPにおいては基板面に平行に列設された隔壁によ
り区画されるが、いずれにおいてもセル空間の区画は、
隔壁によりなされている。この隔壁は、放電セル間の誤
放電やクロストークがなく、良好な表示が行われるよう
に発光放電を一定の領域内に制限するためのものであ
り、その高さ、幅、パターンギャップによって均一な放
電空間を保持すると共に、パネル全体の機械的強度を高
める機能を有している。そのため、PDPにおいて高い
発光輝度を得るためには、放電ガス空間はできるだけ広
く取り、隔壁はできるだけ薄くする必要がある。すなわ
ち、縦横比(アスペクト比)の大きな、幅が狭く背の高
い充分な強度を有する隔壁を形成する必要がある。
【0004】従来のPDP隔壁の形成方法としては、ス
クリーン印刷法、感光性フィルム(ドライフィルム)を
用いる方法等種々の方法が知られている。しかしなが
ら、スクリーン印刷法の場合は、予め透明基板面上に形
成された放電電極と印刷しようとするペーストの印刷場
所との位置合わせ、特に印刷スクリーンの伸び等により
パネル全面での位置合わせが難しく、また、多数回の重
ね合わせ印刷を行うことにより、隔壁の裾の乱れや高さ
の精度が得られず、表示セルの形状が隔壁のニジミに大
きく左右され表示品位が悪くなるという問題のほか、作
業性が悪いという問題がある。このため、最近ではPD
P隔壁の形成に感光性フィルムを用いる方法が検討され
つつある。
【0005】隔壁の形成に感光性フィルムを使用する方
法においては、まず、透明基板面に設けた放電電極上
に、感光性フィルムと、放電電極と対向する位置に所定
のパターン孔を有するフォトマスクを重ね合わせ、しか
る後、露光、現像を行い、フォトマスクを通して露光さ
れなかった感光性フィルムの部分を除去する。次いで、
上記の露光、現像によって形成された感光性フィルムの
パターン間の溝部にガラスペーストを埋め込むように塗
布し、これを乾燥して硬化させた後に感光性フィルムの
除去とガラスペーストの焼成を行い、洗浄するものであ
る。この感光性フィルムの除去の方法としては、薬剤
(剥離剤)により剥離させる方法と、ガラスペーストの
焼成と同時にフィルムを焼失させる方法とがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記した感光性フィル
ムの除去の方法として剥離剤を用いる方法は、フィルム
を剥離剤に浸して膨潤させ、基板から除去するものであ
るが、フィルムの膨潤によって上方に膨出すると共に横
方向にも膨張するため、ガラスペーストから形成された
隔壁に圧力が加わり、隔壁が倒壊したり、またフィルム
の剥離の際に隔壁も一緒に剥離し、隔壁の部分的または
全体的な剥離が生ずるという問題がある。このため、剥
離剤により感光性フィルムを基板から剥離する方法は現
在のところ実用化されておらず、一般に特開平4−10
9536号公報に記載のように、ガラスペーストの焼成
の際に同時に感光性フィルムも焼いて除去する方法が採
用されている。しかしながら、この方法の場合、図5に
示すように、隔壁2間に感光性フィルムの焼失残渣
(粕)10aが残存して画像に黒い汚点を生ずるという
問題があり、これがPDPの品質を大きく低下させる要
因となっていた。
【0007】上記のような問題から、最近では感光性フ
ィルムの除去の方法として剥離剤を用いる方法の開発が
望まれている。しかしながら、従来の隔壁用ガラスペー
スト組成物は、ガラス、フィラー及びバインダーを主成
分とし、バインダーとしては焼成の際に焼失でき、かつ
反応性の官能基をできるだけ有していないもの、例えば
ニトロセルロース等の熱可塑性樹脂が用いられているた
め、これから形成される隔壁は剥離剤により膨潤し易
く、感光性フィルムの剥離の際に同時に剥離してしまっ
たり、充分な強度の隔壁が得られにくいという難点があ
る。
【0008】そのため、ガラスペーストの焼成の際に同
時に感光性フィルムも焼いて除去する方法を採用せざる
を得なかった。しかしこの場合、前記した感光性フィル
ムの焼失残渣の問題の他に、図5に示すように、焼成時
に隔壁に亀裂5が入ったり、隔壁の変形、崩壊によりガ
ラスペーストの一部2aが表示セル内に残って汚点とな
ったり、一定の縦横比(アスペクト比)の均一で安定な
隔壁を形成することは困難であった。特開平5−234
514号公報には、隔壁形成プロセスの途中または最後
に、隔壁上面にガラスペーストを塗布し、焼成すること
で隔壁の強度を高める方法が記載されているが、この方
法もガラスペーストの焼成の際に同時に感光性フィルム
も焼いて除去する方法を採用しており、感光性フィルム
を剥離する際に隔壁も一緒に剥がれてしまうという剥離
剤を用いる方法の問題に関しては何ら解決策が見い出さ
れていない。
【0009】本発明は、前述のような従来技術の問題点
に鑑みなされたものであり、その主たる目的は、PDP
の隔壁形成過程において剥離剤により基板から感光性フ
ィルムを剥離する際、硬化された隔壁が剥離することな
く、感光性フィルムの剥離のみがスムーズに行え、また
その後の焼成によって形成される隔壁に亀裂、欠損及び
感光性フィルムの焼失残渣等が生じることがなく、充分
な縦横比(アスペクト比)を有する高精度、高強度の隔
壁を形成できる隔壁形成用組成物を提供することにあ
る。さらに本発明の目的は、上記のような高精度、高強
度の隔壁を作業性よく形成できるPDPの隔壁形成方法
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の第一の側面によれば、隔壁パターンの形成
に感光性皮膜を利用し、パターン形成後剥離する方法に
よるプラズマディスプレイパネルの隔壁形成用の組成物
であって、(A)作業点560℃以下の低融ガラス、
(B)1分子中に少なくとも2個以上の水酸基を有する
水酸基含有ポリマー、(C)無機フィラー、(D)希釈
剤、及び(E)一方の端部に少なくとも2個以上のアル
コキシ基が結合したアルコキシシラン基を有し、かつ他
方の端部にアミン系末端基を有する有機ケイ素化合物を
含有することを特徴とするPDPの隔壁形成用組成物が
提供される。
【0011】本発明の第二の側面によれば、隔壁パター
ンの形成に感光性皮膜を利用し、パターン形成後剥離す
る方法によるプラズマディスプレイパネルの隔壁形成用
の組成物であって、(A)作業点560℃以下の低融ガ
ラス、(B)1分子中に少なくとも2個以上の水酸基を
有する水酸基含有ポリマー、(C)無機フィラー、
(D)希釈剤、(E)一方の端部に少なくとも2個以上
のアルコキシ基が結合したアルコキシシラン基を有し、
かつ他方の端部にアミン系末端基を有する有機ケイ素化
合物、及び(F)イソシアネート基をアミンでブロック
したブロックイソシアネート化合物を含有することを特
徴とするPDPの隔壁形成用組成物が提供される。また
本発明の別の側面によれば、前記本発明の第一及び第二
の側面の組成物において、前記成分の他にさらに(G)
1分子中に少なくとも4個以上のアルコキシシラン基又
はシラノール基を有する変成シリコーンオイルを含有す
ることを特徴とするPDPの隔壁形成用組成物も提供さ
れる。
【0012】上記水酸基含有ポリマーとしては、オレフ
ィン系水酸基含有ポリマー、アクリル系ポリオール、ゴ
ム系ポリオール、ポリビニルアセタール、スチレンアリ
ルアルコール樹脂、フェノール樹脂などを用いることが
できるが、特に細い幅の隔壁を形成することが望まれる
場合には、流れ特性に優れた下記化4の一般式(1)で
示される側鎖を有する水酸基含有ポリマーを用いること
が好ましい。
【化4】
【0013】さらに本発明の他の側面によれば、透明基
板の表面を感光性フィルムにより被覆した後、写真法に
より上記感光性フィルムに所定のパターンの溝部を形成
し、前記した隔壁形成用組成物を、上記溝部に埋め込む
ように塗布、乾燥した後、加熱硬化し、次いで上記感光
性フィルムを剥離剤により剥離した後、上記硬化した隔
壁形成用組成物を焼成することを特徴とするPDPの隔
壁形成方法も提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明者らは、基板上に積層され
た所定のパターンの溝部を有するフィルムの溝部に隔壁
形成用組成物を埋め込むように塗布、乾燥した後、加熱
硬化し、次いで上記フィルムを剥離剤により剥離した
後、焼成することによりPDPの隔壁を形成する方法に
おいて、前記した組成物をPDPの隔壁形成用組成物と
して用いれば、感光性フィルムの剥離に際して、硬化さ
れた隔壁が剥離することなく、感光性フィルムの剥離の
みがスムーズに行え、また焼成後の隔壁は所望の細線ピ
ッチで形成され、隔壁1つ1つの構造に関してもほとん
ど破壊(亀裂、欠損等の発生)されることのない、高精
度の優れた品質の隔壁が得られることを見い出した。
【0015】本発明の隔壁形成用組成物は、第一の組成
物においては、ガラス粉末のバインダー及び強化剤とし
て、(B)1分子中に少なくとも2個以上の水酸基を有
する水酸基含有ポリマーと(E)一方の端部に少なくと
も2個以上のアルコキシ基が結合したアルコキシシラン
基を有し、かつ他方の端部にアミン系末端基を有する有
機ケイ素化合物、所謂シランカップリング剤を含有する
ことを特徴としており、また第二の組成物においては、
上記特徴に加えて、更に前記(B)水酸基含有ポリマー
の架橋剤として(F)イソシアネート基をアミンでブロ
ックしたブロックイソシアネート化合物を含有すること
を特徴としている。以下、各成分の作用について詳細に
説明する。
【0016】上記水酸基含有ポリマー(B)の水酸基と
シランカップリング剤(E)のアルコキシシラン基は、
熱硬化の際に脱アルコール反応により縮合して造膜し、
またシランカップリング剤(E)は低融ガラス(A)及
び無機フィラー(C)ともカップリングし、さらにガラ
ス基板の水酸基とも縮合反応を生起するものと考えられ
る。さらに第二の組成物においては、熱硬化の際にブロ
ックイソシアネート化合物(F)の熱解離によって生成
したイソシアネートが水酸基含有ポリマー(B)の水酸
基と反応することにより、水酸基含有ポリマーの架橋が
生起する。その結果、バインダー樹脂の親水基である水
酸基が殆どつぶされているため、アルカリ水溶液等の剥
離剤による感光性フィルムの剥離時に吸水しにくく、ま
た感光性フィルムの剥離に耐え得る充分な硬化強度の隔
壁が形成される。この効果は、組成物中に前記成分
(A)〜(F)の他にさらに(G)1分子中に少なくと
も4個以上のアルコキシシラン基又はシラノール基を有
する変成シリコーンオイルを含有させることにより増強
できる。すなわち、変成シリコーンオイルのアルコキシ
シラン基又はシラノール基も水酸基含有ポリマー(B)
の水酸基やシリコーンカップリング剤のアルコキシシラ
ン基と熱硬化の際に脱アルコール反応又は脱水反応によ
り縮合して造膜に寄与し、また低融ガラス(A)及び無
機フィラー(C)ともカップリングし、さらにガラス基
板の水酸基とも縮合反応を生起するものと考えられる。
その結果、ガラスペーストの硬化強度及びガラス基板と
の密着性を向上でき、硬化した隔壁は感光性フィルムの
剥離の際にその膨潤による圧力に対して充分な耐性があ
り、またその圧力に屈して位置がずれるようなこともな
い。
【0017】また、本発明で用いるシランカップリング
剤(E)は、一方の端部に少なくとも2個以上のアルコ
キシ基が結合したアルコキシシラン基を有し、かつ他方
の端部にアミン系末端基を有する。隔壁形成の際に使用
する感光性フィルムは、例えば1〜5%Na2 CO3
溶液等のアルカリ水溶液により現像可能とし、また例え
ば3〜5%NaOH等のアルカリ剥離剤により剥離可能
にするために、樹脂成分中に多数のカルボキシル基を有
している。このため、ガラスペーストとして、例えばエ
ポキシ樹脂をバインダーとして用いて熱硬化系を組成し
た場合、カルボキシル基とエポキシ基の反応により感光
性フィルムとガラスペーストが強固に結合し、感光性フ
ィルムが剥離できなくなってしまうか、無理に剥離しよ
うとすれば硬化させたガラスペーストも一緒に剥れてし
まう。また、レゾールやメチロールメラミン系の他の樹
脂を用いて縮合硬化させると、ガラスペーストの焼成後
にカーボン残渣が残り、ペーストが黒くなってしまう。
これに対して、本発明のガラスペースト組成物において
は、耐熱性に優れた水酸基含有ポリマーやシランカップ
リング剤を用いており、上記のような問題がなく、また
シランカップリング剤は他方の端部にアミン系末端基を
有するため、このアミン系末端基がガラスペーストと接
触する感光性フィルムのカルボキシル基と塩架橋、すな
わち緩やかな水素結合を形成することになり、感光性フ
ィルムが剥離し易くなっている。
【0018】さらに、本発明で用いるブロックイソシア
ネート化合物(F)は、例えばトリレンジイソシアネー
トを例に挙げて説明すると、下記化5の反応式(3)に
示されるようにイソシアネート基がアミンによりブロッ
クされているが、熱硬化の際に約150〜160℃に加
熱されることにより、イソシアネートとアミンガスに解
離する。
【化5】 熱解離により発生したイソシアネートは、前記したよう
に水酸基含有ポリマー(B)の水酸基と反応して橋かけ
を行い、形成される隔壁をより強固なものとする。一
方、アミンガスは、形成される隔壁に接する感光性フィ
ルムに侵入し、感光性フィルム中のカルボキシル基と反
応してマスクすることにより、隔壁を形成する他の成分
との反応を抑制し、感光性フィルムの剥離性を確保する
効果がある。
【0019】このように、本発明の隔壁形成用組成物
は、ガラス粉末のバインダー及び強化剤として、(B)
1分子中に少なくとも2個以上の水酸基を有する水酸基
含有ポリマーと(E)一方の端部に少なくとも2個以上
のアルコキシ基が結合したアルコキシシラン基を有し、
かつ他方の端部にアミン系末端基を有するシランカップ
リング剤、あるいはまた(F)イソシアネート基がアミ
ンでブロックされたブロックイソシアネート化合物、あ
るいはさらに(G)1分子中に少なくとも4個以上のア
ルコキシシラン基又はシラノール基を有する変成シリコ
ーンオイルを含有しているため、熱硬化によって、充分
な硬化強度を有し、また、アルカリ水溶液等の剥離剤に
よる感光性フィルムの剥離時に吸水しにくい隔壁が形成
される。しかも、本発明で用いるシランカップリング剤
は他方の端部にアミン系末端基を有することから、この
アミン系末端基がガラスペーストと接触する感光性フィ
ルムのカルボキシル基と塩架橋、すなわち緩やかな水素
結合を形成しており、また、この塩架橋を形成していな
い感光性フィルムのカルボキシル基については、熱硬化
の際にブロックイソシアネート化合物の熱解離により発
生したアミンガスによりブロックされるため、感光性フ
ィルムが剥離し易くなっている。その結果、感光性フィ
ルムの剥離に際して、硬化された隔壁が剥離することな
く、感光性フィルムの剥離のみがスムーズに行え、ま
た、焼成後の隔壁は所望の細線ピッチで形成され、高精
度の優れた品質の隔壁が得られる。さらに、希釈剤とし
て、感光性フィルムを溶解することなく前記水酸基含有
ポリマーを溶解する有機溶剤、好ましくは沸点150℃
以上の高沸点石油系溶剤を用いることにより、感光性フ
ィルムの溝部に上記ガラスペースト組成物を埋め込み塗
布する時、感光性フィルムの膨潤、溶解がなく、寸法安
定性よく造膜できると共に、安定した作業性が得られ
る。
【0020】以下、本発明のPDP隔壁形成用組成物の
各構成成分について説明する。まず、前記(A)のガラ
ス成分としては作業点(粘度が104 ポイズとなる温
度)560℃以下の低融ガラスが用いられる。この理由
としては、PDP隔壁の形成工程において、最後に隔壁
を焼成するが、その焼成温度として基板ガラスの軟化変
形等を考慮して一般に550〜560℃が採用されるた
め、それより高い作業点を持つガラスを用いた場合、接
着性が悪くなるからである。また、その作業点が低過ぎ
るガラスを用いることも好ましくない。ガラス成分の作
業点が焼成温度よりもかなり低いと、隔壁中のガラス成
分が流れ易くなり、結果的に隔壁下部が広がって隔壁間
の幅が狭くなり、かつ隔壁の高さも低くなり、高精度で
所望の縦横比が得られにくくなるからである。以上の点
を考慮すると、作業点300〜560℃の酸化鉛高含有
の低融結晶化ガラスが好ましく、例えば岩城硝子(株)
製のIWFフリット7570、7575、7578、7
583、7590、T015、T029、T077、T
187、T191、T214、T436、CT410、
CT−480D、DT430及びコーニングジャパン
(株)製の1416、1417、7570、7572、
7575、7578、7581、7583、7586、
7589、7590、7592、7594、7595、
7599、7723、7732、8161、8407等
が単独又は二種以上の混合系で好適に用いられる。
【0021】次に、前記(B)1分子中に少なくとも2
個以上の水酸基を有する水酸基含有ポリマーとしては、
オレフィン系水酸基含有ポリマー、アクリル系ポリオー
ル、ゴム系ポリオール、ポリビニルアセタール、スチレ
ンアリルアルコール樹脂、フェノール樹脂などを用いる
ことができる。オレフィン系水酸基含有ポリマーとして
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン等
を主鎖とし、主鎖又は側鎖に2個以上の水酸基が結合し
た樹脂を用いることができ、また、アリルアルコールと
エチレン又はブタジエンの共重合物などを用いることも
できるが、特に耐熱性の点からオレフィン系水酸基含有
ポリマーが好ましい。
【0022】アクリル系ポリオールの具体例としては、
三菱レイヨン(株)製のLR2507,LR2516,
LR257,LR2536,LR532,LR598,
LR566,LR286,LR511,LR2528等
が挙げられ、ゴム系ポリオールの具体例としては三井石
油化学(株)製のユニストールP901、クラレ(株)
製のクラプレンLIR506,TL−20,TH−1,
TH−21,TH−31,クラポールP−510,クラ
ポールP−1510,クラポールP−5010等が挙げ
られ、また、スチレンアリルアルコール樹脂の具体例と
してはモンサント(株)製のRJ100,RJ101,
アーコケミカル(株)製のSAA100,SAA101
等が挙げられる。
【0023】ポリビニルアセタールとしては、ポリビニ
ルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニ
ルホルマール等を用いることができる。これらは一般に
ポリビニルアルコール(PVA)のアセタール化反応に
より製造されるが、PVAを完全にアセタール化するこ
とはできないため相当の水酸基が残されており、またケ
ン化(PVAの製造工程)の際にも少量のアセチル基が
残っている。具体例としては積水化学工業(株)製のエ
スレックBLS,エスレックBMS,エスレックBH
S,エスレックBLSH,エスレックBMSH等が挙げ
られる。フェノール樹脂としてはノボラック型が好まし
く、具体例としては群栄化学(株)製のPS−2603
等が挙げられる。
【0024】使用する水酸基含有ポリマーは、感光性フ
ィルムを溶解しない希釈剤(溶剤)に溶解するものでな
ければならず、かつ、厚さ100μm以上の感光性フィ
ルムに形成した狭隘な溝部にしっかりと充填するだけの
流動性と、架橋剤との反応性を有する官能基(水酸基)
を一定割合で保有している必要がある。上に例示したよ
うな水酸基含有ポリマーは、通常の100μm程度の幅
の溝部への充填の場合には問題なく使用できるが、さら
に細く、例えば50μm程度以下の幅の溝部への充填の
場合には対応困難な場合がある。このような場合、下記
化6の一般式(1)で示される側鎖を有する水酸基含有
ポリマーを用いることが好ましい。
【化6】 このような側鎖を導入することにより、ガラス転移点
(Tg)が低下し、流動性が向上した水酸基含有ポリマ
ーとなり、希釈剤(溶剤)に対する溶解性や反応性(一
級水酸基)を併せ持ったものとなる。従って、このよう
な水酸基含有ポリマーを含むガラスペースト組成物を用
いることにより、基板上に積層された所定のパターンの
感光性フィルムの極めて狭隘な溝部にも良好に塗布、充
填することができ、壁厚が薄くてアスペクト比の大きな
高強度の隔壁を高精度で形成することができる。このよ
うな効果を充分に発揮させるためには、上記水酸基含有
ポリマーのガラス転移点(Tg)は30℃以下であるこ
とが好ましい。
【0025】上記一般式(1)で示される側鎖を有する
水酸基含有ポリマーは、前記したオレフィン系水酸基含
有ポリマー、アクリル系ポリオール、ゴム系ポリオー
ル、ポリビニルアセタール、スチレンアリルアルコール
樹脂、フェノール樹脂の水酸基やアミノ樹脂のアミノ基
に、下記化7の一般式(2)で示されるラクトンを付加
したラクトン変成ポリマーであってもよく、また、1分
子中に水酸基又はアミノ基と不飽和基を併せ持つモノマ
ーの水酸基又はアミノ基に下記一般式(2)で示される
ラクトンを付加したラクトン変成モノマーの単独重合
体、又は該ラクトン変成モノマーと他の不飽和基を有す
るモノマーとの共重合体でもよい。
【化7】
【0026】上記1分子中に水酸基と不飽和基を併せ持
つモノマーとしては、2−ヒドロキシ−3−フェノキシ
プロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒド
ロキシブチルアクリレート、2−アクリロイルオキシエ
チル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−アクリロイ
ルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタル酸、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリ
レート、アリルアルコール、グリセリンモノアリルエー
テル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチ
レングリコールモノアリルエーテルなどの水酸基含有モ
ノマーが挙げられ、また1分子中にアミノ基と不飽和基
を併せ持つモノマーとしては、アミノメチルアクリレー
ト、2−アミノエチルアクリレートなどが挙げられる。
これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いること
ができる。上記モノマーの水酸基又はアミノ基に上記一
般式(2)で示されるラクトンを付加したラクトン変成
モノマーに共重合させるモノマーとしては、上記水酸基
含有モノマーをはじめとする各種アクリレート、メタク
リレート、及びスチレン、アリル化合物等公知の種々の
ビニル系化合物を用いることができる。上記ラクトン変
成モノマーの重合体又は他のビニル系モノマーとの共重
合体は、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物や
有機過酸化物などの開始剤を用いた溶液重合によって容
易に得ることができる。
【0027】前記ポリマー又はモノマーの変成に用いら
れるラクトンは、前記一般式(2)においてnが3〜
7、特に4〜6のものが好ましい。nが7より大きくな
ると開環が難しく、ポリマーやモノマーの変成を行うこ
とが困難である。ラクトン変成ポリマーの場合、ラクト
ン付加量は、変成前のポリマーの分子量の0.1〜3
倍、好ましくは0.5〜1.5倍であることが望まし
い。ポリマーの水酸基又はアミノ基にラクトンを付加す
る場合、例えば下記化8の反応式(4)で示されるよう
に、生成した末端水酸基にさらに次のラクトンが付加し
て逐次的に付加反応が生起するため、生成するラクトン
変成ポリマーの分子量をかなり増大させることが可能で
ある。
【化8】 しかしながら、ラクトン付加量が変成前のポリマーの分
子量に対し3倍を超えた場合、このようなラクトン変成
ポリマーを含むガラスペースト組成物を用いて形成した
隔壁は強度が弱くなり、感光性フィルムをアルカリ溶液
で剥離する際に隔壁の破壊(欠損等の発生)を生じ易く
なるため好ましくない。モノマーをラクトン変成する場
合も同様であり、最終重合体の分子量の1/10〜3/
4、好ましくは1/3〜1/2が付加したラクトン量と
なるように変成することが望ましい。
【0028】本発明で用いる水酸基含有ポリマー(B)
は、前記一般式(1)で示される側鎖の有無に拘らず、
分子量が2,000〜50,000の範囲内にあること
が望ましい。分子量が2,000より小さいと、感光性
フィルムを溶解してフィルムが膨潤し易くなり、一方、
50,000を超えて大きくなると、溶剤への溶解性が
悪くなり、また、このような水酸基含有ポリマーを含む
ガラスペースト組成物を感光性フィルムに形成した極め
て狭隘な溝部に充填するだけの流動性が得られ難くな
る。また、流動性を得るために多量の溶剤を用いた場
合、得られるガラスペースト組成物を感光性フィルムの
溝部に充填・乾燥させる際に、気化する組成物中の溶剤
の割合が大きい分、乾燥後の組成物の沈み込みも大きく
なり、塗布回数の増加につながり作業性が悪くなる。以
上の理由から、本発明で用いられる水酸基含有ポリマー
(B)の分子量は上記範囲にあることが好ましい。但
し、通常の100μm程度の幅の溝部に充填する場合に
は、水酸基含有ポリマーの分子量は必ずしも50,00
0以下に限定されるものではなく、例えば分子量60,
000程度までの水酸基含有ポリマーも使用可能ではあ
る。しかしながら、前記した理由から、本発明で用いる
水酸基含有ポリマーの分子量は2,000〜50,00
0の範囲内が好ましいことは言うまでもない。
【0029】また、本発明で用いる水酸基含有ポリマー
(B)としては、前記作用に関連して説明したシランカ
ップリング剤や変成シリコーンオイルとの縮合反応の点
から、そのOH価が約10〜100mgKOH/gとな
る水酸基含有ポリマーが好ましい。水酸基含有ポリマー
の配合量は、前記低融ガラス100重量部に対し2〜3
0重量部、好ましくは10〜15重量部である。水酸基
含有ポリマーの配合量が2重量部未満の場合、シランカ
ップリング剤とのバインダーとしての働きが低下し、フ
ィルム剥離時の耐性が低下するので好ましくない。一
方、30重量部を超えると、熱硬化時に隔壁に亀裂が発
生し易くなるので好ましくない。
【0030】前記(C)無機フィラーとしては、アルミ
ナ、酸化チタン等、形成される隔壁を着色しないものは
全て用いることができる。但し、酸化チタンを用いた場
合、隔壁がやや黄色味を帯びる。一方、アルミナをフィ
ラーとして用いた場合は、隔壁は白色となる。PDPの
隔壁は高い反射率が要求されることから、アルミナが最
も好適である。ガラス成分は焼成時に収縮するが、無機
フィラーを配合することによってこの収縮をかなり防止
できる。このような効果を発揮させるためには、無機フ
ィラーは、前記低融ガラス100重量部に対10〜1
00重量部配合される。
【0031】また、前記(D)希釈剤に関しては、前記
水酸基含有ポリマーを溶解できると共に、光硬化後の感
光性フィルムを溶解もしくは膨潤しないことが必要条件
となる。希釈剤としてエーテル系、アルコール系、アセ
テート系溶剤を用いたガラスペースト組成物を塗布する
と、これと接する感光性フィルムが膨潤し、隔壁を圧迫
することになる。その結果、高精度のPDP隔壁を形成
できなくなる。さらに、本発明のガラスペースト組成物
を用いて隔壁を形成する場合、ガラスペースト組成物は
感光性フィルムの溝部に充填した後、後述するように乾
燥の際に泡抜きされるが、このとき希釈剤は徐々に蒸発
される必要があり、高沸点石油系溶剤(沸点150℃以
上)であることが望ましい。なお、低沸点の溶剤も用い
ることはできるが、その場合は乾燥温度を下げる必要が
ある。
【0032】従って、本発明においては、光硬化後の感
光性フィルムを溶解もしくは膨潤させず、且つバインダ
ー樹脂を溶解する高沸点石油系溶剤が好適に用いられ
る。このような高沸点石油系溶剤としては、例えばエク
ソン化学(株)製ソルベッソ#100、ソルベッソ#1
50、ソルベッソ#200、エクソンアロマティックナ
フサNo.2、シェル(株)製LAWS、HAWS、V
LAWS、シェルソルD40、D60、D70、71、
70、100、A、AB、DOSB、DOSB−8等の
芳香族系溶剤、エクソン化学(株)製エクソンナフサN
o.5、No.6、No.7、エクソンオーダーレスソ
ルベント、エクソンラバーソルベント等の脂肪族系溶剤
などがある。その他、テトラリン、デカリン、ビフェニ
ル、テレビン油、ピネン、パイン油、ショウノウ油など
も使用できる。このような希釈剤は、単独で又は2種以
上を組み合わせて用いることができる。このような希釈
剤の配合量は、前記低融ガラス100重量部に対し20
〜50重量部が好ましい。また、光硬化後の感光性フィ
ルムを溶解もしくは膨潤させない範囲であれば、低沸点
石油系溶剤、アセテート系溶剤、エーテル系溶剤、アル
コール系溶剤等が前記希釈剤(D)の20%以内の割合
で使用できる。
【0033】次に前記(E)シランカップリング剤は、
前記したようにガラスペースト組成物に含まれる前記水
酸基含有ポリマー、無機フィラー及びガラス基板との結
合に使用される。特にそれがガラス基板と強く結合する
ことにより、感光性フィルム剥離時に隔壁が位置ずれを
起こしたり、一緒に剥離せずに、基板に対する高い密着
性を有する。但し、感光性フィルムとは緩やかに結合さ
れることが必要である。そのため、一方の端部に少なく
とも2個以上のアルコキシ基が結合したアルコキシシラ
ン基を有し、かつ他方の端部にアミン系末端基を有する
シランカップリング剤が用いられる。アルコキシ基とし
てはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ
基等を用いることができる。プロポキシ基以上では反応
が遅くなるため好ましくなく、メトキシ基が最も好まし
い。アミン系末端基としてはアミノ基、尿素基が好まし
い。このようなシランカップリング剤としては、γ−ウ
レイドプロピル トリエトキシシラン、γ−アミノプロ
ピル トリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)
−γ−アミノプロピル トリエトキシシランなどがあ
り、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることがで
きる。このようなシランカップリング剤は、前記低融ガ
ラス100重量部に対し0.5〜5重量部配合される。
0.5重量部未満では形成される隔壁の強度が低下する
ので好ましくなく、一方、5重量部を超えると形成され
る隔壁が柔らかくなるので好ましくない。
【0034】前記(F)ブロックイソシアネート化合物
は、熱硬化時に例えば約150〜160℃に加熱されて
イソシアネートとアミンガスに分解されるような、イソ
シアネート基がアミンでブロックされた化合物であれば
使用可能である。これに適応したイソシアネートとして
は、1分子中にイソシアネート基を2個以上有するもの
が使用でき、例えば2,4−トリレンジイソシアネート
(略称:2,4−TDI、以下同様)、2,6−トリレ
ンジイソシアネート(2,6−TDI)、1,5−ナフ
タレンジイソシアネート(1,5−NDI)、ヘキサメ
チレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイ
ソシアネート(IPDI)、トリジンジイソシアネート
(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XD
I)、m−テトラメチルキシレンジイソシアネート(m
−TMXDI)、P−テトラメチルキシレンジイソシア
ネート(P−TMXDI)、トリフェニルメタントリイ
ソシアネート、リジンジイソシアネート(LDI)等が
挙げられる。また、イソシアネート基をブロックするア
ミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプ
ロピルアミン、ジ−i−プロピルアミン、ジブチルアミ
ン、ジ−t−ブチルアミン、ジエタノールアミン等が挙
げられる。以上に挙げた各種イソシアネートにアミンを
反応させて遊離のイソシアネート基を皆無にしたブロッ
クイソシアネート化合物は、単独で又は2種以上を組み
合わせて使用できる。これらのブロックイソシアネート
化合物は、前記したように加熱によりアミンとイソシア
ネートに熱解離し、イソシアネートは水酸基含有ポリマ
ーと反応して架橋させる。このようなブロックイソシア
ネート化合物は、前記低融ガラス100重量部に対し
0.1〜20重量部配合される。0.1重量部未満では
熱解離後に発生するイソシアネートの量が前記水酸基含
有ポリマーを架橋するのに充分でなく、一方、20重量
部を超えると水酸基含有ポリマーの架橋に寄与しない割
合が多くなる。
【0035】前記(G)1分子中に少なくとも4個以上
のアルコキシシラン基又はシラノール基を有する変成シ
リコーンオイルは、両末端又は側鎖がアルコキシシラン
基又はシラノール基で変成されたシリコーンオイルであ
り、例えば日本ユニカー(株)製FZ−3701、FZ
−3704、FZ−3122、L−9000などがあ
る。このような変成シリコーンオイルの配合量は、前記
低融ガラス100重量部に対し0.1〜3重量部で充分
である。但し、5重量部を越えると形成される隔壁が柔
らかくなるので好ましくない。
【0036】次に、本発明によるPDP隔壁形成方法の
例を図1を参照して説明する。なお、本発明はPDP隔
壁の形成を対象としており、電極等の形成は従来と同様
に行えばよいので、その説明は省略する。また、本発明
のPDP隔壁形成方法がDC型PDP及びAC型PDP
のいずれにも適用できることは勿論である。まず、図1
(A)及び(B)に示すように、透明基板1上に感光性
フィルム10を積層し、写真法により所定のパターンの
溝部12を形成する。その方法は従来通りでよく、まず
図1(A)に示すように、透明基板1の表面に感光性フ
ィルム10を貼り付けた後、所定のパターン孔14を有
するフォトマスク13を重ね合わせ、しかる後、露光、
現像を行い、図1(B)に示すようにフォトマスクを通
して露光されなかった感光性フィルムの部分を除去す
る。なお、基板表面に所定パターンの電極が形成された
透明基板を用いる場合、フォトマスクのパターン孔が電
極位置と整合するように感光性フィルム上に重ね合わせ
る。
【0037】次いで、上記の露光、現像によって形成さ
れた感光性フィルム10のパターン間の溝部12に、図
1(C)に示すように、前記した組成の本発明のガラス
ペースト11を埋め込むように塗布し、好ましくは減圧
下で脱泡した後、乾燥する。この操作によって泡抜けが
生じ、図1(D)に示すようにガラスペースト部分が沈
み込むので、必要により塗布−脱泡−乾燥のサイクルを
数回繰り返す。この操作では、ガラスペースト組成物中
の溶剤が揮発する際に泡残りが生じないように、ゆっく
り乾燥することが望ましい。また、泡抜け性を良くする
ために、乾燥を例えば約80℃で30分間行う。その
後、約150℃〜160℃で30〜60分間熱硬化させ
る。冷却後、感光性フィルム10が見えるようになるま
で硬化したガラスペースト表面を研磨する(図1
(E))。
【0038】このようにして得られた基板1を、剥離剤
としてアルカリ水溶液、例えば3〜5%NaOH水溶液
を用い、剥離剤溶液に浸漬する操作を複数回、感光性フ
ィルム10が膨潤し剥がれるまで繰り返す。図1(F)
に示すように感光性フィルム10を剥離した基板1は、
洗浄し、乾燥した後、約550℃〜560℃程度の温度
で焼成する。このような工程により、幅30〜100μ
m、高さ約100〜200μmの幅の乱れのない均一な
高さの高精度のPDP隔壁2が得られる。なお、基板上
に積層し、所定のパターンの溝部を形成するフィルムの
材料としては、感光性フィルム(ドライフィルム)の
他、液状の現像型感光性レジストを用いることができ
る。上記フィルムの材料としては、隔壁形成用組成物の
硬化を経た後であってもアルカリ水溶液で容易に剥離で
きるものが好適に用いられる。
【0039】
【実施例】以下、実施例を示して本発明について具体的
に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるもので
ないことはもとよりである。
【0040】実施例1 PDP隔壁用ペーストの調製:下記の成分を配合し、よ
く攪拌した後、セラミック製3本ロールミルを用いて3
回練肉し、PDP隔壁用ペーストの主剤を調製した。 低融ガラス 100.0重量部 (岩城硝子(株)製、IWF7578W) オレフィン系水酸基含有ポリマー 44.0重量部 (三井石油化学(株)製、ユニストールP901、 ポリプロピレン系樹脂、Mw:50,000、 水酸基価50mgKOH/g、アルキルベンゼン 溶剤中固形分25%) アルミナ粉末 10.0重量部 ──────────────────────────────── 合 計 154.0重量部 この主剤35.0gに硬化剤としてシランカップリング
剤(日本ユニカ−(株)製、AZ6118)を0.26
g加え、さらに希釈剤(三菱化学(株)製、アルキルベ
ンゼン#246)を加えて粘度を約80Ps.(E型粘
度計により25℃、5rpmで測定した値、以下同様)
とした。 PDP隔壁の形成:試料板として、ガラス基板1上に感
光性フィルム(ドライフィルム)10を貼り付け、図2
に示すとおりの寸法関係で画像形成したものを用いた。
この試料板に、前記のようにして調製したペーストをス
キージを用いて試料板のドライフィルムの溝に埋め込む
ように塗布した。さらに、ペーストを塗布した試料板を
アクリル樹脂製のデシケータに入れ、200mmHg以
下に減圧した後、5分間保持し、脱泡した。続いて、ボ
ックス型の熱風乾燥機中で80℃で45分間乾燥した。
溶剤が揮発した分、溝に埋め込んだペーストは沈み込む
ので、この操作(印刷−脱泡−乾燥)を3回繰り返し、
4回目に全面を覆うように300〜500μmの厚みで
ペーストを塗布した。その後、80℃で45分間乾燥し
た後、150℃で30分間かけて熱硬化した。冷却後、
ドライフィルムが見えるようになるまで硬化したペース
ト表面を研磨した。この試料板を5%KOH水溶液に5
分間浸した後、引き上げ、次に水に5分間浸した。ドラ
イフィルムを剥離した試料板は軽く水洗いし、乾燥後、
電気炉を用い空気中で焼成した。なお、焼成は、室温か
ら350℃まで3℃/分の昇温速度で昇温し、350℃
で30分間保持し、その後、5℃/分の昇温速度で55
0℃まで上げ、550℃で30分間保持して焼成し、そ
の後室温まで放冷する工程で行った。焼成後、幅100
μm、高さ約120μmの幅の乱れのない均一な高さの
高精度のPDP隔壁が得られた。
【0041】実施例2 PDP隔壁用ペーストの調製:下記の成分を配合し、よ
く攪拌した後、セラミック製3本ロールミルを用いて3
回練肉し、PDP隔壁用ペーストの主剤を調製した。 低融ガラス(IWF7578W) 100.0重量部 オレフィン系水酸基含有ポリマー 44.0重量部 (ユニストールP901、 アルキルベンゼン 溶剤中固形分25%) ブロックイソシアネート化合物 4.0重量部 (サンアプロ(株)製、UCAT3503N :イソホロンジイソシアネートのジメチルアミンブロック化物) アルミナ粉末 25.0重量部 酸化チタン粉末 25.0重量部 希釈剤(アルキベンゼン#246) 10.0重量部 ──────────────────────────────── 合 計 208.0重量部 この主剤35.0gに硬化剤としてシランカップリング
剤(AZ−6118)を0.26g加え、さらに希釈剤
(アルキルベンゼン#246)を加えて粘度を約80P
s.とした。PDP隔壁の形成:試料板として、ガラス
基板1上に感光性フィルム10を貼り付け、図2に示す
とおりの寸法関係で画像形成したものを用いた。この試
料板に、前記のようにして調製したペーストをスキージ
を用いて試料板のドライフィルムの溝に埋め込むように
塗布した。さらに、ペーストを塗布した試料板をアクリ
ル樹脂製のデシケータに入れ、200mmHg以下に減
圧した後、5分間保持し、脱泡した。続いて、ボックス
型の熱風乾燥機中で80℃で45分間乾燥した。溶剤が
揮発した分、溝に埋め込んだペーストは沈み込むので、
この操作(印刷−脱泡−乾燥)を2回繰り返し、3回目
に全面を覆うように100〜200μmの厚みでペース
トを塗布した。その後、実施例1と同様にしてペースト
の乾燥、熱硬化、表面研磨、ドライフィルムの剥離、及
び焼成を行った。焼成後、幅100μm、高さ約100
μmの幅の乱れのない均一な高さの高精度のPDP隔壁
が得られた。
【0042】実施例3 PDP隔壁用ペーストの調製:下記の成分を配合し、よ
く攪拌した後、セラミック製3本ロールミルを用いて3
回練肉し、PDP隔壁用ペーストの主剤を調製した。 低融ガラス(IWF7578W) 100.0重量部 ラクトン変成ポリビニルブチラール 60.0重量部 (ポリビニルブチラール(積水化学工業(株)製、BLSH) をε−カプロラクトンで変成、BLSH: ε−カプロラクトン=50:50、 水酸基価35mgKOH/g、希釈剤(エクソン(株)製、 ソルベッソ#200)中固形分50%) ブロックイソシアネート化合物 4.0重量部 (UCAT3503N) アルミナ粉末 25.0重量部 酸化チタン粉末 25.0重量部 ──────────────────────────────── 合 計 214.0重量部 この主剤35.0gに硬化剤としてシランカップリング
剤(AZ−6118)を0.50g加え、さらに希釈剤
(ソルベッソ#200)を加えて粘度を約80Ps.と
した。 PDP隔壁の形成:前記のように調製したペーストを用
いて実施例2と同様の工程を行い、幅100μm、高さ
約120μmの幅の乱れのない均一な高さの高精度のP
DP隔壁が得られた。
【0043】実施例4 PDP隔壁用ペーストの調製:下記の成分を配合し、よ
く攪拌した後、セラミック製3本ロールミルを用いて3
回練肉し、PDP隔壁用ペーストの主剤を調製した。 低融ガラス(IWF7578W) 100.0重量部 ラクトン変成アクリルポリオール 32.1重量部 (ダイセル(株)製、プラクセルDC2016、 水酸基価81.7mgKOH/g、 キシレン中固形分70%) ブロックイソシアネート化合物 4.0重量部 (UCAT3503N) アルミナ粉末 25.0重量部 酸化チタン粉末 25.0重量部 希釈剤(ソルベッソ#200) 20.0重量部 ──────────────────────────────── 合 計 206.1重量部 この主剤35.0gに硬化剤としてシランカップリング
剤(AZ−6118)を0.50g加え、さらに希釈剤
(ソルベッソ#200)を加えて粘度を約80Ps.と
した。PDP隔壁の形成:前記のように調製したペース
トを用い、感光性フィルム10に図3に示すようなパタ
ーン溝の形成を行うこと以外は実施例2と同様の工程を
行い、幅50μm、高さ約120μmの幅の乱れのない
均一な高さの高精度のPDP隔壁が得られた。
【0044】実施例5 PDP隔壁用ペーストの調製:下記の成分を配合し、よ
く攪拌した後、セラミック製3本ロールミルを用いて3
回練肉し、PDP隔壁用ペーストの主剤を調製した。 低融ガラス(IWF7578W) 100.0重量部 ラクトン変成アクリルポリオール 32.1重量部 (ダイセル(株)製、プラクセルDC2009、 水酸基価91.2mgKOH/g、 キシレン中固形分70%) ブロックイソシアネート化合物(UCAT3503N) 4.0重量部 アルミナ粉末 25.0重量部 酸化チタン粉末 25.0重量部 希釈剤(ソルベッソ#200) 20.0重量部 ──────────────────────────────── 合 計 206.1重量部 この主剤35.0gに硬化剤としてシランカップリング
剤(AZ−6118)を0.50g加え、さらに希釈剤
(ソルベッソ#200)を加えて粘度を約80Ps.と
した。 PDP隔壁の形成:前記のように調製したペーストを用
いて実施例4と同様の工程を行い、幅50μm、高さ約
120μmの幅の乱れのない均一な高さの高精度のPD
P隔壁が得られた。
【0045】
【発明の効果】以上のように、本発明の隔壁形成用組成
物は、流動性に優れているため、所定のパターンに形成
された感光性フィルム間の極めて狭隘な溝部に作業性よ
く充填できる。また、熱硬化性にも優れ、さらに感光性
フィルムとの強い結合を生じないため、PDPの隔壁形
成過程において剥離剤により基板から感光性フィルムを
剥離する際、固化形成された隔壁が剥離することなく、
感光性フィルムの剥離のみがスムーズに行え、また焼成
後の隔壁は所望の細線ピッチで形成され、形成される隔
壁に亀裂、欠損及び融解によるだれ等が生じることがな
く、充分な縦横比(アスペクト比)を有する高精度、高
強度の優れた品質の隔壁を形成できる。また、本発明の
隔壁形成用組成物を用いることによって、PDPの隔壁
形成過程において剥離剤を用いて基板から感光性フィル
ムを剥離でき、上記のような高精度の隔壁を作業性よく
形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるPDP隔壁形成方法を
示す工程説明図である。
【図2】実施例1において作製した試料板の感光性フィ
ルム形成パターンを示す説明図である。
【図3】実施例4において作製した試料板の感光性フィ
ルム形成パターンを示す説明図である。
【図4】従来のDC型カラーPDPの概略構成を示す部
分断面図である。
【図5】従来のPDP隔壁の欠陥例を示す部分断面図で
ある。
【符号の説明】
1、1a、1b 透明基板 2 隔壁 3a、3b、3c 蛍光体膜 4a、4b 電極 5 亀裂 10 感光性フィルム 10a フィルム残渣 11 ガラスペースト組成物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−241731(JP,A) 特開 平7−134957(JP,A) 特開 平6−204544(JP,A) 特開 平8−50811(JP,A) 特開 平2−165540(JP,A) 特開 平3−57138(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 9/02 H01J 11/02 C01G 23/04 C03C 3/102 C08K 3/40

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 隔壁パターンの形成に感光性皮膜を利用
    し、パターン形成後剥離する方法によるプラズマディス
    プレイパネルの隔壁形成用の組成物であって、(A)作
    業点560℃以下の低融ガラス、(B)1分子中に少な
    くとも2個以上の水酸基を有する水酸基含有ポリマー、
    (C)無機フィラー、(D)希釈剤、及び(E)一方の
    端部に少なくとも2個以上のアルコキシ基が結合したア
    ルコキシシラン基を有し、かつ他方の端部にアミン系末
    端基を有する有機ケイ素化合物を含有することを特徴と
    するプラズマディスプレイパネルの隔壁形成用組成物。
  2. 【請求項2】 隔壁パターンの形成に感光性皮膜を利用
    し、パターン形成後剥離する方法によるプラズマディス
    プレイパネルの隔壁形成用の組成物であって、(A)作
    業点560℃以下の低融ガラス、(B)1分子中に少な
    くとも2個以上の水酸基を有する水酸基含有ポリマー、
    (C)無機フィラー、(D)希釈剤、(E)一方の端部
    に少なくとも2個以上のアルコキシ基が結合したアルコ
    キシシラン基を有し、かつ他方の端部にアミン系末端基
    を有する有機ケイ素化合物、及び(F)イソシアネート
    基をアミンでブロックしたブロックイソシアネート化合
    物を含有することを特徴とするプラズマディスプレイパ
    ネルの隔壁形成用組成物。
  3. 【請求項3】 さらに(G)1分子中に少なくとも4個
    以上のアルコキシシラン基又はシラノール基を有する変
    成シリコーンオイルを含有することを特徴とする請求項
    1又は2に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 前記低融ガラス(A)が、作業点560
    ℃以下の酸化鉛高含有ガラスであることを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 前記水酸基含有ポリマー(B)が、オレ
    フィン系水酸基含有ポリマー、アクリル系ポリオール、
    ゴム系ポリオール、ポリビニルアセタール、スチレンア
    リルアルコール樹脂及びフェノール樹脂からなる群より
    選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項
    1乃至4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 前記水酸基含有ポリマー(B)が、下記
    化1の一般式(1)で示される側鎖を有することを特徴
    とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の組成物。 【化1】
  7. 【請求項7】 前記水酸基含有ポリマー(B)が、オレ
    フィン系水酸基含有ポリマー、アクリル系ポリオール、
    ゴム系ポリオール、ポリビニルアセタール、スチレンア
    リルアルコール樹脂、フェノール樹脂及びアミノ樹脂か
    らなる群より選ばれた少なくとも1種のポリマーの水酸
    基又はアミノ基に、下記化2の一般式(2)で示される
    ラクトンを付加したラクトン変成ポリマーであることを
    特徴とする請求項6に記載の組成物。 【化2】
  8. 【請求項8】 前記水酸基含有ポリマー(B)が、1分
    子中に水酸基又はアミノ基と不飽和基を併せ持つモノマ
    ーの水酸基又はアミノ基に下記化3の一般式(2)で示
    されるラクトンを付加したラクトン変成モノマーの単独
    重合体、又は該ラクトン変成モノマーと他の不飽和基を
    有するモノマーとの共重合体であることを特徴とする請
    求項6に記載の組成物。 【化3】
  9. 【請求項9】 前記水酸基含有ポリマー(B)の水酸基
    価が10〜100mgKOH/gであることを特徴とす
    る請求項1乃至8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 【請求項10】 前記無機フィラー(C)がアルミナ及
    び/又は酸化チタンであることを特徴とする請求項1乃
    至9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 【請求項11】 前記希釈剤(D)が沸点150℃以上
    の高沸点石油系溶剤であることを特徴とする請求項1乃
    至10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. 【請求項12】 前記低融ガラス(A)100重量部に
    対し、前記水酸基含有ポリマー(B)を2〜30重量
    部、前記無機フィラー(C)を10〜100重量部、前
    記希釈剤(D)を20〜50重量部、前記有機ケイ素化
    合物(E)を0.5〜5重量部、及び前記ブロックイソ
    シアネート化合物(F)を0.1〜20重量部含有する
    ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記
    載の組成物。
  13. 【請求項13】 前記低融ガラス(A)100重量部に
    対し前記変成シリコーンオイル(G)を0.1〜3重量
    部含有することを特徴とする請求項3乃至12のいずれ
    か一項に記載の組成物。
  14. 【請求項14】 透明基板の表面を感光性フィルムによ
    り被覆した後、写真法により上記感光性フィルムに所定
    のパターンの溝部を形成し、前記請求項1乃至13のい
    ずれか一項に記載の隔壁形成用組成物を上記溝部に埋め
    込むように塗布、乾燥した後、加熱硬化し、次いで上記
    感光性フィルムを剥離剤により剥離した後、上記硬化し
    た隔壁形成用組成物を焼成することを特徴とするプラズ
    マディスプレイパネルの隔壁形成方法。
  15. 【請求項15】 前記隔壁形成用組成物を前記感光性フ
    ィルムの溝部に埋め込むように塗布、乾燥する工程を複
    数回繰り返し、最後の工程で感光性フィルム全面を覆う
    ように塗布、乾燥した後、加熱硬化し、次いで硬化した
    隔壁形成用組成物の表面を上記感光性フィルムが露出す
    るまで研磨し、剥離剤により上記感光性フィルムを剥離
    した後、上記硬化した隔壁形成用組成物を焼成すること
    を特徴とする請求項14に記載の隔壁形成方法。
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