JP3289456B2 - 画像による異常検出方法 - Google Patents

画像による異常検出方法

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JP3289456B2 JP33111193A JP33111193A JP3289456B2 JP 3289456 B2 JP3289456 B2 JP 3289456B2 JP 33111193 A JP33111193 A JP 33111193A JP 33111193 A JP33111193 A JP 33111193A JP 3289456 B2 JP3289456 B2 JP 3289456B2
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俊則 生川
昇平 御園
正明 富沢
定男 出川
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石川島播磨重工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像による異常検出方
法及び装置に係わり、更に詳しくは、プラント設備等の
機器における火炎、蒸気、黒煙等の発生を画像処理によ
り検知し、かついずれの異常事象であるか自動判定する
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プラント設備等の機器における火
炎、蒸気、黒煙等の噴出のような異常検出は、一般にパ
トロール員の目視に頼っていたが、この目視による検出
はプラント構内を点検して巡回するパトロール員の負担
が大きすぎる問題があった。そのため、火炎、蒸気、黒
煙等が噴出するおそれのある領域にテレビカメラを取り
付けて遠隔から監視することが従来から行われていた。
しかし、この手段でも、監視員が常にモニターを注視し
ている必要があり、特に夜間の監視は監視員に大きな負
担を強いるため、CCDカメラで画像を取り込んで画像
処理により異常事象を自動検出する試みが従来から行わ
れていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の画像に
よる異常検出手段は、モノクロ画像により揺らぎを抽出
するだけであり、かかるモノクロ画像による揺らぎ抽出
では、抽出された現象が火炎であるのか、蒸気もしくは
黒煙であるのか判別できない問題点があった。また、C
CDカメラと監視領域との間に、点検等のため作業員等
が通過すると、これを揺らぎとして検出し異常とみなし
てしまう問題点があった。更に、単なる2入力画像間の
差分による揺らぎ抽出では日照変化等の一過性の外乱
も、揺らぎとして検出し異常とみなしてしまう場合が多
く、信頼性に欠ける問題点があった。
【0004】本発明はかかる問題点を解決するために創
案されたものである。すなわち、本発明の目的は、画像
処理により火炎、蒸気、黒煙等の噴出のような異常事象
を判別して検出でき、かつ作業員の通過や、日照変化等
の一過性の外乱の影響を受けることなく安定して異常を
検出できる画像による異常検出方法及び装置を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、撮像装
置により対象物の複数の入力カラー画像Ci(i=1,
2,...,K,K+1,...n)を適当な時間間隔
を隔てて撮像し、各入力カラー画像Ciを順次モノクロ
画像Miへ変換し、前記差分画像M2を差分画像のため
の2値化しきい値で2値化して差分2値画像M3とし、
この差分2値画像M3から入力カラー画像C i の揺らぎ
領域を抽出し、この揺らぎ領域のカラー判別処理によ
り、抽出された異常が火炎、蒸気、黒煙のいずれである
かを判定する、ことを特徴とする画像による異常検出方
法が提供される。本発明の好ましい実施例によれば、前
記差分累積画像ΣM2を2値化し、ノイズ除去した画像
より抽出された面積(画素数)が異常判定しきい値を越
えた場合に異常と判定する。
【0006】また、モノクロ画像Miを明部抽出のため
の2値化しきい値で2値化して明部抽出2値画像M4と
し、これと差分2値画像M3との間で論理積をとり明部
抽出マスク画像M6とし、これと入力カラー画像Ci
の間で論理積をとり明部抽出カラー画像C2とし、この
明部抽出カラー画像C2に揺らいでいる明るい領域を抽
出する。また、モノクロ画像Miを暗部抽出のための2
値化しきい値で2値化して暗部抽出2値画像M5とし、
これと差分2値画像M3との間で論理積をとり暗部抽出
マスク画像M7とし、これと入力カラー画像Ciとの間
で論理積をとり暗部抽出カラー画像C3とし、この暗部
抽出カラー画像C3に揺らいでいる暗いい領域を抽出す
る。
【0007】更に、複数の入力カラー画像Ci(i=
1,2,...,K,K+1,...n)から得られた
前記明部抽出カラー画像C2、暗部抽出カラー画像C3
を累積加算してそれぞれ明部抽出累積画像ΣC2、暗部
抽出累積画像ΣC3とし、これらをカラー判別処理す
る。また、前記マスク画像M6、M7からその直前まで
に求めたマスク画像M6、M7の累積加算画像ΣM
6′、ΣM7′を差し引いた領域を明部抽出マスク画像
M6、暗部抽出マスク画像M7とする、ことが好まし
い。
【0008】
【作用】前記本発明の方法によれば、撮像装置により対
象物の複数の入力カラー画像Ci(i=1,
2,...,K,K+1,...n)を適当な時間間隔
を隔てて撮像し、各入力カラー画像Ci を順次モノク
ロ画像Miへ変換し、モノクロ画像Mk+1 とモノクロ画
像Mkの差分を差分画像M2とし、この差分画像M2を
累積加算した差分累積画像ΣM2から対象物の異常を検
出するので、短時間間隔で入力した画像間の差分画像を
連続的に複数回累積加算を行うことで、日照変化等の一
過性の外乱の影響を受けることなく、火炎、蒸気、黒煙
等の揺らいで見える異常事象を精度良く検出することが
できる。
【0009】また、差分画像M2を差分画像のための2
値化しきい値で2値化して差分2値画像M3とし、この
差分2値画像M3から入力カラー画像Ciの揺らぎ領域
を抽出し、この揺らぎ領域のカラー判別処理により、抽
出された異常が火炎、蒸気、黒煙のいずれであるかを判
定するので、異常事象として抽出した画像中の揺らいで
いる領域に対してその構成色成分を解析することによ
り、異常事象と火炎、蒸気、黒煙の異常事象、もしくは
その他の揺らいでいる事象と判別することができる。ま
た、CCDカメラと監視領域との間に、例えば点検等の
ため作業員等が通過しても、作業服の色を火炎、蒸気、
黒煙と識別できる色にしておけば、これを揺らぎとして
区別することができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照
して説明する。図1は、本発明による画像による異常検
出装置の全体構成図である。この図において、本発明の
装置は、プラント設備における異常検知の対象となる機
器の前面に配置された撮像装置1(例えばCCDカメ
ラ)、この撮像装置1を旋回させる旋回装置2、撮像装
置1で得た画像信号を画像処理する画像処理装置3、画
像処理した結果を表示する表示装置4(例えば画像用モ
ニタ)、コンピュータ5、コンピュータ用モニタ6、及
びオペレーション用コンソール7からなる。
【0011】撮像装置1で得た画像信号は、画像処理装
置3に入力され、コンピータ5により異常検出処理が実
行される。画像処理装置3、コンピュータ5、表示装置
4は利用形態に合わせて制御盤内に収納してもよい。ま
た、表示方法は表示装置4とモニタ6の両方を使用しな
くてもよい。また接点信号として出力し、ランプ表示に
より表示してもよい。
【0012】図2は、図1の装置の機能構成図である。
本発明の装置の機能は、撮像装置の調整8、検知パラメ
ータの選択9、検知処理10、及び結果の出力11から
なる。撮像装置の調整8は、監視対象となる機器の前面
に設置された撮像装置1(CCDカメラ)の撮像方向
と、レンズの調整を適切な検知処理が行えるように自動
あるいは手動で行う。検知パラメータの選択9は、監視
対象機器の種類やその周囲環境に合わせて異常事象を検
出、識別するためのパラメータを選択、設定する。検知
処理10は、図1の撮像装置1から入力した画像より、
時間的に連続して揺らいでいる領域を検出し、火炎、蒸
気、黒煙の異常事象を識別する。結果の出力11は、検
知処理結果を図1の表示装置4で確認する。
【0013】図3は、画像処理装置3による本発明の画
像による異常検出方法を示すフロー図である。本発明の
方法は、以下のステップにより構成される。 図1の
撮像装置1(例えばCCDカメラ)により監視対象とな
る機器のカラー画像を一定の時間間隔で撮像し、これを
入力カラー画像C1,C2,C3,....Ck
k+1,....Cnとする。入力カラー画像Ciは、そ
れぞれR.G.Bデータからなる。一定の時間間隔と計
測回数nは、例えば1秒間隔で10回であり、必要によ
り自由に変更できる。
【0014】 次いで、入力した各入力カラー画像C
i(i=1,2,...,K,K+1,...n)をモ
ノクロ画像Miへ変換し、モノクロ画像Mk+1よりモノク
ロ画像Mkの差分を行う。この差分結果の濃淡画像を差
分画像M2とし、更に差分画像のための2値化しきい値
で2値化してこれを差分2値画像M3とする。差分2値
画像M3には、モノクロ画像Mkとモノクロ画像Mk+1
の間で濃淡変化(相違)のある領域、すなわち揺らいで
いる領域が抽出される。
【0015】 モノクロ画像Mk+1を明部抽出のため
の2値化しきい値で2値化し、これを明部抽出2値画像
M4とする。同様に、モノクロ画像Mkを暗部抽出のた
めの2値化しきい値で2値化し、これを暗部抽出2値画
像M5とする。
【0016】 明部抽出2値画像M4と暗部抽出2値
画像M5をそれぞれ、差分2値画像M3との間で論理積
をとる。結果を明部抽出マスク画像M6、暗部抽出マス
ク画像M7とする。論理積により共通部分のみが抽出さ
れ、明部抽出マスク画像M6には揺らぎ(相違)のある
明るい領域が抽出され、暗部抽出マスク画像M7には揺
らぎ(相違)のある暗い領域が抽出される。
【0017】 次いで、明部抽出マスク画像M6と入
力カラー画像Ck+1との間で論理積をとり、明部抽出カ
ラー画像C2を得る。同様に、暗部抽出マスク画像M7
と入力カラー画像Ckとの間で論理積をとり、暗部抽出
カラー画像C3とする。この論理積により共通部分のみ
が抽出され、明部抽出カラー画面C2には揺らいでいる
領域中の、明るい部分の入力カラー画像が抽出され、一
方、暗部抽出カラー画面C3には揺らいでいる領域中
の、暗い部分の入力カラー画像が抽出される。つまり、
濃淡の明るい蒸気や火炎が揺らいでいる場合、明部抽出
カラー画面C2にはこれらの事象が抽出され、濃淡の暗
い黒煙が揺らいでいる場合、暗部抽出カラー画面C3に
はこの事象が抽出されることになる。
【0018】 カラー画像をn回入力し,〜の処
理を1枚目入力と2枚目入力の間、2枚目入力と3枚目
入力の間というようにn−1回行い、得られた差分画像
M2、明部抽出カラー画像C2、暗部抽出カラー画像C
3を累積加算する。それぞれの累積加算画像を、差分累
積画像ΣM2、明部抽出累積画像ΣC2、暗部抽出累積
画像ΣC3とする。
【0019】 この時、の明部抽出マスク画像M6
と暗部抽出マスク画像M7を求めるには、前回(1〜k
回)までの処理で求めた領域と重ならないようにするた
め、それまで求めたマスク画像M6、M7の累積加算画
像ΣM6′、ΣM7′を差し引いた領域を明部抽出マス
ク画像M6、暗部抽出マスク画像M7としている。
最終的に得られた差分累積画像ΣM2を2値化し、ノイ
ズ除去した画像より抽出された面積(画素数)が異常判
定しきい値を越えた場合、何らかの異常と判定される。
【0020】 の処理により異常と判定された場
合、明部抽出累積カラー画像ΣC2と暗部抽出累積カラ
ー画像ΣC3に対して、カラー判別処理を行うことで、
抽出された異常事象が火炎、蒸気、黒煙のいずれである
か判定を行う。なお、各々の2値化しきい値の設定方法
は、火炎、蒸気、黒煙などの明るさをあらかじめ調べて
おき、撮像装置を設置する場所の背景の明るさとの比較
で、最適なものを選んで入力する。
【0021】上述した本発明の画像による異常検出方法
及び装置によれば、1.プラント設備の監視対象機器に
対して短時間間隔で入力した画像間の差分画像を連続的
に複数回累積加算を行うことで、火炎、蒸気、黒煙等の
揺らいで見える異常事象を精度良く検出することがで
き、かつ、2.異常事象として抽出した画像中の揺らい
でいる領域に対してその構成色成分を解析することによ
り、異常事象と火炎、蒸気、黒煙の異常事象、もしくは
その他の揺らいでいる事象と判別することができる。従
って、抽出された現象が火炎であるのか、蒸気もしくは
黒煙であるのか判別できる。また、CCDカメラと監視
領域との間に、例えば点検等のため作業員等が通過して
も、作業服の色を火炎、蒸気、黒煙と識別できる色にし
ておけば、これを揺らぎとして区別することができる。
同様に、日照変化等の一過性の外乱も、揺らぎと識別で
き、信頼性の高い検出ができる。
【0022】なお、本発明は上述した実施例に限定され
ず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できるこ
とは勿論である。
【0023】
【発明の効果】上述したように、本発明の画像による異
常検出方法及び装置は、画像処理により火炎、蒸気、黒
煙等の噴出のような異常事象を判別して検出でき、かつ
作業員の通過や、日照変化等の一過性の外乱の影響を受
けることなく安定して異常を検出できる、優れた効果を
有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による画像による異常検出装置の全体構
成図である。
【図2】図1の装置の機能構成図である。
【図3】画像処理装置による本発明の異常検出方法のフ
ロー図である。
【符号の説明】
1 撮像装置(CCDカメラ) 2 旋回装置 3 画像処理装置 4 表示装置(画像用モニタ) 5 コンピュータ 6 コンピュータ用モニタ 7 オペレーション用コンソール 8 撮像装置の調整 9 検知パラメータの選択 10 検知処理 11 結果の出力 Ci(i=1,2,...,K,K+1,...n)
入力カラー画像 Mi,Mk+1 モノクロ画像 M2 差分画像 M3 差分2値画像 M4 明部抽出2値画像 M5 暗部抽出2値画像 M6 明部抽出マスク画像 M7 暗部抽出マスク画像 C2 明部抽出カラー画像 C3 暗部抽出カラー画像 ΣM2 差分累積画像 ΣC2 明部抽出累積画像 ΣC3 暗部抽出累積画像
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 富沢 正明 東京都江東区豊洲3丁目1番15号 石川 島播磨重工業株式会社 東二テクニカル センター内 (72)発明者 出川 定男 東京都江東区豊洲3丁目1番15号 石川 島播磨重工業株式会社 東二テクニカル センター内 (56)参考文献 特開 平3−139793(JP,A) 特開 平2−236787(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G08B 25/00 G06T 1/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮像装置により対象物の複数の入力カラ
    ー画像Ci(i=1,2,...,K,K+1,...
    n)を適当な時間間隔を隔てて撮像し、各入力カラー画
    像Ciを順次モノクロ画像Miへ変換し、モノクロ画像M
    k+1とモノクロ画像Mkの差分を差分画像M2とし、この
    差分画像M2を累積加算した差分累積画像ΣM2から対
    象物の異常を検出し、 前記差分画像M2を差分画像のための2値化しきい値で
    2値化して差分2値画像M3とし、この差分2値画像M
    3から入力カラー画像C i の揺らぎ領域を抽出し、この
    揺らぎ領域のカラー判別処理により、抽出された異常が
    火炎、蒸気、黒煙のいずれであるかを判定する 、ことを
    特徴とする画像による異常検出方法。
  2. 【請求項2】 前記差分累積画像ΣM2を2値化し、ノ
    イズ除去した画像より抽出された面積(画素数)が異常
    判定しきい値を越えた場合に異常と判定する、ことを特
    徴とする請求項1に記載の画像による異常検出方法。
  3. 【請求項3】 モノクロ画像Miを明部抽出のための2
    値化しきい値で2値化して明部抽出2値画像M4とし、
    これと差分2値画像M3との間で論理積をとり明部抽出
    マスク画像M6とし、これと入力カラー画像Ciとの間
    で論理積をとり明部抽出カラー画像C2とし、この明部
    抽出カラー画像C2に揺らいでいる明るい領域を抽出す
    る、ことを特徴とする請求項に記載の画像による異常
    検出方法。
  4. 【請求項4】 モノクロ画像Miを暗部抽出のための2
    値化しきい値で2値化して暗部抽出2値画像M5とし、
    これと差分2値画像M3との間で論理積をとり暗部抽出
    マスク画像M7とし、これと入力カラー画像Ciとの間
    で論理積をとり暗部抽出カラー画像C3とし、この暗部
    抽出カラー画像C3に揺らいでいる暗い領域を抽出す
    る、ことを特徴とする請求項に記載の画像による異常
    検出方法。
  5. 【請求項5】 複数の入力カラー画像Ci(i=1,
    2,...,K,K+1,...n)から得られた前記
    明部抽出カラー画像C2、暗部抽出カラー画像C3を累
    積加算してそれぞれ明部抽出累積画像ΣC2、暗部抽出
    累積画像ΣC3とし、これらをカラー判別処理する、こ
    とを特徴とする請求項又はに記載の画像による異常
    検出方法。
  6. 【請求項6】 前記マスク画像M6、M7からその直前
    までに求めたマスク画像M6、M7の累積加算画像ΣM
    6′、ΣM7′を差し引いた領域を明部抽出マスク画像
    M6、暗部抽出マスク画像M7とする、ことを特徴とす
    る請求項に記載の画像による異常検出方法。
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