JP3289340B2 - リニアモータ圧縮機 - Google Patents

リニアモータ圧縮機

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JP3289340B2
JP3289340B2 JP31766592A JP31766592A JP3289340B2 JP 3289340 B2 JP3289340 B2 JP 3289340B2 JP 31766592 A JP31766592 A JP 31766592A JP 31766592 A JP31766592 A JP 31766592A JP 3289340 B2 JP3289340 B2 JP 3289340B2
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周秀 藤山
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2309/00Gas cycle refrigeration machines
    • F25B2309/001Gas cycle refrigeration machines with a linear configuration or a linear motor

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、スターリング冷凍機
において膨張機に供給する冷媒を圧縮するリニアモータ
圧縮機に関し、特に、圧縮機内部の冷却構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、フリーディスプレーサ型スタ
ーリング冷凍機は、極低温レベルの寒冷を発生させる小
型冷凍機の一種として知られている。この冷凍機の一例
として、例えば「Refrigerator for Cryogenic Sensor
s」(NASA Conference Publication 2287)に開示され
ているものがある。この冷凍機は、冷媒ガスを圧縮する
圧縮機と、該圧縮機から吐出された冷媒ガスを膨張させ
る膨張機との組合せで構成される。
【0003】前記圧縮機について説明すると、図4に示
すように、該圧縮機(a)は、例えば密閉状のケーシン
グ(b)と、該ケーシング(b)内に形成されたシリン
ダ(c)と、該シリンダ(c)内に往復動可能に嵌装さ
れ、シリンダ(c)内空間に圧縮室(d)を形成するピ
ストン(e)と、該ピストン(e)を往復駆動させる駆
動源としてのリニアモータ(f)とを備えている。ま
た、前記シリンダ(c)には、該シリンダ(c)の中心
と同心の円筒状の凹陥部(c1)が形成されている。そ
して、前記リニアモータ(f)は、前記凹陥部(c1)
内に配置された環状の永久磁石(g)を有し、この永久
磁石(g)により前記シリンダ(c)を継鉄部として磁
界が発生されるようになっている。また、前記凹陥部
(c1)には中心部にて前記ピストン(e)に一体固定
された略逆カップ状のボビン(h)が往復動可能に配設
され、前記凹陥部(c1)内に位置するボビン(h)の
外周部にはドライブコイル(i)が巻き付けられて、該
ドライブコイル(i)が前記永久磁石(g)と対向して
配置されている。また、このドライブコイル(i)の内
側面と永久磁石(g)との間隙及びドライブコイル
(i)の外側面とシリンダ(c)との間隙は、前記磁界
の磁束を十分に確保するために小さく設定されている。
更に、前記ボビン(h)の底面外側(ピストンと反対
側)とケーシング(b)内底面との間にはピストン
(e)を往復動可能に弾性支持するためのコイルばねか
ら成るピストンスプリング(j)が架設されている。
【0004】そして、この冷凍機の駆動時には、ドライ
ブコイル(i)に導線(図示省略)により所定周波数の
交流を通電することで、前記ドライブコイル(i)周囲
に形成された磁界との作用によりドライブコイル(i)
及びボビン(h)を駆動してピストン(e)をシリンダ
(c)内で直線往復移動させ、圧縮室(d)で所定周期
のガス圧を発生させ、この圧縮された冷媒ガスを図示し
ない膨張機に送り込み該膨張機において冷媒ガスを膨張
させることによって寒冷が発生されることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来よりこ
の種の圧縮機(a)にあっては、該圧縮機内各部におい
て熱が発生し、この熱による悪影響が与えられていた。
つまり、この熱の発生源としては、前記冷媒ガスが圧縮
される圧縮室(d)ばかりでなく、前記ボビン(h)の
往復移動に伴ってドライブコイル(i)が出没する空間
(A)(凹陥部(c1)とドライブコイル(i)とで成
される空間)も掲げられる。つまり、この空間(A)内
では、上述した如く、ドライブコイル(i)の内側面と
永久磁石(g)との間隙及びドライブコイル(i)の外
側面とシリンダ(c)との間隙が小さく設定されている
ために、この空間(A)は略密閉された空間となってお
り、このため往復移動するドライブコイル(i)が該空
間(A)内の気体を圧縮するように働くことになりこの
空間(A)でも熱が発生することになる。また、この空
間(A)では本来圧縮仕事が不要であるため、この仕事
分だけ動力損失が発生することになって圧縮機効率の低
下も招いてしまうことになる。更に、ドライブコイル
(i)自身でもジュール熱が発生することになる。
【0006】そして、このように、各所で熱が発生する
ような状態では、永久磁石(g)の配設部分の雰囲気温
度が高くなって該永久磁石(g)の減磁を招いてしまっ
て圧縮機の性能が低下してしまうといった不具合があ
る。また、上記各熱の影響によって圧縮機(a)の各構
成部品が熱膨張し、特に、高いクリアランス精度が要求
されるシリンダ(c)とピストン(e)との間のクリア
ランスが変化してしまってピストン(e)の円滑な往復
動が行えなくなったり圧縮室(d)のガス漏れが発生し
てしまうといった不具合もある。
【0007】本発明は、これらの点に鑑みてなされたも
のであって、圧縮機内の各部において発生する熱による
悪影響の抑制を図ることができるリニアモータ圧縮機を
得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1記載の発明が講じた手段は、圧縮室内の
熱を広範囲に分散可能となるようにした。具体的には、
ケーシング(2)内にシリンダ部材(3)を配設し、該
シリンダ部材(3)を所定間隔を存して配置された外筒
(3a)と内筒(3b)とを備えさせて成し、前記内筒
(3b)の内部に、該シリンダ部材(3)と相対的な往
復動が可能なピストン(5)を挿通させて前記内筒(3
b)とピストン(5)との間に圧縮室(6)を形成し、
前記外筒(3a)と内筒(3b)との間の空間に、前記
シリンダ部材(3)を継鉄部として磁気回路を形成する
磁石(11)を配設させると共に、前記ピストン(5)
に連接されたコイル(12)を、前記磁気回路の磁界内
に位置されるように前記空間内において前記磁石(1
1)と対向して配設させ、前記コイル(12)への通電
によって前記ピストン(5)をシリンダ部材(3)と相
対的に往復動させて前記圧縮室(6)内で流体を圧縮す
るように構成されたリニアモータ圧縮機を前提としてい
る。そして、前記内筒(3b)の外周面に、前記圧縮室
(6)から内筒(3b)に伝達された熱を内筒(3b)
の外周側に放熱する放熱フィン(17)を設けるような
構成としている。
【0009】請求項記載の発明は、ケーシング(2)
内に配設されたシリンダ部材(3)の内部に、往復動可
能なピストン(5)を挿通させて前記シリンダ部材
(3)とピストン(5)との間に圧縮室(6)を形成さ
せ、前記シリンダ部材(3)に、該シリンダ部材(3)
を継鉄部として磁気回路を形成する磁石(11)を配設
すると共に、前記ピストン(5)に連接されたコイル
(12)を、前記磁気回路の磁界内に位置するように前
記磁石(11)と対向して配設させ、前記コイル(1
2)への通電によって前記ピストン(5)をシリンダ部
材(3)の内部で往復動させて前記圧縮室(6)内で流
体を圧縮するように構成されたリニアモータ圧縮機を前
提としている。そして、前記ピストン(5)に、該ピス
トン(5)に連繋されて前記往復動の動力を回転力に変
換する動力変換手段(19a)と該動力変換手段(19
a)に連繋され前記回転力を受けて回転することによっ
てケーシング(2)内に循環風を発生させる送風用ファ
ン(19d)とを備えた送風機構手段(19)を連結す
るような構成としている。
【0010】
【作用】上記の構成により、本発明では以下のような作
用が得られる。請求項1記載の発明では、圧縮機の駆動
時には、コイル(12)への通電によってピストン
(5)をシリンダ部材(3)と相対的に往復動し、これ
によって圧縮室(6)内で流体を圧縮する。この圧縮室
(6)内で発生した熱は、内筒(3b)を熱伝導された
後、放熱フィン(17)によって内筒(3b)の外周側
に放熱されることになり、ケーシング内部全体に熱が分
散されて、磁石(11)の配設部分の雰囲気温度の上昇
が抑制される。
【0011】請求項記載の発明では、ピストン(5)
の往復動に伴って、動力変換手段(19a)がこの往復
動の動力を回転力に変換し、送風用ファン(19d)が
回転されて、これによってケーシング(2)内に循環風
が発生され、この循環風により圧縮機内部の特に発熱量
の多い部分が冷却されることになる。
【0012】
【実施例】(参考例) 次に、参考例を図面に基づいて説明する。図1は本参考
に係るスターリング冷凍機用の圧縮機(1)を示す。
この圧縮機(1)は図示しない従来公知のフリーディス
プレーサ型膨張機と組み合わされて冷凍機を構成する。
圧縮機(1)は円筒状ケーシング(2)を有しており、
このケーシング(2)の内部には、シリンダ部材(3)
が配設されている。このシリンダ部材(3)は、純鉄で
構成され、外筒(3a)と内筒(3b)とがドーナツ状
の連結部(3c)によって連結されて一体形成されて成
っており、この外筒(3a)と内筒(3b)との間にシ
リンダ部材(3)の中心と同心の円筒状の凹陥部(3
d)が形成されている。また、前記外筒(3a)の外周
面は部分的にケーシング(2)の内周面から離されてい
る。また、前記内筒(3b)は本来のシリンダとなる部
分であって、その中心部がピストン挿通孔(4)に形成
されている。そして、このシリンダ内筒(3b)のピス
トン挿通孔(4)には、円柱状の1対のピストン
(5),(5)が図1における上下両側からそれぞれ挿
入され、この両ピストン(5),(5)間でシリンダ内
筒(3b)により囲まれた部分が圧縮室(6)とされて
いる。また、ピストン(5)の外径寸法はシリンダ内筒
(3b)の内径寸法よりも僅かに小径に形成されてお
り、この両者間に例えば10μm程度の小間隙が形成さ
れており、この小間隙が流体シール等によってシールさ
れて圧縮室(6)の気密性を確保するようになってい
る。
【0013】また、このシリンダ部材(3)にはピスト
ン挿通孔(4)から半径方向に延びるガス通路(7)が
形成され、該ガス通路(7)の内端は前記圧縮室(6)
に開口し、該ガス通路(7)には結合配管(8)が挿通
されて該結合配管(8)を介して図外の膨張機に接続さ
れている。
【0014】そして、前記各ピストン(5),(5)
は、該ピストン(5),(5)を往復駆動する駆動源と
してのリニアモータ(10),(10)に駆動連結され
ている。即ち、この各リニアモータ(10)は、永久磁
石(11)とコイル(12)とを備えて成っている。前
記永久磁石(11)は、前記シリンダ部材(3)の内筒
(3b)の外周面に外嵌合された円筒状磁石で成ってい
る。これによって、この永久磁石(11)により純鉄で
なるシリンダ部材(3)を継鉄部として磁気回路が形成
されてその周辺部に所定強度の磁界が形成されるような
構成となっている。また、前記各ピストン(5)は、該
ピストン(5)のシリンダ部材(3)中央と反対側端部
から半径方向外側に延びるフランジ部(5a)を有し、
該フランジ部(5a)の外周には、ピストン(5)と同
心状にシリンダ部材(3)中央側に延び且つ先端部が前
記永久磁石(11)とシリンダ部材(3)の外筒(3
a)との間の間隙に往復動可能に配置された円筒状のボ
ビン(13)が連結されている。そして、このボビン
(13)の外周には、前記永久磁石(11)と対向した
位置に凹陥状のコイル巻付部(13a)が形成されてお
り、このコイル巻付部(13a)に前記コイル(12)
が巻き付けられて、該コイル(12)が前記磁気回路の
磁界内に位置されている。これにより、前記凹陥部(3
d)とコイル(12)とによって前記コイル(12)が
出没する空間(A)が形成されている。また、このコイ
ル(12)の内側面と永久磁石(11)との間隙及びコ
イル(12)の外側面とシリンダ部材の外筒(3a)と
の間隙は、前記磁界を十分に確保するために小さく設定
されている。
【0015】そして、各ピストン(5),(5)の質量
や後述のスプリング(14)のばね定数で決まる固有振
動数に対応した所定周波数(例えば50Hz)の交流電
流を両リニアモータ(10),(10)のコイル(1
2),(12)に同期して通電することにより、両ピス
トン(5),(5)を前記固有振動数で互いに逆方向に
往復動させて、圧縮室(6)で所定周期のガス圧を発生
させるように構成されている。
【0016】そして、前記各ピストン(5),(5)の
背面とケーシング内側面との間には、ピストン(5)を
シリンダ部材(3)内で往復動可能に弾性支持するため
のスプリング(14)が配設されている。また、前記ピ
ストン(5)とボビン(13)とを連結しているフラン
ジ部(5a)には複数の開口(5b)が形成されてお
り、このフランジ部(5a)と内筒(3b)との間に形
成されている空間(B)とその外側のケーシング内部空
間(C)とが連通されている。
【0017】そして、本例の特徴とする構成として、前
記シリンダ部材(3)には連通路としての複数の貫通孔
(15)が該シリンダ部材(3)の周方向に所定の角度
間隔を存した位置に形成されている。以下、この貫通孔
(15)について説明する。この貫通孔(15)は第1
〜第3の貫通孔(15a)〜(15c)で成っている。
第1貫通孔(15a)は、前記シリンダ部材(3)の連
結部(3c)をピストン軸心方向(図1における上下方
向)に貫通して形成されており、図1において上側に位
置する空間(A)と下側に位置する空間(A)とを互い
に連通するように形成されている。第2貫通孔(15
b)は、前記シリンダ部材(3)の内筒(3b)をピス
トン軸心方向(図1における上下方向)に貫通して形成
されており、図1において上側に位置するケーシング内
部空間(C)と下側に位置するケーシング内部空間
(C)とを空間(B)を介して連通するように形成され
ている。そして、第3貫通孔(15c)は、前記シリン
ダ部材(3)の連結部(3c)をピストン軸心に直交す
る方向(図1における水平方向)に形成されており、そ
の内側端が前記第2貫通孔(15b)に開口し、外側端
がシリンダ部材(3)の外周面に開口されており、その
中途部において前記第1貫通孔(15a)に連通するよ
うに形成されている。つまり、これら各貫通孔(15
a),(15b),(15c)は互いに連通された気体
流通路として形成されていることになる。
【0018】次に、本参考例の作動について説明する。
冷凍機の運転開始に伴い、圧縮機(1)における両リニ
アモータ(10),(10)のコイル(12),(1
2)に所定周波数(50Hz)の交流電流が同期して通
電される。この通電に伴い、永久磁石(11)及びシリ
ンダ部材(3)に発生する磁界との作用によりコイル
(12),(12)及びピストン(5),(5)がそれ
ぞれスプリング(14)を変形させながら互いに逆向き
に往復動し、この両ピストン(5),(5)がシリンダ
部材(3)内で互いに同期して進退することで圧縮室
(6)の容積が増減変化し、圧縮室(6)内に所定周期
の圧力波が生じる。この圧縮室(6)は結合配管(8)
を介して膨張機(図示省略)に連通しているため、膨張
機ではディスプレーサが前記圧縮室(6)の圧力波と同
じ周期で往復動してその膨張室でのガスの膨張により寒
冷が生じ、このディスプレーサの往復動の繰返しにより
シリンダ先端のコールドヘッドが極低温レベルに冷却さ
れる。
【0019】そして、この圧縮機(1)の運転時におい
て、コイル(12)が前記シリンダ部材(3)の外筒
(3a)と永久磁石(11)との間で往復動しており、
これによって、前記空間(A)の容積が変化されること
になる。そして、この空間(A)の容積が縮小されるよ
うなピストン(5)の前進移動時には、この空間(A)
内の気体が第1貫通孔(15a)から導出され、この導
出された気体は第3貫通孔(15c)を外側及び内側へ
流されることになる。そして、この第3貫通孔(15
c)を外側へ流れた気体は該第3貫通孔(15c)の外
側端からケーシング内部空間(C)に排出されることに
なる。一方、第3貫通孔(15c)を内側へ流れた気体
は、該第3貫通孔(15c)の内側端から第2貫通孔
(15b)に導入され、この第2貫通孔(15b)の上
下両端から上下夫々の空間(B)を経てケーシング内部
空間(C)に排出されることになる。また、逆に、前記
空間(A)の容積が拡大されるようなピストン(5)の
後退移動時には、上述した気体の流通動作とは逆にケー
シング内部空間(C)の気体が各貫通孔(15a),
(15b),(15c)を経て空間(A)に導入される
ことになる。
【0020】このように、本例の構成によれば、コイル
(12)が出没する空間(A)において該コイル(1
2)が気体を圧縮するようなことを回避することができ
るために、この空間(A)での熱の発生を抑制すること
ができ、また、コイル(12)から発生するジュール熱
を空間(A)から円滑にケーシング内部空間(C)に排
出することによってケーシング内部全体に熱を分散させ
ることができて、永久磁石(11)の配設部分の雰囲気
温度の上昇を抑制でき、永久磁石(11)の減磁が回避
でき圧縮機(1)の性能の向上を図ることができる。ま
た、従来では、この空間(A)での圧縮仕事が動力損失
となっていたが本例の構成ではこれがなくなるので圧縮
機効率の向上を図ることもできる。更には、そればかり
でなく、熱の発生を抑制したことによって圧縮機(1)
の各構成部品の熱膨張が抑制でき、特に、高いクリアラ
ンス精度が要求されるシリンダ部材の内筒(3b)とピ
ストン(5)との間のクリアランスを最適状態に維持す
ることができ、ピストン(5)に円滑な往復動を行わせ
ることができる。
【0021】(第1実施例) 次に、請求項記載の発明に係る第1実施例について説
明する。また、本例に係る圧縮機は基本構造が上述した
参考例の圧縮機と同様であるので、本例では、相違点に
ついてのみ説明するに止める。
【0022】図2に示すように、本例の圧縮機(1)
は、上述した参考例における圧縮機(1)の形成されて
いた貫通孔(15)に代えてシリンダ部材(3)の内筒
(3b)に放熱フィン(17)を形成するようにした構
成としている。詳しくは、前記内筒(3b)の外周面に
おける永久磁石(11)が外嵌合されていない部分の全
体に亘って複数枚の放熱フィン(17)が形成されてい
る。
【0023】このような構成により、本圧縮機(1)の
駆動時には、圧縮室(6)内での冷媒ガスの圧縮動作に
伴って発生する熱は、シリンダ部材(3)の内筒(3
b)を熱伝導されて放熱フィン(17)から空間(A)
に放熱される。つまり、この放熱フィン(17)によっ
て内筒(3b)の放熱性が向上されていることによっ
て、本圧縮機(1)内において特に高温になる圧縮室
(6)内の熱が円滑に空間(A)に放熱され、この空間
(A)から外筒(3a)を経てケーシング内部空間
(C)に放熱されるようになっている。
【0024】従って、本例の構成によっても、ケーシン
グ内部全体に熱を分散させることによって、永久磁石
(11)の配設部分の雰囲気温度の上昇を抑制でき、永
久磁石(11)の減磁が回避でき圧縮機(1)の性能の
向上を図ることができ、また、圧縮機(1)の各構成部
品の熱膨張が抑制できることになる。
【0025】尚、上述した各実施例では、ピストン
(5)がシリンダ部材(3)内で往復運動するように構
成された圧縮機について述べたが、ピストンがケーシン
グに固定され、内部に該ピストンを配置してピストンに
対して往復動可能とされた可動シリンダを備えて構成さ
れた圧縮機に採用するようにしてもよい。
【0026】(第2実施例) 次に、請求項記載の発明に係る第2実施例について説
明する。本例では図3に示すようなピストン(5)を1
つのみ備えたシングルタイプのリニアモータ圧縮機
(1)を例に掲げて説明する。このシングルタイプのリ
ニアモータ圧縮機(1)にあっても基本構成は上述した
各実施例の圧縮機と同様であるので、本例では、特に相
違点について説明する。
【0027】図3の如く、本例の圧縮機(1)は、ケー
シング内部空間(C)が仕切板(18)によって2分割
されており、図3における下側空間(C1)に上述した
各実施例と同様の構成で成る圧縮機構部(1a)が配設
されており、上側空間(C2)に本例の特徴とする構成
として請求項記載の発明でいう送風機構手段としての
送風機構部(19)が配設されている。また、前記仕切
板(18)は、その中央部にロッド挿通孔(18a)
が、外周部に複数の送風孔(18b),(18b)が夫
々形成されている。そして、前記送風機構部(19)の
構成としては、仕切板(18)の上面に動力変換手段と
してのヘリコイド機構部(19a)が取付けられてお
り、このヘリコイド機構部(19a)にピストン(5)
の背面から上方に延びるロッド(19b)が連繋されて
いる。また、前記ヘリコイド機構部(19a)の上端に
は回転軸(19c)に支持された送風用ファン(19
d)が取付けられており、前記ピストン(5)の往復動
に伴い、ヘリコイド機構部(19a)によって、この往
復動が回転軸(19c)の回転力に変換され、送風用フ
ァン(19d)が回転されて図3における上方への送風
が行われるようになっている。尚、このヘリコイド機構
部(19a)は、ラチェット機構を備えており、送風用
ファン(19d)を一方向にのみ回転させるようになっ
ている。例えば、ピストン(5)が後退移動する際のロ
ッド(19b)の上昇時にのみその動力を回転軸(19
c)の回転運動に変換するようになっている。また、こ
の送風用ファン(19d)の配設位置周辺から前記仕切
板(18)の送風孔(18b)に亘って送風用ダクト
(19e)が配設されており、送風用ファン(19d)
によって発生された送風がこの送風用ダクト(19e)
及び送風孔(18b)を経てケーシング内部空間(C)
の下側空間(C1)に送給されるようになっている。
【0028】従って、本例の圧縮機(1)の駆動時に
は、ピストン(5)の往復動に伴って、送風用ファン
(19d)が回転し、この回転によって発生された送風
は送風用ダクト(19e)を経てケーシング(2)の下
側空間(C1)に送給されることになり、この送風によ
り圧縮機構部(1a)全体が冷却されることになる。つ
まり、圧縮機の駆動力を有効に利用して該圧縮機(1)
の冷却を行うことができることになり、この場合にも、
永久磁石(11)の配設部分の雰囲気温度の上昇を抑制
でき、永久磁石(11)の減磁が回避でき圧縮機(1)
の性能の向上を図ることができ、また、圧縮機(1)の
各構成部品の熱膨張が抑制できることになる。
【0029】尚、上述した各実施例では、シリンダ部材
(3)とピストン(5)との間に小間隙を存するように
設定した非接触タイプの圧縮機について述べたが、本発
明は、これに限らず、シリンダとピストンとの間に小間
隙が形成されない接触タイプの圧縮機に適用するように
してもよい。更に、上述した各実施例の構成を1つの圧
縮機内に共存させ、より高い冷却性能を発揮させるよう
にしてもよい。
【0030】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、以下に述べるような効果が発揮される。請求項1記
載の発明によれば、内筒(3b)の外周面に、圧縮室
(6)から内筒(3b)に伝達された熱を内筒(3b)
の外周側に放熱する放熱フィン(17)を設けるような
構成とし、圧縮室(6)内で発生した熱が、内筒(3
b)を熱伝導された後、放熱フィン(17)によって内
筒(3b)の外周側に放熱されるようにしたために、ケ
ーシング内部全体に熱が分散されるので、磁石(11)
の配設部分の雰囲気温度の上昇が抑制でき、磁石(1
1)の減磁が回避できて圧縮機の性能の向上を図ること
ができ、また、圧縮機の各構成部品の熱膨張を抑制する
こともできる。
【0031】請求項記載の発明によれば、ピストン
(5)に、該ピストン(5)に連繋されてピストン
(5)の往復動の動力を回転力に変換する動力変換手段
(19a)と該動力変換手段(19a)に連繋され前記
回転力を受けて回転することによってケーシング(2)
内に循環風を発生させる送風用ファン(19d)とを備
えた送風機構手段(19)を連結するような構成とし
て、ピストン(5)の往復動に伴って、送風用ファン
(19d)を回転させて、ケーシング(2)内に循環風
を発生させるようにして、この循環風により圧縮機内部
の特に発熱量の多い部分を冷却することができるように
したために、圧縮機の駆動力を有効に利用して磁石(1
1)の配設部分の雰囲気温度の上昇を抑制でき、磁石
(11)の減磁が回避でき圧縮機の性能の向上を図るこ
とができ、また、圧縮機の各構成部品の熱膨張を抑制す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例におけるリニアモータ圧縮機の縦断側面
図である。
【図2】第1実施例における図1相当図である。
【図3】第2実施例における図1相当図である。
【図4】従来のリニアモータ圧縮機を示す図1相当図で
ある。
【符号の説明】
(1) リニアモータ圧縮機 (2) ケーシング (3) シリンダ部材 (3a) 外筒 (3b) 内筒 (3d) 凹陥部 (5) ピストン (6) 圧縮機 (11) 永久磁石 (12) コイル (15) 貫通孔(連通路) (17) 放熱フィン (19) 送風機構部 (19a) ヘリコイド機構部(動力変換手段) (19d) 送風用ファン (A) 空間 (C) ケーシング内部空間
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−121464(JP,A) 特開 昭50−37011(JP,A) 特開 平4−359761(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25B 9/14 520

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシング(2)内にシリンダ部材
    (3)が配設され、該シリンダ部材(3)は所定間隔を
    存して配置された外筒(3a)と内筒(3b)とを備え
    ており、前記内筒(3b)の内部に、該シリンダ部材
    (3)と相対的な往復動が可能なピストン(5)が挿通
    されて前記内筒(3b)とピストン(5)との間に圧縮
    室(6)が形成されており、前記外筒(3a)と内筒
    (3b)との間の空間に、前記シリンダ部材(3)を継
    鉄部として磁気回路を形成する磁石(11)が配設され
    ていると共に、前記ピストン(5)に連接されたコイル
    (12)が、前記磁気回路の磁界内に位置されるように
    前記空間内において前記磁石(11)と対向して配設さ
    れており、前記コイル(12)への通電によって前記ピ
    ストン(5)をシリンダ部材(3)と相対的に往復動さ
    せ、これによって前記圧縮室(6)内で流体を圧縮する
    ように構成されたリニアモータ圧縮機において、前記内
    筒(3b)の外周面には、前記圧縮室(6)から内筒
    (3b)に伝達された熱を内筒(3b)の外周側に放熱
    する放熱フィン(17)が設けられていることを特徴と
    するリニアモータ圧縮機。
  2. 【請求項2】 ケーシング(2)内に配設されたシリン
    ダ部材(3)の内部に、往復動可能なピストン(5)が
    挿通されて前記シリンダ部材(3)とピストン(5)と
    の間に圧縮室(6)が形成されており、前記シリンダ部
    材(3)に、該シリンダ部材(3)を継鉄部として磁気
    回路を形成する磁石(11)が配設されていると共に、
    前記ピストン(5)に連接されたコイル(12)が、前
    記磁気回路の磁界内に位置されるように前記磁石(1
    1)と対向して配設されており、前記コイル(12)へ
    の通電によって前記ピストン(5)をシリンダ部材
    (3)の内部で往復動させ、これによって前記圧縮室
    (6)内で流体を圧縮するように構成されたリニアモー
    タ圧縮機において、前記ピストン(5)には、該ピスト
    ン(5)に連繋されて前記往復動の動力を回転力に変換
    する動力変換手段(19a)と該動力変換手段(19
    a)に連繋され前記回転力を受けて回転することによっ
    てケーシング(2)内に循環風を発生させる送風用ファ
    ン(19d)とを備えた送風機構手段(19)が連結さ
    れていることを特徴とするリニアモータ圧縮機。
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