JP3290979B2 - 収納部用昇降支持ユニットおよびこれを用いた昇降収納装置 - Google Patents

収納部用昇降支持ユニットおよびこれを用いた昇降収納装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は厨房等で各種の物を収納
しておくのに利用する収納部用昇降支持ユニットおよび
これを用いた昇降収納装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】このような収納部用昇降支持ユニットお
よびこれを用いた昇降収納装置は、特開昭61−154
610号公報等で知られている。
【0003】このものは、収納ボードの両側内面に個別
に枢支した両側の平行リンクの自由端部間に収納部を支
持し、収納部を収納ボードへの格納位置と収納ボードの
前部下方に引出し下降させた取出し位置との間で昇降で
きるようにしている。リンクと固定部との間に引っ張り
ばねを働かせてリンク対が収納部を低速度で下降させら
れるようにし、かつ平行リンクが垂直姿勢よりも後方に
傾斜した傾斜姿勢にて収納部を格納位置に支持すること
により、地震等にても不用意に前方へ張り出し、また取
出し位置に下降するようなことを防止し、使用の安全を
図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のよ
うな構成では、両側の平行リンクを構成する各リンクに
収納部を直接固定する構造になっているため、収納部を
固定する前の平行リンクは各リンクがバラバラの状態と
なり、収納部への取り付け等の組立作業性が悪いという
課題があった。
【0005】本発明は、このような問題を解消するもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の収納部用昇降支
持ユニットは、左右一対の平行リンクの一端部側を左右
の取付け基台に枢支し、この左右一対の平行リンクを連
結軸で連結するとともに、前記取付け基台の前記連結軸
とは反対側面を凹状部として当該凹状部に前記平行リン
クの付勢手段を組み込み、かつ、前記両平行リンクを構
成する前後一対のリンクの自由端同士を取付け座で各々
連結一体化した構成としてある。
【0007】また、本発明の昇降収納装置は、収納ボー
ド内に請求項1記載の収納部用昇降支持ユニットを収容
して、この収納部用昇降支持ユニットの各取付け基台を
収納ボードに、前記凹状部が収納ボードの両側板に対向
するようにして取付けるとともに、両側の平行リンクの
取付け座に収納部を固定支持してある。さらに、本発明
の収納部の昇降支持方法は、左右一対の平行リンクの一
端部側を左右の取付け基台に枢支し、この左右一対の平
行リンクを連結軸で連結するとともに、前記取付け基台
の前記連結軸とは反対側面の凹状部に前記平行リンクの
付勢手段を組み込み、かつ、前記両平行リンクを構成す
る前後一対のリンクの自由端同士を取付け座で各々連結
一体化してなる収納部用昇降支持ユニットを形成する工
程と、この収納部用昇降支持ユニットの前記左右の取付
け基台を収納ボードに、前記凹状部が収納ボードの両側
板に対向するようにして取付ける工程と、前記収納部用
昇降支持ユニットの前記取付け座を収納部の両側に固定
し支持する工程と、を備えて、前記収納部を収納ボード
に昇降できるように支持する。
【0008】
【作用】本発明は、一端部側を左右の取付け基台に枢支
し、この左右一対の平行リンクの左右の自由端部間に収
納部を固定支持し、その収納部を上昇および下降できる
ように構成したことは従来通りであるが、左右一対の平
行リンクは、それぞれの前後のリンクの自由端部間が、
収納部を取付ける取付け座により連結されて、収納部を
支持していない状態で、収納部用昇降支持ユニット側の
完結した平行リンクをなすので、左右一対の平行リンク
の自由端部間に収納部を支持するには、この取付け座を
収納部の両側板にねじ等により取り付ければよく、組み
立てが容易かつ迅速になる
【0009】
【実施例】以下本発明の収納部用昇降支持ユニットおよ
びこれを用いた昇降収納装置の実施例について、図1〜
図6を参照しながら説明する。
【0010】本実施例は図1〜図3に示すように収納部
用昇降支持ユニットAを、収納ボードBに収容して、か
ご形式の収納部Cを昇降できるように支持した昇降収納
装置の場合を示している。
【0011】収納部用昇降支持ユニットAは、図4〜図
6に示すように、自由端部間で収納部Cを支持する両側
の平行リンク1、2を左右の取付け基台3、4に個別に
枢支し、両側の平行リンク1、2の対向し合う前部側の
リンク1a、2aを枢支しかつこれに同体回転する枢軸
5、6どうしを連結軸17により連結一体化してある。
これにより各取り付け基台3、4を一体化するとともに
両側の平行リンク1、2が連動するようになる。
【0012】したがって、各取付け基台3、4に枢支し
た両側の平行リンク1、2はユニット化した収納部用昇
降支持ユニットAを構成するので、これの全体を1つの
ものとして取扱い、各取付け基台3、4を収納ボードB
の両側の内面に双方間の特別な位置合わせ作業を必要と
せずに、ねじ10等により容易に取付けることができ
る。奥側のリンク1b、2bの枢軸7、8どうしをも連
結一体化すると、各取付け基台3、4の一体化の剛性お
よび両側の平行リンク1、2の連動剛性をさらに高める
ことができる。
【0013】平行リンク1、2は、それぞれの前後のリ
ンク1aと1bの自由端部間、およびリンク2aと2b
の自由端部間が、収納部Cを取付ける取付け座1c、2
cにより連結されて、収納部Cを支持していない状態
で、収納部用昇降支持ユニットA側の完結した平行リン
クをなすようにしてある。したがって、平行リンク1、
2の自由端部間に収納部Cを支持するには、この取付け
座1c、2cを収納部Cの両側板9にねじ10等により
取り付ければよい。
【0014】このような組み立て構造上、収納部用昇降
支持ユニットAを収納ボードBに収容して収納部Cを昇
降できるように支持した本実施例の収納装置は作業工数
少なく容易かつ迅速に組み立てることができる。収納ボ
ードB内の収納部用昇降支持ユニットAによって支持し
た収納部Cは、両側の平行リンク1、2が各取付け基台
3、4上で枢軸5〜8を中心として起伏することによ
り、収納ボードB内に図1、図2に示すように位置した
格納位置と、収納ボードBの前方下部に図3に示すよう
に引出し下降させた取出し位置との間で昇降される。
【0015】また、両側の平行リンク1、2が連動する
ことにより、両側の平行リンク1、2による収納部Cの
支持や動きに差が生じることはなく、両側の平行リンク
1、2の自由端部間で支持する収納部Cが図示するかご
形式のような簡易な剛性の低いのものであっても、十分
な支持剛性を発揮して収納部Cによじれや揺れが生じる
のを防止し、全体を軽量かつ小型なものとすることがで
きる。
【0016】一方、平行リンク1、2の後部側のリンク
1b、2bを枢支しかつこれに同体回転する枢軸7、8
と取付け基台3、4との間には、平行リンク1、2の収
納部Cを取出し位置に下降させる速度を制限するダンパ
ー機構11、12を働かせてある。このダンパー機構1
1、12は前記枢軸7、8の一方にのみ働かせても、両
側の平行リンク1、2が連動するものであることによ
り、双方に均等に働かせることができるし、本実施例の
ように2つのダンパー機構11、12を双方に分担して
働かせても、これらが同種のものかどうかに係わりな
く、両側の平行リンク1、2に均等に働かせることがで
きる。
【0017】ダンパー機構11、12は、取付け基台
3、4の両端部が外側に向け折曲げられた取付け座3a
間、および4a間の空間部に収容して働かせてあり、取
付け座3a間、および4a間に渡して溶接付けした取付
け板20を利用し装備してある。
【0018】ダンパー機構11、12は枢軸7、8の回
転を利用して働かせてあり、リンク1a〜2bとは切り
離したリンク1a〜2bの支持構造部に装備し、枢軸5
〜8の回転動作を利用してコンパクトに設けることがで
きる。
【0019】具体的には、一方のダンパー機構11は蔓
巻きばね21とロータリ式のオイルダンパ22とを働か
せ、他方のダンパー機構12は蔓巻きばね31のみを働
かせてある。
【0020】ダンパー機構11の蔓巻きばね21は、枢
軸7の取付け板20の内側に突出した部分のまわりに巻
回され、図4、図5に示すように一方の端部21aが、
取付け板20の内側面に溶接付けした係止部材25によ
って受止められ、他方の端部21bが、取付け板20と
取付け基台3との間で枢軸5に同体回転するように装着
した大径のギヤ26上の複数の取付け穴23のいずれか
に取り付けた押動ピン24と遊びSを持って対向してい
る。
【0021】これによって、平行リンク1、2が図4に
示す矢印の方向に伏倒して収納部Cを収納ボードBから
引出し下降させる動作にギヤ26が連動して回転する
と、押動ピン24は最初前記蔓巻きばね21の端部21
bに近づくだけであるが、平行リンク1、2の傾きが大
きくなって収納部Cの重量が下動速度を増速させるよう
になる所定の途中位置にて前記遊びSがなくなり、以降
端部21bを押動していって係止部材25により受止め
られている一方の端部21aとの間で蔓巻きばね21を
次第にチャージしていき、収納部Cの重量が下降速度を
増速するように影響しても、前記チャージ動作時の抵抗
によって前記影響を緩和し、平行リンク1、2が低速で
下降できるようにする。
【0022】オイルダンパ22は取付け板20の内面に
取付けられ、これの図6に示す回転軸22aに装着した
ピニオンギヤ27がギヤ26に噛み合い、平行リンク
1、2が伏倒するときの枢軸7の回転が増速して回転軸
22aに伝達されるようにしている。
【0023】したがって、回転軸22aに取り付けた回
転羽根22bと、オイルダンパ22内の制動羽根22c
との相対速度が増大され、オイルダンパ22内に封入し
てあるオイルによる回転羽根22bの回転抵抗を大きく
する。これにより平行リンク1、2が起立状態から伏倒
し始めて前記蔓巻きばね21が働き始める位置までの引
き出し速度を、小さなダンパー容量のものにて十分に制
限することができる。
【0024】他方のダンパー機構12の蔓巻きばね31
は、枢軸8とこれに装着した前記ギヤ26に代わる回転
盤32とによって、前記蔓巻きばね21とほぼ同様に設
けられている。蔓巻きばね31の一方の端部31aを取
付け板20に螺合させた係止ボルト33によって受止め
た点が、蔓巻きばね21の場合と異なっている。
【0025】係止ボルト33はこれを回転させることに
よって、前記端部32aと対向する位置に進出したり、
この対向位置から後退させたりすることができる。係止
ボルト33を後退位置としておくことにより、蔓巻きば
ね31の他方の端部31bが回転盤32上の押動ピン2
4によって、一方の端部31aの側に押動されてもこの
端部31aを係止ボルト33が受止めないので、蔓巻き
ばね31は枢軸8のまわりに空回りされるだけで、平行
リンク1、2にダンパー機能を及ぼさない。しかし、係
止ボルト33を進出位置としておくことにより、蔓巻き
ばね31の端部31bが押動ピン24によって端部31
aの側に押動されると、この端部31aを係止ボルト3
3が受け止めて逃がさないので、蔓巻きばね31が両端
部31a、31b間でチャージされ、蔓巻きばね21と
同様に平行リンク1、2にダンパー機能を及ぼす。
【0026】これにより、係止ボルト33を進退させて
ダンパー機構12を働かせたり、働かせなかったりする
と、収納部Cに収納するものの重量に合わせて、ダンパ
ー機能を高めたり、弱めたりすることができる。もっと
もこのような複数の蔓巻きばねを同一の枢軸に装着し
て、選択的に働かせることもできる。
【0027】ギヤ26には円弧状の長穴26aが設けら
れ、これに取付け基台3および取付け板20間に確固に
取り付けたストッパーピン34が通るようにしてある。
収納部Cが取出し位置まで下降する平行リンク1、2の
伏倒位置にて、長穴26aの端部がストッパーピン34
に当接し平行リンク1、2がそれ以上下方に回動しない
ようにする。これによって、収納部Cが前記所定の取出
し位置を越えて過剰に下降されるようなことがないよう
にしている。
【0028】枢軸5、6を連結した連結軸17は、例え
図6に示すようなパイプ部材とし、枢軸5、6の取付
け基台3、4から突出している端部5a、6aに嵌め合
わせてねじ35により固定してあり、異なった長さの連
結軸17を選択して使用し、あるいは取り替えられるよ
うにしてある。これにより収納ボードBの横サイズの異
なるものに対応し、この収納ボードBに適した大きさの
収納部Cを昇降できるように支持することができる。収
納部Cの両側板9の前部下間には、昇降動作用の把手9
aが取付けられている。
【0029】収納ボードBの両側内面には、各取付け基
台3、4を取付けるためのねじ穴36を多段に設けてあ
り、収納ボードBの高さに対して収納部用昇降支持ユニ
ットAの収納部Cを支持した状態の全高よりも高い場合
に、収納部用昇降支持ユニットAを使用者の背の高さに
応じて収納ボードBへの取付け高さを自由に変えられる
ようにしてある。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、左右一対の平行リンク
は、連結軸で連結され、なおかつそれぞれの前後のリン
クの自由端部間が、収納部を取付ける取付け座により連
結されて、収納部を支持していない状態で、収納部用昇
降支持ユニット側の完結した平行リンクをなすので、左
右一対の平行リンクの自由端部間に収納部を支持するに
は、この取付け座を収納部の両側板にねじ等により取り
付ければよく、組み立てが容易かつ迅速になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての収納部用昇降支持ユ
ニットを用いた昇降収納装置を示す正面図である。
【図2】図1の昇降収納装置の断面図である。
【図3】図1の昇降収納装置の収納部を収納ボードから
引出し下降させた状態を示す縦断面図である。
【図4】図1の昇降収納装置に利用した収納部用昇降支
持ユニットを示す斜視図である。
【図5】図1の収納部用昇降支持ユニットの一方の平行
リンクの枢支構造とダンパー機構とを示す側面図であ
る。
【図6】図5のダンパー機構部の横断面図である。
【符号の説明】
A 収納部用昇降支持ユニット B 収納ボード C 収納部 遊び 1、2 平行リンク 1a、1b、2a、2b リンク1c、2c 取付け座 3、4 取付け基台 5〜8 枢軸 10、35 ねじ 11、12 ダンパー機構 17 連結軸 26、27 増速ギヤ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭48−22628(JP,U) 実開 平4−66931(JP,U) 実開 昭64−54834(JP,U) 実開 昭62−9936(JP,U) 実開 昭58−19649(JP,U) 特公 平4−59883(JP,B2) 実公 昭43−8521(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47B 51/00 501 A47B 77/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右一対の平行リンクの一端部側を左右
    の取付け基台に枢支し、この左右一対の平行リンクを連
    結軸で連結するとともに、前記取付け基台の前記連結軸
    とは反対側面を凹状部として当該凹状部に前記平行リン
    クの付勢手段を組み込み、かつ、前記両平行リンクを構
    成する前後一対のリンクの自由端同士を取付け座で各々
    連結一体化してなる収納部用昇降支持ユニット。
  2. 【請求項2】 収納ボード内に請求項1記載の収納部用
    昇降支持ユニットを収容して、この収納部用昇降支持ユ
    ニットの各取付け基台を収納ボードに、前記凹状部が
    納ボードの両側板に対向するようにして取付けるととも
    に、両側の平行リンクの取付け座に収納部を固定支持し
    たことを特徴とする昇降収納装置。
  3. 【請求項3】 左右一対の平行リンクの一端部側を左右
    の取付け基台に枢支し、この左右一対の平行リンクを連
    結軸で連結するとともに、前記取付け基台の前記連結軸
    とは反対側面の凹状部に前記平行リンクの付勢手段を組
    み込み、かつ、前記両平行リンクを構成する前後一対の
    リンクの自由端同士を取付け座で各々連結一体化してな
    る収納部用昇降支持ユニットを形成する工程と、この収
    納部用昇降支持ユニットの前記左右の取付け基台を収納
    ボードに、前記凹状部が収納ボードの両側板に対向する
    ようにして取付ける工程と、前記収納部用昇降支持ユニ
    ットの前記取付け座を収納部の両側に固定し支持する工
    程と、を備えて、前記収納部を収納ボードに昇降できる
    ように支持することを特徴とする収納部の昇降支持方
    法。
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